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JP4192742B2 - 発光装置 - Google Patents

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JP4192742B2 JP2003342707A JP2003342707A JP4192742B2 JP 4192742 B2 JP4192742 B2 JP 4192742B2 JP 2003342707 A JP2003342707 A JP 2003342707A JP 2003342707 A JP2003342707 A JP 2003342707A JP 4192742 B2 JP4192742 B2 JP 4192742B2
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Description

本発明は、発光装置に関し、特に、発光素子の高出力化に対して、耐熱性、及び放熱性の向上を可能にした発光装置に関する。
近年、高出力のLED(Light-Emitting Diode:発光ダイオード)の開発が進められており、すでに数ワットの大出力タイプも製品化されている。LEDは発熱の少ないことが特徴であるが、高出力(高輝度)タイプのLED素子は大電流が流れるため、無視できないレベルの発熱が生じる。
従来、LED素子には高出力型がなく、従って特に放熱対策はとられておらず、リード部分から放熱させることで済んでいた。そして、発熱が問題になる場合には、LED素子を搭載している部材の下面に銅製の放熱板を取り付けるなどの対策が取られていた(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1のLEDパッケージでは、ヒートシンクとなるスラグがインサートモールドされると共に成形された埋め込みプラスチック材料を有するリードフレームに挿入される。スラグには、熱伝導性に優れる副基台を介して発光ダイオードダイ(LEDダイ)が直接的又は間接的に取り付けられ、LEDダイにはLEDが実装される。LED及び発光ダイオードダイとリードフレームとの間は、ワイヤによって接続される。
このような構成にすることで、LEDダイはスラグに熱的に結合されているため、LEDダイは従来のパッケージよりも低い接合温度に維持される。温度が低くなることで、初期特性としての発光出力低下を抑えることができ、また、大電力動作における信頼性及び良好な特性を維持することができる。
特開2000−150967号([0008]、図2)
しかし、従来の発光装置によると、LEDダイ封止は、プラスチック材料であり、光や熱によって劣化が生じる。また、点灯時の熱影響により断線が生じる。さらに、リードやスラグ等は、インサートモールドされたプラスチック材料で保持されており、レンズもプラスチック材料である。これらは、鉛フリー半田対応のリフロー炉に対する耐熱はない。即ち、シリコーンは、エポキシ樹脂より光や熱により劣化は生じにくいが、シリコーンの硬化材は劣化要因となる。尚、屈折率がやや低くLEDダイからの光取り出し効率がやや劣るという問題もある。また、プラスチック材料は、スラグ材である金属やLEDダイに対し、はるかに大きな熱膨張率である。LEDダイの封止材料は柔らかい材料であるもののLEDダイの発熱により電極接点へのストレスを生じさせるものとなる。
さらに、およそ300℃での熱処理に対し、インサートモールドされたプラスチック材料では、軟化して変形が生じる。
従って、本発明の目的は、発光素子の高出力化に対して、耐熱性、耐久性を向上し、かつ、高放熱性を可能にした発光装置を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成するため、発光素子と、前記発光素子が搭載されると共に前記発光素子と給電側との接続を電極又は配線層を介して行うサブマウントと、前記サブマウントが搭載されると共に前記サブマウントを通して伝熱される前記発光素子の熱を放熱する金属ベース部と、先端部が前記サブマウントの両端の平面上に載置及び接続されることにより前記発光素子に電気的に接続されると共に、先端部以外の部分が前記金属ベース部に絶縁状態にして配設される一対のリード部と、前記発光素子及び前記サブマウントを覆うようにして前記金属ベースに接着されるとともに所定の形状に形成されるガラス封止部とを備え、前記サブマウントは段差部を有し、前記リードは前記段差部に固定されていることを特徴とする発光装置を提供する。
前記リード部は、前記先端部以外の前記金属ベース部上に介在する部分が前記ガラス封止部によって絶縁されていることが好ましい。
前記発光素子は、複数からなり、同一発光色による複数のグループ、又は複数の発光色のグループに別けて給電が行われるようにしても良い。
前記サブマウントは、前記一対のリード部の前記先端部を埋設できる深さの溝が形成されていることが好ましい。
また、本発明は、上記の目的を達成するため、フェイスダウン型の発光素子と、前記発光素子が搭載されると共に前記発光素子と給電側との接続を電極又は配線層を介して行うサブマウントと、前記サブマウントが搭載されると共に前記サブマウントを通して伝熱される前記発光素子の熱を放熱する金属ベース部と、先端部が前記サブマウントの両端の平面上に載置及び接続されることにより前記発光素子に電気的に接続されると共に、先端部以外の部分が前記金属ベース部に絶縁状態にして配設される一対のリード部と、前記一対のリード部に非接触にして前記金属ベース部に重ね合わされると共に、中心部にすり鉢形の反射面が形成された金属反射鏡と、一部又は全部がレンズを成すようにして前記すり鉢形の反射面内に配設されるガラス部材とを備え、前記サブマウントは段差部を有し、前記リードは前記段差部に固定されていることを特徴とする発光装置を提供する。
前記ガラス部材は、前記発光素子からの光を前方及び側面方向に集光させる構造のレンズ、又は、前記発光素子の同軸上にレンズ部が形成され且つ前記すり鉢形の反射面内を満たす状態に封止されたガラス封止部であっても良い。
前記一対のリード部は、前記金属ベース部と前記反射鏡部とに挟まれる部分の周囲が前記ガラス封止部とは異なるガラス材によって絶縁されていることが好ましい。
前記金属ベース部及び前記反射鏡部は、前記一対のリード部が配設される部分に、前記一対のリード部に接触しない幅を有する切り通し部が形成され、前記一対のリード部と前記金属ベース部との間に前記ガラス封止部とは異なるガラス材が配設されていることが好ましい。
また、本発明は、上記の目的を達成するため、フェイスアップ型の発光素子と、前記発光素子が搭載される凸部を有すると共に前記発光素子からの熱を放熱する金属ベース部と、前記金属ベース部に絶縁させた状態で前記金属ベース部の上部に配設され、先端部が前記発光素子の給電部分にワイヤを介して接続される一対のリード部と、前記発光素子及び前記一対のリード部の先端部を覆うようにして前記金属ベースに接着されるとともに所定の形状に形成されるガラス封止部とを備えることを特徴とする発光装置を提供する。
本発明の発光装置によれば、発光素子の熱はサブマウントを介して或いは直接的に金属ベース部に伝熱され、金属ベース部によって放熱が行われるため、発光素子の温度上昇を抑え発光素子の電気・光学的特性を安定させるとともに、信頼性の高いものとできる。また、ガラス材料によって発光素子を封止するとともに、金属ベース部との接着を行っているのでクラックや剥離が生じにくくなる。更に、耐熱性部材によって構成されているので、耐熱性が向上し、鉛フリー半田対応のリフロー炉での熱処理にも耐えることができる。
また、本発明の他の発光装置によれば、発光素子の熱がサブマウントを介して金属ベース部に伝熱され、更に金属反射鏡に伝熱されるため、発光素子の熱は金属ベース部と金属反射鏡によって効果的に放熱され、発光素子の温度上昇を抑え発光素子の電気・光学的特性を安定させるとともに、信頼性の高いものとできる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図である。以下に示すリード部は、リードフレームの一部として形成されている。通常、リードフレームには両側に各リード部のアウター側を連結している帯状部が設けられているが、ここでは図示を省略している。また、リードフレーム上には、通常、複数のLED素子(発光素子)が実装されるが、ここでは1個のみを図示している。
発光装置1は、放熱器としての銅材(熱伝導率:400W・m-1・k-1、熱膨張率:17×10-6/℃)からなる金属ベース部11と、この金属ベース部11の上面の中央部に搭載されるサブマウント12と、このサブマウント12上に搭載されるLED素子13と、サブマウント12の両側の段差面上に先端部が突き合わせられるリード部14a,14bと、金属ベース部11、サブマウント12、及びLED素子13の露出面のほかリード部14a,14bの先端部を覆うように透光性のガラス(熱膨張率:11.4×10-6/℃で封止されたガラス封止部15とを備えて構成されている。発光装置1は、全体として短い砲弾型の外形を有している。
金属ベース部11は、銅、アルミニウム等の熱伝導性に優れる金属が用いられ、LED素子13の消費電力等に応じて十分な放熱効果が得られるだけの厚さ及びサイズを有している。
サブマウント12は、例えば高熱伝導のAlN(窒化アルミニウム(熱伝導率:180W・m-1・k-1))が用いられ、内部には必要に応じて素子破壊防止用のツェナーダイオード等が設けられている。サブマウント12は四角形で段差を有する外形を有し、その最上面にはLED素子13が搭載され、下段の両側の上面にリード部14a,14bの先端部が載置及び固定される。サブマウント12は、上面及び側面に電極(いずれも図示せず)を有し、両者は配線パターンや内部に形成されたスルーホールを介して接続されているが、ここでは、その図示を省略している。
LED素子13は、GaN、AlInGaP等の材料を用いて作られた高出力型であり、下面にはサブマウント12の導電部との接続に用いられる半田バンプ又は電極が設けられている。LED素子13のチップサイズは、0.3×0.3mm(標準サイズ)、1×1mm(ラージサイズ)等である。そして、LED素子13は、電極又はバンプを接続要素とするフリップチップ(FC)型(ここでは、素子下面の接続部の図示は省略している。)である。
リード部14a,14bは、リードフレームの一部として加工されており、ガラス封止部15の封止が終了した後にリードフレームの帯部から分離切断される。ガラス封止部15には、透光性及び低融点を有するガラス材を用いられるが、リード部14a,14b及び金属ベース部11の熱膨張率と同等の熱膨張率特性を有するものを用いる。例えば、金属ベース部11及びサブマウント12は、100W・m-1・k-1以上の熱伝導率である。金属ベース部11とガラス封止部15の熱膨張率を同等にすることで、ガラス封止部15にクラックが発生するのを防止することができる。
尚、同等の熱膨張率では、金属の塑性によりセラミックスとの接合と比較すれば、熱膨張率差が大きくても接合を行うことができ、その範囲は軟金属の方が広くなるが、その比が0.57〜1.75程度を意味する。
図2は、サブマウント12の詳細構造を示す斜視図である。サブマウント12は、LED素子13が搭載される中心部に対して、両側がカットされ、段差面12a,12bが形成されている。この段差面12a,12bにはリード部14a,14bの先端部が埋まる深さ及び幅の溝が形成されている。そして、溝の底面又は側面には、リード部14a,14bに接触する電極又は配線パターンが形成されている。このように、サブマウント12に溝が形成されていることにより、リード部14a,14bの位置決めが正確に行われ、金属ベース部11の上面に対する高さが規定されるため、金属ベース部11との接触を防止することができる。
次に、発光装置1の組み立てについて説明する。
まず、金属ベース部11の中心部にサブマウント12を搭載し、接着剤等により固定する。次に、リード部14a,14bの幅及び金属ベース部11に対面する部分の長さ相当のガラス片を金属ベース部11のリード部14a,14bの敷設位置に載置する。次に、ガラス片上にリード部14a,14bを載置し、かつ先端部がサブマウント12の段差面12a,12b上に載るようにし、熱雰囲気に晒して相互の接触面を熱融着する。
次に、サブマウント12の最上面にLED素子13を搭載し、リフローを行うことにより、サブマウント12の電極又は配線層と、LED素子13のバンプ又は電極との半田接続及び固定を行う。最後に、金属ベース部11の上面全ての露出面を覆うように、かつガラス片と融合するようにガラス封止部15が封止される。ガラス封止部15は、上部が凸レンズを形成するように砲弾型に形成される。以上により、発光装置1が完成する。
例えば、リード部14aがLED素子13のアノード側に接続されているとすると、リード部14aに直流電源(図示せず)のプラス側が接続され、リード部14bにはマイナス側が接続される。電源供給に伴い、電流は、リード部14a→サブマウント12→LED素子14→サブマウント12→リード部14bの経路で流れることにより、LED素子13が発光する。LED素子13の上面から出た光はガラス封止部15内を通過して外部へ出光する。
図3は、サブマウントの他の構成例を示す図である。(ここでは、LED素子搭載面のみを示し、リード部の搭載面は図示を省略している。)。図3において、(a)はサブマウントの平面図、(b)は回路図である。図1においては、搭載されるLED素子が1個である構成としたが、複数個にすることもできる。
図3においては、9個のLED素子(D1〜D9)を搭載した状態を示している。なお、LED素子の搭載個数が多くなるにつれて、サブマウント最上面の搭載部面積は大きくする必要がある。
図3に示すサブマウント30は、LED素子D1〜D9が同一平面上に等間隔に配設されている。ここではLED素子を9個搭載するものとしたが、任意の数にすることができる。LED素子D1〜D9は、全てが同一発光色であっても、3色(R、G、B)に応じて3個づつに別けて搭載されていてもよいが、ここでは、3個毎に直列接続し、この3回路の夫々に抵抗(R1〜R3)を接続したものを並列接続して給電を行っている。LED素子D1〜D9は、従って、給電端は2つでもよいことになるが、ここでは、大電流を供給できるように、アノードは1ヵ所(電極31)、カソードは3ヵ所(電極32,33,34)から供給を行っている。
電極31、32は一端の上面端に形成され、電極33、34は他端の上面端に形成されている。電極32,33,34のそれぞれには、抵抗R1,R2,R3が接続されているが、これは電流制限用であり、通電によって発熱が生じるほか、LED素子内に搭載するスペースの確保が難しいことから外付けとしている。抵抗R1,R2,R3の電源側は共通接続され、電源供給端子35に接続されている。
上記した第1の実施の形態によると、リード部14a,14bのサブマウント12に接触していない部分は、ガラス封止部15(製造工程中は、ガラス小片)によって絶縁されているため、リード部14a,14bと金属ベース部11との接触が防止される。そして、LED素子13からサブマウント12に伝導した熱は、その殆どが金属ベース部11に伝熱されることにより放熱され、他の一部はリード部14a,14bを通して放熱される。従って、LED素子13が高出力型であっても、LED素子13の温度上昇を抑え、LED素子13の電気・光学的特性を安定させるとともに、信頼性の高いものとできる。これに加え、LED素子13の封止がガラスであることにより、光や熱によって劣化が生じない。なお、ガラス材料によれば、エポキシ樹脂同等、あるいは、それ以上の屈折率材料を選択することができ、LED素子13からの光取り出し効率を向上することができる。また、ガラス材料の熱膨張率は、金属やLED素子に対し、樹脂のように大きな差がなく、また、ガラスは金属と酸化物を介して接合される。このため、熱ストレスが生じにくく、かつ、接合強度が大きくクラックや剥離が生じにくいという意味での信頼性も向上させることができる。さらに、発光装置は、金属ベース11とガラス封止部とによって全体が保持されるため、鉛フリー半田対応のリフロー炉処理にも十分耐える。
図4は、第2の実施の形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。第2の実施の形態の発光装置40が第1の実施の形態の発光装置1と異なるところは、給電側との接続がワイヤにより行われるフェイスアップ型のLED素子を用い、さらに、LED素子を封止するガラス材料としてSiO2にフェニル基やアルキル基を含んだ低融点ハイブリッドガラスを用いた発光装置としたところに特徴がある。
発光装置40は、放熱器として機能する金属ベース部41と、フェイスアップのLED素子42と、金属ベース部41に絶縁して金属ベース部41の上部に配置されたリード部43a,43bと、リード部43a,43bの端部とLED素子42上の電極とを接続するワイヤ44a,44bと、金属ベース部41の上面の露出部を封止するガラス封止部45とを備えて構成されている。
金属ベース部41は、第1の実施の形態における金属ベース部11と同じ材料が用いられ、その上面の中心部にはLED素子42を搭載するための凸部41aが形成されている。また、ガラス封止部45は、第1の実施の形態におけるガラス封止部15より低融点で囲う地の粘度を低くすることができる材料が用いられる。
次に、図4の発光装置40の製造手順について説明する。
まず、金属ベース部41上の中心部にLED素子42が搭載され、熱伝導性の接着剤、半田溶着等により固定される。次に、リード部43a,43bの先端部を金属ベース部41から浮かせた状態に配置する。それには、リード部43a,43bと金属ベース部11の間に細長いガラス小片を置き、このガラス小片の上にリード部43a,43bを載置すればよい。この状態のまま、リード部43a,43bの先端部とLED素子42の電極(図示せず)とを、ワイヤ44a,44bによって接続する。次に、LED素子42及びワイヤ44a,44bを含む金属ベース部41の上面をガラス封止部45により封止する。なお、ガラス小片は、ガラス封止部45と同一の材料を用いる。
例えば、リード部43aがLED素子42のアノード側に接続されているとすると、リード部43aに直流電源(図示せず)のプラス側が接続され、リード部43bにはマイナス側が接続される。電源供給に伴い、電流は、リード部43a→ワイヤ44a→LED素子42→ワイヤ44b→リード部43bの経路で流れることにより、LED素子42が発光する。LED素子42の上面から出た光はガラス封止部45内を通過して外部へ出光する。なお、ワイヤ接続を要するLED素子の封止では、封止材料の粘度が高いとワイヤを潰すことから、何らかの対策が必要であるが、ここでは無機材料と誘起材料との組み合わせによるハイブリッドガラスにて加工時の低粘度を図っている。
上記した第2の実施の形態によると、LED素子42の動作に伴って生じた熱は、LED素子42から金属ベース部41に伝導し、この金属ベース部41によって放熱される。LED素子42と金属ベース部41は直に接しており、サブマウントを用いないために第1の実施の形態に比べて放熱効果を高めることができる。
図5は、第3の実施の形態に係る発光装置の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はC−C断面図、(c)はD−D断面図である。第3の実施の形態の発光装置50は、金属ベース部の上部に反射鏡と放熱器を兼ねる金属反射鏡を配設すると共に金属反射鏡の凹部内にレンズを配設し、前記各実施の形態に設けられていたガラス封止部は設けていないところに特徴がある。
発光装置50は、金属ベース部51と、金属ベース部51上に搭載されるサブマウント52と、このサブマウント52の最上面に搭載されるLED素子53と、金属ベース部51に積層した状態に配設されるリング状の金属反射鏡54と、この金属反射鏡54の凹部内のLED素子53上に配設されるレンズ55(ガラス部材)と、サブマウント52の両側の段差面上に先端部が接続されるリード部56a,56bと、このリード部56a,56bの下面に配設される絶縁封着ガラス57a,57bと、リード部56a,56bの上面に配設される絶縁封着ガラス58a,58bとを備えて構成されている。
金属ベース部51は、銅、アルミニウム、AlN(窒化アルミ)等の熱伝導性に優れる材料が用いられ、LED素子53の消費電力等に応じて十分な放熱効果が得られる厚み及び大きさを有している。
更に、金属ベース部51は、LED素子53を中心にして一直線上に溝(図示せず)が形成されている。この溝は、絶縁封着ガラス57a,57b、リード部56a,56b、及び絶縁封着ガラス58a,58bを埋設できるだけの深さを有している。リード部56a,56bは、絶縁封着ガラス57a,57bと58a,58bで挟持された状態で溝内に配設されるため、リード部56a,56bは金属ベース部51と絶縁され、電気的に接続されることはない。なお、金属ベース部51は、金属反射鏡54と同一サイズにしているが、金属反射鏡54より大きくすることも、四角形等の他の形状にすることもできる。
サブマウント52は、例えば高熱伝導のAlN(窒化アルミニウム)が用いられ、内部には必要に応じて素子破壊防止用のツェナーダイオード等が設けられている。サブマウント52は四角形で段差を有する外形を有し、その最上面にはLED素子53が搭載され、下段の両側の上面にリード部56a,56bの先端部が載置される。サブマウント52は図1のサブマウント12と同様に、上面及び側面に電極(いずれも図示せず)を有している。上面の電極と側面の電極との接続は、配線層によることもスルーホールによることも可能であるが、ここでは、その図示を省略している。
LED素子53は、第1の実施の形態で説明したLED素子13と同じものが用いられる。金属反射鏡54は、熱伝導性に優れるCuによって形成されており、中心部にはすり鉢形の凹部が形成され、その内表面には銀蒸着、クロームや銀のメッキ、銀色又は白色の表面処理等によって鏡面状態に仕上げられていることにより、反射面54aが形成されている。これにより、金属反射鏡54の横方向から出射した光を前面へ効果的に導くことができる。また、金属反射鏡54は、熱伝導性の良いCuを用いているため、反射鏡としての機能のほかに放熱器としても機能する。
レンズ55には、透明で低融点のガラスを用いる。このレンズ55及び絶縁封着ガラス57a,57b,58a,58bは、金属ベース部51やリード部56a,56bと同等の熱膨張率を有するガラス材を用いる。
次に、発光装置50の組み立てについて説明する。
まず、金属ベース部51の中心部にサブマウント52を搭載し、接着剤、半田融着等により固定する。次に、金属ベース部51上の溝に、長板状に加工された絶縁封着ガラス57a,57bを載置し、この絶縁封着ガラス57a,57b上にリード部56a,56b及び絶縁封着ガラス58a,58bを重ねて載置する。更に、絶縁封着ガラス58a,58b及び金属ベース部51の露出面に金属反射鏡54を載置する。この状態のまま高温雰囲気下で加圧プレスを行い、絶縁封着ガラス57a,57b,58a,58b、リード部56a,56bのそれぞれと、金属反射鏡54を固定する。
リード部56a,56bの先端部以外の側面及び上下面は、絶縁封着ガラス57a,57b,58a,58bにより絶縁されるので、金属ベース部51及び金属反射鏡54に接触することはない。次に、サブマウント52の最上面にLED素子53を搭載し、その電極又はバンプをサブマウント52の導体部に半田接続する。最後に、ガラス材を封止してレンズ55を形成する。
例えば、リード部56aがLED素子53のアノード側に接続されているとすると、リード部56aに直流電源(図示せず)のプラス側が接続され、リード部56bにはマイナス側が接続される。電源供給に伴い、電流は、リード部56a→サブマウント52→LED素子53→サブマウント52→リード部56bの経路で流れることにより、LED素子53が発光する。LED素子53の上面から出た光はレンズ55内を通過して外部へ出光し、レンズ55の側面部から出た光は金属反射鏡54の反射面54aで反射した後、金属反射鏡54の外へ出光する。
上記した第3の実施の形態によると、第の実施の形態による効果に加え、以下の効果が得られる。
(1)ガラス材による絶縁封着ガラス57a,57b,58a,58bによりリード部56a,56bが絶縁されていることにより、リード部56a,56bと金属ベース部51及び金属反射鏡54との接触を防止することができる。
(2)リード部56a,56bの敷設部を除いた他の部分は、金属ベース部51と金属反射鏡54とが直接に接合するため、LED素子53からサブマウント52及びリード部56a,56bに伝導した熱は、金属ベース部51及び金属反射鏡54に効果的に伝熱され、金属ベース部51及び金属反射鏡54により放熱される。従って、LED素子53が高出力型であっても、熱効率が高められる。この効果は、特にラージサイズの発光装置において顕著になる。
なお、金属反射鏡54は、熱伝導性の良い他の金属としてアルミニウム等の金属を用いて形成することも可能である。
図6は、第4の実施の形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。第4の実施の形態の発光装置60は、第3の実施の形態の変形例に相当し、発光装置50との違いは、レンズの形状にある。
すなわち、発光装置60は、第3の実施の形態の発光装置50において、レンズ55に代えて、凸レンズ61aを有する透光性のガラス封止部61(ガラス部材)を金属反射鏡54の凹部内に設けたところに特徴がある。
発光装置60における放熱効果は発光装置50と同じである。しかし、LED素子53からの光の出光経路に違いがある。発光装置50が凸レンズが中心部の第1の凸レンズと、その周囲に形成されたリング状の第2の凸レンズとによる二段構成になっているのに対し、発光装置60は中心部に1つの凸レンズが設けられた構成である。このため、出射光の照射分布、出射角度等に相違が出るので、用途等に応じて使い分けることができる。また、ガラス封止部61と金属ベース部51及び金属反射鏡54との熱膨張率を同等にすることで、相互間に熱応力が生じにくくなり、クラック等が発生するのを防止することができる。
図7は、第5の実施の形態に係る発光装置の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はE−E断面図、(c)はF−F断面図である。第5の実施の形態に係る発光装置70の基本的な構成及び作用効果は、第3の実施の形態の発光装置50と同じである。第5の実施の形態の発光装置70が第3の実施の形態の発光装置50と異なるところは、リード部の敷設構造にある。
発光装置70は、金属ベース部71と、この金属ベース部71上に搭載されるサブマウント72と、このサブマウント72の最上面に搭載されるLED素子53と、金属ベース部71に積層した状態に配設されるリング状の金属反射鏡73と、この金属反射鏡73の凹部内のLED素子53上に配設されるレンズ55と、サブマウント52の両側の段差面上に先端部が接続されるリード部56a,56bと、このリード部56a,56bの下面に配設される絶縁封着ガラス57a,57bと、リード部56a,56bの上面に配設される絶縁封着ガラス58a,58bとを備えて構成されている。
金属ベース部71は、前記各実施の形態における金属ベース部11,41,51と同一の材料を用いて作られており、金属反射鏡73と前記各実施の形態における金属反射鏡54と同一の材料を用いて作られている。
金属反射鏡73は金属反射鏡54と同様に中心部にはすり鉢型の反射面73aが形成されている。絶縁封着ガラス57aとリード部56a、及び絶縁封着ガラス57bとリード部56bを埋設する幅及び長さの溝が上面に形成されている。
更に、金属反射鏡73には、リード部56a,56b及び絶縁封着ガラス57a,57bを上方から挿入できるように切り通し部73bが形成されている。この切り通し部73bは、図7の(c)に示すように、リード部56a,56bに接触しない幅を有しているため、リード部56a,56bと金属反射鏡73との接触を防止することができる。
上記した第5の実施の形態によると、リード部56a,56bが金属反射鏡73に接触しないように切り通し部73bが形成されているため、図5及び図6に示す発光装置50,60が必要とした絶縁封着ガラス58a,58bを不要にすることができる。このため、発光装置50,60に比べ、部品数の低減及び製造工程の簡略化が可能になる。
上記した発光装置1,40,60においては、波長変換のための蛍光体層をガラス封止部15,45,61に配設することができる。蛍光体層は、例えば、LED素子が青色発光である場合、この青色光によって励起されることにより黄色光を放射する特性を有するCe(セリウム):YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)等の蛍光体を用いることができる。
また、上記した各実施の形態においては、金属ベース部11,41,絶縁封着ガラス57a,57b,58a,58bの表面に銀やアルミニウムによるメッキ又は蒸着等による反射面を形成し、光の出射効率を高めるようにしてもよい。
また、各実施の形態において、金属ベース部11,41,51,71、及び金属反射鏡54,73に放熱フィンを形成し、或いは取り付けることが可能である。これにより、放熱効果を更に高めることができる。
また、第2〜第5の実施の形態においても、図3に示したように複数のLED素子を搭載することが可能である。
更に、図1、図4の発光装置においては、ガラス封止部15,45を砲弾型にしたが、他の形状、例えば、円柱型であってもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る発光装置の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図である。 第1の実施の形態に係るサブマウントの詳細構造を示す斜視図である。 サブマウントの他の構成を示し、(a)は平面図、(b)は回路図である。 第2の実施の形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。 第3の実施の形態に係る発光装置の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はC−C断面図、(c)はD−D断面図である。 第4の実施の形態に係る発光装置の構成を示す断面図である。 第5の実施の形態に係る発光装置の構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)はE−E断面図、(c)はF−F断面図である。
符号の説明
1 発光装置
11 金属ベース部
12 サブマウント
12a,12b 段差面
13 LED素子
14a,14b リード部
15 ガラス封止部
30 サブマウント
31,32,33,34 電極
35 電源供給端子
40 発光装置
41 金属ベース部
41a 凸部
42 LED素子
43a,43b リード部
44a,44b ワイヤ
45 ガラス封止部
50 発光装置
51 金属ベース部
52 サブマウント
53 LED素子
54 金属反射鏡
55 レンズ
56a,56b リード部
57a,57b,58a,58b 絶縁封着ガラス
60 発光装置
61 ガラス封止部
61a 凸レンズ
D1〜D9 LED素子
R1〜R3 抵抗

Claims (9)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子が搭載されると共に前記発光素子と給電側との接続を電極又は配線層を介して行うサブマウントと、
    前記サブマウントが搭載されると共に前記サブマウントを通して伝熱される前記発光素子の熱を放熱する金属ベース部と、
    先端部が前記サブマウントの両端の平面上に載置及び接続されることにより前記発光素子に電気的に接続されると共に、先端部以外の部分が前記金属ベース部に絶縁状態にして配設される一対のリード部と、
    前記発光素子及び前記サブマウントを覆うようにして前記金属ベースに接着されるとともに所定の形状に形成されるガラス封止部とを備え
    前記サブマウントは段差部を有し、前記リードは前記段差部に固定されていることを特徴とする発光装置。
  2. 前記リード部は、前記先端部以外の前記金属ベース部上に介在する部分が前記ガラス封止部によって絶縁されていることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  3. 前記発光素子は、複数からなり、同一発光色による複数のグループ、又は複数の発光色のグループに別けて給電が行われることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  4. 前記サブマウントは、前記一対のリード部の前記先端部を埋設できる深さの溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載の発光装置。
  5. フェイスダウン型の発光素子と、
    前記発光素子が搭載されると共に前記発光素子と給電側との接続を電極又は配線層を介して行うサブマウントと、
    前記サブマウントが搭載されると共に前記サブマウントを通して伝熱される前記発光素子の熱を放熱する金属ベース部と、
    先端部が前記サブマウントの両端の平面上に載置及び接続されることにより前記発光素子に電気的に接続されると共に、先端部以外の部分が前記金属ベース部に絶縁状態にして配設される一対のリード部と、
    前記一対のリード部に非接触にして前記金属ベース部に重ね合わされると共に、中心部にすり鉢形の反射面が形成された金属反射鏡と、
    一部又は全部がレンズを成すようにして前記すり鉢形の反射面内に配設されるガラス部材とを備え
    前記サブマウントは段差部を有し、前記リードは前記段差部に固定されていることを特徴とする発光装置。
  6. 前記ガラス部材は、前記発光素子からの光を前方及び側面方向に集光させる構造のレンズ、又は、前記発光素子の同軸上にレンズ部が形成され且つ前記すり鉢形の反射面内を満たす状態に封止されたガラス封止部であることを特徴とする請求項5記載の発光装置。
  7. 前記一対のリード部は、前記金属ベース部と前記反射鏡部とに挟まれる部分の周囲が前記ガラス封止部とは異なるガラス材によって絶縁されていることを特徴とする請求項5記載の発光装置。
  8. 前記金属ベース部及び前記反射鏡部は、前記一対のリード部が配設される部分に、前記一対のリード部に接触しない幅を有する切り通し部が形成され、前記一対のリード部と前記金属ベース部との間に前記ガラス封止部とは異なるガラス材が配設されていることを特徴とする請求項5記載の発光装置。
  9. フェイスアップ型の発光素子と、
    前記発光素子が搭載される凸部を有すると共に前記発光素子からの熱を放熱する金属ベース部と、
    前記金属ベース部に絶縁させた状態で前記金属ベース部の上部に配設され、先端部が前記発光素子の給電部分にワイヤを介して接続される一対のリード部と、
    前記発光素子及び前記一対のリード部の先端部を覆うようにして前記金属ベースに接着されるとともに所定の形状に形成されるガラス封止部とを備えることを特徴とする発光装置。
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