JP4193008B2 - リチウム二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウム二次電池に係り、特に放電容量、出力密度が大であってサイクル特性に優れたリチウム二次電池用負極に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池の負極として、従来よりリチウム金属及びリチウム合金が用いられてきたが、これらの電池は、樹脂状リチウムの析出(デンドライト)による正負両極の短絡やサイクル寿命が短く、そのためその劣化分を補償すべく電池容量の3倍当量のリチウムが必要であり、エネルギー密度が低いという欠点があった。最近ではこれらの問題点を解決するため炭素粒子を負極に用いる研究が活発である。この種の負極、特に黒鉛化の進んだグラファイトを用いる場合、例えば正極にコバルト酸リチウムを用いると、電池電圧がフラットなものになり、単電池使用の携帯機器に用いる場合容量面で優位性がある。しかしながら、このグラファイトを用いてハイレート充電を行うと、充電時のドープ電圧が0V付近となり、リチウムの析出との競争反応となってしまう。そのため、例えば特開平5−299073号での構成は、芯を形成する高結晶炭素粒子の表面をVIII族の金属元素を含む膜で被覆し、さらにその上を炭素が被覆することよりなる炭素複合体を電極材料としており、これによって表面の乱層構造を有する炭素粒子がリチウムのインターカレーションを助けると同時に、電極の表面積が大きいために充放電容量および充放電速度が著しく向上したとしている。しかし、負極炭素粒子の炭素の不可逆容量が増加し、その結果エネルギー密度が未だ十分とはいえなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した如く、炭素粒子及び複合材を負極として用いた場合、炭素の不可逆容量の増加や電極製造の難しさという問題がある。本発明は、この問題点を解決するため、負極活物質における主構成物質に、カルシウム化合物を付着保持した炭素粒子を用いることにより、急速充放電時においても高容量、高エネルギー密度で、不可逆容量の少ない充放電サイクル特性の優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、負極活物質の主構成物質に、カルシウムとフッ素の化合物を付着保持した炭素粒子を用いることを特徴とするリチウム二次電池である。また、本発明は、前記負極活物質である炭素粒子は、X線回折法による面間隔(d002)が3.354〜3.369Åで、C軸方向の結晶の大きさ(Lc)が200Å以上であることを特徴とするリチウム二次電池である。
負極活物質として炭素を考えた場合、炭素粒子へのリチウムの吸蔵、放出(インターカレーション、デインターカレーション)が主に起こる反応だが、その反応を支配する因子の一つとして、電解液と炭素表面の間に生じる被膜状態が関与していることがわかった。例えば、リチウム金属を負極活物質にした場合で代表されるように、緻密でイオン導伝性の高い被膜はその電池特性も優れており、逆に厚くイオン伝導性の低い被膜はレート特性や、サイクル特性が悪いことが知られている。その場合、前者は炭酸リチウムや酸化リチウム等の被膜であり、後者はフッ化リチウム等の被膜であることが報告されている。これと同じことが炭素表面に生じる被膜についても考えられる。つまり、炭素粒子のレート特性を阻害する要因の一つとして、炭素粒子の表面にフッ化リチウム等のイオン伝導度の低い被膜の形成があげられる。本発明者らは、この被膜についての問題点を解決するため種々検討した結果、負極表面にカルシウム化合物を付着保持させることにより電解液中に存在するフッ素アニオンが電解液と炭素粒子の界面へ来ることを抑制することを見い出した。
【0005】
炭素粒子に付着保持させるカルシウム化合物としては、カルシウムと化合するものとして、例えばハロゲン化物、酸化物、硫酸塩、硝酸塩等があげられ、好ましくは、ハロゲン化物、酸化物等の無水物であり、さらに好ましくはハロゲン化物である。ハロゲン化物の中でも最も好ましくはフッ化物であり、CaF2 やCaF3 があげられる。カルシウム化合物の付着保持方法としては、カルシウム化合物を蒸着法、スパッタリング法、湿式還元法、電気化学的還元法、気相還元ガス処理法、レーザーアブレーション等により表面に付着保持させた後、化学的、電気化学的に処理する方法や、カルシウム化合物自身をメカノフュウジョン等により付着保持させること等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0006】
付着保持させるカルシウム化合物の量については、30wt%以下、好ましくは10wt%以下である。さらに、付着保持されたカルシウム化合物の粒径は1μm以下が望ましい。
【0007】
カルシウム化合物を付着保持させる炭素粒子は、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素粒子であればよく、特にX線回折法による面間隔(d002)が3. 354〜3. 369Åで、C軸方向の結晶の大きさ(Lc)が200Å以上である炭素粒子は、高容量が得られるため好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる炭素粒子は、平均粒子サイズ100μm以下であることが望ましい。所定の形状を得る上で、粉体を得るためには粉砕機や分級機が用いられる。例えば乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミルや篩等が用いられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、特に限定はなく、篩や風力分級機などが乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
【0009】
本発明に併せて用いることができる負極材料としては、リチウム金属、リチウム合金などや、カルコゲン化合物、メチルリチウム等のリチウムを含有する有機化合物等が挙げられる。また、リチウム金属やリチウム合金、リチウムを含有する有機化合物を併用することによって、本発明に用いる炭素粒子にあらかじめリチウムを挿入することも可能である。
【0010】
本発明のカルシウム化合物を付着保持した炭素粒子を用いる場合、電極合剤として導電剤や結着剤やフィラー等を添加することができる。導電剤としては、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば何でも良い。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人造黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウイスカー、炭素繊維や金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)粉、金属繊維、導電性セラミックス材料等の導電性材料を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。これらの中で、アセチレンブラックとケッチェンブラックの併用が望ましい。その添加量は1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。
【0011】
本発明のカルシウム化合物を付着保持した炭素粒子を用いる場合、その粉体の少なくとも表面層部分をカルシウム化合物以外の物で修飾することも可能である。例えば、金、銀、カーボン、ニッケル、銅等の電子伝導性のよい物質や、炭酸リチウム、ホウ素ガラス、固体電解質等のイオン伝導性のよい物質をメッキ、焼結、メカノフュージョン、蒸着等の技術を応用してコートすることが挙げられる。
【0012】
結着剤としては、通常、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、カルボキシメチルセルロース等といった熱可塑性樹枝、ゴム弾性を有するポリマー、多糖類等を1種または2種以上の混合物として用いることができる。また、多糖類の様にリチウムと反応する官能機を有する結着剤は、例えばメチル化するなどしてその官能基を失活させておくことが望ましい。その添加量としては、1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。
【0013】
フィラーとしては、電池性能に悪影響を及ぼさない材料であれば何でも良い。通常、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、アエロジル、ゼオライト、ガラス、炭素等が用いられる。フィラーの添加量は0〜30重量%が好ましい。
【0014】
電極活物質の集電体としては、構成された電池において悪影響を及ぼさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、正極用集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス等の他に、接着性、導電性、耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅等の表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を用いることができる。負極用集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金等の他に、接着性、導電性、耐酸化性向上の目的で、銅等の表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀等で処理した物を用いることができる。これらの材料については表面を酸化処理することも可能である。これらの形状については、フォイル状の他、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされた物、ラス体、多孔質体、発砲体、繊維群の形成体等が用いられる。厚みは特に限定はないが、1〜500μmのものが用いられる。
【0015】
この様にしてカルシウム化合物を付着保持した炭素粒子を負極活物質における主構成物質にした負極を得ることが出来る。一方、正極活物質としては、MnO2 ,MoO3 ,V2 O5 ,Lix CoO2 ,Lix NiO2 ,Lix Mn2 O4 等の金属酸化物や、TiS2 ,MoS2 ,NbSe3 等の金属カルコゲン化物、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリアニリン等のグラファイト層間化合物、及び導電性高分子等のアルカリ金属イオンや、アニオンを吸放出可能な各種の物質を利用することができる。
【0016】
特に本発明のカルシウム化合物を付着保持した炭素粒子を負極活物質として用いる場合、高エネルギー密度という観点からV2 O5 ,MnO2 ,Lix CoO2 ,Lix NiO2 ,Lix Mn2 O4 等の3〜4Vの電極電位を有するものが望ましい。特にLix CoO2 ,Lix NiO2 ,Lix Mn2 O4 等のリチウム含有遷移金属酸化物が好ましい。
【0017】
また、電解質としては、例えば有機電解液、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等をもちいることができ、この中でも有機電解液を用いることが好ましい。この有機電解液の有機溶媒として、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類や、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の置換テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド等が挙げられ、これらを単独又は混合溶媒として用いることができる。また、支持電解質塩としては、LiClO4 、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiCF3 SO3 、LiN(CF3 SO2 )2 等が挙げられる。一方、高分子固体電解質としては、上記のような支持電解質塩をポリエチレンオキシドやその架橋体、ポリフォスファゼンやその架橋体等といったポリマーの中に溶かし込んだ物を用いることができる。さらに、Li3 N,LiI等の無機固体電解質も使用可能である。つまり、リチウムイオン導伝性の非水電解質であればよい。
【0018】
セパレーターとしては、イオンの透過度が優れ、機械的強度のある絶縁性薄膜を用いることができる。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレンやポリエチレンといったオレフィン系のポリマー、ガラス繊維、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等からつくられたシート、微孔膜、不織布が用いられる。セパレーターの孔径は、一般に電池に用いられる範囲のものであり、例えば0.01〜10μmである。また、その厚みについても同様で、一般に電池に用いられる範囲のものであり、例えば5〜300μmである。
【0019】
充放電特性、特にレート特性が向上する理由として、必ずしも明確ではないが以下のように考察される。一般的に、電池内部において、電池の充放電に関与しない種々の不純物を含んでいることが多い。例えばLiPF6 を電解質に用いる場合、塩そのものが不純物を持ち込んだり、電池内部や溶媒中に含まれる極微量の水と反応することでHF(フッ酸)を生じることが考えられる。リチウム吸蔵の際に炭素粒子表面では、電解液と炭素粒子の間に炭酸リチウムのようなイオン伝導性の高い被膜を形成するが、この被膜形成時あるいは形成後にフッ酸の様な酸が存在すると、イオン伝導性の低いハロゲン化リチウムを生じる。炭素粒子と電解液の界面に生じたハロゲン化リチウムは、リチウムの吸蔵放出を妨げ、その結果負極のレート特性を低減する原因の一つと考えられる。そこで、炭素粒子と電解液の界面にフッ酸を寄せ付けなくすることで、この問題が解決できるのではないかと考え、炭素粒子にカルシウム化合物を付着保持させることを試みた。その結果、ハロゲンアニオン、特にフッ素アニオンを自ら吸蔵し、あるいはそのカルシウムフッ素化合物がそのイオン効果により、炭素粒子と電解液界面にフッ酸を寄せ付けなくすることを期待したところ、負極のレート特性向上が確認されたため、本発明に至った。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
【0021】
(実施例1)
人造黒鉛(粒径6μm)を炭酸カルシウムをフッ化水素酸に溶解させた水溶液に浸し、これを濃縮した後に110℃で乾燥し、さらに200℃で16時間真空乾燥をした。得られた粉末Aのカルシウム化合物の付着保持量は、化学分析によれば、仕込み量組成の10.0重量%に対して、8.5重量%の付着保持量であった。また、蛍光X線回折によりカルシウム化合物の存在状態を調べたところ、カルシウム由来のピークパターンが検出された。次にエネルギー分散型電子プローブマイクロアナリシス(EPMA)によりカルシウム化合物の分散状態を観察したところ、カルシウム化合物は人造黒鉛の全面に分布しており、人造粒子の端面部に若干濃縮していた。さらに透過型電子顕微鏡でカルシウム化合物粒子の大きさを観察したところ、数100Åの粒子がほぼ均一に分散していた。
【0022】
(実施例2)
上記実施例1で得られた粉末Aを負極活物質として用い、次のようにして図1に示すコイン型非水電解質電池を試作した。負極活物質とポリテトラフルオロエチレン粉末とを重量比95:5で混合し、トルエンを加えて十分混練した。これをローラープレスにより厚み0.1mmのシート状に成形した。次にこれを直径16mmの円形に打ち抜き、減圧下200℃で15時間乾燥して負極2を得た。負極2は負極集電体7の付いた負極缶5に圧着して用いた。
【0023】
正極1は、正極活物質としてLiCoO2 とアセチレンブラック及びポリテトラフルオロエチレン粉末とを重量比85:10:5で混合し、トルエンを加えて十分混練した。これをローラープレスにより厚み0.8mmのシート状に成形した。次にこれを直径16mmの円形に打ち抜き、減圧下200℃で15時間乾燥し正極1を得た。正極1は正極集電体6の付いた正極缶4に圧着して用いた。 エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比1:1の混合溶剤にLiPF6 を1mol/l溶解した電解液を用い、セパレータ3にはポリプロピレン製微多孔膜を用いた。上記正極、負極、電解液及びセパレータを用いて直径20mm、厚さ1.6mmのコイン型リチウム電池を作製した。この粉末Aを用いた電池を電池(A)とする。
【0024】
(比較例)
負極活物質として粉末Aの代わりに、人造黒鉛(粒径6μm)である粉末Bをを用い、それ以外は実施例2と同様にして電池を作製した。得られた電池を比較電池(B)とする。
【0025】
これらの電池(A)、(B)を用いて充放電試験を行なった。充放電速度は炭素1g当たり100mAと200mA、充放電の上下限電位は、それぞれ1.0Vと0.01Vとした。得られた5サイクル目の放電容量の結果を金属を表1に示した。
【0026】
【表1】
【0027】
粉末Aと粉末Bを用いた電池(A)と比較電池(B)を比較してみると、充放電速度が炭素1g当たり100mAの場合、その放電容量に差が見られないものの、充放電速度が炭素1g当たり200mAの場合、粉末Aを用いた本発明電池(A)の方が比較電池(B)に比べ放電容量が大きいことがわかる。これらの現象についてその理由は定かではないものの、負極活物質における主構成物質にカルシウム化合物を付着保持した炭素粒子を用いる場合において、電解液、特にその溶質と材料表面の間で起こる界面の状態が関与していると考えられる。即ち、従来用いられてきたカルシウム化合物を付着保持していない炭素粒子である粉末Bの場合、リチウムの吸蔵放出等で生じるカーボン表面の被膜が、電池内部に微量に存在するハロゲン化水素と反応することでハロゲン化リチウムを生じ、イオン電導度の低下により急速充放電特性が低下したと考えられる。一方、負極活物質における主構成物質にカルシウム化合物を付着保持した炭素粒子である粉末Aの場合、電池内部に微量に存在するハロゲン化水素を炭素粒子と電解液の界面に到着する前に捕捉したり、ハロゲン化物のイオン効果により、ハロゲン化水素から炭素粒子の被膜を保護するような働きがあることが考えられる。
【0028】
さらに、電池(A)、比較電池(B)の初期充放電効率を比較してみると、ほとんど差が見られなかったことから、炭素粒子と電解液の界面で起こる反応を増やすことなく、イオン伝導度の低下のみを抑制することができたと考えられる。
上記実施例においては、負極活物質における主構成物質にフッ化カルシウムを付着保持した炭素粒子について挙げたが、同様の効果が他のカルシウム化合物についても確認された。更に、リチウム二次電池の内部にカルシウム化合物を添加した場合にも、同様の効果が見られた。なお、本発明は上記実施例に記載された活物質の出発原料、製造方法、正極、負極、電解質、セパレータ及び電池形状などに限定されるものではない。
【0029】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成されているので、負極活物質界面でのイオン伝導度の低下が少なく、その結果急速充放電特性が向上し、サイクル特性も向上する。また、その処理が簡単で安価であることから、負極材料の優れた改質の方法であり、その結果得られる電池は、急速充放電においても高容量、高エネルギー密度で、不可逆容量の少ない優れた充放電サイクル特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るコイン型非水電解質電池の断面図である。
【符号の説明】
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 正極缶
5 負極缶
6 正極集電体
7 負極集電体
Claims (2)
- 負極活物質の主構成物質に、カルシウムとフッ素の化合物を付着保持した炭素粒子を用いることを特徴とするリチウム二次電池。
- 前記負極活物質である炭素粒子は、X線回折法による面間隔(d002)が3.354〜3.369Åで、C軸方向の結晶の大きさ(Lc)が200Å以上であることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池。
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