JP3747192B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヨクイニンから水にて抽出したエキスを水蒸気蒸留して得られた液体を有効成分とする美白剤又は肌あれ防止剤、及びこれを含有する皮膚外用剤に関する。更には他の特定の薬効剤とを組み合わせて含有することにより、より優れた美白効果、肌あれ防止効果を有する皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、乳液、クリーム、化粧水、パック、洗浄料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の皮膚外用剤には、これらに所定の薬効を付与することを目的として薬効剤が加えられている。そして、日常的に浴びる紫外線や乾燥などにより生じる皮膚のしみやくすみ、肌あれを予防あるいは改善するために、例えばビタミンCやアロエ抽出物等が加えられている。
しかしながら、これらの薬効剤は、目的の効果を得ようとして製剤に多量に配合すると、変色したり変質するなど製剤に悪影響を与えたり、あるいは所期の薬効が得られない場合があり、その改善が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、製剤中に多量に配合しても経時的に安定であり、製剤の外観等にも悪影響を与えずに使用することができ、美白効果又は肌あれ防止効果が高く発揮できる美白剤又は肌あれ防止剤を提供することを目的とする。また、この美白剤、肌あれ防止剤を含有する皮膚外用剤を提供することを目的とする。ここで言う美白効果には、紫外線などの外的な環境因子、あるいはホルモンバランスの変調、加齢などの内的因子によって生じる皮膚のくすみ、しみを改善、あるいは防御する効果が含まれる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、従来の製剤中の水と同様に、多量に配合しても経時的に安定で、製剤の外観等に悪影響を与えずに使用することができ、かつ効果を高く発揮することが可能な薬効剤について鋭意検討した結果、ヨクイニンから水にて抽出したエキスを水蒸気蒸留して得られた液体(以下、この液体をヨクイニン水と言うことがある)が美白効果を有し、又肌あれ防止剤としても優れたものであることを見出した。更に、このような効果を有するヨクイニン水は、皮膚外用剤中に用いられる従来の精製水と同様に使用することが可能な上、他の薬効剤と組み合わせることにより、皮膚外用剤としてより優れた美白、及び肌あれ防止効果が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
すなわち本発明は、ヨクイニンから水にて抽出したエキスを水蒸気蒸留して得られた液体を有効成分とする美白剤である。また、本発明は、ヨクイニン水を有効成分とする肌あれ防止剤である。更に本発明は、この美白剤又は肌あれ防止剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
【0006】
そして、更に、本発明は、次の成分(A)及び(B)
(A)ヨクイニン水
(B)アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩から選ばれる一種又は二種以上、
を配合することを特徴とする皮膚外用剤である。
また、本発明は、次の成分(A)及び(B)
(A)ヨクイニン水
(B)グリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩から選ばれる一種又は二種以上、
を配合することを特徴とする皮膚外用剤である。
また更に、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C)
(A)ヨクイニン水
(B)アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、又はグリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩から選ばれる一種又は二種以上
(C)トウキ抽出液、センキュウ抽出液、センプクカ抽出液、ボタン抽出液、ハマメリス抽出液、冬虫夏草抽出液、メロスリア抽出液、ビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩、小麦胚芽油から選ばれる一種又は二種以上
を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるヨクイニンは、イネ科ジュズダマ属ジュズダマ(Coixlachryma−jobi L.)、又はイネ科ジュズダマ属ハトムギ(Coix lachryma−jobi L.var.ma−yuen(Romam))の種仁であり、それらの産地は特に限定されない。
【0008】
本発明のヨクイニン水としてハトムギの種仁が好ましく用いられるが、ハトムギ(Coix lachryma−jobi L.var.ma−yuen(Romam))は、中国、インドシナ原産で日本に古くから渡来し、西南部の暖地で栽培される一年草で、鎮痛、消炎、排膿効果のある生薬として用いられてきた。
【0009】
ヨクイニン水は、ヨクイニンから水にて抽出したエキスを水蒸気蒸留して得られる水性画分であり、抽出までの過程で必要に応じて圧力や熱を加えても良い。また、抽出して得た液を必要に応じて精製、あるいはろ過、脱臭脱色処理等を施した後、水蒸気蒸留を行なっても良い。得られたヨクイニン水はリノール酸を含有する。リノール酸が確認される範囲内において、更に得られた水蒸気蒸留物を必要に応じてろ過や濃縮、あるいは加水してもよい。
【0010】
本発明のヨクイニン水を有効成分とする美白剤又は肌あれ防止剤は、常法に従い通常の皮膚外用剤に使用される種々の形態の基剤に配合し、製剤化することにより皮膚外用剤を得ることができる。本発明の美白剤又は肌あれ防止剤の有効成分であるヨクイニン水の皮膚外用剤中における含有量は0.1質量%(以下単に「%」で示す)以上が好ましい。含有量が0.1%以上であれば、本発明で目的とする美白効果、肌あれ防止効果を発揮することができる。本発明の美白剤又は肌あれ防止剤の有効成分であるヨクイニン水は、各種形態の皮膚外用剤において精製水や常水の代わりに用いることもできる。その場合には、ヨクイニン水は水としての役割を発揮しつつ、美白効果、肌あれ防止効果を発揮する。また、本発明の美白剤又は肌あれ防止剤は、更に他の特定の薬効剤と組み合わせることにより、より美白効果、肌あれ防止効果の優れた皮膚外用剤が得られる。
【0011】
本発明において、ヨクイニン水を有効成分とする美白剤又は肌あれ防止剤と組み合わせて使用する成分(B)であるアスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩としては、特に制限はないが、ジパルミチン酸−L−アスコルビルやテトライソパルミチン酸−L−アスコルビル等のL−アスコルビン酸アルキルエステル、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸ナトリウム等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
また、本発明において、ヨクイニン水と組み合わせて使用する成分(B)である別の薬効剤、グリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩としては、特に制限はないが、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルレチン酸ステアリル等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0013】
また更に本発明において、ヨクイニン水及び成分(B)であるアスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、又はグリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩と組み合わせて使用する成分(C)であるトウキ抽出液はセリ科シシウド属に属するミヤマトウキ(Angelica acutiloba Kitagawa var. iwatensis (Kitagawa) Hikino)、又はトウキ(Angelica acutiloba (Sieb. et Zucc.) Kitagawa)、又はカラトウキ(Angelicasinensis (Oliv.) Diels)の根から抽出して得られたものである。センキュウ抽出液はセリ科ハマゼリ属に属するセンキュウ(Cnidium officinale Makino)の根茎から抽出して得られたものである。センプクカ抽出液はキク科オグルマ属に属するオグルマ(Inula japonica Thunb)の頭花から抽出して得られたものである。ボタン抽出液はボタン科ボタン属のボタン(Paeonia suffruticosa Andr.)の根皮から抽出して得られたものである。ハマメリス抽出液はマンサク科マンサク属のマンサク(Hamamelis japonica Sieb. et Zucc.)、又はアメリカマンサク(Hamamelis virginiana L.)の葉から抽出して得られたものである。冬虫夏草抽出液は鱗翅目の昆虫、特にコウモリガ科の虫草蝙蝠蛾(Hepialuarmoricanus Oberthur)の幼虫とそれに寄生した子嚢菌の一種バッカクキン科の冬虫夏草菌(フユムシナツクサタケ)が形成する子実体との複合体から抽出して得られたものである。メロスリア抽出液はブドウ科ノブドウ属カガミグサ(Ampelopsis japonica(Thunb.)Makino)の根から抽出して得られたものである。小麦胚芽油はイネ科コムギ属コムギ(Triticum aestivum L.)の胚芽から得られる油である。また、ビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩としては特に制限はないが、dl−α(β、γ)−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸−dl−α−トコフェロール、リノール酸−dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のトコフェロール及びその誘導体、ユビキノン類等が挙げられる。これらは(C)成分は一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0014】
本発明の皮膚外用剤における上記成分(B)又は(C)、すなわち成分(A)以外薬効剤の含有量は、その種類により相違するが、以下に示す範囲とすることが好ましい。この範囲であれば、成分(A)のヨクイニン水と組み合わせた場合、皮膚外用剤及び皮膚外用剤中の成分(A)のヨクイニン水の経時安定性に影響を及ぼすことがなく、相乗的により高い美白、及び肌あれ防止効果を発揮させることができる。
【0015】
すなわち、本発明の皮膚外用剤における成分(B)のアスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩の含有量は、好ましくは0.00001〜10%であり、より好ましくは0.0001〜3%の範囲である。この範囲であればより優れた美白効果を示し、また肌あれ防止効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0016】
本発明の皮膚外用剤における成分(B)のグリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩の含有量は、好ましくは0.00001〜5%、より好ましくは0.0001〜1%の範囲である。この範囲であればより優れた美白効果を示し、また肌あれ防止効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0017】
本発明の皮膚外用剤における成分(C)のトウキ抽出液、センキュウ抽出液、センプクカ抽出液、ボタン抽出液、ハマメリス抽出液、冬虫夏草抽出液、メロスリア抽出液、ビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩、小麦胚芽油の含有量としては、0.00001〜10%の範囲が好ましく、より好ましくは0.0001〜5%の範囲である。抽出物を抽出液のまま用いる場合は乾燥固形分としてこの範囲であればよい。この範囲であればより優れた美白効果を示し、また肌あれ防止効果を示す皮膚外用剤が得られる。
【0018】
本発明の皮膚外用剤は、常法に従い、必須成分である(A)成分、又は(A)成分と(B)成分、又は(A)成分と(B)、及び(C)成分とを通常の皮膚外用剤として知られる種々の形態の基剤に配合して調製することができる。皮膚外用剤の配合形態の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤、ハップ剤、リニメント剤等の、いずれの形態の化粧料であっても外用医薬品等であってもよい。
【0019】
また、本発明の皮膚外用剤には、前記必須成分以外のもので、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等に通常使用される各種の成分、即ち、水、アルコール、油剤、界面活性剤、増粘剤、粉体、キレート剤、pH調整剤、各種薬効剤、動植物・微生物由来の抽出物、香料、紫外線吸収及び散乱剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜加えることができる。これらの中から、具体的なものを以下に例示する。
【0020】
アルコールは、溶解、清涼感付与、防腐、保湿等の目的で、エチルアルコール等の一価アルコールや、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等の多価アルコールを用いることができる。油剤は、使用性、使用感を良くするものとして、その由来、性状は問わず使用することができる。例えば流動パラフィン、スクワラン、トリグリセライド油、エステル油、ロウ類、脂肪酸類、高級アルコール、シリコーン油、フッ素系油、各種ワックス等である。界面活性剤は、油剤等の乳化や可溶化等のために用いられ、陰イオン性、陽イオン性、非イオン性及び両性の活性剤を用いることができる。増粘剤としては、カルボキシビニルポリマー、カラギーナン、寒天、キサンタンガム、デキストリン脂肪酸エステル、有機変性粘土鉱物等、化学合成品又は天然物由来に関わらず用いることが可能である。また、これらの成分を系の粘度調整だけでなく、ゲル化、保湿、皮膜形成等のために用いることもができる。
【0021】
粉体としては、形状や粒子の大きさ、多孔性の有無、結晶構造等を問わず、また使用性や使用感を良くするために、複合化や表面処理を行なったものでもよい。タルク、マイカ、セリサイト、無水ケイ酸等の無機粉体、ナイロンパウダー等の有機粉体、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス等のパール顔料、酸化鉄、カーボンブラック、群青等の無機顔料、タール色素及びそのレーキ、天然色素等が用途に応じて用いられる。系中の成分の品質劣化を防ぐために、EDTA等のキレート剤、乳酸−乳酸ナトリウム等のバッファーによるpH調整剤を用いることもできる。
【0022】
紫外線防止剤としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルへキシル、オキシベンゾン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛等があげられる。
【0023】
【実施例】
次に、参考例、試験例及び実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
【0024】
参考例1 ヨクイニン水の製造
ハトムギの種皮を除いた種子(ヨクイニン)100gに、精製水1Lを加え、3時間加温抽出した後ろ過し、ろ過したろ液を水蒸気蒸留装置にいれ、得られた留液の水溶性画分をろ過してヨクイニン水1Kgを得た。得られたヨクイニン水よりリノール酸の確認は薄層クロマトグラフィーにて行なった。
【0025】
参考例2 アロエ抽出物の製造
ユリ科ケープアロエ(Aloe ferox Mill.)の葉100gに、25vol%含水エチルアルコール100Lを加え、室温にて3日間抽出を行った後濾過してアロエ抽出物80Lを得た。
【0026】
試験例1 細胞培養によるメラニン生成抑制及び細胞生存率試験
マウス由来のB16メラノーマ培養細胞を使用した。2枚の6穴プレートに10%FBS含有MEM培地を適量とり、B16メラノーマ細胞を播種し、37℃、二酸化炭素濃度5vol%中にて静置した。翌日、参考例1で得たヨクイニン水を最終濃度が0(対照)、500、5000、50000μg/mLとなるように検体調製液を添加し混和した。培養5日目に培地を交換し、再度検体調製液を添加した。翌日、培地を除き、1枚のシャーレについて、細胞をリン酸緩衝液(pH7)にて洗浄した後回収し、B16メラノーマ培養細胞の白色化度を以下の判定基準にて評価した。
又、比較例として既にメラニン生成抑制作用のあることが知られている参考例2で得たアロエ抽出物についても同様の試験を行った。
【0027】
(判定基準)
+:対照に対してあきらかに白色である。
±:対照に対してやや白色である。
−:対照と同じ黒色である。
【0028】
残りの1枚のプレートについて、細胞をホルマリン固定後、1%クリスタルバイオレット溶液を添加し染色した。各検体濃度に対する細胞生存率をモノセレーター(オリンパス社製)で測定した。以上の結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
表1の結果から明らかな如く、ヨクイニン水は、美白効果、肌あれ予防・改善効果を有することが知られているアロエ抽出液に比べ、高いメラニン生成抑制能を有し、かつB16メラノーマ培養細胞に対し毒性が低いことが認められた。従って、ヨクイニン水は、これを肌に適用することにより、優れたメラニン生成抑制作用を発揮し、日焼けによる肌の黒色化、シミ、ソバカスなどを抑制し、美白効果、肌あれ予防、改善効果を得ることができると考えられる。
【0031】
実施例1(参考品1〜3、本発明品4〜6及び8〜12、比較品1〜12):クリーム
表2(参考品1〜3、本発明品4〜6及び8〜12)、表3(比較品1〜12)に示す組成のクリームを調製し、本発明のヨクイニン水を配合した場合と、このヨクイニン水と本発明の成分(B)又は(C)の薬効剤とを組み合わせて配合した場合とにおける美白効果、及び肌あれ防止効果を調べた。この結果を表2に併せて示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
*1 参考例1で製造したもの
*2 丸善製薬社製
*3 日光ケミカルズ社製
*4 日本粉末薬品社製
*5 丸善製薬社製
*6 丸善製薬社製
*7 一丸ファルコス社製
*8 ドラゴコ社製
*9 丸善製薬社製
*10 丸善製薬社製
*11 日清ファルマ社製
*12 エーザイ社製
【0035】
(製法)
A.成分(1)〜(6)と(19)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B.成分(21)を加熱して70℃に保つ。
C.AにBを加えて乳化する。
D.Cに成分(7)〜(18)及び(20)を加えた後冷却してクリームを得た。
【0036】
(試験方法)
被験クリーム1品につき30〜59才の女性20名をパネルとし、毎日朝と夜の2回、12週間にわたって洗顔後に被験クリームの適量を顔面に塗布した。塗布による美白効果(くすみ防止)、及び肌あれ防止効果を以下の基準によって評価し、各評価基準に該当するパネルの人数で評価結果を示した。
【0037】
(美白効果評価基準)
<評価> <内 容>
有 効 肌のくすみが改善された。
やや有効 肌のくすみがやや改善された。
無 効 使用前と変化なし。
(肌あれ防止評価基準)
<評価> <内 容>
有 効 肌のかさつき、あれが改善された。
やや有効 肌のかさつき、あれがやや改善された。
無 効 使用前と変化なし。
【0038】
表2の結果に示される如く、比較品と比べて、ヨクイニン水を配合した本発明品1のクリームは、これを皮膚に適用することによりくすみ改善や肌あれを改善することができ、張りのある美しい肌とすることが明らかとなった。また、ヨクイニン水と本発明の成分(B)または(C)の各薬効剤とを組み合わせて配合した本発明品2〜9のクリームは、その効果が相乗的に高められたことが分かる。更に、ヨクイニン水を配合したクリームを使用したパネル延べ240名中214名から、「使用後に肌がしっとりし、キメが整った」のコメントが得られた。
【0039】
実施例2 化粧水
(成分) (%)
(1)グリセリン 10.0
(2)1,3−ブチレングリコール 6.0
(3)ヨクイニン水*1 残量
(4)グリチルリチン酸ジカリウム*2 0.5
(5)リン酸−L−アスコルビルマグネシウム*3 0.5
(6)センキュウ抽出液*4 0.5
(7)クエン酸 0.1
(8)クエン酸ナトリウム 0.3
(9)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.5
(10)エチルアルコール 8.0
(11)防腐剤 適量
(12)香料 適量
*1 参考例1で製造したもの
*2 丸善製薬社製
*3 日光ケミカルズ社製
*4 丸善製薬社製
【0040】
(製法)
A.成分(1)〜(8)を混合溶解する。
B.成分(9)〜(12)を混合溶解する。
C.AとBを混合して均一にし、化粧水を得た。
経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌のしみや肌あれを改善し、張りのある美しい肌にする化粧水が得られた。
【0041】
【0042】
(製法)
A.成分(12)〜(16)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(11)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(17)〜(24)を加え、均一に混合して乳液を得た。
経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌のしみや肌あれを改善し、張りのある美しい肌にする乳液が得られた。
【0043】
実施例4. 軟膏
(成分) (%)
(1)ステアリン酸 18.0
(2)セタノール 4.0
(3)防腐剤 適量
(4)トリエタノールアミン 2.0
(5)グリセリン 5.0
(6)精製水 残量
(7)ヨクイニン水*1 10.0
(8)グリチルリチン酸ジカリウム*2 0.3
(9)ピロリドンカルボン酸ナトリウム 0.3
*1 参考例1で製造したもの
*2 丸善製薬社製
【0044】
(製法)
A.成分(4)、(5)及び(6)の一部を加熱混合し、75℃に保つ。
B.成分(1)〜(3)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AをBに徐々に加える。
D.Cを冷却しながら(6)の残部で溶解した(9)、および(7)、(8)を加え、軟膏を得た。
経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌のしみや肌あれを改善し、張りのある美しい肌にする軟膏が得られた。
【0045】
実施例5. パック
(成分) (%)
(1)ポリビニルアルコール 15.0
(2)無水ケイ酸 0.5
(3)ポリエチレングリコール 0.5
(4)ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 5.0
(5)グリセリン 5.0
(6)精製水 残量
(7)エチルアルコール 10.0
(8)防腐剤 適量
(9)ヨクイニン水*1 0.1
(10)グリチルレチン酸ステアリル*2 1.0
(11)冬虫夏草抽出液*3 1.0
(12)香料 適量
*1 参考例1で製造したもの
*2 丸善製薬社製
*3 丸善製薬社製
【0046】
(製法)
A.成分(1)〜(6)を混合し、70℃に加熱して溶解する。
B.成分(7)及び(8)を混合して溶解する。
C.Bを先のAに加え、混合した後、冷却して(9)〜(12)を均一に分散してパックを得た。
得られたパックは、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、肌のしみや肌あれを改善し、張りのある美しい肌にするものであった。
【0047】
【0048】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を加熱し混合溶解する。
B.Aに成分(13)〜(18)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C.成分(8)〜(12)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D.CにBを添加して、均一に乳化する。
E.Dを冷却後、成分(19)〜(22)を添加してリキッドファンデーションを得た。
得られたリキッドファンデーションは、経時安定性に優れており、皮膚に適用することにより、メーキャップ効果に加え肌のしみや肌あれを改善し、張りのある美しい肌にするものであった。
【0049】
実施例7. 日焼け止め乳液
(成分) (%)
(1)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン 1.0
(2)ジメチルポリシロキサン 5.0
(3)オクタメチルシクロテトラシロキサン 20.0
(4)イソノナン酸イソトリデシル 5.0
(5)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 5.0
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
(8)微粒子酸化チタン 10.0
(9)微粒子酸化亜鉛 10.0
(10)酸化ジルコニウム 5.0
(11)ポリスチレン末 3.0
(12)トリメチルシロキシケイ酸 0.5
(13)ジプロピレングリコール 3.0
(14)エチルアルコール 10.0
(15)精製水 残量
(16)食塩 0.2
(17)ヨクイニン水*1 5.0
(18)ジパルミチン酸アスコルビル*2 0.5
*1 参考例1で製造したもの
*2 日光ケミカルズ社製
【0050】
(製法)
A.成分(1)〜(12)を混合分散する。
B.成分(13)〜(18)を混合溶解する。
C.AにBを添加して、均一に乳化して、日焼け止め乳液を得た。
得られた日焼け止め乳液は、経時安定性に優れ、皮膚に適用することにより、日焼け止め効果に加え、肌のしみや肌あれを改善し、張りのある美しい肌にするものであった。
【0051】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明のヨクイニン水は美白、及び肌あれ防止効果を有し、美白剤及び肌あれ防止剤として有用であり、これを含有する皮膚外用剤は優れた美白、及び肌あれ防止効果を発揮する。
更に、アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、又はグリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩と組み合わせることにより、そして更に、トウキ抽出液、センキュウ抽出液、センプクカ抽出液、ボタン抽出液、ハマメリス抽出液、冬虫夏草抽出液、メロスリア抽出液、ビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩、小麦胚芽油から選ばれる薬効剤と組み合わせることにより、より優れた美白、及び肌あれ防止効果を発揮する。
したがって、本発明の皮膚外用剤は、美白、及び肌あれ防止効果を目的とする化粧品や医薬品等に有利に利用できる。
Claims (3)
- 次の成分(A)、(B)及び(C)
(A)ヨクイニン水
(B)アスコルビン酸及びその誘導体並びにそれらの塩、又はグリチルリチン酸及びその誘導体並びにそれらの塩から選ばれる一種又は二種以上
(C)トウキ抽出液、センキュウ抽出液、センプクカ抽出液、ハマメリス抽出液、冬虫夏草抽出液、メロスリア抽出液、ビタミンE及びその誘導体並びにそれらの塩、小麦胚芽油から選ばれる一種又は二種以上を配合することを特徴とする皮膚外用剤。 - (A)ヨクイニン水を美白剤として配合することを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
- (A)ヨクイニン水を肌あれ防止剤として配合することを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤。
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JP2002253058A JP3747192B2 (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 皮膚外用剤 |
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