JP3885527B2 - 倉庫設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動倉庫などの物品保管設備を複数備えた倉庫設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記物品保管設備の一例を図10の概略斜視図に基づいて説明する。
図10に示すように、物品保管設備FSには、物品出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置した2基の収納棚Aと、それらの収納棚Aどうしの間に形成した作業通路Bを自動走行するスタッカークレーン(物品搬送手段の一例)Cとが設けられ、各収納棚Aには物品(ケースやコンテナなど)Fを収納する複数の物品収納部Dが上下多段かつスタッカークレーンCの走行方向(以下、前後方向と称す)に並設されている。
【0003】
前記作業通路Bには、収納棚Aの長手方向に沿って走行レール1が設置され、作業通路Bの一端側に設置した物品搬出入部Eには、入出庫指令をスタッカークレーンCに入力する設定器E1と、走行レール1を挟んでスタッカークレーンCの走行方向とは直角な方向(以下、左右方向と称す)に一対の固定の物品載置台(物品受け手段および物品の搬入出口の一例)E2とが設けられ、スタッカークレーンCは、後述する入出庫指令に基づいて走行レール1に沿って走行して、前記物品載置台E2と物品収納部Dとの間、または物品収納部D同士の間でのパレットPに載せた物品Fの出し入れを行う入出庫用の搬送車として構成されている。
【0004】
前記スタッカークレーンCは、走行レール1に沿って走行する走行車体2に、昇降台(昇降体)3と、その昇降台3を昇降操作自在に案内支持する前後一対の昇降マスト(走行車体に垂設された柱体)4とを設けて構成され、昇降台3には物品移載用のフォーク装置(物品の受け渡し手段)5が設けられている。
【0005】
また物品保管設備FSの天井部には、走行レール1に沿ってガイドレール6が敷設され、上記一対の昇降マスト4の上端部には、これら上端部を連結するとともに、前記ガイドレール6を左右から挟み込んで、スタッカークレーンCの走行に伴ってスタッカークレーンCの上部位置を規制する上部フレーム7が設けられている。
【0006】
また走行車体2上には、物品搬出入部E側の昇降マスト4の外方位置に、コンピュータなどからなるクレーン制御装置CCが設けられており、このクレーン制御装置CC上には、物品搬出入部Eの設定器E1とのデータの送受信を行う第1光送受信器11が設けられている。また物品搬出入部Eには、この第1光送受信器11に対向して第2光送受信器12が設けられ、設定器E1に接続されている。上記クレーン制御装置CCは、設定器E1から光送受信器12,11を介して入出庫指令(入出庫の作業データ)を受けて、昇降台3を指定された昇降位置に昇降させ、走行車体2を指定された走行位置に移動させ、フォーク装置5を駆動して物品Fを移載させることにより、物品Fの搬送並びに各物品収納部Dなどとの間の物品Fの移載を行っている。
【0007】
上記物品保管設備FSを複数備えた倉庫設備では、図11に示すように、各物品保管設備FSの上記設定器E1が、倉庫設備全体の物品Fの出し入れ(入出庫)を協調して実行する上位の地上コントローラGに接続されている。また各物品保管設備FSは、2つの運転モード、すなわち地上コントローラGからの搬送指令データに基づいて入出庫を行うオンライン運転モードと、設定器E1から入力された操作データに基づいて入出庫を行うリモート運転モードを選択できるようになっている。
【0008】
設定器E1は、図10に示すように、上記運転モードを選択するデータや物品Fの入出庫を行うデータを入力する操作パネル15と、オンライン運転モードが選択されているとき地上コントローラGより入力した物品Fの搬送指令データを光送受信器12,11を介して入出庫指令としてクレーン制御装置CCへ転送し、リモート運転モードが選択されているとき操作パネル15から入力された操作データに基づいて入出庫指令を形成し、光送受信器12,11を介してクレーン制御装置CCへ出力する、コンピュータからなるコントローラ16から構成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記倉庫設備では、同一構成の物品保管設備FSが設置されることが多く、各物品保管設備FSにおける設定器E1は同一なことが多い。また、各物品保管設備FSがオンライン運転モードで地上コントローラGにより協調して運転されるときには、設定器E1は単に、地上コントローラGより入力した物品Fの搬送指令データを転送する機能しか使用していない。
【0010】
そこで、本発明は、各物品保管設備より設定器E1を無くしてコストの低減を図るとともに、リモート運転モードが必要なときに各物品保管設備に必要な操作データを入力できる倉庫設備を提供することを目的としたものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、物品を収納する複数の物品収納部と、この物品収納部と所定の搬入出口との間で前記物品の搬送を行なう物品搬送手段を備えた物品保管設備を複数設けた倉庫設備であって、
各物品保管設備にそれぞれ、前記物品搬送手段へ前記物品の出し入れを行わせる設定情報を送信する通信手段を設け、前記各物品保管設備の通信手段にそれぞれ、前記設定情報の入力手段を設け、前記各入力手段を介して前記各通信手段へそれぞれ前記設定情報を入力可能で、かつ持ち運び自在な前記各物品保管設備共通の設定手段を設け、前記各物品保管設備の通信手段を介して、各物品保管設備の物品搬送手段を制御して搬入出口において物品の出し入れを行わせる制御手段を設け、前記各物品保管設備にそれぞれ、運転モードを自動モードか手動モードかに選択する運転モード選択キースイッチを設け、前記各通信手段は、少なくとも、前記運転モード選択キースイッチにより自動モードが選択されているときに前記制御手段からの設定情報を前記物品搬送手段へ送信する機能と、前記入力手段を介して前記設定手段が接続されたことを検知する機能と、前記設定手段が接続されたことを検知しているとき、前記運転モード選択キースイッチにより手動モードが選択されていると、前記設定手段から入力した設定情報を前記物品搬送手段へ送信する機能を有することを特徴とするものである。
【0012】
ここで、通信手段は、たとえば光伝送装置(光送受信器)により構成される。
上記構成によれば、各通信手段により、運転モード選択キースイッチにより自動モードが選択されているときに制御手段からの設定情報が物品搬送手段へ送信され、制御手段により各物品保管設備の物品搬送手段が協調して運転され、各物品保管設備における物品の出し入れが制御される。
また運転モード選択キースイッチにより手動モードが選択されているとき、設定手段が入力手段を介して通信手段に接続され、設定手段より通信手段へ設定情報が入力されると、この設定情報が物品搬送手段へ送信され、設定情報に基づいて物品の出し入れが行われる。よって、各物品保管設備において必要なときに、設定手段により必要な設定情報を入力することによって物品の出し入れを行うことができる。また設定手段は、各物品保管設備に共通して使用でき、コストを低減することが可能となる。
【0013】
また請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明であって、前記設定手段は、液晶表示画面を有し、前記入力手段および通信手段を介して、前記物品搬送手段の設定情報を変更する機能以外に、少なくとも、前記物品搬送手段内の状態データを要求し前記液晶表示画面に表示する機能と、前記物品搬送手段内の異常履歴データを要求し前記液晶表示画面に表示する機能を有し、前記各通信手段は、前記設定手段が接続されたことを検知しているとき、前記設定手段から要求された前記状態データまたは異常履歴データを前記物品搬送手段から求めて設定手段へ出力する機能を有することを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、設定手段が接続されているとき、設定手段から要求された状態データまたは履歴データは物品搬送手段から求められ、物品搬送手段内の状態データまたは異常履歴データが液晶表示画面に表示される。よって作業者はこれら状態データまたは異常履歴データを確認し把握することができる。
また請求項3に記載の発明は、上記請求項1または請求項2に記載の発明であって、通信手段として、光伝送装置を使用し、各光伝送装置に制御手段を接続し、各物品保管設備にそれぞれ、前記通信手段に接続され、前記物品搬送手段を停止する際に操作する非常停止押釦スイッチを設け、前記各通信手段は、前記非常停止押釦スイッチが操作されると、非常停止指令を形成し、前記物品搬送手段へ出力する機能を有することを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、光伝送装置に制御手段が接続され、制御手段の設定情報は光伝送装置を介して物品搬送手段へ送信される。制御手段により入力された設定情報に基づいて物品搬送手段により物品の出し入れが行われる。また非常停止押釦スイッチが操作されると、非常停止指令が物品搬送手段へ出力され、物品搬送手段の非常停止が行われる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、従来の図10と図11の構成と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0017】
図2は本発明の実施の形態における倉庫設備を構成する物品保管設備の概略斜視図であり、本発明の倉庫設備の物品保管設備FS’では、従来の設定器E1に代えて、操作ボックス31を設けている。
【0018】
この操作ボックス31には、図3に示すように、ハンディ設定器H(詳細は後述する)を接続する接続端子(入力手段の一例)32と、運転モード、すなわちオンライン運転モード(自動モード)かリモート運転モード(手動モード)かを選択する運転モード選択キースイッチ33と、スタッカークレーンCを非常停止させる際に操作する非常停止押釦スイッチ34が設けられている。この操作ボックス31の接続端子32と運転モード選択キースイッチ33と非常停止押釦スイッチ34は、従来の光送受信器12に相当する光送受信器(通信手段の一例)12’に接続されている。また上記運転モード選択キースイッチ33は、通常、自動モードに設定され、キーが抜かれた状態とされている。
【0019】
光送受信器12’は、図1に示すように、光送受信素子41と、地上コントローラG、接続端子32、運転モード選択キースイッチ33、非常停止押釦スイッチ34および光送受信素子41に接続されたコントローラ42から構成されている。
【0020】
この光送受信器12’と操作ボックス31は各物品保管設備FS’に設けられており、図1に示すように、本発明の倉庫設備では、各物品保管設備FS’の光送受信器12’が、上位の地上コントローラ(制御手段の一例)Gに接続されている。この地上コントローラGより各物品保管設備FS’へ搬送指令データが出力され、各物品保管設備FS’のスタッカークレーン(物品搬送手段の一例)Cが協調して運転され、各物品保管設備FS’における物品Fの出し入れが行われる(地上コントローラGから出力された設定情報に基づいて物品の出し入れが制御される)。また上記(1台)のハンディ設定器Hが各物品保管設備FS’に共通に使用される。
【0021】
上記光送受信器12’のコントローラ42は、以下の機能を備えている。
1.運転モード選択キースイッチ33によりオンライン運転モードが選択されているときに地上コントローラGからの搬送指令データを、光送受信素子41,光送受信器11を介して入出庫指令としてスタッカークレーンCのクレーン制御装置CCへ転送する機能。
【0022】
2.ハンディ設定器Hが接続端子32を介して接続されたことを検知する機能。
3.ハンディ設定器Hの接続を検知し、運転モード選択キースイッチ33によりリモート運転モードが選択されているとき、ハンディ設定器Hから入力した入出庫指令および設定データを、光送受信素子41,光送受信器11を介してスタッカークレーンCのクレーン制御装置CCへ出力する機能(詳細は後述する)。
【0023】
4.ハンディ設定器Hの接続を検知しているとき、ハンディ設定器Hから要求されたデータを、光送受信素子41,光送受信器11を介してスタッカークレーンCのクレーン制御装置CCから求めてハンディ設定器Hへ出力する機能(詳細は後述する)。
【0024】
5.非常停止押釦スイッチ34が操作されると、非常停止指令を形成し、光送受信素子41,光送受信器11を介してスタッカークレーンCのクレーン制御装置CCへ出力する機能。
【0025】
上記光送受信器12’に接続されるハンディ設定器Hについて詳細に説明する。
ハンディ設定器Hは、図4に示すように、設定器本体51の中央に液晶表示画面52が設けられ、この画面52の右に縦1列に7個のファンクションキー53が設けられ、画面52の左に縦1列に、シフト(SHIFT)キー54、マニュアル(MANUAL)キー55、メニュー(MENU)キー56、「+」キー57、「−」キー58、エンター(ENTER)キー59、クリア(CLR)キー60が設けられ、さらに設定器本体51の下部に設定器Hを上記操作ボックス31の接続端子32に接続する接続端子61付きの接続コード62が設けられ、また設定器本体51の左側面にハンドストラップ63が取付けられている。
【0026】
このハンディ設定器Hは下記の機能を有している。
1.「手動」画面、「メモリメンテナンス」画面、「DI/DO表示」画面、「異常履歴」画面を液晶表示画面52に表示させ、さらに上記メニューキー56の操作により、図5に示すように、「手動」画面、「メモリメンテナンス」画面、「DI/DO表示」画面、「異常履歴」画面の順に画面を切り換える機能。
【0027】
2.入出庫指令を形成し、クレーン制御装置CCへ指令する機能。
3.クレーン制御装置CCの設定値(メモリデータ)を変更する機能。
4.クレーン制御装置CC内の状態データを表示する機能。
【0028】
5.クレーン制御装置CC内の異常履歴データを表示する機能。
上記2.〜5.の機能をハンディ設定器Hの操作手順とともに詳細に説明する。なお、ハンディ設定器Hが、操作ボックスの接続端子32、接続端子61付きのコード62を介して光送受信器12’のコントローラ42に接続されているものとする。
[入出庫指令の形成・出力]
運転モード選択キースイッチ33によりリモート運転モードが選択されているときのみに可能である。
【0029】
まず、メニューキー56の操作により、液晶表示画面52に「手動」画面を表示させる。この「手動」画面は、作業モード(入庫モードまたは出庫モード)と入出庫作業を物品収納部Dの番号(棚番)、入出庫作業を行う物品載置台E2(左または右)を入力する画面であり、図6にその一例を示す。画面中、BANKは列方向イ(図2参照)の番号を示し、BAYは奥行方向ロ(図2参照)の番号を示し、LEVELは上下方向ハ(図2参照)の番号を示している。なお、ファンクションキー「F1」を、カーソルを左(上)に移動させ、ファンクションキー「F2」を、カーソルを右(下)に移動させるキーとして使用する。
【0030】
次に、作業モードの一方をファンクションキー「F1」または「F2」を操作して選択し、エンターキー59を操作して決定する。
続いてBANKの番号、BAYの番号、LEVELの番号を入力する。すなわちファンクションキー「F1」または「F2」を操作して、BANK、BAY、LEVELを選択し、「+」キー57を操作することで数値を増加させ、「−」キー58を操作することで数値を減少させ、目的の数値となるとエンターキー59を操作して決定する。
【0031】
続いて、物品載置台E2の一方をファンクションキー「F1」または「F2」を操作して選択し、エンターキー59を操作して決定する。
入出庫指令のデータの設定が終了すると、ファンクションキー「F1」と「F3」を同時に操作し、入出庫指令を出力する。
【0032】
これら操作により、ハンディ設定器Hにおいて設定された入出庫指令は光送受信器12’のコントローラ42へ出力され、続いてクレーン制御装置CCへ転送され、ハンディ設定器Hにおいて設定された入出庫指令により入出庫作業がスタッカークレーンCにより実行される。
[設定値の変更]
運転モード選択キースイッチ33によりリモート運転モードが選択されているときのみに可能である。
【0033】
まず、メニューキー56の操作により、液晶表示画面52に「メモリメンテナンス」画面を表示させる。この「メモリメンテナンス」画面は、スタッカークレーンCを動作させるときの設定値を変更する画面であり、図7にその一例を示す。図7はスタッカークレーンCの走行制御用の設定値を変更する画面であり、スタッカークレーンCの最高速度、初速、クリープ速度を設定することができる。他の設定値の画面は、マニュアルキー55を操作することにより切り換えることができる。なお、ファンクションキー「F1」を、カーソルを左(上)に移動させ、ファンクションキー「F2」を、カーソルを右(下)に移動させるキーとして使用する。
【0034】
次に、ファンクションキー「F1」または「F2」を操作して設定値を変更する項目を選択し、エンターキー59を操作して決定する。続いて「+」キー57を操作することで設定値を増加させ、「−」キー58を操作することで設定値を減少させ、目的の設定値となるとエンターキー59を操作して決定する。同じように他の設定値を変更する。
【0035】
変更が終了すると、ファンクションキー「F1」と「F3」を同時に操作し、書き込みを実行する。
これら操作により、変更された設定値は、光送受信器12’のコントローラ42へ出力され、続いてクレーン制御装置CCへ転送され、ハンディ設定器Hにより変更された設定値はクレーン制御装置CCに書き込まれる。
[状態データ表示]
まず、メニューキー56の操作により、液晶表示画面52に「DI/DO表示」を表示させる。この「DI/DO表示」画面は、スタッカークレーンCのディジタル入出力の状態を表示させる画面であり、図8にその一例を示す。なお、図8では、ディジタル入出力の状態を一覧で表示しているが、ディジタル入出力の名称を表示して詳細に表示することもできる。またファンクションキー「F1」を、カーソルを左(上)に移動させ、ファンクションキー「F2」を、カーソルを右(下)に移動させるキーとして使用する。
【0036】
次に、ファンクションキー「F1」または「F2」を操作して「DI(ディジタル入力)」「DO(ディジタル出力)」のいずれを表示させるかを選択し、エンターキー59を操作して決定する。
【0037】
これら操作により、選択された「DI」または「DO」の要求指令が形成され、光送受信器12’のコントローラ42へ出力され、続いてクレーン制御装置CCへ転送され、この要求指令に応じてクレーン制御装置CCから状態データがハンディ設定器Hへ返送され、画面52に表示される。図7には、「DI」のデータが、デバイスナンバーとこの信号状態がオン「1」−オフ「0」で表示されている。
[異常履歴データ表示]
まず、メニューキー56の操作により、液晶表示画面52に「異常履歴表示」を表示させる。この「異常履歴表示」画面は、スタッカークレーンCに発生したときの状態を表示させる画面であり、図9にその一例を示す。なお、ファンクションキー「F1」を、カーソルを左(上)に移動させ、ファンクションキー「F2」を、カーソルを右(下)に移動させるキーとして使用する。
【0038】
メニューキー56の操作により、「異常履歴表示」が選択されると、異常履歴の要求指令が形成され、光送受信器12’のコントローラ42へ出力され、続いてクレーン制御装置CCへ転送され、この要求指令に応じてクレーン制御装置CCから所定の数(たとえば、図9では5件)の最近の異常履歴データがハンディ設定器Hへ返送され、まず図9(a)示すように、異常内容と発生時刻が画面52に表示される。
【0039】
次にファンクションキー「F1」または「F2」を操作してどの履歴を表示させるかを選択し、エンターキー59を操作して決定する。この操作により、異常内容の詳細が図9(b)に示すように画面52に表示される。図9(b)では、異常発生時の作業モード、発生原因と見なされる、ディジタル入出力のデータが表示されている。
【0040】
上記構成による倉庫設備の作用を説明する。
各物品保管設備FS’が、操作ボックス31の運転モード選択キースイッチ33の選択によりオンライン運転モードとされているとき、地上コントローラGからの搬送指令データが各物品保管設備FS’の光送受信器12’へ出力され、光送受信器12’から光送受信器11を介してクレーン制御装置CCへ転送され、各物品保管設備FS’のスタッカークレーン(物品搬送手段の一例)Cが協調して運転され、地上コントローラGのコントロール下で各物品保管設備FS’における物品Fの出し入れが行われる。
【0041】
また1つの物品保管設備FS’を地上コントローラGから切り離し、単独で物品Fの入出庫を行わせるとき(たとえば、緊急に1つの物品保管設備FS’から物品Fを出庫する必要が生じたときなど)、または1つの物品保管設備FS’のクレーン制御装置CCの設定値(メモリデータ)の変更を行うとき(たとえば、スタッカークレーンCの速度を変更するときなど)、作業者はキーにより運転モード選択キースイッチ33を操作してリモート運転モードに切り換える。続いてハンディ設定器Hの接続端子61を操作ボックスの接続端子32に接続して、ハンディ設定器Hを光送受信器12’のコントローラ42に接続する。そして、上記[入出庫指令の形成・出力]または[設定値の変更]の操作を行う。これにより、作業者の操作データ(入出庫指令データ)に基づいて物品Fの入出庫が行われ、またクレーン制御装置CCの設定値(メモリデータ)が変更される。作業が終了すると、作業者はキーにより運転モード選択キースイッチ33をオンライン運転モードに戻し、続いてハンディ設定器Hの接続端子61を操作ボックスの接続端子32から外して終了する。
【0042】
また1つの物品保管設備FS’の状態を確認、把握したいとき、作業者はハンディ設定器Hの接続端子61を操作ボックスの接続端子32に接続して、ハンディ設定器Hを光送受信器12’のコントローラ42に接続する。このとき、運転モードは、オンライン運転モードとリモート運転モードのどちらでもよい。そして、上記[状態データ表示]または[異常履歴データ表示]の操作を行う。これにより、作業者の状態データまたは異常履歴データが液晶表示画面52に表示され、作業者はこれら状態データまたは異常履歴データを確認、把握することができる。作業が終了すると、ハンディ設定器Hの接続端子61を操作ボックスの接続端子32から外して終了する。
【0043】
このように、地上コントローラGより各物品保管設備FS’へ搬送指令データを出力し、各物品保管設備FS’のスタッカークレーン(物品搬送手段の一例)Cを協調して運転し、各物品保管設備FS’における物品Fの出し入れを行うことができるとともに、各物品保管設備FS’においてリモート運転モードが必要なときに(手動モード時に)、ハンディ設定器Hにより入出庫指令データ(操作データ)を入力することにより、スタッカークレーンCにより入出庫作業を実行でき(物品の出し入れを行うことができ)、またクレーン制御装置CCの設定値(メモリデータ)を変更でき、さらにリモート運転モード、オンライン運転モードのいずれのモードにおいても、クレーン制御装置CC内の状態データ、異常履歴データを表示でき、スタッカークレーンCの状態等を確認することができる。またこのハンディ設定器Hは、各物品保管設備FS’に共通して使用でき、従来の設定器E1が物品保管設備FS’において不要となることから、倉庫設備としてコストを低減することが可能となる。
【0044】
なお、本実施の形態では、通信手段としては光送受信器(光伝送装置)12’を使用しているが、光による通信に限ることはなく、電磁波や電波を使用して通信を行うようにしてもよい。
【0045】
また本実施の形態では、入力手段として、接続端子32,61、接続コード62を使用しているが、これら接続端子32,61、接続コード62を使用することなく、ハンディ設定器Hを光送受信器12’に接続しハンディ設定器Hから光送受信器12’へ設定情報を入力するようにすることも可能である。たとえば、短距離で通信可能な光や電波、電磁波を使用してハンディ設定器Hから光送受信器12’へ設定情報を入力する。
【0046】
また本実施の形態では、各物品保管設備FS’において、左右方向に並設された各収納棚Aをそれぞれ、前後方向に物品収納部Dを有する構成としているが、各収納棚Aを前後方向のみでなく左右方向(奥行き方向)に物品収納部Dを並べた構成とすることもできる。このとき、フォーク装置5を、フォーク(出し入れ具)が各収納棚Aの左右方向の各物品収納部Dに対して位置決め出退可能な構成(ダブルディープタイプ)とする。
【0047】
また本実施の形態では、各物品保管設備FS’において、搬入出部Eの一対の物品載置台E2を物品Fの搬入出を行う搬入出口として使用しているが、これら物品載置台E2を、物品Fの搬入口専用または搬出口専用として使用することもできる。
【0048】
また本実施の形態では、物品保管設備FS’としてスタッカークレーンCを使用した棚設備(自動倉庫)を挙げているが、スタッカークレーンCの走行車体2に相当する構成を備えていない物品保管設備(たとえば、収納棚Aと、この収納棚Aの上下高さのほぼ全域にわたって垂直方向に昇降される昇降台3と、この昇降台3上に横動自在に設けられ、収納棚Aの荷収納部Dまたは搬入出部Eに対して物品Fの受け渡しを行うフォーク装置5を備えた立体型のピッキングシステムなど)であってもよい。
【0049】
また本実施の形態では、物品保管設備FS’の物品搬送手段としてスタッカークレーンCを使用しているが、スタッカークレーンCの走行車体2に相当する構成を備えていない物品搬送手段であってもよく、また物品Fの移載手段を有する自走台車を使用するようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、設定手段が入力手段を介して通信手段に接続され、設定手段より通信手段へ設定情報が入力されると、この設定情報が物品搬送手段へ送信され、設定手段により入力された設定情報に基づいて物品搬送手段により物品の出し入れが行われることにより、リモート運転モードが必要なときに、設定手段により設定情報を入力することによって物品の出し入れを行うことができる。また設定手段を各物品保管設備に共通して使用でき、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における倉庫設備の制御構成図である。
【図2】同倉庫設備の物品保管設備の要部斜視図である。
【図3】同倉庫設備の物品保管設備の操作ボックスの正面図である。
【図4】同倉庫設備のハンディ設定器の正面図である。
【図5】同倉庫設備のハンディ設定器の画面の切り換えを説明する図である。
【図6】同倉庫設備のハンディ設定器の手動画面図である。
【図7】同倉庫設備のハンディ設定器のメンテナンス画面図である。
【図8】同倉庫設備のハンディ設定器のDI/DO表示画面図である。
【図9】同倉庫設備のハンディ設定器の異常履歴表示画面図である。
【図10】従来の倉庫設備の物品保管設備の要部斜視図である。
【図11】従来の倉庫設備の制御構成図である。
【符号の説明】
FS’ 物品保管設備
A 収納棚
B 作業通路
C スタッカークレーン
CC クレーン制御装置
D 物品収納部
E 物品搬入出部
G 地上コントローラ
H ハンディ設定器
1 走行レール
2 走行車体
3 昇降台
4 昇降マスト
5 フォーク装置
11,12’ 光送受信器
31 操作ボックス
32,61 接続端子
33 運転モード選択キースイッチ
41 光送受信素子
42 コントローラ
52 ハンディ設定器の液晶表示画面
53〜60 ハンディ設定器のキー
62 ハンディ設定器の接続コード
Claims (3)
- 物品を収納する複数の物品収納部と、この物品収納部と所定の搬入出口との間で前記物品の搬送を行なう物品搬送手段を備えた物品保管設備を複数設けた倉庫設備であって、
各物品保管設備にそれぞれ、前記物品搬送手段へ前記物品の出し入れを行わせる設定情報を送信する通信手段を設け、
前記各物品保管設備の通信手段にそれぞれ、前記設定情報の入力手段を設け、
前記各入力手段を介して前記各通信手段へそれぞれ前記設定情報を入力可能で、かつ持ち運び自在な前記各物品保管設備共通の設定手段を設け、
前記各物品保管設備の通信手段を介して、各物品保管設備の物品搬送手段を制御して搬入出口において物品の出し入れを行わせる制御手段を設け、
前記各物品保管設備にそれぞれ、運転モードを自動モードか手動モードかに選択する運転モード選択キースイッチを設け、
前記各通信手段は、少なくとも、前記運転モード選択キースイッチにより自動モードが選択されているときに前記制御手段からの設定情報を前記物品搬送手段へ送信する機能と、前記入力手段を介して前記設定手段が接続されたことを検知する機能と、前記設定手段が接続されたことを検知しているとき、前記運転モード選択キースイッチにより手動モードが選択されていると、前記設定手段から入力した設定情報を前記物品搬送手段へ送信する機能を有すること
を特徴とする倉庫設備。 - 前記設定手段は、液晶表示画面を有し、前記入力手段および通信手段を介して、前記物品搬送手段の設定情報を変更する機能以外に、少なくとも、前記物品搬送手段内の状態データを要求し前記液晶表示画面に表示する機能と、前記物品搬送手段内の異常履歴データを要求し前記液晶表示画面に表示する機能を有し、
前記各通信手段は、前記設定手段が接続されたことを検知しているとき、前記設定手段から要求された前記状態データまたは異常履歴データを前記物品搬送手段から求めて設定手段へ出力する機能を有すること
を特徴とする請求項1に記載の倉庫設備。 - 前記通信手段として光伝送装置を使用し、各光伝送装置に前記制御手段を接続し、
各物品保管設備にそれぞれ、前記通信手段に接続され、前記物品搬送手段を停止する際に操作する非常停止押釦スイッチを設け、
前記各通信手段は、前記非常停止押釦スイッチが操作されると、非常停止指令を形成し、前記物品搬送手段へ出力する機能を有すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の倉庫設備。
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