JP3592591B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の排泄物を吸収保持するための使い捨ておむつに関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開平１０−３２８２３４号公報は、トップシートとバックシートとの間に吸液性コアが介在し、互いに対向離間して長手方向へ延びる一対の防漏カフと、前後胴周り域に位置し、防漏カフの間で幅方向へ延びる一対の端部カフとが取り付けられた使い捨ておむつを開示している。端部カフは、前後胴周り域の両端部に沿ってトップシートに固着された固定端部と、おむつの内方へ向かって対向する自由端部と、防漏カフに固着された両側縁部とを有する。端部カフの自由端部には、弾性部材が伸長状態で取り付けられている。このおむつでは、トップシートと端部カフとがおむつの長手方向内方へ向かって開口するポケットを形成することで、おむつの前後端部からの排泄物の漏れ防止が図られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に開示のおむつは、前後胴周り域におむつの内方へ向かって開口するポケットを形成するため、それら胴周り域に端部カフを取り付けなければならない。また、このおむつの着用時では、着用者の腹部と背部とでおむつの前後胴周り域が押圧されるので、トップシートと端部カフとが互いに密着してポケットが塞がってしまう場合がある。
【０００４】
本発明の課題は、前後胴周り域に端部シートを取り付けることなく、ポケットを形成することができ、そのポケットが着用時に塞がり難い使い捨ておむつを提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために、本発明は、透液性トップシートと、不透液性バックシートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから積層パネルが構成され、前記パネルが、前胴周り域と、後胴周り域と、前記前後胴周り域の間に位置する股下域と、前記コアの両側縁の外側に位置して長手方向へ延びる一対のサイドフラップと、前記コアの両側縁近傍で前記長手方向へ延びていて弾性的な伸縮性によって前記パネルの上方へ起立性向を有する一対の防漏カフとを備えた使い捨ておむつを改良することにある。
【０００６】
改良にかかる本発明が特徴とするところは、前記前後胴周り域の少なくとも一方には、前記コアの端縁から長手方向外側へ所要の寸法離間して幅方向へ延びる第１領域と、前記コアの端縁と前記第１領域との間で幅方向へ延びる第２領域とが画成され、前記第２領域の剛性が、前記第１領域と前記コアが介在する第３領域とのそれよりも低く、前記第１領域の長手方向の寸法が、２０〜５０ｍｍの範囲にあり、前記第２領域の長手方向の寸法が、１５〜７０ｍｍの範囲にあり、前記カフの前記前後胴周り域に位置する長手方向端部が、前記パネルの内側へ倒伏された状態で前記第１領域上に固着され、前記第１領域が、前記カフの収縮によって前記第３領域の方向へ引き寄せられ、前記第２領域の前記第１領域側に位置する第１部位が、前記パネルの上方へ起立して障壁を形成し、前記第２領域の第１部位と前記第３領域側に位置する第２部位とが、前記パネルの下方へ凹むとともに該パネルの長手方向内方へ向かって開口するポケットを形成していることにある。
【０００７】
本発明の実施の態様の一例としては、前記第１〜３領域の剛性が、前記第１，３領域＞前記第２領域の関係にあり、ガーレー法によって測定したときの剛性値が、前記第３領域で０．０５〜０．５ｍｇの範囲、前記第１領域で０．１〜２．０ｍｇの範囲、前記第２領域で０．０１〜０．２ｍｇの範囲にあり、前記おむつから切り離した前記カフの切片を前記切片の長手方向全長に対して９３．３％まで伸長するのに要する引張り力が、２０〜３００ｇｆの範囲にある。
【０００８】
【０００９】
【００１０】
本発明の実施の態様の他の一例として、前記第１領域には、弾性的に伸縮可能なシート状の、ポリウレタンフォーム、合成ゴムフォーム、ポリスチレンフォーム、または、弾性的に伸縮可能なウレタンフィルムのいずれかが、前記トップシートと前記バックシートとの間に伸長状態で固着されている。
【００１１】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明に係る使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【００１２】
図１，２は、おむつの部分破断斜視図と、図１のＡ−Ａ線矢視断面図とである。おむつは、透液性トップシート２と、不透液性バックシート３と、トップシート２とバックシート３との間に介在し、それらシート２，３の少なくとも一方の内面に接合された吸液性コア４とを有する積層パネル１から構成されている。
【００１３】
パネル１は、長手方向に前胴周り域２０と、後胴周り域２２と、それら前後胴周り域２０，２２の間に位置する股下域２１とを有する。パネル１は、コア４の両側縁４ａの外側に位置してパネル１の長手方向へ延びる一対のサイドフラップ５と、パネル１の長手方向へ延びていてパネル１の上方へ起立性向を有する一対の防漏カフ６とを有する。
【００１４】
パネル１の後胴周り域２２には、コア４の端縁４ｂから長手方向外方へ所要の寸法離間してパネル１の幅方向へ延びる第１領域２３と、コア４の端縁４ｂと第１領域２３との間に位置してパネル１の幅方向へ延びる第２領域２４とが形成されている。パネル１では、第１領域２３とコア４が介在する第３領域との間において、第２領域２４がパネル１の長手方向内側へ向かって開口するポケットＰ１を形成し、第２領域２４とカフ６とがパネル１の幅方向内側へ向かって開口するポケットＰ２を形成している。
【００１５】
パネル１の後胴周り域２２では、基端部がパネル１に取り付けられた一対のテープファスナ１０がパネル１の幅方向内方へ延びている。パネル１の前胴周り域２０には、テープファスナ１０の止着域となる矩形のターゲットテープ１１がバックシート３の外面に取り付けられている。
【００１６】
サイドフラップ５は、股下域２１においてパネル１の幅方向内側へ弧を画いて延びている。サイドフラップ５には、脚周り用弾性部材７が取り付けられている。脚周り用弾性部材７は、トップシート２とバックシート３との間に介在し、それらシート２，３の少なくとも一方の内面に伸長状態で固着されている。
【００１７】
カフ６は、トップシート２の外面に固着されてパネル１の長手方向へ延びる固定側縁部６ａと、固定側縁部６ａと対向して長手方向へ延びる自由側縁部６ｂと、パネル１の前後胴周り域２０，２２に位置する長手方向両端部６ｃとを有する。カフ６には、弾性部材８が自由側縁部６ｂに被覆された状態で伸長下に取り付けられている。後胴周り域２２では、カフ６の長手方向端部６ｃがパネル１の内側へ倒伏された状態で、第１領域２３上と第１領域２３からパネル１の長手方向外側へ延びる後胴周り域２２の端縁部とに固着されている。前胴周り域２０では、カフ６の長手方向端部６ｃがパネル１の内側へ倒伏された状態で、前胴周り域２０の端縁部に固着されている（図３参照）。カフ６は、弾性部材８の収縮力に抗してカフ６を長手方向へ伸長させたときの長手方向端部６ｃの間の寸法が４５０〜５３０ｍｍの範囲、固定側縁部６ａと自由側縁部６ｂとの間の寸法が２０〜５０ｍｍの範囲にあることが好ましい。
【００１８】
第１領域２３は、トップシート２の部分とバックシート３の部分とそれらシート２，３の部分の間に介在する弾性部材９とから形成されている。弾性部材９は、パネル１の幅方向へ伸縮可能であって、それらシート２，３の部分の内面に伸長状態で固着されている。第２領域２４は、トップシート２の部分とバックシート３の部分とから形成され、それらシート２，３の部分の内面が互いに固着されている。第２領域２４には、弾性部材９とコア４とが介在していないので、第２領域２４の剛性が第１領域２３と第３領域２５との剛性と比較して低い。
【００１９】
後胴周り域２２では、弾性部材８の収縮によってカフ６の自由端部６ｂがパネル１の長手方向内方へ収縮し、第１領域２３が第３領域２５の方向へ引き寄せられるとともに、第１領域２３が第３領域２５よりもパネル１の上方へ持ち上げられて第１領域２３と第３領域２５との間に段差が形成されている。
【００２０】
第２領域２４では、第１領域２３の側に位置する部位２４ａ（第１部位）がパネル１の上面を被覆するようにパネル１の上方へ起立して障壁を形成するとともに、部位２４ａと第３領域２５の側に位置する部位２４ｂ（第２部位）とがパネル１の長手方向内方へ向かって開口するポケットＰ１を形成している。ポケットＰ１は、パネル１の下方へ凹んでいるので、着用者の臀部がポケットＰ１をパネル１の上方から下方へ押圧しても、ポケットＰ１が塞がってしまうことはない。
【００２１】
図１では、パネル１が、その内面を内側にして長手方向へ湾曲し、弾性部材７，８，９の伸長状態が解除されて後胴周り域２２とサイドフラップ５とカフ６とにギャザーが形成されている。
【００２２】
図３は、図１におけるおむつの平面図である。ガーレー法によって測定したときの剛性値それぞれは、第３領域２５が０．０５〜０．５ｍｇの範囲、第１領域２３が０．１〜２．０ｍｇの範囲、第２領域２４が０．０１〜０．２ｍｇの範囲にある。それら領域２３，２４，２５では、第１領域２３と第３領域２５との剛性が第２領域２４のそれよりも高ければよく、上記剛性値の上限と下限とにおいて値を適宜選択することができる。
【００２３】
第１領域２３の剛性値が０．１ｍｇ未満、第３領域２５の剛性値が０．０５ｍｇ未満であると、カフ６の自由側縁部６ｂがパネル１の長手方向内方へ収縮したときに、第１領域２３と第３領域２５とがパネル１の長手方向に縮むだけで、第１領域２３と第３領域２５との間に段差ができず、第２領域２４の部位２４ａ，２４ｂが障壁やポケットＰ１を形成しない場合がある。第２領域２４の剛性が０．０１ｍｇ未満であると、第２領域２４に多数の皺が形成されるので、ポケットＰ１の形状を保持することができない場合がある。
【００２４】
第１領域２３の剛性値が２．０ｍｇを超え、第３領域２５の剛性値が０．５ｍｇを超えると、それら領域２３，２５が着用者に硬い感触を与え、パネル１の着用感が損なわれる。第２領域２４の剛性が０．２ｍｇを超えると、カフ６の自由側縁部６ｂがパネル１の長手方向内方へ収縮しても第２領域２４が突っ張ったままで、第１領域２３を第３領域２５の方向へ引き寄せることができず、第２領域２４の部位２４ａ，２４ｂが障壁やポケットＰ１を形成しない場合がある。
【００２５】
弾性部材８を含むカフ６をパネル１から切り離し、カフ６の切片を切片の長手方向全長に対して９３．３％まで伸長するのに要する引張り力は、２０〜３００ｇｆの範囲、好ましくは３０〜５０ｇｆの範囲である。切片の引張り力が２０ｇｆ未満であると、第２領域２４の剛性にもよるが、カフ６がパネル１の長手方向内方へ収縮しても、第１領域２３を第３領域２５の方向へ引き寄せることができない場合がある。切片の引張り力が３００ｇｆを超えると、第１，２領域２３，２４の剛性にもよるが、パネル１が第２領域２４で折曲されて第１領域２３が第３領域２５へ倒伏してしまう場合があり、第２領域２４の部位２４ａ，２４ｂがポケットＰ１を形成しないのみならず、パネル１の着用時に第１領域２３を折り返さなければならない。
【００２６】
ここで、引張り力とは、引張り試験機を使用して切片を切片の全長に対して長手方向へ９３．３％まで伸長したときの試験機が切片を引っ張る力、換言すれば、切片の収縮力である。引張り力の測定は、以下の方法により行った。カフ６をその固定側縁部６ａと長手方向両端部６ｃとにおいてトップシート２から切り離し、長手方向へ伸長させたときの全長が４５０〜５３０ｍｍの範囲、幅方向の寸法が２０〜５０ｍｍの範囲にあるカフ６の切片を試料とした。弾性部材８の収縮により縮んだ状態にある切片の長手方向両端部を略１０ｍｍの寸法で試験機のチャックに挟み、１００ｍｍ／ｍｉｎの速度で切片をその全長に対して９３．３％まで伸長させ、その後、伸長状態を解除した。再度、切片をその全長に対して９３．３％まで伸長させ、そのときの試験機にかかる力を測定した。切片を９３．３％まで伸長させるとは、切片の全長が４５０ｍｍの場合、チャックに挟まれた寸法略２０ｍｍを減じた４２０ｍｍに０．９３３を乗じた値である略４００ｍｍまで切片を伸長させることである。
【００２７】
第１領域２３の長手方向の寸法Ｌ１は、１０〜７０ｍｍの範囲、好ましくは２０〜５０ｍｍの範囲である。第２領域２４の長手方向の寸法Ｌ２は、５ｍｍ〜７０ｍｍの範囲、好ましくは１５ｍｍ〜３０ｍｍの範囲である。
【００２８】
第１領域２３の寸法Ｌ１が１０ｍｍ未満であると、パネル１の着用時に着用者の肌に当接する第１領域２３の面積が小さくなるので、着用者の肌と第１領域２３との間から排泄物が漏れ出してしまう場合がある。第２領域２４の寸法Ｌ２が５ｍｍ未満であると、第１領域２４と第３領域２５との間に段差ができたとしても、第２領域２４がパネル１の上方へ起立する障壁にしかならず、ポケットＰ１を形成することができない。
【００２９】
第１領域２３の寸法Ｌ１が７０ｍｍを超えると、長手方向の寸法に自ずと限界があるパネル１の排泄物吸収機能を維持するため、第３領域２５を小さくすることができないので、第２領域２４の寸法Ｌ２を小さくしなければならず、第２領域２４の寸法Ｌ２が５ｍｍ未満になってしまう場合がある。逆に、第２領域２４の寸法Ｌ２が７０ｍｍを超えると、第１領域２３の寸法Ｌ１を小さくしなければならず、第１領域２３の寸法Ｌ１が１０ｍｍ未満になってしまう場合がある。第１領域２３と第２領域２４との寸法Ｌ１，Ｌ２それぞれが７０ｍｍを超えると、パネル１全体に対する第１，２領域２３，２４の占める割合が極端に大きくなり、第３領域２５が小さくなりすぎるので、パネル１の有する排泄物吸収機能が著しく低下してしまう。
【００３０】
図４は、図３のＢ−Ｂ線断面図である。トップシート２は、弾性部材９の側縁の外側近傍で終わり、バックシート３とカフ６の部分とがトップシート２の側縁からさらに幅方向外方へ延びている。カフ６の長手方向端部６ｃは、第１領域２３上においてトップシート２の外面に固着されている。サイドフラップ５では、バックシート３とカフ６の部分との内面が互いに固着されている。
【００３１】
トップシート２には、疎水性不織布を親水化剤で処理したものや親水化剤を練り込んだ繊維で形成した親水性不織布が用いられる。なお、それら不織布に微細な開口を設けてもよい。
【００３２】
バックシート３とカフ６とには、合成樹脂フィルムまたは合成樹脂フィルムと疎水性不織布とのラミネートシート等が用いられる。カフ６には、それらシートの他に、前記引張り力が２０〜３００ｇｆの範囲にある帯状の弾性伸縮性シートを使用することができる。弾性伸縮性シートを使用する場合は、カフ６を長手方向へ伸長した状態でパネル１に取り付け、カフ６の自由側縁部６ｂに弾性部材８の取り付けを省くことができる。
【００３３】
コア４は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物であり、所要の厚みに圧縮され、全体がティシュペーパ等の透液性シート（図示せず）によって被覆されている。
【００３４】
第１領域２３に取り付けた弾性部材９としては、弾性的に伸縮可能なシート状の、ポリウレタンフォーム、合成ゴムフォーム、ポリスチレンフォーム、または、弾性的に伸縮可能なウレタンフィルムのいずれかを使用することができる。第１領域２３には、それら弾性部材９を取り付けることの他に、剛性を高くする手段として、トップシート２とバックシート３との間にホットメルト接着剤等を帯状に塗布してもよい。また、複数の糸状弾性部材をトップシート２とバックシート３との間に介在させ、糸状弾性部材をそれらシート２，３の少なくとも一方に固着して帯状を呈するようにすることや、非伸縮性の帯状のプラスチックシートをトップシート２とバックシート３との間に介在させ、プラスチックシートをそれらシート２，３の少なくとも一方に固着することもできる。
【００３５】
コア４の接合、弾性部材７，８，９の固着や取り付け、シート２，３やカフ６の固着等には、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤の他に、熱溶着の技術を利用することができる。
【００３６】
カフ６の端部６ｃそれぞれは、パネル１の外側へ倒伏された状態で第１領域２３上に固着されていてもよく、コア４の端縁４ｂよりも長手方向外側であって第１領域２３上に固着されていることを条件に、第２領域２４上に固着されていてもよい。図３では、第１領域２３がカフ６の固定側縁部６ａよりもパネル１の幅方向外側へ延びているが、少なくともカフ６の固定側縁部６ａの間に形成されていればよい。
【００３７】
この発明は、後胴周り域２２の他に、または、後胴周り域２２とともに、前胴周り域２０に第１，２領域２３，２４とを形成し、前後胴周り域２０，２２にパネル１の長手方向内側へ向かって開口するポケットＰ１とパネル１の幅方向内側へ向かって開口するポケットＰ２とを形成してもよい。
【００３８】
【発明の効果】
本発明に係る使い捨ておむつによれば、前後胴周り域のいずれか一方に形成された第１領域がカフの収縮によりコアが介在する第３領域の方向へ引き寄せられるとともに、第１領域と第３領域との間に段差が形成され、第１領域と第３領域との間に位置する第２領域の第１領域側に位置する第１部位がパネルの上方へ起立して障壁を形成し、第２領域の第１部位と前記第３領域側に位置する第２部位とがパネルの下方へ凹んでパネルの長手方向内方へ向かって開口するポケットを形成するとともに、第２領域とカフとがパネルの幅方向内側へ向かって開口するポケットを形成する。ゆえに、ポケットを形成するために、前記従来技術のおむつのように端部シートを前後胴周り域に取り付ける必要はない。
【００３９】
おむつでは、パネルの長手方向内側へ向かって開口するポケットがパネルの下方へ凹んでいるので、着用者の臀部がポケットをおむつの上方から下方へ押圧しても、ポケットが塞がってしまうことはない。
【００４０】
おむつでは、第１領域と第３領域とに段差が形成され、第３領域よりも上方に位置する第１領域が着用者の肌に密着するので、前後胴周り域の端部と着用者の肌との間に隙間が生ずることを防止することができ、排泄物の漏れ防止の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】使い捨ておむつの部分破断斜視図。
【図２】図１のＡ−Ａ線矢視断面図。
【図３】図１におけるおむつの平面図。
【図４】図３のＢ−Ｂ線断面。
【符号の説明】
１ 積層パネル
２ 透液性トップシート
３ 不透液性バックシート
４ 吸液性コア
４ａ 側縁
４ｂ 端縁
５ サイドフラップ
６ 防漏カフ
６ｃ 長手方向両端部
８ 弾性部材
９ 弾性部材
２０ 前胴周り域
２１ 股下域
２２ 後胴周り域
２３ 第１領域
２４ 第２領域
２４ａ 部位（第１部位）
２４ｂ 部位（第２部位）
２５ 第３領域
Ｌ１ 寸法
Ｌ２ 寸法
Ｐ１ ポケット
Ｐ２ ポケット
【発明の属する技術分野】
本発明は、人体の排泄物を吸収保持するための使い捨ておむつに関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開平１０−３２８２３４号公報は、トップシートとバックシートとの間に吸液性コアが介在し、互いに対向離間して長手方向へ延びる一対の防漏カフと、前後胴周り域に位置し、防漏カフの間で幅方向へ延びる一対の端部カフとが取り付けられた使い捨ておむつを開示している。端部カフは、前後胴周り域の両端部に沿ってトップシートに固着された固定端部と、おむつの内方へ向かって対向する自由端部と、防漏カフに固着された両側縁部とを有する。端部カフの自由端部には、弾性部材が伸長状態で取り付けられている。このおむつでは、トップシートと端部カフとがおむつの長手方向内方へ向かって開口するポケットを形成することで、おむつの前後端部からの排泄物の漏れ防止が図られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報に開示のおむつは、前後胴周り域におむつの内方へ向かって開口するポケットを形成するため、それら胴周り域に端部カフを取り付けなければならない。また、このおむつの着用時では、着用者の腹部と背部とでおむつの前後胴周り域が押圧されるので、トップシートと端部カフとが互いに密着してポケットが塞がってしまう場合がある。
【０００４】
本発明の課題は、前後胴周り域に端部シートを取り付けることなく、ポケットを形成することができ、そのポケットが着用時に塞がり難い使い捨ておむつを提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために、本発明は、透液性トップシートと、不透液性バックシートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから積層パネルが構成され、前記パネルが、前胴周り域と、後胴周り域と、前記前後胴周り域の間に位置する股下域と、前記コアの両側縁の外側に位置して長手方向へ延びる一対のサイドフラップと、前記コアの両側縁近傍で前記長手方向へ延びていて弾性的な伸縮性によって前記パネルの上方へ起立性向を有する一対の防漏カフとを備えた使い捨ておむつを改良することにある。
【０００６】
改良にかかる本発明が特徴とするところは、前記前後胴周り域の少なくとも一方には、前記コアの端縁から長手方向外側へ所要の寸法離間して幅方向へ延びる第１領域と、前記コアの端縁と前記第１領域との間で幅方向へ延びる第２領域とが画成され、前記第２領域の剛性が、前記第１領域と前記コアが介在する第３領域とのそれよりも低く、前記第１領域の長手方向の寸法が、２０〜５０ｍｍの範囲にあり、前記第２領域の長手方向の寸法が、１５〜７０ｍｍの範囲にあり、前記カフの前記前後胴周り域に位置する長手方向端部が、前記パネルの内側へ倒伏された状態で前記第１領域上に固着され、前記第１領域が、前記カフの収縮によって前記第３領域の方向へ引き寄せられ、前記第２領域の前記第１領域側に位置する第１部位が、前記パネルの上方へ起立して障壁を形成し、前記第２領域の第１部位と前記第３領域側に位置する第２部位とが、前記パネルの下方へ凹むとともに該パネルの長手方向内方へ向かって開口するポケットを形成していることにある。
【０００７】
本発明の実施の態様の一例としては、前記第１〜３領域の剛性が、前記第１，３領域＞前記第２領域の関係にあり、ガーレー法によって測定したときの剛性値が、前記第３領域で０．０５〜０．５ｍｇの範囲、前記第１領域で０．１〜２．０ｍｇの範囲、前記第２領域で０．０１〜０．２ｍｇの範囲にあり、前記おむつから切り離した前記カフの切片を前記切片の長手方向全長に対して９３．３％まで伸長するのに要する引張り力が、２０〜３００ｇｆの範囲にある。
【０００８】
【０００９】
【００１０】
本発明の実施の態様の他の一例として、前記第１領域には、弾性的に伸縮可能なシート状の、ポリウレタンフォーム、合成ゴムフォーム、ポリスチレンフォーム、または、弾性的に伸縮可能なウレタンフィルムのいずれかが、前記トップシートと前記バックシートとの間に伸長状態で固着されている。
【００１１】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、本発明に係る使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【００１２】
図１，２は、おむつの部分破断斜視図と、図１のＡ−Ａ線矢視断面図とである。おむつは、透液性トップシート２と、不透液性バックシート３と、トップシート２とバックシート３との間に介在し、それらシート２，３の少なくとも一方の内面に接合された吸液性コア４とを有する積層パネル１から構成されている。
【００１３】
パネル１は、長手方向に前胴周り域２０と、後胴周り域２２と、それら前後胴周り域２０，２２の間に位置する股下域２１とを有する。パネル１は、コア４の両側縁４ａの外側に位置してパネル１の長手方向へ延びる一対のサイドフラップ５と、パネル１の長手方向へ延びていてパネル１の上方へ起立性向を有する一対の防漏カフ６とを有する。
【００１４】
パネル１の後胴周り域２２には、コア４の端縁４ｂから長手方向外方へ所要の寸法離間してパネル１の幅方向へ延びる第１領域２３と、コア４の端縁４ｂと第１領域２３との間に位置してパネル１の幅方向へ延びる第２領域２４とが形成されている。パネル１では、第１領域２３とコア４が介在する第３領域との間において、第２領域２４がパネル１の長手方向内側へ向かって開口するポケットＰ１を形成し、第２領域２４とカフ６とがパネル１の幅方向内側へ向かって開口するポケットＰ２を形成している。
【００１５】
パネル１の後胴周り域２２では、基端部がパネル１に取り付けられた一対のテープファスナ１０がパネル１の幅方向内方へ延びている。パネル１の前胴周り域２０には、テープファスナ１０の止着域となる矩形のターゲットテープ１１がバックシート３の外面に取り付けられている。
【００１６】
サイドフラップ５は、股下域２１においてパネル１の幅方向内側へ弧を画いて延びている。サイドフラップ５には、脚周り用弾性部材７が取り付けられている。脚周り用弾性部材７は、トップシート２とバックシート３との間に介在し、それらシート２，３の少なくとも一方の内面に伸長状態で固着されている。
【００１７】
カフ６は、トップシート２の外面に固着されてパネル１の長手方向へ延びる固定側縁部６ａと、固定側縁部６ａと対向して長手方向へ延びる自由側縁部６ｂと、パネル１の前後胴周り域２０，２２に位置する長手方向両端部６ｃとを有する。カフ６には、弾性部材８が自由側縁部６ｂに被覆された状態で伸長下に取り付けられている。後胴周り域２２では、カフ６の長手方向端部６ｃがパネル１の内側へ倒伏された状態で、第１領域２３上と第１領域２３からパネル１の長手方向外側へ延びる後胴周り域２２の端縁部とに固着されている。前胴周り域２０では、カフ６の長手方向端部６ｃがパネル１の内側へ倒伏された状態で、前胴周り域２０の端縁部に固着されている（図３参照）。カフ６は、弾性部材８の収縮力に抗してカフ６を長手方向へ伸長させたときの長手方向端部６ｃの間の寸法が４５０〜５３０ｍｍの範囲、固定側縁部６ａと自由側縁部６ｂとの間の寸法が２０〜５０ｍｍの範囲にあることが好ましい。
【００１８】
第１領域２３は、トップシート２の部分とバックシート３の部分とそれらシート２，３の部分の間に介在する弾性部材９とから形成されている。弾性部材９は、パネル１の幅方向へ伸縮可能であって、それらシート２，３の部分の内面に伸長状態で固着されている。第２領域２４は、トップシート２の部分とバックシート３の部分とから形成され、それらシート２，３の部分の内面が互いに固着されている。第２領域２４には、弾性部材９とコア４とが介在していないので、第２領域２４の剛性が第１領域２３と第３領域２５との剛性と比較して低い。
【００１９】
後胴周り域２２では、弾性部材８の収縮によってカフ６の自由端部６ｂがパネル１の長手方向内方へ収縮し、第１領域２３が第３領域２５の方向へ引き寄せられるとともに、第１領域２３が第３領域２５よりもパネル１の上方へ持ち上げられて第１領域２３と第３領域２５との間に段差が形成されている。
【００２０】
第２領域２４では、第１領域２３の側に位置する部位２４ａ（第１部位）がパネル１の上面を被覆するようにパネル１の上方へ起立して障壁を形成するとともに、部位２４ａと第３領域２５の側に位置する部位２４ｂ（第２部位）とがパネル１の長手方向内方へ向かって開口するポケットＰ１を形成している。ポケットＰ１は、パネル１の下方へ凹んでいるので、着用者の臀部がポケットＰ１をパネル１の上方から下方へ押圧しても、ポケットＰ１が塞がってしまうことはない。
【００２１】
図１では、パネル１が、その内面を内側にして長手方向へ湾曲し、弾性部材７，８，９の伸長状態が解除されて後胴周り域２２とサイドフラップ５とカフ６とにギャザーが形成されている。
【００２２】
図３は、図１におけるおむつの平面図である。ガーレー法によって測定したときの剛性値それぞれは、第３領域２５が０．０５〜０．５ｍｇの範囲、第１領域２３が０．１〜２．０ｍｇの範囲、第２領域２４が０．０１〜０．２ｍｇの範囲にある。それら領域２３，２４，２５では、第１領域２３と第３領域２５との剛性が第２領域２４のそれよりも高ければよく、上記剛性値の上限と下限とにおいて値を適宜選択することができる。
【００２３】
第１領域２３の剛性値が０．１ｍｇ未満、第３領域２５の剛性値が０．０５ｍｇ未満であると、カフ６の自由側縁部６ｂがパネル１の長手方向内方へ収縮したときに、第１領域２３と第３領域２５とがパネル１の長手方向に縮むだけで、第１領域２３と第３領域２５との間に段差ができず、第２領域２４の部位２４ａ，２４ｂが障壁やポケットＰ１を形成しない場合がある。第２領域２４の剛性が０．０１ｍｇ未満であると、第２領域２４に多数の皺が形成されるので、ポケットＰ１の形状を保持することができない場合がある。
【００２４】
第１領域２３の剛性値が２．０ｍｇを超え、第３領域２５の剛性値が０．５ｍｇを超えると、それら領域２３，２５が着用者に硬い感触を与え、パネル１の着用感が損なわれる。第２領域２４の剛性が０．２ｍｇを超えると、カフ６の自由側縁部６ｂがパネル１の長手方向内方へ収縮しても第２領域２４が突っ張ったままで、第１領域２３を第３領域２５の方向へ引き寄せることができず、第２領域２４の部位２４ａ，２４ｂが障壁やポケットＰ１を形成しない場合がある。
【００２５】
弾性部材８を含むカフ６をパネル１から切り離し、カフ６の切片を切片の長手方向全長に対して９３．３％まで伸長するのに要する引張り力は、２０〜３００ｇｆの範囲、好ましくは３０〜５０ｇｆの範囲である。切片の引張り力が２０ｇｆ未満であると、第２領域２４の剛性にもよるが、カフ６がパネル１の長手方向内方へ収縮しても、第１領域２３を第３領域２５の方向へ引き寄せることができない場合がある。切片の引張り力が３００ｇｆを超えると、第１，２領域２３，２４の剛性にもよるが、パネル１が第２領域２４で折曲されて第１領域２３が第３領域２５へ倒伏してしまう場合があり、第２領域２４の部位２４ａ，２４ｂがポケットＰ１を形成しないのみならず、パネル１の着用時に第１領域２３を折り返さなければならない。
【００２６】
ここで、引張り力とは、引張り試験機を使用して切片を切片の全長に対して長手方向へ９３．３％まで伸長したときの試験機が切片を引っ張る力、換言すれば、切片の収縮力である。引張り力の測定は、以下の方法により行った。カフ６をその固定側縁部６ａと長手方向両端部６ｃとにおいてトップシート２から切り離し、長手方向へ伸長させたときの全長が４５０〜５３０ｍｍの範囲、幅方向の寸法が２０〜５０ｍｍの範囲にあるカフ６の切片を試料とした。弾性部材８の収縮により縮んだ状態にある切片の長手方向両端部を略１０ｍｍの寸法で試験機のチャックに挟み、１００ｍｍ／ｍｉｎの速度で切片をその全長に対して９３．３％まで伸長させ、その後、伸長状態を解除した。再度、切片をその全長に対して９３．３％まで伸長させ、そのときの試験機にかかる力を測定した。切片を９３．３％まで伸長させるとは、切片の全長が４５０ｍｍの場合、チャックに挟まれた寸法略２０ｍｍを減じた４２０ｍｍに０．９３３を乗じた値である略４００ｍｍまで切片を伸長させることである。
【００２７】
第１領域２３の長手方向の寸法Ｌ１は、１０〜７０ｍｍの範囲、好ましくは２０〜５０ｍｍの範囲である。第２領域２４の長手方向の寸法Ｌ２は、５ｍｍ〜７０ｍｍの範囲、好ましくは１５ｍｍ〜３０ｍｍの範囲である。
【００２８】
第１領域２３の寸法Ｌ１が１０ｍｍ未満であると、パネル１の着用時に着用者の肌に当接する第１領域２３の面積が小さくなるので、着用者の肌と第１領域２３との間から排泄物が漏れ出してしまう場合がある。第２領域２４の寸法Ｌ２が５ｍｍ未満であると、第１領域２４と第３領域２５との間に段差ができたとしても、第２領域２４がパネル１の上方へ起立する障壁にしかならず、ポケットＰ１を形成することができない。
【００２９】
第１領域２３の寸法Ｌ１が７０ｍｍを超えると、長手方向の寸法に自ずと限界があるパネル１の排泄物吸収機能を維持するため、第３領域２５を小さくすることができないので、第２領域２４の寸法Ｌ２を小さくしなければならず、第２領域２４の寸法Ｌ２が５ｍｍ未満になってしまう場合がある。逆に、第２領域２４の寸法Ｌ２が７０ｍｍを超えると、第１領域２３の寸法Ｌ１を小さくしなければならず、第１領域２３の寸法Ｌ１が１０ｍｍ未満になってしまう場合がある。第１領域２３と第２領域２４との寸法Ｌ１，Ｌ２それぞれが７０ｍｍを超えると、パネル１全体に対する第１，２領域２３，２４の占める割合が極端に大きくなり、第３領域２５が小さくなりすぎるので、パネル１の有する排泄物吸収機能が著しく低下してしまう。
【００３０】
図４は、図３のＢ−Ｂ線断面図である。トップシート２は、弾性部材９の側縁の外側近傍で終わり、バックシート３とカフ６の部分とがトップシート２の側縁からさらに幅方向外方へ延びている。カフ６の長手方向端部６ｃは、第１領域２３上においてトップシート２の外面に固着されている。サイドフラップ５では、バックシート３とカフ６の部分との内面が互いに固着されている。
【００３１】
トップシート２には、疎水性不織布を親水化剤で処理したものや親水化剤を練り込んだ繊維で形成した親水性不織布が用いられる。なお、それら不織布に微細な開口を設けてもよい。
【００３２】
バックシート３とカフ６とには、合成樹脂フィルムまたは合成樹脂フィルムと疎水性不織布とのラミネートシート等が用いられる。カフ６には、それらシートの他に、前記引張り力が２０〜３００ｇｆの範囲にある帯状の弾性伸縮性シートを使用することができる。弾性伸縮性シートを使用する場合は、カフ６を長手方向へ伸長した状態でパネル１に取り付け、カフ６の自由側縁部６ｂに弾性部材８の取り付けを省くことができる。
【００３３】
コア４は、フラッフパルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物であり、所要の厚みに圧縮され、全体がティシュペーパ等の透液性シート（図示せず）によって被覆されている。
【００３４】
第１領域２３に取り付けた弾性部材９としては、弾性的に伸縮可能なシート状の、ポリウレタンフォーム、合成ゴムフォーム、ポリスチレンフォーム、または、弾性的に伸縮可能なウレタンフィルムのいずれかを使用することができる。第１領域２３には、それら弾性部材９を取り付けることの他に、剛性を高くする手段として、トップシート２とバックシート３との間にホットメルト接着剤等を帯状に塗布してもよい。また、複数の糸状弾性部材をトップシート２とバックシート３との間に介在させ、糸状弾性部材をそれらシート２，３の少なくとも一方に固着して帯状を呈するようにすることや、非伸縮性の帯状のプラスチックシートをトップシート２とバックシート３との間に介在させ、プラスチックシートをそれらシート２，３の少なくとも一方に固着することもできる。
【００３５】
コア４の接合、弾性部材７，８，９の固着や取り付け、シート２，３やカフ６の固着等には、ホットメルト接着剤等の接着剤や粘着剤の他に、熱溶着の技術を利用することができる。
【００３６】
カフ６の端部６ｃそれぞれは、パネル１の外側へ倒伏された状態で第１領域２３上に固着されていてもよく、コア４の端縁４ｂよりも長手方向外側であって第１領域２３上に固着されていることを条件に、第２領域２４上に固着されていてもよい。図３では、第１領域２３がカフ６の固定側縁部６ａよりもパネル１の幅方向外側へ延びているが、少なくともカフ６の固定側縁部６ａの間に形成されていればよい。
【００３７】
この発明は、後胴周り域２２の他に、または、後胴周り域２２とともに、前胴周り域２０に第１，２領域２３，２４とを形成し、前後胴周り域２０，２２にパネル１の長手方向内側へ向かって開口するポケットＰ１とパネル１の幅方向内側へ向かって開口するポケットＰ２とを形成してもよい。
【００３８】
【発明の効果】
本発明に係る使い捨ておむつによれば、前後胴周り域のいずれか一方に形成された第１領域がカフの収縮によりコアが介在する第３領域の方向へ引き寄せられるとともに、第１領域と第３領域との間に段差が形成され、第１領域と第３領域との間に位置する第２領域の第１領域側に位置する第１部位がパネルの上方へ起立して障壁を形成し、第２領域の第１部位と前記第３領域側に位置する第２部位とがパネルの下方へ凹んでパネルの長手方向内方へ向かって開口するポケットを形成するとともに、第２領域とカフとがパネルの幅方向内側へ向かって開口するポケットを形成する。ゆえに、ポケットを形成するために、前記従来技術のおむつのように端部シートを前後胴周り域に取り付ける必要はない。
【００３９】
おむつでは、パネルの長手方向内側へ向かって開口するポケットがパネルの下方へ凹んでいるので、着用者の臀部がポケットをおむつの上方から下方へ押圧しても、ポケットが塞がってしまうことはない。
【００４０】
おむつでは、第１領域と第３領域とに段差が形成され、第３領域よりも上方に位置する第１領域が着用者の肌に密着するので、前後胴周り域の端部と着用者の肌との間に隙間が生ずることを防止することができ、排泄物の漏れ防止の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】使い捨ておむつの部分破断斜視図。
【図２】図１のＡ−Ａ線矢視断面図。
【図３】図１におけるおむつの平面図。
【図４】図３のＢ−Ｂ線断面。
【符号の説明】
１ 積層パネル
２ 透液性トップシート
３ 不透液性バックシート
４ 吸液性コア
４ａ 側縁
４ｂ 端縁
５ サイドフラップ
６ 防漏カフ
６ｃ 長手方向両端部
８ 弾性部材
９ 弾性部材
２０ 前胴周り域
２１ 股下域
２２ 後胴周り域
２３ 第１領域
２４ 第２領域
２４ａ 部位（第１部位）
２４ｂ 部位（第２部位）
２５ 第３領域
Ｌ１ 寸法
Ｌ２ 寸法
Ｐ１ ポケット
Ｐ２ ポケット
Claims (3)
- 透液性トップシートと、不透液性バックシートと、それらシートの間に介在する吸液性コアとから積層パネルが構成され、前記パネルが、前胴周り域と、後胴周り域と、前記前後胴周り域の間に位置する股下域と、前記コアの両側縁の外側に位置して長手方向へ延びる一対のサイドフラップと、前記コアの両側縁近傍で長手方向へ延びていて弾性的な伸縮性によって前記パネルの上方へ起立性向を有する一対の防漏カフとを備えた使い捨ておむつにおいて、
前記前後胴周り域の少なくとも一方には、前記コアの端縁から長手方向外側へ所要の寸法離間して幅方向へ延びる第１領域と、前記コアの端縁と前記第１領域との間で幅方向へ延びる第２領域とが画成され、前記第２領域の剛性が、前記第１領域と前記コアが介在する第３領域とのそれよりも低く、前記第１領域の長手方向の寸法が、２０〜５０ｍｍの範囲にあり、前記第２領域の長手方向の寸法が、１５〜７０ｍｍの範囲にあり、
前記カフの前記前後胴周り域に位置する長手方向端部が、前記パネルの内側へ倒伏された状態で前記第１領域上に固着され、前記第１領域が、前記カフの収縮によって前記第３領域の方向へ引き寄せられ、前記第２領域の前記第１領域側に位置する第１部位が、前記パネルの上方へ起立して障壁を形成し、前記第２領域の第１部位と前記第３領域側に位置する第２部位とが、前記パネルの下方へ凹むとともに該パネルの長手方向内方へ向かって開口するポケットを形成していることを特徴とする前記おむつ。 - 前記第１〜３領域の剛性が、前記第１，３領域＞前記第２領域の関係にあり、ガーレー法によって測定したときの剛性値が、前記第３領域で０．０５〜０．５ｍｇの範囲、前記第１領域で０．１〜２．０ｍｇの範囲、前記第２領域で０．０１〜０．２ｍｇの範囲にあり、前記おむつから切り離した前記カフの切片を前記切片の長手方向全長に対して９３．３％まで伸長するのに要する引張り力が、２０〜３００ｇｆの範囲にある請求項１記載のおむつ。
- 前記第１領域には、弾性的に伸縮可能なシート状の、ポリウレタンフォーム、合成ゴムフォーム、ポリスチレンフォーム、または、弾性的に伸縮可能なウレタンフィルムのいずれかが、前記トップシートと前記バックシートとの間に伸長状態で固着されている請求項１または請求項２に記載のおむつ。
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