JP3657451B2 - 遊技機の制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機の制御回路基板をケース内に収容した制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機には、大当たり判定、入賞判定、賞球(入賞口に入った遊技球に応じて払い出される遊技球。スロットマシンの場合には遊技球に代わってコインが用いられるが、説明の便宜上「賞球」という)の払出し、CR(Card Reader )機における払出し、或いは大当たり等の遊技状態に応じた音声の発生やランプの発光等を行うための制御基板を有する制御装置が裏面側に備えられている。この制御基板に設けられる回路は、一般に、大当たり判定、入賞判定、或いは音声や発光等の個々の遊技機に固有の制御を行う固有制御回路と、払出し等の複数種類の遊技機に共通の制御を行う汎用制御回路とに大別される。そのため、汎用性を高める目的で、制御基板は、固有制御回路を備えた主基板と、汎用制御回路を備えた払出基板等の他の基板との複数枚に分割して設計されるのが通例である。
【0003】
上記の主基板および払出基板等は、賞球の払出しに関連することから、開封の痕跡を容易に確認し得るケース内に封印された状態で遊技機の裏面に取り付けられる。店舗内等における制御回路の不正な改変を防止するためである。このケースは、外部から収容物を認識することが可能な透明な材質により構成され、例えば基板の両面側にそれぞれ位置する一対の上側ケース部および下側ケース部と、それらの接合部分に備えられた何らかの封印構造とから構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、遊技機を製造・販売するに際しては、その機能が法に定められた適正な範囲にあることの認証を得るために、(財)保安電子通信技術協会の「型式試験」を受ける必要がある。この型式試験で最も重要視されるのは、賞球の払出しに関連する部分、すなわち前記の固有制御回路(主基板)のうちの大当たり判定或いは賞球の払出し数の決定等の遊技制御機能を有する部分や、賞球の払出しを制御する汎用制御回路(払出基板)等であり、厳密な検査が為される。一方、固有制御回路のうちの音声や発光等を制御する部分については、賞球の払出しに関連しないことから、近年、型式試験の内容も簡略化される傾向にあり、書類審査で十分となった。そのため、遊技制御機能を有する主基板から音声や発光等を制御する部分を分離して別基板に構成すれば、検査の簡略化が可能となる。
【0005】
しかしながら、検査の簡略化の目的で上記のように主基板と音声等の制御基板とを分割する場合には、それらを別々のケースに収容しなければならなかった。前記のように封印可能なケースに収容しても、何ら痕跡を残さないで開封することを完全に防止し得るように封印構造を構成することは困難である。このため、分割した音声等の制御基板を主基板と同時に一つのケース内に収容してその内部で接続すると、それらを不正に相互に接続することが容易であると共に、不正な動作を行う極小寸法の基板を主基板に接続して装着することも不可能ではない。しかも、ケース内部の配線状態は複雑であることから、初期の適正な状態に保たれているか否かを遊技場の係員はケース外部から容易に識別し得ない。したがって、主基板から音声等の制御基板を分離しても、それらを一つのケース内に収容すると主基板と一体的に設けられているに等しいことから、音声等の制御基板の検査の簡略化を図るためには、発見困難な不正接続を抑制できるように主基板とは別のケースに収容してその外部だけで接続する必要があったのである。この結果、音声等の制御基板を主基板から分離する場合には、固有制御回路が一枚の基板に設けられていた従来に比較して、遊技機の裏面に取り付けられる制御装置数が増加し、全体として大きな設置面積が必要になるという問題があった。
【0006】
上述したような複数枚の基板を一つのケース内に収容すると不正な接続が容易になるという問題は、主基板から音声等の制御基板を分離する場合に限られず、これらと遊技機に備えられる他の制御基板との間においても同様に生じ得る。例えば、主基板と払出基板等の他の基板とを同時に収容し、或いは払出基板と上記の音声等の制御基板とを一つのケース内に同時に収容すれば、制御装置の個数を少なくして必要な設置面積を小さくできる。しかしながら、前述したように払出基板も賞球の払出しに関連する制御回路を有することから、このような主基板や払出基板等を含む複数枚の基板を一つのケース内に収容する場合には、何れの組み合わせにおいても上記のようなケース内部での不正接続の問題が生じるのである。すなわち、前記のような従来の制御装置用ケースの封印構造は、賞球の払出しに関連する機能を有する制御回路を備えた制御基板を、それと同時に収容された他の基板と接続してその機能を改変するような不正を抑制する効果が十分ではなかったため、複数枚の制御基板を同時に一つのケース内に収容することによって制御装置の個数を少なくして必要な設置面積を小さくすることが困難になっていた。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、賞球の払出しに関連する制御基板の不正な改変を抑制しつつ設置面積を小さくできる遊技機の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、本発明の遊技機の制御装置の要旨とするところは、(a)遊技機において賞球の払出しに関連する機能を有する第1の制御回路が設けられた第1の基板と、(b)その他の第2の制御回路が設けられた第2の基板と、(c)それら第1の基板と第2の基板とを電気的に接続するためにそれらの端縁部にそれぞれ設けられた電極端子と、(d)それら第1の基板および第2の基板の裏面側に位置する下側ケース部とそれらの表面側に位置する上側ケース部とから構成され、それら第1の基板および第2の基板をそれぞれの前記電極端子を露出させた状態で内部に同時に収容するための収容位置を備えると共に、内部におけるそれらの電気的接続が不能となるように各々の収容位置を区分するための前記上側ケース部および前記下側ケース部との間に生じる全ての当接部分に嵌め合い構造を備えた隔壁を有するケースと、(e)前記上側ケース部と前記下側ケース部とを分離して前記第1の基板のそのケース内部に位置する部分を開放する場合に不可逆的な変化を伴うことによりその痕跡を容易に視認し得るようにそのケースを封印する封印装置とを、含むことにある。
【0009】
【発明の効果】
このようにすれば、第1の基板と他の第2の基板とが同時に一つのケース内に収容されると共に、それらはケース外部に露出させられた端縁部の電極端子によって相互に接続され、且つ、封印装置が備えられたそのケース内には、内部における第1の基板と第2の基板との電気的接続が不能な状態にそれらの収容位置を相互に区分する隔壁が設けられる。そのため、一つのケース内に第1の基板と第2の基板とが同時に収容されていることから、それらを別々のケースに収容する場合に比較して制御装置の設置面積を小さくできる。しかも、第1の基板と第2の基板との電気的接続はケース外部だけで可能であるため、これらを不正に接続してもその発見が容易であると共に、容易に発見し得ることが不正な電気的接続処理を心理的に抑制する効果もある。また、ケースを構成する上側ケース部および下側ケース部と隔壁との当接面は、嵌め合い構造を備えることによって屈曲させられるため、その相互の当接部分を通る不正な配線をケース内に設けると、それがその嵌め合い構造を阻害することからケースを閉じることが困難となり、或いは、その嵌め合い部分で配線が屈曲させられることから容易に断線する。したがって、隔壁と上側ケース部および下側ケース部との当接部分が平坦な突き合わせ面に構成されている場合に比較して、不正な配線を設けることが一層困難になる。上記により、大当たり判定、入賞判定、賞球の払出し数の決定やその払出し等の賞球の払出しに関連する第1の基板の不正な改変を抑制しつつ制御装置の設置面積を小さくすることができる。
【0011】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記の第2の基板に設けられた第2の制御回路は、賞球の払出しに関連する機能を有しないものである。このようにすれば、遊技機の制御装置は、賞球の払出しに関連する機能を有する第1の制御回路が設けられた第1の基板と、そのような機能を有しない上記の第2の基板とが、内部での電気的接続が不能となるように隔壁に区分された状態で、封印装置を備えた一つのケース内に同時に収容される。そのため、ケース内においては第1の基板と第2の基板との電気的接続が不可能であることから、それらは実質的に独立したケースにそれぞれ収容されたことに等しい。したがって、厳密な検査が必要な第1の基板と同じケース内に収容されていても、そのことは第2の基板についての厳密な試験の必要性の有無に何ら影響しないため、賞球の払出しに関連する機能を有しない第2の基板についての厳密な試験は不要となって、型式試験を簡略化できる。特に、上記第2の基板が第1の基板から分割した基板である場合(例えば、主基板から分割した音声等の制御基板)等にも、それらが一体的に設けられている場合と同様にその第1の基板と同時に一つのケースに収容できるため、基板の分割に伴う制御装置の設置面積の増大が抑制される利点もある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例の遊技機の制御装置が裏面に備えられているパチンコ機10の正面を示す図である。図において、パチンコ機10は、カード・リード・ユニット12を左側面に連結して用いられる所謂CR機と称される形式のものである。
【0014】
パチンコ機10の前面パネル14の下部には、上部に設けられている遊技盤16内に向かって遊技球を発射する後述する発射装置106を操作するためのハンドル18が右端部に、払い出された賞球を蓄える下皿(貯留皿)20が中央部にそれぞれ備えられている。なお、下皿20の前面に備えられている22は球抜きレバーであり、この球抜きレバー22を左方向にスライドさせることによって、下皿20の底部に備えられている図示しない球抜き穴から、貯留されている遊技球が排出される。
【0015】
これらハンドル18および下皿20の上には、遊技球を発射装置106に一つずつ順次供給するための上皿(供給皿)24が備えられている。遊技盤16内の入賞口26等への遊技球の入賞に応じて払い出される賞球は、この上皿24に優先的にその左方に備えられている図示しない払出し口から払い出され、上皿24が一杯になると、裏面側に設けられている経路を通って下皿20に払い出されることとなる。なお、上皿24の上面右端部には球抜きボタン28が備えられており、これを例えば下に向かって押込み操作することにより、上皿24内の遊技球を下皿20内へ落とすことができる。また、この上皿24の正面中央部には、前記のカード・リード・ユニット12を操作するための球貸しスイッチ30、カード返却スイッチ32、およびカード残高を表示するための残高表示部34が備えられている。
【0016】
前記のカード・リード・ユニット12には、高さ方向の略中央位置にカード挿入口36が備えられると共に、その上方に「カード利用可」および「カード挿入中」等の表示ランプ38a、38b等が備えられたものである。「カード利用可」ランプ38aが点灯している状態でカードを挿入口36から挿入すると、「カード挿入中」ランプ38bが点灯すると共に、上皿24の残高表示部34にカード残高が表示される。上皿24に備えられている上記の球貸しスイッチ30およびカード返却スイッチ32はこの状態で利用でき、球貸しスイッチ30を押込み操作することで、予め定められた一定量の遊技球が裏面側に備えられた後述の賞球払出装置74によって上皿24に払い出され、残高表示部34の表示残高が遊技球の払出し量に応じて減少する。一方、カード返却スイッチ32を押込み操作した場合には、挿入したカードが挿入口36から排出されることとなる。
【0017】
また、前記の遊技盤16内には、図柄表示装置40が中央部に、図柄始動口としても機能する普通電動役物42がその下側に、開放状態と完全な閉塞状態との間で開閉動作させられる扉44を有する大入賞口46が更にその下側にそれぞれ備えられている。図柄表示装置40は、例えば液晶表示装置で構成されるものであって、数字、アルファベット、記号、各種の絵等が例えば3桁程度に区分して表示される。この表示図柄は、普通電動役物42に遊技球が入賞すると各桁毎に変化させられ且つ一定時間の後に停止させられるようになっており、予め定められた「777」、「AAA」等の図柄で表示が停止(以下、「大当たり」という)すると、大入賞口46の扉44が予め定められた動作形態で一定の時間だけ開放動作して、遊技球の入賞確率が飛躍的に高められる。上記の普通電動役物42は、開閉動作可能な一対の翼片48、48をその上部に備えており、この翼片48が図示するように開いたときに普通電動役物42への遊技球の入賞が容易になる。また、上記の大入賞口46の下部には、普通図柄表示装置50が備えられている。この普通図柄表示装置50も例えば液晶表示装置等で構成されるものであり、例えば、8セグメントで一桁の数字或いはアルファベットを表示する。
【0018】
上記の図柄表示装置40の左右には、一対の普通図柄始動ゲート52、52が備えられており、遊技球が何れかを通過すると、前記の大入賞口46の下部に備えられている普通図柄表示装置50の表示が変化する。普通図柄表示装置50の表示は、変化を開始してから一定時間の後に停止させられるものであり、その停止時の表示が予め定められた図柄に一致したとき(以下、「当たり」という)に、前記の普通電動役物42の翼片48、48が一定時間だけ開成動作させられる。これにより、普通電動役物42内へ遊技球が入賞させられると、上述のように図柄表示装置40の表示が変化させられるが、その変化中に更に遊技球が入賞した場合には、図柄表示装置40の上側に備えられている例えば4つの保留ランプ66が順次点灯する。保留ランプ66は普通電動役物42への入賞数を記憶するものであって、この場合は最大4個の遊技球の入賞を記憶し、普通電動役物42への入賞が終了しても、図柄表示装置40の表示の変化および停止がその記憶した数だけ繰り返される。
【0019】
なお、図において、54は、遊技球の移動方向を制限し或いは変化させるために遊技盤16内の適宜の位置に多数本が打ち込まれた釘であり、56は、遊技球の移動方向を変化させるために例えば6か所に設けられた風車であり、58は、遊技球の入賞時や大入賞口46の作動時等に発光させられるランプである。但し、風車56のうち、図柄表示装置40の上端部左右に備えられている一対56a、56aは、ランプ58と同様に必要に応じて発光させられるランプを備えたランプ風車に構成されている。また、これらの発光時に同時に音声を発生させるためのスピーカ60は、上皿24と下皿20との間に備えられている。また、遊技盤16の周縁部には、左方にガイド・レール62が設けられると共に、右方上部には返しゴム64が設けられている。ガイド・レール62は発射装置106によって発射された遊技球を入賞口26等の備えられている遊技領域に誘導するものであり、返しゴム64は、ここに当たった遊技球の勢いを減少して遊技領域内に戻すものである。
【0020】
以上のように構成されたパチンコ機10において、ハンドル18を操作することにより遊技盤16に向かって発射された遊技球は、釘54や風車56に絡みつつ下方に向かう。この遊技球が、普通図柄開始ゲート52を通過すると、普通図柄表示装置50の表示が変化する。なお、ゲート52は、遊技盤16上において単に遊技球が通過するだけであり、ここを通っても賞球は払い出されない。普通図柄表示装置50の表示が前述した「当たり」図柄以外の表示(はずれ)の場合には、続いて遊技球がゲート52を通過するまで何ら変化は生じないが、その図柄が「当たり」表示であると、普通電動役物42の翼片48が一定時間だけ開成動作させられる。この開成動作によって入賞確率が高められた普通電動役物42に遊技球が入賞すると、その入賞数に応じて賞球が払い出されると共に、図柄表示装置40の表示が変化する。そして、この図柄表示装置40の表示が前記の「大当たり」以外の図柄(はずれ)で停止すると、前記の保留ランプ66が点灯している場合或いは普通電動役物42に遊技球が新たに入賞した場合には、図柄表示装置40の表示が再度変化させられる。このような繰り返しの後、図柄表示装置40の表示が「大当たり」図柄で停止すると、扉44が開閉動作を開始し、一定時間だけ遊技球の入賞確率が飛躍的に高められる。なお、大入賞口46、およびその左右に備えられている一対の普通入賞口26に遊技球が入賞した場合にも、それぞれの入賞数に応じて賞球払出装置74から賞球が払い出される。遊技球が何れの入賞口にも入らなかった場合には、遊技盤16の下部に備えられているアウト口68に入って回収され、賞球は払い出されない。
【0021】
図2は、パチンコ機10の裏面を表した図である。以下、図を参照して制御装置120等が備えられた裏面構成を説明する。パチンコ機10の裏面上部には、図示しない遊技球供給装置から複数のパチンコ機10の各々に供給される遊技球を蓄えるタンク70が備えられている。タンク70の例えば左端底部には、タンク・レール72が接続されており、タンク70から裏面における高さ方向の略中央であって右端部に備えられる賞球払出装置74まで遊技球が誘導される。賞球払出装置74の下側には、裏セット本体76が備えられており、払い出された賞球はこの内部を通って図示しない上皿口から上皿24へ、或いはその下端に設けられている下皿口78から下皿20に払い出される。
【0022】
上記のタンク・レール72の下方であって賞球払出装置74の左側の位置には、払出基板80がケースに収容されて備えられており、中央部やや下方に備えられる制御装置120内の主基板82から送られた払出信号に従って、賞球払出装置74を作動させる。すなわち、払出基板80は、賞球払出装置74に払出信号に応じた個数の賞球を払い出させるものであり、各種遊技機に共通の汎用制御回路を備えている。なお、主基板82は、後述するように構成された制御基板収容ケース84内に収容され且つ封印されており、その端縁部に設けられている電極端子128、132だけによって払出基板80や後述する副基板126等と接続されている。上記の払出基板80と前記図1に示される遊技盤16との間には、図示しない集合板および図2に破線で示される中継基板86等が備えられている。集合板は、前記の入賞口26、46等から入賞した遊技球を集めて回収するものであり、回収された遊技球(入賞球)は、裏セット本体76に備えられている入賞球排出装置88を経由してパチンコ機10外に排出される。一方、中継基板86は、入賞球が集められる過程においてその入賞位置や入賞数等を検出するものであり、その情報が主基板82に送られる。
【0023】
なお、上記の図2において90は情報端子であり、前記の図柄表示装置40の図柄確定回数等の種々の情報がこの情報端子90から取得可能となっている。また、ケース84の下方には、発射モータ92が備えられており、前記のハンドル18を回動操作することによってこの発射モータ92が作動させられ、延いては発射装置106が作動させられる。また、上部においてタンク70の右側に備えられている94は、発射モータ92等を制御するための制御端子やタンク内の球切れを検出するための球切れ情報端子等の各種端子である。また、裏セット本体の下部であって入賞球排出装置88の近傍には、カード・リード・ユニット12の端子96と接続するための端子98が備えられており、これら端子96、98でパチンコ機10とカード・リード・ユニット12とが接続されることによって、パチンコ機10側からカード・リード・ユニット12の制御が可能となっている。
【0024】
図3は、パチンコ機10を構成する複数の枠を相互に分離して示した図である。図において、機枠100はパチンコ機10を店内において所定位置に据え付けるために備えられた外枠であって、ラワン材等によって構成されている。その機枠100の左端上下には一対のヒンジ104、104が備えられており、前記の遊技盤16(図においては省略)が中央部に固着される裏枠108は、それら一対のヒンジ104、104によって機枠100の左側端部回りの回動可能に取り付けられる。また、その裏枠108の右端には鍵ユニット110が取り付けられるようになっており、機枠100の右側板の内側に設けられた図示しない係止部に鍵ユニット110の上下に備えられた係合爪を係合させることにより、裏枠108は周縁部が機枠100に略密着した状態で固定される。前記の発射モータ92で駆動される発射装置106は裏枠108にその裏側から取り付けられており、前記の下皿20はその裏枠108の表側に取り付けられている。
【0025】
また、前記の図2に示される裏セット本体76等の各機構やタンク70等は、上記の裏枠108の裏面にその左端回りで離隔する方向に回動可能な状態で取り付けられた機構板102に備えられている。機構板102は、裏枠108の裏面右端に設けられた図示しない係止具によってその右端部を固定される。そして、裏枠108の前面に、発射装置106に遊技球を供給するために上皿24内に備えられる遊技球供給機構112、中央部にガラス板114が嵌められた前枠116、および上皿24が順に取り付けられることにより、パチンコ機10が組み立てられている。なお、このように構成された結果、前記の制御装置120等が取り付けられている機構板102の裏面は、前枠116に設けられている鍵穴118から覗く鍵ユニット110を外せば容易に露出させ得るようになっている。
【0026】
図4は、前記の機構板102の裏面に取り付けられている制御基板ケース84、厳密に言えば、内部に主基板82等を収容した制御装置120の全体構成を示す斜視図である。図において、制御基板ケース84は、後述するように内部に備えられる主基板82等の表面および裏面に位置させられた上カバー122および下カバー124から構成されている。これら上カバー122および下カバー124は、何れも透明乃至半透明のプラスチックから成るものであり、内部に収容されている主基板82およびその上に実装されている電子部品140や配線等を外部から認識し得るものである。上カバー122の長手方向の両端部には、封印装置として機能する薄肉の切断片134をそれぞれ一対備えた4個のネジ締部136が備えられ、両端部にそれぞれ備えられる何れかのネジ締部136、136が対として利用されることで、上カバー122および下カバー124が固着されて一つのケース84を構成している。図の上下方向の寸法は上カバー122が下カバー124よりも短くなっており、そのため、制御基板ケース84内には、主基板82および副基板126が、それぞれ表面の一部(図において上側に位置する端縁部)を露出させられた状態で収容されている。これら基板82、126の露出部分には、それらを相互に接続するための一対の電極端子128、130や、他の制御基板等と接続するための複数の電極端子132が設けられており、主基板82と副基板126とは、それら一対の電極端子128、130間に配設されたコネクタ138で電気的に接続されている。本実施例においては、上カバー122が上側ケース部に、下カバー124が下側ケース部にそれぞれ相当する。
【0027】
図5は、制御装置120を上カバー122を分離した状態で示した斜視図である。主基板82および副基板126には、それぞれICや抵抗体、コンデンサ、コイル等の電子部品140が実装されて、例えば裏面に設けられている図示しない配線によって各々の基板82、126毎に電子部品140が相互に接続されている。主基板82は、前記の図柄表示装置40、普通電動役物42、大入賞口46、および普通図柄表示装置50等の動作や、当たり判定、大当たり判定、入賞判定、或いは賞球払出し数の決定等の遊技制御機能を有する制御回路が設けられたものである。一方、副基板126は、その主基板82によって制御される遊技を演出するために、上記の各動作或いは判定内容に応じて発光や効果音の発生等を制御する制御回路が設けられたものである。すなわち、これらは何れも遊技機毎に固有の制御を行う固有制御回路を構成するものであるが、主基板82は、賞球の払出しに関連する機能、更に詳しく言えば、大当たり判定や賞球の払出し数を決定する機能を有し、副基板126はそのような機能を有していない。本実施例においては、固有制御回路が2枚の基板82、126に分離されており、主基板82が第1の基板に、副基板126が第2の基板にそれぞれ相当する。すなわち、本実施例においては、第2の基板は賞球の払出しに関連する機能を有していない。そして、下カバー124のこれら2枚の基板82、126相互の間の位置には、後述するようにその底面から立設された下側仕切板142が図の上下方向の全長に亘って設けられており、これら2枚の基板82、126は相互に完全に分離され、裏面側での相互接続は不可能となっている。
【0028】
また、下カバー124の図における左右方向の両端には、前記のネジ締部136に対応する位置にそれぞれ4つのボス144が備えられている。そのため、上カバー122は、それに設けられたネジ締部136上から後述するワンウェイ構造を有するネジ146をボス144にねじ込むことで、基板82および126を覆った状態で下カバー124に固定されている。なお、上カバー122の図における上側両端部には一対の爪150、150が備えられており、その爪150が下カバー124に備えられた凹み152に係合させられることでそれらの接合強度が高められている。また、基板82および126は、それぞれその四隅においてネジ148によって下側カバー124に固定されている。
【0029】
図6(a) は、上記の上カバー122の内面側を表した図であり、図6(b) は、前記の図5において下カバー124から基板82、126を分離した状態で示す図である。図6(a) において、上カバー122の内面には、前記の下側仕切板142と突き合わされる上側仕切板154が備えられている。そのため、図7(a) に図4におけるVII −VII 視断面を示すように、上カバー122と下カバー124とが締結されてなるケース84は、内部に形成される収容部156が上側仕切板154および下側仕切板142とから成る仕切り(隔壁)によって、主基板収容部156aと、副基板収容部156bとに完全に分離されている。したがって、ケース84が正しく組み立てられて上側仕切板154および下側仕切板142が突き合わされた状態において、収容部156内で主基板82と副基板126とを電気的に接続することは不可能である。すなわち、主基板82と副基板126とは、前記の図4に示されるようにケース84の外部においてコネクタ138だけによって接続されている。なお、上カバーの図6(a) における下端部分すなわち電極端子128等とは反対側に位置させられる周壁部分122aは、ケース84の組み立て状態において下カバー124の図6(b) における下端面124aを覆うように長く形成されている。
【0030】
しかも、上記の図7(b) に、上記の突き合わせ部近傍を上カバー122と下カバー124とが相互に分離した状態で拡大して示すように、上側仕切板154および下側仕切板142が相互に突き合わされる各々の当接面158、160には段差が設けられ、主基板収容部156aから副基板収容部156bに向かう方向において屈曲させられている。そのため、図7(c) に示されるように組み立てられた状態では、上側仕切板154および下側仕切板142の先端部の一部が重ね合わされ、それら当接面158、160が嵌め合わされたことに等しい所謂「あいじゃくり」構造が形成される。したがって、ケース84においては、これら上側仕切板154および下側仕切板142間に隙間が生じ難いため、その隙間を通して電気配線を設けることが一層困難になる。すなわち、上側仕切板154および下側仕切板142の各々の高さ寸法は、それらの一部が相互に重なり合う高さに設定されている。
【0031】
更に、上記のように当接面158、160が屈曲させられていることから、それらの間に無理に配線を通しても、そこに存在する配線が邪魔になって上カバー122を下カバー124に完全に被せることが困難になる。そのため、不正な処置が行われたことはケース84が完全に組み立てられていないことで一目で識別可能となる。また、仮にケース84を完全に組み立てて封印を施すことが可能であったとしても、段差部分で配線が屈曲して断線し易いため、不正処理が無意味なものとなり易い。このため、本実施例の構造によれば、二つの収容部156a、156bが完全に仕切られているという物理的な不正抑制効果に加え、心理的な面における不正抑制効果もある。また、このように不正が実質的に防止されている結果、主基板82および副基板126の各々の収容部156a、156bは実質的に独立している。これにより、本実施例のケース84によれば、主基板82および副基板126を同時に収容しているにも拘わらず、副基板126の型式試験における検査は簡略化される。請求の範囲にいう「嵌め合い構造」は、当接面が屈曲させられるものであれば、本実施例のような「あいじゃくり」構造をも含むのである。
【0032】
図6に戻って、下カバー124の内面には、収容部156a、156bの各々の四隅に対応する位置にボス162が備えられている。基板82および126は、前記のネジ148がこれら複数のボス162にねじ込まれることで、図7(a) に示されるように下カバー124に固定されている。
【0033】
図8(a) 〜(c) は、ケース84に設けられているネジ締部136とボス144とによって構成される封印構造の詳細を説明する図である。図において(a) は上カバー122を下カバー124に取り付ける前の状態を示しており、(b) はネジ146を締めつけることによって上カバー122を下カバー124に固定した状態を示しており、(c) は切断片134を切断処理することによって固定されていた上カバー122を下カバー124から分離した状態を示している。図8(a) において、ネジ締部136には、前記の切断片134の内周側において下カバー124側に伸びる壁面によって周壁部が構成される有底穴164と、その有底穴164の底部に形成された先細りの貫通穴166とが備えられており、ネジ146は、全体がその有底穴164内に入った状態で、更にその貫通穴166内に先端部がねじ込まれる。ネジ146を保持する機能を有するネジ保持部は、ネジ締部136のうちこれら有底穴164と貫通穴166とによって構成される。一方、ボス144には、内周側にネジ146の完全ネジ部の直径よりも細いボス穴168が上記の貫通穴166と同軸的に備えられている。
【0034】
図9は、上記のネジ146およびネジ保持部を詳しく説明する図である。なお、図においてはネジ保持部すなわち有底穴164および貫通穴166の縦断面を示している。ネジ146は、頭部190と軸部192とから構成されるものであり、その軸部192の先端の略半分の長さの範囲にだけネジ山194が備えられる。また、頭部190は、マイナス・ドライバ222(後述する図10を参照)の先端面が当接する頂部上面230から略垂直に立って設けられてそこに不完全な溝224を形成し、ドライバ222の先端部側面226が当接させられる一対の当接面196、196と、その上面230からなだらかに形成された一対の斜面198、198とを軸心に関して点対称に備えたものである。そのため、図に矢印Tで示されるねじ込み方向においてはその当接面196がドライバ222先端に係合することからネジ146を回すことが可能であるが、反対の緩み方向においてはドライバ先端が斜面198上を滑るためネジ146を回すことが不可能である。
【0035】
図10(a) 〜(d) は、上記頭部190を真上から見た状態においてネジ146をねじ込み方向或いは緩み方向に回転させようとするときの様子を模式的に示したものである。(a) は頭部190の平面形状を表し、(b) は当接面196、196間に形成された溝224にマイナス・ドライバ222の先端が嵌め入れられた状態を表す。図10(b) に示されるようにドライバ222が溝224に嵌め入れられた状態で、(c) に示されるようにねじ込み方向Tにドライバ222を回転させると、その先端部側面226は当接面196を押す方向に作用させられる。そのため、それらの当接状態が維持されてネジ146にトルクが伝達され、前記のボス144に締め着けられることなる。反対に(d) に示されるように緩み方向Rにドライバ222を回転させる場合には、他方の側面228が押圧すべき位置には当接面196が備えられていないことから、ドライバ222の先端面は上面230上を滑って斜面198上に乗り上げる。そのため、当接面196と側面226との当接状態が維持されず、ドライバ222の先端が溝224から外れてネジ146にトルクが伝達されないことから、ネジ146を緩めることはできない。ネジ146は、このような頭部190を備えることによってワンウェイ構造に構成されている。
【0036】
図8に戻って、(b) に示される状態においては、ネジ146がボス穴168にねじ込まれることによって、上カバー122と下カバー124とが固定されている。なお、ネジ146は、上記のように軸部192の先端だけにネジ山194が設けられていることから、このような固定状態とするに際してネジ146を過度にねじ込んでボス穴168を削り取ることとなったとしても、そのネジ山194が設けられていない部分は、ボス穴168の内壁面を削ることはない。そのため、このような場合にも、ネジ山194とボス穴168上部の内壁面との係合に基づいてネジ146がボス144に確実に固定される。ネジ146のネジ山194が設けられている範囲は、このように最もねじ込んだ状態においてネジ山194が設けられていない部分がボス穴168内に十分な長さで入り込むように、ネジ締部136とボス144との当接状態において有底穴164の底面からボス144の頂部までの距離が、ネジ山194を設けていない部分の長さよりも短くなるように定められている。
【0037】
上述したように一方向にしか回転させ得ないネジ146で上カバー122と下カバー124とが固定されている結果、ネジ146を緩めてそれらを分離することは殆ど不可能である。そこで、これらを検査等の目的で相互に分離する必要が生じた場合には、以下のように処理する。前述したように、ネジ保持部を構成する有底穴164および貫通穴166が設けられている部分は、薄肉の切断片134だけで上カバー122に連結されている。そのため、この連結部分をニッパ等を用いて切断すると、それらの連結状態が解消されることから、ネジ146およびネジ保持部が下カバー124に固着されたまま、上カバー122を取り外すことが可能となる。上記の図8(c) は、このようにして分離した状態を示している。したがって、ケース84は、上ケース122を外すためにネジ締部136のこのような不可逆的な変化を伴うことから、上ケース122を外したか否かを容易に識別できるため、これを外して内部の配線を改変する不正を防ぐことができるのである。
【0038】
なお、検査等の目的で上カバー122を外した場合には、再びそれを下カバー124に取り付けて、その後の不正を防止すべく封印を施す必要がある。前記の図4等に示されるようにネジ締部136が複数箇所に備えられているのは、この際に封印を可能とするためである。すなわち、ネジ締部136は、一回の封印作業では両端部に備えられている各々一か所だけが用いられ、同時にボス144に締めつけられているネジ146は常に2本だけである。したがって、上記のようにして封印を一つ破壊した後は、他の場所に設けられているネジ締部136でネジ146を締め込むことにより、外すことができないそのネジ146によって同様に封印を行うことができるため、最初の封印を含めて4回の封印が可能となっている。
【0039】
以上説明したように、本実施例によれば、主基板82と副基板126とが同時に一つのケース84内に収容されると共に、それらはケース84外部に露出させられた電極端子128、130によって相互に接続され、且つ、封印装置として機能するネジ締部136およびボス144が備えられたそのケース84内には、内部における主基板82と副基板126との電気的接続が不能な状態にそれらの収容部156a、156bを相互に区分する、下側仕切板142および上側仕切板154とから成る隔壁が設けられる。そのため、一つのケース84内に主基板82および副基板126が同時に収容されていることから、固有制御回路を備えた基板をそれら2枚に分割したことに伴う設置面積の増大が抑制される。また、ケース84内においては主基板82と副基板126との電気的接続が不可能であることから、それらは実質的に独立したケースにそれぞれ収容されたことに等しくなる。したがって、厳密な検査が必要な主基板82と同じケース84内に収容されていても、副基板126についての厳密な試験は不要となる。しかも、主基板82と副基板126との電気的接続はケース84の外部だけで可能であるため、これらを不正に接続してもその発見が容易であると共に、容易に発見し得ることが不正な電気的接続処理を心理的に抑制する効果もある。したがって、固有制御回路が一枚の基板に設けられ、或いはそれが主基板82と副基板126とに分離されて一つのケース内に収められた従来の何れの制御装置に比較しても、設置面積の増大を伴うことなく、賞球の払出しに関連する主基板82の不正な改変を一層抑制し、延いては型式試験の簡略化が可能な制御装置120が得られる。
【0040】
しかも、本実施例によれば、下側仕切板142および上側仕切板154の相互の当接面158、160は、あいじゃくり構造(すなわち実質的に嵌め合い構造といえるもの)を備えることによって屈曲させられるため、その相互の当接部分を通る不正な配線をケース84内に設けると、それがその嵌め合い構造を阻害することからケース84を閉じることが困難となり、或いは、その嵌め合い部分で配線が屈曲させられることから容易に断線する。したがって、隔壁と上ケース122および下ケース124との当接部分が平坦な突き合わせ面に構成されている場合に比較して、不正な配線を設けることが一層困難になる。
【0041】
また、本実施例においては、主基板82と副基板126との電気的接続は、ケース84の外部に位置させられている電極端子128、130間をコネクタ138で繋ぐことだけで為されているため、ケース84を開けることなく、これらの電気的接続を断つことが可能である。そのため、型式試験、工場内での製品検査、店舗内における不正処理の有無の検査等のために主基板82と副基板126とを別々に検査する必要がある場合にも、上記のコネクタ138を外すだけでこれらを簡単に電気的に分離できる利点もある。
【0042】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前述の実施例と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
図11(a) 〜(c) は、仕切板の他の構成例をそれぞれ説明する図である。(a) に示される構造においては、全体が下カバー124と一体の仕切板200が備えられている。上カバー122の内面には、紙面に垂直な仕切板200の長手方向に沿って伸びる凹溝202が備えられており、仕切板200の先端204はその凹溝202内に嵌め込まれている。したがって、この態様においては、上カバー122と仕切板200との間で嵌め合い構造が形成されている。このようにしても、二つの収容部156a、156bが完全に分離され、且つ上カバー122と仕切板200との当接面が屈曲させられているため、前記の図1乃至図9に示される実施例と同様に不正を抑制し、検査を簡略化する効果が得られる。なお、図7に示される構造と異なり、本実施例においては仕切板200の先端204が平坦になっているが、その先端204が上カバー122に嵌め込まれることでその側面を含むコ字状を成す範囲が実質的に当接面として機能するため、敢えて先端204を段付き形状とする必要はない。
【0044】
また、図11(b) に示される構造においては、(a) の場合と反対に全体が上カバー122と一体の仕切板206が備えられている。下カバー124の内面には、紙面に垂直な仕切板206の長手方向に沿って伸びるV溝208が備えられており、仕切板206の先細りに形成された先端210はそのV溝208内に嵌め込まれている。したがって、この態様においては、下カバー124と仕切板206との間で嵌め合い構造が形成されている。このようにしても、二つの収容部156a、156bが完全に分離され、且つ下カバー124と仕切板206との当接面が屈曲させられているため、先の2つの実施例と同様に不正を抑制し且つ検査を簡略化する効果が得られる。すなわち、収容部156を仕切る隔壁として機能させられる構成部分は、図7等に示される実施例のように上カバー122および下カバー124に分割して備えられていても良く、或いは、これら図11(a) 、(b) に示される実施例のように一方だけに全体が備えられていても良いのである。また、隔壁と上カバー122或いは下カバー124との当接部分の形状は、主基板収容部156aから副基板収容部156bに向かう方向において屈曲した当接面が形成されるものであれば、これらに示されるような種々の形状を採ることが可能である。
【0045】
また、図11(c) に示される構造においては、上カバー122および下カバー124の何れとも別部材に構成された仕切板212が備えられている。上カバー122および下カバー124の各々の内面には、凹溝214、216が設けられており、仕切板212の上端218および下端220は、それぞれこれら凹溝214、216内に嵌め込まれている。したがって、この態様においては、上カバー122および下カバー124の両方と仕切板212との間で嵌め合い構造が形成されている。もちろん、このようにしても、収容部156a、156bが相互に分離されていること、および仕切板212と上カバー122、下カバー124との当接面が屈曲させられていることは、前述の各態様と同様であり、同様な不正抑制効果および検査簡略化効果を得ることができる。
【0046】
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施し得る。
【0047】
例えば、実施例においては、本発明がパチンコ機10の制御装置120に適用された場合について説明したが、主基板82のように大当たり判定や賞球の払出し数を決定する機能を有する制御回路が設けられた基板、すなわち賞球の払出しに関連する制御回路が設けられた第1の基板と、その他の第2の基板、例えばその決定延いては払出しに関与しない制御回路が設けられた副基板126とを含む複数の基板が同時にケース82内に収容された制御装置であれば、本発明は、スロットマシン等の他の遊技機用のものにも同様に適用できる。
【0048】
また、実施例においては、主基板82と同時にケース84内に収容される副基板126は、発光や効果音の発生等を制御するものであったが、主基板82と賞球の払出しを行うための払出基板80とをケース内に同時に収容する場合にも、本発明は同様に適用される。また、賞球払出装置74に賞球を払い出させるこの払出基板80も「賞球の払出しに関連する機能」を有するため、これと上記のような副基板126とを同時にケース内に収容する場合等にも、本発明は同様に適用される。すなわち、第2の基板に備えられた第2の制御回路は、賞球の払出しに関連する機能を有しないものであっても、反対に第1の制御回路と同様に賞球の払出しに関連する機能を有するものであってもよい。したがって、第2の基板が賞球の払出しに関連する機能を有しない制御回路を備えたものである場合だけでなく、第1の基板および第2の基板が共に「賞球の払出しに関連する機能を有する制御回路が設けられた基板」である場合にも、本発明は適用される。
【0049】
また、実施例においては、隔壁として機能する仕切板142、154等の当接面158、160等が屈曲させられた嵌め合い構造が備えられる場合について説明したが、このような嵌め合い構造は必ずしも設けられなくともよく、例えば、当接面158、160等をそれぞれ平坦面として単に突き合わされる構造に構成することもできる。このようにしても、隔壁が設けられている部分を何らかの配線が通ることが不自然であることは透明なケースを通して一目で判別でき、不正処理の為されたことの確認が容易であるため、不正抑制効果および検査を簡略化する効果を十分に得ることができる。
【0050】
また、実施例においては、ケース84が上カバー122および下カバー124から構成されていたが、3つ以上の構成部品からケース84が構成されていても差し支えない。
【0051】
また、実施例においては、2枚の基板82、126が同時にケース84内に収容された制御装置120に本発明が適用された場合について説明したが、少なくとも一枚が不正な配線処理の防止を要求される基板であって、その基板と相互に電気的に接続する必要がある少なくとも一枚の他の基板とを同時に収容するものであれば、その不正防止を要求される基板とは接続されない更に他の基板を含む3枚以上の基板が同時にケース内に収容される制御装置にも本発明は同様に適用される。
【0052】
また、実施例においては、封印装置がネジ締部136およびボス144によって構成されていたが、上カバー122と下カバー124とを分離した痕跡が明らかになり、且つ再度封印が可能なものであれば、溶着等の他の種々の封印構造を採用することができる。
【0053】
また、図1乃至図10に示される実施例においては、下側仕切板142と上側仕切板154との先端部の一部が重なり合うようにそれらの高さが定められていたが、これらが略完全に重なり合う高さに設定されると共に、それらの位置がその厚み方向に僅かにずらされることにより、相互に略密着させられた二重の仕切板によって収容部156a、156bが相互に分離されるように構成してもよい。
【0054】
その他、一々例示はしないが、本発明はその主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加えた態様で実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置を備えたパチンコ機の正面図である。
【図2】図1のパチンコ機の裏面図である。
【図3】図1のパチンコ機の枠部材等を相互に分離して全体の構成を説明する図である。
【図4】図1のパチンコ機の裏面に備えられている制御装置の全体構成を示す斜視図である。
【図5】図4の制御装置の上カバーを外した状態を説明する図である。
【図6】 (a) は、図4の制御装置の上カバーの内面構造を説明する図であり、(b) は、図5において更に基板を下カバーから分離した状態で示す図である。
【図7】 (a) は、図4におけるVII −VII 視断面を表した図であり、(b) および(c) は、仕切板の構成の詳細を上カバーおよび下カバーの組み立て前後でそれぞれ示す図である。
【図8】図4の制御装置に備えられた封印構造を説明する図であり、(a) は封印前の状態、(b) は封印状態、(c) は、封印を開封した状態をそれぞれ表す。
【図9】図8の封印構造に用いられているネジおよびネジ保持部とを詳しく説明する図である。
【図10】 (a) 〜(d) は、図9に示されるネジの頭部の形状およびドライバでネジを回す際におけるその頭部形状の機能を説明する図である。
【図11】 (a) 〜(c) は、それぞれ仕切板の他の構成例を説明する図7(c) に対応する図である。
【符号の説明】
82:主基板
120:制御装置
{122:上カバー、124:下カバー}(84:ケース)
126:副基板
128、130:電極端子
{136:ネジ締部、144:ボス}(封印装置)
{142:下側仕切板、154:上側仕切板}(隔壁)
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機の制御回路基板をケース内に収容した制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機には、大当たり判定、入賞判定、賞球(入賞口に入った遊技球に応じて払い出される遊技球。スロットマシンの場合には遊技球に代わってコインが用いられるが、説明の便宜上「賞球」という)の払出し、CR(Card Reader )機における払出し、或いは大当たり等の遊技状態に応じた音声の発生やランプの発光等を行うための制御基板を有する制御装置が裏面側に備えられている。この制御基板に設けられる回路は、一般に、大当たり判定、入賞判定、或いは音声や発光等の個々の遊技機に固有の制御を行う固有制御回路と、払出し等の複数種類の遊技機に共通の制御を行う汎用制御回路とに大別される。そのため、汎用性を高める目的で、制御基板は、固有制御回路を備えた主基板と、汎用制御回路を備えた払出基板等の他の基板との複数枚に分割して設計されるのが通例である。
【0003】
上記の主基板および払出基板等は、賞球の払出しに関連することから、開封の痕跡を容易に確認し得るケース内に封印された状態で遊技機の裏面に取り付けられる。店舗内等における制御回路の不正な改変を防止するためである。このケースは、外部から収容物を認識することが可能な透明な材質により構成され、例えば基板の両面側にそれぞれ位置する一対の上側ケース部および下側ケース部と、それらの接合部分に備えられた何らかの封印構造とから構成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、遊技機を製造・販売するに際しては、その機能が法に定められた適正な範囲にあることの認証を得るために、(財)保安電子通信技術協会の「型式試験」を受ける必要がある。この型式試験で最も重要視されるのは、賞球の払出しに関連する部分、すなわち前記の固有制御回路(主基板)のうちの大当たり判定或いは賞球の払出し数の決定等の遊技制御機能を有する部分や、賞球の払出しを制御する汎用制御回路(払出基板)等であり、厳密な検査が為される。一方、固有制御回路のうちの音声や発光等を制御する部分については、賞球の払出しに関連しないことから、近年、型式試験の内容も簡略化される傾向にあり、書類審査で十分となった。そのため、遊技制御機能を有する主基板から音声や発光等を制御する部分を分離して別基板に構成すれば、検査の簡略化が可能となる。
【0005】
しかしながら、検査の簡略化の目的で上記のように主基板と音声等の制御基板とを分割する場合には、それらを別々のケースに収容しなければならなかった。前記のように封印可能なケースに収容しても、何ら痕跡を残さないで開封することを完全に防止し得るように封印構造を構成することは困難である。このため、分割した音声等の制御基板を主基板と同時に一つのケース内に収容してその内部で接続すると、それらを不正に相互に接続することが容易であると共に、不正な動作を行う極小寸法の基板を主基板に接続して装着することも不可能ではない。しかも、ケース内部の配線状態は複雑であることから、初期の適正な状態に保たれているか否かを遊技場の係員はケース外部から容易に識別し得ない。したがって、主基板から音声等の制御基板を分離しても、それらを一つのケース内に収容すると主基板と一体的に設けられているに等しいことから、音声等の制御基板の検査の簡略化を図るためには、発見困難な不正接続を抑制できるように主基板とは別のケースに収容してその外部だけで接続する必要があったのである。この結果、音声等の制御基板を主基板から分離する場合には、固有制御回路が一枚の基板に設けられていた従来に比較して、遊技機の裏面に取り付けられる制御装置数が増加し、全体として大きな設置面積が必要になるという問題があった。
【0006】
上述したような複数枚の基板を一つのケース内に収容すると不正な接続が容易になるという問題は、主基板から音声等の制御基板を分離する場合に限られず、これらと遊技機に備えられる他の制御基板との間においても同様に生じ得る。例えば、主基板と払出基板等の他の基板とを同時に収容し、或いは払出基板と上記の音声等の制御基板とを一つのケース内に同時に収容すれば、制御装置の個数を少なくして必要な設置面積を小さくできる。しかしながら、前述したように払出基板も賞球の払出しに関連する制御回路を有することから、このような主基板や払出基板等を含む複数枚の基板を一つのケース内に収容する場合には、何れの組み合わせにおいても上記のようなケース内部での不正接続の問題が生じるのである。すなわち、前記のような従来の制御装置用ケースの封印構造は、賞球の払出しに関連する機能を有する制御回路を備えた制御基板を、それと同時に収容された他の基板と接続してその機能を改変するような不正を抑制する効果が十分ではなかったため、複数枚の制御基板を同時に一つのケース内に収容することによって制御装置の個数を少なくして必要な設置面積を小さくすることが困難になっていた。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的は、賞球の払出しに関連する制御基板の不正な改変を抑制しつつ設置面積を小さくできる遊技機の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成するため、本発明の遊技機の制御装置の要旨とするところは、(a)遊技機において賞球の払出しに関連する機能を有する第1の制御回路が設けられた第1の基板と、(b)その他の第2の制御回路が設けられた第2の基板と、(c)それら第1の基板と第2の基板とを電気的に接続するためにそれらの端縁部にそれぞれ設けられた電極端子と、(d)それら第1の基板および第2の基板の裏面側に位置する下側ケース部とそれらの表面側に位置する上側ケース部とから構成され、それら第1の基板および第2の基板をそれぞれの前記電極端子を露出させた状態で内部に同時に収容するための収容位置を備えると共に、内部におけるそれらの電気的接続が不能となるように各々の収容位置を区分するための前記上側ケース部および前記下側ケース部との間に生じる全ての当接部分に嵌め合い構造を備えた隔壁を有するケースと、(e)前記上側ケース部と前記下側ケース部とを分離して前記第1の基板のそのケース内部に位置する部分を開放する場合に不可逆的な変化を伴うことによりその痕跡を容易に視認し得るようにそのケースを封印する封印装置とを、含むことにある。
【0009】
【発明の効果】
このようにすれば、第1の基板と他の第2の基板とが同時に一つのケース内に収容されると共に、それらはケース外部に露出させられた端縁部の電極端子によって相互に接続され、且つ、封印装置が備えられたそのケース内には、内部における第1の基板と第2の基板との電気的接続が不能な状態にそれらの収容位置を相互に区分する隔壁が設けられる。そのため、一つのケース内に第1の基板と第2の基板とが同時に収容されていることから、それらを別々のケースに収容する場合に比較して制御装置の設置面積を小さくできる。しかも、第1の基板と第2の基板との電気的接続はケース外部だけで可能であるため、これらを不正に接続してもその発見が容易であると共に、容易に発見し得ることが不正な電気的接続処理を心理的に抑制する効果もある。また、ケースを構成する上側ケース部および下側ケース部と隔壁との当接面は、嵌め合い構造を備えることによって屈曲させられるため、その相互の当接部分を通る不正な配線をケース内に設けると、それがその嵌め合い構造を阻害することからケースを閉じることが困難となり、或いは、その嵌め合い部分で配線が屈曲させられることから容易に断線する。したがって、隔壁と上側ケース部および下側ケース部との当接部分が平坦な突き合わせ面に構成されている場合に比較して、不正な配線を設けることが一層困難になる。上記により、大当たり判定、入賞判定、賞球の払出し数の決定やその払出し等の賞球の払出しに関連する第1の基板の不正な改変を抑制しつつ制御装置の設置面積を小さくすることができる。
【0011】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記の第2の基板に設けられた第2の制御回路は、賞球の払出しに関連する機能を有しないものである。このようにすれば、遊技機の制御装置は、賞球の払出しに関連する機能を有する第1の制御回路が設けられた第1の基板と、そのような機能を有しない上記の第2の基板とが、内部での電気的接続が不能となるように隔壁に区分された状態で、封印装置を備えた一つのケース内に同時に収容される。そのため、ケース内においては第1の基板と第2の基板との電気的接続が不可能であることから、それらは実質的に独立したケースにそれぞれ収容されたことに等しい。したがって、厳密な検査が必要な第1の基板と同じケース内に収容されていても、そのことは第2の基板についての厳密な試験の必要性の有無に何ら影響しないため、賞球の払出しに関連する機能を有しない第2の基板についての厳密な試験は不要となって、型式試験を簡略化できる。特に、上記第2の基板が第1の基板から分割した基板である場合(例えば、主基板から分割した音声等の制御基板)等にも、それらが一体的に設けられている場合と同様にその第1の基板と同時に一つのケースに収容できるため、基板の分割に伴う制御装置の設置面積の増大が抑制される利点もある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施例の遊技機の制御装置が裏面に備えられているパチンコ機10の正面を示す図である。図において、パチンコ機10は、カード・リード・ユニット12を左側面に連結して用いられる所謂CR機と称される形式のものである。
【0014】
パチンコ機10の前面パネル14の下部には、上部に設けられている遊技盤16内に向かって遊技球を発射する後述する発射装置106を操作するためのハンドル18が右端部に、払い出された賞球を蓄える下皿(貯留皿)20が中央部にそれぞれ備えられている。なお、下皿20の前面に備えられている22は球抜きレバーであり、この球抜きレバー22を左方向にスライドさせることによって、下皿20の底部に備えられている図示しない球抜き穴から、貯留されている遊技球が排出される。
【0015】
これらハンドル18および下皿20の上には、遊技球を発射装置106に一つずつ順次供給するための上皿(供給皿)24が備えられている。遊技盤16内の入賞口26等への遊技球の入賞に応じて払い出される賞球は、この上皿24に優先的にその左方に備えられている図示しない払出し口から払い出され、上皿24が一杯になると、裏面側に設けられている経路を通って下皿20に払い出されることとなる。なお、上皿24の上面右端部には球抜きボタン28が備えられており、これを例えば下に向かって押込み操作することにより、上皿24内の遊技球を下皿20内へ落とすことができる。また、この上皿24の正面中央部には、前記のカード・リード・ユニット12を操作するための球貸しスイッチ30、カード返却スイッチ32、およびカード残高を表示するための残高表示部34が備えられている。
【0016】
前記のカード・リード・ユニット12には、高さ方向の略中央位置にカード挿入口36が備えられると共に、その上方に「カード利用可」および「カード挿入中」等の表示ランプ38a、38b等が備えられたものである。「カード利用可」ランプ38aが点灯している状態でカードを挿入口36から挿入すると、「カード挿入中」ランプ38bが点灯すると共に、上皿24の残高表示部34にカード残高が表示される。上皿24に備えられている上記の球貸しスイッチ30およびカード返却スイッチ32はこの状態で利用でき、球貸しスイッチ30を押込み操作することで、予め定められた一定量の遊技球が裏面側に備えられた後述の賞球払出装置74によって上皿24に払い出され、残高表示部34の表示残高が遊技球の払出し量に応じて減少する。一方、カード返却スイッチ32を押込み操作した場合には、挿入したカードが挿入口36から排出されることとなる。
【0017】
また、前記の遊技盤16内には、図柄表示装置40が中央部に、図柄始動口としても機能する普通電動役物42がその下側に、開放状態と完全な閉塞状態との間で開閉動作させられる扉44を有する大入賞口46が更にその下側にそれぞれ備えられている。図柄表示装置40は、例えば液晶表示装置で構成されるものであって、数字、アルファベット、記号、各種の絵等が例えば3桁程度に区分して表示される。この表示図柄は、普通電動役物42に遊技球が入賞すると各桁毎に変化させられ且つ一定時間の後に停止させられるようになっており、予め定められた「777」、「AAA」等の図柄で表示が停止(以下、「大当たり」という)すると、大入賞口46の扉44が予め定められた動作形態で一定の時間だけ開放動作して、遊技球の入賞確率が飛躍的に高められる。上記の普通電動役物42は、開閉動作可能な一対の翼片48、48をその上部に備えており、この翼片48が図示するように開いたときに普通電動役物42への遊技球の入賞が容易になる。また、上記の大入賞口46の下部には、普通図柄表示装置50が備えられている。この普通図柄表示装置50も例えば液晶表示装置等で構成されるものであり、例えば、8セグメントで一桁の数字或いはアルファベットを表示する。
【0018】
上記の図柄表示装置40の左右には、一対の普通図柄始動ゲート52、52が備えられており、遊技球が何れかを通過すると、前記の大入賞口46の下部に備えられている普通図柄表示装置50の表示が変化する。普通図柄表示装置50の表示は、変化を開始してから一定時間の後に停止させられるものであり、その停止時の表示が予め定められた図柄に一致したとき(以下、「当たり」という)に、前記の普通電動役物42の翼片48、48が一定時間だけ開成動作させられる。これにより、普通電動役物42内へ遊技球が入賞させられると、上述のように図柄表示装置40の表示が変化させられるが、その変化中に更に遊技球が入賞した場合には、図柄表示装置40の上側に備えられている例えば4つの保留ランプ66が順次点灯する。保留ランプ66は普通電動役物42への入賞数を記憶するものであって、この場合は最大4個の遊技球の入賞を記憶し、普通電動役物42への入賞が終了しても、図柄表示装置40の表示の変化および停止がその記憶した数だけ繰り返される。
【0019】
なお、図において、54は、遊技球の移動方向を制限し或いは変化させるために遊技盤16内の適宜の位置に多数本が打ち込まれた釘であり、56は、遊技球の移動方向を変化させるために例えば6か所に設けられた風車であり、58は、遊技球の入賞時や大入賞口46の作動時等に発光させられるランプである。但し、風車56のうち、図柄表示装置40の上端部左右に備えられている一対56a、56aは、ランプ58と同様に必要に応じて発光させられるランプを備えたランプ風車に構成されている。また、これらの発光時に同時に音声を発生させるためのスピーカ60は、上皿24と下皿20との間に備えられている。また、遊技盤16の周縁部には、左方にガイド・レール62が設けられると共に、右方上部には返しゴム64が設けられている。ガイド・レール62は発射装置106によって発射された遊技球を入賞口26等の備えられている遊技領域に誘導するものであり、返しゴム64は、ここに当たった遊技球の勢いを減少して遊技領域内に戻すものである。
【0020】
以上のように構成されたパチンコ機10において、ハンドル18を操作することにより遊技盤16に向かって発射された遊技球は、釘54や風車56に絡みつつ下方に向かう。この遊技球が、普通図柄開始ゲート52を通過すると、普通図柄表示装置50の表示が変化する。なお、ゲート52は、遊技盤16上において単に遊技球が通過するだけであり、ここを通っても賞球は払い出されない。普通図柄表示装置50の表示が前述した「当たり」図柄以外の表示(はずれ)の場合には、続いて遊技球がゲート52を通過するまで何ら変化は生じないが、その図柄が「当たり」表示であると、普通電動役物42の翼片48が一定時間だけ開成動作させられる。この開成動作によって入賞確率が高められた普通電動役物42に遊技球が入賞すると、その入賞数に応じて賞球が払い出されると共に、図柄表示装置40の表示が変化する。そして、この図柄表示装置40の表示が前記の「大当たり」以外の図柄(はずれ)で停止すると、前記の保留ランプ66が点灯している場合或いは普通電動役物42に遊技球が新たに入賞した場合には、図柄表示装置40の表示が再度変化させられる。このような繰り返しの後、図柄表示装置40の表示が「大当たり」図柄で停止すると、扉44が開閉動作を開始し、一定時間だけ遊技球の入賞確率が飛躍的に高められる。なお、大入賞口46、およびその左右に備えられている一対の普通入賞口26に遊技球が入賞した場合にも、それぞれの入賞数に応じて賞球払出装置74から賞球が払い出される。遊技球が何れの入賞口にも入らなかった場合には、遊技盤16の下部に備えられているアウト口68に入って回収され、賞球は払い出されない。
【0021】
図2は、パチンコ機10の裏面を表した図である。以下、図を参照して制御装置120等が備えられた裏面構成を説明する。パチンコ機10の裏面上部には、図示しない遊技球供給装置から複数のパチンコ機10の各々に供給される遊技球を蓄えるタンク70が備えられている。タンク70の例えば左端底部には、タンク・レール72が接続されており、タンク70から裏面における高さ方向の略中央であって右端部に備えられる賞球払出装置74まで遊技球が誘導される。賞球払出装置74の下側には、裏セット本体76が備えられており、払い出された賞球はこの内部を通って図示しない上皿口から上皿24へ、或いはその下端に設けられている下皿口78から下皿20に払い出される。
【0022】
上記のタンク・レール72の下方であって賞球払出装置74の左側の位置には、払出基板80がケースに収容されて備えられており、中央部やや下方に備えられる制御装置120内の主基板82から送られた払出信号に従って、賞球払出装置74を作動させる。すなわち、払出基板80は、賞球払出装置74に払出信号に応じた個数の賞球を払い出させるものであり、各種遊技機に共通の汎用制御回路を備えている。なお、主基板82は、後述するように構成された制御基板収容ケース84内に収容され且つ封印されており、その端縁部に設けられている電極端子128、132だけによって払出基板80や後述する副基板126等と接続されている。上記の払出基板80と前記図1に示される遊技盤16との間には、図示しない集合板および図2に破線で示される中継基板86等が備えられている。集合板は、前記の入賞口26、46等から入賞した遊技球を集めて回収するものであり、回収された遊技球(入賞球)は、裏セット本体76に備えられている入賞球排出装置88を経由してパチンコ機10外に排出される。一方、中継基板86は、入賞球が集められる過程においてその入賞位置や入賞数等を検出するものであり、その情報が主基板82に送られる。
【0023】
なお、上記の図2において90は情報端子であり、前記の図柄表示装置40の図柄確定回数等の種々の情報がこの情報端子90から取得可能となっている。また、ケース84の下方には、発射モータ92が備えられており、前記のハンドル18を回動操作することによってこの発射モータ92が作動させられ、延いては発射装置106が作動させられる。また、上部においてタンク70の右側に備えられている94は、発射モータ92等を制御するための制御端子やタンク内の球切れを検出するための球切れ情報端子等の各種端子である。また、裏セット本体の下部であって入賞球排出装置88の近傍には、カード・リード・ユニット12の端子96と接続するための端子98が備えられており、これら端子96、98でパチンコ機10とカード・リード・ユニット12とが接続されることによって、パチンコ機10側からカード・リード・ユニット12の制御が可能となっている。
【0024】
図3は、パチンコ機10を構成する複数の枠を相互に分離して示した図である。図において、機枠100はパチンコ機10を店内において所定位置に据え付けるために備えられた外枠であって、ラワン材等によって構成されている。その機枠100の左端上下には一対のヒンジ104、104が備えられており、前記の遊技盤16(図においては省略)が中央部に固着される裏枠108は、それら一対のヒンジ104、104によって機枠100の左側端部回りの回動可能に取り付けられる。また、その裏枠108の右端には鍵ユニット110が取り付けられるようになっており、機枠100の右側板の内側に設けられた図示しない係止部に鍵ユニット110の上下に備えられた係合爪を係合させることにより、裏枠108は周縁部が機枠100に略密着した状態で固定される。前記の発射モータ92で駆動される発射装置106は裏枠108にその裏側から取り付けられており、前記の下皿20はその裏枠108の表側に取り付けられている。
【0025】
また、前記の図2に示される裏セット本体76等の各機構やタンク70等は、上記の裏枠108の裏面にその左端回りで離隔する方向に回動可能な状態で取り付けられた機構板102に備えられている。機構板102は、裏枠108の裏面右端に設けられた図示しない係止具によってその右端部を固定される。そして、裏枠108の前面に、発射装置106に遊技球を供給するために上皿24内に備えられる遊技球供給機構112、中央部にガラス板114が嵌められた前枠116、および上皿24が順に取り付けられることにより、パチンコ機10が組み立てられている。なお、このように構成された結果、前記の制御装置120等が取り付けられている機構板102の裏面は、前枠116に設けられている鍵穴118から覗く鍵ユニット110を外せば容易に露出させ得るようになっている。
【0026】
図4は、前記の機構板102の裏面に取り付けられている制御基板ケース84、厳密に言えば、内部に主基板82等を収容した制御装置120の全体構成を示す斜視図である。図において、制御基板ケース84は、後述するように内部に備えられる主基板82等の表面および裏面に位置させられた上カバー122および下カバー124から構成されている。これら上カバー122および下カバー124は、何れも透明乃至半透明のプラスチックから成るものであり、内部に収容されている主基板82およびその上に実装されている電子部品140や配線等を外部から認識し得るものである。上カバー122の長手方向の両端部には、封印装置として機能する薄肉の切断片134をそれぞれ一対備えた4個のネジ締部136が備えられ、両端部にそれぞれ備えられる何れかのネジ締部136、136が対として利用されることで、上カバー122および下カバー124が固着されて一つのケース84を構成している。図の上下方向の寸法は上カバー122が下カバー124よりも短くなっており、そのため、制御基板ケース84内には、主基板82および副基板126が、それぞれ表面の一部(図において上側に位置する端縁部)を露出させられた状態で収容されている。これら基板82、126の露出部分には、それらを相互に接続するための一対の電極端子128、130や、他の制御基板等と接続するための複数の電極端子132が設けられており、主基板82と副基板126とは、それら一対の電極端子128、130間に配設されたコネクタ138で電気的に接続されている。本実施例においては、上カバー122が上側ケース部に、下カバー124が下側ケース部にそれぞれ相当する。
【0027】
図5は、制御装置120を上カバー122を分離した状態で示した斜視図である。主基板82および副基板126には、それぞれICや抵抗体、コンデンサ、コイル等の電子部品140が実装されて、例えば裏面に設けられている図示しない配線によって各々の基板82、126毎に電子部品140が相互に接続されている。主基板82は、前記の図柄表示装置40、普通電動役物42、大入賞口46、および普通図柄表示装置50等の動作や、当たり判定、大当たり判定、入賞判定、或いは賞球払出し数の決定等の遊技制御機能を有する制御回路が設けられたものである。一方、副基板126は、その主基板82によって制御される遊技を演出するために、上記の各動作或いは判定内容に応じて発光や効果音の発生等を制御する制御回路が設けられたものである。すなわち、これらは何れも遊技機毎に固有の制御を行う固有制御回路を構成するものであるが、主基板82は、賞球の払出しに関連する機能、更に詳しく言えば、大当たり判定や賞球の払出し数を決定する機能を有し、副基板126はそのような機能を有していない。本実施例においては、固有制御回路が2枚の基板82、126に分離されており、主基板82が第1の基板に、副基板126が第2の基板にそれぞれ相当する。すなわち、本実施例においては、第2の基板は賞球の払出しに関連する機能を有していない。そして、下カバー124のこれら2枚の基板82、126相互の間の位置には、後述するようにその底面から立設された下側仕切板142が図の上下方向の全長に亘って設けられており、これら2枚の基板82、126は相互に完全に分離され、裏面側での相互接続は不可能となっている。
【0028】
また、下カバー124の図における左右方向の両端には、前記のネジ締部136に対応する位置にそれぞれ4つのボス144が備えられている。そのため、上カバー122は、それに設けられたネジ締部136上から後述するワンウェイ構造を有するネジ146をボス144にねじ込むことで、基板82および126を覆った状態で下カバー124に固定されている。なお、上カバー122の図における上側両端部には一対の爪150、150が備えられており、その爪150が下カバー124に備えられた凹み152に係合させられることでそれらの接合強度が高められている。また、基板82および126は、それぞれその四隅においてネジ148によって下側カバー124に固定されている。
【0029】
図6(a) は、上記の上カバー122の内面側を表した図であり、図6(b) は、前記の図5において下カバー124から基板82、126を分離した状態で示す図である。図6(a) において、上カバー122の内面には、前記の下側仕切板142と突き合わされる上側仕切板154が備えられている。そのため、図7(a) に図4におけるVII −VII 視断面を示すように、上カバー122と下カバー124とが締結されてなるケース84は、内部に形成される収容部156が上側仕切板154および下側仕切板142とから成る仕切り(隔壁)によって、主基板収容部156aと、副基板収容部156bとに完全に分離されている。したがって、ケース84が正しく組み立てられて上側仕切板154および下側仕切板142が突き合わされた状態において、収容部156内で主基板82と副基板126とを電気的に接続することは不可能である。すなわち、主基板82と副基板126とは、前記の図4に示されるようにケース84の外部においてコネクタ138だけによって接続されている。なお、上カバーの図6(a) における下端部分すなわち電極端子128等とは反対側に位置させられる周壁部分122aは、ケース84の組み立て状態において下カバー124の図6(b) における下端面124aを覆うように長く形成されている。
【0030】
しかも、上記の図7(b) に、上記の突き合わせ部近傍を上カバー122と下カバー124とが相互に分離した状態で拡大して示すように、上側仕切板154および下側仕切板142が相互に突き合わされる各々の当接面158、160には段差が設けられ、主基板収容部156aから副基板収容部156bに向かう方向において屈曲させられている。そのため、図7(c) に示されるように組み立てられた状態では、上側仕切板154および下側仕切板142の先端部の一部が重ね合わされ、それら当接面158、160が嵌め合わされたことに等しい所謂「あいじゃくり」構造が形成される。したがって、ケース84においては、これら上側仕切板154および下側仕切板142間に隙間が生じ難いため、その隙間を通して電気配線を設けることが一層困難になる。すなわち、上側仕切板154および下側仕切板142の各々の高さ寸法は、それらの一部が相互に重なり合う高さに設定されている。
【0031】
更に、上記のように当接面158、160が屈曲させられていることから、それらの間に無理に配線を通しても、そこに存在する配線が邪魔になって上カバー122を下カバー124に完全に被せることが困難になる。そのため、不正な処置が行われたことはケース84が完全に組み立てられていないことで一目で識別可能となる。また、仮にケース84を完全に組み立てて封印を施すことが可能であったとしても、段差部分で配線が屈曲して断線し易いため、不正処理が無意味なものとなり易い。このため、本実施例の構造によれば、二つの収容部156a、156bが完全に仕切られているという物理的な不正抑制効果に加え、心理的な面における不正抑制効果もある。また、このように不正が実質的に防止されている結果、主基板82および副基板126の各々の収容部156a、156bは実質的に独立している。これにより、本実施例のケース84によれば、主基板82および副基板126を同時に収容しているにも拘わらず、副基板126の型式試験における検査は簡略化される。請求の範囲にいう「嵌め合い構造」は、当接面が屈曲させられるものであれば、本実施例のような「あいじゃくり」構造をも含むのである。
【0032】
図6に戻って、下カバー124の内面には、収容部156a、156bの各々の四隅に対応する位置にボス162が備えられている。基板82および126は、前記のネジ148がこれら複数のボス162にねじ込まれることで、図7(a) に示されるように下カバー124に固定されている。
【0033】
図8(a) 〜(c) は、ケース84に設けられているネジ締部136とボス144とによって構成される封印構造の詳細を説明する図である。図において(a) は上カバー122を下カバー124に取り付ける前の状態を示しており、(b) はネジ146を締めつけることによって上カバー122を下カバー124に固定した状態を示しており、(c) は切断片134を切断処理することによって固定されていた上カバー122を下カバー124から分離した状態を示している。図8(a) において、ネジ締部136には、前記の切断片134の内周側において下カバー124側に伸びる壁面によって周壁部が構成される有底穴164と、その有底穴164の底部に形成された先細りの貫通穴166とが備えられており、ネジ146は、全体がその有底穴164内に入った状態で、更にその貫通穴166内に先端部がねじ込まれる。ネジ146を保持する機能を有するネジ保持部は、ネジ締部136のうちこれら有底穴164と貫通穴166とによって構成される。一方、ボス144には、内周側にネジ146の完全ネジ部の直径よりも細いボス穴168が上記の貫通穴166と同軸的に備えられている。
【0034】
図9は、上記のネジ146およびネジ保持部を詳しく説明する図である。なお、図においてはネジ保持部すなわち有底穴164および貫通穴166の縦断面を示している。ネジ146は、頭部190と軸部192とから構成されるものであり、その軸部192の先端の略半分の長さの範囲にだけネジ山194が備えられる。また、頭部190は、マイナス・ドライバ222(後述する図10を参照)の先端面が当接する頂部上面230から略垂直に立って設けられてそこに不完全な溝224を形成し、ドライバ222の先端部側面226が当接させられる一対の当接面196、196と、その上面230からなだらかに形成された一対の斜面198、198とを軸心に関して点対称に備えたものである。そのため、図に矢印Tで示されるねじ込み方向においてはその当接面196がドライバ222先端に係合することからネジ146を回すことが可能であるが、反対の緩み方向においてはドライバ先端が斜面198上を滑るためネジ146を回すことが不可能である。
【0035】
図10(a) 〜(d) は、上記頭部190を真上から見た状態においてネジ146をねじ込み方向或いは緩み方向に回転させようとするときの様子を模式的に示したものである。(a) は頭部190の平面形状を表し、(b) は当接面196、196間に形成された溝224にマイナス・ドライバ222の先端が嵌め入れられた状態を表す。図10(b) に示されるようにドライバ222が溝224に嵌め入れられた状態で、(c) に示されるようにねじ込み方向Tにドライバ222を回転させると、その先端部側面226は当接面196を押す方向に作用させられる。そのため、それらの当接状態が維持されてネジ146にトルクが伝達され、前記のボス144に締め着けられることなる。反対に(d) に示されるように緩み方向Rにドライバ222を回転させる場合には、他方の側面228が押圧すべき位置には当接面196が備えられていないことから、ドライバ222の先端面は上面230上を滑って斜面198上に乗り上げる。そのため、当接面196と側面226との当接状態が維持されず、ドライバ222の先端が溝224から外れてネジ146にトルクが伝達されないことから、ネジ146を緩めることはできない。ネジ146は、このような頭部190を備えることによってワンウェイ構造に構成されている。
【0036】
図8に戻って、(b) に示される状態においては、ネジ146がボス穴168にねじ込まれることによって、上カバー122と下カバー124とが固定されている。なお、ネジ146は、上記のように軸部192の先端だけにネジ山194が設けられていることから、このような固定状態とするに際してネジ146を過度にねじ込んでボス穴168を削り取ることとなったとしても、そのネジ山194が設けられていない部分は、ボス穴168の内壁面を削ることはない。そのため、このような場合にも、ネジ山194とボス穴168上部の内壁面との係合に基づいてネジ146がボス144に確実に固定される。ネジ146のネジ山194が設けられている範囲は、このように最もねじ込んだ状態においてネジ山194が設けられていない部分がボス穴168内に十分な長さで入り込むように、ネジ締部136とボス144との当接状態において有底穴164の底面からボス144の頂部までの距離が、ネジ山194を設けていない部分の長さよりも短くなるように定められている。
【0037】
上述したように一方向にしか回転させ得ないネジ146で上カバー122と下カバー124とが固定されている結果、ネジ146を緩めてそれらを分離することは殆ど不可能である。そこで、これらを検査等の目的で相互に分離する必要が生じた場合には、以下のように処理する。前述したように、ネジ保持部を構成する有底穴164および貫通穴166が設けられている部分は、薄肉の切断片134だけで上カバー122に連結されている。そのため、この連結部分をニッパ等を用いて切断すると、それらの連結状態が解消されることから、ネジ146およびネジ保持部が下カバー124に固着されたまま、上カバー122を取り外すことが可能となる。上記の図8(c) は、このようにして分離した状態を示している。したがって、ケース84は、上ケース122を外すためにネジ締部136のこのような不可逆的な変化を伴うことから、上ケース122を外したか否かを容易に識別できるため、これを外して内部の配線を改変する不正を防ぐことができるのである。
【0038】
なお、検査等の目的で上カバー122を外した場合には、再びそれを下カバー124に取り付けて、その後の不正を防止すべく封印を施す必要がある。前記の図4等に示されるようにネジ締部136が複数箇所に備えられているのは、この際に封印を可能とするためである。すなわち、ネジ締部136は、一回の封印作業では両端部に備えられている各々一か所だけが用いられ、同時にボス144に締めつけられているネジ146は常に2本だけである。したがって、上記のようにして封印を一つ破壊した後は、他の場所に設けられているネジ締部136でネジ146を締め込むことにより、外すことができないそのネジ146によって同様に封印を行うことができるため、最初の封印を含めて4回の封印が可能となっている。
【0039】
以上説明したように、本実施例によれば、主基板82と副基板126とが同時に一つのケース84内に収容されると共に、それらはケース84外部に露出させられた電極端子128、130によって相互に接続され、且つ、封印装置として機能するネジ締部136およびボス144が備えられたそのケース84内には、内部における主基板82と副基板126との電気的接続が不能な状態にそれらの収容部156a、156bを相互に区分する、下側仕切板142および上側仕切板154とから成る隔壁が設けられる。そのため、一つのケース84内に主基板82および副基板126が同時に収容されていることから、固有制御回路を備えた基板をそれら2枚に分割したことに伴う設置面積の増大が抑制される。また、ケース84内においては主基板82と副基板126との電気的接続が不可能であることから、それらは実質的に独立したケースにそれぞれ収容されたことに等しくなる。したがって、厳密な検査が必要な主基板82と同じケース84内に収容されていても、副基板126についての厳密な試験は不要となる。しかも、主基板82と副基板126との電気的接続はケース84の外部だけで可能であるため、これらを不正に接続してもその発見が容易であると共に、容易に発見し得ることが不正な電気的接続処理を心理的に抑制する効果もある。したがって、固有制御回路が一枚の基板に設けられ、或いはそれが主基板82と副基板126とに分離されて一つのケース内に収められた従来の何れの制御装置に比較しても、設置面積の増大を伴うことなく、賞球の払出しに関連する主基板82の不正な改変を一層抑制し、延いては型式試験の簡略化が可能な制御装置120が得られる。
【0040】
しかも、本実施例によれば、下側仕切板142および上側仕切板154の相互の当接面158、160は、あいじゃくり構造(すなわち実質的に嵌め合い構造といえるもの)を備えることによって屈曲させられるため、その相互の当接部分を通る不正な配線をケース84内に設けると、それがその嵌め合い構造を阻害することからケース84を閉じることが困難となり、或いは、その嵌め合い部分で配線が屈曲させられることから容易に断線する。したがって、隔壁と上ケース122および下ケース124との当接部分が平坦な突き合わせ面に構成されている場合に比較して、不正な配線を設けることが一層困難になる。
【0041】
また、本実施例においては、主基板82と副基板126との電気的接続は、ケース84の外部に位置させられている電極端子128、130間をコネクタ138で繋ぐことだけで為されているため、ケース84を開けることなく、これらの電気的接続を断つことが可能である。そのため、型式試験、工場内での製品検査、店舗内における不正処理の有無の検査等のために主基板82と副基板126とを別々に検査する必要がある場合にも、上記のコネクタ138を外すだけでこれらを簡単に電気的に分離できる利点もある。
【0042】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前述の実施例と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
図11(a) 〜(c) は、仕切板の他の構成例をそれぞれ説明する図である。(a) に示される構造においては、全体が下カバー124と一体の仕切板200が備えられている。上カバー122の内面には、紙面に垂直な仕切板200の長手方向に沿って伸びる凹溝202が備えられており、仕切板200の先端204はその凹溝202内に嵌め込まれている。したがって、この態様においては、上カバー122と仕切板200との間で嵌め合い構造が形成されている。このようにしても、二つの収容部156a、156bが完全に分離され、且つ上カバー122と仕切板200との当接面が屈曲させられているため、前記の図1乃至図9に示される実施例と同様に不正を抑制し、検査を簡略化する効果が得られる。なお、図7に示される構造と異なり、本実施例においては仕切板200の先端204が平坦になっているが、その先端204が上カバー122に嵌め込まれることでその側面を含むコ字状を成す範囲が実質的に当接面として機能するため、敢えて先端204を段付き形状とする必要はない。
【0044】
また、図11(b) に示される構造においては、(a) の場合と反対に全体が上カバー122と一体の仕切板206が備えられている。下カバー124の内面には、紙面に垂直な仕切板206の長手方向に沿って伸びるV溝208が備えられており、仕切板206の先細りに形成された先端210はそのV溝208内に嵌め込まれている。したがって、この態様においては、下カバー124と仕切板206との間で嵌め合い構造が形成されている。このようにしても、二つの収容部156a、156bが完全に分離され、且つ下カバー124と仕切板206との当接面が屈曲させられているため、先の2つの実施例と同様に不正を抑制し且つ検査を簡略化する効果が得られる。すなわち、収容部156を仕切る隔壁として機能させられる構成部分は、図7等に示される実施例のように上カバー122および下カバー124に分割して備えられていても良く、或いは、これら図11(a) 、(b) に示される実施例のように一方だけに全体が備えられていても良いのである。また、隔壁と上カバー122或いは下カバー124との当接部分の形状は、主基板収容部156aから副基板収容部156bに向かう方向において屈曲した当接面が形成されるものであれば、これらに示されるような種々の形状を採ることが可能である。
【0045】
また、図11(c) に示される構造においては、上カバー122および下カバー124の何れとも別部材に構成された仕切板212が備えられている。上カバー122および下カバー124の各々の内面には、凹溝214、216が設けられており、仕切板212の上端218および下端220は、それぞれこれら凹溝214、216内に嵌め込まれている。したがって、この態様においては、上カバー122および下カバー124の両方と仕切板212との間で嵌め合い構造が形成されている。もちろん、このようにしても、収容部156a、156bが相互に分離されていること、および仕切板212と上カバー122、下カバー124との当接面が屈曲させられていることは、前述の各態様と同様であり、同様な不正抑制効果および検査簡略化効果を得ることができる。
【0046】
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施し得る。
【0047】
例えば、実施例においては、本発明がパチンコ機10の制御装置120に適用された場合について説明したが、主基板82のように大当たり判定や賞球の払出し数を決定する機能を有する制御回路が設けられた基板、すなわち賞球の払出しに関連する制御回路が設けられた第1の基板と、その他の第2の基板、例えばその決定延いては払出しに関与しない制御回路が設けられた副基板126とを含む複数の基板が同時にケース82内に収容された制御装置であれば、本発明は、スロットマシン等の他の遊技機用のものにも同様に適用できる。
【0048】
また、実施例においては、主基板82と同時にケース84内に収容される副基板126は、発光や効果音の発生等を制御するものであったが、主基板82と賞球の払出しを行うための払出基板80とをケース内に同時に収容する場合にも、本発明は同様に適用される。また、賞球払出装置74に賞球を払い出させるこの払出基板80も「賞球の払出しに関連する機能」を有するため、これと上記のような副基板126とを同時にケース内に収容する場合等にも、本発明は同様に適用される。すなわち、第2の基板に備えられた第2の制御回路は、賞球の払出しに関連する機能を有しないものであっても、反対に第1の制御回路と同様に賞球の払出しに関連する機能を有するものであってもよい。したがって、第2の基板が賞球の払出しに関連する機能を有しない制御回路を備えたものである場合だけでなく、第1の基板および第2の基板が共に「賞球の払出しに関連する機能を有する制御回路が設けられた基板」である場合にも、本発明は適用される。
【0049】
また、実施例においては、隔壁として機能する仕切板142、154等の当接面158、160等が屈曲させられた嵌め合い構造が備えられる場合について説明したが、このような嵌め合い構造は必ずしも設けられなくともよく、例えば、当接面158、160等をそれぞれ平坦面として単に突き合わされる構造に構成することもできる。このようにしても、隔壁が設けられている部分を何らかの配線が通ることが不自然であることは透明なケースを通して一目で判別でき、不正処理の為されたことの確認が容易であるため、不正抑制効果および検査を簡略化する効果を十分に得ることができる。
【0050】
また、実施例においては、ケース84が上カバー122および下カバー124から構成されていたが、3つ以上の構成部品からケース84が構成されていても差し支えない。
【0051】
また、実施例においては、2枚の基板82、126が同時にケース84内に収容された制御装置120に本発明が適用された場合について説明したが、少なくとも一枚が不正な配線処理の防止を要求される基板であって、その基板と相互に電気的に接続する必要がある少なくとも一枚の他の基板とを同時に収容するものであれば、その不正防止を要求される基板とは接続されない更に他の基板を含む3枚以上の基板が同時にケース内に収容される制御装置にも本発明は同様に適用される。
【0052】
また、実施例においては、封印装置がネジ締部136およびボス144によって構成されていたが、上カバー122と下カバー124とを分離した痕跡が明らかになり、且つ再度封印が可能なものであれば、溶着等の他の種々の封印構造を採用することができる。
【0053】
また、図1乃至図10に示される実施例においては、下側仕切板142と上側仕切板154との先端部の一部が重なり合うようにそれらの高さが定められていたが、これらが略完全に重なり合う高さに設定されると共に、それらの位置がその厚み方向に僅かにずらされることにより、相互に略密着させられた二重の仕切板によって収容部156a、156bが相互に分離されるように構成してもよい。
【0054】
その他、一々例示はしないが、本発明はその主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加えた態様で実施し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置を備えたパチンコ機の正面図である。
【図2】図1のパチンコ機の裏面図である。
【図3】図1のパチンコ機の枠部材等を相互に分離して全体の構成を説明する図である。
【図4】図1のパチンコ機の裏面に備えられている制御装置の全体構成を示す斜視図である。
【図5】図4の制御装置の上カバーを外した状態を説明する図である。
【図6】 (a) は、図4の制御装置の上カバーの内面構造を説明する図であり、(b) は、図5において更に基板を下カバーから分離した状態で示す図である。
【図7】 (a) は、図4におけるVII −VII 視断面を表した図であり、(b) および(c) は、仕切板の構成の詳細を上カバーおよび下カバーの組み立て前後でそれぞれ示す図である。
【図8】図4の制御装置に備えられた封印構造を説明する図であり、(a) は封印前の状態、(b) は封印状態、(c) は、封印を開封した状態をそれぞれ表す。
【図9】図8の封印構造に用いられているネジおよびネジ保持部とを詳しく説明する図である。
【図10】 (a) 〜(d) は、図9に示されるネジの頭部の形状およびドライバでネジを回す際におけるその頭部形状の機能を説明する図である。
【図11】 (a) 〜(c) は、それぞれ仕切板の他の構成例を説明する図7(c) に対応する図である。
【符号の説明】
82:主基板
120:制御装置
{122:上カバー、124:下カバー}(84:ケース)
126:副基板
128、130:電極端子
{136:ネジ締部、144:ボス}(封印装置)
{142:下側仕切板、154:上側仕切板}(隔壁)
Claims (1)
- 遊技機において賞球の払出しに関連する機能を有する第1の制御回路が設けられた第1の基板と、
その他の第2の制御回路が設けられた第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板とを電気的に接続するためにそれらの端縁部にそれぞれ設けられた電極端子と、
前記第1の基板および前記第2の基板の裏面側に位置する下側ケース部とそれらの表面側に位置する上側ケース部とから構成され、それら第1の基板および第2の基板をそれぞれの前記電極端子を露出させた状態で内部に同時に収容するための収容位置を備えると共に、内部におけるそれらの電気的接続が不能となるように各々の収容位置を区分するための前記上側ケース部および前記下側ケース部との間に生じる全ての当接部分に嵌め合い構造を備えた隔壁を有するケースと、前記上側ケース部と前記下側ケース部とを分離して前記第1の基板の前記ケース内部に位置する部分を開放する場合に不可逆的な変化を伴うことによりその痕跡を容易に視認し得るようにそのケースを封印する封印装置と
を、含むことを特徴とする遊技機の制御装置。
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