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JP3203186B2 - 摺動材の製造方法 - Google Patents

摺動材の製造方法

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JP3203186B2
JP3203186B2 JP19161096A JP19161096A JP3203186B2 JP 3203186 B2 JP3203186 B2 JP 3203186B2 JP 19161096 A JP19161096 A JP 19161096A JP 19161096 A JP19161096 A JP 19161096A JP 3203186 B2 JP3203186 B2 JP 3203186B2
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Japan
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fluororesin
sheet
aromatic polyamide
polyamide pulp
dispersion
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Inventor
稔治 山林
康策 浅黄
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日本アラミド有限会社
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摺動材、たとえば
各種産業機器の軸受、歯車、スラストワッシャ、シール
材、ならびに橋脚、配管等の支持部に用いられるすべり
支承等の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、以前から摺動特性に優れ
る芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂からなるシー
ト、シート積層複合体を発明し(特願平7−19835
0)、摺動材の用途展開を図ってきた。しかしながら、
その技術の製造方法では、フッ素樹脂の含有量が多いシ
ートを作製する場合に抄造時間が長くなる。シートから
積層体を作製する場合、シートを所定形状に切断して積
層していたのでは、厚肉の積層体を作製する場合にシー
トの切断に要する時間が長くなること、厚さが20mm
以上の積層体を作製する場合に、膨れや、割れ等の欠陥
が発生する、といった問題点の存在することが判明し
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芳香
族ポリアミドパルプとフッ素樹脂からなるシート状物の
積層複合体を、上記問題がなしに製造する方法を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は次に記す
発明である。 (1)下記の(イ)乃至(ニ)の工程を含むことを特徴
とする、芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂のシート
状物からなる摺動材の製造方法 (イ)芳香族ポリアミドパルプを水中に分散してなる分
散液に、凝集剤ならびにフッ素樹脂粉末分散液を任意の
順で添加して、フッ素樹脂粉末を芳香族ポリアミドパル
プに沈着させる工程、(ロ)フッ素樹脂粉末が沈着した
上記芳香族ポリアミドパルプを抄造し、200℃以上か
つフッ素樹脂の融点未満の温度で加熱してシート状物を
得る工程、(ハ)該シート状物を、積層した状態で型内
に装填し、次に加圧してプレフォームを作製する工程、
(ニ)該プレフォームを焼成して摺動材を作製する工
程。 (2)前記工程(イ)で用いられる芳香族ポリアミドパ
ルプが、3〜25m2/gのBET比表面積を有し、フッ
素樹脂粉末が0.01〜10μmの平均粒径を有する請
求項1記載の摺動材の製造方法。 (3)工程(イ)において、芳香族ポリアミドパルプの
分散液に先ず凝集剤を加え、次にフッ素樹脂粉末の水分
散液を添加して、フッ素樹脂粉末を芳香族ポリアミドパ
ルプに沈着させることを特徴とする請求項1記載の摺動
材の製造方法。 (4)工程(ハ)において、シート状物が、円筒状に巻
かれた状態または折り畳まれた状態で積層されることを
特徴とする請求項1記載の摺動材の製造方法。 (5)工程(ハ)において用いられるシート状物が、平
均1cm2 〜100cm2 の大きさにされていることを
特徴とする請求項1記載の摺動材の製造方法。 (6)工程(ニ)における焼成がフッ素樹脂の融点以上
で行われることを特徴とする請求項1記載の摺動材の製
造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる芳香族ポリア
ミドパルプの原料となる芳香族ポリアミド樹脂は、アミ
ド結合の少なくとも85モル%以上が芳香族ジアミン、
芳香族ジカルボン酸成分より得られるものである。
【0006】その具体例としては、ポリパラフェニレン
テレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリパラベンズアミド、ポリ−4,4’−ジアミノ
ベンズアニリド、ポリパラフェニレン−2,6−ナフタ
リックアミド、コポリパラフェニン/4,4’−(3,
3’−ジメチルビフェニレン)テレフタルアミド、コポ
リパラフェニレン/2,5−ピリジレンテレフタルアミ
ド、ポリオルソフェニレンフタルアミド、ポリメタフェ
ニレンフタルアミド、ポリパラフェニレンフタルアミ
ド、ポリオルソフェニレンイソフタルアミド、ポリメタ
フェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンイソ
フタルアミド、ポリオルソフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリ−1,5−ナフタレンフタルアミド、ポリ−
4,4’−ジフェニレンオルソフタルアミド、ポリ−
4,4’−ジフェニレンイソフタルアミド、ポリ−1,
4−ナフタレンフタルアミド、ポリ−1,4−ナフタレ
ンイソフタルアミド、ポリ−1,5−ナフタレンイソフ
タルアミドなど、およびこれらの芳香族ジアミンのベン
ゼン核の一部をピペラジン、1,5−ジメチルピペラジ
ン、2,5−ジエチルピペラジンで置換した化合物等に
代表される脂環式アミンを含む芳香族ポリアミド、また
は芳香族ジアミンが8,3’−オキシジフェニレンジア
ミン、3,4−オキシジフェニレンジアミン等のエーテ
ル結台、−S−、−SO2 −、−CO−、−NH−など
の基により結合された2個のフェニル基を含む芳香族ポ
リアミドのコポリマー、例えば、ポリ−8,8’−オキ
シジフェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェニレン
テレフタルアミド共重合体、ポリ−3,4−オキシジフ
ェニレンテレフタルアミド/ポリパラフェレンテレフタ
ルアミド共重合体などを挙げることができる。
【0007】本発明に用いられる芳香族ポリアミドパル
プとは、上記の芳香族ポリアミド樹脂の繊維を高度にフ
ィブリル化させたものをいう。フィブリル化の指標とし
てはBET比表面積がよく用いられているが、本発明の
方法に適した好ましい芳香族ポリアミドパルプのBET
比表面積の値は3〜25m2 /g、より好ましくは5〜
20m2 /g、さらに好ましくは9〜16m2 /gであ
る。パルプのBET比表面積の値が小さ過ぎる場合に
は、繊維同士の絡み合いが充分に得られないため、機械
的強度の高いシートが得られず、パルプへのフッ素樹脂
粒子の沈着も困難になる。そのために機械的強度に優れ
た摺動材は得られない。一方、比表面積が大き過ぎる場
合には必然的に濾水性が悪くなるので、抄造に長時間を
要するために経済性が悪くなる。
【0008】本発明に用いられるフッ素樹脂としては、
例えば、四フッ化エチレン樹脂(以下、PTFEという
ことがある)、パーフルオロ−アルコキシ樹脂(以下、
PFAということがある)、四フッ化エチレン−六フッ
化プロピレン共重合樹脂(以下、FEPということがあ
る)、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂(以下、
ETFEということがある)、フッ化ビニリデン樹脂
(以下、PVDFということがある)、三フッ化塩化エ
チレン樹脂(以下、PCTFEということがある)など
を挙げることができるが、中でも耐熱性、摺動特性等の
点でPTFEが特に好ましい。
【0009】フッ素樹脂粉末の好ましい平均粒径は0.
01〜10μm、さらに好ましくは0.1〜1μmであ
る。粒径が小さすぎると粒子の繊維表面への沈着が困難
となり、逆に大きすぎると安定な分散液を得ることが難
しくなり、またシート中に樹脂を均一に分散させること
が困難になる。
【0010】本発明の工程(イ)では、芳香族ポリアミ
ドパルプを水中に分散して分散液を調整し、該分散液に
凝集剤ならびにフッ素樹脂粉末分散液を任意の順で添加
して、フッ素樹脂粉末を芳香族ポリアミドパルプに沈着
させる。
【0011】分散液中の芳香族ポリアミドパルプの濃度
は自由に選ぶことができるが、分散液の流動性を損なわ
ない範囲で、できるだけ高い濃度を選ぶ方が経済性の点
で望ましい。芳香族ポリアミドパルプの分散方法は、木
質パルプを抄紙する際に従来から用いられている方法を
そのまま適用することができる。例えば、各種の離解機
(パルバー)、ナイヤガラビーター等の各種ビーター、
あるいはシングルディスクリファイナー等の各種リファ
イナー等を用いて分散液を調整することができる。
【0012】分散液中の芳香族ポリアミドパルプとフッ
素樹脂粉末の配合比率は、目的とする摺動材に依存する
が、一般に芳香族ポリアミドパルプ/フッ素樹脂粉末比
(重量比)として、10/90から70/30の範囲で
あることが好ましい。芳香族ポリアミドパルプの割合が
少なすぎると充分な補強効果が得られず、逆に多すぎて
も充分な機械的強度と摩擦磨耗特性を持ったシートを得
ることができない。さらにシートの性能を改良したり、
その他の特性を付与する目的で、グラファイト、ブロン
ズ粉、二硫化モリブデン等の充填材、添加剤あるいはそ
の他の成分を、その分散液の均質性を損なわない範囲で
添加することもできる。
【0013】フッ素樹脂分散液(ディスパージョン又は
エマルジョン等と呼ばれることがある)は、アニオン
系、カチオン系、またはノニオン系の界面活性剤を含む
水中にフッ素樹脂粉末を安定に分散させて作製する。一
般的には、1種類以上の界面活性剤の存在下でフッ素樹
脂の原料のモノマーを水系重合させることによって同様
なフッ素樹脂粉末の分散液を調整することもできる。
【0014】また、市販されているフッ素樹脂粉末のデ
ィスパージョンをそのまま利用することも可能である。
そのようなフッ素樹脂粉末の水分散液として、例えば、
旭硝子(株)、ダイキン工業(株)等から市販されてい
るフッ素樹脂粉末のフッ素樹脂ディスパージョンを挙げ
ることができる。
【0015】凝集剤は、フッ素樹脂粒子の水中での分散
を不安定化させる作用を持ち、フッ素樹脂の粒子を芳香
族ポリアミドパルプの表面に沈着させる役割を果たす。
適用する凝集剤の種類、及び添加量は、フッ素樹脂粉末
を分散させるのに用いている界面活性剤の種類、及び芳
香族ポリアミドパルプの比表面積により決定される。
【0016】フッ素樹脂の粒子がアニオン系の界面活性
剤により安定化されている場合は、凝集剤として、強酸
あるいは強電解質、あるいはポリアクリルアミド系、ポ
リアクリル酸ソーダ系等の高分子凝集剤、さらにはこれ
らの高分子凝集剤と強酸または強電解質とを組合わせて
適用することができる。
【0017】フッ素樹脂の粒子がカチオン系の界面活性
剤で安定化されている場合には、凝集剤として、塩基ま
たは強電解質、あるいはポリアクリルアミド系、ポリメ
タクリル酸エステル系等の高分子凝集剤、さらにはこれ
らの高分子凝集剤と塩基または強電解質とを組合わせて
適用することができる。
【0018】フッ素樹脂の粒子がノニオン系の界面活性
剤で安定化されている場合には、凝集剤として、強電解
質、あるいはポリアクリルアミド系等の高分子凝集剤、
あるいはこれらの高分子凝集剤と強電解質とを組合わせ
て適用することができる。
【0019】また凝集剤として、ポリヒドロキシ芳香族
カルボン酸とグルコース類との縮合物及び多価の金属塩
を併用することは、使用する界面活性剤の種類に係わら
ず、特に有効である。縮合物の例としては、タンニン
酸、没食子酸等が挙げられる。金属塩の例として、硫酸
アルミニウム、塩化カルシウム等が挙げられる。この
時、系に水酸化カルシウムやアンモニア等のアルカリ成
分を加えて系のpHを3.5から6.0の範囲に調整す
ることは、フッ素樹脂粉末の実質上総てをパルプに沈着
させるので有効である。
【0020】本発明においては、芳香族ポリアミドパル
プ、フッ素樹脂分散液および凝集剤を最適に組み合わ
せ、フッ素樹脂粉末が緻密かつ均一に付着した芳香族ポ
リアミドパルプシートを作製することが重要である。こ
の点から、芳香族ポリアミドパルプとしては、BET比
表面積の値が3〜25m2/g,より好ましく5〜20m
2/g、さらに好ましくは9〜16m2/gの範囲にあるも
のが適当である。
【0021】フッ素樹脂粉末を芳香族ポリアミドパルプ
表面に沈着させる方法としては、芳香族ポリアミドパル
プとフッ素樹脂粉末が水中に分散した分散液を調整し、
該分散液に凝集剤を添加することができる。しかし、芳
香族ポリアミドパルプが水中に分散した分散液に予め凝
集剤を加え、次に水中に分散したフッ素樹脂粉末の分散
液を添加する手順が好ましい。後者の方法において、フ
ッ素樹脂の不安定化が短時間で行われ、フッ素樹脂粉末
の凝集物が前者の方法に比べて大きくなり、従って次に
行う抄造を短時間で行なえることを、本発明者らは発見
した。
【0022】工程(ロ)では、フッ素樹脂粉末が沈着し
た芳香族ポリアミドパルプを常法に従って抄造した後、
必要に応じて脱水し、ついで乾燥してシートを得る。本
発明の方法においては、抄造は一般的に利用されている
長網式や丸網式の抄造機をそのまま適用して行うことが
できる。抄造されたシートはフッ素樹脂粉末を水中で分
散させるために用いた界面活性剤や凝集時に用いた薬剤
を数パーセント含有する。これらの成分は、積層体が厚
い場合には、工程(ニ)におけるプレフォーム焼成時に
ガス化して、摺動材の割れや膨れ等の欠陥の原因となる
ことを本発明者らは発見した。したがって、これらの成
分を焼成前にシート状物より除去する必要がある。除去
方法は、界面活性剤や凝集剤の種類によって異なるが、
200℃からフッ素樹脂の融点未満の温度で加熱するこ
とが好ましい。より好ましくは、温度は、220℃乃至
フッ素樹脂の融点より20℃下の範囲である。なぜな
ら、抄造した水分を含んだシートの乾燥と界面活性剤等
の除去のための加熱を同一の工程で、あるいは、同時に
行なえるためであり、また除去のための設備、工数を低
減できるためである。
【0023】工程(ハ)では、芳香族ポリアミドパルプ
とフッ素樹脂からなるシート状物を、積層した状態で型
内に装填した後、加圧してプレフォームを作製する。加
圧前のシートの形態は、型への装填を短時間で行うため
に、シートを円筒状に巻き上げた、あるいは折り畳んだ
形態が好ましい。中空状の摺動材を作製する場合には、
シート状物を円筒状又は多角形の芯材に巻き付けてから
芯材を取り外して中空円筒状の積層体の形態にすること
も可能である。あるいは、シート状物を切断して小さく
してから型内に装填して積層することによって成形が短
時間で行える。シート状物の大きさが1cm2 未満の場
合には、シート状物の嵩密度が小さくなるために、ハン
ドリング性が悪くなり型への装填に時間を要する。以上
の様に、本発明で述べている積層とはシートが積み重な
った状態を広義にさし、本発明はシート状物の積層方法
によって限定されるものではない。
【0024】プレフォーム成形時の加圧圧力は、好まし
くは300〜1500Kgf/cm2 であり、その圧力まで常
圧から5分間以上かけて徐々に昇圧することが好まし
い。
【0025】工程(ニ)では、プレフォームを焼成して
摺動材を作製する。焼成はフッ素樹脂の融点以上の温度
で行う必要がある。たとえば、PTFEの場合には、融
点が約320℃であるから、350〜400℃の温度で
焼成することが好ましい。
【0026】本発明の芳香族ポリアミドパルプとフッ素
樹脂のシート状物からなる摺動材の製造方法は、成形を
短時間で効率良く行うものである。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づいて更に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施
例中の物性値の測定は、以下に述べる測定方法に従って
実施した。 1.摩擦摩耗試験 試験機:リングオンリング縦型摩擦磨耗試験機(高千穂
精機社製) 試験片:外径25.6mm、内径20.0mm、高さ1
5.0mm 相手材:S55C、リング状 圧力:6Kgf/cm2 、 速度:40m/分、 PV=24
0 試験時間:48時間
【0028】
【実施例1】絶乾重量12.5gのバラ系芳香族ポリア
ミドパルプ[トワロン1094(日本アラミド(有)
製、BET比表面積:12.9m2/g、重量平均繊維長
1.5mm、濾水度:100ml]を1652.5gの
水に分散させた。これに、タンニン酸6重量%、硫酸ア
ルミニウム4重量%を含む水溶液15gとアンモニア1
重量%水溶液7.5gを加えた。
【0029】この分散液を攪拌しながら、62.5gの
フルオンディスバージョンAD1(旭硝子(株)製、P
TFE平均粒径:0.25μm、固形分濃度60重量
%)を水312.5gに希釈したフッ素樹脂粉末の分散
液を3分間かけて投入し、さらに攪拌を10分間続け
た。この操作により、フッ素樹脂粉末を芳香族ポリアミ
ドパルプの表面に沈着させた。これを角型シートマシン
(熊谷理機(株)製)を用いて250mm角の金網上に
抄紙し、その後、脱水乾燥してシートを得た。この方法
で、所定枚数のシートを抄造した。そのシートを大気
中、260℃で8時間加熱してシート中に含まれる界面
活性剤、タンニン酸を除去した。次に、得られたシート
を幅80mm×長さ250mmに切断し、4枚の同形状
のシートを作製した。次に4枚のシートを長手方向に巻
いて直径約40mm、長さ80mmとした後、内径40
mm、高さ280mmの金型に装填した。そして面圧1
000Kgf/cm2 でプレスしてプレフォームを得た。この
プレフォームを窒素中で380℃に1時間保持して焼成
を行った。これにより、芳香族ポリアミドパルプ/フッ
素樹脂の重量比が25/75で、外径40mm、高さ3
3mmの摺動材を得た。
【0030】シートの抄造時間は2分間であった。得ら
れた摺動材に割れ、膨れ等の欠陥は見られなかった。摺
動材の摩耗係数は、7.0X10-5mm/(km・Kgf/cm2)
であり、摩擦係数は0.20であった。
【0031】
【実施例2】絶乾重量12.5gのバラ系芳香族ポリア
ミドパルプ(トロワン1094)を1652.5gの水
に分散させた。そこに、タンニン酸6重量%、硫酸アル
ミニウム4重量%を含む水溶液15gとアンモニア1重
量%水溶液7.5gを加えた。この分散液を攪拌しなが
ら、62.5gのフルオンディスパージョンAD1を水
312.5gに希釈したフッ素樹脂粉末の分散液を3分
間かけて投入し、さらに攪拌を10分間続けた。この操
作により、フッ素樹脂粉末を芳香族ポリアミドパルプの
表面に沈着させた。これを角型シートマシン(熊谷理機
(株)製)を用いて250mm角の金網上に抄紙し、そ
の後、脱水乾燥してシートを得た。この方法で、所定枚
数のシートを抄造した。そのシートを大気中、260℃
で8時間加熱してシート中に含まれる界面活性剤、タン
ニン酸を除去した。次に、得られたシートを、120m
mx120mmに切断し、45枚の同形状のシートを作
製した。次に、45枚の同シートを積層して、面圧10
00Kgf/cm2 でプレスしてプレフォームを得た。このプ
レフォームを窒素中で380℃に1時間保持して焼成を
行った。これにより、芳香族ポリアミドパルプ/フッ素
樹脂の重量比が25/75で、縦120mm、横120
mm、厚さ20mmの摺動材を得た。
【0032】得られた摺動材には割れ、膨れ等の欠陥は
見られなかった。また、摺動材の摩耗係数は、6.0X
10-5(km・kgf/cm2)であり,摩耗係数は0.18で
あった。
【0033】
【比較例1】絶乾重量12.5gのバラ系芳香族ポリア
ミドパルプ(トロワン1094)と62.5gのフルオ
ンディスパージョンAD1を1902g中のイオン交換
水中に分散させた後、タンニン酸6重量%と硫酸アルミ
ニウム4重量%を含む水溶液15gを加えて、系内のタ
ンニン酸及びアルミニウム濃度をそれぞれ450ppm及
び300ppm とした。これに7.5gの1%アンモニア
水溶液を添加してpHを調節し、そのまま10分間攪拌
してフッ素樹脂を芳香族ポリアミドパルプの表面に沈着
させた。これを角型シートマシンを用いて250mm角
の金網上に抄紙し、その後、脱水乾燥してシートを得
た。この方法で、所定枚数のシートの作製を行った。得
られたシートを加熱しないで、120mmx120mm
に切断し、45枚の同形状のシートを作製した。次に、
45枚の同シートを、積層して面圧1000Kgf/cm2
プレスしてプレフォームを得た。このプレフォームを窒
素中で380℃に1時間保持して焼成を行った。これに
より、芳香族ポリアミドパルプ/フッ素樹脂の重量比が
25/75で、縦120mm、横120mm、厚さ23
mmの摺動材を得た。シートの抄造時間は5分40秒で
あった。得られた摺動材には中央部に膨れが発生した。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法により、芳香族ポリアミド
パルプとフッ素樹脂粉末からなるシート状物が積層され
た摺動材が、経済的にかつ製品欠陥なしに得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−188767(JP,A) 特開 平8−267478(JP,A) 特開 平5−117476(JP,A) 特開 平9−78455(JP,A) 特開 平3−90693(JP,A) 特開 平8−13348(JP,A) 特開 昭57−205473(JP,A) 特開 昭57−205472(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/16 C08L 27/12 C08L 77/10 F16C 33/24

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(イ)乃至(ニ)の工程を含むこと
    を特徴とする、芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂の
    シート状物からなる摺動材の製造方法 (イ)芳香族ポリアミドパルプを水中に分散してなる分
    散液に、凝集剤ならびにフッ素樹脂粉末分散液を任意の
    順で添加して、フッ素樹脂粉末を芳香族ポリアミドパル
    プに沈着させる工程、(ロ)フッ素樹脂粉末が沈着した
    上記芳香族ポリアミドパルプを抄造し、200℃以上か
    つフッ素樹脂の融点未満の温度で加熱してシート状物を
    得る工程、(ハ)該シート状物を、積層した状態で型内
    に装填し、次に加圧してプレフォームを作製する工程、
    (ニ)該プレフォームを焼成して摺動材を作製する工
    程。
  2. 【請求項2】前記工程(イ)で用いられる芳香族ポリア
    ミドパルプが、3〜25m2/gのBET比表面積を有
    し、フッ素樹脂粉末が0.01〜10μmの平均粒径を
    有する請求項1記載の摺動材の製造方法。
  3. 【請求項3】工程(イ)において、芳香族ポリアミドパ
    ルプの分散液に先ず凝集剤を加え、次にフッ素樹脂粉末
    の水分散液を添加して、フッ素樹脂粉末を芳香族ポリア
    ミドパルプに沈着させることを特徴とする請求項1記載
    の摺動材の製造方法。
  4. 【請求項4】工程(ハ)において、シート状物が、円筒
    状に巻かれた状態または折り畳まれた状態で積層される
    ことを特徴とする請求項1記載の摺動材の製造方法。
  5. 【請求項5】工程(ハ)において用いられるシート状物
    が、平均1cm2 〜100cm2 の大きさにされている
    ことを特徴とする請求項1記載の摺動材の製造方法。
  6. 【請求項6】工程(ニ)における焼成がフッ素樹脂の融
    点以上で行われることを特徴とする請求項1記載の摺動
    材の製造方法。
JP19161096A 1996-07-03 1996-07-03 摺動材の製造方法 Expired - Fee Related JP3203186B2 (ja)

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