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JP3901418B2 - 圧力逃げを備える包装体及びその製造方法 - Google Patents

圧力逃げを備える包装体及びその製造方法 Download PDF

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JP3901418B2
JP3901418B2 JP2000044834A JP2000044834A JP3901418B2 JP 3901418 B2 JP3901418 B2 JP 3901418B2 JP 2000044834 A JP2000044834 A JP 2000044834A JP 2000044834 A JP2000044834 A JP 2000044834A JP 3901418 B2 JP3901418 B2 JP 3901418B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力逃げを備える包装体及びその製造方法に関し、より詳細には、それに限定されるものではないが、電磁波を用いる調理に適用可能な包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
調理用に適する包装体は、公知である。これには、内部に含まれる食品を電子レンジ内で調理することができるように適用されるものが含まれる。
上記の包装体内の食品を調理する間、食品の調理による乾燥を防止するため、ある程度の水分(湿度)を維持するのが望ましい。食品調理の間に包装体内に水分が存在することは、食品の水分を保持し、これをより美味しく保つ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般的な形態の電子レンジ用包装体は、プラスチック製のフィルム材から作られ、その開口部を介して食品を収めることができる。水又は他の液体を封入物に与えた後、包装体を通常通りにシールして内容物をその内部に含め、電子レンジ内に配置することができる。加熱時には、包装体内部の圧力が加熱により増大するのが分かる。この圧力の増大は、包装体が破裂して、内容物がこぼれる結果となりうるものである。破裂後に調理を続けると、食品を調理乾燥させてしまうことになる。
【0004】
食品をよく封じ込める一方で、過大な圧力に対処する通気孔を備えるバッグもある。例えば米国特許第4874620号に開示されるように、電子レンジによる調理の間に、流動体が収納領域から逃げることのできる包装体が提供されている。
本発明は、圧力逃げを備える包装体及びその製造方法を提供して、上記の欠点を克服し又は、少なくとも一般消費者に対し、便利な選択を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、第1の形態では、食品内容物を加熱するための収納領域を形成するバッグである。本バッグは、側端部、開口端部及び底端部をそれぞれ有する前面パネルと背面パネルとを形成するマルチプライ・プラスチックフィルムから形成される。前記各パネルの側端部はシールされ、また、前記各パネルの底端部は互いに実質的にシールされて、開口端部から底端部への長手方向に対して略横向きの、本バッグのシールされた底部が形成される。本バッグは、さらに、前記シールされた底部において、食品内容物の加熱の間にバッグの収納領域からの流動体の逃げを許容する逃がし通路を含んで構成される。この通路は、前記前面パネル及び背面パネルのうち少なくとも一方を構成する前記マルチプライ・プラスチックフィルムの最も内側のプライの一部に設けられ、前記シールされた底部における最内プライを構成する残りの領域に比べヒートシール適性が低いか又はこれを有しない、前記前面パネルと前記背面パネルとの間に提供される。
【0006】
前記最内プライの一部の領域は、前記最内プライの残りの領域とは異なる素材からなる。
また、前記前面パネル及び背面パネルのうち一方の前記最内プライは、(バッグの開口部から底部への)長手方向に対し横方向に並べて配置された3つのストリップを含んで構成され、これら3つのストリップのうち中間のものが、前記異なる素材からなる。
【0007】
前記最内プライの一部の領域を構成する前記異なる素材は、前記前面パネル及び背面パネルのうち一方の開口端部から底端部まで延するのが好ましい。
前記3つのストリップは、互いに隣接して並置されるのが好ましい。
前記中間のストリップは、前記3つのストリップのうち他のいずれのものよりも、(長手方向に対する横向きの)幅が小さいのが好ましい。
【0008】
前記中間のストリップは、配向ポリプロピレンからなるのが好ましい。
前記3つのストリップのうち前記中間のストリップを除く他のものは、キャストポリプロピレンからなるのが好ましい。
前記底部のシールはヒートシール工程により生成されて、前記前面パネル及び背面パネルを、前記底部にて、逃がし通路が形成される前記領域を除き、互いにシールするのが好ましい。
【0009】
前記ヒートシールは、前記前面パネル及び背面パネルの最も内側のプライのうち重なり合う層を、前記一部の領域が前記配向ポリプロピレンにより形成される箇所を除き、互いにシールするのに充分な温度及び/又は停止時間で、前記底部にて前記バッグの幅全体に渡り適用されるのが好ましい。
前記底部の前記シール温度は、略130[℃]であるのが好ましい。
【0010】
前記前面パネル及び背面パネルは、縦に折り重ねられて前記バッグの前記側部を形成する、前記マルチプライフィルムからなる矩形状シートにより提供され、前記矩形状シートの2つの対向する端部が互いにヒートシールされるのが好ましい。
フィルム材からなる少なくとも1つの他のプライが、前記最も内側のプライの外側に提供されるのが好ましい。
【0011】
前記少なくとも1つの他のプライは、前記最内プライにシールされるのが好ましい。
前記少なくとも1つの他のプライは、前記最内プライにラミネートされるのが好ましい。
前記少なくとも1つの他のプライは、前記最内プライとともに同時押出しされるのが好ましい。
【0012】
前記少なくとも1つの他のプライは、1枚の矩形状フィルムからなるのが好ましい。
前記少なくとも1つの他のプライは、配向ポリプロピレンからなるのが好ましい。
前記底部シールが生成されるシール温度は、180[℃]より低いのが好ましい。
【0013】
前記底端部又は開口端部は、前記中間のストリップの、前記3つのストリップのうち他のものとの接合部の一方にて、ノッチを備えるのが好ましい。
前記ノッチは、両方のパネルの前記接合部におよそ沿う開封の開始を可能とするのに充分なサイズであるのが好ましい。
前記バッグは、シールされていない開口領域を有するのが好ましい。
【0014】
前記バッグは、シール可能な開口領域を有するのが好ましい。
前記シール可能な開口領域は、再閉可能なプロファイルストリップにより提供されるのが好ましい。
または、前記バッグは、シールされた開口部と、その収納領域内に提供された食品内容物と、を備える。
【0017】
本発明は、別の形態では、シールされた底端部、開口端部及び側端部を有するバッグを形成する前面パネル及び背面パネルを形成するためのシート状のフィルム材である。このフィルム材は、少なくとも2つの重なり合う一体に接合されたプラスチック製のプライからなるアセンブリであり、前記プライのうち、前記前面パネル又は背面パネルの内向きに面する表面に配置される最も外側のプライが、その一部にて、この最外プライの残りのものとは異なる素材からなる少なくとも1つのストリップを含む。前記ストリップは、ヒートシール適性がないか又は低く、このシートから形成されるバッグの底部シール部に配置されるように位置する。前記ストリップは、前記最外プライの残部と並置され、シートの一端から対向する端部まで延在する
【0018】
前記シートは、矩形状のシート状素材であるのが好ましい。
記ストリップは、1つ設けられるのが好ましい。
前記異なる素材は配向ポリプロピレンであり、前記最外プライの残部を構成する素材はキャストポリプロピレンであるのが好ましい。
【0019】
前記最外プライと同じサイズの1つの他のプライを有して、前記アセンブリを形成するのが好ましい。
記ストリップは、このシート状素材から前記バッグを形成するに際し採用される加工方向に平行な方向に延在させた縦方向ストリップであるのが好ましい。
【0020】
本発明は、別の形態では、逃がし通路を備えるバッグを製造する方法である。この方法は、少なくとも2つの重なり合うプライからなり、1つのプライが並行して縦方向に延する少なくとも3つのストリップからなり、これら少なくとも3つのストリップのうち少なくとも1つの中間のものが、該少なくとも3つのストリップのうち他のものに比べヒートシール適性が低いか又はこれを有しない素材からなる矩形状のシート状マルチプライアセンブリを、長手方向に進めることと、前記矩形状シートの長手方向の端部を、前記少なくとも3つのストリップの側が内側になるように寄せて、前記矩形状シートをチューブ状に形成することと、前記長手方向の端部を互いにシールすることと、前面パネル及び背面パネルを形成するように、前記チューブを平坦に折り曲げることと、前記チューブの(長手方向に対する略横向きの)先端部を、少なくとも1つの中間のストリップにより前記2つのパネルの間に形成される前記バッグの逃がし通路が提供される少なくとも一部の領域を除き、この先端部におけるこのチューブの横方向の幅略全体に渡りシールされた底部を形成可能な所定の温度及び停止時間でヒートシールすることと、前記底部シール部からバッグの長さの位置でチューブから個々のバッグを分離することと、を含んで構成される。
【0021】
前記少なくとも1つの中間のストリップは配向ポリプロピレンであり、前記少なくとも3つのストリップのうち前記他のものはキャストポリプロピレンであり、前記ヒートシール温度は130〜180[℃]の範囲内であるのが好ましい。
前記ヒートシール温度は、略130[℃]であるのが好ましい。
前記個々のバッグの前記分離にて、同時にチューブの先端部をヒートシールするのが好ましい。
【0022】
前記個々のバッグの前記分離前に前記バッグに食品内容物が収められ、続く分離では、バッグをヒートシールして分離するのが好ましい。
別の形態では、本発明は、上記の方法に基づきバッグを製造し又は上記のバッグを構成するためのプラスチック製のフィルム材からなるマルチプライシートである。
【0023】
本発明は、概して、本願明細書にて個別的に又は集合的に言及され又は開示される構成部分、構成要素及び特徴にあるものであり、前記構成部分、構成要素及び特徴のいずれの2以上のいかなる或いは全ての組合せにあるものでもあり、本発明と関連する本技術分野における公知の均等物を備える特定の完全体がここに開示される。このような公知の均等物は、個々に説明されるようにしてここに組み入れられる。
【0024】
本発明は以上の説明にあり、また、以下に示される実施例構成を達成する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面を参照して説明する。
好ましい形態では、本発明はバッグ1であり、チューブ状のフィルム材から形成されるのが最も好ましい。フィルム材は、マルチプライアセンブリからなるのが好ましく、図1,2,3及び4を参照すると、このマルチプライアセンブリの複数の構造が示される。図5を参照すると、バッグ1は、開口端部10、底端部11及び側端部12を有する。バッグが、例えばシート状のフィルム材から、その長手方向の端部を寄せてチューブ状にされたチューブ材から形成される好ましい形態では、このバッグは、前面パネルと背面パネルとを備える。前面及び背面パネルは側端部12においてシールされた側部を有し、これらシールされた側部は、フィルム材をチューブ状に折り曲げて形成することができ、また、分離したシート材をこれらの側端部にてヒートシールすることにより形成することもできる。最も好ましい形態では、本発明に係るバッグは、平坦なシート状のフィルム材の長手方向の端部を寄せることにより形成されるチューブから形成される。この構成では、チューブは、図8に示されるように形成され、長手方向の端部8,9に沿ってヒートシールされてチューブのシール部7を形成するのが好ましい。
【0026】
シート材のマルチプライアセンブリから形成される本発明に係るバッグは、2つのパネルの間にて、少なくとも底端部及び側端部と、(好ましくは)シールされているか又はシール可能な開口端部との間に形成される収納領域に食品を入れ、電子レンジ内で調理することができるように設計される。
このような調理では、かなりの程度にまで加熱されるのがしばしばであるため、バッグの収納領域内の空気が膨張する。従って、開口端部がヒートシールされることにより、または、例えば開口端部の再閉可能なジッパー要素シールによりバッグが完全にシールされている場合には、バッグは、そのような圧力を逃がすことのできる部分を備えるのが好ましい。
【0027】
本発明に係るバッグは、前面パネル及び背面パネルの少なくとも底部のヒートシール部(このようなヒートシール部は、両方の端部がヒートシールされる場合には、バッグの向きに応じて上部シール部でもある)にて、このような逃がし部2を備える。逃がし部2は、前面パネルと背面パネルとの間にて、底部シール部6に提供される通路である。好ましい形態では、このような通路は1つのみ提供されるが、本発明は、底部シール部に提供される1又は複数の逃がし通路を含んでもよい。
【0028】
底部のシールはヒートシールであり、チューブからのバッグの製造時に1ステップの加熱処理で提供されるのが好ましいので、逃がし部2における素材を選択して、逃がし通路を底部のヒートシール部に提供することができる。
図示のように、本発明に係るバッグのマルチプライアセンブリは、少なくとも2つのプライからなる。最も内側のプライは、少なくとも3つのパネル4,4,5から構成される。この最内プライは、チューブ状の素材からバッグを形成するに当たり、接触せしめられる。最も好ましい形態では、チューブ材は、長手方向のヒートシール端部7にてシールされた内側のプライ部分を有する。
【0029】
マルチプライアセンブリの内プライを構成する少なくとも3つのパネルは、隣接するパネル4の間の中間パネル5により、逃がし通路2を提供する。最も好ましい形態に示されるように、この中間パネル5は逃がし通路2に提供され、バッグの略長手方向(開口部から底部)に延伸するのが好ましい。中間パネル5の両側には、内プライを構成する他のパネル4が配置される。平坦な状態にあるマルチプライアセンブリは、その端部8,9にて、内プライを構成するパネル4の素材がヒートシール可能な性質を有し、ヒートシールストリップ7を形成可能とするものである。中間パネル5は、内プライを構成する他のパネル4をヒートシールすることのできる条件でヒートシール適性が低いか又はこれを有しない素材からなる。
【0030】
ヒートシールをしてバッグの底部6を形成するに際し、内プライのパネル4の重なり合う部分が互いにヒートシールされ、しっかりとした、開口することのできない底部シールが形成される。前面パネルと背面パネルとの間にてパネル4がパネル5に、又はパネル5が同様のパネル5にオーバラップする部分は、重なるプライを互いにシールするヒートシール条件になく(又はこれが低)、ヒートシールを形成しない(または、底部シール部の他の部分と比べ、少なくとも脆弱なヒートシールを形成する)。パネル4のオーバラップ部をシールする条件は、パネル4のオーバラップ部をヒートシールするための温度及び/又は停止時間が、パネル5が提供された底部の均等に強い又は何らかのヒートシールを形成するのに不充分なものとしてよい。この停止時間の選択は、通常は、本発明に係るバッグを形成するのに用いられる製袋装置の速さに係る因子である。
【0031】
キャストポリプロピレン(CPP)材は、略130[℃]以上で互いにヒートシールすることができる。一方、180[℃]未満では、配向ポリプロピレン(OPP)材は、それ自体に及びCPP材にシールされない。
そのような温度への変化は、使用される素材が異なる特質を有する場合に適用される。素材の選択及びヒートシール温度の選択に係る重要性は、底部シール部の2つのパネルの内向きの面における2つの素材のヒートシール性の違いに関連する。選択されたシール温度は、前面パネルと背面パネルとの間にて、底部シール部の大部分に、バッグ内部の通常の圧力下では破損しないシールを提供する必要がある。一方、底部シール部にて中間パネルが提供されたシール部分は、バッグ内部の圧力が大気圧を超えるレベルに達したときに破損する。
【0032】
従って、ここに示される本発明の形態では、底部シール部のヒートシールは、パネル4を構成するCPP材を互いにシールするのに適したいかなる温度でも行うことができる。前面パネルと背面パネルとを構成する2つのパネル材5(OPP)が重なり合う図9に示される他の構成では、底部シール部6を形成するに際し、シールをする温度をヒートシール温度(好ましくは180[℃])より低くして、重なり合うOPP材のパネルが互いにシールされるのを回避する。
【0033】
底部シール部の逃がし通路2では、前面パネル及び背面パネルは、ヒートシール適性が低いか又はこれを有しないものであるが、ある程度の粘着力を有し、圧力がないか又はごく僅かな圧力状態で逃がし通路の限定的なシールを提供する。この包装体の内容物が加熱されると、内部の空気は、包装体が好ましくない破裂に至る前に逃がし通路が開口し、膨張した流動体の包装体収納領域からの逃げを可能とする程度まで、膨張する。
【0034】
このヒートシールは、バッグを構成するパネルの両側にヒートシールバーを設ける公知の技術により達成することができ、これにより、これらのパネルは適切な箇所で互いにシールされる。
本発明に係るバッグは、開口部がシールされていない形態で提供することができ、食品その他の内容物を収納領域内に配置して行うバッグの使用を可能とする。そして、バッグを折り曲げて実質的にシールされた開口部を形成し、収納領域をシールすることができる。
【0035】
または、前面パネルと背面パネルとに提供される再閉可能なプロファイルストリップ・アタッチメント等の開口可能な閉じ手段を開口部に設け、これにより、この開口部を所望時に閉じることができる。
バッグが内容物を既に含んだ状態で、また、開口端部及び底端部の両方が完全にシールされた状態で提供される本発明の形態では、バッグは、中間パネル5が他のパネル4に接する箇所に形成されるラインに沿った前面パネル及び背面パネルの開封により、適宜開くことができる。このラインは、図1,2,3及び9に示されるような形態の弱み線であり、バッグの長手方向に渡り比較的直線状のラインで開封可能とし、バッグの内容物領域への接触をユーザに行わせることができる。
【0036】
ノッチ15は、バッグの開口端部或いは底端部のいずれかに提供され、パネル5のパネル4との接合部のラインの一方に沿った前面パネル及び背面パネルの開封の開始に役立つのが好ましい。
本発明に係るバッグのマルチレイヤアセンブリは、ラミネーションにより提供されるのが好ましい。パネル4及び5の内層に対し外側の少なくとも1つの層は、OPP等のプラスチック製のフィルム材からなるのが好ましい。
【0037】
または、マルチレイヤアセンブリは同時押出しにより提供されてもよく、また、パネル5は、パネル5を形成する別のストリップ材を提供することとは別に、内層の一部として結合されるように提供されてもよい。パネル5を形成する領域の性質や特性を変化させる内側のパネル4の処理が可能である。
本発明では、底部シール部に提供される複数の逃がし通路があってよく、さらに、逃がし通路は、本発明に係るバッグの底部シール部及び上部シール部の一方又はこれらの両方に提供されてもよい。特に、収納領域が既に食品を含んだ状態で本発明に係るバッグを販売する場合には、そのような2つの端部の逃がし用設備を容易に提供することができる。
【0038】
電子レンジによる調理と違い、従来のオーブンの場合には、熱はバッグ表面を通過して食品内容物に伝わる。従来のオーブンによる調理が採用される場合に本発明に係るバッグに使用される素材は、電子レンジによる調理の場合に使用されるものより高い温度に耐えうる必要がある。内層の中間パネルに適する素材としては、例えば、セロファン又はPET(ポリエステル)がある。これらの素材は、通常ではヒートシールすることができない。内層を構成する2つの外側のパネルは、セロファン又はPETをポリエチレン又はポリプロピレン等のヒートシール可能な素材で被覆することによりヒートシール可能とすることができる。外層のための代替には、アルミニウム箔、クラフト紙又は紙が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パネル4,5から構成される内側のプライと、その外側の1つのプライ3とを示す、本発明に係るバッグを形成するためのチューブの一例の透視分解図
【図2】パネル4とは異なる素材からなる2つのパネル5が内側のプライに提供される、図1に示される配置の他の例を示す図
【図3】提供される異なる素材を示すべく分解した配置で示された、本発明に係るチューブ及びバッグを形成するシート材の断面図
【図4】本発明に係るシート材からなるプライの他の構成を示す図
【図5】本発明に係る平坦な状態のバッグの平面図
【図6】本発明に係るチューブ及びバッグを形成するシート材の一部の平面図
【図7】本発明に係るバッグを形成するシート材がどのようにロール形態で提供されるかを示す透視図
【図8】図6及び7に示されるシート材から本発明に係るバッグを製造する方法の一例を示す図
【図9】本発明に係るバッグの形成のため、シート材の好ましい一形態から形成されたチューブの断面図である
【符号の説明】
1 バッグ
2 逃がし部
4 パネル
5 パネル(中間パネル)
6 底部シール部
7 シール部
10 開口端部
11 底端部
12 側端部
15 ノッチ

Claims (37)

  1. 食品のための収納領域を形成するバッグであって、
    側端部、開口端部及び底端部をそれぞれ有する前面パネルと背面パネルとを形成するマルチプライ・プラスチックフィルムからなり、
    前記各パネルの側端部はシールされ、
    前記各パネルの底端部は互いに実質的にヒートシールされて、開口端部から底端部への長手方向に対し略横向きのバッグのシールされた底部を形成し、
    前記シールされた底部にて、加熱の間に前記バッグの収納領域からの流動体の逃げを許容する逃がし通路を含んで構成され、
    この逃がし通路は、前記前面パネル及び背面パネルのうち少なくとも一方を構成する前記マルチプライ・プラスチックフィルムの最も内側のプライの一部に設けられ、前記シールされた底部における最内プライを構成する残りの領域に比べヒートシール適性が低いか又はこれを有しない領域にて、前記前面パネルと前記背面パネルとの間に提供され、
    前記最内プライの一部の領域は、前記最内プライの残りの領域とは異なる素材からなり、
    前記前面パネル及び背面パネルのうち一方を構成する前記最内プライは、長手方向に対し横方向に並べて配置された3つのストリップを含んで構成され、これら3つのストリップのうち中間のものが、前記異なる素材からなることを特徴とするバッグ。
  2. 前記最内プライの一部の領域を構成する前記異なる素材は、前記前面パネル及び背面パネルのうち一方の開口端部から底端部まで延在することを特徴とする請求項1記載のバッグ。
  3. 前記3つのストリップは、互いに隣接して並置されることを特徴とする請求項1又は2記載のバッグ。
  4. 前記中間のストリップは、前記3つのストリップのうち他のいずれのものよりも、長手方向に対する横向きの幅が小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のバッグ。
  5. 前記中間のストリップは、配向ポリプロピレンからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のバッグ。
  6. 前記3つのストリップのうち前記中間のストリップを除く他のものは、キャストポリプロピレンからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のバッグ。
  7. 前記底部のシールは、ヒートシール工程により生成されて、前記前面パネル及び背面パネルを、前記底部にて、逃がし通路が形成される前記領域を除き、互いにシールすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のバッグ。
  8. 前記中間のストリップが配向ポリプロピレンからなる場合に、
    前記ヒートシールは、前記前面パネル及び背面パネルの最も内側のプライのうち重なり合う層を、前記一部の領域が前記配向ポリプロピレンにより形成される箇所を除き、互いにシールするのに充分な温度及び/又は停止時間で、前記底部にて前記バッグの幅全体に渡り適用されることを特徴とする請求項7記載のバッグ。
  9. 前記底部の前記シール温度は、略130℃であることを特徴とする請求項8記載のバッグ。
  10. 前記前面パネル及び背面パネルは、縦に折り重ねられて前記バッグの前記シールされた側部を形成する、前記マルチプライフィルムからなる矩形状シートにより提供され、前記矩形状シートの2つの対向する端部が開口端部から底端部まで互いにヒートシールされていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載のバッグ。
  11. フィルム材からなる少なくとも1つの他のプライが、前記最も内側のプライの外側に提供されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載のバッグ。
  12. 前記少なくとも1つの他のプライは、前記最内プライにシールされることを特徴とする請求項11記載のバッグ。
  13. 前記少なくとも1つの他のプライは、前記最内プライにラミネートされることを特徴とする請求項11又は12記載のバッグ。
  14. 前記少なくとも1つの他のプライは、前記最内プライとともに同時押出しされることを特徴とする請求項11又は12記載のバッグ。
  15. 前記少なくとも1つの他のプライは、1枚の矩形状フィルムからなることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1つに記載のバッグ。
  16. 前記少なくとも1つの他のプライは、配向ポリプロピレンからなることを特徴とする請求項11〜15のいずれか1つに記載のバッグ。
  17. 前記底部シールが生成されるシール温度は、180℃より低いことを特徴とする請求項1〜16のいずれか1つに記載のバッグ。
  18. 前記底端部又は開口端部は、前記中間のストリップの、前記3つのストリップのうち他のものとの接合部の一方にて、ノッチを備えることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1つに記載のバッグ。
  19. 前記ノッチは、両方のパネルの前記接合部におよそ沿う開封の開始を可能とするのに充分なサイズであることを特徴とする請求項18記載のバッグ。
  20. 前記バッグは、シールされていない開口領域を有することを特徴とする請求項1〜19のいずれか1つに記載のバッグ。
  21. 前記バッグは、シール可能な開口領域を有することを特徴とする請求項1〜20のいずれか1つに記載のバッグ。
  22. 前記シール可能な開口領域は、再閉可能なプロファイルストリップにより提供されることを特徴とする請求項21に記載のバッグ。
  23. 前記バッグは、シールされた開口部と、その収納領域内に提供された食品内容物と、を備えることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1つに記載のバッグ。
  24. シールされた底端部、開口端部及び側端部を有するバッグを形成する前面パネル及び背面パネルを形成するためのシート状のフィルム材であって、
    前記フィルム材は、少なくとも2つの重なり合う一体に接合されたプラスチック製のプライからなるアセンブリであり、
    前記プライのうち、前記前面パネル又は背面パネルの内向きに面する表面に配置される最も外側のプライは、その一部にて、この最外プライの残りのものとは異なる素材からなる少なくとも1つのストリップを含み、
    前記ストリップは、ヒートシール適性がないか又は低く、シートから形成されるバッグの底部シール部に配置されるように位置し、
    前記ストリップは、前記最外プライの残部と並置され、シートの一端から対向する端部まで延在することを特徴とするシート状素材。
  25. シールされた底端部、開口端部及び側端部を有するバッグを形成する前面パネル及び背面パネルを形成するためのシート状のフィルム材であって、
    前記フィルム材は、少なくとも2つの重なり合う一体に接合されたプラスチック製のプライからなるアセンブリであり、
    前記プライのうち、前記前面パネル又は背面パネルの内向きに面する表面に配置される最も外側のプライは、その一部にて、この最外プライの残りのものとは異なる素材からなる少なくとも1つのストリップを含み、
    前記ストリップは、ヒートシール適性がないか又は低く、シートから形成されるバッグの底部シール部に配置されるように位置し、
    前記シートは、矩形状のシート状素材であり、
    前記ストリップは、前記最外プライの残部と並置され、シートの一端から対向する端部まで延在することを特徴とするシート状素材。
  26. 記ストリップは、1つ設けられることを特徴とする請求項24又は25に記載のシート状素材。
  27. 前記異なる素材は配向ポリプロピレンであり、前記最外プライの残部を構成する素材はキャストポリプロピレンであることを特徴とする請求項24〜26のいずれか1つに記載のシート状素材。
  28. 前記最外プライと同じサイズの1つの他のプライを有して、前記アセンブリを形成することを特徴とする請求項24〜27のいずれか1つに記載のシート状素材。
  29. 記ストリップは、シート状素材から前記バッグを形成するに際し採用される加工方向に平行な方向に延在させた縦方向ストリップであることを特徴とする請求項24〜28のいずれか1つに記載のシート状素材。
  30. シールされた底端部、開口端部及び側端部を有するバッグを形成する前面パネル及び背面パネルを形成するためのシート状のフィルム材であって、
    前記フィルム材は、少なくとも2つの重なり合う一体に接合されたプラスチック製のプライからなるアセンブリであり、
    前記プライのうち、前記前面パネル又は背面パネルの内向きに面する表面に配置される最も外側のプライは、その一部にて、この最外プライの残りのものとは異なる素材からなる少なくとも1つのストリップを含み、
    前記ストリップは、ヒートシール適性がないか又は低く、シートから形成されるバッグの底部シール部に配置されるように位置し、
    前記ストリップは、シート状素材から前記バッグを形成するに際し採用される加工方向に平行な方向に延在させた縦方向ストリップであることを特徴とするシート状素材。
  31. 前記シートは、矩形状のシート状素材であることを特徴とする請求項30に記載のシート状素材。
  32. 逃がし通路を備えるバッグを製造する方法であって、
    少なくとも2つの重なり合うプライからなり、1つのプライが並行して縦方向に延在する少なくとも3つのストリップからなり、これら少なくとも3つのストリップのうち少なくとも1つの中間のものが、該少なくとも3つのストリップのうち他のものに比べヒートシール適性が低いか又はこれを有しない素材からなる矩形状のシート状マルチプライアセンブリを、長手方向に進めることと、
    前記矩形状シートの長手方向の端部を、前記少なくとも3つのストリップの側が内側になるように寄せて、前記矩形状シートをチューブ状に形成することと、
    前記長手方向の端部を互いにシールすることと、
    前面パネル及び背面パネルを提供するように、前記チューブを平坦に折り曲げることと、
    前記チューブの長手方向に対する略横向きの先端部を、少なくとも1つの中間のストリップにより前記2つのパネルの間に形成される前記バッグの逃がし通路が提供される少なくとも一部の領域を除き、この先端部におけるこのチューブの横方向の幅略全体に渡りシールされた底部を形成可能な所定の温度及び停止時間でヒートシールすることと、
    前記底部シール部からバッグの長さの位置でチューブから個々のバッグを分離することと、
    を含んで構成される方法。
  33. 前記少なくとも1つの中間のストリップは配向ポリプロピレンであり、前記少なくとも3つのストリップのうち前記他のものはキャストポリプロピレンであり、前記ヒートシール温度は130〜180℃の範囲内であることを特徴とする請求項32に記載の方法。
  34. 前記ヒートシール温度は、略130℃であることを特徴とする請求項32又は33に記載の方法。
  35. 前記個々のバッグの前記分離にて、同時にチューブの先端部をヒートシールすることを特徴とする請求項32〜34のいずれか1つに記載の方法。
  36. 前記個々のバッグの前記分離前に前記バッグに食品内容物が収められ、続く分離では、バッグをヒートシールして分離することを特徴とする請求項32〜35のいずれか1つに記載の方法。
  37. 請求項32〜36のいずれか1つに記載の方法に基づきバッグを製造し又は請求項1〜23のいずれか1つに記載のバッグを構成するためのプラスチック製のフィルム材からなるマルチプライシート。
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