JP5183562B2 - 塗布膜形成装置及び塗布膜形成方法 - Google Patents
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Description
このレジスト塗布処理においては、半導体ウエハ表面にレジスト液を均一に塗布するための方法としてスピンコーティング法等が多用されている。
滴下されたレジスト液は、遠心力によってウエハWの径方向外方に向かって広がり、その後レジスト液の滴下は停止し、ウエハWを所定速度に回転させて、残余のレジストを振り切るとともに乾燥させている。これによりウエハW上に所定の膜厚を有するレジスト膜が形成される。
先ず、図8に示すようにシンナーノズル203をウエハWの中心に移動させ、溶剤であるシンナーTを吐出する。
次いで、レジストノズル204がウエハWの中心に位置するようにシフトする一方、所定の微少時間、ウエハWを低速度で回転させ、前記吐出したウエハW上のシンナーTを径方向に拡散する。
そして、このシンナーTの拡散後、図9に示すようにレジストノズル204からレジスト液Rを回転するウエハW上に吐出し、遠心力によりレジスト液Rを拡げてレジスト膜を成膜する。
このため、基板周辺部に塗布液が到達したときにも、高揮発性シンナーは基板上を十分に濡らしており、プリウェット処理の効果を十分に発揮することができる。
このようなレジストノズル204の配置において、ウエハWの中心に対しレジスト液Rの供給が開始されると、図11(a)に示すようにノズル204からレジスト液Rが吐出された直後は、ウエハW上のレジスト液Rの縁部厚さが確保され、図11(b)に示すようにレジスト液Rは円形状に拡がる。
即ち、図12(b)に示すようにウエハW上でレジスト液Rが枝分かれして拡がると、レジスト塗布効率が低下し、プリウェット処理を実施してもウエハW上に均一にレジスト液Rが塗布形成されるまでのレジスト液量と時間とが嵩むという課題があった。
さらには、基板上で拡がる塗布液の外側に、塗布液よりも高表面張力の高表面張力液による円環状の壁を形成することができるため、塗布液の枝分かれを確実に防止することができる。
或いは、前記第二のノズルが吐出する前記高表面張力液は、前記基板の被処理面の濡れ性を向上する溶剤であってもよい。
このようにレジスト塗布前に溶剤により被処理面の濡れ性を向上させることにより、基板上に塗布液を効率的に拡げることができる。
或いは、前記第一のノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板の中心部から外縁側まで移動する間、前記第一のノズルにより前記基板上に供給される単位面積あたりの塗布液供給量が一定となるよう前記第一のノズルの吐出量が制御される構成でもよい。
このような構成により、基板上の単位面積あたりの塗布液供給量を一定とし、塗布膜の膜厚を容易に均一化することができる。
さらには、基板上で拡がる塗布液の外側に、塗布液よりも高表面張力の高表面張力液による円環状の壁を形成することができるため、塗布液の枝分かれを確実に防止することができる。
或いは、前記第一のノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板の中心部から外縁側まで移動する間、前記第一のノズルにより前記基板上に供給される単位面積あたりの塗布液供給量が一定となるよう前記第一のノズルの吐出量を制御してもよい。
このような制御を行うことにより、基板上の単位面積あたりの塗布液供給量を一定とし、塗布膜の膜厚を容易に均一化することができる。
このレジスト塗布処理ユニット1の中央部には環状のカップ2が配置され、図1に示すようにカップ2の内側にはスピンチャック3が配置されている。スピンチャック3は真空吸着によってウエハWを固定保持した状態で駆動モータ4によって回転駆動される。尚、スピンチャック3と駆動モータ4とにより基板回転手段が構成される。
スピンチャック3とウエハ搬送機構(図示せず)の保持部材50との間でウエハWの受け渡しが行われる時は、昇降駆動手段7が駆動モータ4ないしスピンチャック3を上方へ持ち上げることでフランジ部材6の下端がユニット底板5から浮くようになされている。
尚、レジスト供給部12は、エアーオペバルブ、サックバックバルブ、レジスト貯留タンク等により構成される。
前記レジストノズルスキャンアーム20は、ユニット底板5の上に一方向(Y方向)に敷設されたガイドレール22上で水平移動可能な垂直支持部材23の上端部に取り付けられており、Y方向駆動機構(図示せず)によって垂直支持部材23と一体にY方向に移動するようになっている。
詳しく説明すると、ウエハWの中心部にレジストノズル10からレジスト液を供給し、スピンチャック3に吸着保持されたウエハWを回転させると、ウエハWに働く遠心力によってウエハW上のレジスト液は円形状に拡がるが、本構成にあっては、さらにレジスト液の供給と共にレジストノズル10をウエハWの中心部から外縁側に向けて直線移動させる構成となされている。
この構成により、ウエハW上で拡がるレジスト液の周縁部の上方にレジストノズル10が常に位置し、前記レジスト液周縁部に対し、ウエハW上のレジスト液が枝分かれせず円形状を維持するに足りる十分な液量を供給することができる。
また、レジストノズル待機部30においては、レジストノズル10の吐出口が溶媒雰囲気室の口30aに挿入され、中で溶媒の雰囲気に晒されることで、ノズル先端のレジスト液が固化または劣化しないようになっている。また、レジスト待機部30には、複数本のレジストノズル10が設けられ、例えばレジスト液の種類に応じてそれらのノズルが使い分けられるようになっている。
前記レジストノズル10からレジスト液が吐出される間、この壁用液体ノズル25から純水が吐出されることにより、円形状に拡がるレジスト液の周りに環状に純水の壁が形成され、レジスト液Rが枝分かれして拡がらないようにすることができる。
即ち、このシンナーノズル24は、レジスト塗布時において前記レジストノズル10よりもウエハ外縁側に配置され、レジストノズル10からレジスト液が吐出される間、このシンナーノズル24からシンナーが吐出されることにより、レジスト塗布前の被処理面の濡れ性が向上し、レジスト液を効率的にウエハW上に拡げることができる。
尚、前記シンナーノズル24は、溶剤供給管14を介してシンナーを供給するシンナー供給部31に接続され、壁用液体ノズル25は、壁用液体供給管15を介して純水を供給する壁用液体供給部32に接続されている。
このリンスノズルスキャンアーム27の先端部にはサイドリンス用のリンスノズル28が取り付けられている。リンスノズルスキャンアーム27およびリンスノズル28は、Y方向駆動機構(図示せず)によって、カップ2の側方に設定されたリンスノズル待機位置(実線の位置)とスピンチャック3に設置されているウエハWの周辺部の真上に設定されたリンス液吐出位置(点線の位置)との間で並進または直線移動するようになされている。
具体的には、ウエハWを回転するためのスピンチャック3(駆動モータ4)、レジストノズルスキャンアーム20をX方向に移動させるX方向駆動機構13、レジスト液を供給または停止するためのレジスト供給部12、シンナーを供給または停止するためのシンナー供給部31、純水を供給または停止するための壁用液体供給部32等が駆動制御される。
まず、レジスト塗布処理ユニット1内のカップ2の真上までウエハWが搬入され、その後、ウエハWは、スピンチャック3によって真空吸着される。スピンチャック3上のウエハWは所定速度(例えば1000rpm)で回転開始される(図3のステップS1)。
そして、この状態において、各ノズルから同時に各液体(レジスト液R、シンナーT、純水G)の吐出が開始される(図3のステップS3)。
ここで、シンナーノズル24から吐出されたシンナーTにより、ウエハW表面における濡れ性が向上するため、レジスト液RはウエハW上に効率的に拡がる。
また、壁用液体ノズル25から吐出された純水Gによりレジスト液Rの周りに円環状の壁が形成されるため、ウエハW上においてレジストRは円形状に維持される。
ここで、ノズルアーム21の移動は、レジストノズル10の吐出口が常にウエハW上に円形状に拡がるレジスト液Rの周縁部(レジスト液Rの先端部)上に位置するように塗布処理ユニットコントローラ40によって移動速度(例えば50〜150mm/s)の制御がなされる。
この制御により、ウエハW上でレジスト液Rが大きく円形状に拡がっても、その周縁部の厚さtは十分に確保される。
或いは、ウエハWの回転速度が一定の場合には、ウエハWに供給される単位面積あたりのレジスト供給量が一定となるようにレジスト供給部12の駆動が制御される。
即ち、このような制御により、ウエハW上の単位面積あたりのレジスト供給量を一定とし、レジスト膜厚を容易に均一化することができる。
したがって、図6(a)、図6(b)に示すようにウエハW上に大きくレジスト液Rが拡がった状態であっても、レジスト液Rは円形に維持され、レジスト液Rを余分に消費することなく効率的に膜形成が行われる。
次いで、ウエハWの回転速度を加速して(3000rpm)25秒間回転させ、残余のレジスト液Rを振り切る(図3のステップS6)。この時、ノズルアーム21がホームポジションに戻される。
そして、ウエハWの回転速度を変えずに、ウエハWを回転させた状態で、所定時間の間(例えば1秒間)、リンスノズル28からリンス液を吐出させて、ウエハWの外縁部を洗浄する(図3のステップS7)。
また、リンスノズルのホームポジションへの戻りと同時に、ウエハWの回転速度を加速させることにより、ウエハW上のリンス液が振り切られる(図3のステップS8)。
これらの工程が全て終了後、ウエハWの回転が減速され、停止されて、塗布処理工程が終了する。
そして、回転するウエハWの被処理面に対し、レジストノズル10からレジスト液を吐出させ、壁用液体ノズル25から純水を吐出させると共に、前記ノズル間の配置関係を保持した状態で、各ノズルはウエハ径方向に沿ってウエハ外縁側に移動制御される。
特に、回転するウエハWの遠心力により円形状に拡がるレジスト液の周縁部に合わせ、前記レジストノズル10が前記周縁部の上方に位置するように移動制御される。
即ち、ウエハW上で拡がるレジスト液の周縁部には、その上方から常にレジスト液が供給される状態となされるので、レジスト周縁部の厚さを十分に確保することができる。
さらには、ウエハW上で拡がるレジスト液の外側に、レジスト液よりも高表面張力の純水による円環状の壁を形成することができるため、レジスト液の枝分かれを確実に防止することができる。
また、前記壁用液体ノズル25から吐出する高表面張力液がウエハWの濡れ性改質効果を有する溶剤である場合には、本発明に係る塗布膜形成装置にあってはシンナーノズル24を具備しない構成でもよい。
2 カップ
3 スピンチャック(基板回転手段)
4 駆動モータ(基板回転手段)
5 ユニット底板
6 フランジ部材
7 昇降駆動手段
8 昇降ガイド手段
9 冷却ジャケット
10 レジストノズル(第一のノズル)
11 レジスト供給管
12 レジスト供給部
13 X方向駆動機構(ノズル移動手段)
14 溶剤供給管
15 壁用液体供給管
20 レジストノズルスキャンアーム
21 ノズルアーム
22 ガイドレール
23 垂直支持部材
24 シンナーノズル(第三のノズル)
25 壁用液体ノズル(第二のノズル)
26 垂直支持部材
27 リンスノズルスキャンアーム
28 リンスノズル
31 シンナー供給部
32 壁用液体供給部
40 塗布処理ユニットコントローラ
G 純水(高表面張力液)
T シンナー(溶剤)
W ウエハ(基板)
Claims (8)
- 基板上に塗布膜を形成する塗布膜形成装置であって、
前記基板を保持し、前記基板を所定の回転数で回転させる基板回転手段と、
前記基板回転手段の駆動により回転する前記基板の被処理面に塗布液を吐出する第一のノズルと、
前記基板の上方において前記第一のノズルよりも前記基板の外縁側に配置され、前記塗布液よりも表面張力の高い高表面張力液を吐出する第二のノズルと、
前記第一のノズルと第二のノズルとを、前記基板の径方向に沿って前記基板の中心部から外縁側に向けて移動させるノズル移動手段とを備え、
前記第一のノズルと第二のノズルとは、前記基板回転手段により回転する前記基板の上方を、前記ノズル移動手段により前記基板の中心部から外縁側に向けて移動する間、前記基板上に前記塗布液と前記高表面張力液とをそれぞれ吐出することを特徴とする塗布膜形成装置。 - 前記第一のノズルと前記第二のノズルの間に配置され、前記基板の被処理面の濡れ性を向上する溶剤を吐出する第三のノズルを備え、
前記第三のノズルは、前記第一のノズルと前記第二のノズルと共に前記ノズル移動手段により前記基板の中心部から外縁側に向けて移動され、基板上を移動する間、基板上に前記溶剤を吐出することを特徴とする請求項1に記載された塗布膜形成装置。 - 前記第二のノズルが吐出する前記高表面張力液は、前記基板の被処理面の濡れ性を向上する溶剤であることを特徴とする請求項1に記載された塗布膜形成装置。
- 前記第一のノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板の中心部から外縁側まで移動する間、前記第一のノズルの吐出口に対向する前記基板の被処理面の線速度が一定となるよう前記基板の回転速度が制御されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された塗布膜形成装置。
- 前記第一のノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板の中心部から外縁側まで移動する間、前記第一のノズルにより前記基板上に供給される単位面積あたりの塗布液供給量が一定となるよう前記第一のノズルの吐出量が制御されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された塗布膜形成装置。
- 第一のノズルから基板の被処理面に塗布液を吐出し、前記基板上に塗布膜を形成する塗布膜形成方法であって、
前記基板を保持し、前記基板を所定の回転数で回転させると共に、
前記基板の上方において、前記第一のノズルと、前記第一のノズルよりも前記基板の外縁側に配置された第二のノズルとを前記基板の径方向に沿って基板中心部から外縁側に向けて移動させるステップを実行し、
前記ステップの間、前記第一のノズルから前記基板上に塗布液を吐出し、前記第二のノズルから前記塗布液よりも表面張力の高い高表面張力液を吐出することを特徴とする塗布膜形成方法。 - 前記第一のノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板中心部から外縁側まで移動する間、前記第一のノズルの吐出口に対向する前記基板の被処理面の線速度が一定となるよう前記基板の回転速度を制御することを特徴とする請求項6に記載された塗布膜形成方法。
- 前記第一のノズルが前記基板の径方向に沿って前記基板の中心部から外縁側まで移動する間、前記第一のノズルにより前記基板上に供給される単位面積あたりの塗布液供給量が一定となるよう前記第一のノズルの吐出量を制御することを特徴とする請求項6に記載された塗布膜形成方法。
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