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JP4187185B2 - 無励磁作動ブレーキ - Google Patents

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JP4187185B2
JP4187185B2 JP2002058552A JP2002058552A JP4187185B2 JP 4187185 B2 JP4187185 B2 JP 4187185B2 JP 2002058552 A JP2002058552 A JP 2002058552A JP 2002058552 A JP2002058552 A JP 2002058552A JP 4187185 B2 JP4187185 B2 JP 4187185B2
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哲也 園部
博 萩原
正好 天沼
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Ogura Clutch Co Ltd
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Ogura Clutch Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電磁コイルへの通電を遮断することにより、制動ばねのばね力でアーマチュアとサイドプレートの間に設けられたブレーキディスクが制動される無励磁作動ブレーキに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無励磁作動ブレーキは、モータなどの被制動機械に装着され、駆動が停止した後の回転軸の慣性回転を制動して回転軸を静止状態に保持する安全装置として使用されている。また無励磁作動ブレーキは、電磁コイルが内設されたフィールドコアの磁極面側に、軸線方向にのみ移動自在なアーマチュアと被制動機械の回転軸にインナードライバを介して装着されるブレーキディスク、およびフィールドコアに固定されたサイドプレートが順に積み重ねられ、アーマチュアの外周面側がサイドプレートをフィールドコアに固定する締結部材と係合されているとともに、アーマチュアをサイドプレート側に押圧する制動ばねが設けられている。
【0003】
このような構成の無励磁作動ブレーキは、電磁コイルに通電してアーマチュアを制動ばねのばね力に抗してフィールドコアの磁極面に磁気吸着することにより、ブレーキディスクの制動が解放される。また、電磁コイルへの通電を遮断することにより、制動ばねのばね力でアーマチュアがサイドプレート側に押圧され、これらアーマチュアとサイドプレートとの摩擦係合によりブレーキディスクは制動される。
【0004】
このように作動する無励磁作動ブレーキは、電磁コイルへの通電を遮断したとき、制動ばねのばね力により、空転しているブレーキディスクを介してアーマチュアがサイドプレートに衝突するので、ブレーキディスクの制動時に不快な衝突音が発生する。また、アーマチュアとブレーキディスクおよびブレーキディスクとサイドプレートの摩擦係合により不快な係合音(鳴き音)が発生する。
【0005】
このような衝突音や係合音などの作動音の問題を解決した無励磁作動ブレーキとしては、特開2001−65606号公報に記載された無励磁作動ブレーキが代表的である。上記公報の無励磁作動ブレーキは、サイドプレートを、2枚のプレートの間に振動減衰性を高めるための防振シートを挟み込んだ構造にすることにより、作動音の発生を抑制している。また上記公報の無励磁作動ブレーキは、サイドプレートにカバー締結用ネジ穴を穿設して、カバーをサイドカバーに被冠して締結部材(ネジ)で後付け装着する構造である。さらに上記公報の無励磁作動ブレーキは、実開昭57−6360号公報、第1図または第2図のブレーキ付きモータのように、モータのブラケットに装着される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の無励磁作動ブレーキは、ブレーキディスクの中心穴(例えば、スプライン穴)からインナードライバが脱落し易く、簡単に被制動機械へ装着することができないことがあった。また、防振シートが設けられた従来の無励磁作動ブレーキにおいては、低廉化を図るためにサイドプレートの改良が必要であった。この発明は、インナードライバの脱落が防止された無励磁作動ブレーキを提供すること、簡単な構成で作動音の発生が抑制された安価な無励磁作動ブレーキを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、第1の発明の無励磁作動ブレーキは、電磁コイルを内設したフィールドコアの磁極面側に、軸線方向にのみ移動自在なアーマチュアと回転自在なブレーキディスク、および前記フィールドコアに固定されたサイドプレートが順に積み重ねられ、制動ばねのばね力で前記アーマチュアを前記サイドプレート側に押圧することにより前記ブレーキディスクが制動される無励磁作動ブレーキにおいて、ブレーキディスクの中心穴に嵌合されるインナードライバを、フィールドコアの内周面に嵌合された軸受と、サイドプレートに被冠されたカバーとの間に設け、前記軸受の内輪と前記カバーにより軸線方向の移動を制限することにより、インナードライバの脱落を防止したことを特徴とする。上記構成の無励磁作動ブレーキは、ブレーキディスクの中心穴に嵌合されたインナードライバが、フィールドコアの内周面に嵌合された軸受と、サイドプレートに被冠されたカバーにより軸線方向の移動が制限されるので、ブレーキディスクの中心穴からのインナードライバの脱落が防止される。
【0008】
第2の発明の無励磁作動ブレーキは、第1の発明の無励磁作動ブレーキにおいて、サイドプレートをフィールドコアに固定する締結部材によりカバーをサイドプレートに固定するとともに、サイドプレートとカバーとの間に防振シートを挟み込んだことを特徴とする。上記構成の無励磁作動ブレーキは、サイドプレートを2枚のプレートに防振シートを挟み込んだ構造にする必要がなく、またサイドプレートにカバーを後付け装着する必要もなく、部品点数や加工、組立工数が削減され、無励磁作動ブレーキの低廉化が図られる。
【0009】
第3の発明の無励磁作動ブレーキは、第2の発明の無励磁作動ブレーキにおいて、カバーには、サイドプレートの側面に重ねられた円板部と、この円板部の外周面からフィールドコア側に延設された円筒部が設けられ、円板部の外周面側には、締結部材が挿通される貫通穴が穿設された凹陥状の被締結部が形成され、平板状の防振シートの外周面には、カバーの被締結部に係合される係合溝が形成されていることを特徴とする。上記構成の無励磁作動ブレーキは、カバーの被締結部の突出量により防振シートの圧縮代が設定されるので、簡単に防振シートを組込むことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態として図1〜図3に図示された無励磁作動ブレーキを説明する。図1は、モータのブラケットに取付けられた無励磁作動ブレーキの断面図である。図2は、無励磁作動ブレーキの平面図である。図3は、防振シートの平面図である。
【0011】
無励磁作動ブレーキ1は、被制動機械としてのモータ2のブラケットにネジで固定されるフィールドコア3を有している。このフィールドコア3は、軸線方向に開口した環状溝3aが形成され多条に巻線された電磁コイル4が収容されているとともに、開口側端面を環状な磁極面3bとしている。またフィールドコア3の磁極面3bのうち半径方向外側の磁極面3bには、円周方向を3等分する位置に穿設されたネジ穴3cと、同様に円周方向を3等分する位置に穿設されたばね穴3dが設けられ、さらに半径方向内側の磁極面3bには、環状な凹部3eが設けられている。また更にフィールドコア3の中心部には段付の内周面3fが形成され、この内周面3fのうち内径寸法が大きい部分に軸受11が圧入嵌合されている。この軸受11には、モータ2の回転軸2aの先端が圧入嵌合される。
【0012】
このような形状としたフィールドコア3の磁極面3b側には、円周方向を3等分する位置に貫通穴5aが穿設された円板状のサイドプレート5が、固定ネジ6a(締結部材)とカラー6b(隙間調整用部材)で構成された締結手段6によって、軸線方向に所定の間隔を隔て固定されている。つまり固定ネジ6aを、サイドプレート5の貫通穴5bからカラー6bに挿通してフィールドコア3のネジ穴3cに螺合することにより、サイドプレート5はフィールドコア3に固定されている。またカラー6bを介在することによって、後述するアーマチュア7とフィールドコア3との間の隙間が調整されている。
【0013】
フィールドコア3とサイドプレート5との間には、円周方向を3等分する位置に貫通穴7aが穿設された円板状のアーマチュア7が設けられている。このアーマチュア7は、サイドプレート5をフィールドコア3に固定している締結手段6のカラー6bが貫通穴7aに挿通されているので、フィールドコア3に軸線方向のみ移動可能に支持されている。符号8は、カラー6bとの不快な衝突音を防止するとともに、アーマチュア7が円滑にカラー6bを摺動するために、アーマチュア7の貫通穴7aに圧入嵌合され固定されたブッシュである。また符合15は、フィールドコア3の凹部3eに嵌合され、フィールドコア3とアーマチュア7とで挟持されたゴムのOリングである。このOリング15は、アーマチュア7がフィールドコア3に磁気吸着されるときの吸着音の発生を防止するために設けられたものである。
【0014】
このようにフィールドコア3に配設されたサイドプレート5とアーマチュア7との間には、円板状のブレーキディスク9が介在されている。このブレーキディスク9の中心には略四角形の中心穴9aが形成され、この中心穴9aには断面が略四角形に形成されたインナードライバ10が一体回転可能に挿入嵌合されている。このインナードライバ10は、モータ2の回転軸2aにキーなどによって一体回転可能に装着され、ブレーキディスク9を軸線方向のみ移動可能に支持している。またインナードライバ10の一方端の側面には、軸受11の内輪のみと当接する端部10aが形成されている。また更に、インナードライバ10の他方端の外周面のうち、角部分には、対角線の寸法より小さい直径寸法の円上に形成された円弧部10bが設けられている。
【0015】
サイドプレート5には、カバー12が被冠されている。このカバー12は、サイドプレート5の他方の側面に重ねられた円板部12aと、この円板部12aの外周面側を円周方向に3等分した位置に形成された凹陥状の被締結部12bと、この被締結部12bに穿設された貫通穴12cと、円板部12aの外周面からフィールドコア3側に延設された円筒部12dと、円板部12aの中心に穿設された中心穴12eとが設けられている。この中心穴12eは、インナードライバ10の角部の対角線の寸法より小さい直径寸法に設定され周面が円弧部10bに対向している。また、サイドプレート5をフィールドコア3に固定する固定ネジ6aがサイドプレート5とカバー12の貫通穴5a・12cに挿通され、サイドプレート5とカバー12は一体にフィールドコア3に固定されている。
【0016】
インナードライバ10は、サイドプレート5側から挿入され、端部10aが軸受11の内輪に当接するまでブレーキディスク9の中心穴9aに嵌合されるとともに、サイドプレート5にカバー12を被冠することにより、円弧部10bがカバー12の中心穴12eと係合するように配設される。また、カバー12とサイドプレート5を固定ネジ6aでフィールドコア3に固定することにより、インナードライバ10は、軸受11とカバー12とで軸線方向の移動が制限されている。
【0017】
サイドプレート5とカバー12の円板部12aとの間には、平板状の防振シート13が設けられている。この防振シート13の外周には、カバー12の被締結部12bと係合される係合溝13aが形成されている。また防振シート13は、固定ネジ6aでサイドプレート5とカバー12とを一体に固定することにより、サイドプレート5とカバー12との間に挟持される。
【0018】
このような構成の無励磁作動ブレーキ1は、電磁コイル4が収容されたフィールドコア3の内周面3fに軸受11を圧入嵌合するとともに、ばね穴3dに制動ばね14を挿入し、かつ凹部3eにOリング15を嵌合した後、磁極面3b側にアーマチュア7を重ねる。また、アーマチュア7の貫通穴7aにブッシュ8を介してカラー6bを挿通し、アーマチュア7にブレーキディスク9とサイドプレート12を順に重ねる。さらに、ブレーキディスク9の中心穴9aにインナードライバ10を嵌合させながら端部10aを軸受11に当接させる。また更に、円弧部10bとカバー12の中心穴12eとを係合させながら、かつカバー12の被締結部12bと防振シート13の係合溝13aとを係合させながら、カバー12をサイドプレート5に被せ、固定ネジ6aをカバー12とサイドプレート5の貫通穴12c・5aおよびカラー6bを挿通してフィールドコア3のネジ穴3cに螺合することにより、組立が完了する。またこのように組み立てることにより、ばね穴3dの底部とアーマチュア7との間に介在された制動ばね14が圧縮され、この制動ばね14のばね力により、ブレーキディスク9がサイドプレート5とアーマチュア7との間で挟圧される。また無励磁作動ブレーキ1は、インナードライバ10と軸受11に回転軸2aが挿入嵌合され、フィールドコア3がモータ2のブラケットに取付けられる。
【0019】
また、図のような制動状態において、電磁コイル4に通電して磁束を発生させれば、制動ばね14のばね力に抗してアーマチュア7がフィールドコア3の磁極面3bに磁気吸着されるので、アーマチュア7はブレーキディスク9から離間する。したがって、ブレーキディスク9の制動は解放され、モータ2の回転軸2aは回転自在となる。
【0020】
また電磁コイル4への通電を遮断すると、制動ばね14のばね力により、ブレーキディスク9はアーマチュア7とサイドプレート5に摩擦係合され制動保持される。このような制動時において、防振シート13は、制動ばね14のばね力によりアーマチュア7がブレーキディスク9を介してサイドプレート5と衝突した時に発生する不快な衝突音や、ブレーキディスク9が静止するまでのアーマチュア7とブレーキディスク9およびブレーキディスク9とサイドプレート5との摩擦係合により発生する不快な係合音(鳴き音)などの作動音の発生を抑制する。
【0021】
【発明の効果】
以上のように構成された第1の発明の無励磁作動ブレーキでは、ブレーキディスクの中心穴に嵌合されたインナードライバが、フィールドコアの内周面に嵌合された軸受と、サイドプレートに被冠されたカバーにより軸線方向の移動が制限されるので、ブレーキディスクの中心穴からのインナードライバの脱落が防止される。
【0022】
第2の発明の無励磁作動ブレーキでは、サイドプレートをフィールドコアに固定する締結部材によりカバーをサイドプレートに固定するとともに、サイドプレートとカバーとの間に防振シートを挟み込んだので、サイドプレートを2枚のプレートに防振シートを挟み込んだ構造にする必要がなく、またサイドプレートにカバーを後付け装着する必要もなく、部品点数や加工、組立工数が削減され、無励磁作動ブレーキの低廉化が図られる。
【0023】
第3の発明の無励磁作動ブレーキでは、円板部に凹陥状の被締結部が形成されたカバーと、係合溝が形成された防振シートとを設け、防振シートの係合溝がカバーの被締結部に係合するように配設し組付け、被締結部の突出量により防振シートの圧縮代が設定されるようにしたので、簡単に防振シートを組込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、モータのブラケットに取付けられた無励磁作動ブレーキの断面図である。
【図2】図2は、無励磁作動ブレーキの平面図である。
【図3】図3は、防振シートの平面図である。
【符号の説明】
1 無励磁作動ブレーキ
3 フィールドコア
5 サイドプレート
6 締結手段
6a 固定ネジ(締結部材)
10 インナードライバ
11 軸受
12 カバー
13 防振シート

Claims (3)

  1. 電磁コイルを内設したフィールドコアの磁極面側に、軸線方向にのみ移動自在なアーマチュアと回転自在なブレーキディスク、および前記フィールドコアに固定されたサイドプレートが順に積み重ねられ、制動ばねのばね力で前記アーマチュアを前記サイドプレート側に押圧することにより前記ブレーキディスクが制動される無励磁作動ブレーキにおいて、
    ブレーキディスクの中心穴に嵌合されるインナードライバを、フィールドコアの内周面に嵌合された軸受と、サイドプレートに被冠されたカバーとの間に設け、前記軸受の内輪と前記カバーにより軸線方向の移動を制限することにより、インナードライバの脱落を防止した
    ことを特徴とする無励磁作動ブレーキ。
  2. 請求項1に記載された無励磁作動ブレーキにおいて、
    サイドプレートをフィールドコアに固定する締結部材によりカバーをサイドプレートに固定するとともに、サイドプレートとカバーとの間に防振シートを挟み込んだ
    ことを特徴とする無励磁作動ブレーキ。
  3. 請求項2に記載された無励磁作動ブレーキにおいて、
    カバーには、サイドプレートの側面に重ねられた円板部と、この円板部の外周面からフィールドコア側に延設された円筒部が設けられ、円板部の外周面側には、締結部材が挿通される貫通穴が穿設された凹陥状の被締結部が形成され、平板状の防振シートの外周面には、カバーの被締結部に係合される係合溝が形成されている
    ことを特徴とする無励磁作動ブレーキ。
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