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JP3514903B2 - フッソ樹脂系シート、シート積層複合体、その製造方法およびその用途 - Google Patents

フッソ樹脂系シート、シート積層複合体、その製造方法およびその用途

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Publication number
JP3514903B2
JP3514903B2 JP08705596A JP8705596A JP3514903B2 JP 3514903 B2 JP3514903 B2 JP 3514903B2 JP 08705596 A JP08705596 A JP 08705596A JP 8705596 A JP8705596 A JP 8705596A JP 3514903 B2 JP3514903 B2 JP 3514903B2
Authority
JP
Japan
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fluororesin
sheet
aromatic polyamide
polyamide pulp
pulp
Prior art date
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Application number
JP08705596A
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JPH09188767A (ja
Inventor
康策 浅黄
稔治 山林
Original Assignee
帝人テクノプロダクツ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 帝人テクノプロダクツ株式会社 filed Critical 帝人テクノプロダクツ株式会社
Priority to JP08705596A priority Critical patent/JP3514903B2/ja
Publication of JPH09188767A publication Critical patent/JPH09188767A/ja
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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種のパッキン、
軸受、スラストワッシャ、ギア、シール材などに有用な
シート、シート積層体、その製造方法およびその用途に
関する。さらに詳しくは、優れた機械的特性、摩擦磨耗
特性、耐熱性および耐薬品性を有する芳香族ポリアミド
パルプとフッ素樹脂を主成分とするフッソ樹脂系シー
ト、シート積層複合体、その製造方法および該フッソ樹
脂系シート又はシート積層複合体からなる摺動材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は、摩擦磨耗特性、耐熱性お
よび耐薬品性に優れているので、各種のパッキン、軸受
あるいはスラストワッシャなどの摺動材として広く用い
られている。しかしながらフッ素樹脂単独では外力によ
り変形し易く、また磨耗量も大きいので、これらの欠点
を改良するため種々の補強用充填材を配合することが行
なわれている。
【0003】一方、パッキンやスラストワッシャなどの
用途には薄肉のシート状の摺動材が必要であるが、フッ
素樹脂は一般に溶融させたり溶剤に溶解させたりするこ
とが難しいので、ナイロンやポリエチレン等の熱可塑性
樹脂のために一般的に用いられているキャスティングや
ブロー成形などのシート成形方法を適用することができ
ない。
【0004】したがって、円筒状のブロックを圧縮成
形、焼成した後これを薄肉に削りだすスカイビング法と
いう方法が一般的に用いられている。しかしながら、こ
の方法は生産性が低いので、より生産性が高く、経済的
なシート状物の製造方法が求められていた。
【0005】さらにガラス繊維等の繊維状の充填材や黒
鉛、ブロンズ粉等の粒子状の充填材をフッ素樹脂に添加
することにより、硬度や磨耗性能等の特性は改良できる
が、フッ素樹脂と充填材との接着性が悪いので引張強度
等の機械的性能は改良できない。
【0006】本発明者等はこの点を改良すべく、高度に
フィブリル化した芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂
粉末とを組み合わせた摺動材用樹脂組成物を提案した
(特開平5−117476)。この組成物では高度にフ
ィブリル化した芳香族ポリアミドパルプを補強材として
いるので、芳香族ポリアミドパルプ同士の物理的な絡み
合いによってフッ素樹脂が補強され大きな補強効果が得
られる。しかしながら該組成物は、補強効果が優れたブ
ロック状製品の製造には適しているが、補強効果が優れ
たシート状物を直接的に製造するには必ずしも満足すべ
きものではなかった。
【0007】すなわち、このブロック状製品からスカイ
ビング法によって製造したシートは異方性が強く、シー
ト面の全ての方向に充分な引張強度を得ることは難し
く、シート面の全ての方向の引張強度が250Kgf/
cm2 以上のものは得られていなかった。これはブロッ
クの加圧成形時に繊維が主に加圧方向に直角の方向に配
向し、加圧方向には配向しにくいためと考えられる。
【0008】特公平4−36181号公報には、繊維シ
ートに四フッ化エチレン樹脂(PTFE)ポリマーを固
着させてシートを与える方法が開示されている。しかし
この方法ではパルプではなく長繊維を切断しただけのチ
ョップド繊維を強化繊維としているので、均一な分散が
必ずしも容易でなく、分散剤も水とイソプロパノールの
混合液を使用しているために排液処理の工程を必要と
し、分散剤として水のみを用いる一般的な抄造方法をそ
のまま適用することができない。
【0009】特表平6−511029号公報には、繊維
状材料から得られるマットとフルオロポリマーの水性分
散剤とを接触させ、フルオロポリマーを上記のマットに
沈殿させて複合体を得る方法が開示されている。しかし
かかる方法では、予め繊維状材料やマット等を製造し、
次にこれらにフッ素樹脂の水性分散液を含浸するという
2工程を必要とし、より効率的な方法が望まれていた。
【0010】一方、繊維状材料やマットを使用せず、切
断した繊維をそのまま使用すると、フッ素樹脂が切断繊
維の上に沈着する割合(定着率)が小さいという問題が
あった(後述の比較例5)。
【0011】このように、従来の技術では、芳香族ポリ
アミドパルプを強化材としフッ素樹脂をマトリックスと
する、異方性が殆どなく十分な引張強度を有するシート
の生産性の優れた方法は知られておらず、かかる方法が
強く求められていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、2次
元方向の異方性が少なく、優れた機械的特性と摩擦磨耗
特性を有する、芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂を
主成分とするシート、シート積層複合体、その製造方法
および該シートからなる摺動材を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、芳香
族ポリアミドパルプと、平均粒径が0.1〜1μmのフ
ッ素樹脂を主成分とし、かつ芳香族ポリアミドパルプ以
外の繊維を含まず、芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹
脂との組成比が重量比で10/90〜70/30の範囲
であり、その引張強度がシート面の何れの方向において
も250Kgf/cm2以上であることを特徴とする摺
動性フッ素樹脂系シートである。
【0014】また、本発明は、下記の(イ)乃至(ニ)
の工程を有することを特徴とする、芳香族ポリアミドパ
ルプと、平均粒径が0.1〜1μmのフッ素樹脂を主成
分とし、シート面の何れの方向においても250Kgf
/cm2 以上の強度を有するフッ樹脂系シートの製造
方法である。 (イ)芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末が水中
に分散した分散液を調製する工程、 (ロ)該分散液に凝集剤を添加してフッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプに沈着させる工程、 (ハ)フッ素樹脂粉末が沈着した芳香族ポリアミドパル
プを抄造し、乾燥してシート状物を得る工程、及び (ニ)該シート状物を加圧および焼成する工程。
【0015】また、本発明は、芳香族ポリアミドパルプ
と、平均粒径が0.1〜1μmのフッ素樹脂を主成分と
し、かつ芳香族ポリアミドパルプ以外の繊維を含まず、
芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂との組成比が重量
比で10/90〜70/30の範囲であり、その引張強
度がシート面の何れの方向においても250Kgf/c
2以上であることを特徴とする摺動性フッ素樹脂系シ
ートからなる摺動材である。更に本発明は、芳香族ポリ
アミドパルプと、平均粒径が0.1〜1μmのフッ素樹
脂を主成分とし、かつ芳香族ポリアミドパルプ以外の
維を含まず、芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂との
組成比が重量比で10/90〜70/30の範囲である
ところの複合シートの複数を積層、加圧、焼成してな
り、かつ何れの方向においても250Kgf/cm2
上の引張強度を有することを特徴とする摺動性複合成形
体である。
【0016】本発明はまた、下記の(イ)乃至(ニ)の
工程を有することを特徴とする、芳香族ポリアミドパル
プと、平均粒径が0.1〜1μmのフッ素樹脂を主成分
とし、何れの方向においても250Kgf/cm2以上
の引張強度を有する複合成形体の製造方法である。 (イ)芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末が水中
に分散した分散液を調製する工程、 (ロ)該分散液に凝集剤を添加してフッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプに沈着させる工程、 (ハ)フッ素樹脂粉末が沈着した芳香族ポリアミドパル
プを抄造し、乾燥してシート状物を得る工程、及び (ニ)複数の該シート状物を積層して焼成する工程。
【0017】更に本発明は、上記の複合成形体からなる
ことを特徴とする摺動材である。
【0018】以下に本発明を詳細に説明する。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる芳香族ポリア
ミドパルプの原料となる芳香族ポリアミド樹脂は、アミ
ド結合の少なくとも85モル%以上が芳香族ジアミン、
芳香族ジカルボン酸成分より得られるものである。
【0020】その具体例としては、ポリパラフェニレン
テレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリパラベンズアミド、ポリ−4,4’−ジアミノ
ベンズアニリド、ポリパラフェニレン−2,6−ナフタ
リックアミド、コポリパラフェニン/4,4’−(3,
3’−ジメチルビフェニレン)テレフタルアミド、コポ
リパラフェニレン/2,5−ピリジレンテレフタルアミ
ド、ポリオルソフェニレンフタルアミド、ポリメタフェ
ニレンフタルアミド、ポリパラフェニレンフタルアミ
ド、ポリオルソフェニレンイソフタルアミド、ポリメタ
フェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンイソ
フタルアミド、ポリオルソフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリ−1,5−ナフタレンフタルアミド、ポリ−
4,4’−ジフェニレンオルソフタルアミド、ポリ−
4,4’−ジフェニレンイソフタルアミド、ポリ−1,
4−ナフタレンフタルアミド、ポリ−1,4−ナフタレ
ンイソフタルアミド、ポリ−1,5−ナフタレンイソフ
タルアミドなど、およびこれらの芳香族ジアミンのベン
ゼン核の一部をピペラジン、1,5−ジメチルピペラジ
ン、2,5−ジエチルピペラジンで置換した化合物等に
代表される脂環式アミンを含む芳香族ポリアミド、また
は芳香族ジアミンが8,3’−オキシジフェニレンジア
ミン、3,4−オキシジフェニレンジアミン等のエーテ
ル結台、−S−、−SO2 −、−CO−、−NH−など
の基により結合された2個のフェニル基を含む芳香族ポ
リアミドのコポリマー、例えば、ポリ−8,8’−オキ
シジフェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレン
テレフタルアミド共重合体、ポリ−3,4−オキシジフ
ェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェレンテレフタ
ルアミド共重合体などを挙げることができる。
【0021】本発明に用いられる芳香族ポリアミドパル
プとは、上記の芳香族ポリアミド樹脂の繊維を高度にフ
ィブリル化させたものをいう。フィブリル化の指標とし
てはBET比表面積がよく用いられているが、本発明の
方法に適した好ましい芳香族ポリアミドパルプのBET
比表面積の値は3〜25m2 /g、より好ましくは5〜
20m2 /g、さらに好ましくは9〜16m2 /gであ
る。
【0022】パルプのBET比表面積の値が小さ過ぎる
場合は、パルプ同士の絡み合いが充分に得られないので
機械的強度の高いシートが得られず、またパルプへのフ
ッ素樹脂粒子の沈着も困難となる。一方、比表面積の値
が大き過ぎる場合は必然的に濾水性が悪くなるので、抄
造に長時間を要するようになり経済性が悪くなる。
【0023】本発明に用いられるフッ素樹脂としては、
例えば、四フッ化エチレン樹脂(以下、PTFEという
ことがある)、パーフルオロ−アルコキシ樹脂(以下、
PFAということがある)、四フッ化エチレン−六フッ
化プロピレン共重合樹脂(以下、FEPということがあ
る)、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(以下、
ETFEということがある)、フッ化ビニリデン樹脂
(以下、PVDFということがある)、三フッ化塩化エ
チレン樹脂(以下、PCTFEということがある)など
を挙げることができるが、中でも耐熱性、摺動特性等の
点でPTFEが特に好ましい。
【0024】フッ素樹脂粉末平均粒径は0.1〜1μ
mである。粒径が小さすぎると粒子の繊維表面への沈着
が困難となり、逆に大きすぎると安定な分散液を得るこ
とが難しくなり、またシート中に樹脂を均一に分散させ
ることが困難になる。
【0025】芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末
の配合比率は、目的とする最終製品によって適宜選ばれ
るが、芳香族ポリアミドパルプ/フッ素樹脂比(重量
比)として、10/90から70/30の範囲であるこ
とが好ましい。
【0026】本発明のシート及び複合成形体の製造方法
の第1の工程では、上記の芳香族ポリアミドパルプおよ
びフッ素樹脂粉末が水中に分散した分散液を調製する。
該分散液の調製方法は特に限定されるものではなく、例
えば、予めフッ素樹脂粉末が水中に分散した分散液を調
製し、該フッ素樹脂粉末が水中に分散した分散液と芳香
族ポリアミドパルプを水中に分散させる方法、予めフッ
素樹脂粉末が水中に分散した分散液を調製し、該フッ素
樹脂粉末が水中に分散した分散液に芳香族ポリアミドパ
ルプを分散させる方法、あるいはフッ素樹脂粉末と芳香
族ポリアミドパルプを水中に分散させる方法等が挙げら
れる。以下、分散液の好ましい調製方法を具体的に説明
する。
【0027】アニオン系、カチオン系またはノニオン系
の界面活性剤を含む水中にフッ素樹脂粉末を安定に分散
させてフッ素樹脂分散液(以下、フッ素樹脂ディスパー
ジョンまたはエマルジョン等ということがある)を調製
する。1種類以上の上記界面活性剤の存在下でフッ素樹
脂の原料のモノマーを水系重合させることによって同様
なフッ素樹脂粉末の分散液を調製することもできる。
【0028】また、市販されているフッ素樹脂粉末の水
分散液をそのまま利用することも可能である。そのよう
なフッ素樹脂粉末の水分散液として、例えば、旭硝子
(株)、ダイキン工業(株)等から市販されているフッ
素樹脂粉末のフッ素樹脂ディスパージョンを挙げること
ができる。
【0029】ついで、フッ素樹脂粉末の分散液および芳
香族ポリアミドパルプを水中に分散させる。このときの
分散方法は、木質パルプを抄造する際に従来から用いら
れている方法をそのまま適用することができる。例え
ば、各種の離解機(パルパー)、ナイヤガラビーター等
の各種のビーター、あるいはシングルディスクリファイ
ナー等の各種のリファイナー等を用いて分散液を調製す
ることができる。
【0030】分散液中の芳香族ポリアミドパルプとフッ
素樹脂粉末の濃度は目的に応じて自由に選ぶことができ
るが、分散液の流動性を損なわない範囲でできるだけ高
い濃度を選ぶ方が経済性の点で望ましい。
【0031】分散液中の芳香族ポリアミドパルプ/フッ
素樹脂粉末の配合比率は、最終製品の芳香族ポリアミド
パルプ/フッ素樹脂の組成比から決められるが、重量比
で、10/90から70/30の範囲であることが好ま
しい。
【0032】芳香族ポリアミドパルプの割合が少なすぎ
ると充分な補強効果が得られず、逆に多すぎても充分な
機械的強度と摩擦磨耗特性を持ったシートを得ることが
できない。さらにシートの性能を改良したり、その他の
特性を付与する目的で、分散液にグラファイト、ブロン
ズ粉等の充填材、添加剤あるいはその他の成分を、その
分散液の均質性を損なわない範囲で添加することもでき
る。
【0033】ついでこの芳香族ポリアミドパルプ/フッ
素樹脂粉末の分散液に、フッ素樹脂の粒子の分散を不安
定化させる作用を持つ凝集剤を添加して、フッ素樹脂の
粒子を芳香族ポリアミドパルプに沈着させる。適用する
凝集剤の種類およびその添加量は、フッ素樹脂粉末を分
散させるのに用いている界面活性剤の種類および芳香族
ポリアミドパルプの比表面積により決められる。
【0034】フッ素樹脂粉末がアニオン系の界面活性剤
により安定化されている場合には、凝集剤として、強酸
または強電解質、あるいはポリアクリルアミド系、ポリ
アクリル酸ソーダ系等の高分子凝集剤、さらにはこれら
の高分子凝集剤と強酸または強電解質とを組合わせて適
用することができる。
【0035】フッ素樹脂の粒子がカチオン系の界面活性
剤で安定化されている場合には、凝集剤として、塩基ま
たは強電解質、あるいはポリアクリルアミド系、ポリメ
タクリル酸エステル系等の高分子凝集剤、さらにはこれ
らの高分子凝集剤と塩基または強電解質とを組合わせて
適用することができる。
【0036】フッ素樹脂の粒子がノニオン系の界面活性
剤で安定化されている場合は、凝集剤として、強電解
質、あるいはポリアクリルアミド系等の高分子凝集剤、
さらにはこれらの高分子凝集剤と強電解質とを組合わせ
て適用することができる。
【0037】また凝集剤として、ポリヒドロキシ芳香族
カルボン酸とグルコース類との縮合物及び多価の金属塩
を併用することは、使用する界面活性剤の種類に係わら
ず、特に有効である。縮合物の例としては、タンニン
酸、没食子酸等が挙げられる。金属塩の例として、硫酸
アルミニウム、塩化カルシウム等が挙げられる。この
時、系に水酸化カルシウムやアンモニア等のアルカリ成
分を加えて系のpHを3.5から6.0の範囲に調整す
ることは、フッ素樹脂粉末の実質上総てをパルプに沈着
させるので有効である。
【0038】本発明においては、以下の点に留意して芳
香族ポリアミドパルプ、フッ素樹脂分散液および凝集剤
の最適な組み合わせを選択することが特に重要である。 (1)分散液中のフッ素樹脂粉末をできるだけ芳香族ポ
リアミドパルプに沈着させること、好ましくは実質的に
すべてのフッ素樹脂を芳香族ポリアミドパルプに沈着さ
せること。これは高価なフッ素樹脂原料の有効利用とい
う点からも重要であるが、沈着せずに抄造時の排水中に
流出するフッ素樹脂がある場合にはそれに応じた排水の
処理が必要となり、経済性が損なわれる。その観点か
ら、ここで実質的にすべてのフッ素樹脂が沈着すると
は、抄造時に排水中に流出するフッ素樹脂の量が排水処
理を特に必要としなくなるレベルまで低下していること
を意味している。 (2)分散不安定化され、芳香族ポリアミドパルプに沈
着したフッ素樹脂粉末が、大きなフロックを形成せず芳
香族ポリアミドパルプに均一に沈着していること。 (3)フッ素樹脂粉末を芳香族ポリアミドパルプに沈着
させた後の分散液が適度の濾水性を有していること。こ
れは後述するような方法で分散液の濾水度を測定するこ
とによって評価することができる。
【0039】これらの点から、上記したように、芳香族
ポリアミドパルプとしては、そのBET比表面積の値が
好ましくは3〜25m2 /g、より好ましくは5〜20
2/g、さらに好ましくは9〜16m2 /gの範囲に
あるものが適当であり、フッ素樹脂粉末としては、その
平均粒径が好ましくは0.01〜10μm、より好まし
くは0.1〜1μmが適当である。
【0040】また、フッ素樹脂粉末の分散液は、ノニオ
ン系の界面活性剤で安定化したものよりもアニオン系の
界面活性剤で安定化したものの方が不安定化し易いの
で、フッ素樹脂粉末の沈着に要する凝集剤の量が少なく
て済む傾向にある。しかし、大きなフロックを形成し易
くなり、均一なシートが得にくくなる傾向にある。
【0041】一方、ノニオン系の界面活性剤で安定化し
たものは不安定化しにくい傾向にあるが、細かいフッ素
樹脂粉末が芳香族ポリアミドパルプ表面に均一に沈着
し、均一なシートが得られるので、本発明においてはノ
ニオン系の分散液を原料に用いる方が好ましい。
【0042】またフッ素樹脂粉末の分散を不安定化させ
る方法としては前述した通り、ポリヒドロキシ芳香族カ
ルボン酸とグルコース類との縮合物及び多価の金属塩を
併用、特にタンニン酸と硫酸アルミニウムを併用する方
法が特に有効である。この組み合せは、ノニオン系の分
散液にも有効であり、アニオン系についても他の凝剤を
用いるよりも少ない添加量で有効であるので好ましい。
【0043】ついで、このように凝集剤によってフッ素
樹脂の分散が不安定化されたパルプ(及びフッ素樹脂)
の分散液を、常法に従って抄造した後、必要に応じて脱
水し、ついで乾燥してシート状物を得る。ここで抄造と
は、パルプを分散して含む液から紙(シート)状物を抄
く公知の工程を広く言う。本発明の方法においては、抄
造は一般的に利用されている長網式や丸網式の抄造機を
そのまま適用して行なうことができる。
【0044】本発明に従うフッ素樹脂系シートを作るた
めには、このシート状物を加圧により緻密な構造とし、
引続き又は同時にフッ素樹脂の融点又は軟化点以上の温
度で焼成して目的のシートを得る。例えばフッ素樹脂と
して融点が320℃のPTFEを用いる場合は、300
〜450℃、好ましくは350〜400℃で焼成して目
的のシートを得る。加圧はプレス機等を用いて行なうこ
ともできるが、ロールで加圧するのが生産性が高く望ま
しい。焼成は、好ましくは窒素雰囲気中で行われる。加
圧時の圧力は、好ましくは300〜1500Kgf/m
2 であり、その圧力まで常圧から約2分間以内かけて
徐々に昇圧することが望ましい。
【0045】焼成は一般的なフッ素樹脂の成形体の場合
のように、室温で加圧して得られたシートを、フッ素樹
脂の融点以上の温度のオーブン中で加熱するバッチ式で
行なうことができる。また、フッ素樹脂の融点以下の温
度で加圧して得られたシートを、フッ素樹脂の融点以上
の温度の加熱ロールに通して焼成することもできる。乾
燥後のシート状物を直接フッ素樹脂の融点以上の温度の
加熱ロールに通して、加圧と焼成を同時に行なうことも
できる。この方法は生産性および経済性が高いので特に
好ましい。
【0046】本発明の工程(ニ)すなわちシート状物を
加圧し焼成する工程の好ましい実施態様としては、シー
ト状物をフッ素樹脂の融点(PTFEの場合は320
℃)未満の温度でロール加圧し、ついでオーブンや加熱
ロールを用いてシート状物をフッ素樹脂の融点以上の温
度で焼成する工程、シート状物をフッ素樹脂の融点未満
の温度でロール加圧し、ついでフッ素樹脂の融点以上の
温度でロールで加圧しつつ焼成する工程、あるいはシー
ト状物をフッ素樹脂の融点以上の温度でロールで加圧し
つつ焼成する工程を例示することができる。
【0047】本発明に従う複合成形体を作るためには、
上記の抄造工程で得たシート状物の複数、たとえば2〜
100枚を積層し、以下、上記と同様に加圧、焼成す
る。好ましくは、シート状物を予め所定形状に切断して
から、積層、加圧、焼成を行うと、切削加工による材料
の無駄を少なくすることができる。加圧の方法はシート
の場合と同様であるが、シートの間に空気が残ってボイ
ドを形成することを防ぐため、真空下でプレスを行った
り、常圧から所定圧までの昇圧を2〜30分間かけて徐
々に行うことが好ましい。
【0048】本発明の方法により、芳香族ポリアミドパ
ルプとフッ素樹脂を主成分とし、その引張強度がどの方
向で測定しても250Kgf/cm2 以上であるフッソ
樹脂系シートを従来の一般的な抄造法により製造するこ
とができる。
【0049】また、本発明の方法は、フッ素樹脂粉末の
実質的にすべてを芳香族ポリアミドパルプに定着させる
ことができるので、排水処理の観点からも工業的に優れ
た方法である。
【0050】本発明の、フッソ樹脂系シート及び複合成
形体は、優れた機械的特性と摩擦磨耗特性を有するので
摺動材として特に有用である。
【0051】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】実施例中の各種の物性値の測定は以下に述
べる測定方法に従って実施した。シート 物性評価方法 1.濾水度 1.1.芳香族ポリアミドパルプの濾水度 芳香族ポリアミドパルプの濾水度は、JIS P812
1「パルプの濾水度試験方法」のカナダ標準型法に準拠
して測定した。 1.2.芳香族ポリアミドパルプ/フッ素樹脂分散液の
濾水度 フッ素樹脂粒子を不安定化させた後の芳香族ポリアミド
パルプ/フッ素樹脂分散液の濾水度は次のとおりに測定
した。 (1)分散液から芳香族ポリアミドパルプが1.2g含
まれる量の分散液を分取する。 (2)これをメスシリンダーで1lに希釈する。 (3)JIS P8121のカナダ標準型法に準拠して
濾水度を測定する。
【0053】この濾水度の値が、200〜600ml、
さらに好ましくは300〜500mlの時に好適に抄造
することができる。 2.抄造濾液のCOD CODは、JIS K0102.17 に準拠して10
0℃のKMnO4 法で測定した。 3.フッ素樹脂の定着率 芳香族ポリアミドパルプへのフッ素樹脂の定着率は、芳
香族ポリアミドパルプは仕込み量がシート中に全て残る
と仮定して次式により計算した。
【0054】フッ素樹脂定着率〔%〕={(シートの乾
燥重量−芳香族ポリアミドパルプの仕込み量)/(フッ
素樹脂の仕込み量)}×100 4.シート状摺動材の引張強度 JIS3号ダンベル形状の試験片を用い、ゲージ長さ4
0mm、引張速度100mm/分、の条件でシート状摺
動材の引張強度を測定した。 5.シート状摺動材の摩擦磨耗性能 下記の試験方法、条件でシート状摺動材の摩擦磨耗試験
を行なった。
【0055】試験機:リングオンディスク縦型摩擦磨耗
試験機(高千穂精機社製) 試験片:ディスク状 相手材:S55C、リング状 圧力:6Kgf/cm2 速度:40m/分 試験時間:4時間 6.シート状摺動材の限界PV値 下記の試験方法、条件でシート状摺動材の限界PV値を
求めた。
【0056】試験機:リングオンディスク縦型摩擦磨耗
試験機(高千穂精機社製) 試験片:ディスク状、 相手材:S55C、リング状 速度:150m/分一定。
【0057】圧力を5、10、15、20、25Kgf
/cm2 と、5Kgf/cm2 きざみで順次圧力を上げ
ながら、各10分間試験して行き、摩擦係数が急激に変
化したり、シートが破断したりする限界のPV値を求め
た。 7.シート状摺動材の圧縮クリープ 下記の試験方法、条件でシート状摺動材の圧縮クリープ
を求めた。
【0058】試験機:クリープ試験機 PSS−6型
(島津製作所製) 試験片:直径5mmのディスクを4〜5枚積み重ねて、
2〜3mm厚みとする。
【0059】温度:室温 圧力:140Kgf/cm2 時間:24時間 実施例1、比較例1 パラ系芳香族ポリアミドパルプ、トワロン1094(日
本アラミド(有)製、BET比表面積:13.5m2
g、濾水度:100ml)を1.0g(乾燥重量、以下
で絶乾重量とも言う)と、PTFEのノニオン系分散
液、フルオンディスパージョンAD1(旭硝子(株)
製、PTFEの平均粒径:0.25μm、固形分:60
重量%)を6.67g(固形分:4.0g)秤量して、
イオン交換水に分散させて、400gの分散液とした。
この分散液に表1に記載した凝集剤を所定の濃度になる
ように加えた後10分間攪拌した。そのとき、実施例1
においては分散液にアンモニア水を加えてそのPHを
3.5〜4.5に調整した。その後、No.1の濾紙で
濾別して濾過物を乾燥してシート状物を得た。ついで秤
量して芳香族ポリアミドパルプへのフッ素樹脂粉末の定
着率を求めた。結果を表1に記した。
【0060】
【表1】 ─────────────────────────────────── 凝集剤 硫酸アルミ フッ素樹脂 品名 濃度(ppm) 濃度(ppm) 定着率(%) ─────────────────────────────────── 実施例1 タンニン酸 600 400 100 比較例1 なし − 2000 5 ─────────────────────────────────── 実施例2〜実施例5 パラ系芳香族ポリアミドパルプ、トワロン1094(日
本アラミド(有)製、BET比表面積:13.5m2
g、濾水度:100ml)を1.0g(乾燥重量)と、
PTFEのアニオン系分散液、フルオンディスパージョ
ンAD2(旭硝子(株)製、PTFEの平均粒径:0.
17μm、固形分:55%)を7.27g(固形分:
4.0g)を秤量して、イオン交換水に分散させて、4
00gの分散液とした。この分散液に、表2に記載した
凝集剤を、それぞれ所要の濃度になるように加えた後1
0分間攪拌した。その後、No.1の濾紙で濾別して濾
過物を乾燥しシート状物を得た。ついで秤量して芳香族
ポリアミドパルプへのフッ素樹脂粉末の定着率を求め
た。結果を表2に記した。スミフロックは住友化学工業
(株)製の高分子凝集剤である。
【0061】
【表2】 ─────────────────────────────────── 凝集剤 硫酸アルミ フッ素樹脂 品名 濃度(ppm) 濃度(ppm) 定着率(%) ─────────────────────────────────── 実施例2 タンニン酸 60 40 100 実施例3 スミフロックFN-10H 250 40 89 実施例4 スミフロックFC-145 250 − 89 実施例5 スミフロックFC-145 250 40 89 ─────────────────────────────────── 実施例6 絶乾重量15.9gのトワロン1094と83.3gの
フルオンディスパージョンAD1(固形分:50g)を
2lのイオン交換水中に分散させた後、タンニン酸6重
量%及び硫酸アルミニウム4重量%を含む水溶液20g
を加えて、系内のタンニン酸の濃度を600ppm、硫
酸アルミニウムの濃度を400ppmに調整した。これ
に200mgの水酸化カルシウム粉末を添加してpHを
調節し、そのまま10分間攪拌してフッ素樹脂粉末を芳
香族ポリアミドパルプに定着させた。
【0062】ついで角型シートマシン(熊谷理機(株)
製)を用いて250mm角の金網上に抄造し、その後脱
水乾燥してシート状物を得た。この抄造時の濾液のCO
Dの値は14ppmであった。フッ素樹脂粉末の定着率
は100%であった。
【0063】ついでシート状物を室温で100Kgf/
cmの線圧でロール加圧した後、380℃の窒素雰囲気
オーブン中で1時間焼成した。芳香族ポリアミドパルプ
/フッ素樹脂の組成比が24/76(重量比)で厚さが
0.55mmのシート(シート状摺動材)を得た。
【0064】このシート状摺動材の引張強度は420K
gf/cm2 であり、引張強度の異方性は殆どなかっ
た。このシート状摺動材の摩擦磨耗性能を測定したとこ
ろ、動摩擦係数は0.18であり、磨耗係数は2×10
-5mm/(km・Kgf/cm2 )であった。また、こ
のシート状摺動材の限界PV値は3500Kg/cm2
・m/minであり、圧縮クリープの値は1.0%であ
り、優れていた。これらのデータから明らかなように、
得られたシート状摺動材は、機械的強度および摺動特性
が優れたものであった。 比較例3 実施例6と同様の方法で測定した芳香族ポリアミドパル
プで強化されていないPTFEシートの動摩擦係数は
0.26であり、磨耗係数は4000×10-5mm/
(km・Kgf/cm2 )であった。またその限界PV
値は、1000Kg/cm2 ・m/minであり、圧縮
クリープの値は、10%であった。 実施例7 絶乾重量13.7gのトワロン1094と58.1gの
フルオンディスパージョンAD2(固形分:32g)を
2l中のイオン交換水中に分散させた後、タンニン酸6
重量%及び硫酸アルミニウム4重量%を含む水溶液20
gを加えて、系内のタンニン酸の濃度を60ppm、硫
酸アルミニウムの濃度を40ppmに調整した。これを
そのまま10分間攪拌してフッ素樹脂粉末を芳香族ポリ
アミドパルプに定着させた。この分散液のうち、パルプ
を1.2gだけ含む量を秤量して分取し、1lに希釈し
た後その濾水度を測定したところ、350mlであっ
た。分取した残りの分散液(パルプを12.5g含有)
を角型シートマシン(熊谷理機(株)製)を用い250
mm角の金網上に抄造し、その後脱水乾燥してシート状
物を得た。この時の濾液のCODの値は15ppmであ
った。フッ素樹脂粉末の定着率は100%であった。
【0065】このシート状物を室温で100Kgf/c
mの線圧でロール加圧した後、380℃の窒素雰囲気オ
ーブン中で1時間焼成して芳香族ポリアミドパルプ/フ
ッ素樹脂の組成比が32/68(重量比)で厚さ0.3
9mmのシート(シート状摺動材)を得た。このシート
状摺動材の引張強度は270Kgf/cm2 であり、引
張強度の異方性は殆どなかった。 比較例4 重量12.5gのミルドガラス繊維MFB(旭硝子
(株)、平均繊維長:200μm)と83.3gのフル
オンディスパージョンAD1(固形分50g)を2l中
のイオン交換水中に分散させた後、タンニン酸6重量%
及び硫酸アルミニウム4重量%を含む水溶液20gを加
えて、系内のタンニン酸の濃度を600ppm、硫酸ア
ルミの濃度を400ppmに調整した。これに200m
gの水酸化カルシウム粉末を添加してpHを調節しその
まま10分間攪拌してフッ素樹脂粉末を定着させた。こ
れを角型シートマシン(熊谷理機(株)製)を用いて2
50mm角の金網上に抄造し、乾燥してシート状物を得
たが、その重量は17.1gでありフッ素樹脂粉末はそ
の仕込み量の9%しかシート状物中に残らなかった。
【0066】また、得られたシートの機械的強度は取り
扱いに耐えられない程脆弱なものであった。 比較例5 繊維長3mmのp‐アラミド繊維13.7gのと53.
3gのフルオンディスパージョンAD1(固形分32
g)を21中のイオン交換水中に分散させた後、6重量
%のタンニン酸と4重量%の硫酸アルミニウムとを含む
水溶液15gを加えて、系内のタンニン酸及び硫酸アル
ニウムの濃度を各々450ppm及び300ppmとし
た。これに7.5gの1%アンモニア水溶液を添加して
pHを調節しそのまま10分間撹拌してフッ素樹脂を沈
降させた。これを角型シートマシン(熊谷理機(株)
製)を用いて250mm角の金網上に抄造し、シート状
物を得たがその重量は135gであり、PTFEはその
仕込み量の3.5%しかシート中に残らなかった。これ
を実施例6と同様の方法で加圧、焼成して得られたシー
トの引張強度は、27Kgf/cm2 であった。 比較例6 絶乾重量12.5gのトワロン1094と37.5gの
PTFE粒子(商品名:フレオンG163、旭硝子製、
平均粒径:25μm)を2lのラウリルトリメチルアン
モニウムクロライド0.8%水溶液中に分散させた後、
タンニン酸6重量%及び硫酸アルミニウム4重量%を含
む水溶液15gを加えて、系内のタンニン酸の濃度を4
50ppm、硫酸アルミニウムの濃度を300ppmに
調整した。これに3.75gの1%アンモニア水溶液を
添加してpHを調節しそのまま10分間攪拌してフッ素
樹脂を芳香族ポリアミドパルプに定着させた。これを角
型シートマシン(熊谷理機(株)製)を用いて250m
m角の金網上に抄造し、その後脱水乾燥してシート状物
を得た。このシート状物を室温で189Kgf/cmの
線圧でロール加圧した後、380℃の窒素雰囲気オーブ
ン中で1時間焼成して、芳香族ポリアミドパルプ/フッ
素樹脂の組成比が26/74(重量比)で厚さ0.50
mmのシート状摺動材を得た。このものの引張強度は6
6Kgf/cm2 であった。 比較例7 実施例6のシートと比較するために市販のブロンズ粉入
りPTFEシート、ブロンズ粉入りニトフロン900B
(日東電工(株)製)各種の物性を評価したところ以下
の結果が得られた。
【0067】引張強度:200Kgf/cm2 限界PV値:2000Kg/cm2 ・m/min 圧縮クリープ:5.3%複合成形体 物性評価方法 1. 曲げ試験 試験片形状:60×13×2.5mm スパン:40mm クロスヘッド速度:1mm/min. 三点曲げ 2. 成形体の摩擦磨耗試験 下記の条件で成形体の摩擦磨耗試験を行なった。
【0068】試験機:リングオンディスク縦型摩擦磨耗
試験機(高千穂精機社製) 試験片:ディスク状 相手材:S55C、リング状 圧力:6Kgf/cm2 速度:40m/分、PV=240 試験時間:24時間 3. 引張強度 シートの場合と同様。 実施例8 絶乾重量15.0gのパラ系芳香族ポリアミドパルプ
(トワロン1094:日本アラミド(有)製、BET比
表面積:13.5m2 /g、濾水度:100ml)と7
4.8gのフルオンディスパージョンAD1(旭硝子
(株)製、PTFE平均粒径:0.25μm、固形分6
0%)を2l(リットル)中のイオン交換水中に分散さ
せた後、タンニン酸6重量%と硫酸アルミニウム4重量
%を含む水溶液15gを加えて、系内のタンニン酸及び
硫酸アルミニウムの濃度を夫々145mmp及び300
ppmに調節した。これに7.5gの1%アンモニア水
溶液を添加してpHを調節し、そのまま10分間攪拌し
てフッ素樹脂を芳香族ポリアミドパルプの表面に沈着さ
せた。これを角型シートマシン(熊谷理機(株) 製)を
用いて250mm角の金網上に抄造し、その後、脱水乾
燥してシート状物を得た。
【0069】次に得られたシート状物を、85×75m
mに切断して6枚積層した。6枚積層したシートの高さ
は、約6mmであった。次に、積層したシートを、85
×75mmの内径を持つ金型にセットして、室温でプレ
ス(面圧:1000kgf/cm2 、プレス時間:10
分)を行いプレフォームを得た。このプレフォームを窒
素中で380℃に1時間保持して焼成を行った。これに
より、芳香族ポリアミドパルプ/フッ素樹脂の組成比
(重量基準)が25/75で、縦×横×厚さの寸法が、
85×75×2.5mmの、芳香族ポリアミドパルプと
フッ素樹脂が均質に分散した複合成形体を得た。
【0070】得られた複合成形体を摺動材として用いる
ための評価を行った。該複合成形体(摺動材)の引張強
度は420Kgf/cm2 、曲げ強度は6.26kgf
/mm2 で、曲げ弾性率は261kgf/mm2 であっ
た。曲げ試験後の試験片には、積層させたシート間の剥
離は見られなかった。また、磨耗係数は1×10-5mm
/(km・kgf/cm2 )で、摩擦係数は0.14で
あり、摺動材として良好な摩擦磨耗性能を有しているこ
とが分かった。 実施例9 実施例8と同様に作製したシート状物を、85×75m
mに切断して6枚積層した。6枚積層したシートの高さ
は、約6mmであった。次に、積層したシートを、85
×75mmの内径を持つ金型にセットして、室温でプレ
ス(面圧:500kgf/cm2 、プレス時間:10
分)を行いプレフォームを得た。このプレフォームを窒
素中で380℃に1時間保持して焼成を行った。これに
より、芳香族ポリアミドパルプ/フッ素樹脂の組成比
(重量基準)が25/75で、縦×横×厚さの寸法が、
85×75×2.5mmの複合成形体を得た。
【0071】得られた複合成形体(摺動材)の曲げ強度
は5.29kgf/mm2 で、曲げ弾性率は218kg
f/mm2 であった。曲げ試験後の試験片には、積層さ
せたシート間の剥離は見られなかった。また、磨耗係数
は1×10-5mm/(km・kgf/cm2 )で、摩擦
係数は0.18であり、摺動材として良好な摩擦磨耗性
能を有していることが分かった。 比較例8 芳香族ポリアミドパルプ、PTFEからなる成形体の作
製を以下のようにして行った。 (イ)トワロン1094を乾燥させたパルプ15g、P
TFE(フルオンGl63(商品名、旭硝子(株)製、
平均粒径25μm)45gからなる組成物60gを5l
縦型高速スーパーミキサー(カワタ製)により攪拌(攪
拌速度2000rpm、攪拌時間2分)し、均一な混合
物を作製した。 (ロ)該混合物30gを内径が85×75mmの金型に
充填した後、プレス(面圧:l000kgf/cm2
プレス時間:l0分間)し、プレフォームを室温におい
て作製した。混合物を金型内に充填した時の混合物高さ
は、約20mmであった。 (ハ)常圧下に於いて該プレフォームを380℃にl時
間保持し、成形体を作製した。
【0072】得られた成形体の引張強度は190Kgf
/cm2 、曲げ強度は3.49kgf/mm2 で曲げ弾
性率は134kgf/mm2 であった。また、成形体の
磨耗係数は6.0×10-5mm/(km・kgf/cm
2 )で、摩擦係数は0.14であった。 比較例9 絶乾重量12.5gのパラ系芳香族ポリアミドパルプ、
トワロン1094と37.5gのPTFE(フルオンG
l63(商品名、旭硝子(株)製、平均粒径25μ
m))を2l中のイオン交換水中に分散させた後、その
まま10分間攪拌してPTFEと芳香族ポリアミドパル
プの分散液を作製した。これを角型シートマシン(熊谷
理機(株) 製)を用いて250mm角の金網上に抄造
し、その後、脱水乾燥してシート状物を得た。さらに、
この操作を2回繰り返してシートを2枚得た。次に得ら
れたシートを85×75mmに切断して7枚積層した。
7枚積層したシートの高さは、約9mmであった。次
に、積層したシートを、85×75mmの内径を持つ金
型にセットして、室温でプレス(面圧:1000kgf
/cm2 、プレス時間:10分)を行いプレフォームを
得た。このプレフォームを窒素中で380℃に1時間保
持して焼成を行った。しかしながら、PTFEへの芳香
族ポリアミドパルプの分散が悪いために、均質で良好な
成形体は得られなかった。
【0073】
【発明の効果】本発明の方法により、芳香族ポリアミド
パルプがフッ素樹脂中に均一に分散し、2次元方向の異
方性が少なく、機械的特性と摩擦磨耗性能に優れたフッ
素樹脂系シート及びシート積層複合体を得ることができ
る。本発明の方法は、従来の一般的な抄造方法に適用す
ることができるので、簡便な装置および操作により、芳
香族ポリアミドパルプをフッ素樹脂中に均一に分散させ
ることが容易にでき、工業的に有用である。
【0074】また、本発明のフッ素樹脂系シート及び積
層複合体は摺動材に用いたとき優れた機械的特性と摺動
特性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F16C 33/24 F16C 33/24 Z // B29K 27:18 B29K 27:18 277:00 277:00 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 27:18 C08L 27:18 (56)参考文献 特開 平5−117476(JP,A) 特開 平8−41266(JP,A) 特開 昭57−167495(JP,A) 特開 昭57−205472(JP,A) 特開 昭57−205473(JP,A) 特開 昭59−100140(JP,A) 特開 平4−209773(JP,A) 特開 平5−339859(JP,A) 特開 平9−78455(JP,A) 特表 平9−500195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/00 - 5/24 C08L 27/12 - 27/20 C08L 77/10 F16C 33/18 - 33/24 D21H 13/26 D21H 17/34

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミドパルプと、平均粒径が
    0.1〜1μmのフッ素樹脂を主成分とし、かつ芳香族
    ポリアミドパルプ以外の繊維を含まず、芳香族ポリアミ
    ドパルプとフッ素樹脂との組成比が重量比で10/90
    〜70/30の範囲であり、その引張強度がシート面の
    何れの方向においても250Kgf/cm2以上である
    ことを特徴とする摺動性フッ素樹脂系シート。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリアミドパルプ成分とフッ素樹
    脂成分とを同時に水系分散液から抄造して得られた請求
    項1記載のフッソ樹脂系シート。
  3. 【請求項3】 下記の(イ)乃至(ニ)の工程を有する
    ことを特徴とする、芳香族ポリアミドパルプと、平均粒
    径が0.1〜1μmのフッ素樹脂を主成分とし、シート
    面の何れの方向においても250Kgf/cm2 以上の
    強度を有するフッ樹脂系シートの製造方法、 (イ)芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末が水中
    に分散した分散液を調製する工程、 (ロ)該分散液に凝集剤を添加してフッ素樹脂粉末を芳
    香族ポリアミドパルプに沈着させる工程、 (ハ)フッ素樹脂粉末が沈着した芳香族ポリアミドパル
    プを抄造し、乾燥してシート状物を得る工程、及び (ニ)該シート状物を加圧および焼成する工程。
  4. 【請求項4】 前記工程(イ)で用いられる芳香族ポリ
    アミドパルプBET比表面積が3〜25m2/gで
    請求項3記載のフッソ樹脂系シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(ニ)が該シート状物をフッ素
    樹脂の融点未満の温度でロールで加圧し、ついでフッ素
    樹脂の融点以上の温度で焼成する工程である請求項3項
    又は4項記載のフッ素樹脂系シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のフッソ樹脂系シートから
    なることを特徴とする摺動材。
  7. 【請求項7】 芳香族ポリアミドパルプと、平均粒径が
    0.1〜1μmのフッ素樹脂を主成分とし、かつ芳香族
    ポリアミドパルプ以外の繊維を含まず、芳香族ポリアミ
    ドパルプとフッ素樹脂との組成比が重量比で10/90
    〜70/30の範囲であるところのフッ素樹脂系シート
    の複数を積層、加圧、焼成してなり、かつ何れの方向に
    おいても250Kgf/cm2以上の引張強度を有する
    ことを特徴とする摺動性複合成形体。
  8. 【請求項8】 下記の(イ)乃至(ニ)の工程を有する
    ことを特徴とする、芳香族ポリアミドパルプと、平均粒
    径が0.1〜1μmのフッ素樹脂を主成分とし、何れの
    方向においても250Kgf/cm2以上の引張強度を
    有する複合成形体の製造方法、 (イ)芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂粉末が水中
    に分散した分散液を調製する工程、 (ロ)該分散液に凝集剤を添加してフッ素樹脂粉末を芳
    香族ポリアミドパルプに沈着させる工程、 (ハ)フッ素樹脂粉末が沈着した芳香族ポリアミドパル
    プを抄造し、乾燥してシート状物を得る工程、及び (ニ)複数の該シート状物を積層して焼成する工程。
  9. 【請求項9】 前記工程(イ)で用いられる芳香族ポリ
    アミドパルプBET比表面積が3〜25m2/gで
    請求項8記載の複合成形体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記工程(ニ)において、複数の上記
    シート状物を所定形状に切断して積層し、加圧してプレ
    フォームを作製し、ついで該プレフォームを焼成する請
    求項8記載の複合成形体の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項7記載の複合成形体からなるこ
    とを特徴とする摺動材。
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