JP3622004B2 - 無人搬送車システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行経路上を自動走行する無人搬送車の制御システムに関し、詳しくは、上位のコントローラと、その下位のコントローラと、該下位のコントローラにより管理される無人搬送車との間の制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体製造工場等、塵挨の発生が問題となるクリーンルームでは、物品を搬送するために、走行経路に沿って無人搬送車を自動走行させる無人搬送車システムが知られている。
この無人搬送車は地上に設置された上位のコントローラにより制御されており、該上位のコントローラは全ての無人搬送車に対してそれぞれユニークな台車番号を割り付け、該台車番号を基に各無人搬送車を管理している。
この上位のコントローラは、無人搬送車を直接制御管理している下位のコントローラに搬送指令等を送信し、該下位のコントローラでは送信された搬送指令をフォーマット変換して台車番号を付与し、目的の無人搬送車へ送信している。
【0003】
また、複数の搬送系を備えた無人搬送車システムもあり、このシステムでは、全系に存在する全ての無人搬送車を統括管理する1台の上位のコントローラと各系毎に設けられた下位のコントローラとを接続し、該下位のコントローラによってその系の無人搬送車を制御管理している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術の前者の下位のコントローラで、上位のコントローラから送信された搬送指令を目的の無人搬送車へ送信する場合、該無人搬送車が該搬送指令を実行する上で不要なデータも多く含まれており、徒に負荷が掛かっていた。
加えて、複数の系から成る前記従来技術の後者では、特急品等を搬送するために、これらの系の間で無人搬送車を行き来させることとなるが、この場合、各下位のコントローラでは、その管理する系に現在存在している無人搬送車に対し、目的の無人搬送車の台車番号を順番に呼び掛けるため、当該目的の無人搬送車の位置等は必ず何れかの下位のコントローラで把握されるものの、各系の下位のコントローラでは全系の無人搬送車のデータを掌握しておく必要があり、多大な負荷が掛かっていた。
そこで、本発明では、この負荷の軽減を図ることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用いるものである。
すなわち、請求項1に記載の如く、上位のコントローラが全ての無人搬送車に対してユニークな台車番号を付与し、その下位のコントローラを介して各無人搬送車を制御する無人搬送車システムにおいて、該下位のコントローラが管理する系に存在する無人搬送車にはそれぞれその制御に必要な制御番号を付与し、該下位のコントローラは上位のコントローラに対しては台車番号により応対し、その管理する系の無人搬送車に対しては制御番号により応対して、各無人搬送車を制御する。
【0006】
また、請求項2に記載の如く、前記無人搬送車に、その台車番号、及び制御番号を記憶する記憶手段を設ける。
【0007】
そして、請求項3に記載の如く、前記下位のコントローラが管理する系間に書換手段を設け、前記記憶手段に記憶された制御番号を自動で書き換える。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る無人搬送車システム1について説明する。
図1は無人搬送車システム1の概略構成図、図2は無人搬送車システム1のブロック図、図3は台車番号101が付与された無人搬送車10の系1A・1B・1C間での移動を示す説明図であって、同図(a)は該無人搬送車10の移動前を示す図、同図(b)は該無人搬送車10の移動途中を示す図、同図(c)は該無人搬送車10の移動後を示す図である。
【0009】
図1に示す無人搬送車システム1は複数の搬送系1A・1B・1C・・・から成り、各系1A・1B・1C・・・には無人搬送車10の移動経路となる軌道11・11・・・がループ状に敷設され、該軌道11に沿って複数のステーション13・14・・・が配置されている。ステーション13・13・・・では無人搬送車10へ荷の移載が行われ、ステーション14・14・・・では無人搬送車10からの荷下ろしが行われる。
【0010】
また、隣り合う軌道11・11はそれぞれ軌道12・12によって連結され、該軌道11から軌道12への分岐部に切換手段を設けたり、あるいは、無人搬送車10よりガイド輪を出没させて軌道11、又は軌道12に沿った溝部に宛がい、無人搬送車10自体に進路を選択する手段を設けて、各系1A・1B・1C・・・の間でも無人搬送車10の移動を可能にしている。
【0011】
そして、軌道11・12・・・に沿っては、銅線などの導電線を絶縁材料で被覆した給電線と、フィーダ線を用いた通信線9・9・・・とが架設されている。この給電線は各系1A・1B・1C・・・に跨って張り巡らされ、その一端に電源装置が設けられて、高周波の電流が流されている。該給電線周りに生じる磁界によって誘導電流が発生する。その誘導電流を無人搬送車10に固定されたピックアップコイルで取り出して、増幅し、電流を所定の電圧に変換し、整流・平滑して、無人搬送車10に搭載される制御機器や走行用モータ等へ給電が行われる。
【0012】
一方、通信線9・9・・・は各系1A・1B・1C・・・毎にエリアが分割されており、系1A・1B・1C・・・全体の無人搬送車10・10・・・を統括管理する上位のコントローラ(ホストコントローラ)2と、各系1A・1B・1C・・・毎に配置された下位のコントローラ(ハブコントローラ)3A・3B・3C・・・とを制御線8・8・8・・・により接続し、該ハブコントローラ3A・3B・3C・・・とその属する系の通信線9・9・9・・・とを接続する。
そして、軌道11・12上を走行する無人搬送車10には、この通信線9と接近対向させて、受信器42と送信器43とを搭載している。
【0013】
このような構成で、ホストコントローラ2により、各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・を介して、全系1A・1B・1C・・・の無人搬送車10・10・・・を制御管理している。
【0014】
前記ホストコントローラ2では、モデム21からの各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・毎のフィードバック信号、例えば、各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・が管理するその系1A・1B・1C・・・の無人搬送車10・10・・・の現在位置のアドレス信号や荷の有無などの信号を入力して判断し、それぞれの無人搬送車10・10・・・についての行先や移載を行うかどうかなどの制御信号をホストコントローラ2のインターフェイスを介してモデム21へ出力する。
【0015】
このモデム21は、ホストコントローラ2から入力した各無人搬送車10・10・・・毎のディジタル信号をFM変調し、制御線8をアンテナとして各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・へ送信する。
そして、各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・で受信された制御信号はモデム31・31・31・・・へ入力される。
【0016】
該モデム31は前記ホストコントローラ2のモデム21と送受信機機能の局部発振周波数を入替えただけで他は同一の構成をしており、入力された信号は復調されディジタル信号に変換され、ハブコントローラ3(3A、3B、3C等)に出力される。
【0017】
また、ハブコントローラ3では、モデム32からの各無人搬送車10・10・・・毎のフィードバック信号、例えば、現在位置のアドレス信号や荷の有無などの信号を入力してインターフェイスを介してモデム31へ出力するとともに、モデム31からの各無人搬送車10・10・・・についての走行する行先や移載を行うかどうかなどの制御信号を入力し、その詳細は後述することにするが、該制御信号のうち当該ハブコントローラ3が管理する無人搬送車10・10・・・に対しての制御信号のみをピックアップし、インターフェイスを介してモデム32へ出力する。
【0018】
このモデム32は、ハブコントローラ3から入力した無人搬送車10・10・・・毎のディジタル信号をFM変調し、インピーダンスマッチングボックス33を介して、通信線9をアンテナとして送信する。
【0019】
そして、無人搬送車10の受信器42で受信された制御信号はモデム41へ入力される。該モデム41は前記ハブコントローラ3のモデム32と送受信機機能の局部発振周波数を入替えただけで他は同一の構成をしており、受信器42から入力された信号は復調されディジタル信号に変換され、無人搬送車10本体の制御手段である搬送車コントローラ4へ出力される。
【0020】
前記搬送車コントローラ4は、センサとして、無人搬送車10の荷台における荷の有無、荷の定位置を検出する光電スイッチからなる荷物検出器、軌道11・12に沿って設置された現在位置のアドレスの基点となる原点、ステーション13・14・・・のゾーン、及びカーブを検出する光電スイッチからなる走行制御検出器、先行する無人搬送車10との接近を検出する受光器、追突を検出するバンパスイッチ、走行距離を駆動輪の走行モータの回転数で検出するためのエンコーダ等が接続されており、各センサからの信号、及びモデム41から入力したハブコントローラ3からの制御信号により判断し、インバータを介して前記走行モータ等を制御して、無人搬送車10の自動走行を制御している。
【0021】
また、搬送車コントローラ4は後行する無人搬送車10が接近を検出するための投光を投光器により行っている。搬送車コントローラ4からのハブコントローラ3への前記フィードバック信号はディジタル信号にてモデム41へ出力され、該モデム41はこのフィードバック信号をFM変調して送信器43に送信する。該送信器43から送信された搬送車コントローラ4からのフィードバック信号は、通信線9にて受信されてインピーダンスマッチングボックス33を介してモデム32で復調されてハブコントローラ3に出力される。ハブコントローラ3はモデム32から入力した搬送車コントローラ4からのフィードバック信号により無人搬送車10の状況を把握している。
【0022】
このように、モデム21とモデム31を送受信装置とし、制御線8を介してホストコントローラ2とハブコントローラ3との信号の授受が行われ、また、モデム32とモデム41を送受信装置とし、受信器42、送信器43と通信線9をアンテナとして使用することにより、ハブコントローラ3と搬送車コントローラ4との信号の授受が行われている。
尚、制御線8をアンテナとして利用することで、モデム21とモデム31との間で信号の授受を行うようにしてもよい。
【0023】
前述のように、ハブコントローラ3では、ホストコントローラ2からの制御信号のうち当該ハブコントローラ3が管理する無人搬送車10・10・・・に対しての制御信号のみをピックアップして出力するのであるが、次にこの制御システムについて説明する。
【0024】
図2に示すように、無人搬送車10に記憶装置45を設け、該記憶装置45の記憶部45aには他の無人搬送車10と識別するため台車番号を設定入力しておき、一方の記憶部45bにはその無人搬送車10の制御に必要な制御番号を記憶させておく。
【0025】
例えば、図1及び図3(a)に示すように、システムの始動準備段階で、系1Aに属する無人搬送車10・10・10には台車番号101・102・103を、系1Bに属する無人搬送車10・10・10には台車番号104・105・106を、そして、系1Cに属する無人搬送車10・10・10には台車番号107・108・109を付与しておくものとする。
ここでは、簡単のため、各無人搬送車10・10・・・の台車番号101・102・・・を番号順に系統立て付与したが、各無人搬送車10・10・・・にはそれぞれ特有の台車番号が割り振りされていれば、ランダムに付与してもよい。
【0026】
そして、ホストコントローラ2では、この割り付けられた台車番号101・102・・・を基に、全系1A・1B・1C・・・に存在する無人搬送車10・10・・・を統括管理している。
【0027】
一方の制御番号は、各系1A・1B・1C・・・毎で管理され、システムの始動準備段階では、例えば、系1Aに属する台車番号101・102・103が付された無人搬送車10・10・10には制御番号201・202・203を、系1Bに属する台車番号104・105・106が付された無人搬送車10・10・10には制御番号301・302・303を、そして、系1Cに属する台車番号107・108・109が付された無人搬送車10・10・10には制御番号401・402・403を付与しておく。
【0028】
各系1A・1B・1C・・・のハブコントローラ3A・3B・3C・・・では、この制御番号201・202・・・、301・302・・・、401・402・・・に基づき、その系1A・1B・1C・・・に存在する無人搬送車10・10・・・を制御管理している。
【0029】
また、各系1A・1B・1C・・・の、軌道11から軌道12へ分岐部付近にイレイサ37を配置し、軌道12から軌道11へ合流部付近にリードライタ38を配置する。該イレイサ37により、その系1A・1B・1C・・・から退去する無人搬送車10の記憶部45bに書き込まれた制御番号を消去し、一方のリードライタ38によりその系1A・1B・1C・・・へ進入する無人搬送車10の記憶部45aに書き込まれた台車番号を読み取ると同時にその記憶部45bに新たな制御番号を書き込む。
【0030】
そして、イレイサ37・37・・・、及びリードライタ38・38・・・は、その属する系1A・1B・1C・・・のハブコントローラ3A・3B・3C・・・と接続されて、系間1A・1B・1C・・・で無人搬送車10の移動があった場合、無人搬送車10の記憶装置45に対してその制御番号の消去を施したイレイサ37、及び新たな制御番号の書込みを施したリードライタ38からそれぞれの属する系1A・1B・1C・・・のハブコントローラ3A・3B・3C・・・へ制御信号が出力され、該ハブコントローラ3A・3B・3C・・・では移動後の最新の制御番号により無人搬送車10・10・・・が把握管理される。
【0031】
このイレイサ37・37・・・、及びリードライタ38・38・・・によるハブコントローラ3A・3B・3C・・・での制御管理を、図3を参照しながら例証する。
例えば、図3(a)に示す現在系1Aに存在する台車番号101、及び制御番号201が付与された無人搬送車10が、特急品等の搬送のために、系1Cへ移動したとする。
【0032】
まず、この無人搬送車10が系1Aから退去する場合に、該系1Aのイレイサ37によってその制御番号201が消去される。この信号がハブコントローラ3Aへ出力され、制御番号201が付された無人搬送車10が系1Aに存在しなくなったと認識される。また、これにより該ハブコントローラ3Aでは、制御番号201に対応した台車番号101が付された無人搬送車10が系1Aに存在しなくなったとも認識されることとなる。
【0033】
図3(b)に示すように、次に、この無人搬送車10が系1Bへ進入する場合、該系1Bのリードライタ38によって該無人搬送車10の記憶部45aに書き込まれた台車番号101が読み取られるとともにその記憶部45bに新たな制御番号304が書き込まれる。この信号がハブコントローラ3Bへ出力され、該ハブコントローラ3Bでは、台車番号101、及び制御番号304が付された無人搬送車10が新たに系1Bに存在することとなったことが認識される。
【0034】
この無人搬送車10は系1Bを通過するにすぎず、系1Bから退去する無人搬送車10は、該系1Bのイレイサ37によってその制御番号304が消去される。この信号がハブコントローラ3Bへ出力され、制御番号304が付された無人搬送車10が系1Bに存在しなくなったと認識される。また、これにより該ハブコントローラ3Bでは、制御番号304に対応した台車番号101が付された無人搬送車10が系1Bに存在しなくなったとも認識されることとなる。
【0035】
そうして、図3(c)に示すように、該無人搬送車10が系1Cへ進入すると、該系1Cのリードライタ38によって該無人搬送車10の記憶部45aに書き込まれた台車番号101が読み取られるとともにその記憶部45bに新たな制御番号404が書き込まれる。この信号がハブコントローラ3Cへ出力され、該ハブコントローラ3Cでは、台車番号101、及び制御番号404が付された無人搬送車10が新たに系1Cに存在することとなったことが認識される。
【0036】
前述の如く、ホストコントローラ2では、割り振りされた台車番号101・102・・・により、各無人搬送車10・10・・・を制御管理しており、ここで、台車番号101が付された無人搬送車10へ搬送指令が出力されるとする。
まず、該無人搬送車10の現在位置や荷の有無などが確認されるのであるが、ホストコントローラ2から各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・へ、該台車番号101に付随させた制御信号が出力される。
【0037】
この制御信号により該台車番号101が付された無人搬送車10の搬送情報が要求され、従来は、各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・ではその管理する系1A・1B・1C・・・の無人搬送車10・10・・・に対して順番に呼び掛けを行っていた。この呼び掛けは台車番号101により行われ、該ハブコントローラ3(3A、3B、3C等)から該台車番号101を無人搬送車10の搬送車コントローラ4へ送信し、その記憶部45aに記された台車番号と該台車番号101とを照合して、該搬送車コントローラ4からハブコントローラ3へ一致、又は不一致の信号が返信されていた。この照合をその属する系1A・1B・1C・・・の無人搬送車10・10・・・に対して順番に行い、該台車番号101により目的の無人搬送車10を探し出していた。
【0038】
しかしながら、この方法で行くと、全系1A・1B・1C・・・のハブコントローラ3A・3B・3C・・・で該台車番号101による呼び掛けが行われ、結局、該ハブコントローラ3A・3B・3C・・・のうち目的の無人搬送車10が見つけ出されるのは1つであり、それ以外のハブコントローラでは全無人搬送車10・10・・・に対して徒に呼び掛けだけが行われる結果となる。
【0039】
実際には、ホストコントローラ2からは複数の無人搬送車10・10・・・に対しての搬送指令が逐次出力されており、各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・毎に複数の無人搬送車10・10・・・に関するデータが掌握されることとなって、目的の無人搬送車10・10・・・を探し当てる上で不要なデータが多く、各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・によるその系1A・1B・1C・・・の無人搬送車10・10・・・への呼び掛けには多大な負荷が掛かっていた。
【0040】
そこで、本発明では、各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・が管理する無人搬送車10・10・・・に前記した制御番号を付与し、該ハブコントローラ3A・3B・3C・・・はホストコントローラ2に対しては台車番号により応対し、その管理する系1A・1B・1C・・・の無人搬送車10・10・・・に対しては制御番号により応対して、各無人搬送車10・10・・・を制御する。
【0041】
ここで、再び、図3(c)を例に説明すると、ホストコントローラ2から出力された台車番号101による制御信号は、各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・で以下のように処理される。
前述の如く、各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・では、その系1A・1B・1C・・・への出入のあった無人搬送車10・10・・・の制御番号の書き換えを行い、全ての無人搬送車10・10・・・についてその台車番号と1対1に対応させた制御番号を付与している。
【0042】
各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・では、現在付与している制御番号の中から該台車番号101と対応するものをチェックする。こうして、該ハブコントローラ3A・3B・3C・・・のうち何れかのハブコントローラ3Cで該台車番号101と対応する制御番号404が探し出され、以後、ホストコントローラ2は、この台車番号101を有する無人搬送車10の制御に関しては該ハブコントローラ3Cとのみ交信する。
【0043】
そして、ハブコントローラ3Cは該制御番号404による制御信号で呼び掛けて該台車番号101を有する無人搬送車10と交信し、該無人搬送車10の現在位置のアドレス信号や荷の有無などの信号を入力して、該信号を台車番号101と付随させて、ホストコントローラ2へ出力する。
【0044】
ホストコントローラ2は、このハブコントローラ3Cからの制御信号を判断して、該無人搬送車10の行先や移載を行うかどうかなどの搬送指令をハブコントローラ3Cへ返信する。
そして、ハブコントローラ3Cでは、台車番号101に付随した搬送指令をフォーマット変換して制御番号404に載せ変え、該制御番号404に付随させた搬送指令を出力して、該台車番号101が付与された無人搬送車10の制御を行う。
【0045】
尚、ハブコントローラ3Cでは、ホストコントローラ2からの制御信号をそのままフォーマット変換し、制御番号404を書き換えているが、制御信号のうち、搬送指令を作成するのに必要な情報(From、To情報、すなわち、どのステーションからどのステーションへ荷を搬送するという情報)のみを取り出し、無人搬送車10が認識できるフォーマットに変換し、各無人搬送車10の位置情報を基に、目的のFromに最も近い無人搬送車10の制御番号404を付して搬送指令を作成するようにしてもよい。このように必要な情報のみ搬送指令を作成することで、通信時間の短縮、及びハブコントローラ3Cの負荷を軽減することができる。
【0046】
また、本実施の形態では、特急品などを搬送するために、各系1A、1B、1C・・・の軌道11上を走行する無人搬送車10が軌道12を通行して別の系1A、1B、1C・・・に移動する旨が記載されているが、各系1A、1B、1C・・・を連結する軌道12がなく、メンテナンスのために、作業者が無人搬送車10を別の系1A、1B、1C・・・に移動させる場合等にも用いてもよい。
【0047】
以上、具体例を示しながら説明したが、この制御は全系1A・1B・1C・・・に属する全ての無人搬送車10・10・・・に対して行われる。
このように各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・はホストコントローラ2に対しては台車番号により交信し、その系1A・1B・1C・・・の無人搬送車10・10・・・に対しては制御番号により交信することで、従来のように各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・毎にその系1A・1B・1C・・・の無人搬送車10・10・・・に呼び掛けて目的の無人搬送車10を探し出す制御とは異なり、各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・では、全ての台車番号、及びそれに付随するデータを記憶する必要がなくなる。これにより各ハブコントローラ3A・3B・3C・・・での負荷は減少し、その処理能力が向上する。
【0048】
【発明の効果】
本発明は以上の如く構成したので、以下の効果を奏するものである。
すなわち、請求項1のように、上位のコントローラが全ての無人搬送車に対してユニークな台車番号を付与し、その下位のコントローラを介して各無人搬送車を制御する無人搬送車システムにおいて、該下位のコントローラが管理する系に存在する無人搬送車にはそれぞれその制御に必要な制御番号を付与し、該下位のコントローラは上位のコントローラに対しては台車番号により応対し、その管理する系の無人搬送車に対しては制御番号により応対して、各無人搬送車を制御することで、該下位のコントローラでは従来のように全ての台車番号、及びそれに付随するデータを記憶する必要がなくなり、該下位のコントローラでの負荷が減少して、その処理能力が向上する。
【0049】
また、請求項2のように、前記無人搬送車に、その台車番号、及び制御番号を記憶する記憶手段を設け、例えば、上位のコントローラでは台車番号により無人搬送車を統括管理し、下位のコントローラでは制御番号によって無人搬送車を制御管理する等すれば、特急品等の搬送のため、該下位のコントローラが管理する系間で無人搬送車の移動があった場合にも、該制御番号を書き換えるだけで、移動後の無人搬送車を容易に管理でき、作業性が向上する。
【0050】
そして、請求項3に記載の如く、前記下位のコントローラが管理する系間に書換手段を設け、前記記憶手段に記憶された制御番号を自動で書き換えることで、特急品等の搬送のために該系間で無人搬送車が移動した場合、その制御番号が自動で書き換えられて、作業者による無人搬送車の移動管理が不要となり、作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】無人搬送車システム1の概略構成図。
【図2】無人搬送車システム1のブロック図。
【図3】台車番号101が付与された無人搬送車10の系1A・1B・1C間での移動を示す説明図。(a)は該無人搬送車10の移動前を示す図。(b)は該無人搬送車10の移動途中を示す図。(c)は該無人搬送車10の移動後を示す図。
【符号の説明】
1 無人搬送車システム
2 ホストコントローラ
3 ハブコントローラ
4 搬送車コントローラ
10 無人搬送車
37 イレイサ
38 リードライタ
45 記憶装置
45a 記憶部
45b 記憶部
101 台車番号
201 制御番号
304 制御番号
404 制御番号
Claims (3)
- 上位のコントローラが全ての無人搬送車に対してユニークな台車番号を付与し、その下位のコントローラを介して各無人搬送車を制御する無人搬送車システムにおいて、該下位のコントローラが管理する系に存在する無人搬送車にはそれぞれその制御に必要な制御番号を付与し、該下位のコントローラは上位のコントローラに対しては台車番号により応対し、その管理する系の無人搬送車に対しては制御番号により応対して、各無人搬送車を制御することを特徴とする無人搬送車システム。
- 前記無人搬送車に、その台車番号、及び制御番号を記憶する記憶手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の無人搬送車システム。
- 前記下位のコントローラが管理する系間に書換手段を設け、前記記憶手段に記憶された制御番号を自動で書き換えることを特徴とする請求項2記載の無人搬送車システム。
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