JP3926666B2 - 電動パワーステアリング装置における初期調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動パワーステアリング装置における初期調整方法に関し、特に、電流センサのオフセット値の初期記憶を行う電動パワーステアリング装置における初期調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動パワーステアリング装置は、ハンドル操舵トルクを検出する操舵トルク検出部および、車速を検出する車速検出部等の出力する信号に基づき、モータ制御部により、モータを駆動制御し操舵力の軽減を行っている。そのモータにブラシレスモータを用いた電動パワーステアリング装置は知られているところである。
【0003】
ブラシレスモータを用いた電動パワーステアリング装置は、ブラシとコミテータ間の電圧降下によるモータ出力の低下や変動がないため、安定した操舵補助力が得られる。また、モータの慣性モーメントが、ブラシ付きモータと比較して小さいため、高速直進時やハンドルの切り返し時に良好な操舵フィーリングが得られる。
【0004】
しかしながら、モータにブラシレスモータを用いた場合には、ブラシとコミテータに代わり、モータの回転角に応じてモータ電流の通電量を制御することが必要となるため、モータの回転角(電気角)を検出するモータ回転角検出部(電気角検出手段)および、モータ電流検出部(電流検出手段)を設け、モータ回転角検出部およびモータ電流検出部の出力信号に基づいて、ブラシレスモータをPWM駆動制御する。ここで電気角とは、ロータのマグネットの位置から得られる角度であり、ロータの周囲に回転方向に沿ってN極とS極が交互に配列されるように4対のマグネットがある場合には、ロータの機械角90°すなわちロータの1/4回転が電気角360°に対応する。
【0005】
図7は、ブラシレスモータの電流を制御するための従来のモータ制御部を示すブロック構成図である。ブラシレスモータ104には、ブラシレスモータ104の回転角を検出するためのレゾルバ106が取り付けられている。従来のモータ制御部100は、界磁電流指令部107とトルク電流指令部108とを備えた目標電流設定部101と、PI設定部109,110から成るPI設定部102と、dq−3相変換部111と、PWM電圧発生部112と、インバータ回路113から成るPWM制御部103と、モータ電流検出部114,115と相電流A/D変換部116と、3相−dq変換部117とRD変換部118を備えている。
【0006】
目標電流設定部101は、界磁電流指令部107とトルク電流指令部108を備え、図示しない操舵トルク検出部からの操舵トルク信号と図示しない車速検出部からの車速信号に基づいて、目標界磁電流Idtgと目標トルク電流Iqtgを計算し出力する。目標界磁電流Idtgと目標トルク電流Iqtgは、ブラシレスモータ104の回転子上の永久磁石が作り出す回転磁束と同期した回転座標系において、永久磁石と同一方向のd軸およびこれに直交したq軸にそれぞれ対応するもので、これらの目標界磁電流Idtgと目標トルク電流Iqtgをそれぞれ「d軸目標電流」および「q軸目標電流」という。
【0007】
偏差演算部119,120は、d軸目標電流Idtgとq軸目標電流Iqtgからd軸およびq軸の電流検出値Idact,Iqactをそれぞれ減算することにより偏差DId,DIqを計算して、PI設定部109,110に出力する。
【0008】
PI設定部109,110は偏差DId,DIqを用いた演算の実行により、d軸およびq軸の電流検出値Idact,Iqactがd軸目標電流およびq軸目標電流に追従するようにd軸およびq軸の目標電圧Vd,Vqをそれぞれ計算する。d軸およびq軸の目標電圧Vd,Vqは、dq−3相変換部111に出力される。
【0009】
dq−3相変換部111は、d軸およびq軸の目標電圧Vd,Vqを3相目標電圧Vu,Vv,Vwに変換して、3相目標電圧Vu,Vv,VwをPWM電圧発生部112に出力する。
【0010】
PWM電圧発生部112は、3相目標電圧Vu,Vv,Vwに対応したPWM制御電圧信号UH,UL,VH,VL,WH,WLを生成してインバータ回路113に出力する。インバータ回路113は、PWM制御電圧信号UH,UL,VH,VL,WH,WLに対応した3相電流Iu,Iv,Iwを発生し、これらを3相の駆動電流路121,122,123を介してブラシレスモータ104にそれぞれ供給する。3相電流Iu,Iv,IwはそれぞれPWM駆動により生成され、電気角に対する正弦波電流である。
【0011】
3相の駆動電流路121,122,123のうちの2つにはモータ電流検出部114,115が設けられ、各モータ電流検出部114,115は、ブラシレスモータ104に対し供給される3相電流Iu,Iv,Iwのうちの2つの電流、例えばIu,Iwを検出して相電流A/D変換部116に出力する。この相電流A/D変換部116では、モータ電流検出部114,115で検出された2つの電流Iu,Iwに対するアナログ信号を2つの電流Iu,Iwに対するデジタル信号Iuad,Iwadに変換して、3相−dq変換部117に出力する。この3相−dq変換部117では、電流Iu,Iwに対するデジタル信号Iuad,Iwadに基づいて残りの電流Ivに対応するデジタル信号Ivadも計算される。3相−dq変換部117は、これらの3相電流Iu,Iv,Iwに対するデジタル信号Iuad,Ivad,Iwadを2相のd軸およびq軸の電流検出値Idact,Iqactに変換する。
【0012】
レゾルバ106からの信号は、RD(レゾルバデジタル)変換部118に連続的に供給されている。RD変換部118は、ブラシレスモータ104における回転子の固定子に対する角度(モータ回転角または電気角)θを計算して、計算された角度θをdq−3相変換部111と3相−dq変換部117に供給する。上記のレゾルバ106とRD変換部118によってモータ回転角検出部が形成される。
【0013】
図8は、モータ電流検出部114,115に用いられる電流センサの構造を示す模式図である。電流センサ200は、孔201とギャップ202を有するC型形状の磁性体203と、ギャップ202内に設置されたホール素子204とホール素子204からのホール電圧を検出するための電極205,206とその検出されたホール電圧を増幅する増幅器207とホール素子204と増幅器207から成る系の温度ドリフトやばらつきに起因するオフセット値を学習し、記憶する記憶部208と、検出され、増幅された値を学習値に基づいてオフセットを補正し演算する演算部209を備えたオフセット補正部210とホール素子204に直流電流を流すための直流電源211から成っている。
【0014】
この電流センサ200を用いて電流路212(駆動電流路121,122,123のうちの2つに対応)に流れる電流を測定するためには、次のようにして行われる。電流センサ200は、孔201に電流路212を通すようにして設置される。まず、電流を流して測定する前に、オフセット補正部210の記憶部208にホール素子204と増幅器207から成る系のオフセット値を学習し、記憶する。電流路212に電流が流れると電流路212の周りにその電流に比例した大きさの磁界が発生する。その磁界により、磁性体203は磁化し、それにより、磁性体203のギャップ202に磁束が発生する。その磁束により、ギャップ202内に設置した直流電源211により直流電流を流したホール素子204には電極205と電極206の間にホール電圧が発生する。そのホール電圧を増幅器207により増幅し、オフセット補正部210において、記憶部208に記憶された学習値に基づいて演算部209でオフセットを補正し出力する。このようにして、電流路212に流れる電流を検出するわけである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電流センサは、オフセット値を学習するとき磁性体に残留磁束が存在したまま学習すると、その学習値に基づいて、検出された電流値を補正した場合、その補正電流検出値が実際の電流からずれてしまうという問題点がある。図9(a)は、実際に流れている電流(曲線C2)とそのときの電流センサ200で検出し、磁性体に残留磁束が存在したまま学習した学習値により補正された補正電流検出値の電気角に対する変化(曲線C1)を示す図である。横軸は、電気角を表し、縦軸は、電流値を示す。また、図9(b)には、図9(a)で示した電流をフィードバック制御に用いたときのモータトルクの電気角に対する変化を示す。理想状態の制御後の電流は、電気角0°のときに電流は0であり、電気角360°を1周期の正弦波で変化する。モータトルクは、曲線C3で示すようになる。一方、上記の電流センサによって検出し、誤って補正された補正電流検出値は、電気角0°で0ではなく、正弦波が縦軸に沿ってシフトし、電気角360°でもゼロとはならない。それによって、モータトルクは、電気角に対して、曲線C4のようにリップルを持つ特性となる。
【0016】
図10は、電動パワーステアリング装置において操舵トルクを決定する機構を示す図である。操舵トルクTは、タイヤ負荷Ttから、モータトルクTMを減じたものとなる。それゆえ、図9(b)の曲線C4で示したようなモータトルクTMの変動(リップル)がある場合、操舵トルクTは、やはり電気角360°を1周期とするリップルを生じる。それゆえ、舵角に対する操舵トルクの関係を示す曲線は、減速機構によって舵角と電気角が数十倍の関係にあるので、図11に示すように電気角360°の周期を持つ、すなわち、電気角1次のトルクリップルを生じたものとなる。
【0017】
このように、トルクリップルが発生した状態で、操舵トルクTをトルクセンサ(操舵トルク検出部)により検出し、その検出値も振動し、その振動した検出値により目標トルクや目標電流を設定するため、正確なブラシレスモータの制御ができず、操舵フィーリングを良好なものにすることができないという問題点がある。
【0018】
本発明の目的は、上記問題を解決するため、車両起動時に電流センサのオフセット値を磁性体が残留磁束のない消磁した状態で学習し、その学習値に基づいてモータ電流を正確に求め、その値をフィードバック制御に用いることによって、正確なブラシレスモータの制御を行うことができ、良好な操舵フィーリングが得るための電動パワーステアリング装置における初期調整方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る電動パワーステアリング装置における初期調整方法は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0020】
第1の電動パワーステアリング装置における初期調整方法(請求項1に対応)は、ステアリング系に補助トルクを付加するモータと、ステアリング系の操舵トルクを検出するトルクセンサと、少なくともトルクセンサからの操舵トルク信号に基づいてモータを駆動制御する制御手段と、制御手段からモータへ電流を流すための電流路と、電流路に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えた電動パワーステアリング装置における初期調整方法において、モータは多相ブラシレスモータから成り、電流検出手段は、電流路に電流を流さない状態での検出値であるオフセット値を記憶するオフセット値記憶手段を備え、車両起動時に、2つの相の上記電流路の各々に交流電流を流す際に、初めの数周期分は減衰させずに同一の振幅パターンの交流電流を流し、その後、徐々に振幅が減衰する交流電流を流し、2つの相の電流路の各々に設けられた電流検出手段により検出される2つの相の交流電流の同一の振幅パターンの平均値から2つの電流検出手段の間のゲインずれ補正を行い、その後、電流路が無通電である時の電流検出手段のオフセット値をオフセット値記憶手段に記憶させることで特徴づけられる。
【0021】
第1の電動パワーステアリング装置における初期調整方法によれば、電流検出手段は、電流路に電流を流さない状態での検出値であるオフセット値を記憶するオフセット値記憶手段を備え、車両起動時に、2つの相(U相、W相)の上記電流路の各々に交流電流を流す際に、初めの数周期分(数回)は減衰させずに同一の振幅パターンの交流電流を電流路に流し、その後、徐々に振幅が減衰する交流電流を電流路に流し、2つの相の交流電流の同一振幅パターン部分の平均値から2つの相の電流路に設けられた電流検出手段の間のゲインずれを補正し、その後電流路が無通電である時の電流検出手段のオフセット値をオフセット値記憶手段に記憶させるようにするため、2つの電流検出手段のゲインを同一にしてゲインずれを補正すると共に、電流検出手段の構成要素である磁性体の残留磁束を0にした状態、すなわち、消磁した状態でのオフセット値を記憶させ、その記憶したオフセット値に基づいて、電流検出手段はモータに流れる電流の検出値を補正し、モータ電流の正確な値に基づいてフィードバック制御を行うので、トルクリップルが生ぜず、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
【0022】
第2の電動パワーステアリング装置における初期調整方法(請求項2に対応)は、ステアリング系に補助トルクを付加するモータと、ステアリング系の操舵トルクを検出するトルクセンサと、少なくともトルクセンサからの操舵トルク信号に基づいてモータを駆動制御する制御手段と、制御手段からモータへ電流を流すための電流路と、電流路に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えた電動パワーステアリング装置における初期調整方法において、モータは多相ブラシレスモータから成り、車両起動時に、徐々に減衰する交流電流を電流路に流し、電流路に流す交流電流を電流検出手段により検出される検出値によって確認することで電流検出手段の作動確認を行うことで特徴づけられる。
【0023】
第2の電動パワーステアリング装置における初期調整方法によれば、車両起動時に、徐々に減衰する交流電流を電流路に流し、電流路に流す交流電流を前記電流検出手段により検出される検出値によって確認することで電流検出手段の作動確認を行うため、電流検出手段のオフセット値を記憶させるための手順も兼ねて電流検出手段が正常に動作しているかどうかの動作チェックを車両起動時に検査することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0025】
図1は電動パワーステアリング装置10の全体構成を示す。電動パワーステアリング装置10は例えば乗用車両に装備される。電動パワーステアリング装置10は、ステアリングホイール11に連結されるステアリング軸12等に対して補助用の操舵力(操舵トルク)を与えるように構成されている。ステアリング軸12の上端はステアリングホイール11に連結され、下端にはピニオンギヤ13が取り付けられている。ピニオンギヤ13に対して、これに噛み合うラックギヤ14aを設けたラック軸14が配置されている。ピニオンギヤ13とラックギヤ14aによってラック・ピニオン機構15が形成される。ラック軸14の両端にはタイロッド16が設けられ、各タイロッド16の外側端には前輪17が取り付けられる。上記ステアリング軸12に対し動力伝達機構18を介してブラスレスモータ19が設けられている。ブラシレスモータ19は、操舵トルクを補助する回転力(トルク)を出力し、この回転力を、動力伝達機構18を経由して、ステアリング軸12に与える。またステアリング軸12には操舵トルク検出部20が設けられている。操舵トルク検出部20は、運転者がステアリングホイール11を操作することによって生じる操舵トルクをステアリング軸12に加えたとき、ステアリング軸12に加わる当該操舵トルクを検出する。また21は車両の車速を検出する車速検出部であり、22はコンピュータで構成される制御装置である。制御装置22は、操舵トルク検出部20から出力される操舵トルク信号Tと車速検出部21から出力される車速信号Vを取り入れ、操舵トルクに係る情報と車速に係る情報に基づいて、ブラシレスモータ19の電流を制御する駆動制御信号SG1を出力する。またブラシモータ19には、レゾルバ等によって構成されるモータ回転角検出部23が付設されている。モータ回転角検出部23の回転角信号SG2は制御装置22に入力されている。上記のラック・ピニオン機構15等は図1中で図示しないギヤボックス24に収納されている。
【0026】
上記において電動パワーステアリング装置10は、通常のステアリング系の装置構成に対し、操舵トルク検出部20、車速検出部21、制御装置22、ブラシレスモータ19、動力伝達機構18を付加することによって構成されている。
【0027】
上記構成において、運転者がステアリングホイール11を操作して自動車の走行運転中に走行方向の操舵を行うとき、ステアリング軸12に加えられた操舵トルクに基づく回転力はラック・ピニオン機構15を介してラック軸14の軸方向の直線運動に変換され、さらにタイロッド16を介して前輪17の走行方向を変化させようとする。このときにおいて、同時に、ステアリング軸12に付設された操舵トルク検出部20は、ステアリングホイール11での運転者による操舵に応じた操舵トルクを検出して電気的な操舵トルク信号Tに変換し、この操舵トルク信号Tを制御装置22へ出力する。また車速検出部21は、車両の車速を検出して車速信号Vに変換し、この車速信号Vを制御装置22へ出力する。制御装置22は、操舵トルク信号Tおよび車速信号Vに基づいてブラシレスモータ19を駆動するためのモータ電流(Iu,Iv,Iw)を発生する。ブラシレスモータ19は3相ブラシレスモータであり、そのモータ電流はU相とV相とW相から成る3相電流Iu,Iv,Iwである。上記の駆動制御信号SG1は3相電流であるモータ電流Iu,Iv,Iwである。かかるモータ電流によって駆動されるブラシレスモータ19は、動力伝達機構18を介して補助操舵力をステアリング軸12に作用させる。以上のごとくブラシレスモータ19を駆動することにより、ステアリングホイール11に加えられる運転者による操舵力が軽減される。
【0028】
図2は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置における初期調整方法で用いるモータ制御部のブロック構成図である。モータ制御部25は、制御装置22に設けられた図7で示したモータ制御部100に初期調整用コントローラ26が付加された構成となっている。初期調整用コントローラ以外の構成要素は従来のものと同様であるので符号を同一とし、説明を省略する。
【0029】
初期調整用コントローラ26は、車両起動時での電動パワーステアリング装置における電流センサの初期調整を行うものであり、例えば、イグニッションキーがスイッチオンになったときに動作する装置である。初期調整用コントローラ26は、PWM電圧発生部112に後述の初期調整方法に従った手順が実行されるようにコントロール信号を送りモータ制御部25を制御する。この初期調整用コントローラ26は制御装置22のコンピュータに内蔵させることができる。また、電流センサ(電流検出手段)114,115は、図8で示したものと同様であり、電流路121,123に電流を流さない状態での検出値であるオフセット値を記憶するオフセット値記憶部(記憶部208)を備えている。
【0030】
図3は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置における初期調整方法の手順を示す図である。その手順は、電流センサが設置された電流路に0Aまで減衰する交流電流を流す工程S10と電流路に流す電流を0Aの状態(無通電)で電流センサの検出値(増幅器からの出力)を求める工程S11と検出値を記憶部に記憶(学習)する工程S12から成るものである。これらの工程を車両起動時に実行して、徐々に減衰する交流電流を電流路に流し、その後電流路が無通電である時の電流センサのオフセット値をオフセット値記憶部に記憶させる。また、徐々に減衰する交流電流を電流路に流し、電流路に流す交流電流を電流センサにより検出される検出値によって確認することで電流センサの作動確認を行う。
【0031】
電流センサが設置された電流路に0Aまで減衰する交流電流を流す工程S10は、車両起動時に行い、図4で示すように図2のPWM電圧発生部112から発生するPWM制御電圧信号UH,UL(U相電圧)、WH,WL(W相電圧)が所定の時間幅dTで、すなわち、モータの時定数以下の例えば2msの幅を持つ矩形波で徐々に減衰するように、例えば、イグニッションキーがスイッチオンになったときに、初期調整用コントローラ26からのコントロール信号が図2で示したPWM電圧発生部に送られ、U相電圧が波形C10、W相電圧が波形C11のように出力される。
【0032】
PWM電圧発生部112から出力したU相電圧とW相電圧によりインバータ回路からは電流路121、123に、図4の波形C12,C13で示す徐々に減衰する交流電流が流れる。
【0033】
図5は、この工程S10においての初期調整用コントローラによりモータ制御部でなされる処理フローチャートを示す。まず、初期調整用コントローラ26は、オフセット学習通電完了フラグセットされたかどうかを判断する(ステップS20)。すなわち、このフラグがセットされている場合には、通電を完了した状態であることを示し、フラグがセットされていない場合には、通電が完了していない場合を示す。
【0034】
フラグがセットされていない場合、カウンタのインクリメントが行われる(ステップS21)。次に、カウンタの値が偶数かどうかを判断する(ステップS22)。カウンタが偶数ではない場合、すなわち、カウンタが奇数である場合、U相電圧が、中点電圧Vcに電圧VSを加えた電圧として、PWM電圧発生部112から出力させ、W相電圧が、中点電圧Vcに電圧VSを減じた電圧として、PWM電圧発生部112から出力させる(ステップS23a)。このときの出力電圧は、図4のC10−1、C11−1で示す。また、カウンタが偶数である場合、U相電圧が、中点電圧Vcから電圧VSを減じた電圧として、PWM電圧発生部112から出力させ、W相電圧が、中点電圧Vcに電圧VSを加えた電圧として、PWM電圧発生部112から出力させる(ステップS23b)。
【0035】
次に、このときに電流路121,123に流れる電流Iu,IWを電流センサにより検出し、それらの値の差を求め、その値が所定値より大きいか、小さいかを判断する(ステップS24)。このとき、所定値より大きい場合、少なくとも1つの電流センサが故障しているとして、センサエラー処理を行う。これにより、電流値の絶対値が同一か確認することにより、電流センサの故障確認を行うことができる。
【0036】
その値が所定値以下の場合、電圧VSから固定値VVを引いた値を新たな電圧VSとし(ステップS25)、その電圧VSが所定値以下であるかどうか判断する(ステップS26)。所定値以下ではない場合、スタートに戻る(ステップS27)。また、再び2msでこのサイクルを繰り返す。それにより、図4のC10−3、C11−3で示す出力電圧となる。
【0037】
電圧VSが所定値以下となった場合、すなわち出力電圧が図4のC10−n,C11−n(nは自然数)示す値になったとき、電圧VS=0とし(ステップS28)、オフセット学習通電完了フラグセットをし(ステップS29)、終了する。
【0038】
上記の手順により、電流路121,123には、曲線C12で示すU相電流と曲線C13で示すW相電流が流れる。
【0039】
図6は、上記のようにして電流路121,123に電流を流したときの図8で示した電流センサ200の磁性体203のギャップ202に発生する磁束密度の変化を示す。徐々に減衰する交流電流を流すことにより、磁性体203は、曲線C20に沿って徐々に小さなヒステリシス曲線をたどり、原点に収束する。これにより、磁性体は、消磁される。
【0040】
なお、この工程(S10)では、PWM電圧発生部112から発生するPWM制御電圧信号であるU相電圧、W相電圧が所定の時間幅の矩形波で徐々に減衰するように出力させるようにしたが、それらの出力のうち初めの数回は減衰させずに同一パターンで出力させ、その後、徐々に減衰するように出力させるようにしてもよい。このとき、初めの数回の出力による2つの電流センサにより検出されるU相電流とW相電流の振幅の平均をとり、U相電流とW相電流のゲインを同一とすることにより、U相電流、W相電流を検出する2つの電流センサのゲインずれ補正を行うことができる。
【0041】
電流路121,123に流す電流を0Aの状態(無通電)で電流センサ200の検出値を求める工程S11は、工程S10で電流センサ200の磁性体203が消磁された状態で電流路121,123に電流を流さないときに電流センサ200の増幅器207からの出力(検出値)を検出する。このとき、磁束密度0のときの検出値を検出するため、電流センサのうちのホール素子と増幅器からなる系の磁束密度0でのオフセット値を測定することができる。
【0042】
検出値を記憶部に記憶(学習)する工程S12では、工程S11で検出したオフセット値を記憶部に記憶する。
【0043】
次に、この初期調整方法を用いて学習したときの電流センサの動作について図8を用いて説明する。
電流センサ200は、孔201に電流路212を通すようにして設置されている。まず、車両起動時に電流センサ200が設置された電流路に0Aまで減衰する交流電流を流す工程S10を行う。それにより、電流センサの磁性体が消磁された状態となる。次に、オフセット補正部210の記憶部208にホール素子204と増幅器207から成る系のオフセット値を学習し、記憶する。
【0044】
この初期調整をした状態で、電動パワーステアリング装置を作動させ、電流路212に電流が流れると電流路212の周りにその電流に比例した大きさの磁界が発生する。その磁界により、磁性体203は磁化し、それにより、磁性体203のギャップ202に磁束が発生する。その磁束により、ギャップ202内に設置した直流電源211により直流電流を流したホール素子204には電極205と電極206の間にホール電圧が発生する。そのホール電圧を増幅器207により増幅し、オフセット補正部210において、記憶部208に記憶された学習値に基づいて演算部209でオフセットを補正し出力する。
【0045】
このときのオフセット値は、学習するとき磁性体の残留磁束がない状態、すなわち、消磁した状態で学習した値であるから、その学習値に基づいて、検出された電流値を補正するので、その補正電流検出値は実際の電流と一致する。それゆえ、この電流値をフィードバック制御に用いるため、モータトルクは、電気角に対して、図9に示した曲線C4のようなリップルは生じない。したがって、操舵トルクTは、電気角360°を1周期とするリップルを生じない。
【0046】
このように、電流検出手段の構成要素である磁性体の残留磁束を0にした状態、すなわち、消磁した状態でのオフセット値を記憶させ、その記憶したオフセット値に基づいて、電流検出手段は電動機に流れる電流の検出値を補正し、モータ電流の正確な値に基づいてフィードバック制御を行うので、トルクリップルが生ぜず、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
【0047】
また、この方法により電流検出手段のオフセット値を記憶させるための手順も兼ねて電流検出手段が正常に動作しているかどうかの動作チェックを車両起動時に検査することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、次の効果を奏する。
【0049】
電流検出手段は、電流路に電流を流さない状態での検出値であるオフセット値を記憶するオフセット値記憶手段を備え、車両起動時に、徐々に減衰する交流電流を電流路に流し、その後電流路が無通電である時の電流検出手段のオフセット値をオフセット値記憶手段に記憶させるようにするため、電流検出手段の構成要素である磁性体の残留磁束を0にした状態、すなわち、消磁した状態でのオフセット値を記憶させ、その記憶したオフセット値に基づいて、電流検出手段は電動機に流れる電流の検出値を補正し、モータ電流の正確な値に基づいてフィードバック制御を行うので、トルクリップルが生ぜず、良好な操舵フィーリングを得ることができる。
【0050】
また、車両起動時に、徐々に減衰する交流電流を前記電流路に流し、前記電流路に流す前記交流電流を前記電流検出手段により検出される検出値によって確認することで前記電流検出手段の作動確認を行うため、電流検出手段のオフセット値を記憶させるための手順も兼ねて電流検出手段が正常に動作しているかどうかの動作チェックを車両起動時に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の全体構成である。
【図2】本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置で用いられるブラシレスモータの電流を制御するためのモータ制御部を示すブロック構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置における初期調整方法の手順を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置における初期調整方法におけるU相電圧とW相電圧とU相電流とW相電流の波形を示す図である。
【図5】電流センサが設置された電流路に0Aまで減衰する交流電流を流す工程においての初期調整用コントローラによりモータ制御部でなされる処理フローチャートである。
【図6】電流センサが設置された電流路に0Aまで減衰する交流電流を流す工程において電流路に電流を流したときの電流センサの磁性体のギャップに発生する磁束密度の変化を示す。
【図7】ブラシレスモータの電流を制御するための従来のモータ制御部を示すブロック構成図である。
【図8】電流センサの構造を示す模式図である。
【図9】実際に流れている電流(曲線C2)と初期調整方法を実行していない電流センサで検出される電流値の電気角に対する変化(曲線C1)を示す図である。
【図10】電動パワーステアリング装置においてハンドルトルクを決定する機構を示す図である。
【図11】舵角に対するハンドルトルクの関係を示す図である。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置
11 ステアリングホイール
12 ステアリング軸
13 ピニオンギヤ
14 ラック軸
15 ラック・ピニオン機構
16 タイロッド
17 前輪
18 動力伝達機構
19 ブラシレスモータ
20 操舵トルク検出部
21 車速検出部
22 制御装置
23 モータ回転角検出部
24 ギヤボックス
25 モータ制御部
26 初期調整用コントローラ
121,122,123 電流路
114,115 モータ電流検出部
200 電流センサ
208 記憶部
S10 電流センサが設置された電流路に0Aまで減衰する交流電流を流す工程
S11 電流路に流す電流を0Aの状態(無通電)で電流センサの検出値(増幅器からの出力)を求める工程
S12 検出値を記憶部に記憶(学習)する工程
Claims (2)
- ステアリング系に補助トルクを付加するモータと、前記ステアリング系の操舵トルクを検出するトルクセンサと、少なくとも前記トルクセンサからの操舵トルク信号に基づいて前記モータを駆動制御する制御手段と、前記制御手段から前記モータへ電流を流すための電流路と、前記電流路に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えた電動パワーステアリング装置における初期調整方法において、
前記モータは多相ブラシレスモータから成り、
前記電流検出手段は、前記電流路に電流を流さない状態での検出値であるオフセット値を記憶するオフセット値記憶手段を備え、
車両起動時に、2つの相の前記電流路の各々に交流電流を流す際に、初めの数周期分は減衰させずに同一の振幅パターンの前記交流電流を流し、その後、徐々に振幅が減衰する前記交流電流を流し、
2つの相の前記電流路の各々に設けられた前記電流検出手段により検出される2つの相の前記交流電流の前記同一の振幅パターンの平均値から2つの前記電流検出手段の間のゲインずれ補正を行い、
その後、前記電流路が無通電である時の前記電流検出手段の前記オフセット値を前記オフセット値記憶手段に記憶させることを特徴とする電動パワーステアリング装置における初期調整方法。 - ステアリング系に補助トルクを付加するモータと、前記ステアリング系の操舵トルクを検出するトルクセンサと、少なくとも前記トルクセンサからの操舵トルク信号に基づいて前記モータを駆動制御する制御手段と、前記制御手段から前記モータへ電流を流すための電流路と、前記電流路に流れる電流を検出する電流検出手段と、を備えた電動パワーステアリング装置における初期調整方法において、
前記モータは多相ブラシレスモータから成り、
車両起動時に、徐々に減衰する交流電流を前記電流路に流し、前記電流路に流す前記交流電流を前記電流検出手段により検出される検出値によって確認することで前記電流検出手段の作動確認を行うことを特徴とする電動パワーステアリング装置における初期調整方法。
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