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JP3970066B2 - 光偏向器及び電磁型アクチュエータ - Google Patents

光偏向器及び電磁型アクチュエータ Download PDF

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JP3970066B2 JP2002075047A JP2002075047A JP3970066B2 JP 3970066 B2 JP3970066 B2 JP 3970066B2 JP 2002075047 A JP2002075047 A JP 2002075047A JP 2002075047 A JP2002075047 A JP 2002075047A JP 3970066 B2 JP3970066 B2 JP 3970066B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁駆動される光偏向器等の電磁駆動型アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】
光スイッチ等に代表される比較的大型のミラーを静的かつアナログ的に駆動する用途に対して、電磁駆動型の光偏向器は、静電駆動型の素子に比較して駆動効率と制御性の点で優れている。
【0003】
特開平8−322227号公報はジンバル構造の光偏向器のひとつを開示している。その光偏向器で用いられている偏向ミラー素子を図30に示す。
【0004】
図30に示されるように、この偏向ミラー素子は、内側可動板1101と、その外側に配置される外側可動板1102と、その外側に配置される支持枠1103と、内側可動板1101と外側可動板1102を接続するヒンジ1104と、外側可動板1102と支持枠1103を接続するヒンジ1105とから構成されている。
【0005】
この偏向ミラー素子は、その外部に設けられた(図示しない)磁石によって形成される平行磁場1108の中に配置される。内側可動板1101にはコイル1106が、外側可動板1102にはコイル1107が形成されている。コイル1106を流れる電流は、平行磁場1108の相互作用によって、内側可動板1101をヒンジ1104の長手軸の周りに回転させる。また、コイル1107を流れる電流は、平行磁場1108の相互作用によって、外側可動板1102をヒンジ1105の長手軸の周りに回転させる。
【0006】
内側可動板1101には反射面1109が形成されている。コイル1106とコイル1107に流す電流を制御することにより、内側可動板1101を単独であるいは外側可動板1102と共に所望の角度に回転させることができる。つまり、内側可動板1101の反射面1109の方向を制御できる。これにより、反射面1109で反射された光ビームの方向を任意に調整できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図30に示されるようなジンバル構造の偏向ミラー素子を有する光偏向器では、内側可動板と外側可動板の各々を静的かつ独立に駆動することが困難である。つまり、各々の回転軸に対応する回転動作間のクロストークが発生する。以下、この困難さについて、言い換えればクロストークの発生について、図31を用いて説明する。
【0008】
図31において、内側可動板1101に形成されたコイル1106を流れる電流は、二種類の電流成分、電流成分1110とその電流成分1111とに分解できる。電流成分1110は偶力1115を発生させ、これは内側可動板1101を回転軸1120の周りに回転させる。電流成分1111は偶力1116を発生させ、これはヒンジ1104を介して外側可動板1102を回転軸1121の周りに回転させる。
【0009】
従って、内側可動板1101を駆動するために、コイル1106に電流を流すと、それによって外側可動板1102も回転されてしまう。このため、内側可動板1101と外側可動板1102の各々を独立に回転させることは難しい。
【0010】
本発明は、このような実状を考慮して成されたものであり、その目的は、二本の軸の周りに回転される可動板を有する光偏向器及び電磁型アクチュエータにおいて、各々の回転軸に対応する回転動作間のクロストークが低減された光偏向器及び電磁型アクチュエータを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、光ビームを反射すると共に反射された光ビームの方向を変更し得る光偏向器であり、支持体と、光を反射するための反射面を有する可動板と、可動板を支持体に対して第一の回転軸の周りに回転可能に支持するための一対の第一の弾性部であり、可動板と支持体を連絡している弾性変形し得る一対の第一の弾性部と、可動板を支持体に対して第一の回転軸に直交する第二の回転軸の周りに回転可能に支持するための一対の第二の弾性部であり、可動板と支持体を連絡している弾性変形し得る一対の第二の弾性部と、支持体と第一の弾性部と可動板を通っている第一の駆動用配線であり、可動板に位置する部分は第一の回転軸に平行に延びている第一の駆動用配線と、支持体と第二の弾性部と可動板を通っている第二の駆動用配線であり、可動板に位置する部分は第二の回転軸に平行に延びている第二の駆動用配線と、可動板が位置し得る空間に磁場を形成するための磁場発生手段とを備えている。一対の第一の弾性部は第一の回転軸に沿って可動板を間に挟んで可動板の両側に位置し、その各々は第一の回転軸に沿って延びている一対の弾性部材から構成されている。また、一対の第二の弾性部は第二の回転軸に沿って可動板を間に挟んで可動板の両側に位置し、その各々は第二の回転軸に沿って延びている一対の弾性部材から構成されている。
【0012】
本発明の光偏向器では、第一の駆動用配線は可動板に位置する部分が第一の回転軸に平行に延びているので、第一の駆動用配線を流れる電流は可動板を第一の回転軸の周りに回転させる力を発生させるが、可動板を第一の回転軸に直交する第二の回転軸の周りに回転させる力は発生させない。同様に、第二の駆動用配線は可動板に位置する部分が第二の回転軸に平行に延びているので、第二の駆動用配線を流れる電流は可動板を第二の回転軸の周りに回転させる力を発生させるが、可動板を第二の回転軸に直交する第一の回転軸の周りに回転させる力は発生させない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
第一実施形態
本発明の第一実施形態は、実質的に複数の光偏向器の集合と見なせる光偏向器に向けられている。
【0015】
図1に示されるように、光偏向器100は、偏向ミラー素子アレイ102と、偏向ミラー素子アレイを含む空間に磁場を形成する磁場発生手段とを有している。言い換えれば、平行磁場を発生させる磁場発生手段と、平行磁場中に配置された偏向ミラー素子アレイ102とを有している。
【0016】
偏向ミラー素子アレイ102は、複数の偏向ミラー素子110、例えば九つの偏向ミラー素子110を含んでいる。偏向ミラー素子110は、規則的に互いに離れて、例えば格子状に位置している。
【0017】
磁場発生手段は、例えば、一対の永久磁石104で構成されている。永久磁石104は、偏向ミラー素子アレイの両側に配置されている。永久磁石は、矩形の偏向ミラー素子アレイ102の対角線に沿って位置している。
【0018】
偏向ミラー素子110の各々は、図2に示されるように、可動板122と、可動板122を取り囲んでいる支持体112と、可動板122と支持体112を連絡している弾性変形し得る一対の第一の弾性部132と、可動板122と支持体112を連絡している弾性変形し得る一対の第二の弾性部142とを備えている。
【0019】
任意の偏向ミラー素子110の支持体112は、他の偏向ミラー素子110の支持体112と連続している。言い換えれば、複数の偏向ミラー素子110の支持体112は、一枚のシリコン基板からエッチング加工によって一体的に形成されている。
【0020】
可動板122は、その片面に、光を反射するための反射面124を有している。
【0021】
第一の弾性部132は、可動板122を支持体112に対して第一の回転軸L1の周りに回転可能に支持している。第一の弾性部132の各々は、第一の回転軸L1に沿って延びている一対の弾性部材134から構成されている。
【0022】
第二の弾性部142は、可動板122を支持体112に対して第二の回転軸L2の周りに回転可能に支持している。第二の弾性部142の各々は、第二の回転軸L2に沿って延びている一対の弾性部材144から構成されている。
【0023】
第一の回転軸L1と第二の回転軸L2は互いに直交している。磁場発生手段すなわち一対の永久磁石104は、第一の回転軸L1と第二の回転軸L2に対して45°の方向を持つ磁場を発生させる。
【0024】
偏向ミラー素子110の各々は、図4に示されるように、さらに、支持体112と第一の弾性部132と可動板122を通っている第一の駆動用配線152と、支持体112と第二の弾性部142と可動板122を通っている第二の駆動用配線162とを備えている。
【0025】
第一の駆動用配線152の可動板122に位置する部分は、第一の回転軸L1に平行に延びており、第二の駆動用配線162の可動板122に位置する部分は、第二の回転軸L2に平行に延びている。従って、第一の駆動用配線152の可動板122に位置する部分と第二の駆動用配線162の可動板122に位置する部分は、互いに直交しており、また、永久磁石104によって形成された平行磁場190に対して45°の傾きをもって延びている。
【0026】
さらに、第一の駆動用配線152の可動板122に位置する部分は、第一の回転軸L1に対して線対称に位置しており、第二の駆動用配線162の可動板122に位置する部分は、第二の回転軸L2に対して線対称に位置している。
【0027】
第一の駆動用配線152は、支持体112に設けられた二本の配線、すなわち第一の駆動用配線152の外周端と電気的に接続された配線154と第一の駆動用配線152の内周端と電気的に接続された配線156とを介して、偏向器100の外部にある(図示しない)駆動回路に接続される。同様に、第二の駆動用配線162は、支持体112に設けられた二本の配線、すなわち第二の駆動用配線162の外周端と電気的に接続された配線164と第二の駆動用配線162の内周端と電気的に接続された配線166とを介して、偏向器100の外部にある(図示しない)駆動回路に接続される。
【0028】
第一の弾性部132を構成する弾性部材134は、図5に示されるように、メッシュ構造を有している。これに伴い、第一の駆動用配線152の第一の弾性部132に位置する部分はジグザグに延びている。さらに、第一の駆動用配線152の第一の弾性部132の各々の一対の第一の弾性部材134に位置する部分は、第一の回転軸L1に対して線対称に位置している。
【0029】
同様に、第二の弾性部142を構成する弾性部材144もメッシュ構造を有している。第二の駆動用配線162の第二の弾性部142に位置する部分はジグザグに延びている。さらに、第二の駆動用配線162の第二の弾性部142の各々の一対の第二の弾性部材144に位置する部分は、第二の回転軸L2に対して線対称に位置している。
【0030】
偏向ミラー素子110は、半導体製造技術を応用して、例えばシリコン基板をスタートウエハとして作製される。
【0031】
図4において、偏向ミラー素子110は、材料的には、互いに積層されたシリコン基板200と第一のポリイミド膜210と第一の金属膜220と第二のポリイミド膜230と第二の金属膜240と第三のポリイミド膜250とで構成されている。
【0032】
シリコン基板200は矩形の部分202とそれを取り囲む枠状の部分204とを有し、第一のポリイミド膜210は矩形の部分212とそれを取り囲む枠状の部分214とそれらを連絡するメッシュ状の部分216とを有し、第一の金属膜220は第二の駆動用配線162と配線164と配線156とを含み、第二のポリイミド膜230は矩形の部分232とそれを取り囲む枠状の部分234とを有し、第二の金属膜240は第一の駆動用配線152と配線154と配線166とを含み、第三のポリイミド膜250は矩形の部分252とそれを取り囲む枠状の部分254とそれらを連絡するメッシュ状の部分256とを有している。
【0033】
第二のポリイミド膜230は第一の金属膜220と第二の金属膜240を絶縁するための層間絶縁膜を構成している。配線156は、第二のポリイミド膜230に形成されたビアホール236を介して、第一の駆動用配線152の内周端と電気的に接続されている。また、配線166は、第二のポリイミド膜230に形成されたビアホール238を介して、第二の駆動用配線162の内周端と電気的に接続されている。
【0034】
シリコン基板200の矩形の部分202は主として可動板122を構成し、シリコン基板200の枠状の部分204は主として支持体112を構成している。第一のポリイミド膜210のメッシュ状の部分216と第三のポリイミド膜250のメッシュ状の部分256は主として第一の弾性部材134と第二の弾性部材144を構成している。
【0035】
図6において、第一の駆動用配線152に電流を流すと、第一の駆動用配線152の可動板122に位置する部分280と281にはそれぞれ同じ大きさで互いに逆向きの電流282と283が流れる。これらの電流282と283は、磁場190との相互作用により、配線部分280と281の中央に位置する第一の回転軸L1の周りの偶力284を発生させる。この偶力284は、弾性部材134と144の弾性変形による反発力と釣り合う位置まで、可動板122を第一の回転軸L1の周りに回転させる。可動板122の回転角は、第一の駆動用配線152を流れる電流の大きさに依存する。
【0036】
また、第一の駆動用配線152の支持体112に位置する部分290と291にも逆向きの電流が流れる。これらの電流は、第一の回転軸L1と直交する第二の回転軸L2の周りの偶力292を発生させる。しかし、これらの配線部分290と291は支持体112に形成されているため、偶力292は可動板122の駆動に影響を与えない。
【0037】
結局、第一の駆動用配線152を流れる電流は、第一の駆動用配線152の可動板122に位置する部分280と281が第一の回転軸L1に平行であるため、可動板122を第一の回転軸L1の周りに回転させる駆動力は発生させるが、可動板122を第二の回転軸L2の周りに回転させる駆動力を発生させない。
【0038】
従って、第一の駆動用配線152に流す電流を制御することにより、可動板122を第一の回転軸L1の周りに所望の角度だけ回転させることができる。
【0039】
これと全く同様に、第二の駆動用配線162に流す電流を制御することにより、可動板122を第一の回転軸L1に直交する第二の回転軸L2の周りに所望の角度だけ回転させることができる。
【0040】
従って、第一の駆動用配線152に流す電流と第二の駆動用配線162に流す電流とを制御することによって、可動板122を所望の方向に向けることができる。これにより、可動板122の反射面124で反射される光ビームを所望の方向に方向付けることができる。
【0041】
本実施形態の光偏向器100では、一方の駆動用配線に流れる電流は、それに対応する回転軸の周りに可動板を回転させる駆動力は発生させるが、他方の回転軸の周りに可動板を回転させる駆動力は発生させないので、各々の回転軸に対応する回転動作間のクロストークが低減される。
【0042】
なお、駆動用配線152と156の弾性部材134と144に位置する部分は、弾性部材のメッシュ構造に沿ってジグザグに形成されているため、局所的には可動板122本来の回転方向とは異なる方向に駆動力が発生する。しかし、この好ましくない駆動力は、ジグザグの折り返し部で隣接する配線要素同士では互いに逆向きであるため、相殺され、上述の回転動作間のクロストークには殆ど影響を及ぼさない。
【0043】
以下、図7〜図17を参照しながら、偏向ミラー素子110の製造工程を説明する。
【0044】
まず、図7に示されるように、シリコン基板301の一方の面に埋め込みマスク302を形成する。以下、シリコン基板301に対して埋め込みマスク302の形成されている面を表側、それとは反対側の面を裏側と呼称する。
【0045】
次に、図8と図9に示されるように、埋め込みマスク302の表面にシリコン膜303を形成した後、シリコン膜303の表面にエッチング停止層304を、シリコン基板301の裏側にシリコンエッチングマスク305をそれぞれ形成する。ここで、埋め込みマスク302とエッチング停止層304とシリコンエッチングマスク305には、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜等、シリコン基板のエッチングに対して耐性を有する材料が使用される。また、シリコン膜303は、他のシリコン基板を接合した後所望の厚さまで研磨する方法や、SOI(Silicon on Insulator)基板を接合後、接合したSOI基板の支持基板層と埋め込み酸化膜層をエッチング除去する方法等により形成される。
【0046】
次に、図10に示されるように、エッチング停止層304の表面に第一のポリイミド膜210を形成した後、駆動用配線162と配線156と164を形成する。駆動用配線162や配線156と164には、アルミ等の抵抗率が低く熱伝導率の高い材料が使用されることが望ましい。
【0047】
次に、図11に示されるように、第一のポリイミド膜210の表側に第二のポリイミド膜230を形成した後、このポリイミド膜230にビアホール236と238を形成する。ここで、第二のポリイミド膜230からビアホールの部分を除去する際に、図2ほかに示される可動板122と支持体112の間の領域に相当する部分313も同時に除去する。
【0048】
次に、図12に示されるように、第二のポリイミド膜230の表側に駆動用配線152と配線166と154を形成する。駆動用配線152と配線166は、図11の工程で形成したビアホール236と238によって、配線156と駆動用配線162にそれぞれ接続される。駆動用配線152や配線166と154にも、駆動用配線162や配線156と164と同様に、抵抗率が低く熱伝導率の高い材料が使用されることが望ましい。
【0049】
次に、図13と図14に示されるように、第二のポリイミド膜230の表側に3層目のポリイミド膜250を形成した後、その表面にポリイミドエッチングマスク315を形成する。ポリイミドエッチングマスク315には、PCVD(Plasma Assisted Chemical Vapor Deposition)法によって形成した酸化シリコン膜等、ポリイミド膜や配線材料の耐熱温度より低い温度で成膜可能で、ポリイミド膜のエッチングに耐え、他の構成要素を侵さずに除去可能な材料が使用される。
【0050】
次に、図15に示されるように、基板の表側を何らかの方法で保護した状態で、シリコン基板301およびシリコン膜303を裏側から、シリコンエッチングマスク305や埋め込みマスク302を介してエッチング停止層304が完全に露出するまでエッチングすることにより、支持体112と可動板122を形成する。このエッチングは、TMAH(Tetramethyl ammonium hydroxide)等のアルカリエッチング液を使用したウエットエッチングや、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)法によるドライエッチング等によって行なわれる。
【0051】
次に、図16に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)法によってポリイミド膜210と230と250をポリイミドエッチングマスク315を介して表側からエッチングすることにより、メッシュ構造の弾性部材134と144を形成するとともに、給電パッドの部分(図示せず)等を開口する。
【0052】
最後に、図17に示されるように、エッチング停止層304と埋め込みマスク302とシリコンエッチングマスク305の露出している部分を除去した後、可動板122の裏側に反射面124を形成することによって、偏向ミラー素子110が完成する。
【0053】
本実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変形や変更が加えられてもよい。
【0054】
弾性部材134と144のメッシュ構造の要素構造は、本実施形態では図5に示されるように矩形あるいは菱形であるが、これに限定されるものではなく、他の多角形あるいは円や楕円など、他の任意の形状であってもよい。メッシュ構造は、本実施形態では一種類の要素構造から成っているが、大きさや形状の異なる複数種類の要素構造の組み合わせで構成されてもよい。
【0055】
また、弾性部材134と144は、本実施形態では図5に示されるようにその全体がメッシュ構造で構成されているが、これに限定されるものではなく、メッシュ構造を部分的に有する構造であってもよい。つまり、弾性部材134と144は、図18に示されるように、メッシュ構造の部分412と板状の部分414とで構成されてもよい。
【0056】
また、第二のポリイミド膜230の代わりに、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等、他の絶縁材料が使用されてもよい。
【0057】
また、ポリイミド膜210と230と250は、シリコーン樹脂やパリレン等、他の任意の絶縁性の弾性材料から成る膜に置き換えられてもよい。
【0058】
また、弾性部材134と144は、メッシュ構造を有している代わりに、図19に示されるように、板状の弾性材料422と、その内部に形成されたジグザグの配線424とで構成されてもよい。さらに配線424は直線状に形成されてもよい。
【0059】
しかしながら、直線状の配線は、弾性部材134と144の伸び変形すなわち長手軸に沿った変形に対して、塑性変形や断線を起こし易いことを考慮すると、配線424はジグザグである方が好ましい。弾性部材134と144に伸び変形を生じさせる力によって引き起こされるジグザグの配線424の変形は曲げ変形となるので、ジグザグの配線424は容易に弾性部材134と144の伸びに追随して変形できる。
【0060】
ジグザグの配線424は、可動板122の本来の回転方向とは異なる方向に駆動力を受けるが、この余分な駆動力は、ジグザグの折り返し部に対して隣接する配線要素間では逆向きであり、従って互いに相殺されるので、可動板122の各々の回転軸に対応する回転動作間のクロストークに殆ど影響を与えない。
【0061】
また、弾性部材134と144は、図20に示されるように、周期的に屈曲構造を有する弾性材料432と、その内部を長手軸方向に関して直線的に延びる配線434とで構成されてもよい。この構造においては、配線434の幅を比較的大きくできる。これは、配線の抵抗を低減し、これにより消費電力や発熱を低減できるという利点を与える。
【0062】
また、偏向ミラー素子110の駆動回路を偏向器100の内部、例えば支持体112の表面等に形成してもよい。
【0063】
また、偏向ミラー素子110の内部に放熱や冷却のための構造が設けられてもよい。
【0064】
また、弾性部132は一対の弾性部材134で構成され、弾性部142は一対の弾性部材144で構成されているが、弾性部132と142は、図21に示されるように、メッシュ構造を有するひとつの弾性部材442と、その内部に形成されたその両側の縁近くを通るジグザグの配線あるいは菱形が鎖状に連続する配線444とで構成されてもよい。
【0065】
また、図2において、一対の弾性部材134と144の内部に形成された配線についても、図5に示されるようなジグザグの配線以外に、図21に示される配線144のように菱形が鎖状に連続する配線としてもよい。
【0066】
また、図1に示される偏向ミラー素子アレイ102のパッケージ等への実装は、例えば、図22に示されるように、複数の偏向ミラー素子110が形成されたチップ450の周辺部に、偏向ミラー素子110の各々と電気的に接続された給電パッド452を形成しておき、これらの給電パッド452と、パッケージに形成された(図示しない)端子の間をワイヤー454で接続することによって行なわれる。
【0067】
しかしながら、偏向ミラー素子アレイ102の実装は、より好ましくは、図23に示すように、複数の偏向ミラー素子110が形成されたチップ460に対して、偏向ミラー素子110の各々の側に、それと電気的に接続された給電パッド462を形成しておき、図24に示されるように、これらの給電パッド462を、BGA(Ball Grid Array)パッケージ470にアレイ状に形成された端子472にバンプ474を介して接続するとよい。
【0068】
後者の手法は、アレイを構成する素子数が多いためにチップ周辺部に給電パッドを配置するスペースが確保できない場合に有利である。本実施形態の偏向ミラー素子アレイ102では、可動板122に形成された反射面124が、給電パッドの形成される面すなわちパッケージに接着される面の反対側の面に形成されるため、チップ中にスルーホール形成等の特別な加工を必要とすることなく、BGAパッケージ等アレイ上に配置された端子と接続することができる。
【0069】
さらに、後者の手法の場合、複数個のチップ460を同一パッケージに並べて実装することにより、大規模アレイを容易に実現することが可能である。
【0070】
また、本実施形態においては、可動板上に反射面を有し、可動板が第一と第二の回転軸の周りに回転可能な光偏向器について説明したが、可動板が上下方向や前後左右方向に移動可能な光偏向器や、可動板上に反射面を有しないもの等、電磁駆動型のアクチュエータであってもよい。
【0071】
第二実施形態
本発明の第二実施形態は、実質的に複数の光偏向器の集合と見なせる光偏向器に向けられている。
【0072】
図25に示されるように、光偏向器500は、一対の永久磁石504から成る、平行磁場を発生させるための磁場発生手段と、平行磁場中に配置された偏向ミラー素子アレイ502と、偏向ミラー素子アレイ502に対して間隔を置いて向かい合って配置された対向基板506とを有している。偏向ミラー素子アレイ502と対向基板506は複数のスペーサー508を介して連結されている。偏向ミラー素子アレイ502は、格子状に配列された九つの偏向ミラー素子510を含んでいる。
【0073】
偏向ミラー素子510の各々は、図26に示されるように、可動板522と、可動板522を取り囲んでいる支持体512と、可動板522と支持体512を連絡している弾性変形し得る一対の第一の弾性部532と、可動板522と支持体512を連絡している弾性変形し得る一対の第二の弾性部542とを備えている。
【0074】
任意の偏向ミラー素子510の支持体512は、他の偏向ミラー素子510の支持体512と連続している。言い換えれば、複数の偏向ミラー素子510の支持体512は、例えば一枚のシリコン基板からエッチング加工によって一体的に形成されている。
【0075】
可動板522は、その片面に、光を反射するための反射面524を有している。
【0076】
第一の弾性部532は、可動板522を支持体512に対して第一の回転軸L1の周りに回転可能に支持している。第一の弾性部532の各々は、第一の回転軸L1に沿って延びている一対の弾性部材534から構成されている。
【0077】
第二の弾性部542は、可動板522を支持体512に対して第二の回転軸L2の周りに回転可能に支持している。第二の弾性部542の各々は、第二の回転軸L2に沿って延びている一対の弾性部材544から構成されている。
【0078】
第一の回転軸L1と第二の回転軸L2は互いに直交している。磁場発生手段すなわち一対の永久磁石504は、第一の回転軸L1と第二の回転軸L2に対して45°の方向を持つ磁場を発生させる。
【0079】
偏向ミラー素子510の各々は、図26に示されるように、さらに、支持体512と第一の弾性部532と可動板522を通っている複数本の第一の駆動用配線552と、支持体512と第二の弾性部542と可動板522を通っている複数本の第二の駆動用配線562とを備えている。
【0080】
複数本の第一の駆動用配線552は共に第一の回転軸L1に沿ってほぼ直線的に延びており、複数本の第二の駆動用配線562は共に第二の回転軸L2に沿ってほぼ直線的に延びている。
【0081】
第一の駆動用配線552の可動板522に位置する部分は、第一の回転軸L1に平行に延びており、第二の駆動用配線562の可動板522に位置する部分は、第二の回転軸L2に平行に延びている。従って、第一の駆動用配線552の可動板522に位置する部分と第二の駆動用配線562の可動板522に位置する部分は、互いに直交しており、また、永久磁石504によって形成された平行磁場590に対して45°の傾きをもって延びている。
【0082】
さらに、第一の駆動用配線552の可動板522に位置する部分は、第一の回転軸L1に対して線対称に位置しており、第二の駆動用配線562の可動板522に位置する部分は、第二の回転軸L2に対して線対称に位置している。
【0083】
第二の駆動用配線562の一方の端部は共に、支持体512に設けられた配線564と電気的に接続されており、他方の端部の各々は、図27に示されるように、電流を流す第二の駆動用配線562を選択するための選択回路568を介して、外部装置との電気的接続のための配線566と電気的に接続されている。選択回路568はスイッチング機能を有しており、例えばCMOS回路等のデジタル回路で構成される。同様に、第一の駆動用配線552の一方の端部は共に、図28に示されるように、支持体512に設けられた配線554と電気的に接続されており、他方の端部は、図示されていないが、選択回路568と同様の選択回路を介して、外部装置との電気的接続のための配線と電気的に接続されている。
【0084】
第一の弾性部532を構成する弾性部材534は、図26に示されるように、メッシュ構造を有しており、第一の駆動用配線552の第一の弾性部532に位置する部分は、図28に示されるように、ジグザグに延びている。さらに、第一の駆動用配線552の第一の弾性部532の各々の一対の第一の弾性部材534に位置する部分は、第一の回転軸L1に対して線対称に位置している。
【0085】
同様に、第二の弾性部542を構成する弾性部材544もメッシュ構造を有しており、第二の駆動用配線562の第二の弾性部542に位置する部分はジグザグに延びている。さらに、第二の駆動用配線562の第二の弾性部542の各々の一対の第二の弾性部材544に位置する部分は、第二の回転軸L2に対して線対称に位置している。
【0086】
偏向ミラー素子510は、半導体製造技術を応用して、例えばシリコン基板をスタートウエハとして作製される。
【0087】
図28において、偏向ミラー素子510は、材料的には、互いに積層されたシリコン基板600と第一のポリイミド膜610と第一の金属膜620と第二のポリイミド膜630と第二の金属膜640と第三のポリイミド膜650とで構成されている。
【0088】
シリコン基板600は矩形の部分602とそれを取り囲む枠状の部分604とを有し、第一のポリイミド膜610は矩形の部分612とそれを取り囲む枠状の部分614とそれらを連絡するメッシュ状の部分616とを有し、第一の金属膜620は第一の駆動用配線552と配線554とを含み、第二のポリイミド膜630は矩形の部分632とそれを取り囲む枠状の部分634とを有し、第二の金属膜640は第二の駆動用配線562と配線564とを含み、第三のポリイミド膜650は矩形の部分652とそれを取り囲む枠状の部分654とそれらを連絡するメッシュ状の部分656とを有している。
【0089】
第一のポリイミド膜610のメッシュ状の部分616と第三のポリイミド膜650のメッシュ状の部分656は、第一の弾性部材534と第二の弾性部材544を構成している。
【0090】
配線554の反対側の第一の駆動用配線552の端部は、第一のポリイミド膜610の枠状の部分614に形成されたコンタクトホール618を介して、シリコン基板600の枠状の部分604に形成された選択回路と電気的に接続される。また、配線564の反対側の第二の駆動用配線562の端部は、第一のポリイミド膜610の枠状の部分614に形成されたコンタクトホール618と第二のポリイミド膜630の枠状の部分634に形成されたコンタクトホール638を介して、シリコン基板600の枠状の部分604に形成された選択回路と電気的に接続される。
【0091】
対向基板506は、図28に示されるように、格子状に配置された四つの電極574を有している。四つの電極574は第一の回転軸L1と第二の回転軸L2とに沿って並んでいる。すなわち、四つの電極574は第一の回転軸L1と第二の回転軸L2とによって分けられる四つの領域にそれぞれ位置している。これに対応して、可動板522は、図27に示されるように、対向基板506の四つの電極574に向き合う四つの電極572を有している。これらの電極572と電極574は、可動板522の二本の軸の周りの回転角すなわち方向を検出するために、可動板522の回転角に応じて変化する静電容量を検出するための四組の対向電極を構成している。
【0092】
対向基板506は更に四つの静電容量検出回路576を有し、それらは、図28に示されるように、静電容量検出のための電極574と、外部装置との電気的接続のための配線668とにそれぞれ電気的に接続されている。
【0093】
対向基板506は、例えば、シリコン基板662をスタートウエハとして半導体製造技術を適用して作製される。静電容量検出回路576はシリコン基板662にモノリシックに形成されている。電極574と配線668は酸化シリコン膜等の絶縁膜664によってシリコン基板662から絶縁されており、絶縁膜664に形成されたコンタクトホール666を介して静電容量検出回路576と電気的に接続されている。電極574と配線668は酸化シリコン膜等から成るパッシベーション膜670によって覆われている。
【0094】
本実施形態の光偏向器500においても、第一実施形態と同様に、第一の駆動用配線552と第二の駆動用配線562に適宜電流を流すことにより、可動板522を第一の回転軸L1と第二の回転軸L2の周りに所望の角度だけ回転させることができる。可動板522の回転角は、選択回路568を構成するCMOS回路等のデジタル回路によって、駆動電流を流す駆動用配線の本数を変えることによって制御される。これにより、可動板522の反射面524で反射される光ビームを所望の方向に方向付けることができる。
【0095】
その際、一方の駆動用配線に流れる電流は、それに対応する回転軸の周りに可動板を回転させる駆動力は生むが、他方の回転軸の周りに可動板を回転させる駆動力は生まないので、各々の回転軸に対応する回転動作間のクロストークが低減される。
【0096】
これに加えて、互いに対向している可動板522の電極572と対向基板506の電極574との間の静電容量をモニターすることにより、可動板522の方向あるいは回転角をリアルタイムに検出することができる。
【0097】
以下、図29を参照しながら、静電容量に基づく可動板522の一本の軸の周りの回転角の検出について説明する。以下に述べる一本の軸の周りの回転角の検出は、互いに直交する第一の回転軸L1と第二の回転軸L2に対して独立に適用できる。つまり、第一の回転軸L1と第二の回転軸L2の各々に対して、以下に述べる一本の軸の周りの回転角の検出を適用することにより、第一の回転軸L1と第二の回転軸L2の周りの可動板522の回転角、すなわち、可動板522の方向を検出できる。
【0098】
図29において、図29の紙面に垂直な回転軸の周りに可動板522が回転すると、回転軸に対して一方の側たとえば左側に位置する一組の対向電極の間隔すなわち電極572aと電極574aの間隔は小さくなり、回転軸に対して反対側すなわち右側に位置する一組の対向電極すなわち電極572bと電極574bの間隔は大きくなる。電極間の静電容量は電極の間隔に反比例するため、電極572aと電極574aの間の静電容量を容量検出回路576aで、電極572bと電極574bの間の静電容量を容量検出回路576bで検出し、両者を比較することによって、二組の対向電極の間隔の比、言い換えると可動板522の回転角をリアルタイムに検出することができる。
【0099】
このようにして検出された可動板522の回転角の情報を利用して、駆動電流の大きさをフィードバック制御することにより、つまり駆動電流を流す駆動用配線の本数をデジタル的に制御することにより、可動板522の回転角を高い精度で制御することができる。
【0100】
本実施形態の偏向ミラー素子510は、第一実施形態とほぼ同様の製造方法により作製される。以下、相違点について述べる。図8に相当する工程の後に、選択回路568を形成する。図10に相当する工程において、第一のポリイミド膜610を形成した後、図28に示されるコンタクトホール618を形成する。図11に相当する工程において、第二のポリイミド膜630を形成した後、図28に示されるコンタクトホール638を形成する。図13に相当する工程において、後に可動板522となる部分に電極572を形成した後、ポリイミド膜のエッチングマスクを形成する。その後、図15〜図17の工程と同様の工程を経ることにより、偏向ミラー素子510が完成する。
【0101】
このように形成される偏向ミラー素子510を有する偏向ミラー素子アレイ502は、電極574や容量検出回路576等が予め形成された対向基板506に、電極572と電極574を互いに向き合わせて、スペーサー508を介して接合される。このように作製された構造体が最後に永久磁石504と組み合わされて、光偏向器500が完成される。
【0102】
本実施形態も第一実施形態と同様に、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変形や変更が加えられてもよい。
【0103】
弾性部材534と544のメッシュ構造の要素構造は、矩形あるいは菱形であるが、これに限定されるものではなく、他の多角形あるいは円や楕円など、他の任意の形状であってもよい。メッシュ構造は、本実施形態では一種類の要素構造から成っているが、大きさや形状の異なる複数種類の要素構造の組み合わせで構成されてもよい。
【0104】
また、弾性部材534と544は、その全体がメッシュ構造で構成されているが、これに限定されるものではなく、メッシュ構造を部分的に有する構造であってもよい。つまり、弾性部材534と544は、図18と同様に、メッシュ構造の部分と板状の部分とで構成されてもよい。
【0105】
また、第二のポリイミド膜630の代わりに、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等、他の絶縁材料が使用されてもよい。
【0106】
また、ポリイミド膜610と630と650は、シリコーン樹脂やパリレン等、他の任意の絶縁性の弾性材料から成る膜に置き換えられてもよい。
【0107】
また、弾性部材534と544は、メッシュ構造を有している代わりに、図19と同様に、板状の弾性材料と、その内部に形成されたジグザグの配線とで構成されてもよい。
【0108】
また、弾性部材534と544は、図20と同様に、周期的に屈曲構造を有する弾性材料と、その内部を長手軸方向に関して直線的に延びる配線とで構成されてもよい。
【0109】
また、弾性部材534と544は、図21と同様に、メッシュ構造を有するひとつの弾性部材と、その内部に形成されたその両側の縁近くを通るジグザグの配線あるいは菱形が鎖状に連続する配線とで構成されてもよい。
【0110】
また、容量検出回路576は、本実施形態では対向基板506の内部に形成されているが、可動板522や支持体512の内部に形成されてもよい。この場合には、対向電極574が接地され、対向電極572が容量検出回路に接続される。
【0111】
【発明の効果】
本発明によれば、一方の駆動用配線に流れる電流は、それに対応する回転軸の周りに可動板を回転させる駆動力は発生させるが、他方の回転軸の周りに可動板を回転させる駆動力は発生させないので、各々の回転軸に対応する回転動作間のクロストークが低減された光偏向器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態による光偏向器を示している。
【図2】図1に示される偏向ミラー素子アレイに含まれるひとつの偏向ミラー素子を拡大して示している。
【図3】図2に示される偏向ミラー素子のA−B線に沿った断面を示している。
【図4】図2に示される偏向ミラー素子の分解斜視図である。
【図5】図2にVで示された部分の部分断面拡大図である。
【図6】図2に示される偏向ミラー素子の動きを説明するための図である。
【図7】図2に示される偏向ミラー素子の製造における最初の工程を示す斜視図である。
【図8】図2に示される偏向ミラー素子の製造における図7の工程に続く工程を示す斜視図である。
【図9】図8のC−D線に沿った断面を示している。
【図10】図2に示される偏向ミラー素子の製造における図8と図9の工程に続く工程を示す斜視図である。
【図11】図2に示される偏向ミラー素子の製造における図10の工程に続く工程を示す斜視図である。
【図12】図2に示される偏向ミラー素子の製造における図11の工程に続く工程を示す斜視図である。
【図13】図2に示される偏向ミラー素子の製造における図12の工程に続く工程を示す斜視図である。
【図14】図13のE−F線に沿った断面を示している。
【図15】図2に示される偏向ミラー素子の製造における図13と図14の工程に続く工程を示す、図13のE−F線に沿った断面図である。
【図16】図2に示される偏向ミラー素子の製造における図15の工程に続く工程を示す、図13のE−F線に沿った断面図である。
【図17】図2に示される偏向ミラー素子の製造における図16の工程に続く工程を示す、図13のE−F線に沿った断面図である。
【図18】図2に示される弾性部の構成要素である弾性部材の変形例を示している。
【図19】図2に示される弾性部の構成要素である弾性部材の別の変形例を示している。
【図20】図2に示される弾性部の構成要素である弾性部材の別の変形例を示している。
【図21】図2に示される一対の弾性部材から成る弾性部の変形例を示している。
【図22】図1に示される偏向ミラー素子アレイの実装方法を説明するための図である。
【図23】図1に示される偏向ミラー素子アレイの別の実装方法を説明するための図である。
【図24】図23に示される偏向ミラー素子アレイがBGA(Ball Grid Array)パッケージに実装された様子を示している。
【図25】本発明の第二実施形態による光偏向器を示している。
【図26】図25に示される偏向ミラー素子アレイに含まれるひとつの偏向ミラー素子を拡大して示している。
【図27】図26に示される偏向ミラー素子のG−H線に沿った断面を示している。
【図28】図26に示される偏向ミラー素子の分解斜視図である。
【図29】静電容量に基づく可動板の一本の軸の周りの回転角の検出について説明するための図である。
【図30】光偏向器の従来例で用いられているジンバル構造の偏向ミラー素子を示している。
【図31】図30に示されるジンバル構造の偏向ミラー素子を有する光偏向器において発生するクロストークを説明するための図である。
【符号の説明】
100 光偏向器
102 偏向ミラー素子アレイ
104 永久磁石
110 偏向ミラー素子
112 支持体
122 可動板
124 反射面
132 第一の弾性部
134 弾性部材
142 第二の弾性部
144 弾性部材
152 第一の駆動用配線
162 第二の駆動用配線

Claims (7)

  1. 光ビームを反射すると共に反射された光ビームの方向を変更し得る光偏向器であり、
    支持体と、
    光を反射するための反射面を有する可動板と、
    可動板を支持体に対して第一の回転軸の周りに回転可能に支持するための一対の第一の弾性部であり、一対の第一の弾性部は第一の回転軸に沿って可動板を間に挟んで可動板の両側に位置し、その各々は第一の回転軸に沿って延びている一対の弾性部材から構成され、可動板と支持体を連絡している弾性変形し得る一対の第一の弾性部と、
    可動板を支持体に対して第一の回転軸に直交する第二の回転軸の周りに回転可能に支持するための一対の第二の弾性部であり、一対の第二の弾性部は第二の回転軸に沿って可動板を間に挟んで可動板の両側に位置し、その各々は第二の回転軸に沿って延びている一対の弾性部材から構成され、可動板と支持体を連絡している弾性変形し得る一対の第二の弾性部と、
    支持体と第一の弾性部と可動板を通っている第一の駆動用配線であり、可動板に位置する部分は第一の回転軸に平行に延びている第一の駆動用配線と、
    支持体と第二の弾性部と可動板を通っている第二の駆動用配線であり、可動板に位置する部分は第二の回転軸に平行に延びている第二の駆動用配線と、
    可動板が位置し得る空間に磁場を形成するための磁場発生手段とを備えている、光偏向器。
  2. 磁場発生手段は、第一の回転軸と第二の回転軸に対して45°の方向の磁場を発生させる、請求項1に記載の光偏向器。
  3. 第一の駆動用配線の可動板に位置する部分は第一の回転軸に対して線対称に位置しており、第二の駆動用配線の可動板に位置する部分は第二の回転軸に対して線対称に位置している、請求項1または請求項2に記載の光偏向器。
  4. 光偏向器は更に、前述の第一の駆動用配線を複数本備え、前述の第二の駆動用配線を複数本備え、電流を流す駆動用配線を選択するための選択回路とを備えている、請求項1〜請求項3のいずれかひとつに記載の光偏向器。
  5. 弾性部は少なくとも部分的にメッシュ構造を有している、請求項1〜請求項4のいずれかひとつに記載の光偏向器。
  6. 第一の駆動用配線の弾性部に位置する部分はジグザグに延びると共に第一の回転軸に対して線対称に位置しており、第二の駆動用配線の弾性部に位置する部分はジグザグに延びると共に第二の回転軸に対して線対称に位置している、請求項1〜請求項5のいずれかひとつに記載の光偏向器。
  7. 支持体と、
    可動板と、
    可動板を支持体に対して第一の方向において支持する一対の第一の弾性部であり、一対の第一の弾性部は第一の方向において可動板を間に挟んで可動板の両側に位置し、その各々は第一の方向に延びている一対の弾性部材から構成され、可動板と支持体を連絡している弾性変形し得る一対の第一の弾性部と、
    可動板を支持体に対して第一の方向に直交する第二の方向において支持する一対の第二の弾性部であり、一対の第二の弾性部は第二の方向において可動板を間に挟んで可動板の両側に位置し、その各々は第二の方向に延びている一対の弾性部材から構成され、可動板と支持体を連絡している弾性変形し得る一対の第二の弾性部と、
    支持体と第一の弾性部と可動板を通っている第一の駆動用配線であり、可動板に位置する部分は第一の方向に平行に延びている第一の駆動用配線と、
    支持体と第二の弾性部と可動板を通っている第二の駆動用配線であり、可動板に位置する部分は第二の方向に平行に延びている第二の駆動用配線と、
    可動板が位置し得る空間に磁場を形成するための磁場発生手段とを備えている、電磁型アクチュエータ。
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