JP3223289B2 - 肉類調理器具および肉類調理方法 - Google Patents
肉類調理器具および肉類調理方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ステーキ用肉片、カツ
用肉片などの畜肉材料乃至畜肉製品(以下特に必要でな
い限り、単に肉片という)に交流電流を供給し、発生す
るジュール抵抗熱によりこれらを加熱加工するための調
理器具および調理方法に関する。
用肉片などの畜肉材料乃至畜肉製品(以下特に必要でな
い限り、単に肉片という)に交流電流を供給し、発生す
るジュール抵抗熱によりこれらを加熱加工するための調
理器具および調理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】肉片の加熱調理法は、ガス、電気などに
より加熱した鉄板により外部から加熱する「伝熱加熱
法」が最も一般的である。しかしながら、一般に畜肉材
料乃至畜肉製品は熱伝導度が低いため、この様な方法で
一定以上の厚みの肉片を中心部まで十分に加熱しようと
すると、加熱が過度に進んだ表面が硬くなり過ぎて、食
味乃至食感が損なわれることが多い。結局のところ、
“焼く”、“あぶる”、“揚げる”などによる肉片の外
部伝熱加熱方法では、熱源温度を高くすれば、肉片の表
面温度が過度に上がって、離水硬化現象が起きること
は、避けられないのに対し、熱源温度を低くすれば、肉
片の中心温度が上がるまでに長時間を要することにな
る。
より加熱した鉄板により外部から加熱する「伝熱加熱
法」が最も一般的である。しかしながら、一般に畜肉材
料乃至畜肉製品は熱伝導度が低いため、この様な方法で
一定以上の厚みの肉片を中心部まで十分に加熱しようと
すると、加熱が過度に進んだ表面が硬くなり過ぎて、食
味乃至食感が損なわれることが多い。結局のところ、
“焼く”、“あぶる”、“揚げる”などによる肉片の外
部伝熱加熱方法では、熱源温度を高くすれば、肉片の表
面温度が過度に上がって、離水硬化現象が起きること
は、避けられないのに対し、熱源温度を低くすれば、肉
片の中心温度が上がるまでに長時間を要することにな
る。
【0003】真空調理法で肉片の内部まで十分に加温し
た後、加温した肉片を加熱鉄板上に移し、上記と同様な
伝熱加熱法で仕上げ加熱する方法もあるが、この方法
は、操作が煩雑である。
た後、加温した肉片を加熱鉄板上に移し、上記と同様な
伝熱加熱法で仕上げ加熱する方法もあるが、この方法
は、操作が煩雑である。
【0004】また、電子レンジで肉片を予備加熱した
後、やはり肉片を加熱鉄板上に移し、伝熱加熱法で仕上
げ加熱する方法もあるが、予備加熱で直接加熱されるの
は、深さ7〜8mm程度までの表層部までであり、それ
以上の深部の加熱は、伝熱加熱により行なわれるため、
この方法の利点を生かして加熱可能な肉片の厚さには、
限度がある。また、電子レンジによる加熱は、温度コン
トロールが困難で且つ均一な加熱も困難である。さら
に、電子レンジによる予備加熱と伝熱加熱法との組合わ
せによる調理方法も、それぞれのいずれかによる加熱に
比して、肉片の移動という工程が必要となるという点
で、不利である。
後、やはり肉片を加熱鉄板上に移し、伝熱加熱法で仕上
げ加熱する方法もあるが、予備加熱で直接加熱されるの
は、深さ7〜8mm程度までの表層部までであり、それ
以上の深部の加熱は、伝熱加熱により行なわれるため、
この方法の利点を生かして加熱可能な肉片の厚さには、
限度がある。また、電子レンジによる加熱は、温度コン
トロールが困難で且つ均一な加熱も困難である。さら
に、電子レンジによる予備加熱と伝熱加熱法との組合わ
せによる調理方法も、それぞれのいずれかによる加熱に
比して、肉片の移動という工程が必要となるという点
で、不利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、操作が簡単
で、調理品の食味乃至食感を損なうことのない、新たな
肉片の調理器具および調理方法を提供することを主な目
的とする。
で、調理品の食味乃至食感を損なうことのない、新たな
肉片の調理器具および調理方法を提供することを主な目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術の
現状に鑑みて研究を進めた結果、通電性の金属素材上に
導電性セラミックス溶射層を形成させた2個の電極エレ
メントを調理器具として使用する場合には、2個の電極
エレメント間に配置された肉片にジュール抵抗熱を発生
させて、これを直接加熱することが可能となり、上記の
様な問題点が実質的に解決されることを見出した。
現状に鑑みて研究を進めた結果、通電性の金属素材上に
導電性セラミックス溶射層を形成させた2個の電極エレ
メントを調理器具として使用する場合には、2個の電極
エレメント間に配置された肉片にジュール抵抗熱を発生
させて、これを直接加熱することが可能となり、上記の
様な問題点が実質的に解決されることを見出した。
【0007】即ち、本発明は、下記の肉類調理機具およ
び肉類調理方法を提供するものである: 1. 片面に導電性セラミックス溶射層を備え且つ通電
可能な金属製下方電極エレメントと少なくとも片面に導
電性セラミックス溶射層を備え且つ通電可能な金属製上
方電極エレメントとからなることを特徴とする肉類調理
器具。
び肉類調理方法を提供するものである: 1. 片面に導電性セラミックス溶射層を備え且つ通電
可能な金属製下方電極エレメントと少なくとも片面に導
電性セラミックス溶射層を備え且つ通電可能な金属製上
方電極エレメントとからなることを特徴とする肉類調理
器具。
【0008】2. 金属製上方電極エレメントおよび金
属製下方電極エレメントの少なくとも一方がガスまたは
電気により加熱可能である上記項1に記載の肉類調理器
具。
属製下方電極エレメントの少なくとも一方がガスまたは
電気により加熱可能である上記項1に記載の肉類調理器
具。
【0009】3. 通電可能な金属製下方電極エレメン
トの導電性セラミックス溶射層上に調理すべき肉片を配
置し、該肉片の上面に通電可能な金属製上方電極エレメ
ントの導電性セラミックス溶射層を接触させて、両エレ
メント間で通電を行ない、肉片を抵抗加熱することを特
徴とする肉類調理方法。
トの導電性セラミックス溶射層上に調理すべき肉片を配
置し、該肉片の上面に通電可能な金属製上方電極エレメ
ントの導電性セラミックス溶射層を接触させて、両エレ
メント間で通電を行ない、肉片を抵抗加熱することを特
徴とする肉類調理方法。
【0010】本発明調理具における通電可能な金属製の
上方および下方電極エレメントの材質としては、アルミ
ニウム、チタン、ステンレス鋼などが例示される。
上方および下方電極エレメントの材質としては、アルミ
ニウム、チタン、ステンレス鋼などが例示される。
【0011】本発明による肉類調理器具においては、特
に限定されるものではないが、通常金属製下方電極エレ
メントは固定しておき、金属製上方電極エレメントを可
動状態として使用することが好ましい。
に限定されるものではないが、通常金属製下方電極エレ
メントは固定しておき、金属製上方電極エレメントを可
動状態として使用することが好ましい。
【0012】金属製下方電極エレメントの上面および金
属製上方電極エレメントの少なくとも一方の面に形成さ
れる導電性セラミクッス材料としては、酸化チタン、窒
化チタン、炭化ケイ素、これらの混合乃至複合材料など
が例示される。ただし、抵抗値についても状況により種
々の値が要求されるので、成分および各材料の混合比な
どは、特に限定されない。これらの導電性セラミックス
層は、上記の通電可能な金属製電極エレメント上に溶射
により形成される。溶射層の形成は、常法に従って行え
ば良く、必要に応じて、各種の下地処理を行なったり、
2種以上の導電性セラミクッス材料を併用しても良い。
導電性セラミックス溶射層の厚さはセラミックスの抵抗
値により変わり得るので、特に限定されるものではない
が、通常30〜300μm程度である。
属製上方電極エレメントの少なくとも一方の面に形成さ
れる導電性セラミクッス材料としては、酸化チタン、窒
化チタン、炭化ケイ素、これらの混合乃至複合材料など
が例示される。ただし、抵抗値についても状況により種
々の値が要求されるので、成分および各材料の混合比な
どは、特に限定されない。これらの導電性セラミックス
層は、上記の通電可能な金属製電極エレメント上に溶射
により形成される。溶射層の形成は、常法に従って行え
ば良く、必要に応じて、各種の下地処理を行なったり、
2種以上の導電性セラミクッス材料を併用しても良い。
導電性セラミックス溶射層の厚さはセラミックスの抵抗
値により変わり得るので、特に限定されるものではない
が、通常30〜300μm程度である。
【0013】本発明による金属製の上方および下方電極
エレメントは、肉片との接触面に導電性セラミクッス層
を有しているので、表面が多孔質となっている。従っ
て、その表面空隙部に食品衛生上無害な耐熱材料を含有
させることができる。この場合には、表面の撥水性をさ
らに改善し、電極エレメントへの肉片の焦げ付きをより
良好に防止するとともに、加熱調理品の品質をより向上
させることができる。
エレメントは、肉片との接触面に導電性セラミクッス層
を有しているので、表面が多孔質となっている。従っ
て、その表面空隙部に食品衛生上無害な耐熱材料を含有
させることができる。この場合には、表面の撥水性をさ
らに改善し、電極エレメントへの肉片の焦げ付きをより
良好に防止するとともに、加熱調理品の品質をより向上
させることができる。
【0014】この様な耐熱材料としては、セルロース系
樹脂、弗素系樹脂、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹
脂、ポリエステル系樹脂などの合成樹脂類、ジルコニ
ア、チタニアゾルなどの焼成物などを例示することがで
きる。
樹脂、弗素系樹脂、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹
脂、ポリエステル系樹脂などの合成樹脂類、ジルコニ
ア、チタニアゾルなどの焼成物などを例示することがで
きる。
【0015】この様な合成樹脂による電極エレメント表
面空隙部の充填は、予め導電性セラミクッス層を形成し
た電極エレメントをこれら樹脂の有機溶媒溶液或いは水
分散液などに浸漬した後、乾燥し、必要ならば、加熱処
理することにより、行なうことができる。
面空隙部の充填は、予め導電性セラミクッス層を形成し
た電極エレメントをこれら樹脂の有機溶媒溶液或いは水
分散液などに浸漬した後、乾燥し、必要ならば、加熱処
理することにより、行なうことができる。
【0016】なお、本発明による調理器具においては、
使用する通電可能な金属製の上方および下方電極エレメ
ントの少なくとも一方に常法におけると同様の伝熱加熱
機構を併設することを妨げない。例えば、電極エレメン
ト自体をガス加熱機構、電気抵抗加熱機構などにより加
熱する構造としても良い。この様な構造の調理器具にお
いては、肉片の通電加熱と伝熱加熱とを(或いは伝熱加
熱と通電加熱とを)順次或いは同時に行なうことができ
る。また、この様な組合わせによる調理器具において
は、肉片の中心部を電気抵抗により比較的低度に加熱
し、表面には焦げ目を付けて表面近傍をより高度に調理
することもできる。従って、例えば、ステーキの焼き加
減を注文に応じて、レア、ミディアム或いはウェルダン
に調整することができる。
使用する通電可能な金属製の上方および下方電極エレメ
ントの少なくとも一方に常法におけると同様の伝熱加熱
機構を併設することを妨げない。例えば、電極エレメン
ト自体をガス加熱機構、電気抵抗加熱機構などにより加
熱する構造としても良い。この様な構造の調理器具にお
いては、肉片の通電加熱と伝熱加熱とを(或いは伝熱加
熱と通電加熱とを)順次或いは同時に行なうことができ
る。また、この様な組合わせによる調理器具において
は、肉片の中心部を電気抵抗により比較的低度に加熱
し、表面には焦げ目を付けて表面近傍をより高度に調理
することもできる。従って、例えば、ステーキの焼き加
減を注文に応じて、レア、ミディアム或いはウェルダン
に調整することができる。
【0017】或いは、本発明による調理器具に隣接し
て、ガス加熱機構或いは電気加熱機構などを備えた鉄板
などの伝熱調理器具を配置しても良く、通電加熱と伝熱
加熱或いは伝熱加熱と通電加熱を順次行なうことができ
る。但し、この場合には、肉片の移動工程を伴うことに
なるが、従来の鉄板を使用する伝熱加熱法においても、
通常低温予備加熱と高温本加熱の2段階加熱を行なって
いるので、作業者にとっては違和感はない。この場合に
も、ステーキの焼き加減を注文に応じて調製することが
できる。
て、ガス加熱機構或いは電気加熱機構などを備えた鉄板
などの伝熱調理器具を配置しても良く、通電加熱と伝熱
加熱或いは伝熱加熱と通電加熱を順次行なうことができ
る。但し、この場合には、肉片の移動工程を伴うことに
なるが、従来の鉄板を使用する伝熱加熱法においても、
通常低温予備加熱と高温本加熱の2段階加熱を行なって
いるので、作業者にとっては違和感はない。この場合に
も、ステーキの焼き加減を注文に応じて調製することが
できる。
【0018】なお、上方電極エレメントと下方電極エレ
メントとの接触によるショートを防止するために、上方
電極エレメントの周縁部には、絶縁性の樹脂塗布層、絶
縁性のセラミックス塗布層、絶縁性の樹脂−セラミック
ス混合塗布層などを設けておくことが望ましい。
メントとの接触によるショートを防止するために、上方
電極エレメントの周縁部には、絶縁性の樹脂塗布層、絶
縁性のセラミックス塗布層、絶縁性の樹脂−セラミック
ス混合塗布層などを設けておくことが望ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、下記の様な効果が達成
される。
される。
【0020】(1)本発明による肉類調理器具を使用す
る場合には、肉片を挟む2つの通電性金属電極エレメン
ト間に通電することにより、肉片での抵抗発熱による加
熱が行なわれるので、例えば厚さ20mm以上のステー
キ肉においても、短時間内に内部まで温度が上昇する。
この際、金属電極エレメントからの伝熱も行なわれるの
で、厚さに制限なく、容易に任意の温度分布を有する様
にステーキを焼き上げることができる。
る場合には、肉片を挟む2つの通電性金属電極エレメン
ト間に通電することにより、肉片での抵抗発熱による加
熱が行なわれるので、例えば厚さ20mm以上のステー
キ肉においても、短時間内に内部まで温度が上昇する。
この際、金属電極エレメントからの伝熱も行なわれるの
で、厚さに制限なく、容易に任意の温度分布を有する様
にステーキを焼き上げることができる。
【0021】(2)また、2つの通電性金属電極エレメ
ントに隣接して伝熱加熱用加熱板を設置する場合には、
抵抗発熱により予備加熱した肉片を順次移動して伝熱加
熱することにより、大量枚数の肉片を処理することがで
きる。
ントに隣接して伝熱加熱用加熱板を設置する場合には、
抵抗発熱により予備加熱した肉片を順次移動して伝熱加
熱することにより、大量枚数の肉片を処理することがで
きる。
【0022】(3)通電性金属電極エレメントの表面に
形成された導電性セラミックス層は、金属電極と肉片と
の電気化学的な接触を妨げて通電時に生ずる可能性があ
る金属イオンの溶出を防止するので、金属イオンの移
行、外観の劣化、味覚の低下などの点で問題を生ずるこ
とはない、(4)肉の種類、肉片の寸法、焼き加減など
のパラメターに対応して、電圧、電流、通電時間などの
電気的な調理条件を設定することができるので、作業者
の熟練度に関係なく、一定品質の肉調理品を提供するこ
とができる。
形成された導電性セラミックス層は、金属電極と肉片と
の電気化学的な接触を妨げて通電時に生ずる可能性があ
る金属イオンの溶出を防止するので、金属イオンの移
行、外観の劣化、味覚の低下などの点で問題を生ずるこ
とはない、(4)肉の種類、肉片の寸法、焼き加減など
のパラメターに対応して、電圧、電流、通電時間などの
電気的な調理条件を設定することができるので、作業者
の熟練度に関係なく、一定品質の肉調理品を提供するこ
とができる。
【0023】また、上記の電気的な調理条件を例えば電
子的に制御することは容易であるから、調理の自動化も
可能となる。
子的に制御することは容易であるから、調理の自動化も
可能となる。
【0024】(5)セラミックス溶射層は耐久性に優れ
ているので、付着物の除去のために行なうブラシなどに
よる洗浄によっても、殆ど損傷乃至摩耗することがな
い。
ているので、付着物の除去のために行なうブラシなどに
よる洗浄によっても、殆ど損傷乃至摩耗することがな
い。
【0025】導電性セラミックスとして、抗菌性を有し
食品添加物として厚生省により認可されている酸化チタ
ンを使用する場合には、特に衛生上の安全性が高まる。
食品添加物として厚生省により認可されている酸化チタ
ンを使用する場合には、特に衛生上の安全性が高まる。
【0026】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。
特徴とするところをより一層明確にする。
【0027】実施例1 図1乃至図3に示す肉類調理器具を製造した。
【0028】先ず、15mm×500mm×600mmのステ
ンレススチール板1の上面に酸化チタン微粉末を使用し
て低温溶射法により厚さ200〜300μmの導電性酸
化チタン層3を形成し、リード線5を接続して、下方電
極エレメント17を得た。
ンレススチール板1の上面に酸化チタン微粉末を使用し
て低温溶射法により厚さ200〜300μmの導電性酸
化チタン層3を形成し、リード線5を接続して、下方電
極エレメント17を得た。
【0029】一方、厚さ1mmで150mm×150mmの平
坦部を有するチタン製へら7の下面に上記と同様にして
厚さ200〜300μmの導電性酸化チタン層9を形成
し、その取手11にリード線13を接続して、上方電極
エレメント19を得た。なお、へら7の下面の周縁部5
mmの部分、へらの上面および取手11には、絶縁のた
めに、0.5mmの厚さでポリテトラフルオロエチレン
樹脂塗布層15を形成した。
坦部を有するチタン製へら7の下面に上記と同様にして
厚さ200〜300μmの導電性酸化チタン層9を形成
し、その取手11にリード線13を接続して、上方電極
エレメント19を得た。なお、へら7の下面の周縁部5
mmの部分、へらの上面および取手11には、絶縁のた
めに、0.5mmの厚さでポリテトラフルオロエチレン
樹脂塗布層15を形成した。
【0030】次いで、下方電極エレメント17をガスコ
ンロ(但し、バーナー21のみを示す)上に配置し、ガ
スで加熱してその表面温度を200℃とした後、油を引
き、30mm×60mm×100mm、温度10℃の上
質の牛ロース23の表裏両面をそれぞれ5秒間下方電極
エレメント17の表面に押し付けて、加熱表面層を形成
させた。
ンロ(但し、バーナー21のみを示す)上に配置し、ガ
スで加熱してその表面温度を200℃とした後、油を引
き、30mm×60mm×100mm、温度10℃の上
質の牛ロース23の表裏両面をそれぞれ5秒間下方電極
エレメント17の表面に押し付けて、加熱表面層を形成
させた。
【0031】次に、牛ロース23を下方電極エレメント
17と上方電極エレメント19との間に挟んだ状態で
(図1参照)、10秒間にわたり20Vで7A通電した
後、牛ロース23を引繰り返し、その下面を下方電極エ
レメント17により非通電状態で引き続き10秒間加熱
した。
17と上方電極エレメント19との間に挟んだ状態で
(図1参照)、10秒間にわたり20Vで7A通電した
後、牛ロース23を引繰り返し、その下面を下方電極エ
レメント17により非通電状態で引き続き10秒間加熱
した。
【0032】その結果、中心温度60℃で両表面に程良
く焦げ目が付いた、柔らかで、極めて美味な30mm厚
さのステーキが得られた。
く焦げ目が付いた、柔らかで、極めて美味な30mm厚
さのステーキが得られた。
【0033】実施例2 上方電極エレメントとして、図4、図5および図6に示
す構造のものを作成した。
す構造のものを作成した。
【0034】先ず、厚さ1mm×直径150mmのチタ
ン円板25の片面に実施例1と同様にして厚さ200〜
300μmの導電性酸化チタン層27を形成した後、周
縁部に下方突起部29を有する木質蓋材31の凹部に導
電性酸化チタン層27が下面に位置する様に貼合せ、チ
タン円板25にリード線(図示せず)を接続して、上方
電極エレメント33を作成した。
ン円板25の片面に実施例1と同様にして厚さ200〜
300μmの導電性酸化チタン層27を形成した後、周
縁部に下方突起部29を有する木質蓋材31の凹部に導
電性酸化チタン層27が下面に位置する様に貼合せ、チ
タン円板25にリード線(図示せず)を接続して、上方
電極エレメント33を作成した。
【0035】次いで、実施例1と同様の下方電極エレメ
ント17をガスコンロ上に配置し、ガスで加熱してその
表面温度を120℃とした後、油を引き、30mm×6
0mm×100mm、温度10℃の上質の牛ロース35
を下方電極エレメント17上に置き、さらに上記の上方
電極エレメント33をかぶせた状態で(図6参照)、1
5秒間にわたり15Vで5A通電し、予備加熱した。
ント17をガスコンロ上に配置し、ガスで加熱してその
表面温度を120℃とした後、油を引き、30mm×6
0mm×100mm、温度10℃の上質の牛ロース35
を下方電極エレメント17上に置き、さらに上記の上方
電極エレメント33をかぶせた状態で(図6参照)、1
5秒間にわたり15Vで5A通電し、予備加熱した。
【0036】次いで、上記ガスコンロに隣接して配置さ
れている、予め200℃に加熱され且つ油を引いた加熱
板37(図7参照)上に予備加熱された牛ロース35を
反転して移動させた後、表裏両面を5秒間にわたり4ず
つ交互に加熱した。この際、牛ロース35を加熱板37
に対し押圧するために、実施例1と同様のチタン製へら
7を非通電状態で使用した。
れている、予め200℃に加熱され且つ油を引いた加熱
板37(図7参照)上に予備加熱された牛ロース35を
反転して移動させた後、表裏両面を5秒間にわたり4ず
つ交互に加熱した。この際、牛ロース35を加熱板37
に対し押圧するために、実施例1と同様のチタン製へら
7を非通電状態で使用した。
【0037】その結果、中心温度62℃で両表面に程良
く焦げ目が付いた、柔らかで、極めて美味な30mm厚
さのステーキが得られた。
く焦げ目が付いた、柔らかで、極めて美味な30mm厚
さのステーキが得られた。
【0038】比較例1 常法に従って肉の調理を行なった。即ち、下方に配置し
たガスコンロにより200℃に加熱された15mm×5
00mm×600mmの加熱用鉄板に油を引き、その上
に30mm×60mm×100mm、温度10℃の牛ロ
ースを置き、へらを用いて引繰り返して、その両面を8
秒×6回加熱した。
たガスコンロにより200℃に加熱された15mm×5
00mm×600mmの加熱用鉄板に油を引き、その上
に30mm×60mm×100mm、温度10℃の牛ロ
ースを置き、へらを用いて引繰り返して、その両面を8
秒×6回加熱した。
【0039】その結果、外見上は両表面に程良く焦げ目
が付いた加工品が得られたが、中心温度は40℃であ
り、生肉状で食用には適していなかった。
が付いた加工品が得られたが、中心温度は40℃であ
り、生肉状で食用には適していなかった。
【0040】比較例2 牛ロースの両面を8秒×8回加熱する以外は比較例1と
同様にして鉄板による加熱を行なった。
同様にして鉄板による加熱を行なった。
【0041】その結果、加工品の中心温度は58℃に達
していたが、両表面層が約3〜6mm程度までが加熱に
より硬化しており、食感および食味の点で使用した良質
の牛ロースから期待されるステーキの品質には、極めて
程遠いものであった。
していたが、両表面層が約3〜6mm程度までが加熱に
より硬化しており、食感および食味の点で使用した良質
の牛ロースから期待されるステーキの品質には、極めて
程遠いものであった。
【0042】実施例3 本発明による肉類調理器具として、アルミニウム成型体
を使用し、図8に示す構造のものを作成した。
を使用し、図8に示す構造のものを作成した。
【0043】深さ3mm×縦130mm×横180mm
の凹部を有する2個の電極エレメント41,43を凹部
が向い合うように配置し、バネ45および取手47,4
9により30mm×60mm×100mmの牛ロース5
5を挟持し得る様にした。
の凹部を有する2個の電極エレメント41,43を凹部
が向い合うように配置し、バネ45および取手47,4
9により30mm×60mm×100mmの牛ロース5
5を挟持し得る様にした。
【0044】これら電極エレメントの凹部の内側には、
厚さ200〜300μmの導電性酸化チタン溶射層(図
示せず)を設け、凹部周縁部の表面、バネ45の表面お
よび取手47,49の表面には絶縁性ポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂層を形成し、取手47,49にはリード
線51,53を取り付けた。
厚さ200〜300μmの導電性酸化チタン溶射層(図
示せず)を設け、凹部周縁部の表面、バネ45の表面お
よび取手47,49の表面には絶縁性ポリテトラフルオ
ロエチレン樹脂層を形成し、取手47,49にはリード
線51,53を取り付けた。
【0045】予め180℃に加熱した電極エレメント4
1,43の凹部に油を引き、その間に30mm×60m
m×100mm、温度10℃の牛ロース55を挟持し、
ガスコンロ上で5秒間加熱し、次いで上下を逆転し、ガ
ス加熱を行ないつつ20V×7Aで8秒間通電した後、
ガス加熱および通電を停止し、10秒後に調理後の牛ロ
ース55を取り出した。
1,43の凹部に油を引き、その間に30mm×60m
m×100mm、温度10℃の牛ロース55を挟持し、
ガスコンロ上で5秒間加熱し、次いで上下を逆転し、ガ
ス加熱を行ないつつ20V×7Aで8秒間通電した後、
ガス加熱および通電を停止し、10秒後に調理後の牛ロ
ース55を取り出した。
【0046】その結果、中心温度60℃で両表面に程良
く焦げ目が付いた、柔らかで、極めて美味な30mm厚
さのステーキが得られた。
く焦げ目が付いた、柔らかで、極めて美味な30mm厚
さのステーキが得られた。
【図1】実施例1で使用する肉類調理器具の概要を示す
側面図である。
側面図である。
【図2】実施例1で使用する肉類調理器具の上方電極エ
レメントの概要を示す平面図である。
レメントの概要を示す平面図である。
【図3】実施例1で使用する肉類調理器具の上方電極エ
レメントの概要をより詳細に示す側面図である。
レメントの概要をより詳細に示す側面図である。
【図4】実施例2で使用する肉類調理器具の上方電極エ
レメントの概要を示す底面図である。
レメントの概要を示す底面図である。
【図5】実施例2で使用する肉類調理器具の上方電極エ
レメントの概要を示す側面図である。
レメントの概要を示す側面図である。
【図6】実施例2で使用する肉類調理器具の使用状況の
概要を示す側面図である。
概要を示す側面図である。
【図7】実施例2の実施状況の概要を示す側面図であ
る。
る。
【図8】実施例3で使用する肉類調理器具の使用状況の
概要を示す側面図である。
概要を示す側面図である。
1…ステンレススチール板 3…導電性酸化チタン層 5…リード線 7…チタン製へら 9…導電性酸化チタン層 11…取手 13…リード線 15…ポテトラフルオロエチレン樹脂塗布層 17…下方電極エレメント 19…上方電極エレメント 21…バーナー 23…牛ロース 25…チタン円板 27…導電性酸化チタン層 29…下方突起部 33…上方電極エレメント 35…牛ロース 37…加熱板 41…電極エレメント 43…電極エレメント 45…バネ 47…取手 49…取手 51…リード線 53…リード線 55…牛ロース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 37/06 A23L 1/01
Claims (3)
- 【請求項1】 片面に導電性セラミックス溶射層を備え
且つ通電可能な金属製下方電極エレメントと少なくとも
片面に導電性セラミックス溶射層を備え且つ通電可能な
金属製上方電極エレメントとからなることを特徴とする
肉類調理器具。 - 【請求項2】 金属製上方電極エレメントおよび金属製
下方電極エレメントの少なくとも一方がガスまたは電気
により加熱可能である請求項1に記載の肉類調理器具。 - 【請求項3】 通電可能な金属製下方電極エレメントの
導電性セラミックス溶射層上に調理すべき肉片を配置
し、該肉片の上面に通電可能な金属製上方電極エレメン
トの導電性セラミックス溶射層を接触させて、両エレメ
ント間で通電を行ない、肉片を抵抗加熱することを特徴
とする肉類調理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28412392A JP3223289B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 肉類調理器具および肉類調理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28412392A JP3223289B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 肉類調理器具および肉類調理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06133873A JPH06133873A (ja) | 1994-05-17 |
JP3223289B2 true JP3223289B2 (ja) | 2001-10-29 |
Family
ID=17674478
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28412392A Expired - Fee Related JP3223289B2 (ja) | 1992-10-22 | 1992-10-22 | 肉類調理器具および肉類調理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3223289B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8217176B2 (en) | 2008-02-26 | 2012-07-10 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | Fused heterocyclic derivative and use thereof |
CN103404545A (zh) * | 2013-08-09 | 2013-11-27 | 王波 | 肉排加工装置 |
-
1992
- 1992-10-22 JP JP28412392A patent/JP3223289B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8217176B2 (en) | 2008-02-26 | 2012-07-10 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | Fused heterocyclic derivative and use thereof |
US8399449B2 (en) | 2008-02-26 | 2013-03-19 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | Fused heterocyclic derivative and use thereof |
CN103404545A (zh) * | 2013-08-09 | 2013-11-27 | 王波 | 肉排加工装置 |
CN103404545B (zh) * | 2013-08-09 | 2016-01-20 | 王波 | 肉排加工装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06133873A (ja) | 1994-05-17 |
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