JP3848303B2 - 構造体、機能性構造体及び磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔を有する構造体の製造方法に関する。特に、孔に磁性体等の機能性材料を充填することによって、磁気記録媒体等の機能性の構造体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
物体表面に微細な構造を作製する技術として、従来からの光や電子線によるリソグラフィーではなく、凹凸を持つ構造体を加工物に直接押圧してナノメートルサイズの構造を形成するナノ・インプリント(nano−imprint)という方法が、新しい技術として提案されている(米国特許第5,772,905号公報)。
【0003】
この手法は、図9に示すように電子ビーム等により加工された数十〜数百nmサイズの凸構造パターン103を有するスタンパ100を、平坦な基板105上に形成した樹脂薄膜104に押圧して引き離すことで凹凸構造パターンを形成し、樹脂薄膜の凹部(モールド領域)106を反応性イオンエッチング等によって除去し、この樹脂層をマスクとして基板105をエッチングすることで、元のスタンパと相対する凹凸を有するナノメートルサイズの構造体107、108を形成するものである。この手法では、押圧によるスタンパ100の劣化を防ぐために、スタンパ100の凸構造103が樹脂薄膜104を形成した基板105に到達する前に押圧をやめ、引き離す手法をとっている。この手法では、樹脂薄膜にスタンパの凸構造表面が到達する直前に押圧をやめた場合であっても、押圧による樹脂の盛り上がりにより、スタンパの凹構造表面に樹脂薄膜が接触する場合があった。
【0004】
斯かる接触は、スタンパを樹脂薄膜から引き離す際に樹脂薄膜に形成された凹凸形状の乱れなどを起こす場合があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、所望の位置に孔を形成した構造体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、孔を有する構造体の製造方法であって、被陽極酸化膜上に、陽極酸化処理により溶解する材料からなるパターン形成層を有する第1の部材を用意し、複数の凸部を有する第2の部材を、該パターン形成層に押付けて、該パターン形成層に凹凸構造を形成し、該凹凸構造の凹部に該パターン形成層を残存させたまま、該基板を陽極酸化溶液に浸して陽極酸化処理し、該凹部側を開始点として該基板に孔を形成することを特徴とする孔を有する構造体の製造方法に関する。
【0007】
また、本発明は、複数の凸構造を有する押圧部材を被加工層上のパターン形成層に押圧する工程、及び該部材と該パターン形成層を引き離す工程を含む構造体の製造方法において、該凸構造表面のサイズが500nm以下であって、且つ該凸構造の高さが10μm以下の該部材を用い、該部材の該凸構造の高さより該パターン形成層の膜厚を薄くし、該部材の凸構造の先端と該被加工層表面との間隔が50nm以下の場合に該部材の凹部に該パターン形成層の表面が接触しないように押圧することを特徴とする構造体の製造方法に関する。
【0008】
ここでいう、押圧部材の凸構造表面のサイズとは、その表面形状が円の場合は直径を、多角形の場合はその外径である。上記凸構造の高さは、数nm以上10μm以下、好ましくは数10nm以上5μm以下である。
【0009】
本発明でのナノ構造体の製造方法は、被加工層の表面にスタンパの凸構造の高さよりも薄い膜厚のパターン形成層を設け、これにスタンパを相対向させて押圧し、パターン形成層にスタンパの凸構造パターンを形成することが好ましい。
【0010】
スタンパの凸構造の高さよりも薄いパターン形成層を使用することで、気泡の影響を軽減し、真空雰囲気を必要とせず、また、押圧後のエッチングにより被加工層を露出させた後に陽極酸化等の加工を行う。押圧方向への厳密な位置制御を行う必要がなく、簡易なナノプリント法を提供することが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施態様として以下のものが挙げられる。
【0012】
図4に示すように、凸構造のパターンが形成されたスタンパ(押圧部材)とパターン形成層が上部に設けられた被加工層を、相対向させて前記スタンパを前記パターン形成層に押圧し、少なくとも前記凸構造の先端が前記被加工層表面から最大50nmの位置まで接近してから前記スタンパを引き離し、前記パターン形成層に前記スタンパの凸構造パターンを形成する方法が好ましい。
【0013】
前記パターン形成層が、温度上昇に比例して低粘性になる材料である場合、前記押圧時に前記パターン形成層を適当な粘性になるよう加熱してから押圧し、冷却して剥離することが好ましい。
【0014】
図2(a)、(b)に示すように、前記製造方法により作製されるナノ構造体において、ドライエッチングまたはウエットエッチング技術により前記パターン形成層の凹部にて前記被加工層を露出させる(工程)方法が好ましく、図2(c)に示すように、前記のいずれかの製造方法により作製されるナノ構造体を陽極酸化することにより前記被加工層に凹構造を形成する方法が好ましい。
【0015】
前記被加工層を露出させる工程で、パターン形成層凹部の前記被加工層を露出させると共に、前記被加工層に深さ1nm以上の凹部を作製するドライエッチングまたはウエットエッチングである方法であることが好ましい(図2(b))。
【0016】
前記スタンパは、前記凸構造の間隔が1μm以下である少なくとも一組の隣接した凹凸構造体を有することが好ましい。
【0017】
前記パターン形成層が、溶剤に溶かした樹脂やアルコキシドやシリコンを含む樹脂材料やシルセスキオキサン等の流動性があり且つ薄く塗布することの出来る材料であることが好ましい。
【0018】
前記被加工層が、アルミニウムを成分とする金属であることが好ましい。
【0019】
前記被加工層が、アルミニウム以外の金属を成分とする下地層と、アルミニウムを成分とする表面層からなることが好ましい。
【0020】
また本発明のナノ構造体の製造方法では、図1に示すように、凸構造4のパターンが形成されたスタンパ1と、凸構造4の高さより薄い膜厚のパターン形成層2を有する被加工層3を相対向させ、スタンパ1を押圧し、少なくとも凸構造4の先端を被加工層3の表面から最大50nmの範囲内に接近させ、次いでスタンパを引き離し、パターン形成層2にスタンパ1の凸構造パターンを形成することが好ましい。
【0021】
例えば、電子線、X線、紫外線または可視光線等によるリソグラフィーとウエットエッチングもしくはドライエッチング技術、電子線直描技術、または陽極酸化法等によって、少なくとも一つの凹凸を有するスタンパ1を作製する。この凸構造4の表面は平坦であることが好ましく、凸構造4が複数形成される場合には各々の頂点が同一平面内に位置することが好ましい。また凸構造は、図5(a)に示すように、三角格子状の円柱配列構造であることが好ましい。また、図5(b)のように、数種類の規則構造からなる多周期配列でも良い。
【0022】
また図1に示すように、被加工層3上にスピンコート方等により溶剤に溶かした樹脂やアルコキシドやシリコンを含む樹脂材料やシルセスキオキサン等の流動性があり且つ薄く塗布することの出来る材料を主成分とする液状材料を塗布し、パターン形成層2とする。パターン形成層2の膜厚はスタンパ1の凸構造4の高さよりも薄くなるようにする。次に、スタンパ1をパターン形成層2に相対向させ、次いで押圧し、少なくともスタンパ1の凸構造4の先端が被加工層3の表面から最大50nmの範囲内に達してからスタンパを引き離し、パターン形成層2にスタンパ1の凸構造パターン4を形成する。押付け部材は、表層がシリコンやニッケル等からなる規則配列凸構造体であり、剥離性を良くするためにフッ素樹脂やシランカップリング剤等の離型材料を付与することが望ましい。
【0023】
パターン形成層2の膜厚がスタンパ凸構造4の高さより薄いため、スタンパ凹構造5に溜まってパターン形成を阻害していた気泡によるパターン形成層への影響が生じにくくなる。そのため、真空雰囲気中で押圧し、引き離しを行う必要がなくなる。また、被加工物9をパターン形成層2の粘度が下がる温度まで上昇させ、流動性を良くしてから押圧することも好ましい。
【0024】
また、こうして作製された構造体に対し、ドライエッチングまたはウエットエッチングを行い、パターン形成層凹部7に残留したパターン形成層2を除去して被加工層3を露出させることが好ましい(図2(a)、(b))。
【0025】
例えば、被加工層3が金属等の導電性物質であり、パターン形成層2が樹脂等の絶縁物であれば、パターン形成後のパターン形成層2をマスクとし、露出した被加工層3を電極として電気めっきを行うことが出来る。この後、パターン形成層2のみを溶解する溶液中に浸すことで、スタンパ1と同様の凹凸構造を有する異種材料による構造体を得る事が出来る。
【0026】
また、図2(c)に示すように、被加工層3がアルミニウムを主成分とする材料である場合、パターン形成層凹部7の底部に残った膜をエッチングして得られた被加工層の露出部を開始点として陽極酸化を行えば、露出部分のパターンを反映したアルミナナノホールを得る事が出来る。パターン形成層が陽極酸化の溶液で溶解されてしまう場合は、図6に示すように、その上から陽極酸化時に溶解するようなアルミニウム等の金属を薄く積層して保護層11とし(図6(b))、陽極酸化を行えばよい(図6(c))。
【0027】
また図7に示すように、エッチング時に被加工層の露出部も多少削られる場合は、パターン形成層を除去してから(図7(b))、陽極酸化を行えば良い(図7(c))。
具体的に陽極酸化とは、パターン形成層を有する被加工層を陽極としてシュウ酸水溶液や硫酸水溶液などの酸性溶液中に浸し、電解を印加して陽極酸化を行うことである。陽極酸化による酸化と溶解は、パターン形成層の凹構造部分から優先的に開始するため、凹構造パターンを反映した配列の細孔が形成されることになる。このとき印加する電圧は、一般に形成する配列周期の2.5-1[V/nm]倍とされており、例えば100nm間隔の三角格子配列のときは、40Vを印加すれば良く、印加する電圧により形成される細孔の平均周期長がきまる。そのため、例えば三角格子状の規則凹構造をパターン形成層2に形成し、その凹部7から細孔を形成する場合、規則凹構造の配列が多少乱れていても陽極酸化印加電圧により自然に補正されて規則正しい配列の細孔を得ることが可能である。
【0028】
また、パターン形成層が上記陽極酸化溶液によって適度な速度で均一に溶解する材料である場合、エッチングプロセスを省略することが可能である。陽極酸化を開始すると、パターン形成層が溶解を始め、まず凹構造底部の被加工層が露出し、そこから電流が流れて被加工層のナノホールが形成され始める。パターン形成層が陽極酸化溶液によって溶解しない材料の場合は、被加工層表面には何も形成されない。
【0029】
次に、リン酸水溶液などの被加工層を溶解する溶液中にこれを浸せば、形成されたナノホール構造の径を任意に拡大することが出来る。
【0030】
さらに、電着やスパッタ等でホールに機能性材料を充填することによって、種々の機能を有した構造体ができる。特に、電着で磁性体を細孔に充填することによって、磁気記録媒体の作成が可能である。
【0031】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0032】
[実施例1]
本発明の一例を示す。図1を参照する。
【0033】
凹凸構造のパターンが形成されたスタンパ1を、凸構造4の高さより薄い膜厚のパターン形成層2を有する被加工層3に相対向させて押圧し、少なくとも凸構造4の先端が被加工層3の表面から30nmまで近づいた後に引き離し、パターン形成層2にスタンパ1の凸構造パターンを形成する。
【0034】
例として、原盤に、100nm間隔で配列した直径30nm、高さ75nmの円柱状凸構造4を、電子ビーム露光とドライエッチングプロセスにより作製しスタンパ1とする。次に、図1に示すようにSi基板8上に酸化シリコン(SiO2)から成る厚さ100nmの被加工層3と、ポリメチルメタクリレート(PMMA)から成る厚さ50nmのパターン形成層2を作製する。PMMAはエチルセロソルブアセテートに溶解し、スピンコート法にて塗布する。パターン形成層2にスタンパ1を相対向させ、基板温度120℃、荷重1000kgf/cm2で押圧し、30秒間保持した後に60℃まで冷却してから引き離す(図1(a)(b))。パターン形成層2の凸構造6の高さは、凹構造7の体積分の樹脂が流動するために押圧前の厚さより若干厚くなり、凹構造7の底部にはスタンパ形状の不均一性による残留樹脂が薄膜となって残る。
【0035】
パターン形成層2の膜厚がスタンパ凸構造4より薄いため、従来スタンパ凹構造5に溜まってパターン形成を阻害していた気泡は、スタンパ凹構造間を伝わり外部へ放出されるため、真空雰囲気中での押圧などの手段を行わずに微細なパターンを作製することが出来ると共に、接触面積が小さいために押圧圧力も少なく済む。また、パターン形成後のパターン形成層凸部6の高さも、当初のパターン形成層2の膜厚とスタンパ1形状により決定されるため、押圧荷重の微調整や押圧方向の位置制御を行う必要が無い。
【0036】
[実施例2]
本発明の一例を示す。図2,3を参照する。
【0037】
実施例1に記載のナノ構造体の製造方法により作製された構造体に対し、ドライエッチングまたはウエットエッチングを行い、パターン形成層凹部7に残留した樹脂材料を除去して被加工層3を露出させる。
【0038】
実施例1に記載のスタンパ1を、被加工層3が厚さ100nmのアルミニウム(Al)であり、且つ、パターン形成層2がPMMAである被加工物9に、基板温度120℃、荷重1000kgf/cm2、保持時間30秒間の条件で相対向させて押圧、次いで60℃に冷却してから引き離して図1(c)のような構造体を作製する。酸素雰囲気下でドライエッチングを行い、パターン形成層凹部7に残留した樹脂を除去し、Alを露出させる(図2(a))。また、BCl3とO2ガスの混合ガス等の雰囲気下でエッチングを行い、パターン形成層凹部7の下部のAlも同時にエッチングして凹部を作製することも出来る(図2(b))。
【0039】
また、この後、パターン形成層凸部6をマスクとし、被加工層3を電極として錫銅半田電気めっきを行い、アセトンの超音波洗浄によりパターン形成層凸部6のみを除去し、ナノメートル間隔に並んだ半田凸構造体を作製することが出来る。
【0040】
また、図3(a)に示すようにスパッタ等で所望の材料の積層膜10を形成し、アセトンの超音波洗浄によりパターン形成層凸部6のみを除去し、図3(b)のような凸構造体を作製することも出来る。
【0041】
[実施例3]
本発明の一例を示す。図2,3を参照する。
【0042】
実施例1に記載のスタンパ1を、被加工層3がAlであり、且つ、パターン形成層2がシルセスキオキサンである被加工物9に、基板温度室温、荷重1200kgf/cm2、保持時間30秒間の条件で相対向させ押圧して、次いで引き離し、アルゴンやSF6雰囲気下にてドライエッチングを行い、Alを露出させる(図2(a))。次に、これを0.3mol/L蓚酸水溶液中にて陽極とし、温度16℃で40Vを印加して陽極酸化を行う。露出部分が陽極酸化の開始点となるため、パターン形成層のパターンを反映して配置されたアスペクト比の高いナノメートルサイズの孔を得る事が出来る(図2(c))。シルセスキオキサンは蓚酸水溶液に不溶であるため、除去をする必要がない。
【0043】
[実施例4]
本発明の一例を示す。図4を参照する。
【0044】
凹凸構造のパターンが形成されたスタンパ1を、パターン形成層2を有する被加工層3に相対向させて押し付けてから引き離し、パターン形成層2にスタンパ1の凸構造と相反する凹構造パターンを形成する。
【0045】
例として、Siからなる原盤に、100nm間隔で三角格子状に配列した直径30nm、高さ75nmの円柱状凸構造4を、電子ビームリソグラフィとドライエッチングプロセスにより作製しスタンパ1とする。凸構造4の最も高い表面は、同一平面内上に位置することが望ましい。次に、図4に示すようにSiからなる基板8上に酸化シリコン(SiO2)から成る厚さ100nmの被加工層3と、ポリメチルメタクリレート(PMMA)から成る厚さ100nmのパターン形成層2を作製する。PMMAはエチルセロソルブアセテートに溶解し、スピンコート法にて塗布する。パターン形成層2にスタンパ1を相対向させ、基板温度120℃、荷重500kgf/cm2で押し付け、その状態で保持したまま60℃まで冷却した後に引き離す(図4(a)、(b)、(c))。凹構造7の体積分の樹脂が流動するために、パターン形成層2のプレスした部分の周囲の厚みは押し付け前の厚さより若干厚くなり、凹構造7の底部にはスタンパ形状の不均一性や流動しきれなかったことによる残留樹脂が薄膜となって残る。
【0046】
パターン形状によっては、スタンパ1の凹構造5に気泡が残留し、樹脂の流動が妨げられて完全にスタンパ形状に沿ったパターンを形成することが困難となるが、基板温度を高くし樹脂の流動性を高めたり、パターン形成層2の厚さを凸構造4より薄くしたりすることにより、この影響を減じることが出来る。
【0047】
[実施例5]
本発明の一例を示す。図6を参照する。
【0048】
実施例4に記載のナノ構造体の製造方法により作製された構造体に対し、ドライエッチングまたはウエットエッチングを行い、パターン形成層凹部7に残留した樹脂材料を除去して被加工層3を露出させる。
【0049】
実施例4に記載のスタンパ1を、Si基板8上に形成された被加工層3が厚さ200nmのアルミニウム(Al)であり、且つ、パターン形成層2がPMMAである被加工物9に、基板温度120℃、荷重500kgf/cm2 で相対向させて押し付け、その状態で保持したまま60℃まで冷却した後に引き離して図4(c)のような構造体を作製する。ドライエッチングにより酸素雰囲気下でエッチングを行い、パターン形成層凹部7に残留した樹脂のみを除去し、Alを露出させる(図6(a))。次に、図6(b)に示すようにスパッタで厚さ5nmのAlの保護層11を形成し、これを陽極としてシュウ酸水溶液(0.3mol/L,16℃)中に浸して、40Vの印加電圧の下で陽極酸化を行うと、図6(c)に示すようなアルミナナノホールが形成される。ナノホールはパターン形成層凹部7から形成され、100nm間隔の三角格子状に配列する。保護層11は、酸性溶液中においてパターン形成層2が侵されるのを防ぐ役目を果たし、リン酸水溶液中等のアルミニウムを溶解する溶液中にて超音波洗浄を行うことで、除去できる。同様に、PMMAもリン酸水溶液やアセトン等の溶媒中で超音波洗浄することにより、除去できる。
【0050】
[実施例6]
本発明の一例を示す。図7を参照する。
【0051】
実施例5ないし実施例2に記載のナノ構造体の製造方法での工程において、ドライエッチングをBCl3とO2の混合エッチング雰囲気下でエッチングを行い、パターン形成層凹部7の下部の残留した樹脂とAlを同時にエッチングし、Al表面に凹部を作製することも出来る(図7(a))。この後、アセトン中にて超音波洗浄してPMMAを除去するかオゾンアッシングで除去をし(図7(b))、これを陽極としてシュウ酸水溶液(0.3mol/L,16℃)中に浸して、40Vの印加電圧の下で陽極酸化を行うと、図7(c)に示すようなアルミナナノホールが形成される。ナノホールはAl表面の凹部13から形成され、100nm間隔の三角格子状に配列する。
【0052】
[実施例7]
本発明の一例を示す。図8を参照する。
【0053】
凹凸構造のパターンが形成された押付け部材を、パターン形成層を有する被加工層に相対向させて押し付けてから引き離し、パターン形成層に押付け部材の凸構造と相反する凹構造パターンを形成する。
次に、Siからなる基板上に厚さ10nmのチタンと更にその上層に厚さ500nmのアルミニウム膜を形成し、被加工層とする。また更にその上層に、アルミニウムアルコキシドから成る厚さ75nmのパターン形成層を作製する。アルミニウムアルコキシドはIPA(イソプロピルアルコール)に溶解してから、スピンコート法にて塗布する。パターン形成層に実施例4記載の押付け部材を相対向させ、基板温度150℃、荷重1000kgf/cm2で押し付け、その状態で保持したまま60℃まで冷却した後に引き離す。凹構造の体積分の樹脂が流動するために、パターン形成層のプレスした部分の周囲の厚みは押し付け前の厚さより若干厚くなり、凹構造の底部には押付け部材形状の不均一性や流動しきれなかったことによる残留樹脂が薄膜となって残る。
【0054】
次に、これを陽極として蓚酸水溶液(0.3mol/L,16℃)中に浸し、40Vの電圧を印加して陽極酸化を行う。アルミニウムアルコキシドは加水分解をし蓚酸水溶液中で徐々に溶解して行くため、先に被加工層が露出する凹構造底部から電流が流れ始め、その部分が開始点となってアルミナナノホールの形成が開始する。陽極酸化によるアルミナナノホールは、基板に対して垂直に形成され、通常のフォトリソグラフィやエッチングプロセスでは得られない高アスペクト比な構造を非常に容易に得ることが出来る。
【0055】
リン酸水溶液(0.3mol/L)中に40分ほど浸すと、直径30nm、深さ500nmの規則化アルミナナノホールが得られる。
【0056】
最後に、電着によりホールに磁性材料を充填することによって、磁気記録媒体が作成できる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は、ナノ・インプリント法とドライエッチング、ウエットエッチング、又は陽極酸化によるナノ構造体の製造方法であり、微細な凹型ナノ構造体を簡易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を説明する断面図である。
【図2】本発明の実施例2、3を説明する断面図である。
【図3】本発明の実施例2、3を説明する断面図である。
【図4】本発明の実施例4を説明する断面図である。
【図5】本発明の凸構造の配置例を説明する断面図である。
【図6】本発明の実施例5を説明する断面図である。
【図7】本発明の実施例6を説明する断面図である。
【図8】本発明の実施例7を説明する断面図である。
【図9】従来例を説明する図である。
【符号の説明】
1 スタンパ
2 パターン形成層
3 被加工層
4 凸構造
5 凹構造
6 パターン形成層凸部
7 パターン形成層凹部
8 基板
9 被加工物
10 積層膜
100 スタンパ
103 凸構造
104 樹脂薄膜
105 基板
106 モールド領域
107 凸構造
108 凹構造
Claims (6)
- 孔を有する構造体の製造方法であって、
被陽極酸化膜上に、陽極酸化処理により溶解する材料からなるパターン形成層を有する第1の部材を用意し、
複数の凸部を有する第2の部材を、該パターン形成層に押付けて、該パターン形成層に凹凸構造を形成し、
該凹凸構造の凹部に該パターン形成層を残存させたまま、該基板を陽極酸化溶液に浸して陽極酸化処理し、
該凹部側を開始点として該基板に孔を形成することを特徴とする孔を有する構造体の製造方法。 - 前記パターン形成層は、前記第2の部材よりも強度の弱い材料である請求項1記載の孔を有する構造体の製造方法。
- 前記パターン形成層がアルコキシドを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の孔を有する構造体の製造方法。
- 前記第2の部材の前記凸部の高さが、前記パターン形成層の厚さより高いことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の孔を有する構造体の製造方法。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法により形成されている前記孔の中に、機能性材料を充填する工程を有することを特徴とする機能性構造体の製造方法。
- 請求項5に記載の前記機能性材料が、磁性材料であることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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