JP3785001B2 - 固形状化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料に関する技術分野の発明であり、より具体的には、固形状化粧料に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体は、独特の弾力性があり、化粧料に配合すると、化粧料の肌なじみや肌上でののびがよくなり、その塗擦感がさっぱりとしてなめらかになり、感触がやわらかになり、また、肌に違和感や刺激を与えない等の好ましい特性を有する化粧料用粉体として開発され(特開平2−243612号公報、特公平4−17162号公報、特公平4−66446号公報)、従来、種々の製品に配合されている。
【0003】
しかし、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体の好ましい特性を化粧料において十分に発揮させるために、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体を化粧料中に多量に配合すると、固形状化粧料について、衝撃に対する安定性(以下、耐衝撃性ともいう)が悪化するという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体を多量に配合しても、衝撃に対する優れた安定性を有する固形状化粧料を提供することにある。
【0005】
本発明者は、この課題の解決に向けて、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体について、鋭意検討を行った。その結果、平均粒子径が0.1〜200μmのオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体のうち、JIS A硬度が50〜100のオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体は、たとえこの粉体を多量に固形状化粧料に配合しても、その化粧料の衝撃に対する安定性を悪化させず、衝撃に対する安定性に優れた固形状化粧料が得られること、および、このJIS A硬度が50〜100のオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体を配合した固形状化粧料は、肌なじみや肌上でののびがよく、さっぱりとしてなめらかな塗擦感を有し、肌に違和感や刺激を与えない等の、従来から認められていた好ましい特性を有すること、さらに化粧持ちにも優れていることを見いだして本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、JIS A硬度が50〜100のオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(その平均粒子径は0.1〜200μmである)を含有し、かつ、融点が85〜125℃であり平均粒子経が0.1〜10μ m の非球状固形油粉末の含有量が化粧料全体に対して0.25重量%未満である、固形状化粧料(以下、本発明固形状化粧料という)を提供する。
【0007】
ここで、「平均粒子径」とは、光学顕微鏡を用いて各粒子の定方向径を測定し、その合計値を、測定した粒子の個数で割った値を意味する。
また、「JIS A硬度」とは、JIS K 6301に規定されるJIS A硬度計により測定される硬度を意味する。
【0008】
また、「固形状化粧料」とは、粉体を圧縮して固形にした化粧料であって、例えば、固形白粉,パウダリーファンデーション,両用ファンデーション,水使用タイプファンデーション,固形乳化型ファンデーション,固形ほほ紅等が挙げられる。
【0009】
本発明固形状化粧料において、前記オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体の含有量が、化粧料全量に対して0.1〜50.0重量%である場合が、特に優れた効果を発揮し得る。
【0010】
また、本発明固形状化粧料において、前記オルガノポリシロキサンエラストマーのJIS A硬度が50〜80である場合が、特に優れた効果を発揮し得る。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明固形状化粧料に配合されるオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体は、JIS A硬度が50〜100であるオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体であり、好ましくは、JIS A硬度が50〜80であるオルガノポリシロキサンの球状粉体である。オルガノポリシロキサンエラストマーのJIS A硬度が50未満であると、それを配合した固形状化粧料の衝撃に対する安定性が悪くなり、好ましくなく、100を超えると、化粧持ちが悪くなり、好ましくない。
【0012】
また、本発明固形状化粧料に配合されるオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体の平均粒子径は、0.1〜200μmであり、好ましくは0.5〜20.0μmである。その平均粒子径が0.1μm未満であると、なめらかな塗擦感が失われ、好ましくなく、200μmを超えると、ざらついた感触を伴い、好ましくない。
【0013】
また、本発明固形状化粧料に配合されるオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体は、真球状の粉体でも、断面が楕円形である球状の粉体でもよいが、よりさらさらして好ましい感触が得られるという理由で、真球状の粉体であることが好ましい。
【0014】
JIS A硬度が50〜100であるオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(その平均粒子径は0.1〜200μmである)の製造方法は特に限定されないが、一般に、硬化型オルガノポリシロキサン組成物を原料として製造することができる。この場合の原料の硬化型オルガノポリシロキサン組成物としては、例えば、
けい素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンとけい素原子結合低級アルケニル基、例えばビニル基を有するオルガノポリシロキサンとが、白金系触媒の存在下に、付加反応することにより硬化する、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物;
分子鎖両末端に水酸基を有するジオルガノポリシロキサンとけい素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサンとが、有機錫化合物の存在下に、脱水素反応することにより硬化する、縮合反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物;
【0015】
分子鎖両末端に水酸基を有するジオルガノポリシロキサンと加水分解性のオルガノシラン類とが、有機錫化合物ないしチタン酸エステル類の存在下に、縮合反応することにより硬化する、縮合反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物(ここで縮合反応としては、例えば、脱水,脱アルコール,脱オキシム,脱アミン,脱アミド,脱カルボン酸,脱ケトン等を挙げることができる);
有機過酸化物触媒により加熱硬化する、過酸化物硬化型オルガノポリシロキサンエラストマー組成物;
γ線、紫外線又は電子照射により硬化する、高エネルギー線硬化型オルガノポリシロキサン組成物
等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
これらの硬化型オルガノポリシロキサン組成物のうち、硬化速度が速いことや硬化の均一性に優れる点から、付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物が好ましい。付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物として特に好ましいものは、(A)1分子中に少なくとも2個のけい素原子結合水素原子を有するジオルガノポリシロキサン、(B)1分子中に少なくとも2個の低級アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン及び(C)白金系触媒からなるものである。
【0017】
上述した硬化型オルガノポリシロキサン組成物の主剤となるオルガノポリシロキサン又はジオルガノポリシロキサンのけい素原子に結合し得る、低級アルケニル基以外の有機基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,オクチル基のようなアルキル基;2−フェニルエチル基,2−フェニルプロピル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基のような置換アルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル基のようなアリール基;エポキシ基,カルボン酸エステル基,メルカプト基等を有する置換一価炭化水素基等を挙げることができる。
【0018】
上述した硬化型オルガノポリシロキサン組成物からJIS A硬度が50〜100のオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(その平均粒子径は0.1〜200μmである)を製造する方法としては、
(1)付加反応硬化型,縮合反応硬化型又は過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物を、ノニオン界面活性剤,アニオン界面活性剤,カチオン界面活性剤又は両性界面活性剤のような界面活性剤の存在下に、水と混合し、ホモミキサー,コロイドミル,ホモジナイザー,プロペラ型ミキサー等で均一な水分散物を得た後、50℃以上の熱水中に放出し硬化させ乾燥させる方法;
(2)付加反応硬化型,縮合反応硬化型又は過酸化物硬化型オルガノポリシロキサン組成物を、熱気流中に直接噴霧して硬化させる方法;
(3)高エネルギー線硬化型オルガノポリシロキサン組成物を、高エネルギー照射下に噴霧して硬化させる方法;
(4)付加反応硬化型,縮合反応硬化型,過酸化物硬化型又は高エネルギー線硬化型オルガノポリシロキサン組成物を硬化させたものを、ボールミル,アトマイザー,ニーダー,ロールミル等の公知の粉砕機により粉砕する方法
等を挙げることが可能である。
【0019】
これらの(1)〜(4)の方法のうち、より真球状の、粒子径のばらつきがより小さい粉体が得られることから、(1)の方法が好ましい。オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体に関する詳細は、特公平4−66446号公報,特開平2−243612号公報及び特公平4−17162号公報に記載されている。
【0020】
本発明固形状化粧料において、上記オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体の含有量は、化粧料全量に対して0.1〜50.0重量%であることが好ましく、同1.0〜20.0重量%であることが特に好ましい。この含有量が、化粧料全量に対して0.1重量%未満であると、さっぱりとしてなめらかな塗擦感が得られる等の、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体による化粧料の使用性の改善効果が少なく、好ましくなく、同50.0重量%を超えると、得られる固形状化粧料の衝撃に対する安定性が悪くなり、また、肌上でののびが重くなり、きしみ感を生じ、好ましくない。
【0021】
また本発明固形状化粧料には、上記オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体の他に、顔料の粉体を配合することができる。配合され得る顔料の粉体は、通常、化粧料に配合されるものであれば、特に限定されず、無機顔料,有機顔料等の任意の顔料の粉末を配合することができる。
【0022】
無機顔料としては、例えば、タルク,カオリン,炭酸カルシウム,亜鉛華,二酸化チタン,赤酸化鉄(ベンガラ),黄酸化鉄,黒酸化鉄,群青,チタンコーティッドマイカ,オキシ塩化ビスマス,焼結顔料,グンジョウピンク,水酸化クロム,雲母チタン,酸化クロム,酸化アルミニウムコバルト,紺青,カーボンブラック,無水ケイ酸,ケイ酸マグネシウム,ベントナイト,マイカ,セリサイト,酸化ジルコニウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛,酸化チタン,軽質炭酸カルシウム,重質炭酸カルシウム,軽質炭酸マグネシウム,重質炭酸マグネシウム,カラミン等が挙げられる。
【0023】
有機顔料としては、ポリエステル,メタクリル酸メチル樹脂,セルロース,12ナイロン,6ナイロン,スチレンとアクリル酸の共重合体,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ナイロンパウダー,ポリエチレンパウダー,ベンゾグアナミンパウダー,テトラフルオロエチレンパウダー,窒化ボロン,魚鱗箔,タール系色素をレーキ化したもの,天然色素をレーキ化したもの,無機顔料と有機顔料を複合化した複合顔料等が挙げられる。
【0024】
顔料の粉体は、疎水化処理を施されたものが特に好ましい。疎水化処理を施した粉体としては、高粘度シリコーンによって表面を処理したもの,アルキルハイドロジェンポリシロキサンを反応させたシリコーン樹脂で表面をコーティングしたもの,さらにこれをアルケン処理したもの,カチオン性活性剤,アニオン性活性剤及びノニオン性活性剤の1種又は2種以上で処理したもの,ワックスで表面を被覆したもの、デキストリン脂肪酸で処理したもの、パーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物で処理したもの等を挙げることができるが、表面が疎水性になっていればよく、これらに特に限定されるものではない。
【0025】
本発明固形状化粧料において、上記オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体を含む粉体全体の含有量は、化粧料全量に対して70.0〜99.0重量%であることが好ましい。
【0026】
本発明固形状化粧料には、上記オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体を含む粉体の他,油分,水等の、通常、固形状化粧料に配合される成分を、本発明の効果を損なわない範囲で、配合することができる。
【0027】
本発明固形状化粧料に配合され得る油分としては、例えば、
ジメチルポリシロキサン,ジメチルシクロポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン,メチルハイドロジェンポリシロキサン,高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン,高級アルコール変性オルガノポリシロキサン,トリメチルシロキシシリケート,デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン油;
流動パラフィン,スクワラン,ワセリン,ポリイソブチレン,マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油;
【0028】
イソプロピルミリステート,ミリスチルオクチルドデカノール,ジ−(2−エチルヘキシル)サクシネート等のエステル油;
ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール,モノステアリン酸グリセリン,イソステアリン酸トリグリセライド,ヤシ油脂肪酸トリグリセライド等のグリセライド;
【0029】
ヒマシ油,オリーブ油等の油脂;
エタノール等の低級アルコール;
オクチルドデカノール,ヘキサデシルアルコール,セチルアルコール,オレイルアルコール,ステアリルアルコール,ポリエチレングリコール等の高級アルコール;
ラウリン酸,パルミチン酸,オレイン酸,ステアリン酸,イソステアリン酸等の高級脂肪酸;
ラノリン,ミツロウ等のロウ類;
フルオロカーボン油;
等を挙げることができる。本発明固形状化粧料において、このような油分の含有量は、化粧料全量に対して1.0〜30.0重量%であることが好ましい。
【0030】
また、本発明固形状化粧料において、乳化が行なわれる場合には、水の含有量は、化粧料全量に対して、一般に、1.0〜50.0重量%である。
さらに、本発明固形状化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、
多価アルコール(グリセリン等),ムコ多糖類 (ヒアルロン酸ナトリウム等),有機酸及び有機塩類(アミノ酸,アミノ酸塩,オキシ酸塩等)等の保湿剤;カチオン性界面活性剤,アニオン性界面活性剤,非イオン性界面活性剤等の界面活性剤;
【0031】
ビタミンE,ビタミンEアセテート等の薬剤;収れん剤;酸化防止剤;防腐剤;香料;第二リン酸ナトリウム等のpH調整剤;粘土鉱物;増粘剤;紫外線吸収剤等
を、配合することが可能である。
【0032】
これらの成分のうち、保湿剤を配合することは、化粧料それ自体の水の揮発を抑制するために好ましい。
本発明固形状化粧料は、例えばファンデーション,白粉,ほほ紅,アイシャドー,眉墨,アイライナー等として用いることができる。
【0033】
本発明固形状化粧料の具体的な処方については、後述する。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を、実施例等を用いてさらに具体的に説明する。ただし、これらの実施例により、本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
【0035】
なお、これらの実施例等における配合量は、特に断らない限り、その成分が配合される系全体に対する重量%である。
また、オルガノポリシロキサンエラストマーのJIS A硬度、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体の平均粒子径、化粧料の官能評価及び化粧料の耐衝撃性は、次に示す方法により測定した。
【0036】
<オルガノポリシロキサンエラストマーのJIS A硬度>
原料のオルガノポリシロキサン組成物を150℃の熱風循環式オーブン中で1 時間加熱してオルガノポリシロキサンエラストマーを調製し、これを室温まで冷却後、JIS K 6301に規定されるJIS A硬度計により、オルガノポリシロキサンエラストマーのJIS A硬度を測定した。
【0037】
<オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体の平均粒子径>
光学顕微鏡を用いた観察により粒子径を測定し、平均粒子径を求めた。
<官能評価>
化粧品専門パネル10名を用いて、▲1▼のび,▲2▼塗擦感のさっぱりさ,▲3▼肌なじみ及び▲4▼化粧もちの官能評価を行い、10人中8名以上が良いと判断した場合を◎、6〜7名が良いと判断した場合を○、4〜5名が良いと判断した場合を△、3人以下が良いと判断した場合を×として、評価した。
【0038】
なお、化粧もちについては、2時間の歩行運動による実使用試験を実施した後の化粧崩れの度合いを観察し、化粧持ちが良い、とは、本人による化粧崩れの目視観察において、化粧崩れがない又は僅かでありほとんど化粧が残っている状態を示す。
【0039】
<耐衝撃性試験方法>
固形状化粧料を中皿に圧縮成形したままの状態で、50cmの高さから繰り返し鉄板平面に落下させ、11回目以降に割れた場合を◎、7〜10回目に割れた場合を○、5〜6回目に割れた場合を△、1〜4回目に割れた場合を×として、評価した。
【0040】
実施例1〜2及び比較例1〜5
以下に示す配合のプレストパウダーを後述する製造方法に従って調製し、官能評価及び耐衝撃性試験を行い、その結果を、使用した(7)の粉体の種類と共に第1表に示す。
【0041】
なお、第1表に示す粉体A〜Eはオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体であって、それらの製造方法は後述の通りである。また、粉末Fはポリメチルシルセスキオキサン粉体である、市販のトスパール(東芝シリコーン製,商品名)である。それぞれの粉体に関するJIS A硬度及び平均粒子径を測定し、その結果を第2表に示す。
【0042】
配合成分 配合量(重量%)
(1)タルク 残 量
(2)セリサイト 10.0
(3)カオリン 5.0
(4)二酸化チタン 5.0
(5)ミリスチン酸亜鉛 5.0
(6)着色顔料 3.0
(7)粉体 10.0
(8)多孔質球状シリカ(平均粒子径3μm) 5.0
(9)スクワラン 3.0
(10)トリイソオクタン酸グリセリン 2.0
(11)防腐剤 適 量
(12)香料 適 量
<製造方法>
(1)と(6)をブレンダーで混合する。これに(2)〜(5)(7)(8)を添加しよく混合してから(9)〜(11)を加え、調色した後、(12)を噴霧し均一に混ぜた。これを粉砕機で粉砕し、ふるいを通した後、中皿に圧縮成形して、プレストパウターを得た。
【0043】
【表1】
【0044】
第1表に示す結果から、JIS A硬度が50〜100のオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(その平均粒子径は0.1〜200μmである)を配合した実施例1又は2のプレストパウダーは、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体の配合量が10重量%と比較的多量でも、比較例1〜5のプレストパウダーと異なり、優れた耐衝撃性を有すると共に、▲1▼〜▲4▼の官能評価においても×はなく総合的に見て比較例1〜5のプレストパウダーより優れていることが明らかとなった。
【0045】
オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(粉体A)の製造方法
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(ビニル当量=2500)100重量部、粘度20mPa・sの分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリメチルハイドロジェンシロキサン5.2重量部及び塩化白金酸のイソプロパノール溶液(本組成物の重量に対して白金金属として50ppmとなる量)を5℃で均一に混合して液状オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
【0046】
この液状オルガノポリシロキサン組成物を、25℃の、純水(電気伝導度0.2μS/cm)とポリオキシエチレン(9モル付加)ラウリルエーテルとの2重量%水溶液300重量部中に速やかに混合した後、これをホモジナイザー(300kgf/cm2 )に通して均一な液状オルガノポリシロキサン組成物の水分散液を調製した。
【0047】
この水分散液を30℃で6時間静置し、次いで80℃で1時間加熱して、該組成物を硬化させた。その後、この水分散液をスプレードライヤーにより乾燥して、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(粉体A)を得た。
【0048】
オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(粉体B)の製造方法
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(ビニル当量=2500)100重量部、粘度20mPa・sの分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリメチルハイドロジェンシロキサン5.2重量部及び塩化白金酸のイソプロパノール溶液(本組成物の重量に対して白金金属として50ppmとなる量)を5℃で均一に混合して液状オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
【0049】
この液状オルガノポリシロキサン組成物を、25℃の、純水(電気伝導度0.2μS/cm)とポリオキシエチレン(9モル付加)ラウリルエーテルとの2重量%水溶液300重量部中に速やかに混合した後、これをホモジナイザー(200kgf/cm2 )に通して均一な液状オルガノポリシロキサン組成物の水分散液を調製した。
【0050】
この水分散液を30℃で6時間静置し、次いで80℃で1時間加熱して、該組成物を硬化させた。その後、この水分散液をスプレードライヤーにより乾燥して、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(粉体B)を得た。
【0051】
オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(粉体C)の製造方法
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(ビニル当量=2500)100重量部、粘度20mPa・sの分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたポリメチルハイドロジェンシロキサン5.2重量部及び塩化白金酸のイソプロパノール溶液(本組成物の重量に対して白金金属として50ppmとなる量)を5℃で均一に混合して液状オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
【0052】
この液状オルガノポリシロキサン組成物を、25℃の、純水(電気伝導度0.2μS/cm)とポリオキシエチレン(9モル付加)ラウリルエーテルとの2重量%水溶液300重量部中に速やかに混合した後、これをホモジナイザー(100kgf/cm2 )に通して均一な液状オルガノポリシロキサン組成物の水分散液を調製した。
【0053】
この水分散液を30℃で6時間静置し、次いで80℃で1時間加熱して、該組成物を硬化させた。その後、この水分散液をスプレードライヤーにより乾燥して、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(粉体C)を得た。
【0054】
オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(粉体D)の製造方法
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(ビニル当量=5000)100重量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体4.5重量部、粘度100センチストークスの分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン50重量部及び塩化白金酸のイソプロパノール溶液(本組成物の重量に対して白金金属として50ppmとなる量)を5℃で均一に混合して液状オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
【0055】
この液状オルガノポリシロキサン組成物を、25℃の、純水(電気伝導度0.2μS/cm)とポリオキシエチレン(9モル付加)ラウリルエーテルとの2重量%水溶液300重量部中に速やかに混合した後、これをホモジナイザー(300kgf/cm2 )に通して均一な液状オルガノポリシロキサン組成物の水分散液を調製した。
【0056】
この水分散液を30℃で6時間静置し、次いで80℃で1時間加熱して、該組成物を硬化させた。その後、この水分散液をスプレードライヤーにより乾燥して、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(粉体D)を得た。
【0057】
オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(粉体E)の製造方法
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(ビニル当量=5000)100重量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体4.5重量部及び塩化白金酸のイソプロパノール溶液(本組成物の重量に対して白金金属として50ppmとなる量)を5℃で均一に混合して液状オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
【0058】
この液状オルガノポリシロキサン組成物を、25℃の、純水(電気伝導度0.2μS/cm)とポリオキシエチレン(9モル付加)ラウリルエーテルとの2重量%水溶液300重量部中に速やかに混合した後、これをホモジナイザー(300kgf/cm2 )に通して均一な液状オルガノポリシロキサン組成物の水分散液を調製した。
【0059】
この水分散液を30℃で6時間静置し、次いで80℃で1時間加熱して、該組成物を硬化させた。その後、この水分散液をスプレードライヤーにより乾燥して、オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(粉体E)を得た。
【0060】
【表2】
【0061】
以下、さらに他の本発明固形状化粧料の処方例(実施例3〜5)及び比較例6〜9を示す。また、それぞれの化粧料について、上記▲1▼〜▲4▼の官能評価及び耐衝撃性試験を行った。その結果を、実施例1のプレストパウダーの官能評価の結果と共に、第3表に示す。
【0062】
<製造方法>
実施例1と同様にして各成分を混合し、パウダリーファンデーションを得た。
【0063】
<製造方法>
実施例1と同様にして各成分を混合し、両用ファンデーションを得た。
【0064】
<製造方法>
実施例1と同様にして各成分を混合し、パウダリーファンデーションを得た。
【0065】
比較例6
実施例1におけるオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体をタルクで置換した他は、実施例1と同様にしてプレストパウダーを得た。
【0066】
比較例7
実施例3におけるオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体をタルクで置換した他は、実施例3と同様にしてパウダリーファンデーションを得た。
【0067】
比較例8
実施例4におけるオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体をシリコーン処理タルクで置換した他は、実施例4と同様にして両用ファンデーションを得た。
【0068】
比較例9
実施例5におけるオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体をタルクで置換した他は、実施例5と同様にしてパウダリーファンデーションを得た。
【0069】
【表3】
【0070】
第3表に示す結果から、実施例1及び実施例3〜5の化粧料は、比較例6〜9の化粧料に比べて、優れた耐衝撃性を有すると共に、のび,塗擦感のさっぱりさ,肌なじみ,化粧持ちのいずれの点についても優れていることが明らかとなった。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、耐衝撃性に優れていると共に、肌なじみや肌上でののびがよく,塗擦感がさっぱりとしていて、しかも,化粧持ちにも優れた化粧料が提供される。
Claims (3)
- JIS A硬度が50〜100のオルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体(その平均粒子径は0.1〜200μmである)を含有し、かつ、融点が85〜125℃であり平均粒子経が0.1〜10μ m の非球状固形油粉末の含有量が化粧料全体に対して0.25重量%未満である、固形状化粧料。
- 前記オルガノポリシロキサンエラストマーの球状粉体の含有量が、化粧料全量に対して0.1〜50.0重量%である、請求項1記載の固形状化粧料。
- 前記オルガノポリシロキサンエラストマーのJISA硬度が50〜80である、請求項1又は2記載の固形状化粧料。
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