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JP2003291829A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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Publication number
JP2003291829A
JP2003291829A JP2002097158A JP2002097158A JP2003291829A JP 2003291829 A JP2003291829 A JP 2003291829A JP 2002097158 A JP2002097158 A JP 2002097158A JP 2002097158 A JP2002097158 A JP 2002097158A JP 2003291829 A JP2003291829 A JP 2003291829A
Authority
JP
Japan
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current
torque
average
target
target current
Prior art date
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Application number
JP2002097158A
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English (en)
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Inventor
Masanori Takagi
雅則 高木
Yasuhiro Nakano
泰宏 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2002097158A priority Critical patent/JP3902046B2/ja
Publication of JP2003291829A publication Critical patent/JP2003291829A/ja
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  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流センサの温度ドリフト等によるオフセッ
ト値の学習値からのずれにより発生するトルクリップル
の影響を取り除き、良好な操舵フィーリングが得られる
電動パワーステアリング装置を提供する。 【解決手段】 ブラシレスモータ19に流れる電流を検
出する電流検出手段114,115と、操舵トルク検出
手段20から検出される操舵トルクの時間平均である平
均トルクを得る平均トルク検出手段25と、操舵トルク
検出手段20から所定時間毎の操舵トルクを検出する瞬
時トルク検出手段26とを備え、電流検出手段からの出
力信号と目標電流との偏差によりフィードバック制御を
行うとともに、平均トルク検出手段25によってブラシ
レスモータ19の電気角周期における操舵トルクの平均
を演算し、平均トルクに対する瞬時トルク検出手段26
によって検出する現在の操舵トルクとの差に応じて目標
電流を補正した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動パワーステア
リング装置に関し、特に、電流センサの温度ドリフト等
により生じるトルクリップルの影響を取り除くことがで
きる電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電動パワーステアリング装置は、ハンド
ル操舵トルクを検出する操舵トルク検出部および、車速
を検出する車速検出部等の出力する信号に基づき、モー
タ制御部により、モータを駆動制御し操舵力の軽減を行
っている。そのモータにブラシレスモータを用いた電動
パワーステアリング装置は知られているところである。
【0003】ブラシレスモータを用いた電動パワーステ
アリング装置は、ブラシとコミテータ間の電圧降下によ
るモータ出力の低下や変動がないため、安定した操舵補
助力が得られる。また、モータの慣性モーメントが、ブ
ラシ付きモータと比較して小さいため、高速直進時やハ
ンドルの切り替えし時に良好な操舵フィーリングが得ら
れる。
【0004】しかしながら、モータにブラシレスモータ
を用いた場合には、ブラシとコミテータに代わり、モー
タの回転角に応じてモータ電流の通電量を制御すること
が必要となるため、モータの回転角(電気角)を検出す
るモータ回転角検出部(電気角検出手段)および、モー
タ電流検出部(電流検出手段)を設け、モータ回転角検
出部およびモータ電流検出部の出力信号に基づいて、ブ
ラシレスモータをPWM駆動制御する。ここで電気角と
は、ロータのマグネットの位置から得られる角度であ
り、ロータの周囲に回転方向に沿ってN極とS極が交互
に配列されるように4対のマグネットがある場合には、
ロータの機械角90°すなわちロータの1/4回転が電
気角360°に対応する。
【0005】図10は、ブラシレスモータの電流を制御
するための従来のモータ制御部の簡略化したブロック構
成図である。従来のモータ制御部100は、目標電流設
定部101とPI設定部102とPWM制御部103か
らなり、ブラシレスモータ104からの電流を検出し、
その検出値をフィードバックし、偏差演算部105で、
目標電流との偏差を求め、その値を0に収束させるよう
にPI設定部102で制御する。このモータ電流の検出
は、一定周期で行い、その検出値をフィードバック制御
に用いている。
【0006】図11は、ブラシレスモータの電流を制御
するための従来のモータ制御部を詳細に示すブロック構
成図である。ブラシレスモータ104には、ブラシレス
モータ104の回転角を検出するためのレゾルバ106
が取り付けられている。従来のモータ制御部100は、
界磁電流指令部107とトルク電流指令部108とを備
えた目標電流設定部101と、PI設定部109,11
0から成るPI設定部102と、dq−3相変換部11
1と、PWM電圧発生部112と、インバータ回路11
3から成るPWM制御部103と、モータ電流検出部1
14,115と相電流A/D変換部116と、3相−d
q変換部117とRD変換部118を備えている。
【0007】目標電流設定部101は、界磁電流指令部
107とトルク電流指令部108を備え、図示しない操
舵トルク検出部(操舵トルク検出手段)からの操舵トル
ク信号と図示しない車速検出部からの車速信号に基づい
て、目標界磁電流Idtgと目標トルク電流Iqtgを
計算し出力する。目標界磁電流Idtgと目標トルク電
流Iqtgは、ブラシレスモータ104の回転子上の永
久磁石が作り出す回転磁束と同期した回転座標系におい
て、永久磁石と同一方向のd軸およびこれに直交したq
軸にそれぞれ対応するもので、これらの目標界磁電流I
dtgと目標トルク電流Iqtgをそれぞれ「d軸目標
電流」および「q軸目標電流」という。
【0008】偏差演算部119,120は、d軸目標電
流Idtgとq軸目標電流Iqtgからd軸およびq軸
の電流検出値Idact,Iqactをそれぞれ減算す
ることにより偏差DId,DIqを計算して、PI設定
部109,110に出力する。
【0009】PI設定部109,110は偏差DId,
DIqを用いた演算の実行により、d軸およびq軸の電
流検出値Idact,Iqactがd軸目標電流および
q軸目標電流に追従するようにd軸およびq軸の目標電
圧Vd,Vqをそれぞれ計算する。d軸およびq軸の目
標電圧Vd,Vqは、dq−3相変換部111に出力さ
れる。
【0010】dq−3相変換部111は、d軸およびq
軸の目標電圧Vd,Vqを3相目標電圧Vu,Vv,V
wに変換して、3相目標電圧Vu,Vv,VwをPWM
電圧発生部112に出力する。
【0011】PWM電圧発生部112は、3相目標電圧
Vu,Vv,Vwに対応したPWM制御電圧信号UH,
UL,VH,VL,WH,WLを生成してインバータ回
路113に出力する。インバータ回路113は、PWM
制御電圧信号UH,UL,VH,VL,WH,WLに対
応してFETをスイッチングすることにより3相の交流
駆動電流Iu,Iv,Iwを発生させる。
【0012】3相の駆動電流路121,122,123
のうちの2つにはモータ電流検出部114,115が設
けられ、各モータ電流検出部114,115は、ブラシ
レスモータ104に対し供給される3相の交流駆動電流
Iu,Iv,Iwのうちの2つの交流駆動電流、例えば
Iu,Iwを検出して相電流A/D変換部116に出力
する。この相電流A/D変換部116では、モータ電流
検出部114,115で検出された2つの交流駆動電流
Iu,Iwに対するアナログ信号を2つの交流駆動電流
Iu,Iwに対するデジタル信号Iuad,Iwadに
変換して、3相−dq変換部117に出力する。この3
相−dq変換部117では、交流駆動電流Iu,Iwに
対するデジタル信号Iuad,Iwadに基づいて残り
の交流駆動電流Ivに対応するデジタル信号Ivadも
計算される。3相−dq変換部117は、これらの3相
の交流駆動電流Iu,Iv,Iwに対するデジタル信号
Iuad,Ivad,Iwadを2相のd軸およびq軸
の電流検出値Idact,Iqactに変換する。
【0013】レゾルバ106からの信号は、RD(レゾ
ルバデジタル)変換部118に連続的に供給されてい
る。RD変換部118は、ブラシレスモータ104にお
ける回転子の固定子に対する角度(モータ回転角または
電気角)θを計算して、計算された角度θをdq−3相
変換部111と3相−dq変換部117に供給する。上
記のレゾルバ106とRD変換部118によってモータ
回転角検出部(電気角検出手段)が形成される。
【0014】図12は、モータ電流検出部114,11
5に用いられる電流センサの構造を示す模式図である。
電流センサ200は、孔201とギャップ202を有す
るC型形状の磁性体203と、ギャップ202内に設置
されたホール素子204とホール素子204からのホー
ル電圧を検出するための電極205,206とその検出
されたホール電圧を増幅する増幅器207とホール素子
204と増幅器207から成る系のオフセット値を学習
し、記憶する記憶部208と、検出され、増幅された値
を学習値に基づいてオフセットを補正し演算する演算部
209を備えたオフセット補正部210とホール素子2
04に直流電流を流すための直流電源211から成って
いる。
【0015】この電流センサ200を用いて電流路21
2に流れる電流を測定するためには、次のようにして行
われる。電流センサ200は、孔201に電流路212
を通すようにして設置される。まず、電流を流して測定
する前に、オフセット補正部210の記憶部208にホ
ール素子204と増幅器207から成る系のオフセット
値を学習し、記憶する。電流路212に電流が流れると
電流路212の周りにその電流に比例した大きさの磁界
が発生する。その磁界により、磁性体203は磁化し、
それにより、磁性体203のギャップ202に磁束が発
生する。その磁束により、ギャップ202内に設置した
直流電源211により直流電流を流したホール素子20
4には電極205と電極206の間にホール電圧が発生
する。そのホール電圧を増幅器207により増幅し、オ
フセット補正部210において、記憶部208に記憶さ
れた学習値に基づいて演算部209でオフセットを補正
し出力する。このようにして、電流路212に流れる電
流を検出するわけである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電流セ
ンサ200に用いられるホール素子は、半導体から形成
され、半導体のホール特性は、温度により、変化をし、
また、増幅器も温度によって、増幅特性が変化するた
め、電流センサは、温度ドリフト等が起こり、オフセッ
ト値が学習値からずれ、電流センサ200からの出力が
正確な、実際に流れている電流値とは、異なる値になっ
てしまうという問題点がある。図13(a)は、実際に
流れている電流(曲線C1)と温度ドリフト等を起こし
た電流センサ200で検出される電流値の電気角に対す
る変化(曲線C2)を示す図である。横軸は、電気角を
表し、縦軸は、電流値を示す。また、図13(b)に
は、図13(a)で示した電流をフィードバック制御に
用いたときのモータトルクの電気角に対する変化を示
す。温度ドリフトがないときは、電流は、電気角0°の
ときに電流は0であり、電気角360°を1周期の正弦
波で変化する。モータトルクは、曲線C3で示すように
なる。一方、温度ドリフト等が生じた電流センサによっ
て検出した電流は、電気角0°で0ではなく、正弦波が
縦軸に沿ってシフトし、電気角360°でもゼロとはな
らない。それによって、モータトルクは、電気角に対し
て、曲線C4のようにリップルを持つ特性となる。
【0017】図14は、電動パワーステアリング装置に
おいて操舵トルクを決定する機構を示す図である。操舵
トルクTは、タイヤ負荷Ttから、モータトルクTMを
減じたものとなる。それゆえ、図13(b)の曲線C4
で示したようなモータトルクTMの変動(リップル)が
ある場合、操舵トルクTは、やはり電気角360°を1
周期とするリップルを生じる。それゆえ、舵角に対する
操舵トルクの関係を示す曲線は、図15に示すように電
気角360°の周期を持つ、すなわち、電気角1次のト
ルクリップルを生じたものとなる。
【0018】このように、トルクリップルが発生した状
態で、操舵トルクTをトルクセンサ(操舵トルク検出
部)により検出し、その検出値も振動し、その振動した
検出値により目標トルクや目標電流を設定するため、正
確なブラシレスモータの制御ができず、操舵フィーリン
グを良好なものにすることができないという問題点があ
る。
【0019】本発明の目的は、上記問題を解決するた
め、電流センサの温度ドリフト等によるオフセット値の
学習値からのずれにより発生するトルクリップルの影響
を取り除き、正確なブラシレスモータの制御を行うこと
ができ、良好な操舵フィーリングが得られる電動パワー
ステアリング装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
電動パワーステアリング装置は、上記の目的を達成する
ために、次のように構成される。
【0021】第1の電動パワーステアリング装置(請求
項1に対応)は、操舵トルクに応じて目標電流を設定し
てブラシレスモータに流す電流を制御する電動パワース
テアリング装置において、操舵トルクを検出する操舵ト
ルク検出手段と、ブラシレスモータに流れる電流を検出
する電流検出手段と、操舵トルク検出手段から検出され
る操舵トルクの時間平均である平均トルクを得る平均ト
ルク検出手段と、操舵トルク検出手段から所定時間毎の
操舵トルクを検出する瞬時トルク検出手段とを備え、電
流検出手段からの出力信号と目標電流との偏差によりフ
ィードバック制御を行うとともに、平均トルク検出手段
によってブラシレスモータの電気角周期における操舵ト
ルクの平均を演算し、平均トルクに対する瞬時トルク検
出手段によって検出する現在の操舵トルクとの差に応じ
て目標電流を補正したことで特徴づけられる。
【0022】第1の電動パワーステアリング装置によれ
ば、ブラシレスモータの電気角周期における操舵トルク
の平均を演算し、平均トルクに対する現在のトルクとの
差に応じて目標電流を補正するため、電流センサのオフ
セット値が学習値から温度ドリフト等によりずれるとき
に発生する電気角1次のトルクリップルの影響を受け
ず、ブラシレスモータの制御を正確に行うことができ、
それにより、操舵フィーリングも良好なものにすること
ができる。
【0023】第2の電動パワーステアリング装置(請求
項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは平均
トルクに対する瞬時トルク検出手段によって検出する現
在の操舵トルクとの差に基づいて得られる目標電流の補
正値が予め定められた制限値以上のときには補正値を制
限して出力する制限手段を備えることで特徴づけられ
る。
【0024】第2の電動パワーステアリング装置によれ
ば、平均トルクに対する瞬時トルク検出手段によって検
出する現在の操舵トルクとの差に基づいて得られる目標
電流の補正値が予め定められた制限値以上のときには補
正値を制限して出力する制限手段を備えるため、急激な
ハンドル操作を行っても安定したフィードバック制御を
行うことができる。
【0025】第3の電動パワーステアリング装置(請求
項3に対応)は、操舵トルクに応じて目標電流を設定し
てブラシレスモータに流す電流を制御する電動パワース
テアリング装置において、ブラシレスモータに流れる電
流を検出する電流検出手段と、目標電流の時間平均であ
る平均目標電流を得る平均目標電流検出手段と、所定時
間毎の目標電流を検出する瞬時目標電流検出手段とを備
え、電流検出手段からの出力信号と目標電流との偏差に
よりフィードバック制御を行うとともに、平均目標電流
検出手段によってブラシレスモータの電気角周期におけ
る目標電流の平均を演算し、平均目標電流に対する瞬時
目標電流検出手段によって検出する現在の目標電流との
差に応じて目標電流を補正したことで特徴づけられる。
【0026】第3の電動パワーステアリング装置によれ
ば、ブラシレスモータの電気角周期における目標電流の
平均を演算し、平均目標電流に対する現在の目標電流と
の差に応じてブラシレスモータに流す電流を補正するた
め、電流センサのオフセット値が学習値から温度ドリフ
ト等によりずれるときに発生する電気角1次のトルクリ
ップルの影響を受けず、ブラシレスモータの制御を正確
に行うことができ、それにより、操舵フィーリングも良
好なものにすることができる。
【0027】第4の電動パワーステアリング装置(請求
項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは平均
目標電流に対する瞬時目標電流検出手段によって検出す
る現在の目標電流との差に基づいて得られる目標電流の
補正値が予め定められた制限値以上のときには補正値を
制限して出力する制限手段を備えることで特徴づけられ
る。
【0028】第4の電動パワーステアリング装置によれ
ば、平均目標電流に対する瞬時目標電流検出手段によっ
て検出する現在の目標電流との差に基づいて得られる目
標電流の補正値が予め定められた制限値以上のときには
補正値を制限して出力する制限手段を備えるため、急激
なハンドル操作を行っても安定したフィードバック制御
を行うことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
添付図面に基づいて説明する。
【0030】図1は電動パワーステアリング装置10の
全体構成を示す。電動パワーステアリング装置10は例
えば乗用車両に装備される。電動パワーステアリング装
置10は、ステアリングホイール11に連結されるステ
アリング軸12等に対して補助用の操舵力(操舵トル
ク)を与えるように構成されている。ステアリング軸1
2の上端はステアリングホイール11に連結され、下端
にはピニオンギヤ13が取り付けられている。ピニオン
ギヤ13に対して、これに噛み合うラックギヤ14aを
設けたラック軸14が配置されている。ピニオンギヤ1
3とラックギヤ14aによってラック・ピニオン機構1
5が形成される。ラック軸14の両端にはタイロッド1
6が設けられ、各タイロッド16の外側端には前輪17
が取り付けられる。上記ステアリング軸12に対し動力
伝達機構18を介してブラスレスモータ19が設けられ
ている。ブラシレスモータ19は、操舵トルクを補助す
る回転力(トルク)を出力し、この回転力を、動力伝達
機構18を経由して、ステアリング軸12に与える。ま
たステアリング軸12には操舵トルク検出部20が設け
られている。操舵トルク検出部20は、運転者がステア
リングホイール11を操作することによって生じる操舵
トルクをステアリング軸12に加えたとき、ステアリン
グ軸12に加わる当該操舵トルクを検出する。また21
は車両の車速を検出する車速検出部であり、22はコン
ピュータで構成される制御装置である。制御装置22
は、操舵トルク検出部20から出力される操舵トルク信
号Tと車速検出部21から出力される車速信号Vを取り
入れ、操舵トルクに係る情報と車速に係る情報に基づい
て、ブラシレスモータ19の回転動作を制御する駆動制
御信号SG1を出力する。またブラシモータ19には、
レゾルバ等によって構成されるモータ回転角検出部23
が付設されている。モータ回転角検出部23の回転角信
号SG2は制御装置22に入力されている。上記のラッ
ク・ピニオン機構15等は図1中で図示しないギヤボッ
クス24に収納されている。
【0031】上記において電動パワーステアリング装置
10は、通常のステアリング系の装置構成に対し、操舵
トルク検出部20、車速検出部21、制御装置22、ブ
ラシレスモータ19、動力伝達機構18を付加すること
によって構成されている。
【0032】上記構成において、運転者がステアリング
ホイール11を操作して自動車の走行運転中に走行方向
の操舵を行うとき、ステアリング軸12に加えられた操
舵トルクに基づく回転力はラック・ピニオン機構15を
介してラック軸14の軸方向の直線運動に変換され、さ
らにタイロッド16を介して前輪17の走行方向を変化
させようとする。このときにおいて、同時に、ステアリ
ング軸12に付設された操舵トルク検出部20は、ステ
アリングホイール11での運転者による操舵に応じた操
舵トルクを検出して電気的な操舵トルク信号Tに変換
し、この操舵トルク信号Tを制御装置22へ出力する。
また車速検出部21は、車両の車速を検出して車速信号
Vに変換し、この車速信号Vを制御装置22へ出力す
る。制御装置22は、操舵トルク信号Tおよび車速信号
Vに基づいてブラシレスモータ19を駆動するためのモ
ータ電流(Iu,Iv,Iw)を発生させる。ブラシレ
スモータ19は3相ブラシレスモータであり、そのモー
タ電流はU相とV相とW相から成る3相交流Iu,I
v,Iwである。上記の駆動制御信号SG1は3相交流
であるモータ電流Iu,Iv,Iwである。なお、交流
とは電気角に対して交流であるとの意味である。かかる
モータ電流によって駆動されるブラシレスモータ19
は、動力伝達機構18を介して補助操舵力をステアリン
グ軸12に作用させる。以上のごとくブラシレスモータ
19を駆動することにより、ステアリングホイール11
に加えられる運転者による操舵力が軽減される。
【0033】図2,3は、本発明の第1実施形態に係る
電動パワーステアリング装置で用いられるブラシレスモ
ータの電流を制御するためのモータ制御部を示すブロッ
ク構成図である。図2は簡略化した図であり、図3は詳
細図である。ブラシレスモータ19を制御する第1実施
形態に係るモータ制御部22aは、図10で示した従来
のモータ制御部100におけるものと同様の目標電流設
定部101とPI設定部102とPWM制御部103と
モータ電流フィードバック部に加えて、トルクセンサ
(操舵トルク検出部)20から検出される操舵トルクの
時間平均である平均トルクを得るための平均トルク検出
部(平均トルク検出手段)25と所定時間毎の操舵トル
クを検出する瞬時トルク検出部(瞬時トルク検出手段)
26と偏差演算部27と、PI設定部28と指示電流リ
ミッタ部(制限手段)29と加算演算部30から成るも
のである。
【0034】図2,3のうち図10で示した従来のモー
タ制御部100におけるものと同様の目標電流設定部1
01とPI設定部102とPWM制御部103とモータ
電流フィードバック部の詳細は、図11で示したものと
同様であるので、符号を同じにし説明を省略し、ここで
は、平均トルク検出部25と瞬時トルク検出部26と偏
差演算部27と、PI設定部28と指示電流リミッタ部
29と加算演算部30を中心に説明する。
【0035】トルクセンサ20は、図4に示すように、
ハンドルに連結される入力軸31、ラックアンドピニオ
ン機構のピニオンギヤを有する出力軸32、両軸を連結
するトーションバー33、可動鉄心のスライダー34、
両軸の捩れ角をスライダーの軸方向変位に変換するカム
機構35、およびスライダー変位を電気信号に変換する
差動トランス36などから構成され、スライダー変位の
大きさと方向により、操舵トルクの大きさと方向が検出
される。
【0036】平均トルク検出部25は、トルクセンサ2
0から検出される操舵トルクの平均値である平均トルク
を得る装置であり、トルクセンサ20からの出力を1m
s毎に検出し、RD変換部118からの電気角θに従っ
て電気角360°の1周期毎の平均値を演算し、出力す
る。
【0037】瞬時トルク検出部26は、トルクセンサ2
0から1ms毎に瞬時トルクを検出し、出力する。
【0038】偏差演算部27は、瞬時トルク検出部26
から出力される瞬時トルク値Tsと平均トルク検出部2
5から出力される平均トルク値Taとの差DT(=Ts
−Ta)を求め、出力する。
【0039】PI設定部28は、偏差演算部27から出
力された瞬時トルク値Tsと平均トルク値Taとの差D
Tに基づいて、目標電流の補正値Icを式(1)に従っ
て演算し、出力する。
【0040】
【数1】
【0041】ここで、K1pは比例ゲイン、K1Iは、
積分ゲインであり、予め決められた値を設定しておく。
【0042】指示電流リミッタ部29は、PI設定部2
8から出力される目標電流の補正値Icが予め定められ
た制限値ICL以下のときには、そのまま出力し、目標
電流の補正値Icが予め定められた制限値ICL以上の
ときには、目標電流の補正値を制限値ICLとして出力
する装置である。
【0043】加算演算部30は、指示電流リミッタ部2
9から出力される目標電流の補正値ICを目標電流設定
部101から出力される目標電流Iに減算し、補正目標
電流を出力する装置である。詳細には、図3において、
加算演算部30aは、指示電流リミッタ部29からの目
標電流の補正値Icをトルク電流指令部108から出力
される目標トルク電流Iqtgに減算し、補正後目標ト
ルク電流Iqtg’を出力する装置である。
【0044】図5は、平均トルク検出部25と瞬時トル
ク検出部26と偏差演算部27と、PI設定部28と指
示電流リミッタ部29と加算演算部30によって行われ
る処理のフローチャートである。この処理によって、ブ
ラシレスモータ19の電気角周期における操舵トルクの
平均を演算し、平均トルクに対する現在のトルクとの差
に応じて目標電流を補正する。まず、平均トルク検出部
25はRD変換部118からの電気角の値が0°から3
60°になるまでトルクセンサ20からのトルク検出値
を所定の時間毎に入力し、電気角1周期分の操舵トルク
の平均値である平均トルクTaを計算するための処理を
行う(ステップS10)。図6は、図15で示した操舵
トルクの変化を拡大した図であり、平均トルクを曲線C
10で示す。また、実際のトルクの変化を曲線C11で
示す。瞬時トルク検出部26では、トルクセンサ20か
らのトルク検出値Tsを1ms毎に偏差演算部27に出
力する(ステップS11)。このときのトルク検出値T
sは、例えば図6での曲線C11上の点P1の値であ
る。平均トルク検出部25では、RD変換部118から
の電気角θが360°xN(Nは自然数)に等しいかど
うかを判定し(ステップS12)、RD変換部118か
らの電気角θが360xN°に等しくない場合には、直
前の1周期で計算した平均トルクTa1(図6の領域R
10での平均値)を偏差演算部27に出力する(ステッ
プS13)。偏差演算部27では、1ms毎に瞬時トル
ク検出部26から出力された瞬時トルクTsと平均トル
ク検出部25から出力される平均トルクTa1との偏差
DT1を計算し、出力する(ステップS14)。PI制
御部28では、1ms毎に偏差演算部27から出力され
る偏差DT1から式(1)に基づいて、目標電流の補正
値Icを計算し、出力する(ステップS15)。指示電
流リミッタ部29においては、入力される目標電流の補
正値Icが予め定められた制限値IcLより小さいかど
うかを判定し(ステップS16)、目標電流の補正値I
cが予め定められた制限値IcLより小さい場合には目
標電流の補正値Icをそのままとし(ステップS1
7)、出力される(ステップS18)。目標電流の補正
値Icが予め定められた制限値IcLより大きい場合に
は制限値IcLを目標電流の補正値Icとして代入し
(ステップS19)、出力される(ステップS18)。
加算演算部30aでは、トルク電流指令部108から出
力される目標トルク電流Iqtgと目標電流の補正値I
cが加算され(ステップS20)、補正後目標トルク電
流Iqtg’が偏差演算部120に出力され(ステップ
S21)、その補正後目標トルク電流Iqtg’により
モータが制御される。
【0045】平均トルク検出部25でのRD変換部11
8からの電気角θが360°xNに等しいかどうかの判
定において(ステップS12)、電気角θが360°x
Nに等しくなったとき(図6での点P2)、1周期分の
平均値を計算し、平均トルク検出部25の記憶部には、
直前の1周期で計算した平均トルクTa2(図6での領
域R11での平均値)に更新される(ステップS2
2)。次の1周期(図6での領域R12)では、この平
均トルクTa2を出力する。このように、平均トルク検
出部25からは、直前の電気角の1周期で計算され、記
憶された平均トルクが現時点の1周期において出力され
る。
【0046】このように、モータの電気角周期における
操舵トルクの平均を演算し、平均トルクに対する現在の
トルクとの差に応じて目標電流を補正するため、電流セ
ンサが学習値から温度ドリフト等により電流検出値が実
際に流れる電流からずれるときに発生する電気角1次の
トルクリップルの影響を受けず、ブラシレスモータの制
御を正確に行うことができ、それにより、操舵フィーリ
ングも良好なものにすることができる。
【0047】また、平均トルクに対する瞬時トルク検出
部によって検出する現在の操舵トルクとの差に基づいて
得られる目標電流の補正値が予め定められた制限値以上
のときには補正値を制限して出力する制限手段(指示電
流リミッタ部)を備えるため、急激なハンドル操作を行
ったときの平均トルクと、瞬時トルクの差が急激に大き
な値となり、PI制御部から出力される目標電流補正量
が異常に大きな値となっても、そのときには、制限値を
目標電流の補正値として加算演算部に出力するため、安
定したフィードバック制御を行うことができる。
【0048】図7,8は、本発明の第2実施形態に係る
電動パワーステアリング装置で用いられるブラシレスモ
ータの電流を制御するためのモータ制御部を示すブロッ
ク構成図である。図7は簡略化した図であり、図8は詳
細図である。ブラシレスモータ19を制御する第2実施
形態に係るモータ制御部40は、図10で示した従来の
モータ制御部100におけるものと同様の目標電流設定
部101とPI設定部102とPWM制御部103とモ
ータ電流フィードバック部に加えて、目標電流の時間平
均である平均目標電流を得るための平均目標電流検出部
(平均目標電流検出手段)41と所定時間毎の目標電流
を検出する瞬時目標電流検出部(瞬時目標電流検出手
段)42と偏差演算部43と、PI設定部44と指示電
流リミッタ部45と加算演算部46から成るものであ
る。
【0049】図7,8のうち図10で示した従来のモー
タ制御部100におけるものと同様の目標電流設定部1
01とPI設定部102とPWM制御部103とモータ
電流フィードバック部の詳細は、図11で示したものと
同様であるので、符号を同じにし説明を省略し、ここで
は、平均目標電流検出部41と瞬時目標電流検出部42
と偏差演算部43と、PI設定部44と指示電流リミッ
タ部45と加算演算部46を中心に説明する。
【0050】平均目標電流検出部41は、目標トルク電
流に対する平均目標トルク電流検出部41aがあり、目
標電流設定部101のトルク電流指令部108から出力
される目標トルク電流Iqtgの平均値である平均目標
トルク電流Iqtgaを得る装置であり、それぞれ、ト
ルク電流指令部108からの出力を1ms毎に検出し、
RD変換部118からの電気角θに従って電気角360
°の1周期毎の平均値を演算し、出力する。
【0051】瞬時目標電流検出部42は、瞬時目標トル
ク電流検出部42aがあり、目標電流設定部101のト
ルク電流指令部108からそれぞれ1ms毎に瞬時目標
トルク電流Iqtgsを検出し、出力する。
【0052】偏差演算部43aは、瞬時目標トルク電流
検出部42aから出力される瞬時目標トルク電流値Iq
tgsと平均目標トルク電流検出部41aから出力され
る平均目標トルク電流値Iqtgaとの差DIqtgs
(=Iqtgs−Iqtga)を求め、出力する。
【0053】PI設定部44aは、偏差演算部43aか
ら出力された瞬時目標トルク電流値Iqtgsと平均目
標トルク電流値Iqtgaとの差DIqtgsに基づい
て、目標電流の補正値Iqtgcを式(2)に従って演
算し、出力する。
【0054】
【数2】
【0055】ここで、K2pは比例ゲイン、K2Iは、
積分ゲインであり、予め決められた値を設定しておく。
【0056】指示電流リミッタ部45aは、PI設定部
44aから出力される目標トルク電流の補正値Iqtg
cが予め定められた制限値IqtCL以下のときには、
そのまま出力し、目標トルク電流の補正値Iqtgcが
予め定められた制限値IqtCL以上のときには、目標
トルク電流の補正値を制限値IqtCLとして出力する
装置である。
【0057】加算演算部46aは、指示電流リミッタ部
45aから出力される目標トルク電流の補正値Iqtg
cをトルク電流指令部108から出力される目標トルク
電流Iqtgに加算し、補正目標トルク電流Iqtg’
を出力する装置である。
【0058】図9は、平均目標トルク電流検出部41a
と瞬時目標トルク電流検出部42aと偏差演算部43a
と、PI設定部44aと指示電流リミッタ部45aと加
算演算部46aによって行われる処理のフローチャート
である。この処理によって、ブラシレスモータの電気角
周期における目標電流の平均を演算し、平均目標電流に
対する現在の目標電流との差に応じて目標電流を補正す
る。まず、平均目標トルク電流検出部41aはRD変換
部118からの電気角θの値が0°から360°になる
までトルク電流指令部108からの目標トルク電流Iq
tgを所定の時間毎に入力し、電気角1周期分の目標ト
ルク電流の平均値である平均目標トルク電流Iqtga
を計算するための処理を行う(ステップS30)。瞬時
目標トルク電流検出部42aでは、トルク電流指令部1
08からの目標トルク電流値Iqtgを1ms毎に偏差
演算部43aに出力する(ステップS31)。平均目標
トルク電流検出部41aでは、RD変換部118からの
電気角θが360°xN(Nは自然数)に等しいかどう
かを判定し(ステップS32)、RD変換部118から
の電気角θが360°に等しくない場合には、直前の1
周期で計算した平均目標トルク電流Iqtga1を偏差
演算部43aに出力する(ステップS33)。偏差演算
部43aでは、1ms毎に瞬時目標トルク電流検出部4
2aから出力された瞬時目標トルク電流Iqtgsと平
均目標トルク電流検出部41aから出力される平均目標
トルク電流値Iqtga1との偏差DIqtg1を計算
し、出力する(ステップS34)。PI制御部44aで
は、1ms毎に偏差演算部43aから出力される偏差D
Iqtg1から式(2)に基づいて、目標トルク電流の
補正値Iqtgcを計算し、出力する(ステップS3
5)。指示電流リミッタ45aにおいては、入力される
目標トルク電流の補正値Iqtgcが予め定められた制
限値IqtgcLより小さいかどうかを判定し(ステッ
プS36)、目標トルク電流の補正値Iqtgcが予め
定められた制限値IqtgcLより小さい場合にはIq
tgcをそのままとし(ステップS37)、出力される
(ステップS38)。目標トルク電流の補正値Iqtg
cが予め定められた制限値IqtgcLより大きい場合
には制限値IqtgcLを目標トルク電流の補正値Iq
tgcに代入して(ステップS39)、出力される(ス
テップS38)。加算演算部46aでは、トルク電流指
令部108から出力される目標トルク電流Iqtgと目
標トルク電流の補正値Iqtgcが加算され(ステップ
S40)、補正後目標トルク電流Iqtg’が偏差演算
部105に出力され(ステップS41)、その補正後目
標トルク電流Iqtg’によりモータが制御される。
【0059】平均目標トルク電流検出部41aでのRD
変換部118からの電気角θが360°xNに等しいか
どうかの判定において(ステップS32)、電気角θが
360°xNに等しいとき、1周期分の平均値を計算
し、平均目標トルク電流検出部41aの記憶部には、直
前の1周期で計算した平均目標トルク電流Iqtga2
に更新される(ステップS42)。次の1周期では、こ
の平均目標トルク電流Iqtga2を出力する。このよ
うに、平均目標トルク電流検出部41aからは、直前の
電気角θの1周期で計算され、記憶された平均目標トル
ク電流が現時点の1周期において出力される。
【0060】このように、モータの電気角周期における
目標トルク電流の平均を演算し、平均目標トルク電流に
対する現在の目標トルク電流との差に応じて目標トルク
電流を補正するため、電流センサが学習値から温度ドリ
フト等により電流検出値が実際に流れる電流からずれる
ときに発生する電気角1次のトルクリップルの影響を受
けず、ブラシレスモータの制御を正確に行うことがで
き、それにより、操舵フィーリングも良好なものにする
ことができる。
【0061】また、平均目標電流に対する瞬時目標電流
検出手段によって検出する現在の目標電流との差に基づ
いて得られる目標電流の補正値が予め定められた制限値
以上のときには補正値を制限して出力する制限手段(指
示電流リミッタ部)を備えるため、急激なハンドル操作
を行ったときの平均目標トルク電流と、瞬時目標トルク
電流の差が急激に大きな値となり、PI設定部から出力
される目標トルク電流補正量が異常に大きな値となって
も、そのときには、制限値を目標トルク電流の補正値と
して加算演算部に出力するため、安定したフィードバッ
ク制御を行うことができる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、次の効果を奏する。
【0063】モータの電気角周期における操舵トルクの
平均を演算し、平均トルクに対する現在のトルクとの差
に応じてモータに流す電流を補正するため、電流センサ
が学習値から温度ドリフト等により電流検出値が実際に
流れる電流からずれるときに発生する電気角1次のトル
クリップルの影響を受けず、ブラシレスモータの制御を
正確に行うことができ、それにより、操舵フィーリング
も良好なものにすることができる。
【0064】モータの電気角周期における目標電流の平
均を演算し、平均目標電流に対する現在の目標電流との
差に応じてモータに流す電流を補正するため、電流セン
サが学習値から温度ドリフト等により電流検出値が実際
に流れる電流からずれるときに発生する電気角1次のト
ルクリップルの影響を受けず、ブラシレスモータの制御
を正確に行うことができ、それにより、操舵フィーリン
グも良好なものにすることができる。
【0065】目標電流を補正する補正値が制限値以上の
時には補正値を制限する制限手段を備えているため、急
激なハンドル操作を行っても安定したフィードバック制
御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の全体構成であ
る。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電動パワーステア
リング装置で用いられるブラシレスモータの電流を制御
するためのモータ制御部を示すブロック構成図(簡略
図)である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電動パワーステア
リング装置で用いられるブラシレスモータの電流を制御
するためのモータ制御部を示すブロック構成図(詳細
図)である。
【図4】トルクセンサの概略図である。
【図5】平均トルク検出部25と瞬時トルク検出部26
と偏差演算部27と、PI設定部28と指示電流リミッ
タ部29と加算演算部30によって行われる処理のフロ
ーチャートである。
【図6】トルクの変化を拡大した図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る電動パワーステア
リング装置で用いられるブラシレスモータの電流を制御
するためのモータ制御部を示すブロック構成図(簡略
図)である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る電動パワーステア
リング装置で用いられるブラシレスモータの電流を制御
するためのモータ制御部を示すブロック構成図(詳細
図)である。
【図9】平均目標電流検出部41と瞬時目標電流検出部
42と偏差演算部43と、PI設定部44と指示電流リ
ミッタ部45と加算演算部46によって行われる処理の
フローチャートである。
【図10】ブラシレスモータの電流を制御するための従
来のモータ制御部の簡略化したブロック構成図である。
【図11】ブラシレスモータの電流を制御するための従
来のモータ制御部を詳細に示すブロック構成図である。
【図12】電流センサの構造を示す模式図である。
【図13】実際に流れている電流(曲線C1)と温度ド
リフト等を起こした電流センサで検出される電流値の電
気角に対する変化(曲線C2)を示す図である。
【図14】電動パワーステアリング装置においてハンド
ルトルクを決定する機構を示す図である。
【図15】舵角に対するハンドルトルクの関係を示す図
である。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置 11 ステアリングホイール 12 ステアリング軸 13 ピニオンギヤ 14 ラック軸 15 ラック・ピニオン機構 16 タイロッド 17 前輪 18 動力伝達機構 19 ブラシレスモータ 20 操舵トルク検出部 21 車速検出部 22 制御装置 22a モータ制御部 23 モータ回転角検出部 24 ギヤボックス 25 平均トルク検出部 26 瞬時トルク検出部 27 偏差演算部 28 PI設定部 29 指示電流リミッタ部 30 加算演算部
フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 CC08 DA15 DA23 DA63 DA64 DC01 DC02 DC04 DC09 DC33 DD02 DD06 DD10 DD17 EA01 EB11 EC23 GG01 3D033 CA13 CA16 CA20 CA21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵トルクに応じて目標電流を設定して
    ブラシレスモータに流す電流を制御する電動パワーステ
    アリング装置において、 前記操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、前記
    ブラシレスモータに流れる電流を検出する電流検出手段
    と、前記操舵トルク検出手段から検出される操舵トルク
    の時間平均である平均トルクを得る平均トルク検出手段
    と、前記操舵トルク検出手段から所定時間毎の操舵トル
    クを検出する瞬時トルク検出手段とを備え、 前記電流検出手段からの出力信号と前記目標電流との偏
    差によりフィードバック制御を行うとともに、 前記平均トルク検出手段によって前記ブラシレスモータ
    の電気角周期における前記操舵トルクの平均を演算し、 前記平均トルクに対する前記瞬時トルク検出手段によっ
    て検出する現在の操舵トルクとの差に応じて前記目標電
    流を補正したことを特徴とする電動パワーステアリング
    装置。
  2. 【請求項2】 前記平均トルクに対する前記瞬時トルク
    検出手段によって検出する現在の操舵トルクとの差に基
    づいて得られる前記目標電流の補正値が予め定められた
    制限値以上のときには前記補正値を制限して出力する制
    限手段を備えることを特徴とする請求項1記載の電動パ
    ワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 操舵トルクに応じて目標電流を設定して
    ブラシレスモータに流す電流を制御する電動パワーステ
    アリング装置において、 前記ブラシレスモータに流れる電流を検出する電流検出
    手段と、前記目標電流の時間平均である平均目標電流を
    得る平均目標電流検出手段と、所定時間毎の目標電流を
    検出する瞬時目標電流検出手段とを備え、 前記電流検出手段からの出力信号と前記目標電流との偏
    差によりフィードバック制御を行うとともに、 前記平均目標電流検出手段によって前記ブラシレスモー
    タの電気角周期における前記目標電流の平均を演算し、 前記平均目標電流に対する前記瞬時目標電流検出手段に
    よって検出する現在の目標電流との差に応じて前記目標
    電流を補正したことを特徴とする電動パワーステアリン
    グ装置。
  4. 【請求項4】 前記平均目標電流に対する前記瞬時目標
    電流検出手段によって検出する現在の目標電流との差に
    基づいて得られる前記目標電流の補正値が予め定められ
    た制限値以上のときには前記補正値を制限して出力する
    制限手段を備えることを特徴とする請求項3記載の電動
    パワーステアリング装置。
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KR20230070954A (ko) * 2021-11-15 2023-05-23 서영대학교 산학협력단 무인제어를 위한 조향 시스템

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