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JP3804878B2 - 偏波共用アンテナ - Google Patents

偏波共用アンテナ Download PDF

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JP3804878B2
JP3804878B2 JP05069297A JP5069297A JP3804878B2 JP 3804878 B2 JP3804878 B2 JP 3804878B2 JP 05069297 A JP05069297 A JP 05069297A JP 5069297 A JP5069297 A JP 5069297A JP 3804878 B2 JP3804878 B2 JP 3804878B2
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徹 松岡
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏波共用アンテナに係わり、特に、平面形状で偏波ダイバーシチアンテナが要求される移動通信用基地局アンテナ、あるいは、通信衛星(CS)からの直交する直線二偏波を受信する通信衛星用地球局アンテナに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
図14は、従来のマイクロストリップアンテナの一例の概略構成を示す図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)に示すD−D’切断線における断面図である。
【0003】
同図において、21は円形マイクロストリップ素子、22は誘電体基板、23は接地導体、24a,24bは励振導体、25a,25bは同軸接栓である。
【0004】
円形マイクロストリップ素子21は、図14に示すように、高周波特性の良好な誘電体基板22で保持させるか、あるいは、電界の最小となる円形の中心において保持具(スペーサ)により保持させることにより、接地導体23と適宜間隔を置いて平行に保たれる。
【0005】
この円形マイクロストリップ素子21の共振周波数(f)は、良く知られているように、下記(1)式で表される。
【0006】
【数1】
Figure 0003804878
【0007】
ここで、Dは円形マイクロストリップ素子21の直径、εrは誘電体基板22の比誘電率である。
【0008】
同軸接栓(25a,25b)の中心導体(芯線)と円形マイクロストリップ素子21とを、励振導体(25a,25b)を介して接続し、円形マイクロストリップ素子21に励振電力を給電することにより、この円形マイクロストリップ素子21はアンテナとして機能させることができる。
【0009】
この場合に、図14に示すように、同軸接栓(25a,25b)の中心導体、あるいは、励振導体(24a,24b)が、接地導体23に接触することがないように、同軸接栓(25a,25b)の中心導体部分の接地導体は部分的に取り除かれている。また、同軸接栓(25a,25b)の外部導体と接地導体23とは高周波的に接続されている。
【0010】
励振導体(24a,24b)と円形マイクロストリップ素子21との接続位置は同軸接栓(25a,25b)との整合を考慮して決定される。具体的には、円形マイクロストリップ素子21の中心に近づけるほど円形マイクロストリップ素子21の入力インピーダンスは低くなり、円形マイクロストリップ21の端部に近づけるほど円形マイクロストリップ素子21の入力インピーダンスは高くなる。これにより、円形マイクロストリップ素子21の入力インピーダンスを、任意に調整することが可能となる。
【0011】
また、図14に示すように、円形マイクロストリップ21の中心を通り直交した二直線上にそれぞれ励振導体24a、励振導体24bを設けることにより、モードが直交し、互いにほぼ独立することから、偏波共用を図ることが可能となる。
【0012】
このように、従来のマイクロストリップアンテナは、図14に示す円形または正方形の形状を採用することにより偏波共用が可能であるとともに、小型軽量で、薄型にできる等の利点を有している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図15は、図14に示すアンテナの指向性特性を示すグラフであり、同図(a)は磁界面内指向性、同図(b)は電界面内指向性を示している。
【0014】
なお、同図において、実線は同一偏波成分の指向性を示し、破線は交差偏波成分の指向性を示している。また、同図(a),(b)においては、円形マイクロストリップ素子21が作る面に対して直交方向の素子前面を基準の角度0°として計測し、その角度を横軸に、指向性減衰量(dB)を縦軸としている。
【0015】
図15から分かるように、放射最大方向における交差偏波成分は少ないものの、一旦角度が変化し始めると、交差偏波成分は増大してしまう。
【0016】
一方、偏波ダイバーシチアンテナが要求される移動通信用基地局アンテナ、あるいは、通信衛星(CS)からの直交する直線二偏波を受信する通信衛星用地球局アンテナとしては、広帯域の周波数特性が要求される。しかしながら、前記図14に示すマイクロストリップアンテナの周波数特性は、一般に狭帯域である。
【0017】
そのため、偏波ダイバーシチアンテナが要求される移動通信用基地局アンテナ、あるいは、通信衛星(CS)からの直交する直線二偏波を受信する通信衛星用地球局アンテナとして、マイクロストリップアンテナを使用する場合には、マイクロストリップアンテナの周波数特性を広帯域に変更する必要がある。
【0018】
このマイクロストリップアンテナの周波数特性を広帯域に変更するには、円形マイクロストリップ素子21と接地導体23との間隔を広めに設定すればよいが、この方法では、基本モード以外の高次モードも励振することになるため、交差偏波識別度を、さらに劣化させる要因となっていた。
【0019】
したがって、従来のマイクロストリップアンテナを、広角なサービスエリアでの偏波ダイバーシチブランチとして適用する場合には、指向性減衰量の増大による通信品質の劣化と相まって、ダイバーシチ利得の低下が懸念され、急激な通信品質の劣化につながる恐れがあった。
【0020】
なお、交差偏波識別度を向上させるには、円形マイクロストリップ素子21の中心を通る直線上で、中心に対して対称となる二点に「等振幅・逆相位相」の給電を行えばよいが、この方法では、給電回路が複雑な構成となるため、高価とならざるを得ず、また、薄型化を図ることが困難であるという問題点があった。
【0021】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、偏波共用アンテナにおいて、小型軽量、薄型化を図りながら、広角に渡って交差偏波成分を少なくすることが可能となる技術を提供することにある。
【0022】
本発明の他の目的は、偏波共用アンテナにおいて、小型軽量、薄型化を図りながら、広帯域の周波数特性を実現することが可能となる技術を提供することにある。
【0023】
本発明の前記目的並びにその他の目的及び新規な特徴は、本明細書の記載及び添付図面によって明らかにする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0026】
互いに対向する側の一端が第1の給電点対を構成し、ほぼ一直線状に設けられる第1および第2の線状導電体と、互いに対向する側の一端が第2の給電点対を構成し、前記第1の給電点対の間で前記第1の給電点対を結ぶ直線とほぼ直交する直線上に、前記第1の給電点対を結ぶ直線を挟んでほぼ一直線状に設けられる第3および第4の線状導電体と、前記各給電点対を取り囲むように設けられるn(n≧2)個のループ線状導電体と、i(i=2,・・n)番目のループ線状導電体と(i−1)番目のループ線状導電体との間に設けられる8×(i−1)個の短絡線状導電体と、前記各線状導電体、前記各ループ線状導電体および前記各短絡線状導電体と所定間隔を置いて設けられる接地導体とを具備する偏波共用アンテナであって、前記各線状導電体のそれぞれの他端を、前記n番目のループ線状導電体に接続するとともに、前記各線状導電体、前記各ループ線状導電体および前記各短絡線状導電体で分割される各領域の周囲長を、所定波長に設定する。
【0027】
前記偏波共用アンテナは、所定の厚みを有する誘電体基板を、さらに具備し、前記各線状導電体、前記各短絡線状導電体および前記各ループ線状導電体は、前記誘電体基板の表面に設けられ、前記接地導体は、前記誘電体基板の裏面に設けられる。
【0028】
前記偏波共用アンテナは、平衡−不平衡変換回路を、さらに具備し、前記第1の給電点対、あるいは、前記第2の給電点対の少なくも一方の給電点対に、前記平衡−不平衡変換回路を介して励振電力が給電される。
【0029】
前記偏波共用アンテナには、無給電素子が前置される。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0032】
[発明の実施の形態1]
図1は、本発明の一発明の実施の形態である偏波共用アンテナの概略構成を示す図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)のA−A’切断線における断面図である。
【0033】
同図において、1a,1b,1c,1dは、第1ないし第4の線状導電体、1eは、ループ状の線状導電体、2は誘電体基板、3は接地導体、4a,4b,4c,4dは励振導体、5a,5bは同軸接栓である。
【0034】
本実施の形態では、互いに直交する仮想直線上にある第1ないし第4の線状導電体(1a〜1d)と、この線状導電体(1a〜1d)の外側に設けられたループ状の線状導電体1eとで、メッシュ形素子1が構成される。
【0035】
ここで、第1の線状導電体(1a)と第2の線状導電体(1b)との互いに対向する側の一端は、第1の給電点対を構成し、同様に、第3の線状導電体(1c)と第4の線状導電体(1d)との互いに対向する側の一端は、第2の給電点対を構成する。また、ループ状の線状導電体(1e)には、前記各線状導電体(1a〜1d)のそれぞれの他端が接続される。
【0036】
このメッシュ形素子1は、図1に示すように、接地導体3と適宜間隔を置いて平行に保たれるように、高周波特性の良好な誘電体基板2で保持させるか、あるいは、波長に比べて極薄い誘電体基板上に配置させたメッシュ形素子1を、前記誘電体基板2から所定距離離れた適宜な位置に、保持具等を用いて支持するようにしてもよい。
【0037】
なお、各線状導電体(1a〜1e)は、例えば、銅線等の導線、あるいは、プリント配線手法または蒸着等により誘電体基板2の表面に設けられた銅箔等により構成される。
【0038】
本実施の形態のメッシュ形素子1は、同軸接栓(5a,5b)の中心導体および外部導体と、第1ないし第4の線状導電体(1a〜1d)のそれぞれ互いに対向する側の一端とを、励振導体(4a〜4d)を介して接続し、励振電力を給電することにより、アンテナとして機能させることができる。
【0039】
この場合に、接地導体3の背面に設けられた同軸接栓(5a,5b)の中心導体、あるいは、励振導体(4b,4d)が接地導体3と接触しないように、接地導体3における同軸接栓(5a,5b)の中心導体部分の接地導体は部分的に取り除かれている。また、同軸接栓(5a,5b)の外部導体と接地導体3とは高周波的に接続されている。
【0040】
具体的な給電としては、第1の線状導電体(1a)と第2の線状導電体(1b)との互いに対向する側の一端を、1つの偏波用の端子として用い、例えば、第2の線状導電体(1b)の一端に、同軸接栓(5a)の中心導体と接続される励振導体(4b)を接続した場合には、第1の線状導電体(1a)の一端に接続される励振導体(4a)を接地導体3に直接電気的に接続させることにより平衡給電に相似な形式とすることができる。
【0041】
また、同様に、前記した偏波とは直交する偏波を励振させるために、第4の線状導電体(1d)の一端に、同軸接栓(5b)の中心導体と接続される励振導体(4d)を接続した場合には、第3の線状導電体(1c)の一端に接続される励振導体(4a)を接地導体3に直接電気的に接続させることにより平衡給電に相似な形式とすることができる。
【0042】
なお、前記給電方法は一例を示したものであり、第1の線状導電体(1a)の一端と第2の線状導電体(1b)の一端、第3の線状導電体(1c)の一端と第4の線状導電体(1d)の一端とを入れ替えてもよく、また、各偏波間は独立しているため、使用しない偏波側の線状導電体(1aと1b、あるいは、1cと1d)は開放のままでもよいし、励振導体(4aと4b、あるいは、4cと4d)等を用いて接地導体3に接続するようにしてもよい。
【0043】
図2は、図1に示す偏波共用アンテナの指向性を示すグラフであり、同図(a)は磁界面内指向性を、同図(b)は電界面内指向性を示している。
【0044】
なお、図2においては、各線状導電体(1a〜1d)およびループ線状導電体(1e)として導線を使用し、図3(a)に示すように、メッシュ状素子1のループ状の線状導電体(1e)の一辺の長さ(S1)が0.318λo(λoは設計中心周波数における自由空間波長)、各線状導電体(1a〜1d)およびループ線状導電体(1e)の導体半径(ρ)が0.002λo、誘電体基板2の比誘電率(εr)がおおよそ1、誘電体基板2の厚さが0.0635λoであり、また、メッシュ状素子1に対して、第1の給電点対(第1の線状導電体(1a)と第2の線状導電体(1b)との互いに対向する側の一端)から平衡給電した場合の指向性を示している。
【0045】
さらに、図2(a),(b)においては、その角度(θ)は、図3(b)に示すように、メッシュ状素子1が作る面に対して直交方向(z)の素子前面を基準の角度0°として計測し、横軸に指向性減衰量(dB)を示している。さらに、磁界面内指向性は、図3(a)に示すy−z平面の指向性減衰量(dB)を、電界面内指向性は、図3(b)に示すをx−z平面の指向性減衰量(dB)を示している。
【0046】
図2から分かるように、指向性の半値幅は、磁界面において約75°、電界面で約60°となっている。いずれの場合においても、交差偏波の成分は−30dB以下に抑制されているため、図2には図示されていない。このように、本実施の形態の偏波共用アンテナでは、広角に渡り良好な交差偏波特性を得ることができる。
【0047】
図4は、図2と同じ条件下での、図1に示す偏波共用アンテナにおける50Ωに対するVSWR(定在波比)の周波数特性を示すグラフである。図4に示すように、本実施の形態の偏波共用アンテナは、従来のマイクロストリップアンテナにおいて、同じ誘電体基板2を用いて整合させた場合の特性と、ほぼ等価な特性を有している。
【0048】
しかしながら、本実施の形態の偏波共用アンテナでは、従来のマイクロストリップアンテナとは異なり、誘電体基板2の種類と厚さ、および、線状導電体(1a〜1e)の導体半径(ρ)を適宜調整することにより、アンテナの入力インピーダンスを変化させることが可能であるため、特別な整合回路を挿入することなく、アンテナの入力インピーダンスを整合させることが可能となる。
【0049】
また、本実施の形態の偏波共用アンテナにおいても、従来のマイクロストリップアンテナと同様、周波数帯域幅を拡大させるためには、誘電体基板2の比誘電率(εr)を下げ、その厚み(H)を増大させればよい。
【0050】
図5は、図2と同じ条件下での、図1に示す偏波共用アンテナにおける利得の周波数特性を示すグラフである。図5から分かるように、本実施の形態の偏波共用アンテナは、従来のマイクロストリップアンテナと同程度の特性を示す。
【0051】
なお、本実施の形態において、ループ状の線状導電体(1e)の形状は、図1に示す正方形に限定されるものではなく、例えば、図6に示すような円形であってもよい。
【0052】
また、メッシュ状素子1と短絡導体3とは、適当な保持具より空間的に所定距離間隔を置いて設けるようにしてもよい。
【0053】
[発明の実施の形態2]
図7は、本発明の他の実施の形態である偏波共用アンテナの概略構成を示す図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)のB−B’切断線における断面図である。
【0054】
同図に示すように、本実施の形態の偏波共用アンテナは、前記実施の形態1の偏波共用アンテナのループ線状導電体(1e)のさらに外側に第2のループ線状導電体(1f)を設け、また、第1ないし第4の線状導電体(1a〜1d)のそれぞれの他端を延長して前記第2のループ線状導電体(1f)に接続するとともに、前記ループ線状導電体(1e)と第2のループ線状電導体(1f)との間を短絡する8個の短絡線状導電体(1g)を設けたものである。
【0055】
したがって、本実施の形態では、前記各線状導電体(1a〜1d)、前記各ループ線状導電体(1e,1f)および各短絡線状導電体(1g)により、前記ループ線状導電体(1f)に囲まれる領域が、4×4の小領域に分割される格子状(または碁盤の目状)のメッシュ状素子11が得られる。
【0056】
図8は、本実施の形態の偏波共用アンテナの指向性を表すグラフであり、同図(a)は磁界面内指向性を、同図(b)は電界面内指向性を示している。
【0057】
なお、図8においては、図9に示すように、格子状のメッシュ状素子11の核となる小さい閉じた正方形の周囲長が約1λo(図9に示すS2が0.25λ)、各線状導電体(1a〜1d)、各ループ線状導電体(1e,1f)および各短絡線状導電体(1g)の導体半径(ρ)が0.00316λo、誘電体基板2の比誘電率(εr)がおおよそ1、誘電体基板2の厚さが0.1λoである場合の指向性を示している。
【0058】
また、同図(a),(b)においては、その角度(θ)および指向性減衰量(dB)の定義は、図3(b)と同じである。
【0059】
図8から分かるように、本実施の形態の偏波共用アンテナでは、指向性の半値幅は、磁界面内において約40°、電界面内において約25°となっており、前記実施の形態の偏波共用アンテナと比べて、狭ビームとなっていることが分かる。
【0060】
いずれにしても、交差偏波の成分は−30dB以下に抑制されており、図8には図示されておらず、広角に渡り良好な交差偏波特性を得ることができる。
【0061】
図10は、図8に示す条件下での、図7に示す偏波共用アンテナにおける84Ωに対するVSWRの周波数特性を示すグラフである。図10のグラフから分かるように、本実施の形態の偏波共用アンテナでは、前記実施の形態の偏波共用アンテナより、帯域幅は若干狭くなっている。
【0062】
図11は、図8に示す条件下での、図7に示す偏波共用アンテナにおける利得の周波数特性を示すグラフである。図11のグラフから分かるように、本実施の形態の偏波共用アンテナは、前記実施の形態の偏波共用アンテナに比べて、利得が約3dB増大していることが分かる。
【0063】
従来のマイクロストリップアンテナにおいて、利得を増大させる場合には、複数のマイクロストリップ素子を適宜配列する必要があり、給電回路が複雑になるという欠点があるが、本実施の形態の偏波共用アンテナでは、格子状のメッシュ素子11を用いることにより、簡単な構成で、しかも物理的に見て薄型の形状を維持したまま、利得を増大させることが可能となる。
【0064】
[発明の実施の形態3]
図12は、本発明の他の実施の形態である偏波共用アンテナの概略構成を示す図であり、同図(a)は正面図、同図(b)は同図(a)のC−C’切断線における断面図である。
【0065】
本実施の形態の偏波共用アンテナは、前記実施の形態1の偏波共用アンテナに無給電素子6を前置したものである。この無給電素子6は、図12に示すように、第1の線状導電体(6a)、第2の線状導電体(6b)およびループ状の線状導電体(6c)とからなり、メッシュ状素子1と相似なメッシュ形状で構成されている。
【0066】
なお、この無給電素子6は、前記誘電体基板2から所定距離離れた適宜な位置に、保持具等を用いて支持される。
【0067】
本実施の形態においては、無給電素子6を用いることにより、複同調回路と等価となるので、周波数帯域幅を変化させることが可能であり、広帯域に渡ってVSWRを安定に保つことが可能である他、導波器や反射器として機能させることも可能なことから、指向特性を変化させることが可能となる。
【0068】
なお、無給電素子6は、必ずしも、メッシュ状素子1と相似なメッシュ形状である必要はなく、用途によっては、板状の導電体、あるいは、孔の空いた導電体で、大きさを調整したものであってもよい。
【0069】
図13は、前記各実施の形態における給電回路の他の例の概略構成を示す断面図である。
【0070】
図13に示す給電回路は、分岐導体による平衡−不平衡変換器を用いたものである。同図において、7は同軸線路、9は分岐導体、10は短絡板、7a、9aは中心導体(芯線)で、中心導体7aと中心導体9aとは、折曲部分8により一体化されている。なお、この分岐導体による平衡−不平衡変換器はよく知られている平衡−不平衡変換器路である。
【0071】
図13に示すような分岐導体による平衡−不平衡変換器を用いると、入力インピーダンスの調整範囲が広いため、整合が容易となり、また、周波数に対して依存することなく、平衡−不平衡変換を行うことができる。
【0072】
なお、平衡−不平衡変換器としては、図13に示す分岐導体による平衡−不平衡変換器の他に、例えば、同軸分割形、あるいは、コイルを用いたもの等、他の平衡−不平衡変換器を用いてもよいことは周知の通りである。
【0073】
以上、本発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更し得ることは言うまでもない。
【0074】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0075】
(1)本発明によれば、小型軽量、薄型化を図り、かつ、広角に渡って交差偏波成分の少ない偏波共用アンテナを得ることが可能となる。したがって、広角なサービスエリアでの偏波ダイバーシチブランチ等に用いることが可能である。
【0076】
(2)本発明によれば、特別な整合手段を挿入することなく、同軸給電線と入力インピーダンスを整合させることができるので、構成を単純化させることができ、コストを低減させることが可能となる。
【0077】
(3)本発明によれば、無給電素子を前置させることにより、VSWRの広帯域化と指向性の調整とが可能となるので、多様な無線ゾーンの設計に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一発明の実施の形態である偏波共用アンテナの概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す偏波共用アンテナの指向性を示すグラフである。
【図3】図2に示す指向性の測定面を説明するための図である。
【図4】図2と同じ条件下での、図1に示す偏波共用アンテナにおける50Ωに対するVSWR(定在波比)の周波数特性を示すグラフである。
【図5】図2と同じ条件下での、図1に示す偏波共用アンテナにおける利得の周波数特性を示すグラフである。
【図6】本実施の形態1の偏波共用アンテナの変形例を示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態である偏波共用アンテナの概略構成を示す図である。
【図8】本実施の形態2の偏波共用アンテナの指向性を表すグラフである。
【図9】図8に示すグラフの測定方法を説明するための図である。
【図10】図8に示す条件下での、図7に示す偏波共用アンテナにおける84Ωに対するVSWRの周波数特性を示すグラフである。
【図11】図8に示す条件下での、図7に示す偏波共用アンテナにおける利得の周波数特性を示すグラフである。
【図12】本発明の他の実施の形態である偏波共用アンテナの概略構成を示す図である。
【図13】前記各実施の形態における給電回路の他の例の概略構成を示す断面図である。
【図14】従来のマイクロストリップアンテナの一例の概略構成を示す図である。
【図15】図14に示すアンテナの指向性特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1,11…メッシュ状素子、1a,1b,1c,1d,1g,6a,6b…線状導電体、1e,1f,6c…ループ状の線状導電体、2,22…誘電体基板、3,23…接地導体、4a,4b,4c,4d,24a,24b…励振導体、5a,5b,25a,25b…同軸接栓,7…同軸線路、9…分岐線路、21…円形マイクロストリップ素子。

Claims (4)

  1. 互いに対向する側の一端が第1の給電点対を構成し、ほぼ一直線状に設けられる第1および第2の線状導電体と、
    互いに対向する側の一端が第2の給電点対を構成し、前記第1の給電点対の間で前記第1の給電点対を結ぶ直線とほぼ直交する直線上に、前記第1の給電点対を結ぶ直線を挟んでほぼ一直線状に設けられる第3および第4の線状導電体と、
    前記各給電点対を取り囲むように設けられるn(n≧2)個のループ線状導電体と、
    i(i=2,・・n)番目のループ線状導電体と(i−1)番目のループ線状導電体との間に設けられる8×(i−1)個の短絡線状導電体と、
    前記各線状導電体、前記各ループ線状導電体および前記各短絡線状導電体と所定間隔を置いて設けられる接地導体とを具備する偏波共用アンテナであって、
    前記各線状導電体のそれぞれの他端を、前記n番目のループ線状導電体に接続するとともに、前記各線状導電体、前記各ループ線状導電体および前記各短絡線状導電体で分割される各領域の周囲長を、所定波長に設定したことを特徴とする偏波共用アンテナ。
  2. 所定の厚みを有する誘電体基板を、さらに具備し、前記各線状導電体、前記各短絡線状導電体および前記各ループ線状導電体は、前記誘電体基板の表面に設けられ、前記接地導体は、前記誘電体基板の裏面に設けられることを特徴とする請求項に記載された偏波共用アンテナ。
  3. 平衡−不平衡変換回路を、さらに具備し、前記第1の給電点対、あるいは、前記第2の給電点対の少なくも一方の給電点対に、前記平衡−不平衡変換回路を介して励振電力が給電されることを特徴とする請求項1または請求項に記載された偏波共用アンテナ。
  4. 無給電素子が前置されることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載された偏波共用アンテナ。
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