JP3724864B2 - 晶析方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶可能な成分を含有する液体原料から結晶可能な成分の結晶を析出させて高純度の結晶性物質を得るための晶析方法に関し、特にアクリル酸あるいはメタクリル酸の大量多段晶析処理に適した晶析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば工業的に生産されるアクリル酸には、通常不純物として酢酸やプロピオン酸が含まれている。これらの不純物濃度は通常は合計0.1%程度であるが、近年の用途の拡大により例えば紙オムツ等に使用される場合は、不純物濃度がさらに数百から数十ppm程度の高純度のアクリル酸が必要とされるに至っている。
【0003】
結晶性物質中の不純物の除去方法としては蒸留法が一般的であるが、酢酸やプロピオン酸はアクリル酸と沸点が近接しているため蒸留法によってこれらの不純物を除去することはきわめて困難である。このような事情から従来においては晶析方法により不純物を除去することが検討されている。代表的な晶析方法としては、結晶可能な成分を含有する液体原料に種結晶を入れ液体中に結晶を懸濁状態に成長させる方法と、冷却壁面等に結晶を析出しそれを成長させる方法とがあり、量産を行う場合、特にアクリル酸のように付着性の結晶を量産する場合は、前者の方法は不向きであり、後者の方法の方が優れている。冷却壁面に結晶を析出させる手法を利用したアクリル酸やメタクリル酸の晶析精製に関する従来技術としては、特開平7−48311号、特願平5−280457号、特願平6−266362号及び特願平7−111327号がある。
【0004】
特開平7−48311号においては、不純物を含むアクリル酸(液体原料)を垂直な管の内壁面に流しながら当該内壁面を冷却して結晶を得る動的結晶装置と、この動的結晶装置より得られた母液等を冷却コイルを備えたタンク内に供給して前記冷却コイル表面で結晶を得る静的結晶装置とを用い、これら結晶装置における夫々の工程を組み合わせて多段晶析を行う技術が記載されている。
【0005】
また後の3つの出願書類には、平滑なプレートの一面側に液体原料を流し、他面側から冷却してプレート表面に結晶を析出させる晶析装置を用い、複数のタンクを用いて、あるタンク内の液体原料について晶析を行ったときの母液、発汗液、結晶融液を夫々別のタンクに送り、当該結晶融液について更に晶析を行うといった具合に、多段晶析を行う技術が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】
一方アクリル酸やメタクリル酸など重合性のある物質は、温度が高くなる、あるいは鉄錆などの重合開始剤になる物質が混入するといった要因で重合反応が起こり、その重合反応により発熱して更に反応が暴走し爆発に至るおそれある。このため晶析システムに導入される重合性原料中にはもともと重合禁止剤が含まれており、晶析システムで得られた最終精製液(製品)を貯留する製品タンク内の液体中にも重合禁止剤を含有させるようにしている。
【0007】
ところで本発明者等らの実験によると、重合禁止剤は晶析操作において結晶中にほとんど全く取り込まれることはなく、母液中に濃縮されることがわかった。従って重合禁止剤を含まない結晶をそのまま融解すると、融解時、あるいは多段晶析システムを構成する一時貯留タンクへの融液の貯留時、更にはまた送液時に重合反応が起こる可能性がある。
【0008】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は晶析精製システム内における精製物質の重合反応を防止し、爆発事故等を未然に防ぐことのできる晶析方法を提供することにある。
【0010】
請求項1の発明は、 結晶可能な成分を含有する液体原料を冷却し、前記成分の結晶を析出させる結晶化工程と、分離した結晶を融解し融液として回収する融解工程と、を含む晶析操作を多段階で行うことにより前記成分の純度を順次高める晶析方法において、
重合禁止剤が添加された液体原料を最終精製段階で結晶化する結晶化工程と、
液体原料に対して多段階で行われる一連の晶析操作を1サイクルと呼ぶとすると、前記結晶化工程が実施されるサイクルよりも一つ前のサイクルにおいて実施した最終精製段階の晶析操作により得られた結晶を融解して得た精製融液に重合禁止剤を添加する工程と、
この工程で得られた重合禁止剤添加精製融液を加熱し、前記結晶化工程にて得られた結晶に循環供給して当該結晶を融解する工程と、
この工程で得られた融液を前記重合禁止剤添加精製融液と共に回収する工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、 結晶可能な成分を含有する液体原料を冷却する冷却手段と、冷却により析出した前記成分の結晶を分離後融解し融液として回収する融解回収手段とを備えた晶析器と、1番目からN(3≦N)番目までの貯槽と、を含む晶析装置を用いて、
K(K<N)番目の貯槽内の液体原料について前記晶析装置により晶析を行ってその未結晶残留液体(母液)をK−1番目の貯槽に貯留する(K−1が0のときは晶析装置の系外に排出する)と共に結晶融液をK十1番目の貯槽内に貯留し、K番目の貯槽内の液体原料の結晶の融解回収時は、K十1番目の貯槽内の精製融液を加熱して前記結晶に循環させながら供給して、このような操作を1番目からN−1番目の貯槽内の液体原料についてN−1段の多段階晶析を行う晶析方法であって、
液体原料に対して多段階で行われる一連の晶析操作を1サイクルと呼ぶとすると、系外から晶析装置に供給される液体原料があるサイクルで1番目からN−2番目の貯槽に供給される場合には、重合禁止剤をN−1番目とN番目の貯槽内に貯留されている前記サイクルの一つ前のサイクルで得られた精製融液のみに供給し、系外から供給される液体原料がN−1番目の貯槽に供給される場合には、重合禁止剤をN番目の貯槽内に貯留されている前記サイクルの一つ前のサイクルで得られた精製融液のみに供給することを特徴とする
【0012】
請求項3の発明は、上記の発明において、結晶を融解して回収する全体融液中の重合禁止剤濃度を10重量ppm以上となるように精製融液中に重合禁止剤を添加することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項2または3の発明において、K番目の貯槽内の液体原料の結晶を析出させた後その結晶を融解する前に部分融解し、この部分融解により得られた融液をK番目の貯槽に貯留することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明をアクリル酸の晶析方法に適用した実施の形態について説明する。先ずこの晶析方法に用いる晶析器と貯槽とを含む晶析装置の概略について述べる。図1は晶析器の一例を示す図である。図中1は、例えばステンレス製の縦2m×横1m×厚さ1mmの大きさを有する平板からなる結晶付着用の板であり、この板1は垂直に配置されると共に、上端部は屈曲されて傾斜面10が形成されている。また板1は仕切り板1a、1b、1c、1dにより結晶付着領域が横に例えば5分割されており、以下の説明では分割された領域の部分をも板11と呼ぶことにする。この板11の例えば上端側には、上記傾斜面10上に、または傾斜面10の上端に連続する垂直面を介して、板11の一面側12に液体原料Lを薄膜状に流下させる原料供給手段をなす原料供給器14が設けられている。
【0015】
また板11の他面側13に液体原料Lの凝固点以下の温度の冷媒Cを薄膜状に流下させる冷媒供給手段をなす冷媒供給管15が設けられている。この冷媒供給管15は板11の他面側13に液体原料Lの凝固点以上の温度の熱媒を供給する熱媒供給手段をなす熱媒供給管を兼用している。図中P1、P2はポンプであり、このポンプP1により、板11の一面側12を流下した液体原料Lは原料供給器14に循環して供給され、一方板11の他面側13で流下した冷媒Cは、ポンプP2及び冷却器16を介して冷媒供給管25に循環供給される。但し熱媒Hの供給時には、加熱器17を介して所定の温度に加熱されて供給される。また板11の一面側12には、結晶を保持するための複数の突状部18が、例えば縦一列に間隔をおいて設けられている。
【0016】
このような晶析器では、結晶可能な成分であるアクリル酸と不純物を含有する液体原料を板11の一面側12に循環供給して薄膜状に流下させると共に、板11の他面側13に液体原料の凝固点以下の温度の冷媒を薄膜状に流下させる。液体原料の供給流量については、物性特に表面張力に関係するが、膜厚が安定した薄膜流を得るためには、好ましくは幅1m当り0.1トン/hr以上であり、更に好ましくは0.25トン/hr以上である。なお前記供給流量の上限は、薄膜流が得られる範囲であれば制限されず、流量が多いほど伝熱係数が向上して処理速度が上がるため、流量は可能な限り多いほうが望ましい。液体原料の供給温度については、好ましくは凝固点から+5℃以内、更に好ましくは+1℃以内である。
【0017】
冷媒は温調用媒体例えばエタノ−ル水溶液を冷却器16で冷却して得られる。この冷媒の温度については、液体原料の凝固点以下であれば制限はないが、結晶が析出し始めた初期時には、急激に晶析すると結晶の純度が低くなるので凝固点マイナス20度よりも高い温度であることが好ましい。このようにアクリル酸を流下させながら冷却することにより板11の一面側にアクリル酸の結晶が析出する。結晶層の厚さが所定値に達した後、母液(未結晶残留液体)を循環供給系から抜き出す。ただし結晶層が薄いと不純物が取り込まれやすく、精製度が低くなり、逆に厚くなりすぎると熱伝導が悪くなり、晶析に要する時間が長くなって効率的でない。従って結晶層の厚さは5〜20mmが好ましく、より好ましくは7〜15mmである。
【0018】
その後、前記温調用媒体を加熱器17でアクリル酸の結晶の凝固点以上の温度に加熱して熱媒とし、この熱媒を板11の他面側13に薄膜状に流下させる。そして熱媒の流下と共に、既に得られたアクリル酸の結晶の融液(精製融液)を加熱して板11の一面側12に流下させる。この結果アクリル酸の結晶は両面から加熱され、短時間で融解する。
【0019】
ここで系外から供給される液体原料中には、予め重合禁止剤が添加されているが、重合禁止剤はアクリル酸の結晶中には含まれず、仮に含まれていたとしても重合禁止作用を発揮できる程度の量を大幅に下回った量である。
【0020】
本晶析方法では結晶可能な成分を含有する液体原料を冷却し前記成分の結晶を析出た後、分離した結晶を融液として回収する際、析出した結晶と同等純度の精製融液に予め重合禁止剤を添加すると共に、所定温度に加熱した状態で板11の一面側12に流下させる。これにより板11に付着している生成結晶は、加熱された精製融液により、速やかに融解すると共に生成結晶の融解は重合禁止剤の存在下で行われるので重合のおそれがないことになる。また板11から流下した融液(加熱用融液と板11の結晶が融解した融液との混合融液)中には重合禁止剤が存在することになる。従ってアクリル酸の結晶の融解時や、精製融液を送液あるいは晶析システム内の中間貯槽に貯留しているときに、アクリル酸が重合するおそれはない。
【0021】
本発明において、重合禁止剤を添加する精製融液は、現在融解しようとする結晶と同等程度の精製純度を有するものである。具体的には、多段階で晶析操作を繰返し実施する際の精製段が同一段の結晶融解液が好ましいが、他の方法で調整したものでもよい。
【0022】
以上の晶析操作を行う場合、結晶を完全に融解する前に部分融解を行う発汗操作を行うことが好ましい。発汗操作とは、析出した結晶間に取り込まれた又は結晶表面中に付着している不純物濃度が高い液体を融解除去するものであって、結晶中の不純物濃度をさらに低くするために行われるものである。具体的には、板11の他面側13に結晶の凝固点以上の温度の熱媒を流下させる前に、目的とする純物質の融点の例えば±5℃以内の温度の熱媒を板11の他面側13に薄膜状に流下させて結晶を部分融解させることにより行われる。従って加熱器17により、結晶を部分融解させる際には熱媒を融解操作より低い温度に加熱するようにすれば発汗操作を行うことができるので、融液中の不純物濃度をさらに低くすることができる。
【0023】
次に晶析器1を用いた晶析装置として、先ず1段階の晶析操作を実施する単段晶析装置を例にとってその概略を図2に基づいて述べる。2〜4は夫々第1〜第3貯槽であり、5は循環槽である。図中バルブ等は省略してある。この装置では、第2貯槽3に系外から、酢酸やプロピオン酸などの不純物を含むとともに重合禁止剤が添加されたアクリル酸である、液体原料を供給する。この液体原料を循環槽5内に送り、晶析器1内を通流させて晶析器1内にアクリル酸の結晶を析出させる。
【0024】
この工程で得られた未結晶残留液体(母液)は循環槽5内に溜まり、第1貯槽2内に送られる。続いて晶析器1内のアクリル酸の結晶に対して既述のように発汗操作(部分融解)を行い、その発汗液を第2貯槽3内に貯留する。その後第3貯槽4内の精製融液を循環槽5内に送り、加熱手段51でアクリル酸の結晶の凝固点以上の温度に加熱し、晶析器1内に供給してアクリル酸の結晶を既述の如く両面から加熱して融解する。
【0025】
そして第3貯槽4内の精製融液には、当該タンク貯槽4に設けた重合禁止剤供給管を通じて重合禁止剤が添加されている。また第3貯槽4内に攪拌手段を設けておくことにより精製融液中の重合禁止剤濃度を均一にできる。
【0026】
ここで第3貯槽4内の精製融液は、今行われている晶析操作よりも前の操作において、第2貯槽3内の液体原料を精製したものであり、従って現在晶析器1内にある結晶とほぼ同じ純度である。
【0027】
このため先述したように精製融液の貯留時、送液時、加熱時は勿論のこと、重合禁止剤が実質含まれていない結晶の融解時にアクリル酸が重合するおそれはない。ただし重合禁止剤の供給方法については、循環槽5に重合禁止剤供給管を設け、ここで精製融液と重合禁止剤とを混ぜてもよいし、別途専用の調整槽を設け、その調整槽内で重合禁止剤を精製融液に添加して重合禁止剤溶液を調整し、これを、第3貯槽4内に戻すようにしてもよい。
【0028】
ところで本発明方法は特に多段晶析を行う場合に有効であり、以下に3段晶析を行う晶析装置を例にとって図3を参照しながら説明する。図中V−1〜V−4は第1〜第4貯槽であり、第4貯槽は製品であるアクリル酸を一時貯留する製品貯槽である。V−5は循環槽であり、この循環槽内の液体が晶析器1内に循環供給される。またV−0は母液貯槽であり、最も低純度の液体原料を用いた晶析操作で得られた、つまり貯槽V−1内の液体原料を晶析して得られた母液を廃液として一時貯留するためのものである。
【0029】
次にこの晶析装置の定常運転が行われているときの状態において、多段階晶析がどのように行われるかについて述べる。先ず第2貯槽V−2に系外から液体原料を供給する。液体原料としては、例えば酢酸やプロピオン酸などの不純物を含むとともに重合禁止剤が添加されたアクリル酸が用いられる。
【0030】
そして第2貯槽V−2内の液体原料を循環槽V−5に送り、晶析器1に循環供給してアクリル酸の結晶を析出させる。この操作で得られた母液は循環槽V−5から第1貯槽V−1に送られる。次いで前記結晶に対して発汗操作を行い、その発汗液は循環槽V−5から第2貯槽V−2に送られる。
【0031】
その後第3貯槽V−3内の液体を循環槽V−5に送り、この液体を結晶の凝固点以上の温度に加熱して晶析器1内に循環供給し、結晶を融解する。第3貯槽V−3内の液体は、現在の晶析操作よりも前の晶析操作にて第2貯槽V−2内の液体原料を精製した精製融液である。そして第3貯槽V−3の精製融液には重合禁止剤の供給管が設けられており、これにより当該貯槽V−3内に予め重合禁止剤が添加されている。従って結晶の融液は重合禁止剤の存在下で行われ、その融液中にも重合禁止剤が含まれることになる。こうして得られた融液(当該結晶の融液と第3貯槽V−3内の融液とを合わせた融液)は循環槽V−5から第3貯槽V−3へ送られる。図4は以上の晶析操作における液の移動を示す図である。
【0032】
続いて第3貯槽V−3内の融液に対して晶析操作を行う。この操作は先に行った第2貯槽V−2内の液体原料の操作と同様であり、得られた母液、発汗液、精製融液を戻す貯槽が、1段ずれるだけである。即ち第3貯槽V−3内の融液を循環槽V−5内に送り、晶析器1にて晶析を行い、その母液を第2貯槽V−2内に、発汗液を第3貯槽V−3内に夫々貯留する。そして結晶の融液工程では第4貯槽V−4内の融液を加熱して当該結晶に循環供給し、その結晶の融液を熱媒として用いた融液と共に第4貯槽V−4内に回収する。
【0033】
ただしこの融解工程に用いた第4貯槽V−4内の融液は、現在の晶析操作よりも前の晶析操作にて第3貯槽V−3内の融液を精製して得たものである。また第4貯槽V−4には重合禁止剤の供給管が設けられており、これにより当該第4貯槽V−4内に予め重合禁止剤が添加される。このため結晶の融解工程は重合禁止剤の存在下で行われ、その融液中にも重合禁止剤が含まれることになる。こうして得られた融液はこの例では製品としてのアクリル酸となり、第4貯槽V−4内から、晶析装置の外に設けられた図示しない大型製品貯槽に送られる。図5は以上の晶析操作における液の移動を示す説明図である。
【0034】
第3貯槽V−3内の融液の晶析操作に続いて第1貯槽V−1内の融液(第2貯槽V−2内の融液の晶析操作で得られた母液)に対して晶析操作を行う。この操作は、既述の操作と全く同様であり、得られた母液は晶析装置の外の母液貯槽V−0に送られ、発汗液は第1貯槽V−1に送られる。また結晶の融解工程においては第2貯槽V−2内の液体原料を加熱して融解を行い、得られた融液は第2貯槽V−2内に貯留される。
【0035】
第1貯槽V−1内の液体原料の晶析操作の後、第2貯槽V−2内の液体原料の晶析操作を行い、1サイクルを終了する。つまりこの例では、定常運転中のある1サイクルについてみると、先ず第2貯槽V−2内に外部から液体原料を供給し、当該第2貯槽V−2の液体について晶析操作を行い、続いて、第3貯槽V−3、第1貯槽V−1、第2貯槽V−2の各液体について晶析操作を行い、このような1サイクルの工程の後、次の1サイクルが行われる。
【0036】
なお第2貯槽V−2内の液体について2回晶析を行っているのは、第2貯槽V−2内に外部から液体原料が供給されるためである。従って1サイクル工程は、第2段晶析→第3段晶析→第1段晶析→第2段晶析となり、結局3段の晶析操作からなっている。
【0037】
図6は5段の晶析操作を実施する晶析装置である。ここで、V−0’は最終母液の一時貯槽、V−1’〜V−5’はそれぞれ、1〜5段の晶析の中間原料貯槽、V−6’は製品の一時貯槽、V−7’は循環槽である。原料のアクリル酸は貯槽V−4’に供給する。3段晶析のように、各段での原料、発汗、晶析量をほぼ同様にするには、貯槽V−nの符号を簡略化してnと表示することにすると、2→3→4→5→3→4→5→4→2→3→4→5→3→4→5→4→1→の順で晶析を行うことができる。
【0038】
ただし外部から液体原料を供給する貯槽は目的とする製品の精製純度と回収率から決めるものであり、3段晶析の場合第1貯槽V−1であっても第3貯槽V−3であってもよく、5段晶析の場合、第4貯槽V−4以外の槽であってもよい。また晶析操作の段数は、貯槽を必要な数だけ設けて6段以上としてもよい。
【0039】
上述の重合禁止剤が添加されている液体原料を最終段以外の貯槽に供給する多段晶析操作の場合、最も精製される最終段の晶析原料となる液体原料中に、3段晶析の例では第3貯槽V−3内に、5段晶析であれば5段目の貯槽中に重合禁止剤を供給するようにしているので重合禁止剤を外部から供給する必要がなくなる。例えば5段晶析の場合、5段目の貯槽中に重合禁止剤を入れておけば、5段目の晶析時の母液は4段目の貯槽中に貯留されるので4段目の貯槽中にも自動的に重合禁止剤が含まれることになり、同様にして3段目、2段目、1段目の各貯槽中にも重合禁止剤が含まれることになる。そして最終段よりも下段(精製程度の低い段)の晶析操作においては、上段側の融液を結晶の融解工程に使用するので結晶が融解していくとき、結晶中に重合禁止剤が実質含まれていなくても融液中には重合禁止剤が含まれることになる。
【0040】
最終段の晶析操作では製品アクリル酸を用いて結晶の融解を行うが、この製品アクリル酸には重合禁止剤を添加しているので(3段晶析の例では第4貯槽V−4に、5段晶析の例では第6貯槽V−6にそれぞれ重合禁止剤を供給している)、その融液中には当然重合禁止剤が含まれることになる。
【0041】
なお、重合禁止剤が添加されている液体原料を最終段の貯槽に供給する場合には、製品貯槽(3段晶析の例では第4貯槽V−4、5段晶析の例では第6貯槽V−6’)にのみ重合禁止剤を供給すれば上記と同様に各段に重合禁止剤が含まれることになる。
【0042】
以上のことから多段晶析操作において最終段の液体原料中及び製品アクリル酸中に重合禁止剤を添加しておくことにより晶析装置内で、貯留時、融解時、送液時にアクリル酸の重合が起こるおそれがなく、例えば融液の加熱温度コントロールに異常が生じた場合でも重合の暴走による爆発事故等を未然に防止できる。また各晶析段の貯槽内に重合禁止剤を供給しなくてよいので重合禁止剤の供給を効率的に行うことができ、装置構成及び操作が簡略化されると共に晶析時間も短縮でき、重合禁止剤の供給量を低減できる。
【0043】
なお単純に各晶析段毎に重合禁止剤を加えた場合操作が煩雑になり、重合禁止剤の供給量が増え、最下段から系外に排出される母液中に大量の重合禁止剤が含まれることになる。更に下段の晶析原料中の重合禁止剤の濃度が高くなるため、凝固点降下が大きくなり、晶析を下げるか晶析時間を延ばす必要が生じる。
【0044】
ここで重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、クレゾール、フェノール、t−ブチルカテコール等のフェノール系重合禁止剤、あるいはジフェニルアミン、フェノチアジン、メチレンブルー等のアミン系重合禁止剤、または銅塩やマンガン塩などの少なくとも1つが使用される。また、これらの重合禁止剤の少なくとも一つを使用し更に分子状酸素含有ガス雰囲気で融解操作を実施することが好ましい。
【0045】
そして重合禁止剤を製品貯槽及び最終段の貯槽に供給する方法については、例えば調合槽を設け、最終製品(高純度アクリル酸)を一部取り出してこれに重合禁止剤(固体)を溶解した高濃度溶液を前記調合槽内で調整し、この高濃度溶液を定量ポンプで送液する。最終段の貯槽へ重合禁止剤を供給するタイミングとしては、融液を循環して結晶を融解し、融解後の液を循環槽から最終段の貯槽に送った後、当該貯槽内に重合禁止剤を供給する。これは、結晶融液が加算されて重合禁止剤の濃度が低下するのを避けるためである。
【0046】
重合禁止剤の濃度については、製品は長期貯蔵をする場合があるため、20重量ppm以上が好ましく、より好ましくは50重量ppm以上である。一方中間貯槽内の液は短時間で入れ替わるので、重合禁止剤の濃度は結晶を融解した段階で10ppm以上であればよい。重合禁止剤の濃度管理は、製品貯槽及び最終段の貯槽(5段晶析の場合V−6及びV−5)中の重合禁止剤の濃度を常時検出してオンラインで監視するか、あるいは定期的に液をサンプリングして重合禁止剤の濃度を測定し、その濃度に基づいて前記調合槽からの高濃度重合禁止剤溶液の供給量を調整することによって行なわれる。ただし実際の工業的な操作においては、原料供給量、製品生産量、最終母液量、および、各晶析段での原料、母液、発汗液、結晶の量などの物質収支は正確に計算され、制御されるため、上記の濃度になるように重合禁止剤量の供給量をあらかじめ設定しておくことができる。
【0047】
【実施例】
次に本発明方法の効果を確認するために行った実験結果について述べる。
【0048】
実施例−1
実験装置として図3に示す晶析装置を用い、不純物を含むアクリル酸を原料として3段の晶析を行った。晶析器としては図1にて示す垂直プレート型を用いた。晶析板の大きさは幅200mm、高さ600mmであり、晶析器の前面には透明塩化ビニル板を設置して目視可能とした。冷媒は30重量%エタノール水溶液を使用した。第1〜第3の貯槽V−1〜V−3の各々には既に行った晶析、発汗、融解操作で得られた液体が入っているが、貯槽V−3に蓄えられているアクリル酸には、重合禁止剤として4−メトキシフェノール(メチルヒドロキノン)を100重量ppmになるように加えておいた。また、原料アクリル酸とV−4中の製品アクリル酸は同じ重合禁止剤を100ppm含むように調製してある。
【0049】
晶析原料の、不純物を含んだアクリル酸は、第2段の貯槽V−2に供給される。第2段の晶析を例にとると第3段晶析の母液766g、第1段の結晶融液754g、第2段の発汗液168g、および原料アクリル酸1520gを混合して3208gとし、これを2回に分けて晶析した。1回の晶析で1601gの原料を使用し、母液763g、発汗液84g、および結晶融液757gを得た。結晶融解のときは、第3段の貯槽V−3中の液体200gを循環槽V−5に供給し、これを晶析器に循環しながら融解した。すなわち、第2段の晶析2回で得られた母液1526gを第1段の貯槽V−1に、発汗液168gを第2段の貯槽V−2に、結晶融液1514gを第3段の貯槽V−3に、それぞれ送った。
【0050】
第3段の晶析では、第2段の晶析から送られてきた結晶融液1514gに第3段の発汗液84gを混合した1598gを原料として、母液760g、発汗液84g、および結晶融液754gを得た。この母液は貯槽V−2に、発汗液は貯槽V−3に、結晶融液は製品一時貯槽V−4に送った。第2段の操作と同様に、融解時にはV−4中の液体を循環して結晶を融解させた。
【0051】
同様に、第1段の晶析では、第2段の晶析から送られてきた母液1526gに第1段の発汗液84gを加えた1610gを原料として、母液766g、発汗液84g、および結晶融液760gを得た。融解は貯槽V−2中の液体を循環しながら行った。この母液は最終母液一時貯槽V−0に、発汗液は貯槽V−1に、結晶融液は貯槽V−2に送った。このようにして、第1段晶析1回、第2段晶析2回、第3段晶析1回で一つのサイクルが完了し、原料1520gから、製品754gと、最終母液766gが得られた。なお、すべての段階において、晶析温度は2℃、発汗温度は15℃および融解温度は25℃に制御した。この操作を5日継続したが、問題なく操作が可能であった。
【0052】
比較例−1
前もってV−3中に重合禁止剤を供給しないこと以外は実施例−1と全く同様の操作を行ったところ、貯槽V−2とV−3中のアクリル酸が激しい重合を起こした。重合前の分析では、V−2中の重合禁止剤の濃度は5ppm、V−3中の濃度は1ppmであった。なお、実施例−1では、V−2中の重合禁止剤の濃度は80ppm、V−3中の重合禁止剤の濃度は融解直後で30ppmであった。
【0053】
実施例−2
内管内径40mm、外管内径70mm、長さ800mmのガラス製二重管を晶析器として使用し、内管内壁にアクリル酸を薄膜状に流し、内管と外管の間に冷媒を流して晶析を行った。原料アクリル酸を900g使用し、600gを結晶化させて母液を排出した。ついで、4−メトキシフェノールを重合禁止剤として200ppm含む精製アクリル酸を200g循環槽に供給し、結晶上に循環しながら融解した。
【0054】
ここで得られた融液800gを原料として、再度晶析し得られた結晶600gに、同様に重合禁止剤を200ppm含む精製アクリル酸を200g循環槽に供給し、結晶上に循環しながら融解した。得られた融液は長期間15℃で保存できた。
【0055】
比較例−2
実施例−2と同様な装置で、原料アクリル酸1000gから結晶800gを晶析させた。ついで、冷媒の温度を25℃に昇温して、融液を循環せずに融解した。さらにこの融液を原料として、結晶600gを晶析し、同様に融解した。この融液を保存していたところ、激しい重合が起こった。重合前の分析では、融液中の重合禁止剤濃度は6ppmであった。
【0056】
実施例−3
図6に示した装置を用いて、5段の晶析を行った。原料のアクリル酸は貯槽V−4’に供給する。実施例1のように、各段での原料、発汗、晶析量をほぼ同様にするには、
2→3→4→5→3→4→5→4→2→3→4→5→3→4→5→4→1→
の順序で晶析を行うのがよいことがわかった。
【0057】
ここで、V−4’に供給するアクリル酸、および、V−6’に蓄えられる製品には、それぞれ100ppmになるように重合禁止剤(4−メトキシフェノール)を添加してある。これに加えて、V−5’のみに100ppmになるように重合禁止剤を加え、V−0’〜V−4’には外部から重合禁止剤を添加せず上記17段の工程を5回繰り返した。重合を起こすことなく、すべての工程が問題なく操作できた。
【0058】
以上において本発明方法に用いる晶析器としてはプレート型に限らず、実施例−2で用いたような管の内壁に沿って液体原料を流下させるタイプのものであってもよいし、その他の晶析器であってもよい。また液体原料としては、アクリル酸に限らずメタクリル酸など、その他の重合性のある化合物を用いることができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によればアクリル酸、メタクリル酸などの重合性のある化合物を晶析する際に、重合を回避することができ、爆発事故などを防止できる。また多段の晶析操作において、重合禁止剤の供給を効率的に行うことができ、これによって操作が簡略化され重合禁止剤の供給量も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で使用する晶析器の一例を示す側面図及び正面図である。
【図2】本発明方法を実施する晶析装置の一例を示す説明図である。
【図3】本発明方法を実施する晶析装置の他の例を示す説明図である。
【図4】多段晶析装置における液の移動を示す説明図である。
【図5】多段晶析装置における液の移動を示す説明図である。
【図6】本発明方法を実施する晶析装置のさらに他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 晶析器
11 板
12 一面側
13 他面側
14 原料供給器
15 冷媒供給管
2、3、4 貯槽
5 循環槽
V−0、V−0’ 母液貯槽
V−1、V−2、V−3、V−1’、V−2’、V−3’、V−4’、V−5’ 貯槽
V−4、V−6’ 製品の一時貯槽
V−5 循環槽
Claims (4)
- 結晶可能な成分を含有する液体原料を冷却し、前記成分の結晶を析出させる結晶化工程と、分離した結晶を融解し融液として回収する融解工程と、を含む晶析操作を多段階で行うことにより前記成分の純度を順次高める晶析方法において、
重合禁止剤が添加された液体原料を最終精製段階で結晶化する結晶化工程と、
液体原料に対して多段階で行われる一連の晶析操作を1サイクルと呼ぶとすると、前記結晶化工程が実施されるサイクルよりも一つ前のサイクルにおいて実施した最終精製段階の晶析操作により得られた結晶を融解して得た精製融液に重合禁止剤を添加する工程と、
この工程で得られた重合禁止剤添加精製融液を加熱し、前記結晶化工程にて得られた結晶に循環供給して当該結晶を融解する工程と、
この工程で得られた融液を前記重合禁止剤添加精製融液と共に回収する工程と、を含むことを特徴とする晶析方法。 - 結晶可能な成分を含有する液体原料を冷却する冷却手段と、冷却により析出した前記成分の結晶を分離後融解し融液として回収する融解回収手段とを備えた晶析器と、1番目からN(3≦N)番目までの貯槽と、を含む晶析装置を用いて、
K(K<N)番目の貯槽内の液体原料について前記晶析装置により晶析を行ってその未結晶残留液体(母液)をK−1番目の貯槽に貯留する(K−1が0のときは晶析装置の系外に排出する)と共に結晶融液をK十1番目の貯槽内に貯留し、K番目の貯槽内の液体原料の結晶の融解回収時は、K十1番目の貯槽内の精製融液を加熱して前記結晶に循環させながら供給して、このような操作を1番目からN−1番目の貯槽内の液体原料についてN−1段の多段階晶析を行う晶析方法であって、
液体原料に対して多段階で行われる一連の晶析操作を1サイクルと呼ぶとすると、系外から晶析装置に供給される液体原料があるサイクルで1番目からN−2番目の貯槽に供給される場合には、重合禁止剤をN−1番目とN番目の貯槽内に貯留されている前記サイクルの一つ前のサイクルで得られた精製融液のみに供給し、系外から供給される液体原料がN−1番目の貯槽に供給される場合には、重合禁止剤をN番目の貯槽内に貯留されている前記サイクルの一つ前のサイクルで得られた精製融液のみに供給することを特徴とする晶析方法。 - 結晶を融解して回収する全体融液中の重合禁止剤濃度を10重量ppm以上となるように精製融液中に重合禁止剤を添加する請求項1または2記載の晶析方法。
- K番目の貯槽内の液体原料の結晶を析出させた後その結晶を融解する前に部分融解し、この部分融解により得られた融液をK番目の貯槽に貯留する請求項2または3記載の晶析方法。
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