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JPH10298310A - フッ素樹脂系シート、シート積層体、その製造方法およびその用途 - Google Patents

フッ素樹脂系シート、シート積層体、その製造方法およびその用途

Info

Publication number
JPH10298310A
JPH10298310A JP12013197A JP12013197A JPH10298310A JP H10298310 A JPH10298310 A JP H10298310A JP 12013197 A JP12013197 A JP 12013197A JP 12013197 A JP12013197 A JP 12013197A JP H10298310 A JPH10298310 A JP H10298310A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
fluororesin
aromatic polyamide
lubricating component
polyamide pulp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12013197A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiharu Yamabayashi
稔治 山林
Kosaku Asagi
康策 浅黄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON ARAMIDO KK
Original Assignee
NIPPON ARAMIDO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON ARAMIDO KK filed Critical NIPPON ARAMIDO KK
Priority to JP12013197A priority Critical patent/JPH10298310A/ja
Publication of JPH10298310A publication Critical patent/JPH10298310A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた機械的特性と摺動特性を併せ持つ、芳
香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂及び潤滑成分からな
るフッ素樹脂系シート、シート積層体および摺動材を抄
造による簡便な製造工程で得ること。 【解決手段】 芳香族ポリアミドパルプ、フッ素樹脂粉
末及び潤滑成分を水中に分散させ、そのフッ素樹脂粉末
と潤滑成分の分散を不安定化させる凝集剤をその分散液
に添加して、フッ素樹脂粉末と潤滑成分を芳香族ポリア
ミドパルプの表面に沈着させ、抄造した後、脱水乾燥し
てシート状物を得て、ついで得られたシート状物をロー
ル圧延および焼成して、引張強度が250Kg/cm2
以上であるフッ素樹脂系シートを製造する。上記シート
状物を複数積層し、加圧、焼成して複合体が得られる。
該フッ素樹脂系シート及び積層体は摺動材として優れて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、芳香族ポリアミド
パルプとフッ素樹脂を主成分とするフッソ樹脂系シー
ト、シトー積層体、その製造方法および該フッソ樹脂系
シート又はシート積層体からなる摺動材に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、以前から摺動特性に優れ
る芳香族ポリアミドパルプとフッ素樹脂からなるシー
ト、シート積層複合体を発明し(特願平7ー28876
2)、摺動材としての用途展開を図ってきた。しかしな
がら、近年、高速、高負荷という摺動条件下では、摩擦
係数が高いために、製品が摩擦熱により温度上昇し、材
料の軟化により部品の安全性が問題となる様な事態の発
生することがあった。そのため、さらに苛酷な摺動条件
下でも耐えうる、より低摩擦係数の摺動材が求められ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た機械的特性と低摩擦係数を持つフッ素樹脂系シート、
該シートの積層体及び該積層体からなる摺動材を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は次に記す
発明からなる。 (1) 芳香族ポリアミドパルプ及びフッ素樹脂を含有
してなるフッ素樹脂系シートにおいて、シート重量に基
づき0.5から25重量%の量の潤滑成分を含有し、か
つ引張強度が250kgf/cm2以上であることを特
徴とするフッ素樹脂系シート。 (2) 芳香族ポリアミドパルプ、フッ素樹脂、及び潤
滑成分を水系分散剤液から抄造して得られた(1)記載
のフッ素樹脂系シート。 (3) 下記の(イ)乃至(ハ)の工程を有することを
特徴とする、芳香族ポリアミドパルプ及びフッ素樹脂を
含有してなるフッ素樹脂系シートであって、シート重量
に基づき0.5から25重量%の量の潤滑成分を含有し
かつ、引張強度が250kgf/cm2以上であるフッ
素樹脂系シートの製造方法 (イ) 芳香族ポリアミドパルプ、フッ素樹脂粉末、及
び潤滑成分が水中に分散した分散液において、該フッ素
樹脂粉末と潤滑成分を凝集剤により不安定化して該フッ
素樹脂粉末及び潤滑成分を芳香族ポリアミドパルプに沈
着させる工程、(ロ) フッ素樹脂粉末と潤滑成分が沈
着した上記芳香族ポリアミドパルプを抄造し、乾燥して
シート状物を得る工程、(ハ)該シート状物を加圧及び
焼成する工程。 (4) 前記工程(イ)で用いられる芳香族ポリアミド
パルプが、3〜25m2/gのBET比表面積を有する
芳香族ポリアミドパルプであり、フッ素樹脂粉末が、
0.01〜10μmの平均粒径を有するフッ素樹脂粉末
であり、潤滑成分が、カーボン、二硫化モリブデン、ブ
ロンズ、窒化硼素、低分子量のフッ素樹脂から選ばれた
一又は数種類のものであることを特徴とする(3)記載
のフッ素樹脂系シートの製造方法。 (5) (1)記載のフッ素樹脂系シートからなること
を特徴とする摺動材。 (6) 芳香族ポリアミドパルプ、フッ素樹脂、及び潤
滑成分を含有してなるシート積層体において、積層体重
量に基づき0.5から25重量%の量の潤滑成分を含有
し、かつ曲げ強度が500kgf/cm2以上であるこ
とを特徴とするシート積層体。 (7) 下記の(イ)乃至(ニ)の工程を有することを
特徴とする、芳香族ポリアミドパルプ及びフッ素樹脂を
含有してなるシートの積層体であって、積層体重量に基
づき0.5から25重量%の量の潤滑成分を含有しかつ
曲げ強度が500kgf/cm2以上であるシート積層
体の製造方法 (イ) 芳香族ポリアミドパルプ、フッ素樹脂粉末、及
び潤滑成分が水中に分散した分散液において、該フッ素
樹脂粉末と潤滑成分を凝集剤により不安定化して該フッ
素樹脂粉末及び潤滑成分を芳香族ポリアミドパルプに沈
着させる工程、(ロ) フッ素樹脂粉末と潤滑成分が沈
着した上記芳香族ポリアミドパルプを抄造し、乾燥して
シート状物を得る工程、(ハ) 該シート状物をフッ素
樹脂の融点以下の温度で加熱して、揮発成分を除去する
工程 (ニ) 複数の該シート状物を積層、加圧した後、焼成
する工程。 (8) 前記工程(イ)で用いられる芳香族ポリアミド
パルプが、3〜25m2/gのBET比表面積を有する
芳香族ポリアミドパルプであり、フッ素樹脂粉末が、
0.01〜10μmの平均粒径を有するフッ素樹脂粉末
であり、潤滑成分が、カーボン、二硫化モリブデン、ブ
ロンズ、窒化硼素、低分子量のフッ素樹脂から選ばれた
一又は数種類のものであることを特徴とする(7)記載
のシート積層体の製造方法。 (9) (6)記載の積層体からなることを特徴とする
摺動材。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる芳香族ポリア
ミドパルプの原料となる芳香族ポリアミド樹脂は、アミ
ド結合の少なくとも85モル%以上が芳香族ジアミン、
芳香族ジカルボン酸成分より得られるものである。
【0006】その具体例としては、ポリパラフェニレン
テレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリパラベンズアミド、ポリ-4,4’-ジアミノベ
ンズアニリド、ポリパラフェニレン-2,6-ナフタリッ
クアミド、コポリパラフェニン/4,4’‐(3,3’
-ジメチルビフェニレン)-テレフタルアミド、コポリパ
ラフェニレン/2,5-ピリジレンーテレフタルアミ
ド、ポリオルソフェニレンフタルアミド、ポリメタフェ
ニレンフタルアミド、ポリパラフェニレンフタルアミ
ド、ポリオルソフェニレンイソフタルアミド、ポリメタ
フェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンイソ
フタルアミド、ポリオルソフェニレンテレフタルアミ
ド、ポリ-1,5-ナフタレンフタルアミド、ポリ-4,
4’-ジフェニレンオルソフタルアミド、ポリ-4,4’
-ジフェニレンイソフタルアミド、ポリ-1,4-ナフタ
レンフタルアミド、ポリ-1,4-ナフタレンイソフタル
アミド、ポリ-1,5-ナフタレンイソフタルアミド等、
及びこれらの芳香族ジアミンのベンゼン核の一部をピペ
ラジン、1,5-ジメチルピペラジン、2,5-ジエチル
ピペラジンで置換した化合物等に代表される脂環式アミ
ンを含む芳香族ポリアミド、または芳香族ジアミンが
8,3’-オキシジフェニレンジアミン、3,4-オキシ
ジフェニレンジアミン等のエーテル結台、一S一、一S
O2一、一CO一、一NH一、等の基により結合された
2個のフェニル基を含む芳香族ポリアミドのコポリマ
ー、例えば、ポリ-8,8’-オキシジフェニレンテレフ
タルアミド/ポリパラフェニレンテレフタルアミド共重
合体、ポリ-3,4-オキシジフェニレンテレフタルアミ
ド/ポリパラフェレンテレフタルアミド共重合体等を挙
げることができる。
【0007】本発明に用いられる芳香族ポリアミドパル
プとは、上記の芳香族ポリアミド樹脂の繊維を高度にフ
ィブリル化させたものを言う。フィブリル化の指標とし
てはBET比表面積が良く用いられているが、本発明に
適したBET比表面積の値は3〜25m2/g、より好
ましくは4〜20m2/g、さらに好ましくは5〜16
2/gである。パルプのBET比表面積の値が3m2
gより小さい場合は、繊維同士の絡み合いが充分に得ら
れないため、機械的強度の高いシートが得られず、パル
プへのフッ素樹脂粒子や潤滑成分の沈着も困難になる。
そのために機械的強度に優れた摺動材は得られない。一
方、比表面積の値が25m2/gより大きい場合は必然
的に濾水性が悪くなるので、抄造に長時間を要するため
に経済性が悪くなる。
【0008】本発明に用いられるフッ素樹脂としては、
例えば四フッ化エチレン樹脂(以下PTFEということ
がある)、パーフルオロ-アルコキシ樹脂(以下、PF
Aということがある)、四フッ化エチレン-六フッ化プ
ロピレン共重合樹脂(以下、FEPということがあ
る)、四フッ化エチレン-エチレン共重合樹脂(以下、
ETFEということがある)、フッ化ビニリデン樹脂
(以下、PVDFということがある)、三フッ化塩化エ
チレン樹脂(以下、PCTFEということがある)等を
挙げらることができるが、中でも耐熱性、摺動特性等の
点でPTFEが特に好ましい。
【0009】本発明のフッ素樹脂系シート及びシート積
層体に用いられるメインマトリックスであるフッ素樹脂
の好ましい平均粒径は0.01〜10μmであり、さら
に好ましくは0.1〜1μmである。粒径が0.01より
小さい場合には粒子の繊維表面への沈着が困難となり、
10μmより大きい場合には安定な分散液を得ることが
難しくなる。
【0010】潤滑成分としては、カーボン、二硫化モリ
ブデン、ブロンズ、窒化硼素、低分子量のフッ素樹脂が
挙げられる。低分子量のフッ素樹脂とは、シートのメイ
ンマトリックスであるフッ素樹脂より分子量が低いもの
を意味する。例えば、シートのメインマトリックスであ
るフッ素樹脂の分子量が百万以上である場合、潤滑成分
として用いられる低分子量のフッ素樹脂とは、分子量が
百万未満のもの、特には三十万未満のものを意味する。
シートのメインマトリックスであるフッ素樹脂と低分子
量のフッ素樹脂は同一の種類である必要はないが、例え
ば、シートの耐熱性を向上させるためには、両成分とも
PTFEであることが好ましい。
【0011】潤滑成分が粒子状である場合において、そ
の平均粒径は、シート中への添加量にも関連するが、好
ましくは50μm以下、より好ましくは25μm以下、
さらに好ましくは、5μm以下である。50μmより大
きいと、少量の添加であっても均一に水中に分散させる
ことが困難であり、抄造後もシート強度低下の原因とな
る。また、潤滑成分が繊維状の形態である場合には、そ
の径が50μm以下で、繊維長が20mm以下であるこ
とが好ましい。径が50μmより大きく、または、繊維
長が20mmより大きい場合には、均一に水中に分散さ
せることが困難であり、均一なシートを得ることが困難
である。シート中へのこれらの潤滑成分の添加量は0.
5から25重量%以下で、好ましくは1から15重量
%、さらに好ましくは2から10重量%である。添加量
が0.5重量%より少ない場合は十分に摩擦係数を低減
させる効果が発現せず、25重量%より多い場合には、
均一に分散した場合でもシート強度の低下の原因とな
り、高強度なシートは得られない。
【0012】芳香族ポリアミドパルプと、シートのメイ
ンマトリックスであるフッ素樹脂の配合比率(重量比)
は、最終製品に依存して適宜選ばれるが、10/90か
ら70/30の範囲であることが一般に好ましい。
【0013】本発明に従うシートの製造方法における工
程(イ)における散液中の芳香族ポリアミドパルプの濃
度は自由に選ぶことができるが、分散液の流動性を損な
わない範囲で、できるだけ高い濃度を選ぶ方が経済性の
点で望ましい。芳香族ポリアミドパルプの分散方法は、
木質パルプを抄紙する際に従来から用いられている方法
をそのまま適用することができる。例えば、各種の離解
機(パルパー)、ナイヤガラビーター等の各種のビータ
ー、あるいはシングルディスクリファイナー等の各種の
リファイナー等を用いて分散液を調整することができ
る。
【0014】フッ素樹脂粉末及び潤滑成分は、予め夫々
の水中分散物を作り、それらを芳香族ポリアミドパルプ
の水中分散物と一緒にして該三成分を含む分散液を調製
することが好ましい。フッ素樹脂及び潤滑成分の夫々の
分散液(ディスパージョン又はエマルジョン等と呼ばれ
ることがある)は、アニオン系、カチオン系、またはノ
ニオン系の界面活性剤を含む水中にフッ素樹脂粉末又は
潤滑成分を安定に分散させて作製する。フッ素樹脂粉末
の分散液は、一般的には、1種類以上の界面活性剤の存
在下でフッ素樹脂の原料のモノマーを水系重合させるこ
とによって調製することもできる。また、市販されてい
るフッ素樹脂粉末のディスパージョンをそのまま利用す
ることも可能である。例えば、旭硝子(株)、ダイキン
工業(株)等から市販されているフッ素樹脂ディスパー
ジョンを挙げることができる。また、潤滑成分について
も、例えば、日本黒鉛工業(株)等から市販されている
水系のカーボン分散液、二硫化モリブデン分散液、窒化
硼素分散液等をそのまま使用することができる。潤滑成
分が水中で分散不良を起しやすい場合には、簡易的に潤
滑成分を均一に分散させる方法として、たとえば予め潤
滑成分をフッ素樹脂分散液に混合して、均質なフッ素樹
脂粉末と潤滑成分の分散液を作製した後、芳香族ポリア
ミドパルプの分散液に添加する方法を用いるができる。
【0015】凝集剤は、フッ素樹脂粉末と潤滑成分の水
中での分散を不安定化させる作用を持ち、フッ素樹脂粉
末と潤滑成分を芳香族ポリアミドパルプの表面に沈着さ
せる役割を果たす。適用する凝集剤の種類、及び添加量
は、フッ素樹脂粉末と潤滑成分を分散させるのに用いて
いる界面活性剤の種類、及び芳香族ポリアミドパルプの
比表面積により決定される。
【0016】フッ素樹脂粉末と潤滑成分がアニオン系の
界面活性剤で安定化されている場合は、凝集剤として、
強酸あるいは強電解質、あるいはポリアクリルアミド
系、ポリアクリル酸ソーダ系等の高分子凝集剤、さらに
はこれらの高分子凝集剤と強酸または強電解質とを組合
わせて適用することができる。
【0017】フッ素樹脂粉末と潤滑成分がカチオン系の
界面活性剤で安定化されている場合は、凝集剤として、
塩基またはは強電解質、あるいはポリアクリルアミド
系、ポリメタクリル酸エステル系等の高分子凝集剤、さ
らにはこれらの高分子凝集剤と塩基あるいは強電解質と
を組合わせて適用することができる。
【0018】フッ素樹脂粉末と潤滑成分がノニオン系の
界面活性剤で安定化されている場合は、凝集剤として、
強電解質、あるいはポリアクリルアミド系等の高分子凝
集剤、さらにはこれらの高分子凝集剤と強電解質とを組
合わせて適用することができる。
【0019】また凝集剤として、ポリヒドロキシ芳香族
カルボン酸とグルコース類との縮合物及び多価の金属塩
を併用することは、使用する界面活性剤の種類に係わら
ず、特に有効である。縮合物の例としては、タンニン
酸、没食子酸等が挙げられる。金属塩の例として、硫酸
アルミニウムや塩化カルシウム等が挙げられる。この
時、系に水酸化カルシウム、アンモニア、アルミン酸ソ
ーダ等のアルカリ成分を加えて系のpHを3.5から6.
0の範囲に調整することは、フッ素樹脂粉末と潤滑成分
の実質上総てをパルプに沈着させるので有効である。
【0020】本発明においては、芳香族ポリアミドパル
プ、フッ素樹脂粉末、潤滑成分および凝集剤を最適に組
み合わせ、フッ素樹脂粉末と潤滑成分が緻密、且、均一
に付着した芳香族ポリアミドパルプシートを作製するこ
とが重要である。この点からも、芳香族ポリアミドパル
プとしては、BET比表面積の値が3〜25m2/g、
より好ましくは4〜20m2/g、さらに好ましくは5
〜16m2/gの範囲にあるものが適当である。
【0021】凝集剤の添加手順としては、芳香族ポリア
ミドパルプ、フッ素樹脂粉末及び潤滑成分が水中に分散
した分散液を調整した後、該分散液に凝集剤を添加する
順、又は芳香族ポリアミドパルプと凝集剤が水中に分散
した分散液を調整した後、該分散液にフッ素樹脂粉末と
潤滑成分の水中分散液を添加する順等が挙げられる。し
かしながら、本発明は凝集剤の添加手順によって限定さ
れるものではない。
【0022】工程(ロ)では、フッ素樹脂粉末と潤滑成
分が沈着した芳香族ポリアミドパルプを常法に従って抄
造した後、必要に応じて脱水し、ついで乾燥してシート
状物を得る。本発明の方法においては、抄造は一般的に
利用されている長網式や丸網式の抄造機をそのまま適用
して行うことができる。
【0023】続いてこのシート状物を加圧により緻密な
構造とし、引き続き又は同時にフッ素樹脂の融点又は軟
化点以上の温度で焼成して目的のシートを得る。例え
ば、フッ素樹脂として融点が320℃のPTFEを用い
る場合は、320〜450℃、好ましくは350〜40
0℃で焼成する。加圧はプレス機等を用いて行うことも
できるが、ロールで加圧することが生産性が高く望まし
い。
【0024】焼成は一般的なフッ素樹脂の成形体の場合
のように、室温で加圧したシートをフッ素樹脂の融点以
上の温度のオーブン中でバッチ式で行なうことができ
る。フッ素樹脂の融点以下の温度で加圧したシートをそ
の後、該フッ素樹脂の融点以上の温度の加熱ロールに通
して焼成することもできる。予め乾燥したシート状物を
フッ素樹脂の融点以上の温度の加熱ロールに通して、圧
延と焼成を同時に行なうこともできる。この方法は生産
性及び経済性が高いので特に望ましい。
【0025】本発明に従う積層体を作製する方法におい
ては、上記の抄造工程で得られたシート状物を複数、例
えば2〜100枚を積層し、以下、上記と同様に加圧、
焼成する。抄造されたシートはフッ素樹脂粉末と潤滑成
分を水中で分散させるために用いた界面活性剤や凝集時
に用いた薬剤を数パーセント含有するため、抄造したシ
ートを積層した複合体を作製する際、あるいは積層した
複合体の厚さが大きい場合にはプレフォーム焼成時に、
これらがガス化し積層体の割れや膨れ等の欠陥の原因と
なる。したがって、これらの成分は焼成前にシートより
除外する必要がある。すなわち、工程(ハ)である。除
外方法は界面活性剤や凝集剤の種類によって異なるが、
フッ素樹脂粉末の融点未満の温度かつ好ましくは200
℃以上で加熱することが好ましい。すると、抄造したて
の水分を含んだシートの乾燥と界面活性剤等の除外のた
めの加熱が同時に進行し、該除外のための設備、工数が
不必要となる。
【0026】このようにして得たシートの複数を積層、
加圧した後焼成する(工程ニ)。好ましくはシートを積
層した状態で型内に装填した後、加圧してプレフォーム
を作製する。加圧前のシートの形態は、型への装填を短
時間で行うために、シートを円筒状に巻き上げる、ある
いはシート状物を折り畳む等の方法をとることが好まし
い。さらに、中空状の摺動材を作製する場合には、シー
ト状物を円筒状、多角形の芯材にシートを巻き付けてか
ら、芯材を取り外して中空円筒状の積層体の形態をとる
ことも可能である。
【0027】また、シート状物を平均1cm2以上の大
きさにした後、型内に装填して積層することによって
も、成形が短時間で行える。シート状物の大きさは、得
ようとする製品たとえば摺動材の形状によって異なる
が、一般的にシート状物の大きさが1cm2未満の場合
は、シート状物の嵩密度が小さくなるために、ハンドリ
ング性が悪くなり、型への装填に時間を要する。以上の
様に、本発明で述べている積層とはシートが積み重なっ
た状態を広意義にさし、本発明はシート状物の積層方法
によって限定されるものではない。
【0028】プレフォーム成形時の加圧圧力は、好まし
くは300〜3000kgf/cm2であり、その圧力
まで常圧から5分以上かけて徐々に昇圧することが好ま
しい。
【0029】焼成はフッ素樹脂の融点以上の温度で行う
必要がある。例えば、PTFEの場合は、融点が320
℃であるから、350〜400℃の温度で焼成すること
が好ましい。
【0030】以下に本発明を実施例に基づいてより具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0031】
【実施例】実施例中の各種の物性値の測定は、以下に述
べる測定方法に従って実施した。 「物性評価方法」 1.摩擦磨耗試験 試験機:リングオンリングまたはリングオンディスク縦
型摩擦磨耗試験機(高千穂精機社製) (1) リングオンリング試験 リング試験片形状:外径25.6mm、内径20.0m
m、高さ15.0mm 相手材:S55C、外径25.6mm、内径20.0m
m、高さ15.0mm 圧力:6kgf/cm2、 速度:40m/分、 PV
=240 試験時間:48時間 (2) リングオンディスク試験 ディスク試験片形状:外径53mm、厚さ 約0.3m
m 相手材:S55C、外径25.6mm、内径20.0m
m、高さ15.0mm 圧力:6kgf/cm2、 速度:40m/分、 PV
=240 試験時間:48時間 2.シート状摺動材の引張強度 JIS 3号ダンベル形状の試験片を用い、20℃、ゲ
ージ長さ40mm、引張速度100mm/分の条件でシ
ート状摺動材の引張強度を測定した。 3.シート積層複合材の曲げ強度 サンプル形状:長さ60mm、幅13mm、厚さ3mm スパン:40mm、負荷速度:1mm/分、20℃ の
条件でシート積層材の曲げ強度を測定した。
【0032】
【実施例1】絶乾重量12.5gのパラ系芳香族ポリア
ミドパルプ(商品名:トワロン1094(日本アラミド
(有)製、BET比表面積:12.9m2/g、重量平均
繊維長1.5mm))と1791gの水を家庭用のミキ
サーにかけてパルプを水中に均一に分散させた。また、
31.25gのPTFEの分散液(商品名:フルオンデ
ィスパージョンAD1(旭硝子(株)製、PTFEの分
子量は百万以上、平均粒径0.25μm、固形分濃度6
0%))を125gの水に分散させた後、3.13gの
低分子量のPTFE(商品名:フルオンルブリカントL
181J(旭硝子(株)製、PTFEの分子量は十万以
下、平均粒径20μm))を添加してスターラーにより
30分間攪拌して、高分子量のPTFE粉末と低分子量
のPTFE粉末が均一に分散した分散液を作製した。こ
れを上記のパラ系芳香族ポリアミドパルプが分散した液
に添加して、十分に攪拌を行った。そこにタンニン酸3
重量%、硫酸アルミ2重量%を含む水溶液30gとアン
モニア1重量%水溶液7.5gを加えて、系内のタンニ
ン酸の濃度を450ppm、硫酸アルミの濃度を300
ppmとした。そのまま10分間攪拌して、芳香族ポリ
アミドパルプの表面に高分子量のPTFEと低分子量の
PTFEを沈着させた。これを角型シートマシン(熊谷
理機(株)製)を用いて250mm角の金網上に抄造
し、その後脱水乾燥してシート状物を得た。このシート
状物を室温で200kg/cmの線圧でロール加圧した
後、380℃の窒素雰囲気オーブンで1時間焼成した。
これにより芳香族ポリアミドパルプ/フッ素樹脂/潤滑
成分の組成比が36/55/9で厚さが0.31mmの
シート状摺動材を得た。このシートの引張強度は575
kgf/cm2であった。また、摩擦磨耗性能を測定し
た所、動摩擦係数は0.12であり、磨耗係数は2.2
×10-6mm/kgf/cm2・kmであった。
【0033】
【実施例2】絶乾重量12.5gのパラ系芳香族ポリア
ミドパルプ(トワロン1094(実施例1と同様))と
1913gの水を家庭用のミキサにかけてパルプを水中
に均一に分散させた。これに31.25gの高分子量の
PTFEの分散液(フルオンディスパージョンA D1
(実施例1と同様))と6.25gの二硫化モリブデン
の分散液(商品名:モリコロイドCF―626(日本黒
鉛工業(株)、平均粒径5μm、固形分25%))を加
えた後、30分間攪拌して高分子量のPTFE粉末と二
硫化モリブデン粉末を均一に分散させた。そこにタンニ
ン酸3重量%、硫酸アルミ2重量%を含む水溶液30g
とアンモニア1重量%水溶液7.5gを加えて、系内の
タンニン酸の濃度を450ppm、硫酸アルミの濃度を
300ppmとした。そのまま10分間攪拌して、芳香
族ポリアミドパルプの表面に高分子量のPTFEと二硫
化モリブデン粉末を沈着させた。これを角型シートマシ
ン(熊谷理機(株)製)を用いて250mm角の金網上
に抄造し、その後脱水乾燥してシート状物を得た。この
シート状物を室温で200kg/cmの線圧でロール加
圧した後、380℃の窒素雰囲気オーブンで1時間焼成
した。これにより芳香族ポリアミドパルプ/フッ素樹脂
/潤滑成分の組成比が38/47/5で厚さが0.29
mmのシート状摺動材を得た。このシートの引張強度は
510kgf/cm2であった。また、摩擦磨耗性能を
測定した所、動摩擦係数は0.12であり、磨耗係数は
2.6×10-6mm/kgf/cm2・kmであった。
【0034】
【実施例3】潤滑成分として実施例2における二硫化モ
リブデンの代わりに、7.1gのコロイド状カーボン
(商品名:スーパーコロハイト#16(日本黒鉛工業
(株)製、固形分22%、平均粒径0.3μm))を添加
して同様にシートを作製した。これにより、芳香族ポリ
アミドパルプ/フッ素樹脂/潤滑成分の重量比が38/
57/5である0.30mmのシート状摺動材を得た。
このシートの引張強度は467kgf/cm2であっ
た。また、摩擦磨耗性能を測定した所、動摩擦係数は
0.12であり、磨耗係数は4.0×10-6mm/kg
f/cm2・kmであった。
【0035】
【実施例4】潤滑成分として実施例2における二硫化モ
リブデンの代わりに、7.81gのコロイド状窒化硼素
(商品名:ルービーエヌLBN5026、日本黒鉛工業
(株)製、固形分20%、平均粒径:2μm))を添加
して同様にシートを作製した。これにより、芳香族ポリ
アミドパルプ/フッ素樹脂/潤滑成分の重量比が38/
57/5である0.30mmのシート状摺動材を得た。
このシートの引張強度は 520kgf/cm2であっ
た。また摩擦磨耗性能を測定した所、動摩擦係数は0.
11であり、磨耗係数は3.0×10-6mm/kgf/
cm2・kmであった。
【0036】
【実施例5】潤滑成分として実施例1における低分子量
のPTFEの代わりに、1.98gの含水した炭素繊維
(商品名:ベスファイトHTA−C3−OW(東邦レー
ヨン(株)製、含水率21.2%、繊維直径:7μm、
繊維長3mm))を添加して同様にシートを作製した。
これにより、芳香族ポリアミドパルプ/フッ素樹脂/潤
滑成分の重量比が38/57/5である0.30mmの
シート状摺動材を得た。このシートの引張強度は440
kgf/cm2であった。また、摩擦磨耗性能を測定し
た所、動摩擦係数は0.13であり、磨耗係数は5.3
×10-6mm/kgf/cm2・kmであった。
【0037】
【実施例6】潤滑成分として実施例2における二硫化モ
リブデンの変わりに、1.56gのブロンズ粉(福田金
属箔粉工業(株)製、品番Bro−Q−350、粒径:
44μm以下)を添加して同様にシートを作製した。こ
れにより、芳香族ポリアミドパルプ/フッ素樹脂/潤滑
成分の重量比が38/57/5である0.31mmのシ
ート状摺動材を得た。このシートの引張強度は472k
gf/cm2であった。また、摩擦磨耗性能を測定した
所、動摩擦係数は0.13であり、磨耗係数は4.5×
10-6mm/kgf/cm2・kmであった。
【0038】
【比較例1】実施例2と同様であるが、潤滑成分を添加
しないで同様にシートを作製した。これにより、芳香族
ポリアミドパルプ/フッ素樹脂の重量比が40/60で
ある0.3mmのフッ素樹脂シートを得た。このシート
の引張強度は420kgf/cm2であった。また、摩
擦磨耗性能を測定した所、動摩擦係数は0.17であ
り、磨耗係数は3.5×10-5mm/kgf/cm2・k
mであった。
【0039】
【実施例7】実施例1と同様にフッ素樹脂シートを所定
枚数抄造した。そして、得られたシートを、120mm
×120mmに切断し、67枚の同形状のシートを作製
した。そのシートを大気中、260℃で8時間加熱し
て、シート中に含まれる界面活性剤、タンニン酸を除外
した。次に、シートを積層して面圧1000kgf/c
2でプレスしてプレフォームを得た。このプレフォー
ムを窒素中で380℃に1時間保持して焼成を行った。
これにより芳香族ポリアミドパルプ/フッ素樹脂/潤滑
成分の組成比が36/55/9で、120mm×120
mm×20mmの積層摺動材を得た。摺動材の曲げ強度
は、631kgf/cm2であり、リング状の試験片を
作製して摩擦磨耗試験を行った結果、磨耗係数は、2.
8×10-5mm/(km・kgf/cm2)で、摩擦係
数は0.15であった。
【0040】
【比較例2】比較例1と同様に高分子量のPTFE及び
潤滑成分を含まないフッ素樹脂シートを所定枚数、抄造
し、実施例7と同様に、120mm×120mm×20
mmの積層摺動材を得た。摺動材の曲げ強度は、621
kgf/cm2であり、リング状の試験片を作製して摩
擦磨耗試験を行った結果、磨耗係数は、7.0×10-5
mm/(km・kgf/cm2)で、摩擦係数は0.20
であった。表1に結果をまとめて示す。
【0041】
【表1】 組 成(%) 潤滑成分 動摩擦係数 アラミドパルプ/フッ素樹脂/潤滑成分 −シート状摺動材− 実施例1 36/55/9 低分子PTFE 0.12 実施例2 38/57/5 二硫化モリブデン 0.12 実施例3 38/57/5 カーボン(粒状) 0.12 実施例4 38/57/5 窒化硼素 0.11 実施例5 38/57/5 カーボン(繊維状)0.13 実施例6 38/57/5 ブロンズ 0.13 比較例1 40/60/− − 0.17 −ブロック状摺動材− 実施例7 36/55/9 低分子PTFE 0.15 比較例2 40/60/− − 0.20
【0042】
【発明の効果】本発明により、芳香族ポリアミドパルプ
とフッ素樹脂粉末及び潤滑成分が均一に分散し、機械的
特性と摩擦磨耗性能に優れたフッ素樹脂系シート及びシ
ート積層複合体を得ることができる。本発明の方法にお
いて、従来の一般的な抄造方法を適用することができる
ので、簡便な装置及び操作により、芳香族ポリアミドパ
ルプと潤滑成分をフッ素樹脂中に均一に分散させること
が容易にでき、工業的に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16C 33/24 F16C 33/24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミドパルプ及びフッ素樹脂
    を含有してなるフッ素樹脂系シートにおいて、シート重
    量に基づき0.5から25重量%の量の潤滑成分を含有
    し、かつ引張強度が250kgf/cm2以上であるこ
    とを特徴とするフッ素樹脂系シート。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリアミドパルプ、フッ素樹脂、
    及び潤滑成分を水系分散剤液から抄造して得られた請求
    項1記載のフッ素樹脂系シート。
  3. 【請求項3】 下記の(イ)乃至(ハ)の工程を有する
    ことを特徴とする、芳香族ポリアミドパルプ及びフッ素
    樹脂を含有してなるフッ素樹脂系シートであって、シー
    ト重量に基づき0.5から25重量%の量の潤滑成分を
    含有しかつ、引張強度が250kgf/cm2以上であ
    るフッ素樹脂系シートの製造方法 (イ) 芳香族ポリアミドパルプ、フッ素樹脂粉末、及
    び潤滑成分が水中に分散した分散液において、該フッ素
    樹脂粉末と潤滑成分を凝集剤により不安定化して該フッ
    素樹脂粉末及び潤滑成分を芳香族ポリアミドパルプに沈
    着させる工程、(ロ) フッ素樹脂粉末と潤滑成分が沈
    着した上記芳香族ポリアミドパルプを抄造し、乾燥して
    シート状物を得る工程、(ハ)該シート状物を加圧及び
    焼成する工程。
  4. 【請求項4】 前記工程(イ)で用いられる芳香族ポリ
    アミドパルプが、3〜25m2/gのBET比表面積を
    有する芳香族ポリアミドパルプであり、フッ素樹脂粉末
    が、0.01〜10μmの平均粒径を有するフッ素樹脂
    粉末であり、潤滑成分が、カーボン、二硫化モリブデ
    ン、ブロンズ、窒化硼素、低分子量のフッ素樹脂から選
    ばれた一又は数種類のものであることを特徴とする請求
    項3記載のフッ素樹脂系シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のフッ素樹脂系シートから
    なることを特徴とする摺動材。
  6. 【請求項6】 芳香族ポリアミドパルプ、フッ素樹脂、
    及び潤滑成分を含有してなるシート積層体において、積
    層体重量に基づき0.5から25重量%の量の潤滑成分
    を含有し、かつ曲げ強度が500kgf/cm2以上で
    あることを特徴とするシート積層体。
  7. 【請求項7】 下記の(イ)乃至(ニ)の工程を有する
    ことを特徴とする、芳香族ポリアミドパルプ及びフッ素
    樹脂を含有してなるシートの積層体であって、積層体重
    量に基づき0.5から25重量%の量の潤滑成分を含有
    しかつ曲げ強度が500kgf/cm2以上であるシー
    ト積層体の製造方法 (イ) 芳香族ポリアミドパルプ、フッ素樹脂粉末、及
    び潤滑成分が水中に分散した分散液において、該フッ素
    樹脂粉末と潤滑成分を凝集剤により不安定化して該フッ
    素樹脂粉末及び潤滑成分を芳香族ポリアミドパルプに沈
    着させる工程、(ロ) フッ素樹脂粉末と潤滑成分が沈
    着した上記芳香族ポリアミドパルプを抄造し、乾燥して
    シート状物を得る工程、(ハ) 該シート状物をフッ素
    樹脂の融点以下の温度で加熱して、揮発成分を除去する
    工程(ニ) 複数の該シート状物を積層、加圧した後、
    焼成する工程。
  8. 【請求項8】 前記工程(イ)で用いられる芳香族ポリ
    アミドパルプが、3〜25m2/gのBET比表面積を
    有する芳香族ポリアミドパルプであり、フッ素樹脂粉末
    が、0.01〜10μmの平均粒径を有するフッ素樹脂
    粉末であり、潤滑成分が、カーボン、二硫化モリブデ
    ン、ブロンズ、窒化硼素、低分子量のフッ素樹脂から選
    ばれた一又は数種類のものであることを特徴とする請求
    項7記載のシート積層体の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の積層体からなることを特
    徴とする摺動材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010046618A (ja) * 2008-08-22 2010-03-04 Asahi Glass Co Ltd フッ素樹脂塗膜の形成方法
JP4754781B2 (ja) * 2001-07-24 2011-08-24 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 低摩擦軸受表面用の不織材料

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