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JP3673704B2 - 基板処理装置及びその方法 - Google Patents

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JP3673704B2
JP3673704B2 JP2000227617A JP2000227617A JP3673704B2 JP 3673704 B2 JP3673704 B2 JP 3673704B2 JP 2000227617 A JP2000227617 A JP 2000227617A JP 2000227617 A JP2000227617 A JP 2000227617A JP 3673704 B2 JP3673704 B2 JP 3673704B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば基板に対して現像処理等の基板処理を行う基板処理装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)や液晶ディスプレイのガラス基板(LCD基板)の表面に所定のパタ−ンを形成するためのマスクは、ウエハ等の基板表面にレジストを塗布した後、光、電子線あるいはイオン線等をレジスト面に照射し、現像することによって得られる。
【0003】
ここで現像処理は、露光工程にて光等が照射された部分あるいは照射されない部分をアルカリ水溶液等により溶解するものであり、従来は例えば次のようにして行っていた。つまり先ず図12(a)に示すように、例えば真空吸着機能を備えたスピンチャック10の上に基板例えばウエハWを吸着保持して、多数の吐出孔を有する棒状の供給ノズル11をウエハWの中央部に配置し、次いで図12 (b)に示すように、供給ノズル11からウエハ表面に現像液Dを供給しながら、ウエハWを180度回転させることにより、レジスト膜上に現像液Dの液盛りを行い、続いて図12(c)に示すように、ウエハWの回転を停止した状態で例えば60秒間放置した後、ウエハ表面にリンス液を供給して現像液を洗い流すという手法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら例えばI線レジストを用いた場合、上述の現像方法では現像ムラが発生し、部位によって現像線幅が変わってしまい、例えばウエハ中心部近傍と周縁部との間では、約4nm程度線幅が狂ってしまうという問題がある。この原因について検討してみると、現像の進行の度合いは現像液Dの温度に依存することから、ウエハ面内において現像液Dに温度分布が発生していると考えられる。
つまり現像液Dは例えば23℃程度の温度に調整されているが、ウエハWに液盛りを行って放置している間に現像液Dに含まれる水分が蒸発し、これにより現像液Dの潜熱が奪われるので、図13に示すように現像液Dの温度は時間と共に低下する。
【0005】
一方ウエハWの中心近傍を保持するスピンチャック10は、ウエハWを保持した状態で昇降や回転を行うため、ある程度の大きさがある。また当該スピンチャック10を駆動するための図示しないモ−タからの温度影響を無くすように、例えば温調水により例えば23℃程度の温度に保たれている。従ってスピンチャック10は熱容量が大きく、ウエハWのスピンチャック10と接触している部分と接触していない部分とで、現像液Dの温度低下の度合いが異なり、ウエハ中心近傍の温度は周縁部に比べて低下しにくいと考えられる。
【0006】
このためリンス開始時にはウエハ中心近傍と周縁部との間に例えば約1℃程度の現像液Dの温度差が生じ、これにより現像状態にムラが生じて、出来上がり寸法が変化するという悪影響が発生していると推察される。
【0007】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は処理液の温度を基板の面内でほぼ均一にすることにより、処理液の温度差による処理ムラの発生を抑えて、処理の均一性を高める基板処理装置及びその方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の基板処理装置は、基板の中央近傍を保持し、鉛直軸回りに回転自在な基板保持部と、
基板に処理液を供給するための処理液供給部と、
前記基板保持部を囲むように環状に形成され、前記基板保持部に保持された基板の周縁領域における被処理面の反対面の近傍に設けられた凸部と、
前記基板の周縁領域における被処理面の反対面と凸部との間に温調液を供給するための温調液供給部と、を備え、
処理液が供給された基板を前記基板保持部により所定時間回転させ、この回転により、前記温調液供給部からの温調液を被処理面の反対面と凸部と間において基板の全周に亘って液膜として形成することを特徴とする。
また上記基板処理装置において、前記凸部に設けられ、前記基板の周縁領域を加熱するための加熱部を備えた構成であってもよい。
【0011】
ここで前記温調液供給部は、例えば基板の被処理面の反対面の例えば周方向に等分した位置に温調液を供給する温調液供給部とすることができる。
【0013】
さらに前記処理液供給部は、基板に沿って形成された供給孔を有し、前記基板保持部と相対的に回転自在に設けるようにしてもよい。また基板処理の具体例としては、処理液として現像液を用いた現像処理を挙げることができる。
本発明方法は、基板に処理液を供給して処理を行う基板処理方法において、
基板の中央近傍を基板保持部に保持させて、当該基板に処理液を供給する工程と、
処理液が供給された基板を前記基板保持部により所定時間鉛直軸回りに回転させる工程と、
前記基板保持部を囲むように環状に形成され、前記基板保持部に保持された基板の周縁領域における被処理面の反対面の近傍に設けられた凸部と、前記被処理面の反対面と、の間に基板が回転しているときに温調液を供給し、基板の回転により前記温調液を被処理面の反対面と凸部と間において基板の全周に亘って液膜として形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
また上記基板処理方法において、前記凸部に設けられた加熱部により、基板が回転しているときに前記基板の周縁領域を加熱する工程を更に備えてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用した現像装置の縦断面図であり、図1中2は、基板であるウエハWの中央近傍を、被処理面が上を向くようにほぼ水平な状態で保持すると共に、当該ウエハWを鉛直軸まわりに回転させ、かつ昇降させるためのj、、例えば樹脂により構成されたウエハ保持部である。このウエハ保持部2は基板保持部をなすものであって例えば真空吸着機能を有し、昇降機構とモ−タとが組み合わされた駆動部21により、回転軸22を介して鉛直軸まわりに回転自在かつ昇降自在に構成されている。こうしてウエハWは、ウエハ保持部2により、図2に示すウエハ保持部2に吸着保持された処理位置と、図中一点鎖線で示す、処理位置よりも上方側のウエハWの受け渡し位置との間で昇降自在、回転自在に保持される。
【0015】
このようなウエハ保持部2の周囲には、前記処理位置にあるウエハWの周囲を囲み、ウエハ上に供給された処理液例えば現像液を振り切る際に、この液が周囲に飛散するのを防ぐための、円形筒状のカップ3が設けられている。カップ3は、外カップ31と内カップ32とからなり、外カップ31は、処理液の飛散を防止するときには、前記ウエハWの受け渡し位置よりも上方側に上端が位置し、ウエハWの受け渡し時や処理液の塗布時には、前記ウエハWの受け渡し位置よりも下方側に上端が位置するように、図示しない昇降機構により昇降自在に構成されている。
【0016】
内カップ32は外カップ31の内側に、前記ウエハWの受け渡し位置よりも下方側であって、ウエハWが前記処理位置にあるときには、当該ウエハWよりも上方側に上端が位置するように設けられている。この内カップ32は、ウエハWの側方側では上に向かって内側に傾斜し、ウエハWの下方側には処理液のウエハWの裏面側への回り込みを抑えるために、前記処理位置にあるウエハWの裏面側周縁に接するか接しない程度に環状の凸部33が設けられ、ウエハWの外方から凸部33に向かって上に傾斜するように形成されている。
【0017】
また内カップ32の例えば2か所には、ウエハWの裏面側の周縁領域(ウエハ保持部2にてウエハWを保持したときの当該保持領域の外側の領域)に温調液A例えば温調水を供給するための温調液供給部をなす温調液Aの流路41が形成されており、この流路41は、例えばウエハWの裏面側の周縁領域を周方向に2等分する位置に温調液Aを供給するために、約180゜間隔で設けられている。
【0018】
ここで例えば前記内カップ32の凸部33の内側は、例えば図2に示すように、ウエハ中央部に向かってわずかに下に傾斜する傾斜面34になっており、前記流路41は、例えば当該凸部33の内側の傾斜面に吐出口41a(図7参照)が位置するように形成されている。また前記流路41の吐出口41aの他端側は夫々温調液Aの供給管42,43を介して、例えば25℃〜27℃の温度に調整された温調水が貯留されている共通の温調液タンク44に接続されている。これにより所定の温度に調整された温調液Aが前記流路41を介して、ウエハWの裏面側とウエハ保持部2の前記傾斜面34との間に供給され、当該ウエハWの裏面側と傾斜面34とに挟まれた部分の近傍領域に温調液Aの液膜が形成されるようになっている。
【0019】
さらにカップ3には、処理液の排液路34と、排気路と排液路とを兼ねた排出路35とが接続されており、排出路35は図示しない気液分離手段に接続されている。
【0020】
ウエハ保持部2に真空吸着された処理位置にあるウエハWの上方には、当該ウエハWの表面に処理液である現像液Dを供給するための処理液供給部をなすノズル5が設けられている。このノズル5は、図3(a),(b)に示すように、例えば横に細長い棒状に形成されたノズル本体51と、ノズル本体51の下面に設けられ、ウエハ表面に径方向に沿って現像液を吐出するための供給孔52を備えており、前記ノズル本体51及び供給孔52は、ウエハ表面の中心線(ウエハWの中心を通り、径方向に伸びる線)近傍に、現像液Dを供給するように構成されている。
【0021】
このノズル5は、例えば図4に示すように、ノズル保持部53により保持されて、案内レ−ル54に沿って水平移動自在に構成されると共に、図示しない昇降機構により昇降自在に構成されている。これによりノズル5は、ウエハWの搬入出時に邪魔にならないように、ウエハ保持部2の外側の待機位置と、ウエハ保持部2のほぼ中央部の上方側の上方位置との間で移動できるようになっていると共に、前記上方位置と、その位置から下降した位置である現像液の供給位置との間で昇降できるようになっている。
【0022】
このようなノズル5には、図示しない供給管を介して現像液貯留タンク(図示省略)と連通接続されている。また現像装置は、ウエハWの表面に現像液Dを洗い流すためのリンス液Rを供給するためのリンス用ノズル55を備えている。このリンス用ノズル55は、例えば上述のノズル5とほぼ同様に構成され、ノズル保持部53により保持されて、ウエハ保持部2の外側の待機位置と、ウエハ上にリンス液Rを供給する供給位置との間で移動できるようになっている。
【0023】
続いて上述の装置を用いて行われる本発明方法の一実施の形態を現像処理に適用した場合を例にして、図5及び図6を用いて説明する。先ず図5(a)に示すように、ウエハ保持部2を前記受け渡し位置まで上昇させ、レジスト膜が形成され露光されたウエハWを、図示しない搬送ア−ムによりウエハ保持部2上に受け渡し、当該ウエハ保持部2に真空吸着させる。なおウエハWをウエハ保持部2に押し付ける手法は、例えばウエハWの周縁を機械的に押し付けるメカチャックを用いてもよい。
【0024】
そして図5(b)に示すように、内カップ32に形成された流路41から温調液AをウエハWの裏面側に吐出させながら、待機位置にあるノズル5をウエハ保持部2の上方位置を介して供給位置まで移動させて、ノズル5から現像液Dを吐出させ、ウエハWの中心線近傍に現像液Dを供給すると共に、ウエハ保持部2を例えば30rpm程度の回転数で回転させて現像液Dの液盛りを行う。つまり処理位置ではノズル5の供給孔52の先端がノズル5からウエハ表面に供給した現像液Dに接触するようになっており、この状態でウエハWを180度回転させながら、供給孔52からウエハ表面に現像液Dを供給すると、回転の遠心力による現像液Dの拡散と、ノズル5の供給孔52による現像液Dの伸展によって、ウエハWの表面全体に現像液Dが塗布され、液盛りが行われる。
【0025】
またこの際ウエハWの裏面側の周方向に2等分する2か所の位置に向けて、ウエハWの裏面側とウエハ保持部2の傾斜面34との間に供給された温調液は、ウエハWの回転によりウエハWのほぼ全周(360゜)に広がり、ウエハWの裏面側の周縁領域には、例えば図7に示すような環状の温調液Aの液膜が形成される。ここで流路41の吐出口41aは前記ウエハ保持部2の傾斜面34に形成され、当該傾斜面34は処理位置にあるウエハWの裏面側近傍に位置するので、温調液は既述のように当該傾斜面34とウエハWの裏面との間に挟まれた状態で広がり、ウエハWを回転させることにより当該傾斜面34のウエハWの裏面との対応する位置が移動し、これによりウエハWの裏面側の全周の所定の周縁領域に、前記傾斜面34の幅と同じかわずかに大きい所定の幅の温調液Aの液膜が形成されることとなる。
【0026】
続いて図5(c)に示すように、ノズル5を待機位置まで移動させる一方、前記流路41から温調液AをウエハWの裏面側に吐出させながら、例えば60秒間ウエハ保持部2を例えば10rpm程度の回転数で低速回転させることにより現像を行う。従ってウエハWの裏面側の全周の所定の周縁領域に、温調液Aの液膜が形成された状態で現像時が行われる。
【0027】
このようにして現像を行った後、図6(a)に示すように、待機位置にあるリンス用ノズル55をウエハ保持部2の上方位置を介して供給位置まで移動させ、ウエハ保持部2を回転させながらリンス用ノズル55からリンス液Rを吐出させて洗浄を行う。次いで図6(b)に示すように、ウエハWを高速で回転させることによりウエハ表面を乾燥させ、この後ウエハ保持部2をウエハWの受け渡し位置まで上昇させてウエハWを図示しない搬送ア−ムに受け渡す。
【0028】
ここでウエハ保持部2へのウエハWの受け渡しや、ノズル5やリンス用ノズル55のウエハ上方部への移動の際には、外カップ31の上端を前記ウエハWの受け渡し位置よりも下方側に位置させ、ウエハWへの現像液Dやリンス液Rの供給時や現像時、乾燥時には、外カップ31の上端を前記ウエハWの受け渡し位置よりも上方側に位置させて所定の処理を行う。
【0029】
このような現像方法では、温調液をウエハWの裏面側の周縁領域に供給しながら、現像液の液盛りと現像とを行っているので、ウエハ表面に現像液Dの温度分布が発生しにくく、均一性の高い現像処理を行うことができる。
【0030】
つまりウエハWのウエハ保持部2にて保持されている中央近傍領域は、当該ウエハ保持部2が約23℃程度に温度調整されているので、このウエハ保持部2との接触により温められている。一方ウエハWの裏面側の周縁領域には、既述のように全周に亘って約25℃〜27℃程度に調整された温調液の液膜が形成されているので、これにより当該周縁領域も温められている。ここでウエハ保持部2よりも温調液の方が温度が高くなっているが、これはウエハ保持部2の方が熱容量が大きいからであり、実際にウエハWの中央近傍領域と周縁領域とはほぼ同じ温度に調整されることとなる。
【0031】
このようにウエハWの中央近傍領域と周縁領域とはほぼ同じ温度に調整されるので、ウエハWのこれらの部位上の現像液Dの温度差は無くなり、さらにウエハWを回転することによりウエハ上の現像液Dが回転の慣性力により攪拌されるので、ウエハWの中央近傍領域や周縁領域の現像液Dと、これら中央近傍領域と周縁領域との間の境界領域の現像液Dとが混合し、結果としてウエハ上の現像液Dの温度がほぼ均一なものとなる。
【0032】
このため現像液Dの温度がウエハ面内に亘ってほぼ均一な状態で現像が行われるので、温度差が原因となる現像ムラの発生が抑制され、これにより現像線幅の寸法の変化が抑えられて、現像処理の均一性が高められる。実際にI線レジストが塗布され、所定のパタ−ン形状に露光されたウエハWに対して上述の現像装置にて現像処理を行ったところ、ウエハWの中央近傍と周縁部との間で現像線幅の狂いはほとんどなく、均一な現像処理を行うことができることが認められた。
【0033】
続いて本発明の他の例について図8に基づいて説明する。この例が上述の現像装置と異なる点は、内カップ32に温調液の流路41を形成する代わりに、温調部である加熱部をなすヒ−タ6を設けたことである。具体的には、ヒ−タ6は、例えば抵抗発熱線により構成され、前記内カップ32の傾斜面34近傍に内カップ32の全周に亘って設けられており、ウエハWの裏面側の前記周縁領域近傍が例えば23℃程度の温度になるように加熱するようになっている。
【0034】
このような現像装置においても、ヒ−タ6によりウエハWの裏面側の前記周縁領域を加熱しながら、ウエハWを回転させた状態で現像液Dの液盛り及び現像が行われる。このためウエハWの裏面側の前記周縁領域が23℃程度の温度に加熱されるので、上述の例と同様に、ウエハ表面における現像液の温度分布の発生を抑えて、均一性の高い現像処理を行うことができる。
【0035】
次に本発明に係る現像方法の実施に使用される現像装置をユニットに組み込んだ塗布・現像装置の一例の概略について図9及び図10を参照しながら説明する。図9及び図10中、7はウエハカセットを搬入出するための搬入出ステ−ジであり、例えば25枚収納されたカセットCが例えば自動搬送ロボットにより載置される。搬入出ステ−ジ7に臨む領域にはウエハWの受け渡しア−ム70が、X,Y方向及びθ回転(円鉛直軸回りの回転)自在に設けられている。更にこの受け渡しア−ム70の奥側には、例えば搬入出ステ−ジ7から奥を見て例えば右側には塗布・現像系のユニットU1が、左側、手前側、奥側には加熱・冷却系のユニットU2,U3,U4が夫々配置されていると共に、塗布・現像系ユニットと加熱・冷却系ユニットとの間でウエハWの受け渡しを行うための、例えば昇降自在、左右、前後に移動自在かつ鉛直軸まわりに回転自在に構成されたウエハ搬送ア−ムMAが設けられている。但し図9では便宜上ユニットU2及びウエハ搬送ア−ムMAは描いていない。
【0036】
塗布・現像系のユニットにおいては、例えば上段に2個の現像ユニット71aが、下段に2個の塗布ユニット71bが設けられている。加熱・冷却系のユニットにおいては、加熱ユニットや冷却ユニットや疎水化処理ユニット等が上下にある。前記塗布・現像系ユニットや加熱・冷却系ユニットを含む上述の部分をクリ−ントラックと呼ぶことにすると、このクリ−ントラックの奥側にはインタ−フェイスユニット72を介して露光装置73が接続されている。インタ−フェイスユニット72は、例えば昇降自在、左右、前後に移動自在かつ鉛直軸まわりに回転自在に構成されたウエハ搬送ア−ム74によりクリ−ントラックと露光装置73との間でウエハWの受け渡しを行うものである。
【0037】
この装置のウエハの流れについて説明すると、先ず外部からウエハWが収納されたウエハカセットCが前記搬入出ステ−ジ7に搬入され、ウエハ搬送ア−ム70によりカセットC内からウエハWが取り出され、既述の加熱・冷却ユニットU3の棚の一つである受け渡し台を介してウエハ搬送ア−ムMAに受け渡される。次いでユニットU3内の一の棚の処理部内にて疎水化処理が行われた後、塗布ユニット71bにてレジスト液が塗布され、レジスト膜が形成される。レジスト膜が塗布されたウエハWは加熱ユニットで加熱された後インタ−フェイスユニット72を介して露光装置73に送られ、ここでパタ−ンに対応するマスクを介して露光が行われる。
【0038】
その後ウエハWは加熱ユニットで加熱された後、冷却ユニットで冷却され、続いて現像ユニット71aに送られて現像処理され、レジストマスクが形成される。しかる後ウエハWは搬入出ステ−ジ7上のカセットC内に戻される。
【0039】
以上において本発明では、基板としてはウエハに限らず、液晶ディスプレイ用のガラス基板であってもよいし、現像処理以外に塗布処理等に適用することができる。また温調液の流路41は、ウエハWの裏面側の周縁領域に温調液を供給するものであれば、数量や形状、取り付け位置等は上述の構成に限るものではなく、例えば環状に構成してもよい。さらに温調部として、ヒ−タ6による加熱と流路41からの温調液の供給とを組み合わせて用いてもよい。さらにまた温調液に代えて温風を送風する温風送風部を設けてもよい。
【0040】
さらにウエハWの回転を停止して現像を行ってもよいし、現像液の液盛り時に温調部によるウエハWの裏面側の加熱を停止してもよいし、現像液の液盛り時や現像時のいずれかに、これらの処理の間連続的に温調部による加熱を行うのではなく、前記処理の時間の一部に温調部による加熱を行うようにしてもよいが、ウエハWを回転させて現像を行い、現像液の液盛り時や現像時に連続的に温調部による加熱を行った方が、温調効果は高くなり、均一な処理を行うことができる。
【0041】
さらにまた図11に示すように、流路41の内側に更に別の流路141を設けてもよい。一般にウエハWは外周に近くなるほど温度が低くなるので、流路41よりまず温調液の供給を開始し、その所定時間後に流路141より温調液の供給を開始することで、ウエハWの温度をより均一にすることができる。また、流路41より供給される温調液の温度を流路141より供給される温調液の温度よりも高くすることで、同様の効果を得ることができる。更に、流路141については吸引用の流路として流路41から供給された温調液をウエハWの裏面内側に引き込むようにしても同様の効果を得ることができる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、処理液の基板の面内の温度変化の程度が揃えられ、基板面内の処理液の温度の均一性が高まるので、処理液の温度差が原因となる処理ムラの発生が抑えられ、均一性の高い処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を現像処理に適用した場合の現像装置の一例を示す断面図である。
【図2】前記現像装置で用いられる温調液の流路を示す断面図である。
【図3】前記現像装置で用いられるノズルを示す斜視図と底面図である。
【図4】前記現像装置を示す平面図である。
【図5】前記現像装置の作用を示す工程図である。
【図6】前記現像装置の作用を示す工程図である。
【図7】前記現像装置の作用を示す底面図と断面図である。
【図8】本発明を現像処理に適用した場合の現像装置の他の例を示す断面図である。
【図9】前記現像装置を組み込んだ塗布・現像装置の一例を示す斜視図である。
【図10】前記現像装置を組み込んだ塗布・現像装置の一例を示す平面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る現像装置の一例を示す一部断面図である。
【図12】従来の現像方法を示す工程図である。
【図13】従来の現像液の温度変化を示す特性図である。
【符号の説明】
2 ウエハ保持部
3 カップ
31 外カップ
32 内カップ
41、141 流路
42,43 温調液供給管
44 温調液タンク
5 ノズル
6 ヒ−タ
W 半導体ウエハ
D 現像液
A 温調液

Claims (10)

  1. 基板の中央近傍を保持し、鉛直軸回りに回転自在な基板保持部と、
    基板に処理液を供給するための処理液供給部と、
    前記基板保持部を囲むように環状に形成され、前記基板保持部に保持された基板の周縁領域における被処理面の反対面の近傍に設けられた凸部と、
    前記基板の周縁領域における被処理面の反対面と凸部との間に温調液を供給するための温調液供給部と、を備え、
    処理液が供給された基板を前記基板保持部により所定時間回転させ、この回転により、前記温調液供給部からの温調液を被処理面の反対面と凸部と間において基板の全周に亘って液膜として形成することを特徴とする基板処理装置。
  2. 前記温調液供給部は、基板の被処理面の反対面の周方向に等分した位置に温調液を供給することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  3. 前記温調液供給部は、基板の周縁領域における被処理面の反対面に温調液を供給する第1の温調液供給部と、この第1の温調液供給部により温調液が供給される領域よりも内側の領域に温調液を供給する第2の温調液供給部と、を含むことを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
  4. 前記第1の温調液供給部が、前記第2の温調液供給部よりも先に温調液の供給を開始することを特徴とする請求項3記載の基板処理装置。
  5. 前記第1の温調液供給部より供給される温調液の温度が前記第2の温調液供給部より供給される温調液の温度よりも高いことを特徴とする
    請求項3又は4記載の基板処理装置。
  6. 前記凸部に設けられ、前記基板の周縁領域を加熱するための加熱部を備えたことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一に記載の基板処理装置。
  7. 前記処理液供給部は、基板に沿って形成された供給孔を有し、前記基板保持部と相対的に回転自在に設けられていることを特徴とする請求項1ないし6の何れか一に記載の基板処理装置。
  8. 前記処理液は現像液であることを特徴とする請求項1ないし7の何れか一に記載の基板処理装置。
  9. 基板に処理液を供給して処理を行う基板処理方法において、
    基板の中央近傍を基板保持部に保持させて、当該基板に処理液を供給する工程と、
    処理液が供給された基板を前記基板保持部により所定時間鉛直軸回りに回転させる工程と、
    前記基板保持部を囲むように環状に形成され、前記基板保持部に保持された基板の周縁領域における被処理面の反対面の近傍に設けられた凸部と、前記被処理面の反対面と、の間に基板が回転しているときに温調液を供給し、基板の回転により前記温調液を被処理面の反対面と凸部と間において基板の全周に亘って液膜として形成する工程と、を備えたことを特徴とする基板処理方法。
  10. 前記凸部に設けられた加熱部により、基板が回転しているときに前記基板の周縁領域を加熱する工程を更に備えたことを特徴とする請求項9記載の基板処理方法。
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