JP3905643B2 - 旋回装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸部材とハウジング部材とを相対的に回転させて使用する旋回装置に関する。
さらに詳細には、軸部材とハウジング部材とを360度を越えて相対的に回転させる場合に好適な、回転範囲を規制する旋回装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に産業用ロボットにおいては、数値データまたはテイーチング操作による入力データに基づいてマイクロコンピュータを作動させてロボットを作動させたり、或いは固定の電気的シーケンス制御装置によりロボットを作動させたりしている。
この場合、産業用ロボットとしての機能を高めるために、ロボットの自由端側の手首部WRは、回転動作角度が360度以上となるように設定されることが多々ある。
【0003】
従来、回転軸を360度以上の回転範囲に規制する構造としては、例えば、特公平6−104312号に記載のものがある。
すなわち、図7乃至図12において、51は産業用ロボットの手首部に固定された固定部材であり、この固定部材51に対して、回転部材52が水平軸を軸心として回転自在に取付けられている。回転部材52の外周の一部には回転部材52の径方向に突出する突起53及び切欠き54,55が設けられている。
【0004】
一方、固定部材51には突起53の軌跡の上方に位置するブラケット56が取り付けられている。ブラケット56には鉛直に配置されたピン57を介してストッパ部材58の一端が揺動自在に取り付けられている。
ストッパ部材58の他端は二股状に分岐されて脚部59,60が形成され、ストッパ部材58は全体として鉤型に形成されている。また、ストッパ部材58の一端側、すなわちZ1 方向側は厚肉とされ、回転部材52側に段差61,62が形成されている。
なお、回転部材52は適宜の駆動手段により点O2 を中心として回転駆動される。
【0005】
さて、平面図である図8に示されるごとく、回転部材52が回転動作範囲のほぼ中心にある場合には、ストッパ部材58はその脚部59,60間に突起53を挾み一定角度揺動可能な状態にある。
この状態で、例えば回転部材52が図7に示す矢印A1 方向に点O2 を中心として回転すると、図9に示すように突起53が脚部59を押し動かして、図8に示される状態からピン57の軸心O1 を中心として、ストッパ部材58を反時計方向に回動させる。
このとき、ストッパ部材58の段差61が回転部材52の側面521に当接し、この段差61部に以後再び切欠き54が回ってくるまでストッパ部材58の回動は拘束される。
引き続き回転部材52が同方向へほぼ一回転し、段差61に切欠き54が対向すると、突起53が図10に示すように、脚部60の左側面を押圧してストッパ部材58を点O1 を中心として反時計方向に回動させる。
これにより脚部59がブラケット56に当接して、ストッパ部材58の回動が停止させられ、従って突起53の回動も停止させられて、回転部材52の回転が停止する。
【0006】
図10に示される状態から、図7におけるA2 方向に回転部材52を回転させると、回転部材52がほぼ一回転し、さらに突起53が脚部60を押し動かし、図8に示す状態を経て、段差62が回転部材52の側面521に当接し、さらに回転部材52がほぼ一回転すると、突起53が脚部59に当接してストッパ部材58を回動させ、この後、脚部60をブラケット56に当接させて、回転部材52の回転が停止する。
【0007】
そこで、段差61と回転部材52の側面521との当接状態について詳述する。
図9に示される状態において、現実には段差61と回転部材52の側面521との間に間隙△y1 が設けられるが、仮にこの間隙がゼロ、すなわち△y1 =0であるものとする。
図9の状態から、回転部材52が図7に示す矢印A1 方向に1回転近く回転すると、図11に示されるごとく、突起53が脚部60に当接する。この当接により、ストッパ部材58は図11に示される点O1 を中心として反時計方向に回動されて、例えば2点鎖線で示されるようにストッパ部材58が位置変位しようとする。
【0008】
ところで、上記したごとく、仮に段差61と回転部材52の側面521との間隙:△y1 がゼロである場合、図11に示されるごとくストッパ部材58が2点鎖線で示されるように位置変位したときには、段差61が回転部材52の側面521よりもY2 方向の位置となるように傾動する。
【0009】
しかし、突起53が脚部60に当接する寸前までは、段差61と回転部材52の側面521とが当接して、ストッパ部材58の回動を拘束するものであるから、例えば図11に示されるごとく、突起53が脚部60に当接したときには、切欠き54に拘わらず段差61と回転部材52の側面521とが、前記したように、間隙:△y1 がゼロの状態で当接している。
【0010】
すなわち、図11に示されるごとく、突起53が脚部60に当接した後、回転部材52が更にY1 方向、すなわち図7におけるA1 方向に回動されれば、上記したごとくストッパ部材58は、2点鎖線で示されるように、段差61が回転部材52の側面521の位置を越えるように、すなわちY2 方向に位置変位されようとするが、切欠き54の端部C1 、すなわち回転部材52の側面521の切欠かれた端部C1 が段差61に当接しているため、ストッパ部材58の回転が阻止されてしまう。
【0011】
したがって、現実には図11においてストッパ部材58が点O1 を中心として反時計方向に回動自在となるようにするため、図9に示されるごとく、段差61と回転部材52の側面521との間に間隙:△y1 が設けられる。勿論段差62と回転部材52の側面521との間にも同様に間隙が設けられる。
上記従来装置は、図7に示される状態を正面状態とし、図8乃至図11に示される状態を平面状態として使用されるものであるから、すなわち、ストッパ部材58はピン57を介して水平に揺動されるものであるから、段差61,62と回転部材52の側面521との間に間隙が設けられていても、特段に問題なく実施することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では以下のような問題がある。すなわち、上記したごとく、図9に示される状態において、現実には段差61と回転部材52の端面521との間に間隙△y1 が設けられているため、ストッパ部材58を揺動自在に支持するピン57を、例えば水平の状態に配置したときに問題が生じる。
【0013】
例えば、図12に示されるごとく、ピン57の長軸が水平の状態とし、回転部材52が鉛直軸を中心として回転駆動する場合、段差61と回転部材52の端面521との間の間隙△y1 に対応して、ピン57の軸心O1 を中心として垂直面上を回動するストッパ部材58は、図12(A)の実線と2点鎖線とで示される2位置間に揺動自在な状態となる。
すなわち、図12においてZ1 方向を重力方向とすれば、ストッパ部材58は自重により実線で示される位置となる。
この状態で回転部材52が回転して、突起53がX2 方向に移動するように回動されると、突起53とストッパ部材58とが当接することとなる。
【0014】
この場合、図12(B)に示されるごとく、突起53とストッパ部材58との当接点P2 に回転部材52の回転駆動によるX2 方向の力F1 が作用する。この力F1 の線分O1 P2 と直交する分力F3 によりストッパ部材58は点O1 を中心として時計方向に回動しようとする。しかし、回転部材52と一体をなす突起53はX方向に対しては移動するが、Z方向に対しては位置が固定であるため、ストッパ部材58と突起53とは点P2 で当接した状態で固定されてしまう。
このため、回転部材52を所望の回転範囲に規制することができなくなる。
【0015】
ところで、産業用ロボットにおいては、自由端部に取付ける切削工具、つかみ工具、切削工具あるいは溶接用トーチ等、適宜の操作要素の移動・停止を高速度で繰返すものであるから、ロボットの各可動部に予期せぬ方向の慣性力が作用することが多々ある。
【0016】
このため、ストッパ部材58を揺動自在に支持するピン57の長軸が鉛直となるように配置されている場合でも、産業用ロボットの稼動時に作用する予期せぬ慣性力により、ストッパ部材58がピン57を中心として揺動されて、回転部材52の回転駆動時に、例えば図12に示されるように、突起53とストッパ部材58とが当接して、回転部材52が予期せぬ位置で固定されてしまうこととなる。
【0017】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、産業用ロボットの手首部を適宜にかつ自在に反復して作動させても、手首部に取付けられて、軸部材とハウジング部材とを相対的に回転させて使用する旋回装置が常に所望とする状態に作用して、手首部を所望の回転範囲に規制することができる、産業用ロボットに好適な旋回装置を提供することである。
【0018】
第1の発明は、軸部材(1)とハウジング部材(2)とを相対的に回転させる旋回装置において、前記軸部材(1)の半径方向に突き出して設けたストライカ(3)と、このストライカ(3)の外側に前記軸部材の長軸と平行な支持ピン(5)で前記ハウジング部材(2)に回動自在に支持されて基端部に切欠部(401)が形成された駒(4)と、この駒(4)の先端部に有底状の孔(402)を設けこの孔(402)に挿入した圧縮スプリング(6)のばね力によって外方に押し出される駒用保持ピン(7)と、コの字状に形成されてこのコの字状の開口部に前記駒(4)の基端部が当接する当接面(802、803)が形成され前記コの字状の底部に当接案内面(801)が形成されて前記駒(4)が前記支持ピン(5)を回動中心として回転したときに前記駒(4)の基端部が前記ストッパ部材(8)の当接面(802又は803)に当接し前記駒用保持ピン(7)の先端部が前記ばね力によって押し出されて前記当接案内面(801)の端部に当接して前記駒(4)の回転を停止させる前記ハウジング部材(2)に取り付けたストッパ部材(8)とを備え、前記駒(4)の基端部が前記ストッパ部材(8)の一方の当接面(802又は803)に当接して前記駒用保持ピン(7)の先端部が前記ばね力によって押し出されて前記当接案内面(801)の一方の端部に当接しているときにさらに前記駒(4)の基端部を前記ストッパ部材(8)の一方の当接面(802又は803)に押し付ける方向に前記軸部材(1)と前記ハウジング部材(2)とを相対的に回転させるときは前記駒(4)の回転が阻止されて前記軸部材(1)と前記ハウジング部材(2)との相対的回転が阻止され、前記駒(4)の基端部が前記ストッパ部材(8)の一方の当接面(802又は803)から離れる方向に前記軸部材(1)と前記ハウジング部材(2)とを相対的に回転させるときは前記ストライカ(3)が前記駒(4)の切欠部(401)に引っかかって前記駒(4)を回転して前記駒用保持ピン(7)の先端部が前記当接案内面(801)の一方の端部から他方の端部に移動して前記ばね力によって押し出されて前記当接案内面(801)の他方の端部に当接して前記駒(4)の回転を停止し、前記ストライカ(3)が前記駒(4)から離れて前記軸部材(1)と前記ハウジング部材(2)とを相対的に回転させるときは前記駒用保持ピン(7)の先端部が前記ばね力によって押し出されて前記当接案内面(801)の他方の端部に当接した状態を維持して前記駒(4)の回転を停止することを特徴とする旋回装置である。
第2の発明は、第1の発明に記載のストッパ部材(8)の当接案内面(801)が、中間部が前記支持ピン(5)側に湾曲されていることを特徴とする旋回装置である。
【0019】
【作用】
軸部材とハウジング部材とが相対的に回転すると、軸部材に突設されたストライカにより、前記駒が支持ピンを中心として傾動する。駒が所定量傾動すると駒がストッパ部材に当接する。
【0020】
この場合、駒に配設された、軸部材の半径方向の外方に開口する有底状の孔には、駒用保持ピンが遊入されていて、圧縮スプリングにより外方に付勢される駒用保持ピンは、ストッパ部材の当接案内面に当接しつつ駒からの抜出しが阻止される。
【0021】
すなわち、ストッパ部材の当接案内面に当接しつつ駒からの抜出しが阻止される駒用保持ピンと、駒用保持ピンを遊入する駒には介在した圧縮スプリングの弾力が相互に作用するため、この弾力により駒はストッパ部材に当接した状態で位置決めされる。駒がストッパ部材に当接している状態において、ストライカは駒とストッパ部材との当接方向と反対方向に360度近く回転し、次いで駒とストッパ部材との当接状況が解除される方向に対しては、ストライカが駒の窪んだ切欠部に係入して、駒とストライカとが相対的に回転される。この場合、駒は支持ピンを中心として所定量傾動すると、ストッパ部材に当接する。
上記において、ストライカが同じ方向に更に360度近く回転すると、ストッパ部材に当接しつつ位置決めされている駒部材にストライカが当接して、ストライカを固定した軸部材とハウジング部材との回転が規制される。
【0022】
すなわち駒がストッパ部材に当接している状態において、駒とストッパ部材との当接状況が強化される方向に対しては、ストライカが駒に当接して相対的回転が阻止される。
上記のごとく、軸部材とハウジング部材との相対回転角度は約720度に規制される。
【0023】
勿論、支持ピンを中心として回動して、ストッパ部材に当接する2位置に切替えられる駒と、ストッパ部材の当接案内面に当接する駒用保持ピンとの間には圧縮スプリングの弾力が作用するため、この弾力により駒はストッパ部材に当接した状態で強制的に位置決めされる。
【0024】
すなわち、ストライカが駒の窪んだ切欠部に係入して、駒を機械的に回転させる場合を除いて、上記弾力により駒は、ストッパ部材に当接する2位置のいずれかに強制的に位置決めされるため、本発明に係る旋回装置は産業用ロボットに好適である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施例により詳細に説明する。例えば、本発明に係る旋回装置を多関節形ロボットの手首部に適用した場合について説明する。
【0026】
図1乃至図4において、多関節形ロボットRの手首部WRに、取付部材BKを介して切削工具、つかみ工具、切削工具あるいは溶接用トーチ等の適宜の操作要素、例えば溶接用トーチCEが取付けられている。
【0027】
1は上記手首部WRの軸部材,2は上記手首部WRのハウジング部材で、このハウジング部材2と軸部材1とは相対的に回転されて使用されるが、以下、例えば、ハウジング部材2が手首部WRに固定されているものとして説明する。
すなわち、軸部材1は、図示を省略した適宜の軸受を介してハウジング部材2に回転自在に取付けられている。3は軸部材1に一体的に取付けられて、軸部材1の半径方向に突設されたストライカで、このストライカ3は、図2に示されるごとく半径方向の先端部が先細状に形成されている。
4はストライカ3の外側の位置に、軸部材1の長軸と平行な支持ピン5を介して、結果としてハウジング部材2に枢支された駒で、この駒4の軸部材1側には、軸部材1の半径方向に開口する窪んだ切欠部401が形成され、かつ駒4の軸部材1と反対側には、軸部材1の半径方向の外方に開口する有底状の孔402が形成されている。
【0028】
6は駒4の有底状の孔402内に挿入された圧縮スプリング、7は駒4の有底状の孔402内に遊入されて、圧縮スプリング6により有底状の孔402の開口方向の外方に付勢される駒用保持ピン、8はストッパ部材で、このストッパ部材8には、上記外方に付勢される駒用保持ピン7の抜出しを阻止する当接案内面801と、駒4が支持ピン5を回動中心として両方向に所定量夫々傾動した際に駒4に当接する第1および第2の当接面802,803とが形成されている。
【0029】
例えば、ハウジング部材2が夫々の端面に締付フランジを有する軸方向に分割自在に形成されている。このうち一方のハウジング部材22は締付フランジを含めて半径方向に切欠かれていて、この切欠部221にストッパ部材8が挿入されて、締付ボルトによりストッパ部材8とハウジング部材22とが一体的に取付けられる。
【0030】
この後、ハウジング部材21,22の夫々の締付フランジを当接して締付けて、一体形のハウジング部材2とされる。
【0031】
上記1乃至8により旋回装置が構成されている。
【0032】
次に上記構成よりなる旋回装置の動作について説明する。
図1に示される多関節形ロボットRが適宜に駆動されて、例えば図5(A)に示されるごとく、ストライカ3および駒4が配置されているものとする。
【0033】
すなわち、図5(A)に示されるごとく、ストライカ3が駒4よりもY2 方向側に位置する状態で、図示を省略した回転駆動機により軸部材1が点O2 を回転中心として時計方向に回転駆動されると、ストライカ3に当接する駒4が支持ピン5の軸心O3 を中心として反時計方向に回動しようとする。
ところで図5(A)に示されるごとく、駒4はストッパ部材8の第1の当接面802に当接しているため、点O3 を中心とする反時計方向の駒4の回転が阻止され、結局、点O2 を回転中心とする軸部材1の時計方向の回転が規制された状態となっている。
【0034】
図5(A)において、軸部材1を点O2 を中心として反時計方向に回動させると、この方向にはストライカ3を拘束する部材が存在しないため、軸部材1およびストライカ3は一体となってA1 方向に回転する。
【0035】
ところで、図2および図4に示されるごとく、支持ピン5により回動自在に支持された駒4には、駒4の有底状の孔402に遊入されてストッパ部材8の当接案内面801に当接する駒用保持ピン7と、有底状の孔402の底部、すなわち駒4との間には弾装された圧縮スプリング6のバネ力が常時作用している。
【0036】
このため、支持ピン5を中心として回動自在に支持された駒4に特別な機械的外力を加えない限り、例えば図5(A)に示されるごとく、駒4がストッパ部材8の第1の当接面802に当接した状態に維持される。
【0037】
さて、図5(A)に示される状態から、軸部材1が点O2 を中心として反時計方向に360度近く回転すると、図5(B)に示されるごとく、駒4の軸部材側に開口する窪んだ切欠部401に、ストライカ3の先端部が係入する。
【0038】
この後、更に軸部材1が点O2 を中心として反時計方向に回動されると、駒4の切欠部401に係入したストライカ3が切欠部401に当接しつつ、点O3 を回動中心として駒4を時計方向に機械的に回動させる。
すなわち、上記ストライカ3の回動により、駒4は図5(A)に示される状態から、図5(C)に示される状態に停止位置が切替えられた状態となる。
【0039】
このように、点O2 を中心とする上記ストライカ3の反時計方向の回動にともなって、駒4は点O3 を中心として時計方向に回動し、駒4がストッパ部材8の第2の当接面803に当接される。
【0040】
勿論上記したごとく、ストッパ部材8の当接案内面801に当接する駒用保持ピン7と駒4との間には弾装された圧縮スプリング6のバネ力が常時作用しているため、支持ピン5を中心として回動自在に支持された駒4に特別な機械的外力を加えない限り、図5(C)に示されるごとく、駒4がストッパ部材8の第2の当接面803に当接した状態に維持される。
【0041】
上記のごとく、駒4がストッパ部材8の第2の当接面803に当接するようにストライカ3が回動した後、更に軸部材1およびストライカ3が点O2 を中心として反時計方向に360度近く回転すると、図5(D)に示されるごとく、ストッパ部材8の第2の当接面803に当接して位置決めされている駒4にストライカ3が当接して、点O2 を回転中心とする軸部材1の反時計方向の回転が規制される。
【0042】
上記のごとく、軸部材1は、図5(A)に示される状態から図5(D)に示される状態まで、点O2 を回転中心として反時計方向に720度近く、例えば710度回転する。
【0043】
勿論、図5(D)に示される状態から、点O2 を回転中心として時計方向に軸部材1を回転させると、実質的に図5(C)および図5(B)の状態を経て、図5(A)の状態まで、軸部材1が回転する。
【0044】
すなわち、駒4がストッパ部材8に当接している際に、駒4とストッパ部材8との当接状況が強化される方向に対しては、ストライカ3が駒4に当接して相対的回転が阻止され、駒4とストッパ部材8との当接状況が解除される方向に対しては、ストライカ3が駒4の窪んだ切欠部401に係入して駒4とストライカ3とが相対的に回転される。
【0045】
以上のごとく、軸部材1は、図5(A)に示される状態と、図5(D)に示される状態との、例えば710度に規制される回転範囲内で点O2 を回動中心として回転される。
【0046】
なお、上記したごとく、ストッパ部材8の当接案内面801に当接する駒用保持ピン7と駒4との間には弾装された圧縮スプリング6のバネ力が常時作用しているため、支持ピン5を中心として回動自在に支持された駒4に特別な機械的外力を加えない限り、駒4はストッパ部材8の第1又は第2の当接面802,803のいずれかと当接した状態に維持される。
【0047】
この場合、図6に示されるごとく、駒4がストッパ部材8の第1の当接面802に当接している場合における駒用保持ピン7およびストッパ部材8の当接案内面801の当接点801Aと、駒4がストッパ部材8の第2の当接面803に当接している場合における駒用保持ピン7およびストッパ部材8の当接案内面801の当接点801Bとの間を平面とすることができる。
【0048】
すなわち、駒4が支持ピン5を中心として回動しようとする際に、駒4の回動につれて、当接案内面801に当接する駒用保持ピン7が、駒4の有底状の孔402の内部へと位置変位する。
【0049】
このように、駒4が支持ピン5を中心として回動しようとすれば、駒用保持ピン7が駒4の内部に位置変位することにより、圧縮スプリング6のバネ力が増加する。このため、圧縮スプリング6による駒4の位置決め状態が、駒4の回動前よりも更に強化されることとなる。
【0050】
勿論、図2に示されるごとく、駒用保持ピン7の抜出しを阻止するストッパ部材8の当接案内面801は、中間部が支持ピン5側に湾曲されていれば、駒4が支持ピン5を中心として回動しようとする際に、駒4の回動につれて、支持ピン5側に湾曲する当接案内面801に沿って、駒4の内部へと押込まれる駒用保持ピン7の位置変位量が大きくなる。
【0051】
すなわち、駒4が支持ピン5を中心として回動する際の圧縮スプリングのバネ力が、図6に示される場合よりも大きくなるため、圧縮スプリング6による駒4と、ストッパ部材8の第1又は第2の当接面802,803のいずれかとの位置決め状態が強化される。
【0052】
以上のように、本発明に係る旋回装置においては、支持ピン5を中心として回動自在に支持された駒4に特別な機械的外力を加えない限り、駒4は上記圧縮スプリング6のバネ力により付勢されつつ、ストッパ部材8の第1又は第2の当接面802,803のいずれかと当接した状態に維持される。
【0053】
従って、本発明に係る旋回装置を産業用ロボットの手首部に適用すれば、手首部が垂直状態あるいは水平状態などの自在姿勢に位置変化されても、更にロボットの稼動時に手首部に予期せね慣性力が作用したとしても、手首部の可動部を所望の回転範囲に位置規制することができる。
【0054】
なお、本発明は軸部材とハウジング部材とが相対的に回転させる場合に適用される。勿論、軸部材およびハウジング部材双方を回転させる場合にも適用することができる。
【0055】
さらに、ロボットの手首部として好適であるが、所望の回転範囲に位置規制する回転部を備えた適宜の機械装置に適用し得ることは勿論である。
【0056】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明に係る、軸部材とハウジング部材とを相対的に回転させて使用する旋回装置においては、前記軸部材に該軸部材の半径方向に突設されたストライカと、前記ストライカの外側に、前記軸部材の長軸と平行な支持ピンを介して前記ハウジング部材に枢支された駒であって、該駒の前記軸部材側に前記軸部材の半径方向に開口する窪んだ切欠部を有する駒と、前記駒に前記軸部材の半径方向の外方に開口する有底状の孔を設け、該有底状の孔に遊入されて圧縮スプリングを介して外方に付勢される駒用保持ピンと、前記スプリング力に抗して駒用保持ピンの抜出しを阻止する当接案内面を有し、前記駒が支持ピンを回動中心として両方向に所定量夫々傾動した際に駒に当接するストッパ部材とを配設しているため、駒がストッパ部材に当接している際に、駒とストッパ部材との当接状況が強化される方向に対しては、ストライカが駒に当接して相対的回転が阻止され、駒とストッパ部材との当接状況が解除される方向に対しては、ストライカが駒の窪んだ切欠部に係入して駒とストライカとが相対的に回転される。
【0057】
勿論、本発明に係る旋回装置においては、支持ピン5を中心として回動自在に支持された駒4に特別な機械的外力を加えない限り、駒4は圧縮スプリング6のバネ力により付勢されつつ、ストッパ部材8の第1又は第2の当接面802,803のいずれかと当接した状態に維持される。
【0058】
従って、本発明に係る旋回装置を産業用ロボットの手首部に適用すれば、手首部が垂直状態あるいは水平状態などの自在姿勢に位置変化されても、更にロボットの稼動時に手首部に予期せね慣性力が作用したとしても、手首部の可動部を所望の回転範囲に位置規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象とする産業用ロボットを示す斜視図
【図2】本発明の実施例の要部を示す図であって、図1におけるII−II線矢視相当図
【図3】図2の側面図
【図4】図2におけるIV−IV線矢視図
【図5】本発明の動作を説明するための平面図
【図6】図2の要部の変形例図
【図7】従来例の要部を示す正面概略図
【図8】図7の平面図
【図9】従来例の動作説明図
【図10】従来例の動作説明図
【図11】従来例の動作説明図
【図12】従来例の詳細動作説明図
【符号の説明】
1 軸部材
2 ハウジング部材
3 ストライカ
4 駒
5 支持ピン
6 圧縮スプリング
7 駒用保持ピン
8 ストッパ部材
401 駒のストライカ側に窪んだ切欠部
402 半径方向に開口する有底状の孔
801 当接案内面
802 第1の当接面
802 第2の当接面
Claims (2)
- 軸部材(1)とハウジング部材(2)とを相対的に回転させる旋回装置において、
前記軸部材(1)の半径方向に突き出して設けたストライカ(3)と、
このストライカ(3)の外側に前記軸部材の長軸と平行な支持ピン(5)で前記ハウジング部材(2)に回動自在に支持されて基端部に切欠部(401)が形成された駒(4)と、
この駒(4)の先端部に有底状の孔(402)を設けこの孔(402)に挿入した圧縮スプリング(6)のばね力によって外方に押し出される駒用保持ピン(7)と、
コの字状に形成されてこのコの字状の開口部に前記駒(4)の基端部が当接する当接面(802、803)が形成され前記コの字状の底部に当接案内面(801)が形成されて前記駒(4)が前記支持ピン(5)を回動中心として回転したときに前記駒(4)の基端部が前記ストッパ部材(8)の当接面(802又は803)に当接し前記駒用保持ピン(7)の先端部が前記ばね力によって押し出されて前記当接案内面(801)の端部に当接して前記駒(4)の回転を停止させる前記ハウジング部材(2)に取り付けたストッパ部材(8)とを備え、
前記駒(4)の基端部が前記ストッパ部材(8)の一方の当接面(802又は803)に当接して前記駒用保持ピン(7)の先端部が前記ばね力によって押し出されて前記当接案内面(801)の一方の端部に当接しているときにさらに前記駒(4)の基端部を前記ストッパ部材(8)の一方の当接面(802又は803)に押し付ける方向に前記軸部材(1)と前記ハウジング部材(2)とを相対的に回転させるときは前記駒(4)の回転が阻止されて前記軸部材(1)と前記ハウジング部材(2)との相対的回転が阻止され、
前記駒(4)の基端部が前記ストッパ部材(8)の一方の当接面(802又は803)から離れる方向に前記軸部材(1)と前記ハウジング部材(2)とを相対的に回転させるときは前記ストライカ(3)が前記駒(4)の切欠部(401)に引っかかって前記駒(4)を回転して前記駒用保持ピン(7)の先端部が前記当接案内面(801)の一方の端部から他方の端部に移動して前記ばね力によって押し出されて前記当接案内面(801)の他方の端部に当接して前記駒(4)の回転を停止し、
前記ストライカ(3)が前記駒(4)から離れて前記軸部材(1)と前記ハウジング部材(2)とを相対的に回転させるときは前記駒用保持ピン(7)の先端部が前記ばね力によって押し出されて前記当接案内面(801)の他方の端部に当接した状態を維持して前記駒(4)の回転を停止することを特徴とする旋回装置。 - 請求項1記載のストッパ部材(8)の当接案内面(801)は、中間部が前記支持ピン(5)側に湾曲されていることを特徴とする旋回装置。
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JPH11333777A JPH11333777A (ja) | 1999-12-07 |
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-
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- 1998-05-29 JP JP16614698A patent/JP3905643B2/ja not_active Expired - Lifetime
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