JP3778219B2 - 水性ジルコニアゾル及びその製法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、低活性ジルコニアの安定な水性ゾルとその製法に関する。特に、このゾルのコロイド状ジルコニアは、20〜1500nmの粒子径を有し、そして材料表面に付着しても、その材料を水中で洗浄すれば、その材料表面からその付着コロイド状ジルコニアが除去される如き低い表面活性を示す。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第2984628号には、緻密であって、電子顕微鏡観察による5〜200nmの平均粒子径(D)、窒素ガス吸着法により測定される5〜400m2 /gの比表面積そしてA×D=1000〜2000の関係を持つ究極のコロイド状ジルコニア粒子の安定な酸性水性ゾルが開示されている。上記ゾルは、ジルコニウム塩を120〜300℃の温度で加圧下に加熱して上記塩を加水分解する方法により製造される。
【0003】
特開平2−167826号公報には、コロイド状ジルコニアの安定なアルカリ性水性ゾルが開示されている。そのゾルは、50nmの粒子径を持つコロイド状ジルコニアの酸性水性ゾルに、水溶性の、ヒドロキシル基を持つ有機化合物を添加し、次いでその生成したゾルに6〜14のpHを持つゾルが形成されるように塩基性化合物を添加する方法により製造される。
【0004】
これらの引例に開示されているようなゾルと関連する従来技術のゾル中のジルコニアのコロイド状粒子は、材料、例えば半導体材料の表面をそれらゾルで研磨しそしてその後水で洗浄した場合、その表面にコロイド状粒子のまま付着してその材料の表面上に残留するか、又は、そのゾルが容器内で接触した場合に、容器を空にしその後水で洗浄した場合に、その内壁上にコロイド状粒子のまま付着してその容器の内壁上に残留する。従って、従来技術のジルコニアのコロイド状粒子は、高い表面活性を持つか又は高度に活性な表面を有する点に特徴を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的の一つは、コロイド状ジルコニアが材料の表面に付着したとき、その表面を水で又は水中で洗浄することによりその表面から容易に除去されるような低表面活性を持つコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾルを提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、そのような低表面活性を持つコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾルを製造するための方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に従って提供されるコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾルは、コロイド状ジルコニアが、窒素ガス吸着法により測定される5〜200m2 /gの比表面積と動的光散乱法により測定される20〜1500nmの粒子径を持つコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾルである。
【0008】
そのゾルのコロイド状ジルコニアの特徴は、そのゾルを150℃で3時間にわたり乾燥して、コロイド状ジルコニアの乾燥粉末を得たとき、その乾燥粉末は、その乾燥粉末を1100℃で1時間にわたり加熱すると、脱水により、その乾燥粉末の0.1〜3重量%の重量減少を示すことである。換言すると、そのゾルのコロイド状ジルコニアは、0.1〜3重量%の脱水性の水分を保有している。そのゾルは、コロイド状ジルコニアをZrO2 として5〜80重量%の量で持ちそしてコロイド状ジルコニアのZrO2 1モルに対して、0.01〜100ミリ当量の量で水溶性酸又は1〜100ミリ当量の量で水溶性アルカリを持つ。
【0009】
本発明のコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾルの製法は、10〜400m2 /gの比表面積と20〜500nmの粒子径を有し、そして4ないし15重量%の脱水性の水分を保有するコロイド状ジルコニアを、400〜1000℃の温度で0.05〜50時間焼成することにより、0.1〜2重量%の脱水性の水分を保有する焼成ジルコニアを形成させる工程、及び上記焼成ジルコニアを、この焼成ジルコニアのZrO2 1モル当たり0.01〜100ミリ当量の水溶性酸又は1〜100ミリ当量の水溶性アルカリを含有する水媒体中、上記焼成ジルコニアのZrO2 濃度を5〜80重量%に保って、上記焼成前コロイド状ジルコニアの粒子径の1〜3倍の粒子径を有するコロイド状ジルコニアの水性ゾルが形成されるまで粉砕を続ける工程からなる。
【0010】
焼成ジルコニアを形成させる工程に用いられるコロイド状ジルコニアは、原料のジルコニアゾルに由来し、このコロイド状ジルコニアは、そのコロイド状ジルコニアを150℃の温度で3時間にわたり乾燥して、乾燥ジルコニア粉末を得たとき、その乾燥粉末は、その乾燥粉末を1100℃で1時間にわたり加熱すると、脱水により、その乾燥粉末の4〜15重量%の重量減少を示すことに特徴がある。換言すると、原料ゾルのコロイド状ジルコニアは、4〜15重量%の脱水性の水分を保有している。
その焼成ジルコニアは、その焼成ジルコニアを150℃の温度で3時間にわたり乾燥して、乾燥焼成ジルコニア粉末を得たとき、その乾燥粉末は、その乾燥粉末を1100℃で1時間にわたり加熱すると、脱水により、その乾燥粉末の0.1〜2重量%の重量減少を示すことに特徴がある。換言すると、その焼成ジルコニアは、粉砕の前に、0.1〜2重量%の脱水性の水分を保有している。
【0011】
コロイド状ジルコニアの比表面積は、慣用の窒素ガス吸着法により測定される。コロイド状ジルコニアの粒子径は、市販品の装置、例えば米国のコールター(Coulter) 社製の「N4 」という名称の装置を使用することによる動的光散乱法により測定される。ゾル、コロイド状ジルコニア、コロイド状ジルコニア粉末、焼成ジルコニア及び1100℃での加熱後のジルコニア中に含有される水溶性酸又は水溶性アルカリの量は、当該技術分野で知られている化学分析により測定される。
【0012】
本発明のコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾルは、本質的には、コロイド状ジルコニアの原料ゾル又はコロイド状ジルコニアの原料ゾルを例えば80〜200℃の温度で乾燥することにより得られる粉状のコロイド状ジルコニアを、焼成し、それにより焼成ジルコニアを形成する工程と、
焼成ジルコニアを酸又はアルカリの存在下水中で粉砕する工程からなる方法により製造される。
【0013】
原料ゾル中のコロイド状ジルコニアは、窒素ガス吸着法により測定される10〜400、好ましくは20〜300そして更に好ましくは50〜200m2 /gの比表面積、及び動的光散乱法による測定される20〜500、好ましくは50〜400そして更に好ましくは70〜300nmの粒子径を有するものでよい。その原料ゾルのコロイド状ジルコニアは、そのコロイド状ジルコニアを150℃の温度で3時間にわたり乾燥して、乾燥ジルコニア粉末を得たとき、その乾燥粉末は、その乾燥粉末を1100℃で1時間にわたり加熱すると、脱水により、その乾燥粉末の4〜15重量%の重量減少を示すことに特徴がある。換言すると、そのゾルのコロイド状ジルコニアは、4〜15重量%の脱水性の水分を保有している。
【0014】
コロイド状ジルコニアの原料ゾルは、当該技術分野で知られている方法で製造されてよく、例えば、米国特許第2984628号に開示されているように、水性媒体中のジルコニウム塩を加熱してその塩を加水分解しそして媒体中にコロイド状ジルコニアを形成させる方法で製造される。
原料ゾルは、例えばオキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム又は酢酸ジルコニウムのようなジルコニウム塩を水1リットル当たり0.01〜2モルのジルコニウムイオン濃度において、100〜200℃の温度で加圧下1〜100時間にわたり加熱し、それによりコロイド状ジルコニアの酸性水性ゾルを形成させる方法により製造するのが好ましい。
精製された型の原料ゾルは、酸性ゾルを限外ろ過することにより製造され得る。アルカリ性型の原料ゾルは、酸性ゾルにアルカリ性物質を添加することにより得ることができ、これは特開平2−167826号公報に開示されているとおりである。
コロイド状ジルコニアとしては、それら粒子の凝集によって形成された大きい粒子の形態にあっても使用することができ、例えば、コロイド状ジルコニアのゾルを中性域のpHに調製することにより生成するスラリーも使用することができる。
【0015】
10〜400m2 /gの比表面積と20〜500nmの粒子径を持つコロイド状ジルコニアの粉末を形成させるために、原料ゾルを、乾燥器、好ましくはスプレードライヤー中で80〜200℃、好ましくは100〜150℃で乾燥してよい。
コロイド状ジルコニアの粉末は、その粉末がより高い温度で再乾燥されると重量が減少し、そしてその粒子は、それがより高い温度、例えば500℃で焼成されてすら更に重量が減少する。しかし、1100℃の温度で加熱した後の粉末は、その粉末を1100℃より高い温度で再び加熱した後では重量が減少しない。粉末の重量の減少は、粉末からの脱水による水の放出のせいばかりではなく粉末中に含まれている酸、アルカリ又は塩のような、水以外の揮散性物質の放出のせいでもあることが見出されていた。
【0016】
原料コロイド状ジルコニアの粉末から脱水され得る水の量(H)は、粉末を150℃で3時間にわたり乾燥した後の粉末の重量(W1 )と粉末中のH2 O以外の揮散性成分の含量(C1 )を測定し、そして粉末を1100℃で1時間にわたり加熱した後の粉末の重量(W2 )と粉末中のH2 O以外の揮散性成分の含量(C2 )を再度測定し、そして 等式:H=(W1 −C1 )−(W2 −C2 )によるHを決定することにより得られる。コロイド状ジルコニアから脱水され得る水の量は、(H/W1 )×100により与えられる重量%で表される。
【0017】
焼成ジルコニアを形成させる工程では、電気炉又はガス炉中のセラミック又は金属製容器のような容器中で、原料ゾル又はスラリーを焼成するか、又は好ましくは原料ゾルを乾燥することにより得られたコロイド状ジルコニアを焼成する。焼成は、分当たり1〜10℃の速度で温度を上げることにより開始するのが好ましく、そして焼成を400〜1000℃、好ましくは500〜950℃そして更に好ましくは600〜900℃の温度で実施して焼成ジルコニアを形成させる。焼成ジルコニアは、これを150℃で3時間乾燥して乾燥粉末を得、次にこの乾燥粉末を1100℃で1時間加熱したとき、この乾燥粉末に基づいて0.1〜2、好ましくは0.1〜1.5そして更に好ましくは0.1〜1%の、脱水による重量減少を示す特徴を持っている。換言すると、焼成ジルコニアは、0.1〜2、好ましくは0.1〜1.5、最も好ましくは0.1〜1重量%の脱水性の水分を保存している。焼成を0.05〜50時間の時間内に400〜1000℃の温度で完了することが好ましく、そして更に短い時間内により高い温度で焼成を完了することが最も好ましい。焼成後のジルコニアを室温に冷却する。
【0018】
焼成により得られる焼成ジルコニアから脱水される水の量(Q)も上述のようにして、即ち、150℃で3時間にわたり乾燥した後の焼成ジルコニアの重量(W3 )とH2 O以外の揮散分の重量(C3 )及び1100℃で1時間にわたり加熱した後のジルコニアの重量(W4 )とH2 O以外の揮散分の重量(C4 )から、等式:Q=(W3 −C3 )−(W4 −C4 )に従って得られる。焼成ジルコニアからの脱水される水の量は、(Q/W3 )×100により与えられる重量%で表現される。焼成ジルコニアは、焼成前のコロイド状ジルコニアの比表面積と比較してより低い比表面積を持つ。
【0019】
次いで、工程(b)では焼成ジルコニアを水中、5〜80、好ましくは10〜60そして更に好ましくは20〜50重量%の焼成ジルコニアのZrO2 濃度で粉砕する。酸性型コロイド状ジルコニアの安定なゾルは、焼成ジルコニアを、焼成ジルコニア中のZrO2 の1モルに対して0.01〜100、好ましくは0.03〜50そして更に好ましくは0.05〜30ミリ当量の水溶性酸を含有する水中で、粉砕することにより得られる。この酸性ゾルは、1〜6、好ましくは2〜6そして更に好ましくは3〜6のpHを持つ。アルカリ性型コロイド状ジルコニアの安定なゾルは、焼成ジルコニアを、焼成ジルコニア中のZrO2 の1モルに対して1〜100、好ましくは3〜50そして更に好ましくは5〜30ミリ当量の水溶性アルカリを含有する水中で、粉砕することにより得られる。このアルカリ性ゾルは、8〜13.5、好ましくは9〜13そして更に好ましくは10〜13のpHを持つ。別の、アルカリ性型のコロイド状ジルコニアの安定なゾルは、アルカリ性物質を上述のようにして製造した酸性ゾルへ添加することにより得られる。
【0020】
ゾル中の水溶性酸は、例えば塩化水素、硝酸、硫酸のような無機酸、例えば蟻酸、酢酸、蓚酸、酒石酸、クエン酸、乳酸のような有機酸又はそれらの酸性塩であってよい。ゾル中の水溶性アルカリは、例えばナトリウム、カリウム又はリチウムのような金属の水酸化物、例えばテトラエタノールアンモニウム、モノエチルトリエタノールアンモニウム、テトラメチルアンモニウム又はトリメチルベンジルアンモニウムのような第四級アンモニウムの水酸化物、又は、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン又はモルホリンのようなアミン、又はアンモニアでよい。
【0021】
粉砕は、更に水溶性の高分子物質のタイプの添加物、例えばキサンタンゴム(xanthan gum) 、ローカストビーンガム(locust bean gum) 、グアーゴム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ナトリウムポリアクリレート、ポリエチレンオキシド等々のようなもの、又はグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール等々のような多価アルコールの存在下で実施してもよい。
【0022】
粉砕を、例えばボールミル、サンドミル又はアトリッションミルのようなミル中で実施してもよく、焼成前のコロイド状ジルコニアの粒子径の1〜3倍、好ましくは1〜2.5倍そしてより好ましくは1〜2倍の粒子径を持つコロイド状ジルコニアの水性ゾルが形成されるまでの時間にわたり粉砕を継続する。粉砕は、ボールミルによる場合、例えば20〜100時間の間に完了する。
【0023】
キサンタンゴム(xanthan gum) 、ローカストビーンガム(locust bean gum) 又はグアーゴムのような水溶性高分子物質を、高い粘度を持つコロイド状ジルコニアの好ましいゾルを形成するために、そのような物質がなしに粉砕することにより形成したゾルに添加すると効果的である。
【0024】
粉砕後に得られるゾル中のコロイド状ジルコニアは、窒素ガス吸着法により測定される5〜200m2 /gの比表面積と動的光散乱法により測定される20〜1500nmの粒子径を持ち、そしてゾル中のコロイド状ジルコニアは、そのゾルを150℃で3時間にわたり乾燥して、コロイド状ジルコニアの粉末を得たとき、その粉末は、その粉末を1100℃で1時間にわたり加熱すると、脱水により、コロイド状ジルコニアの粉末を基準にして0.1〜3、好ましくは0.1〜2.5そして更に好ましくは0.1〜2重量%の重量減少を示すという特徴を示す。換言すると、製品ゾル中のコロイド状ジルコニアは、0.1〜3、好ましくは0.1〜2.5そして更に好ましくは0.1〜2重量%の脱水され得る水分を保有している。粉末を加熱する時に粉末から脱水され得る水の量は、上述の原料ゾル中のコロイド状ジルコニアにおけるのと同様にして得られる。
【0025】
製品ゾルは、コロイド状ジルコニアをZrO2 として5〜80重量%の量で含有する。そしてそのゾルは、そのゾル中のコロイド状ジルコニアのZrO2 1モルに対して、0.01〜100ミリ当量の量で水溶性酸又は1〜100ミリ当量の量で水溶性アルカリを有する。
【0026】
粉砕の後に得られるゾル中のコロイド状ジルコニアは、原料ゾル中のコロイド状ジルコニアと比較して顕著に低い表面活性を持ち、そのゾルは安定であり、5〜80重量%のZrO2 濃度を持ち、そして1〜6の酸性pH又は8〜13.5のアルカリ性pHを持つ。
【0027】
粉砕の後に得られるコロイド状ジルコニアのゾルは、所望ならば、ゾルをイオン交換樹脂を通して脱イオン化することにより又はゾルを限外ろ過することにより精製することができる。
【作用】
【0028】
米国特許第2984628号に示されるようにして、ジルコニウム塩の水性溶液を120〜150℃で加熱することからなる方法により形成されたコロイド状ジルコニアは、10000のようなA×Dの大きい値を持ち、それはその米国特許明細書に記述されている上限値2000をはるかに超えること;そしてそのコロイド状ジルコニアは、窒素ガス吸着法により測定されると、電子顕微鏡により又は動的光分散法により測定される平均粒子径から計算される比表面積より遙かに大きい比表面積を持つので、その方法により形成したコロイド状ジルコニアは緻密構造を持っていないということが見出された。そして更に見出されたことは、その方法により形成したコロイド状ジルコニアは、そのコロイド状ジルコニアを高温で加熱した時にそれからの脱水による重量減少、例えば、約7%を示すこと、 例えば約800℃における焼成の後のジルコニアは、たとえその焼成はコロイド状ジルコニアの粒子径を殆ど変えないにしても、焼成前のコロイド状ジルコニアの比表面積より遙かに低い比表面積を持つこと、及びその方法により形成したコロイド状ジルコニアは、例えばそのコロイド状ジルコニアで表面を研磨した後のような材料の表面へ付着しているコロイド状ジルコニアが、表面が水中で洗浄される時すら表面から除去されない程度に高い表面活性を持っていることである。
【0029】
そのような従来技術により形成したコロイド状ジルコニアは、ジルコニアの微細粒子の凝集形態で存在するこれら微細粒子からなる究極粒子であること、ジルコニアのその微細粒子はその微細粒子の表面上にZr原子に結合した多くのOH基を持ちそしてそのOH基はその粒子に高表面活性を付与すること、及び、コロイド状ジルコニアの焼成の際に、微細粒子の幾つかは変化してより大きい粒子に合一され、そしてジルコニアの隣接するコロイド状粒子は、互いに連結して一緒になるということが考えられる。
【0030】
従って、本発明において、焼成の結果起きるコロイド状ジルコニアの重量減少は、Zr原子に結合しているOH基の縮合反応により、コロイド状ジルコニアからの脱水反応により形成される水の放出によるものであること、その焼成が微細粒子のジルコニアのより大きい粒子への成長の原因になり、そのより大きい粒子はジルコニアの単位重量当たりのOH基の顕著な減少数に由来する低表面活性を持つこと;しかしながら、その焼成により形成された焼成ジルコニアは粒子上に外部から加えられた機械力により粉砕され得るが、その焼成前のコロイド状ジルコニアより小さい粒子を形成する程度には微小に細分化できないので、その焼成はジルコニアの微細粒子の間に、Zr−O−Zrとして表現される化学結合を持つ完全な格子構造を形成させる程には強くないということが考えられる。
又、粉砕工程で水中に存在する酸又はアルカリは、粉砕により形成したコロイド状ジルコニアの粒子を水中に安定して分散させるための安定剤として機能すると信じられている。
【0031】
しかしながら、コロイド状ジルコニアの好ましいゾルは、本発明の好ましい方法に従って製造される。
【0032】
10m2 /gより小さいか又は400m2 /gより大きい比表面積を持つ原料コロイド状ジルコニアは、その焼成に使用するのに好ましくない。というのは10m2 /gより小さい比表面積では粉砕工程で安定なゾル製品が得られず、そして400m2 /gより大きい比表面積では粉砕工程で低い表面活性を持つコロイド状ジルコニアの製品が得られないからである。
20nmより小さいか又は500nmより大きい粒子径を持つコロイド状ジルコニアは、その焼成に使用するのに好ましくない。というのは20nmより小さい粒子径は焼成の間にジルコニアの焼結の原因になる傾向があり、そして500nmより大きい粒子径は、ゾル製品中で不安定に沈澱するコロイド状ジルコニア製品を生成する傾向があるからである。
【0033】
コロイド状ジルコニアが焼成される温度が、400℃より低いか又は1000℃より高いと好ましくない。というのは400℃より低い温度では粉砕工程で表面活性の低いコロイド状ジルコニアの製品を生成せず、そして1000℃より高い温度では粉砕工程でゾル製品中で安定に分散できないコロイド状ジルコニア製品を生成するからである。900℃より高い、特に950℃より高い焼成温度は、粉砕工程で焼成前のコロイド状ジルコニアの粒子径から大きく乖離した粒子径を持つコロイド状ジルコニアを生成するので不利であり、そして600℃より低い、特に500℃より低い焼成温度は、粉砕工程で、約3%より大きく乖離した脱水重量減(換言すれば約3%より大きい)を示すコロイド状ジルコニアを与えるので不利である。
【0034】
0.05時間より短いか又は50時間より長い焼成時間は、好ましくない。というのは、0.05時間より短い時間は製造において再現性に乏しくそして50時間より長い時間は、付加的利益がなく、製法の効率を下げるからである。
【0035】
0.1%より少ないか又は2%より多い脱水性の水分を保有する焼成したコロイド状ジルコニアは好ましくない。というのは0.1%より少ない脱水性の水分量ではゾル製品中で安定に分散し得るコロイド状ジルコニア製品が得られず、そして2%より多い脱水性の水分量では低い表面活性を持つコロイド状ジルコニア製品を得られないからである。
【0036】
粉砕工程におけるZrO2 1モルに対して0.01ミリ当量より少ない量の酸又は1ミリ当量より少ない量のアルカリは好ましくない。というのはその量の酸又はアルカリでは、粉砕の間、コロイド状ジルコニアを十分に分散しないからである。粉砕工程におけるZrO2 1モルに対して100ミリモル当量より多い量の酸又はアルカリでは、安定なゾル製品が得られずそしてその製品中のコロイド状ジルコニアがゾル中で凝集する傾向がある。
【0037】
粉砕工程に於ける5重量%より低いか又は80重量%より高いZrO2 濃度は好ましくない。というのは5重量%より少ない濃度のゾル製品は通常その次の濃縮を必要として製法を非効率的にし、そして80重量%より高い濃度はゾル中でコロイド状ジルコニアが安定に分散できない製品を生成するからである。
【0038】
粉砕工程は、原料ゾルにおけるコロイド状ジルコニア粒子径より小さい粒子径を持つコロイド状ジルコニアを生成できない。粉砕工程で、原料ゾル中のコロイド状ジルコニアの粒子径の3倍より大きい粒子径を持つコロイド状ジルコニアを生成させると、このコロイド状ジルコニアは、ゾル製品中で沈澱する傾向がある。
【0039】
【実施例】
下記の実施例により、本発明を更に説明する。これらの実施例により、本発明の範囲の限定を意図するものではない。
実施例1
この実施例では、酸性のコロイド状ジルコニアの原料ゾル(S1 )とコロイド状ジルコニアの粉末(P1 )を調製する。
オキシ塩化ジルコニウムの水溶液を、純水2100gにオキシ塩化ジルコニウム1000gを溶解することにより調製する。その全溶液に、攪拌下、25%アンモニア水264gを添加する。アンモニアを含有するオキシ塩化ジルコニウム溶液全量を、オートクレーブ中、130℃で7時間にわたり加熱し、次いでオートクレーブ中の液体を室温まで冷却し、そして回収する。回収した液体のpHは1以下であり、米国のコールター(Coulter) 社製の「N4 」と呼ばれる装置を使用する動的光散乱法により測定される粒子径89nmを有するコロイド状ジルコニアの水性ゾルである。そのコロイド状ジルコニアは電子顕微鏡写真中では100nmの平均粒子径を有する。
【0040】
3200gの回収ゾルに、25%アンモニア水11.7gを添加してpH5.2のコロイド状ジルコニアの水性ゾルを形成する。pH5.2のコロイド状ジルコニアに純水を添加し、次いで希釈ゾルを限外ろ過器を通して濃縮する。希釈と限外ろ過を繰り返すあいだ、ゾルに合計28kgの水を添加する。その結果、4.6のpH、38重量%のZrO2 濃度、0.88重量%のCl濃度そして0.1重量%以下のNH3 濃度を有するコロイド状ジルコニア910gを得る。
【0041】
ゾル(S1 )を、入口温度190℃、出口温度100℃のスプレードライヤー中で乾燥して、N2 ガス吸着法により測定される128m2 /gの比表面積を持つコロイド状ジルコニアの粉末(P1 )を形成する。
【0042】
コロイド状ジルコニアの 100(nm)×128(m2 /g) の計算は、12800の数値になる。本実験のコロイド状ジルコニアは、米国特許第2984628号の明細書に示されている2000の上限値を遙かに超えている値である、12800の驚異的値を持つことが見出される。
【0043】
粉末(P1 )を、150℃で3時間にわたり乾燥器中で乾燥する。乾燥した後の粉末は、化学分析によると2.28重量%のClを含有する。
【0044】
次いで乾燥した後の粉末11.085gを1100℃の温度で1時間にわたり電気炉中で加熱する。10.150gの加熱後のジルコニア粉末を得る。化学分析をすると、この加熱後の粉末中のCl含量は0.01%以下である。この加熱による粉末の重量減少から、コロイド状ジルコニアの粉末(P1 )は、粉末(P1 )を150℃で3時間にわたり乾燥することにより調製した粉末を基準にして、乾燥した後の粉末を1100℃で1時間にわたり加熱する時は、6.2重量%の水が脱水されていることが見出される。
【0045】
実施例2
この実施例では、アルカリ性のコロイド状ジルコニアの原料ゾル(S2 )とコロイド状ジルコニアの粉末(P2 )を調製する。
【0046】
pH4.6のコロイド状ジルコニアの精製ゾル(S1 )を、実施例1と同様にして調製する。
【0047】
1000gのゾル(S1 )に、攪拌下、クエン酸31g次いで25%アンモニア水39gを添加する。クエン酸とアンモニアを含有するゾルに純水を添加し、次いで希釈したゾルを限外ろ過器を通して濃縮する。
【0048】
希釈とそれに続く限外ろ過を繰り返す間に全量7.8kgの純水を添加する。8.6のpH、36重量%のZrO2 濃度、0.01重量%以下のCl濃度、2.5重量%のクエン酸濃度そして0.08重量%のNH3 濃度を有するコロイド状ジルコニアの精製ゾル(S2 )1050gを得る。ゾル中のコロイド状ジルコニアは、装置N4 で測定される粒子径104nmを有する。
【0049】
ゾル(S2 )を、入口温度190℃、出口温度100℃のスプレードライヤー中で乾燥して、N2 ガス吸着法により測定される135m2 /gの比表面積を持つコロイド状ジルコニアの粉末(P2 )を得る。
【0050】
粉末(P2 )を、150℃で3時間にわたり乾燥器中で乾燥する。乾燥後の粉末は、化学分析によると、6.88重量%のクエン酸含量、0.01重量%以下のCl含量そして0.01重量%以下のNH3 含量を有する。次いで乾燥後の粉末11.713gを1100℃の温度で1時間にわたり電気炉中で加熱する。加熱後、10.162gのジルコニア粉末を得る。取得した粉末は、0.01重量%以下より少ない量でクエン酸を含有する。
【0051】
コロイド状ジルコニアの粉末(P2 )は、粉末(P2 )を150℃で3時間にわたり乾燥することにより調製した粉末を基準にして、乾燥した後の粉末を1100℃で1時間にわたり加熱する時は、6.4重量%の水が脱水されていることが見出される。
【0052】
実施例3
この実施例ではコロイド状ジルコニアの粉末(P2 )をいろいろの条件で焼成して焼成ジルコニアを形成させ、そして焼成したジルコニアを水中で粉砕する。粉末(P2 )を電気炉中、第1表に記載した温度と時間で焼成して、焼成ジルコニア(T1 )ないし(T6 )(T6 は比較例である。)を形成させる。
ジルコニア(T1 )は化学分析によると30ppm(重量)のClを含有する。
ジルコニア(T1 )ないし(T6 )それぞれについて比表面積(m2 /g)を測定し、そしてジルコニア(T1 )ないし(T6 )それぞれについて重量減少率(脱水量,%)を、上述と同様の方法により、すなわち、焼成ジルコニア(T1 )ないし(T6 )を150℃で3時間にわたり乾燥した後、1100℃で1時間にわたり加熱する方法により得る。結果を第1表に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
高純度の塩酸を純水に溶解することにより、0.2ミリ当量のHClを含有する塩化水素水溶液204gを調製する。
【0055】
次いで、ジルコニア(T1 )96g、調製した塩化水素水溶液204g及び5mmの直径を持つジルコニア製硬質ビーズ700gを、8cmの直径を持つボールミル中へ投入する。ミルを密閉し、92時間にわたり200rpmの速度で回転する。ミルから、5.4のpHと31重量%のZrO2 濃度を有するコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾル(Z1 )を回収する。
【0056】
ゾル(Z1 )中のコロイド状ジルコニアの粒子径は、装置N4 により測定すると152nmである。
【0057】
ゾル(Z1 )を、入口温度190℃、出口温度100℃のスプレードライヤー中で乾燥して、コロイド状ジルコニア粉末を得る。その粉末は、N2 ガス吸着法により測定される61.8m2 /gの比表面積を示す。
【0058】
このミル粉砕は、焼成ジルコニアを152nmの粒子径を有するコロイド状ジルコニアへの粉砕をもたらすが、ゾル(Z1 )中のコロイド状ジルコニアの61.8m2 /gの比表面積は焼成ジルコニア(T1 )の60.5m2 /gの比表面積と比較して殆ど変化していないこと、及びその152nmの粒子径はゾル(S2 )中のコロイド状ジルコニアの粒子径104nmの1.5倍であることが認められる。
【0059】
次いで、61.8m2 /gの比表面積を持つ粉末を150℃で3時間にわたり乾燥器中で乾燥する。乾燥後の粉末は、化学分析によると0.1重量%以下のクエン酸を含有する。粉末10.447gを1100℃で1時間にわたり加熱することにより加熱後のジルコニア10.173gが得られる。
ゾル(Z1 )中のコロイド状ジルコニアは、スプレードライヤー中で得られる粉末を150℃で3時間にわたり乾燥することにより調製されるコロイド状ジルコニアの粉末を基準にして、乾燥した後の粉末を1100℃で1時間にわたり加熱する時は、2.6重量%の水が脱水されていることが見出される。
【0060】
実施例4
実施例3と同様にして、焼成ジルコニア(T2 )ないし(T6 )の各々を、水中、第2表に示したミリ当量の量の酸又はアルカリの存在下、粉砕する。ジルコニア(T2 )ないし(T5 )からは安定な水性ゾル(Z2 )ないし(Z5 )が得られたが、ジルコニア(T6 )からは水性スラリーが得られた。各々のゾル中のコロイド状ジルコニアの比表面積は、対応するジルコニア(T2 )ないし(T5 )のそれと比較して殆ど変化していない。ジルコニア(T6 )を粉砕することにより生成するスラリー中のジルコニアの比表面積は7.2m2 /gであって、ジルコニア(T6 )の4.8m2 /gより若干大きい。
【0061】
各々のゾル中のコロイド状ジルコニアの粒子径は装置N4 により測定され、そして第2表に記載されている。
【0062】
ゾル中のコロイド状ジルコニアと、粉砕により形成したスラリー中のジルコニアの各々からの脱水された水の量は実施例3と同様にして測定され、そして第2表に記載されている。
【0063】
【表2】
【0064】
実施例5
この実施例では、ゾル(Z1 )からコロイド状ジルコニアのアルカリ性ゾルを調製する。
実施例3と同様にして調製したゾル(Z1 )1000gに、1000gの純水を添加して15重量%のZrO2 濃度を有するコロイド状ジルコニアの希釈ゾルを調製する。次いでその希釈ゾルの全量に、5重量%の濃度を有する水酸化カリウムの水溶液36gを添加し、得られたゾルを室温で4時間にわたり強く攪拌する。10.4のpHを有するコロイド状ジルコニアの安定なアルカリ性ゾルを得る。10.4のpHを有するゾルから蒸留で水を除くことにより、20重量%のZrO2 濃度を有するコロイド状ジルコニアの濃縮ゾルを調製する。
【0065】
実施例6
この実施例では、ゾル(Z3 )中のコロイド状ジルコニアの表面活性を、原料ゾル(S1 )の対照例と比較して試験する。
ゾル(Z3 )とゾル(S1 )の各々を、長さ7.5cm、巾2.5cmの透明なガラス板の表面上に塗布し、室内環境中で乾燥しコロイド状ジルコニアをガラス板の表面上に付着させる。
【0066】
次いで、振動数28kHz(キロヘルツ)、出力210Wの超音波を水に加え、その水中に上記のガラス板を室温で60分間にわたり浸漬する。ゾル(Z3 )からの付着したコロイド状ジルコニアはガラス表面から除去されるが、ゾル(S1 )中からの付着したコロイド状ジルコニアはガラス板から殆ど脱落しない。
【0067】
【発明の効果】
本発明のコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾルは、酸性又はアルカリ性であってよく、水溶性の有機添加剤を含有でき、そして工業製品として供給され得る。そのゾルは、いろいろな分野、例えば精密鋳造に使用するための耐熱性を強化した鋳型を製造するための結合剤、材料例えば金属、セラミック又はコンクリートをウォータージェット切断するための水性媒体中に含有される研磨剤、又はいろいろな材料の表面を粗に、精密に又は鏡面様に研磨するための研磨剤、等々に適用できる。
【0068】
ゾルが、半導体、例えばケイ素、ゲルマニウム又はIII −V族、II−VI族又はI−VII 族の型の化合物のような半導体の表面;光ファイバーに使用するための石英、液晶セルに使用するためのガラス、光学セラミックに使用するためのニオブ酸リチウム又はタンタル酸リチウムの表面;電子又は電気製品の部品に使用するための水晶、窒化アルミニウム、アルミナ、フェライト又はジルコニアの表面;多層配線半導体デバイスにおける層間絶縁膜、及びアルミニウム、銅、タングステン又はそれらの合金のようなメタル配線の表面;そして炭化タングステンのような超硬合金の表面を研磨するのに有用であることが明瞭である。
【0069】
本発明のコロイド状ジルコニアのゾルは、Zr以外の他の金属酸化物のゾルのコロイド状粒子の表面上の電荷が、ジルコニアのコロイド状粒子のそれと同じである限りは、そのZr以外の他の金属酸化物のゾルと所望の比率で、例えばジルコニア100重量部に対して10〜90重量部で混合してもよい。かくして、例えばアルカリ性のコロイド状ジルコニアの水性ゾルをアルカリ性のコロイド状シリカの水性ゾルと混合することにより、又は酸性のコロイド状ジルコニアを酸性のコロイド状アルミナの水性ゾルと混合することにより、混合ゾルが得られる。混合ゾルも、上述のような多層配線半導体デバイスにおける層間絶縁膜、及びアルミニウム、銅、タングステン又はそれらの合金のようなメタル配線の表面を研磨するのにも有用である。
Claims (4)
- 5〜200m2 /gの比表面積と20〜1500nmの粒子径を有し、そして0.1〜3重量%の脱水性の水分を保有するコロイド状ジルコニアをそのZrO2 として5〜80重量%の濃度に含有し、そしてこのコロイド状ジルコニアのZrO2 1モル当たり0.01〜100ミリ当量の水溶性酸を更に含有するコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾル。
- 10〜400m2 /gの比表面積と20〜500nmの粒子径を有し、そして4ないし15重量%の脱水性の水分を保有するコロイド状ジルコニアを、400〜1000℃の温度で0.05〜50時間焼成することにより、0.1〜2重量%の脱水性の水分を保有する焼成ジルコニアを形成させる工程、及び上記焼成ジルコニアを、この焼成ジルコニアのZrO2 1モル当たり0.01〜100ミリ当量の水溶性酸を含有する水媒体中、上記焼成ジルコニアのZrO2 濃度を5〜80重量%に保って、上記焼成前コロイド状ジルコニアの粒子径の1〜3倍の粒子径を有するコロイド状ジルコニアの水性ゾルが形成されるまで粉砕を続ける工程からなる請求項1に記載のコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾルの製造方法。
- 5〜200m2 /gの比表面積と20〜1500nmの粒子径を有し、そして0.1〜3重量%の脱水性の水分を保有するコロイド状ジルコニアをそのZrO2 として5〜80重量%の濃度に含有し、そしてこのコロイド状ジルコニアのZrO2 1モル当たり1〜100ミリ当量の量で水溶性アルカリを更に含有するコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾル。
- 請求項2に記載の焼成ジルコニアを形成させる工程、及びこの工程で得られた焼成ジルコニアを、この焼成ジルコニアのZrO2 1モル当たり1〜100ミリ当量の水溶性アルカリを含有する水媒体中、上記焼成ジルコニアのZrO2 濃度を5〜80重量%に保って、上記焼成前コロイド状ジルコニアの粒子径の1〜3倍の粒子径を有するコロイド状ジルコニアの水性ゾルが形成されるまで粉砕を続ける工程からなる請求項3に記載のコロイド状ジルコニアの安定な水性ゾルの製造方法。
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