JP4070287B2 - アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物、特に、従来品に無い高強度発現性、高流動性、及び高耐食性を有するアルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物に関する。
本発明のアルミナセメント組成物及びそれを用いた不定形耐火物は、アルミナセメントが使用されている耐火物分野、化学プラントのライニング、及び耐食材料等への利用が可能である。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、アルミナセメント又はアルミナセメント組成物として、特定割合の CaO・Al2O3 (CA)、 12CaO・7Al2O3 (C12A7)、及び非晶質からなり、α−アルミナ、ヒドロオキシカルボン酸、及び無機炭酸塩を含有してなるアルミナセメント組成物、水溶性のポリアクリル酸類及び/又はメタクリル酸−アクリル酸共重合体と、アルカリ金属炭酸塩とを含有してなるアルミナセメント、特定の CaO/Al2O3比を持つ無定形カルシウムアルミネート(非晶質カルシウムアルミネート)を含有するアルミナセメントや、CA、 CaO・2Al2O3 (CA2)、3CaO・Al2O3 (C3A) 、C12A7 、及び 11CaO・7Al2O3・CaF2等の一種又は二種以上の鉱物組成に対応する非晶質カルシウムアルミネートを主成分とするアルミナセメント、少なくとも80重量%以上のカルシウムアルミネート相のクリンカーと特定の比表面積をもつアルミナを含有してなるアルミナセメント、アルミナセメントクリンカーにアルミナ質微粉を含有してなるアルミナセメント、並びに、CA2 を主体にし、C12A7 、微粉アルミナ、及びスルホン酸系アニオン界面活性剤を配合してなるアルミナセメント等が提案されている(特開昭49− 32921号公報、特開昭50−102617号公報、及び特開昭55−121933号公報等、特開昭55− 75947号公報や特開昭55− 75948号公報など、特開昭61−132556号公報、特開昭61− 77659号公報、及び特開平 2−175638号公報等、特開昭52−111920号公報や特公昭47− 40694号公報など、並びに、特開昭55−121934号公報や特開昭55−144456号公報など)。
【0003】
また、アルミナセメントの鉱物組成と添加剤の種類についての基本特性を述べた文献として、「HIGH ALUMINA CEMENT AND CONCRETES.(T.D ROBSON 1962 年発行)」がある。
【0004】
これらの特許や文献に記載されているアルミナセメント又はアルミナセメント組成物は、高強度発現性、高耐火性、及び高流動性等の特性改善を目的としたものであるが、いずれも一長一短があり、従来の市販品の範疇を逸脱するものではなかった。
特に、アルミナセメント中の Al2O3含有量を高め、耐食性と耐火性を向上させようとすると、養生強度や乾燥強度が著しく低下するという課題があり、アルミナセメント中の CaOと Al2O3の含有割合は必然的に制限されるものであった。
また、多くのアルミナセメントの鉱物組成は、カルシウムアルミネートの種類とその配合割合の多少にかかわらず、流動性を確保するため、また、強度発現性付与や適度の硬化性確保の面で、CAを主体とするものに限定されていた。
【0005】
一方、カルシウムアルミネートの硬化速度の調整に、C12A7 のような早硬性カルシウムアルミネートを配合することが提案されている(特開昭54−139637号公報)。
しかしながら、C12A7 は急硬性を示す特徴があり、添加剤等で硬化調整を行っても、CAを主体とするアルミナセメントには、強度発現性の面で劣るという課題があった。
このように、文献には多数のアルミナセメントに関する技術が記載されているものの、実際に工業化されているアルミナセメントの鉱物組成は、CAを主体とするものに限定され、硬化調整の目的で、また、高耐火性や強度発現性付与の目的で、C12A7 やα−アルミナなどの各種添加剤を含有するものである。
【0006】
また、従来のアルミナセメント又はアルミナセメント組成物はそれぞれに流動性、強度発現性、硬化性、及び耐火性等に特色があるが、現在、耐火物分野、特に製銑設備や製鋼設備で要求される不定形耐火物の要求レベルには、流動性、強度発現性、耐火性、及び耐食性等の特性が不十分であるという課題があった。
特に、スラグラインや取り鍋の敷き部、鋼浴部や高炉内の補修等のように高強度発現性、耐食性、耐摩耗性、及び耐スポール性等を要求される箇所に施工する不定形耐火物には、従来のアルミナセメントでは流動性と強度発現性が不足し、一定量以上のアルミナセメントの添加が必須で、不定形耐火物中の CaO量を減少できるものではなかった。
しかしながら、耐久性向上には不定形耐火物中の CaO量の減少化が不可欠であり、このため、従来のアルミナセメントや公知技術では多少の優劣はあるものの、大幅な性能向上は期待できるものではなかった。
【0007】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の鉱物組成と化学成分からなる水硬性物質と、特定の添加剤を配合したアルミナセメント組成物が高強度発現性と流動性に優れ、適度の可使時間や硬化時間が得られることを知見して本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、アルミナセメントと添加剤及び/又は炭酸塩を含有してなるアルミナセメント組成物であって、アルミナセメントが、 CaO・Al2O3 と CaO・2Al2O3の鉱物組成をもつ水硬性物質とα−アルミナからなり、化学成分がCaO 5〜15重量%、Al2O3 95〜85重量%であり、添加剤が、ポリアクリル酸類、ポリメタクリル酸類、アクリル酸類−メタクリル酸類共重合体、及びポリイタコン酸類からなる群より選ばれた一種又は二種以上であるアルミナセメント組成物であり、α−アルミナのBET比表面積が5〜10m2/gである該アルミナセメント組成物であり、該アルミナセメント組成物と耐火骨材とを含有してなる不定形耐火物である。
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するアルミナセメントは、特定の水硬性物質とα−アルミナからなるものである。
【0010】
本発明の水硬性物質は、鉱物組成としてCAとCA2 の水硬性成分からなり、CaO 25〜35重量%、Al2O3 75〜65重量%の化学成分からなるものであり、この特定の鉱物組成と化学成分を両立させることが重要である。
水硬性物質は、赤ボーキサイト等の天然原料をバイヤープロセス等の精製法により精製して得られた高純度アルミナや、ボーキサイトなどのアルミナ原料と、石灰石や生石灰などのカルシア原料とを、所定の成分割合になるように配合し、電気炉、反射炉、縦型炉、平炉、シャフトキルン、及びロータリーキルン等の設備で、溶融及び/又は焼成して得られるクリンカーを粉砕したものである。
本発明では、CAとCA2 の鉱物組成を含有することが重要であり、その鉱物組成の割合も重要である。
鉱物組成の割合は、X線回折によって分析可能であって、CAが35〜95重量%、CA2 が65〜5重量%が好ましく、CAが40〜90重量%、CA2 が60〜10重量%がより好ましい。CAが35重量%未満では硬化遅延と強度発現性の低下が発生する傾向があり、95重量%を越えると流動性がとれず可使時間が短くなる傾向がある。
水硬性物質の化学成分は、CaO 25〜35重量%でAl2O3 75〜65重量%であることが好ましく、CaO 28〜33重量%でAl2O3 72〜67重量%がより好ましい。CaO が25重量%未満ではCA2 や未反応のα−アルミナ等の遅延性や非水硬性の鉱物が生成したり残留しやすくなり、硬化遅延と強度発現性の低下が発生する傾向がある。また、35重量%を越えるとC12A7 、C3A 、及び未反応の CaO等の急硬性の鉱物が生成しやすくなり、流動性がとれず、可使時間が短くなる傾向がある。
水硬性物質は、CAやCA2 の鉱物組成の他に、原料から混入する不純物により生成する2CaO・Al2O3 ・SiO2、 CaO・TiO2、及び4CaO・Al2O3 ・Fe2O3 等の不純物を含有しているものも使用可能である。
焼成法で本発明の水硬性物質を製造する場合は、通常、アルミナ原料とカルシア原料とを所定の割合で混合、若しくは、混合粉砕し、又は一部混合後、さらに混合粉砕し、例えば、ロータリーキルンを用いて、1,000 〜1,600 ℃の温度で焼成して得られるクリンカーを粉砕する。
水硬性物質のガラス化率は特に限定されるものではないが、一般にガラス化率が高いと水硬性が強くなり、高強度の硬化体が得られる。ガラス化率は溶融及び/又は焼成した高温のクリンカーを冷却する度合いにより調整可能であり、急冷するとガラス化率が高くなる。
ガラス化率は、粉末X線回折による鉱物組成の分析で測定可能で、その程度は、回折線の強度が弱いもの程ガラス化率が大きいことを示す。
水硬性物質のクリンカーの粉砕には、通常、粉塊物の微粉砕用に使用される、例えば、ローラーミル、ジェットミル、チューブミル、ボールミル、及び振動ミル等の粉砕機の使用が可能である。
水硬性物質の平均粒子径は、水硬性物質の重要特性である流動性、硬化性、及び強度発現性に関連し、要求特性を得るためには重要な管理ポイントであり、1〜5μmが好ましく、2〜4μmがより好ましい。この範囲外では、流動性や強度発現性が低下する傾向がある。
【0011】
本発明で使用するα−アルミナとは、高耐火性、高温強度発現性、及び体積安定性を付与させるものであり、使用するα−アルミナの種類によってアルミナセメントの特性が大きく変化するものである。
α−アルミナは、バイヤープロセス等によって高純度化処理された水酸化アルミニウムをロータリーキルン等で焼成して得られる精製アルミナであって、一般には、高純度アルミナ、バイヤーアルミナ、易焼結アルミナ、及び軽焼アルミナ等と呼ばれるものである。
α−アルミナの純度は高ければ高いほど好ましいが、90重量%以上あれば充分であり、通常のバイヤープロセスによって製造されたアルミナであれば90重量%以上の純度は確保可能であり、98重量%以上がより好ましい。
本発明においては、組み合わせる水硬性物質との相互作用によって、初めて従来品に無い特性が発揮できる。
α−アルミナの一次粒子径は、平均粒子径で20〜100 μmが好ましく、30〜60μmがより好ましく、40〜50μmが最も好ましい。20μm未満では流動性が低下しやすく、100 μmを越えると不定形耐火物に使用した際の焼結強度が低下しやすい。
通常、この一次粒子径は、バイヤープロセスにおける水酸化アルミニウムの析出速度に関連し、析出速度を遅くすると粒子径の大きいものが得られ、逆に早くすると粒子径の小さいものが得られる。
また、α−アルミナの焼成度は、比表面積が大きいほど軽焼タイプのアルミナであることを示し、高温下で使用した際、焼結性に優れるが収縮が大きくなる傾向がある。
BET法による比表面積は5〜10m2/gが好ましく、6〜8m2/gがより好ましい。比表面積が小さいα−アルミナを配合したものは、収縮が小さくなり、焼結強度が低下する傾向があり、α−アルミナの比表面積が大きいとアルミナセメントにした際の流動性が低下し、不定形耐火物に配合した際、高温での焼結性は向上するものの、過焼結により、耐スポーリング性が低下し、収縮も大きくなる傾向がある。
α−アルミナは、Al2O3 純度の他に不純物としてのNa2O量が問題であって、Na2Oが多いとアルミナセメントにした際、流動性や耐火性の低下、高温での収縮発生等の課題が発生する傾向があり、少ない方が好ましい。0.5 重量%以下が好ましく、0.3 重量%以下の低ソーダタイプのものがより好ましい。
本発明において、水硬性物質とα−アルミナとからアルミナセメントを製造する際の混合・粉砕方法は、α−アルミナを単独でアルミナセメント相当の粒度、即ち、平均粒子径が1〜5μmまで粉砕後、水硬性物質と混合する方法や、水硬性物質のクリンカーとα−アルミナを混合粉砕する方法などが可能である。
本発明では、水硬性物質のクリンカーと混合粉砕した方がアルミナセメント又はアルミナセメント組成物中にα−アルミナが均一に混合され、不定形耐火物に使用した際、硬化体組織が均一になり、耐食性が向上するなどの効果が得られ好ましい。
水硬性物質とα−アルミナは、水硬性物質とα−アルミナからなるアルミナセメント中の CaOが5〜15重量%、Al2O3 が95〜85重量%となるように配合することが好ましく、 CaOが8〜12重量%、Al2O3 が92〜88重量%となるように配合することがより好ましい。α−アルミナの配合量を増加させると、耐火性や高温での焼結強度は増加するが、養生強度や乾燥後の強度が低下し、流動性も低下する傾向がある。また、CaO が多いと不定形耐火物に使用した際の耐食性が低下する傾向がある。
【0012】
本発明で使用する添加剤は、ポリアクリル酸類、ポリメタクリル酸類、アクリル酸類−メタクリル酸類共重合体、及びポリイタコン酸類からなる群より選ばれた一種又は二種以上である。
【0013】
ポリアクリル酸類とは、ポリアクリル酸やその誘導体又はそれらのアルカリ塩であって、具体的には、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸のアルカリ塩、及びポリアクリル酸エステル共重合体又はそのアルカリ塩等であって、共重合体としては、架橋分岐型が好ましい。
ポリアクリル酸のアルカリ塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が使用可能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好ましい。
これらのうち、ポリアクリル酸ナトリウムの使用が好ましく、なかでも低重合度の水に可溶な重合体で、固形分が90重量%以上、25℃における40重量%濃度のスラリーのスラリー粘度が10,000cps 以下の可溶性重合度タイプのものが、アルミナセメントの流動性を向上する面から好ましい。
スラリー粘度は、B型粘度計によって測定できるもので、重合度を現しており、重合度が高い程、粘度も大きくなる傾向にあり、本発明では、50〜2,000cpsの粘度のものが好ましい。
本発明において、ポリアクリル酸類のスラリーのイオン性やpHは特に限定されるものではないが、アルミナセメントと配合した際、より大きな流動性を得るために、ポリアクリル酸類がアニオン性で、かつ、25℃における1重量%スラリーのpHが中性からアルカリ性であることが好ましく、特に、pHが7.5 〜11のものがより好ましい。
【0014】
ポリメタクリル酸類とは、メタクリル酸メチル等の非官能性モノマー、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の一官能性モノマー、及びジメタクリル酸エチレン等の多官能性モノマーに分類されるメタクリルモノマー、ポリメタクリル酸又はそのアルカリ金属塩、並びに、ポリメタクリル酸エステル共重合体を含むメタクリル酸エステル系合成樹脂等であり、水に溶解したときのイオン性がアニオン性であることが好ましく、スラリーのpHが中性からアルカリ性であることが重要で、特に、pHが7〜12のものが好ましい。
ポリメタクリル酸のアルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、及びカルシウム塩等が挙げられるが、アルミナセメントと併用する効果の面からナトリウム塩の使用が好ましい。
ポリメタクリル酸類の重合度は50〜100,000 程度が好ましく、重合度が大き過ぎるとアルミナセメントと混練りする時にフロー値が小さくなり、流動性が低下する傾向がある。
【0015】
本発明で使用するアクリル酸類−メタクリル酸類共重合体としては、分子量が5,000 〜20,000の共重合体であって、ナトリウム塩やカリウム塩などの使用が可能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好ましい。
特に、本発明では、アクリル酸類−メタクリル酸共重合体(以下、アクリル共重合体という)のナトリウム塩、特に、水に可溶な重合体で、固形分95重量%以上、25℃における40重量%濃度のスラリー粘度が10,000cps 以下の可溶性重合度タイプのものの使用が、アルミナセメントの流動性を向上する面から好ましく、100 〜2,000cpsのものを使用することがより好ましく、300 〜1,000cpsのものを使用することが最も好ましい。
アクリル酸類とメタクリル酸類の共重合の割合は、アクリル酸類/メタクリル酸類が重量比で9/1〜4/6であることが好ましく、8/2〜5/5が分散作用に優れより好ましい。特に好ましいアクリル共重合体の組み合わせは、アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ナトリウムの重量比が8/2〜5/5である。アクリル酸類の割合が少な過ぎると、メタクリル酸類の特徴を強く示し、混練り時の粘性が高くなり、また硬化遅延を生じやすくなるばかりでなく、共重合が不可能となる傾向があり、アクリル酸類の割合が多過ぎると、アクリル酸類の特徴が強くなり、流動性と凝集時間が早くなる傾向がある。
本発明において、アクリル共重合体のスラリーのイオン性やpHは特に限定されるものではないが、アルミナセメントと配合した際、より大きな流動性を得るために、アクリル共重合体がアニオン性で、かつ、25℃における1重量%濃度のスラリーのpHが中性からアルカリ性であることが重要で、特に、pHが7.5 〜11のものが好ましい。
【0016】
本発明で使用するポリイタコン酸類としては、分子量が5,000 〜10,000であって、ナトリウム塩やカリウム塩などの使用が可能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好ましい。なかでも、水に可溶で、固形分92重量%以上、25℃における40重量%濃度のスラリー粘度が1,000cps以下の可溶性タイプのものの使用が、アルミナセメントの流動性を向上する面から好ましく、100 〜1,000cpsのものの使用がより好ましく、300 〜800cpsのものの使用が最も好ましい。
本発明において、ポリイタコン酸類のスラリーのイオン性やpHは特に限定されるものではないが、アルミナセメントと配合した際、より大きな流動性を得るために、ポリイタコン酸類がアニオン性で、かつ、25℃における1重量%濃度の水溶性スラリーのpHが中性からアルカリ性であることが重要で、特に、pHが7.5 〜10のものが好ましい。
【0017】
本発明の添加剤は、GC−MS、C13−NMR、HPLC、イオンクロマト、及びFT−IR等の機器分析や放射化分析等で分析することが可能である。
また、添加剤は、あらかじめアルミナセメントにプレミックスすることができ、施工時に別途に投入したり、混合したりする手間が削減できる面から、粉末タイプであることが好ましい。
この添加剤の粉末化は、液状品をスプレードライヤー等の乾燥機で乾燥処理するなどして製造することが可能である。
【0018】
本発明で使用する炭酸塩としては、無機炭酸塩のいずれも使用可能であるが、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ塩の使用が好ましく、その含水塩や無水塩のいずれの使用も可能である。これらのうち、炭酸ナトリウムの使用が好ましく、JIS K 1201、JIS K 8624、及びJIS K 8625で規定される炭酸ナトリウムが使用可能である。
炭酸塩の粒度は、アルミナセメントと混和した際、水に溶解しやすいように、細かい程好ましく、100 メッシュ以下が好ましく、200 メッシュ以下がより好ましい。
炭酸塩の純度は特に限定されるものではないが、現在、工業的に精製されている炭酸塩の使用が可能であって、目的とする炭酸塩の純度が80重量%程度以上のものの使用が好ましい。
【0019】
添加剤と炭酸塩の種類の組み合わせは、アルミナセメントによって適宜選択できるもので特に限定されるものではないが、ポリアクリル酸類、ポリメタクリル酸類、及び炭酸塩、ポリアクリル酸類、アクリル共重合体、及び炭酸塩、ポリアクリル酸類、ポリイタコン酸類、及び炭酸塩、並びに、メタクリル酸類、アクリル共重合体、及び炭酸塩の組み合わせが、流動性、硬化性、及び強度発現性のバランスが確保できる面から好ましい。
特に、ポリアクリル酸類としてポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸類としてポリメタクリル酸ナトリウム、アクリル共重合体としてアクリル共重合体のナトリウム塩、ポリイタコン酸類としてポリイタコン酸ナトリウム、及び炭酸塩として炭酸ナトリウムを配合したものが、アルミナセメント組成物として流動性に優れるためより好ましい。
これら添加剤及び/又は炭酸塩(以下、添加剤等という)は、アルミナセメント 100重量部に対して、添加剤等の合計量が 0.2〜5.0 重量部になるように配合することが好ましく、添加剤等の合計量が 0.8〜2.0 重量部になるように配合することが、硬化遅延が少なく、高流動性が確保できる面からより好ましい。
具体的には、アルミナセメント 100重量部に対して、ポリアクリル酸類 0.2〜5重量部、ポリアクリル酸類 0.2〜5重量部、アクリル共重合体 0.2〜5重量部、ポリイタコン酸類 0.2〜5重量部、及び炭酸塩 0.2〜2重量部が好ましい。
【0020】
本発明において、添加剤等の配合方法は特に限定されるものではなく、各添加剤等を所定の割合になるように配合し、あらかじめ粉砕したアルミナセメントとV型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサー、パン型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を用いて均一混合するか、あるいは、所定の割合でクリンカーに配合後、振動ミル、チューブミル、ボールミル、及びローラーミル等の粉砕機で混合粉砕することが可能である。
【0021】
さらに、本発明では、個々の添加剤等若しくは添加剤等の混合物を、100 〜200 ℃の温度で30分以上、好ましくは60〜180 分、乾燥又は軽焼の熱処理をすることは、アルミナセメントに配合した際の流動性が向上する面から好ましく、特に、120 〜180 ℃で熱処理したものの効果が著しい。
【0022】
本発明で使用する耐火骨材とは、通常、不定形耐火物に使用されている耐火骨材が使用可能であって、具体的には、溶融マグネシア、焼結マグネシア、天然マグネシア、及び軽焼マグネシア等のマグネシア、溶融マグネシアスピネルや焼結マグネシアスピネルなどのマグネシアスピネル、溶融アルミナ、焼結アルミナ、軽焼アルミナ、及び易焼結アルミナ等のアルミナ、シリカフューム、コロイダルシリカ、軽焼アルミナ、及び易焼結アルミナ等の超微粉、その他、溶融シリカ、焼成ムライト、酸化クロム、ボーキサイト、アンダルサイト、シリマナイト、シャモット、ケイ石、ロー石、粘土、ジルコン、ジルコニア、ドロマイト、パーライト、バーミキュライト、煉瓦屑、陶器屑、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素、及び窒化珪素鉄等の使用が可能である。
特に、本発明の不定形耐火物においては、耐食性、耐用性、及び耐火性の面から、マグネシアスピネル、アルミナ、及び超微粉のなかから選ばれた一種又は二種以上の耐火骨材を使用することが好ましい。
【0023】
ここでマグネシアスピネルとは、水酸化マグネシウムや仮焼マグネシアなどのマグネシア原料と、水酸化アルミニウムや仮焼アルミナなどのアルミナ原料を、所定の割合になるように調合し、ロータリーキルン等の焼成装置を用いて、約1,800 〜1,900 ℃の温度で反応・焼結させてスピネルクリンカーとしたもの、電気炉などの溶融装置で溶融した溶融マグネシアスピネルを所定のサイズに粉砕し、篩い分けしたもの、さらには、これら焼成したものと溶融したものを混合したものなどである。
マグネシアスピネルにおける MgO/Al2O3 の重量比は、1 /1 〜 0.1/1 が好ましく、 0.4/1〜 0.2/1が不定形耐火物に配合した際、耐久性に優れる面からより好ましい。
【0024】
また、アルミナとは、水酸化アルミニウムや仮焼アルミナなどのアルミナ原料を、ロータリーキルン等の焼成装置や電気炉等の溶融装置によって、焼結及び/又は溶融し、所定のサイズに粉砕し、篩い分けしたものであって、鉱物組成としては、α-Al2O3やβ-Al2O3などと示される酸化アルミニウムであり、焼結アルミナ、仮焼アルミナ、及び易焼結アルミナ等と呼ばれるものであって、通常、Al2O3 を90重量%以上含有するα−アルミナの使用が最も好ましい。
また、アルミナとジルコニアを溶融することで得られる、耐熱スポーリング性を向上させたアルミナ・ジルコニアクリンカー等の使用も可能である。
【0025】
耐火骨材の粒度は、通常、5〜3mm、3〜1mm、1〜0mm、200 メッシュ下、及び 325メッシュ下等のサイズのものを、要求物性に応じて配合する。
【0026】
本発明において、耐火骨材として、さらに、粒径が微小の粉体である超微粉を使用することが可能である。
ここで、超微粉とは、粒径10μm以下の粒子が80重量%以上占める耐火性微粉末であって、平均粒子径が1μm以下で、BET法による比表面積が10m2/g以上のものが、不定形耐火物に配合した際、流動性が確保でき、高強度を有するため好ましい。具体的には、シリカフューム、コロイダルシリカ、易焼結アルミナ、非晶質シリカ、ジルコン、炭化珪素、窒化珪素、酸化クロム、及び酸化チタン等の無機微粉が使用可能であり、このうち、シリカフューム、コロイダルシリカ、及び易焼結アルミナの使用が好ましい。
【0027】
耐火骨材の使用量は、施工場所によって適宜決定すべきものであり、特に限定されるものではないが、アルミナセメント組成物と耐火骨材からなる不定形耐火物100 重量部中、耐火骨材が99.5〜50重量部であることが好ましく、耐食性と強度発現性の面から、耐火骨材98〜85重量部であることがより好ましい。
耐火骨材の粒度調整は、不定形耐火物の要求物性によって適宜決定されるもので特に限定されるものではないが、不定形耐火物 100重量部中、アルミナセメント組成物が2〜15重量部、粒径1mm 以下の焼結スピネルが5〜20重量部、残部が粒径1〜10mmの電融アルミナ及び/又は焼結アルミナからなるものが、流動性がよく、強度発現性が高く、さらには、スラグ侵食性が少ない面から好ましい。
本発明において、アルミナセメントと耐火骨材を配合してなる不定形耐火物に添加剤等を併用することは、不定形耐火物の構成材料である1mm以下の微粉をマトリックス中へ分散させる面からも必要であって、超微粉の分散作用や解こう作用を有する面からも好ましい。
【0028】
さらに、添加剤等の他に、リン酸類を併用することも可能である。
リン酸類としては、ヘキサメタリン酸、トリポリリン酸、ウルトラリン酸、ピロリン酸、及びオルトリン酸又はこれらの塩の一種又は二種以上が挙げられ、ヘキサメタリン酸とトリポリリン酸が分散作用に優れるため好ましく、飽和水溶液のpHがアルカリ性であって、pHが 8.0〜11.0のものがより好ましい。
リン酸類の塩としては、ナトリウム、カリウム、及びカルシウム塩のいずれかであって、入手のしやすさからナトリウム塩の使用が好ましい。
リン酸類の粒度は、200 メッシュ以下程度のものが、混練り時に溶解しやすく、分散作用が優れるため好ましく、品質的には、一般に医薬品や食品添加物などとして市販されているものが使用可能である。
【0029】
本発明の不定形耐火物の製造方法は特に限定されるものではなく、通常の不定形耐火物の製造方法に準じ、各材料を所定の割合になるように配合し、V型ブレンダー、コーンブレンダー、ナウタミキサー、パン型ミキサー、及びオムニミキサー等の混合機を用いて均一混合するか、あるいは、所定の割合で混練り施工する際、混練り機に直接秤込むことも可能である。
【0030】
さらに、本発明の不定形耐火物に、アルカリ性の水と反応し水素ガスを発生する金属アルミニウムや金属マグネシウムなどの発泡材や、ビニロンファイバー、ポリプロピレンファィバー、及び塩化ビニールファイバー等の有機繊維、乳酸アルミニウム等の塩基性コロイド、窒素ガス発生分解繊維、並びに、フミン酸類等の爆裂防止材等を必要に応じて、硬化体乾燥時の爆裂防止の目的で配合することも可能である。
また、従来から流動性、可使時間、硬化時間、及び強度発現性等の性状改善の目的で使用されている、メラミン類、ナフタレンスルホン酸類、ポリカルボン酸類、及びホルムアルデヒドの縮合物等の界面活性剤、AE減水剤、及びデキストリンや澱粉などの糖類等を必要に応じて配合することも可能である。
【0031】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに説明する。
【0032】
実施例1
アルミナ原料とカルシア原料とを所定の割合で配合し、ロータリーキルンを用い、1,400 〜1,600 ℃で焼成後、放冷して表1に示す水硬性物資のクリンカーを製造した。その化学成分と鉱物組成を表1に示す。
アルミナセメント中の CaOが10重量%になるようにクリンカーとα−アルミナとを配合したアルミナセメント 100重量部に対して、添加剤等a1重量部、添加剤等b1 重量部、及び添加剤等c 0.5重量部、合計 2.5重量部加え、振動ミルで平均粒子径5μm以下に粉砕してアルミナセメント組成物を調製した。
調製したアルミナセメント組成物10重量部、焼結アルミナ70重量部、焼結スピネル10重量部、超微粉α10重量部、及び水 6.5重量部を添加し、モルタルミキサーで3分間混練りして不定形耐火物を得た。
この不定形耐火物について、流動性、可使時間、硬化時間、養生、乾燥、及び焼成の圧縮強度、収縮率、並びに、耐食性を測定した。結果を表2に示す。
なお、材料の混練から養生は20℃恒温室内で行った。
【0033】
<使用材料>
アルミナ原料:仮焼アルミナ、平均粒子径50μm
カルシア原料:石灰石粉、100 メッシュ下、CaCO3 純度98%
α−アルミナ:アルミナ、平均粒子径3μm、BET比表面積7m2/g
添加剤等a:ポリアクリル酸ナトリウム、市販品
添加剤等b:ポリメタクリル酸ナトリウム、市販品
添加剤等c:アクリル共重合体のナトリウム塩、アクリル酸ナトリウム/メタクリル酸ナトリウム重量比7/3、市販品
焼結アルミナ:焼結アルミナ、5〜1mm 20重量部、1〜0mm 20重量部、48F25重量部、325 F 15重量部、混合品
焼結スピネル:焼成スピネル、200 F
超微粉α :易焼結アルミナ、平均粒子径 0.8μm
【0034】
<物性の測定方法>
化学成分 :JIS R 2522に準じて分析
鉱物組成 :理学社製X線回折装置「RADIIB」による回折強度比d値、CA=4.67Å、CA2 =4.45Å、α−アルミナ=2.55Åの回折線の強度を用いてZevin 法により各鉱物量を算出
平均粒子径:島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定装置「SALD1000」使用
流動性 :3分混練り後、30分放置した混練物を用いて、フローテーブルにより15回タップした後の広がり径を、JIS R 2521に準じて測定
可使時間 :調製した不定形耐火物をビニール袋に移し取り、流動性が無くなるまでにかかった時間
硬化時間 :調製した不定形耐火物 500gをポリビーカーに移し、注水から水和発熱のピークまでにかかった時間を白金測温抵抗体と打点記録計で測定
養生圧縮強度:調製した不定形耐火物を4×4×16cmの型枠に突き棒でスタンピングしながら打設し、表面をセメントナイフで平に整えた後、24時間養生後の圧縮強度を油圧測定機にて測定
乾燥圧縮強度:養生後の硬化体試片を 110℃で24時間乾燥後、室温まで放冷し、圧縮強度を油圧測定機にて測定
焼成圧縮強度:乾燥後の硬化体試片をシリコニット電気炉に入れ、1,000 ℃までは10℃/分の昇温速度、1,000 ℃以上は5℃/分で 1,500℃まで昇温後、3時間保持し、室温まで放冷し、圧縮強度を油圧測定機にて測定
収縮率 :24時間養生の硬化体を基準とした 1,500℃焼成後の残存線変化率
耐食性 :調製した不定形耐火物を4×4×16cmの型枠に流し込み、24時間養生後の硬化した供試体を 110℃で24時間乾燥後、1,500 ℃で3時間焼成し、CaO /SiO2=2.0、全Feが10重量%のスラグ500gが入った 1,550℃の高周波炉内に3時間浸漬させた後の、深さ方向の溶損寸法を測定。溶損寸法が 3.0mm以上は耐火物として使用不可
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
表2に示すように、本発明のアルミナセメント組成物を配合した不定形耐火物は、比較例に比べて流動性が良好で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間、高強度発現性、及び高耐食性が得られた。
【0038】
実施例2
クリンカー▲2▼とα−アルミナを所定の割合で配合し、振動ミルで平均粒子径3μm程度になるように粉砕して、表3に示す化学成分のアルミナセメントを調製したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に併記する。
【0039】
【表3】
【0040】
表3に示すように、本発明のアルミナセメント組成物を配合した不定形耐火物は、比較例に比べて流動性が良好で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間、高強度発現性、及び高耐食性が得られた。
【0041】
実施例3
振動ミルで表4に示すBET比表面積のα−アルミナと、平均粒子径5μm以下に粉砕したクリンカー▲2▼とを混合し、CaO が約10重量%のアルミナセメントを調製したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表4に併記する。
【0042】
【表4】
【0043】
表4に示すように、本発明のアルミナセメント組成物を配合した不定形耐火物は、流動性が良好で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間、高強度発現性、及び高耐食性が得られた。
【0044】
実施例4
クリンカー▲2▼とα−アルミナを所定の割合に配合して、振動ミルで平均粒子径3μm程度になるように粉砕して、CaO 10重量%のアルミナセメントを調製し、表5に示す添加剤等を配合したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表5に併記する。
【0045】
<使用材料>
添加剤等d:ポリイタコン酸ナトリウム、市販品
添加剤等e:炭酸ナトリウム、市販品
【0046】
【表5】
【0047】
表5に示すように、本発明のアルミナセメント組成物を配合した不定形耐火物は、流動性が良好で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間、高強度発現性、及び高耐食性が得られた。
【0048】
実施例5
クリンカー▲2▼とα−アルミナを所定の割合に配合して、振動ミルで平均粒子径3μm程度になるように粉砕して、CaO 10重量%のアルミナセメントを調製し、表6に示す添加剤等を配合したこと以外は実施例1と同様に行った。結果を表6に併記する。
【0049】
【表6】
【0050】
表6に示すように、本発明のアルミナセメント組成物を配合した不定形耐火物は、流動性が良好で、可使時間が確保でき、適度な硬化時間、高強度発現性、及び高耐食性が得られた。
【0051】
【発明の効果】
本発明のアルミナセメント組成物を用いた不定形耐火物は、従来品に無い高強度、高流動性、及び高耐食性を有するものであり、このアルミナセメント組成物を耐火物分野に使用した場合、不定形耐火物中の CaO量を低減でき、耐食性が向上する効果を奏する。
また、耐火物分野のみならず、高強度発現性、高流動性、及び耐食性が要求される化学プラントのライニング材料や耐食材料としても使用可能である。
Claims (4)
- アルミナセメントと添加剤とを含有してなるアルミナセメント組成物であって、アルミナセメントが、 CaO・Al2O3 と CaO・2Al2O3 の鉱物組成をもち、且つ、CaO・Al2O3含有量が35〜95重量%である水硬性物質とα−アルミナからなり、化学成分がCaO 5〜15重量%、Al2O3 95〜85重量%であり、添加剤が、ポリアクリル酸類、ポリメタクリル酸類、アクリル酸類−メタクリル酸類共重合体、及びポリイタコン酸類からなる群より選ばれた一種又は二種以上であって、アルミナセメント 100重量部に対して、添加剤の合計量が 0.2〜5.0 重量部になるように配合することを特徴とするアルミナセメント組成物。
- アルミナセメント、添加剤、及び炭酸塩を含有してなるアルミナセメント組成物であって、アルミナセメントが、 CaO・Al2O3 と CaO・2Al2O3 の鉱物組成をもち、且つ、CaO・Al2O3含有量が35〜95重量%である水硬性物質とα−アルミナからなり、化学成分がCaO 5〜15重量%、Al2O3 95〜85重量%であり、添加剤が、ポリアクリル酸類、ポリメタクリル酸類、アクリル酸類−メタクリル酸類共重合体、及びポリイタコン酸類からなる群より選ばれた一種又は二種以上であって、アルミナセメント 100重量部に対して、添加剤と炭酸塩の合計量が 0.2〜5.0 重量部になるように配合することを特徴とするアルミナセメント組成物。
- α−アルミナのBET比表面積が5〜10m2/gである請求項1又は2記載のアルミナセメント組成物。
- 請求項1〜3のうちの1項記載のアルミナセメント組成物と耐火骨材とを含有してなる不定形耐火物。
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