JP3902046B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング装置に関し、特に、電流センサの温度ドリフト等により生じるトルクリップルの影響を取り除くことができる電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置は、ハンドル操舵トルクを検出する操舵トルク検出部および、車速を検出する車速検出部等の出力する信号に基づき、モータ制御部により、モータを駆動制御し操舵力の軽減を行っている。そのモータにブラシレスモータを用いた電動パワーステアリング装置は知られているところである。
【0003】
ブラシレスモータを用いた電動パワーステアリング装置は、ブラシとコミテータ間の電圧降下によるモータ出力の低下や変動がないため、安定した操舵補助力が得られる。また、モータの慣性モーメントが、ブラシ付きモータと比較して小さいため、高速直進時やハンドルの切り替えし時に良好な操舵フィーリングが得られる。
【0004】
しかしながら、モータにブラシレスモータを用いた場合には、ブラシとコミテータに代わり、モータの回転角に応じてモータ電流の通電量を制御することが必要となるため、モータの回転角(電気角)を検出するモータ回転角検出部(電気角検出手段)および、モータ電流検出部(電流検出手段)を設け、モータ回転角検出部およびモータ電流検出部の出力信号に基づいて、ブラシレスモータをPWM駆動制御する。ここで電気角とは、ロータのマグネットの位置から得られる角度であり、ロータの周囲に回転方向に沿ってN極とS極が交互に配列されるように4対のマグネットがある場合には、ロータの機械角90°すなわちロータの1/4回転が電気角360°に対応する。
【0005】
図10は、ブラシレスモータの電流を制御するための従来のモータ制御部の簡略化したブロック構成図である。従来のモータ制御部100は、目標電流設定部101とPI設定部102とPWM制御部103からなり、ブラシレスモータ104からの電流を検出し、その検出値をフィードバックし、偏差演算部105で、目標電流との偏差を求め、その値を0に収束させるようにPI設定部102で制御する。このモータ電流の検出は、一定周期で行い、その検出値をフィードバック制御に用いている。
【0006】
図11は、ブラシレスモータの電流を制御するための従来のモータ制御部を詳細に示すブロック構成図である。ブラシレスモータ104には、ブラシレスモータ104の回転角を検出するためのレゾルバ106が取り付けられている。従来のモータ制御部100は、界磁電流指令部107とトルク電流指令部108とを備えた目標電流設定部101と、PI設定部109,110から成るPI設定部102と、dq−3相変換部111と、PWM電圧発生部112と、インバータ回路113から成るPWM制御部103と、モータ電流検出部114,115と相電流A/D変換部116と、3相−dq変換部117とRD変換部118を備えている。
【0007】
目標電流設定部101は、界磁電流指令部107とトルク電流指令部108を備え、図示しない操舵トルク検出部(操舵トルク検出手段)からの操舵トルク信号と図示しない車速検出部からの車速信号に基づいて、目標界磁電流Idtgと目標トルク電流Iqtgを計算し出力する。目標界磁電流Idtgと目標トルク電流Iqtgは、ブラシレスモータ104の回転子上の永久磁石が作り出す回転磁束と同期した回転座標系において、永久磁石と同一方向のd軸およびこれに直交したq軸にそれぞれ対応するもので、これらの目標界磁電流Idtgと目標トルク電流Iqtgをそれぞれ「d軸目標電流」および「q軸目標電流」という。
【0008】
偏差演算部119,120は、d軸目標電流Idtgとq軸目標電流Iqtgからd軸およびq軸の電流検出値Idact,Iqactをそれぞれ減算することにより偏差DId,DIqを計算して、PI設定部109,110に出力する。
【0009】
PI設定部109,110は偏差DId,DIqを用いた演算の実行により、d軸およびq軸の電流検出値Idact,Iqactがd軸目標電流およびq軸目標電流に追従するようにd軸およびq軸の目標電圧Vd,Vqをそれぞれ計算する。d軸およびq軸の目標電圧Vd,Vqは、dq−3相変換部111に出力される。
【0010】
dq−3相変換部111は、d軸およびq軸の目標電圧Vd,Vqを3相目標電圧Vu,Vv,Vwに変換して、3相目標電圧Vu,Vv,VwをPWM電圧発生部112に出力する。
【0011】
PWM電圧発生部112は、3相目標電圧Vu,Vv,Vwに対応したPWM制御電圧信号UH,UL,VH,VL,WH,WLを生成してインバータ回路113に出力する。インバータ回路113は、PWM制御電圧信号UH,UL,VH,VL,WH,WLに対応してFETをスイッチングすることにより3相の交流駆動電流Iu,Iv,Iwを発生させる。
【0012】
3相の駆動電流路121,122,123のうちの2つにはモータ電流検出部114,115が設けられ、各モータ電流検出部114,115は、ブラシレスモータ104に対し供給される3相の交流駆動電流Iu,Iv,Iwのうちの2つの交流駆動電流、例えばIu,Iwを検出して相電流A/D変換部116に出力する。この相電流A/D変換部116では、モータ電流検出部114,115で検出された2つの交流駆動電流Iu,Iwに対するアナログ信号を2つの交流駆動電流Iu,Iwに対するデジタル信号Iuad,Iwadに変換して、3相−dq変換部117に出力する。この3相−dq変換部117では、交流駆動電流Iu,Iwに対するデジタル信号Iuad,Iwadに基づいて残りの交流駆動電流Ivに対応するデジタル信号Ivadも計算される。3相−dq変換部117は、これらの3相の交流駆動電流Iu,Iv,Iwに対するデジタル信号Iuad,Ivad,Iwadを2相のd軸およびq軸の電流検出値Idact,Iqactに変換する。
【0013】
レゾルバ106からの信号は、RD(レゾルバデジタル)変換部118に連続的に供給されている。RD変換部118は、ブラシレスモータ104における回転子の固定子に対する角度(モータ回転角または電気角)θを計算して、計算された角度θをdq−3相変換部111と3相−dq変換部117に供給する。上記のレゾルバ106とRD変換部118によってモータ回転角検出部(電気角検出手段)が形成される。
【0014】
図12は、モータ電流検出部114,115に用いられる電流センサの構造を示す模式図である。電流センサ200は、孔201とギャップ202を有するC型形状の磁性体203と、ギャップ202内に設置されたホール素子204とホール素子204からのホール電圧を検出するための電極205,206とその検出されたホール電圧を増幅する増幅器207とホール素子204と増幅器207から成る系のオフセット値を学習し、記憶する記憶部208と、検出され、増幅された値を学習値に基づいてオフセットを補正し演算する演算部209を備えたオフセット補正部210とホール素子204に直流電流を流すための直流電源211から成っている。
【0015】
この電流センサ200を用いて電流路212に流れる電流を測定するためには、次のようにして行われる。電流センサ200は、孔201に電流路212を通すようにして設置される。まず、電流を流して測定する前に、オフセット補正部210の記憶部208にホール素子204と増幅器207から成る系のオフセット値を学習し、記憶する。電流路212に電流が流れると電流路212の周りにその電流に比例した大きさの磁界が発生する。その磁界により、磁性体203は磁化し、それにより、磁性体203のギャップ202に磁束が発生する。その磁束により、ギャップ202内に設置した直流電源211により直流電流を流したホール素子204には電極205と電極206の間にホール電圧が発生する。そのホール電圧を増幅器207により増幅し、オフセット補正部210において、記憶部208に記憶された学習値に基づいて演算部209でオフセットを補正し出力する。このようにして、電流路212に流れる電流を検出するわけである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電流センサ200に用いられるホール素子は、半導体から形成され、半導体のホール特性は、温度により、変化をし、また、増幅器も温度によって、増幅特性が変化するため、電流センサは、温度ドリフト等が起こり、オフセット値が学習値からずれ、電流センサ200からの出力が正確な、実際に流れている電流値とは、異なる値になってしまうという問題点がある。図13(a)は、実際に流れている電流(曲線C1)と温度ドリフト等を起こした電流センサ200で検出される電流値の電気角に対する変化(曲線C2)を示す図である。横軸は、電気角を表し、縦軸は、電流値を示す。また、図13(b)には、図13(a)で示した電流をフィードバック制御に用いたときのモータトルクの電気角に対する変化を示す。温度ドリフトがないときは、電流は、電気角0°のときに電流は0であり、電気角360°を1周期の正弦波で変化する。モータトルクは、曲線C3で示すようになる。一方、温度ドリフト等が生じた電流センサによって検出した電流は、電気角0°で0ではなく、正弦波が縦軸に沿ってシフトし、電気角360°でもゼロとはならない。それによって、モータトルクは、電気角に対して、曲線C4のようにリップルを持つ特性となる。
【0017】
図14は、電動パワーステアリング装置において操舵トルクを決定する機構を示す図である。操舵トルクTは、タイヤ負荷Ttから、モータトルクTMを減じたものとなる。それゆえ、図13(b)の曲線C4で示したようなモータトルクTMの変動(リップル)がある場合、操舵トルクTは、やはり電気角360°を1周期とするリップルを生じる。それゆえ、舵角に対する操舵トルクの関係を示す曲線は、図15に示すように電気角360°の周期を持つ、すなわち、電気角1次のトルクリップルを生じたものとなる。
【0018】
このように、トルクリップルが発生した状態で、操舵トルクTをトルクセンサ(操舵トルク検出部)により検出し、その検出値も振動し、その振動した検出値により目標トルクや目標電流を設定するため、正確なブラシレスモータの制御ができず、操舵フィーリングを良好なものにすることができないという問題点がある。
【0019】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、電流センサの温度ドリフト等によるオフセット値の学習値からのずれにより発生するトルクリップルの影響を取り除き、正確なブラシレスモータの制御を行うことができ、良好な操舵フィーリングが得られる電動パワーステアリング装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0021】
第1の電動パワーステアリング装置(請求項1に対応)は、操舵トルクに応じて目標電流を設定してブラシレスモータに流す電流を制御する電動パワーステアリング装置において、操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、ブラシレスモータに流れる電流を検出する電流検出手段と、操舵トルク検出手段から検出される操舵トルクの時間平均である平均トルクを得る平均トルク検出手段と、操舵トルク検出手段から所定時間毎の操舵トルクを検出する瞬時トルク検出手段と、電気角を平均トルク検出手段へと供給する電気角検出手段とを備え、電流検出手段からの出力信号と目標電流との偏差によりフィードバック制御を行うとともに、平均トルク検出手段によってブラシレスモータの電気角の一周期における操舵トルクの平均を演算し、平均トルクに対する瞬時トルク検出手段によって検出する現在の操舵トルクとの差に応じて目標電流を常時補正したことで特徴づけられる。
【0022】
第1の電動パワーステアリング装置によれば、ブラシレスモータの電気角周期における操舵トルクの平均を演算し、平均トルクに対する現在のトルクとの差に応じて目標電流を補正するため、電流センサのオフセット値が学習値から温度ドリフト等によりずれるときに発生する電気角1次のトルクリップルの影響を受けず、ブラシレスモータの制御を正確に行うことができ、それにより、操舵フィーリングも良好なものにすることができる。
【0023】
第2の電動パワーステアリング装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは平均トルクに対する瞬時トルク検出手段によって検出する現在の操舵トルクとの差に基づいて得られる目標電流の補正値が予め定められた制限値以上のときには補正値を制限して出力する制限手段を備えることで特徴づけられる。
【0024】
第2の電動パワーステアリング装置によれば、平均トルクに対する瞬時トルク検出手段によって検出する現在の操舵トルクとの差に基づいて得られる目標電流の補正値が予め定められた制限値以上のときには補正値を制限して出力する制限手段を備えるため、急激なハンドル操作を行っても安定したフィードバック制御を行うことができる。
【0025】
第3の電動パワーステアリング装置(請求項3に対応)は、操舵トルクに応じて目標電流を設定してブラシレスモータに流す電流を制御する電動パワーステアリング装置において、ブラシレスモータに流れる電流を検出する電流検出手段と、目標電流の時間平均である平均目標電流を得る平均目標電流検出手段と、所定時間毎の目標電流を検出する瞬時目標電流検出手段とを備え、電流検出手段からの出力信号と目標電流との偏差によりフィードバック制御を行うとともに、平均目標電流検出手段によってブラシレスモータの電気角周期における目標電流の平均を演算し、平均目標電流に対する瞬時目標電流検出手段によって検出する現在の目標電流との差に応じて目標電流を補正したことで特徴づけられる。
【0026】
第3の電動パワーステアリング装置によれば、ブラシレスモータの電気角周期における目標電流の平均を演算し、平均目標電流に対する現在の目標電流との差に応じてブラシレスモータに流す電流を補正するため、電流センサのオフセット値が学習値から温度ドリフト等によりずれるときに発生する電気角1次のトルクリップルの影響を受けず、ブラシレスモータの制御を正確に行うことができ、それにより、操舵フィーリングも良好なものにすることができる。
【0027】
第4の電動パワーステアリング装置(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは平均目標電流に対する瞬時目標電流検出手段によって検出する現在の目標電流との差に基づいて得られる目標電流の補正値が予め定められた制限値以上のときには補正値を制限して出力する制限手段を備えることで特徴づけられる。
【0028】
第4の電動パワーステアリング装置によれば、平均目標電流に対する瞬時目標電流検出手段によって検出する現在の目標電流との差に基づいて得られる目標電流の補正値が予め定められた制限値以上のときには補正値を制限して出力する制限手段を備えるため、急激なハンドル操作を行っても安定したフィードバック制御を行うことができる。
また、第5の電動パワーステアリング装置(請求項5に対応)は、上記の構成において、好ましくは電気角を前記平均トルク検出手段へと供給する電気角検出手段を備えたことで特徴づけられる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0030】
図1は電動パワーステアリング装置10の全体構成を示す。電動パワーステアリング装置10は例えば乗用車両に装備される。電動パワーステアリング装置10は、ステアリングホイール11に連結されるステアリング軸12等に対して補助用の操舵力(操舵トルク)を与えるように構成されている。ステアリング軸12の上端はステアリングホイール11に連結され、下端にはピニオンギヤ13が取り付けられている。ピニオンギヤ13に対して、これに噛み合うラックギヤ14aを設けたラック軸14が配置されている。ピニオンギヤ13とラックギヤ14aによってラック・ピニオン機構15が形成される。ラック軸14の両端にはタイロッド16が設けられ、各タイロッド16の外側端には前輪17が取り付けられる。上記ステアリング軸12に対し動力伝達機構18を介してブラスレスモータ19が設けられている。ブラシレスモータ19は、操舵トルクを補助する回転力(トルク)を出力し、この回転力を、動力伝達機構18を経由して、ステアリング軸12に与える。またステアリング軸12には操舵トルク検出部20が設けられている。操舵トルク検出部20は、運転者がステアリングホイール11を操作することによって生じる操舵トルクをステアリング軸12に加えたとき、ステアリング軸12に加わる当該操舵トルクを検出する。また21は車両の車速を検出する車速検出部であり、22はコンピュータで構成される制御装置である。制御装置22は、操舵トルク検出部20から出力される操舵トルク信号Tと車速検出部21から出力される車速信号Vを取り入れ、操舵トルクに係る情報と車速に係る情報に基づいて、ブラシレスモータ19の回転動作を制御する駆動制御信号SG1を出力する。またブラシモータ19には、レゾルバ等によって構成されるモータ回転角検出部23が付設されている。モータ回転角検出部23の回転角信号SG2は制御装置22に入力されている。上記のラック・ピニオン機構15等は図1中で図示しないギヤボックス24に収納されている。
【0031】
上記において電動パワーステアリング装置10は、通常のステアリング系の装置構成に対し、操舵トルク検出部20、車速検出部21、制御装置22、ブラシレスモータ19、動力伝達機構18を付加することによって構成されている。
【0032】
上記構成において、運転者がステアリングホイール11を操作して自動車の走行運転中に走行方向の操舵を行うとき、ステアリング軸12に加えられた操舵トルクに基づく回転力はラック・ピニオン機構15を介してラック軸14の軸方向の直線運動に変換され、さらにタイロッド16を介して前輪17の走行方向を変化させようとする。このときにおいて、同時に、ステアリング軸12に付設された操舵トルク検出部20は、ステアリングホイール11での運転者による操舵に応じた操舵トルクを検出して電気的な操舵トルク信号Tに変換し、この操舵トルク信号Tを制御装置22へ出力する。また車速検出部21は、車両の車速を検出して車速信号Vに変換し、この車速信号Vを制御装置22へ出力する。制御装置22は、操舵トルク信号Tおよび車速信号Vに基づいてブラシレスモータ19を駆動するためのモータ電流(Iu,Iv,Iw)を発生させる。ブラシレスモータ19は3相ブラシレスモータであり、そのモータ電流はU相とV相とW相から成る3相交流Iu,Iv,Iwである。上記の駆動制御信号SG1は3相交流であるモータ電流Iu,Iv,Iwである。なお、交流とは電気角に対して交流であるとの意味である。かかるモータ電流によって駆動されるブラシレスモータ19は、動力伝達機構18を介して補助操舵力をステアリング軸12に作用させる。以上のごとくブラシレスモータ19を駆動することにより、ステアリングホイール11に加えられる運転者による操舵力が軽減される。
【0033】
図2,3は、本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置で用いられるブラシレスモータの電流を制御するためのモータ制御部を示すブロック構成図である。図2は簡略化した図であり、図3は詳細図である。ブラシレスモータ19を制御する第1実施形態に係るモータ制御部22aは、図10で示した従来のモータ制御部100におけるものと同様の目標電流設定部101とPI設定部102とPWM制御部103とモータ電流フィードバック部に加えて、トルクセンサ(操舵トルク検出部)20から検出される操舵トルクの時間平均である平均トルクを得るための平均トルク検出部(平均トルク検出手段)25と所定時間毎の操舵トルクを検出する瞬時トルク検出部(瞬時トルク検出手段)26と偏差演算部27と、PI設定部28と指示電流リミッタ部(制限手段)29と加算演算部30から成るものである。
【0034】
図2,3のうち図10で示した従来のモータ制御部100におけるものと同様の目標電流設定部101とPI設定部102とPWM制御部103とモータ電流フィードバック部の詳細は、図11で示したものと同様であるので、符号を同じにし説明を省略し、ここでは、平均トルク検出部25と瞬時トルク検出部26と偏差演算部27と、PI設定部28と指示電流リミッタ部29と加算演算部30を中心に説明する。
【0035】
トルクセンサ20は、図4に示すように、ハンドルに連結される入力軸31、ラックアンドピニオン機構のピニオンギヤを有する出力軸32、両軸を連結するトーションバー33、可動鉄心のスライダー34、両軸の捩れ角をスライダーの軸方向変位に変換するカム機構35、およびスライダー変位を電気信号に変換する差動トランス36などから構成され、スライダー変位の大きさと方向により、操舵トルクの大きさと方向が検出される。
【0036】
平均トルク検出部25は、トルクセンサ20から検出される操舵トルクの平均値である平均トルクを得る装置であり、トルクセンサ20からの出力を1ms毎に検出し、RD変換部118からの電気角θに従って電気角360°の1周期毎の平均値を演算し、出力する。
【0037】
瞬時トルク検出部26は、トルクセンサ20から1ms毎に瞬時トルクを検出し、出力する。
【0038】
偏差演算部27は、瞬時トルク検出部26から出力される瞬時トルク値Tsと平均トルク検出部25から出力される平均トルク値Taとの差DT(=Ts−Ta)を求め、出力する。
【0039】
PI設定部28は、偏差演算部27から出力された瞬時トルク値Tsと平均トルク値Taとの差DTに基づいて、目標電流の補正値Icを式(1)に従って演算し、出力する。
【0040】
【数1】
【0041】
ここで、K1pは比例ゲイン、K1Iは、積分ゲインであり、予め決められた値を設定しておく。
【0042】
指示電流リミッタ部29は、PI設定部28から出力される目標電流の補正値Icが予め定められた制限値ICL以下のときには、そのまま出力し、目標電流の補正値Icが予め定められた制限値ICL以上のときには、目標電流の補正値を制限値ICLとして出力する装置である。
【0043】
加算演算部30は、指示電流リミッタ部29から出力される目標電流の補正値ICを目標電流設定部101から出力される目標電流Iに減算し、補正目標電流を出力する装置である。詳細には、図3において、加算演算部30aは、指示電流リミッタ部29からの目標電流の補正値Icをトルク電流指令部108から出力される目標トルク電流Iqtgに減算し、補正後目標トルク電流Iqtg’を出力する装置である。
【0044】
図5は、平均トルク検出部25と瞬時トルク検出部26と偏差演算部27と、PI設定部28と指示電流リミッタ部29と加算演算部30によって行われる処理のフローチャートである。この処理によって、ブラシレスモータ19の電気角周期における操舵トルクの平均を演算し、平均トルクに対する現在のトルクとの差に応じて目標電流を補正する。まず、平均トルク検出部25はRD変換部118からの電気角の値が0°から360°になるまでトルクセンサ20からのトルク検出値を所定の時間毎に入力し、電気角1周期分の操舵トルクの平均値である平均トルクTaを計算するための処理を行う(ステップS10)。図6は、図15で示した操舵トルクの変化を拡大した図であり、平均トルクを曲線C10で示す。また、実際のトルクの変化を曲線C11で示す。瞬時トルク検出部26では、トルクセンサ20からのトルク検出値Tsを1ms毎に偏差演算部27に出力する(ステップS11)。このときのトルク検出値Tsは、例えば図6での曲線C11上の点P1の値である。平均トルク検出部25では、RD変換部118からの電気角θが360°xN(Nは自然数)に等しいかどうかを判定し(ステップS12)、RD変換部118からの電気角θが360xN°に等しくない場合には、直前の1周期で計算した平均トルクTa1(図6の領域R10での平均値)を偏差演算部27に出力する(ステップS13)。偏差演算部27では、1ms毎に瞬時トルク検出部26から出力された瞬時トルクTsと平均トルク検出部25から出力される平均トルクTa1との偏差DT1を計算し、出力する(ステップS14)。PI制御部28では、1ms毎に偏差演算部27から出力される偏差DT1から式(1)に基づいて、目標電流の補正値Icを計算し、出力する(ステップS15)。指示電流リミッタ部29においては、入力される目標電流の補正値Icが予め定められた制限値IcLより小さいかどうかを判定し(ステップS16)、目標電流の補正値Icが予め定められた制限値IcLより小さい場合には目標電流の補正値Icをそのままとし(ステップS17)、出力される(ステップS18)。目標電流の補正値Icが予め定められた制限値IcLより大きい場合には制限値IcLを目標電流の補正値Icとして代入し(ステップS19)、出力される(ステップS18)。加算演算部30aでは、トルク電流指令部108から出力される目標トルク電流Iqtgと目標電流の補正値Icが加算され(ステップS20)、補正後目標トルク電流Iqtg’が偏差演算部120に出力され(ステップS21)、その補正後目標トルク電流Iqtg’によりモータが制御される。
【0045】
平均トルク検出部25でのRD変換部118からの電気角θが360°xNに等しいかどうかの判定において(ステップS12)、電気角θが360°xNに等しくなったとき(図6での点P2)、1周期分の平均値を計算し、平均トルク検出部25の記憶部には、直前の1周期で計算した平均トルクTa2(図6での領域R11での平均値)に更新される(ステップS22)。次の1周期(図6での領域R12)では、この平均トルクTa2を出力する。このように、平均トルク検出部25からは、直前の電気角の1周期で計算され、記憶された平均トルクが現時点の1周期において出力される。
【0046】
このように、モータの電気角周期における操舵トルクの平均を演算し、平均トルクに対する現在のトルクとの差に応じて目標電流を補正するため、電流センサが学習値から温度ドリフト等により電流検出値が実際に流れる電流からずれるときに発生する電気角1次のトルクリップルの影響を受けず、ブラシレスモータの制御を正確に行うことができ、それにより、操舵フィーリングも良好なものにすることができる。
【0047】
また、平均トルクに対する瞬時トルク検出部によって検出する現在の操舵トルクとの差に基づいて得られる目標電流の補正値が予め定められた制限値以上のときには補正値を制限して出力する制限手段(指示電流リミッタ部)を備えるため、急激なハンドル操作を行ったときの平均トルクと、瞬時トルクの差が急激に大きな値となり、PI制御部から出力される目標電流補正量が異常に大きな値となっても、そのときには、制限値を目標電流の補正値として加算演算部に出力するため、安定したフィードバック制御を行うことができる。
【0048】
図7,8は、本発明の第2実施形態に係る電動パワーステアリング装置で用いられるブラシレスモータの電流を制御するためのモータ制御部を示すブロック構成図である。図7は簡略化した図であり、図8は詳細図である。ブラシレスモータ19を制御する第2実施形態に係るモータ制御部40は、図10で示した従来のモータ制御部100におけるものと同様の目標電流設定部101とPI設定部102とPWM制御部103とモータ電流フィードバック部に加えて、目標電流の時間平均である平均目標電流を得るための平均目標電流検出部(平均目標電流検出手段)41と所定時間毎の目標電流を検出する瞬時目標電流検出部(瞬時目標電流検出手段)42と偏差演算部43と、PI設定部44と指示電流リミッタ部45と加算演算部46から成るものである。
【0049】
図7,8のうち図10で示した従来のモータ制御部100におけるものと同様の目標電流設定部101とPI設定部102とPWM制御部103とモータ電流フィードバック部の詳細は、図11で示したものと同様であるので、符号を同じにし説明を省略し、ここでは、平均目標電流検出部41と瞬時目標電流検出部42と偏差演算部43と、PI設定部44と指示電流リミッタ部45と加算演算部46を中心に説明する。
【0050】
平均目標電流検出部41は、目標トルク電流に対する平均目標トルク電流検出部41aがあり、目標電流設定部101のトルク電流指令部108から出力される目標トルク電流Iqtgの平均値である平均目標トルク電流Iqtgaを得る装置であり、それぞれ、トルク電流指令部108からの出力を1ms毎に検出し、RD変換部118からの電気角θに従って電気角360°の1周期毎の平均値を演算し、出力する。
【0051】
瞬時目標電流検出部42は、瞬時目標トルク電流検出部42aがあり、目標電流設定部101のトルク電流指令部108からそれぞれ1ms毎に瞬時目標トルク電流Iqtgsを検出し、出力する。
【0052】
偏差演算部43aは、瞬時目標トルク電流検出部42aから出力される瞬時目標トルク電流値Iqtgsと平均目標トルク電流検出部41aから出力される平均目標トルク電流値Iqtgaとの差DIqtgs(=Iqtgs−Iqtga)を求め、出力する。
【0053】
PI設定部44aは、偏差演算部43aから出力された瞬時目標トルク電流値Iqtgsと平均目標トルク電流値Iqtgaとの差DIqtgsに基づいて、目標電流の補正値Iqtgcを式(2)に従って演算し、出力する。
【0054】
【数2】
【0055】
ここで、K2pは比例ゲイン、K2Iは、積分ゲインであり、予め決められた値を設定しておく。
【0056】
指示電流リミッタ部45aは、PI設定部44aから出力される目標トルク電流の補正値Iqtgcが予め定められた制限値IqtCL以下のときには、そのまま出力し、目標トルク電流の補正値Iqtgcが予め定められた制限値IqtCL以上のときには、目標トルク電流の補正値を制限値IqtCLとして出力する装置である。
【0057】
加算演算部46aは、指示電流リミッタ部45aから出力される目標トルク電流の補正値Iqtgcをトルク電流指令部108から出力される目標トルク電流Iqtgに加算し、補正目標トルク電流Iqtg’を出力する装置である。
【0058】
図9は、平均目標トルク電流検出部41aと瞬時目標トルク電流検出部42aと偏差演算部43aと、PI設定部44aと指示電流リミッタ部45aと加算演算部46aによって行われる処理のフローチャートである。この処理によって、ブラシレスモータの電気角周期における目標電流の平均を演算し、平均目標電流に対する現在の目標電流との差に応じて目標電流を補正する。まず、平均目標トルク電流検出部41aはRD変換部118からの電気角θの値が0°から360°になるまでトルク電流指令部108からの目標トルク電流Iqtgを所定の時間毎に入力し、電気角1周期分の目標トルク電流の平均値である平均目標トルク電流Iqtgaを計算するための処理を行う(ステップS30)。瞬時目標トルク電流検出部42aでは、トルク電流指令部108からの目標トルク電流値Iqtgを1ms毎に偏差演算部43aに出力する(ステップS31)。平均目標トルク電流検出部41aでは、RD変換部118からの電気角θが360°xN(Nは自然数)に等しいかどうかを判定し(ステップS32)、RD変換部118からの電気角θが360°に等しくない場合には、直前の1周期で計算した平均目標トルク電流Iqtga1を偏差演算部43aに出力する(ステップS33)。偏差演算部43aでは、1ms毎に瞬時目標トルク電流検出部42aから出力された瞬時目標トルク電流Iqtgsと平均目標トルク電流検出部41aから出力される平均目標トルク電流値Iqtga1との偏差DIqtg1を計算し、出力する(ステップS34)。PI制御部44aでは、1ms毎に偏差演算部43aから出力される偏差DIqtg1から式(2)に基づいて、目標トルク電流の補正値Iqtgcを計算し、出力する(ステップS35)。指示電流リミッタ45aにおいては、入力される目標トルク電流の補正値Iqtgcが予め定められた制限値IqtgcLより小さいかどうかを判定し(ステップS36)、目標トルク電流の補正値Iqtgcが予め定められた制限値IqtgcLより小さい場合にはIqtgcをそのままとし(ステップS37)、出力される(ステップS38)。目標トルク電流の補正値Iqtgcが予め定められた制限値IqtgcLより大きい場合には制限値IqtgcLを目標トルク電流の補正値Iqtgcに代入して(ステップS39)、出力される(ステップS38)。加算演算部46aでは、トルク電流指令部108から出力される目標トルク電流Iqtgと目標トルク電流の補正値Iqtgcが加算され(ステップS40)、補正後目標トルク電流Iqtg’が偏差演算部105に出力され(ステップS41)、その補正後目標トルク電流Iqtg’によりモータが制御される。
【0059】
平均目標トルク電流検出部41aでのRD変換部118からの電気角θが360°xNに等しいかどうかの判定において(ステップS32)、電気角θが360°xNに等しいとき、1周期分の平均値を計算し、平均目標トルク電流検出部41aの記憶部には、直前の1周期で計算した平均目標トルク電流Iqtga2に更新される(ステップS42)。次の1周期では、この平均目標トルク電流Iqtga2を出力する。このように、平均目標トルク電流検出部41aからは、直前の電気角θの1周期で計算され、記憶された平均目標トルク電流が現時点の1周期において出力される。
【0060】
このように、モータの電気角周期における目標トルク電流の平均を演算し、平均目標トルク電流に対する現在の目標トルク電流との差に応じて目標トルク電流を補正するため、電流センサが学習値から温度ドリフト等により電流検出値が実際に流れる電流からずれるときに発生する電気角1次のトルクリップルの影響を受けず、ブラシレスモータの制御を正確に行うことができ、それにより、操舵フィーリングも良好なものにすることができる。
【0061】
また、平均目標電流に対する瞬時目標電流検出手段によって検出する現在の目標電流との差に基づいて得られる目標電流の補正値が予め定められた制限値以上のときには補正値を制限して出力する制限手段(指示電流リミッタ部)を備えるため、急激なハンドル操作を行ったときの平均目標トルク電流と、瞬時目標トルク電流の差が急激に大きな値となり、PI設定部から出力される目標トルク電流補正量が異常に大きな値となっても、そのときには、制限値を目標トルク電流の補正値として加算演算部に出力するため、安定したフィードバック制御を行うことができる。
【0062】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
【0063】
モータの電気角周期における操舵トルクの平均を演算し、平均トルクに対する現在のトルクとの差に応じてモータに流す電流を補正するため、電流センサが学習値から温度ドリフト等により電流検出値が実際に流れる電流からずれるときに発生する電気角1次のトルクリップルの影響を受けず、ブラシレスモータの制御を正確に行うことができ、それにより、操舵フィーリングも良好なものにすることができる。
【0064】
モータの電気角周期における目標電流の平均を演算し、平均目標電流に対する現在の目標電流との差に応じてモータに流す電流を補正するため、電流センサが学習値から温度ドリフト等により電流検出値が実際に流れる電流からずれるときに発生する電気角1次のトルクリップルの影響を受けず、ブラシレスモータの制御を正確に行うことができ、それにより、操舵フィーリングも良好なものにすることができる。
【0065】
目標電流を補正する補正値が制限値以上の時には補正値を制限する制限手段を備えているため、急激なハンドル操作を行っても安定したフィードバック制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の全体構成である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置で用いられるブラシレスモータの電流を制御するためのモータ制御部を示すブロック構成図(簡略図)である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置で用いられるブラシレスモータの電流を制御するためのモータ制御部を示すブロック構成図(詳細図)である。
【図4】トルクセンサの概略図である。
【図5】平均トルク検出部25と瞬時トルク検出部26と偏差演算部27と、PI設定部28と指示電流リミッタ部29と加算演算部30によって行われる処理のフローチャートである。
【図6】トルクの変化を拡大した図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る電動パワーステアリング装置で用いられるブラシレスモータの電流を制御するためのモータ制御部を示すブロック構成図(簡略図)である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る電動パワーステアリング装置で用いられるブラシレスモータの電流を制御するためのモータ制御部を示すブロック構成図(詳細図)である。
【図9】平均目標電流検出部41と瞬時目標電流検出部42と偏差演算部43と、PI設定部44と指示電流リミッタ部45と加算演算部46によって行われる処理のフローチャートである。
【図10】ブラシレスモータの電流を制御するための従来のモータ制御部の簡略化したブロック構成図である。
【図11】ブラシレスモータの電流を制御するための従来のモータ制御部を詳細に示すブロック構成図である。
【図12】電流センサの構造を示す模式図である。
【図13】実際に流れている電流(曲線C1)と温度ドリフト等を起こした電流センサで検出される電流値の電気角に対する変化(曲線C2)を示す図である。
【図14】電動パワーステアリング装置においてハンドルトルクを決定する機構を示す図である。
【図15】舵角に対するハンドルトルクの関係を示す図である。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置
11 ステアリングホイール
12 ステアリング軸
13 ピニオンギヤ
14 ラック軸
15 ラック・ピニオン機構
16 タイロッド
17 前輪
18 動力伝達機構
19 ブラシレスモータ
20 操舵トルク検出部
21 車速検出部
22 制御装置
22a モータ制御部
23 モータ回転角検出部
24 ギヤボックス
25 平均トルク検出部
26 瞬時トルク検出部
27 偏差演算部
28 PI設定部
29 指示電流リミッタ部
30 加算演算部
Claims (5)
- 操舵トルクに応じて目標電流を設定してブラシレスモータに流す電流を制御する電動パワーステアリング装置において、
前記操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、前記ブラシレスモータに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記操舵トルク検出手段から検出される操舵トルクの時間平均である平均トルクを得る平均トルク検出手段と、前記操舵トルク検出手段から所定時間毎の操舵トルクを検出する瞬時トルク検出手段と、
電気角を前記平均トルク検出手段へと供給する電気角検出手段とを備え、
前記電流検出手段からの出力信号と前記目標電流との偏差によりフィードバック制御を行うとともに、
前記平均トルク検出手段によって前記ブラシレスモータの電気角の一周期における前記操舵トルクの平均を演算し、
前記平均トルクに対する前記瞬時トルク検出手段によって検出する現在の操舵トルクとの差に応じて前記目標電流を常時補正したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記平均トルクに対する前記瞬時トルク検出手段によって検出する現在の操舵トルクとの差に基づいて得られる前記目標電流の補正値が予め定められた制限値以上のときには前記補正値を制限して出力する制限手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
- 操舵トルクに応じて目標電流を設定してブラシレスモータに流す電流を制御する電動パワーステアリング装置において、
前記ブラシレスモータに流れる電流を検出する電流検出手段と、前記目標電流の時間平均である平均目標電流を得る平均目標電流検出手段と、所定時間毎の目標電流を検出する瞬時目標電流検出手段とを備え、
前記電流検出手段からの出力信号と前記目標電流との偏差によりフィードバック制御を行うとともに、
前記平均目標電流検出手段によって前記ブラシレスモータの電気角周期における前記目標電流の平均を演算し、
前記平均目標電流に対する前記瞬時目標電流検出手段によって検出する現在の目標電流との差に応じて前記目標電流を補正したことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記平均目標電流に対する前記瞬時目標電流検出手段によって検出する現在の目標電流との差に基づいて得られる前記目標電流の補正値が予め定められた制限値以上のときには前記補正値を制限して出力する制限手段を備えることを特徴とする請求項3記載の電動パワーステアリング装置。
- 電気角を前記平均トルク検出手段へと供給する電気角検出手段を備えたことを特徴とする請求項3または4記載の電動パワーステアリング装置。
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