JP3284607B2 - 光学活性1−フェニルエチルアミンの製造法 - Google Patents
光学活性1−フェニルエチルアミンの製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(RS)−1−フェニ
ルエチルアミンから光学分割法により塩基性光学分割剤
として、また不斉誘導化試薬として有用な光学活性1−
フェニルエチルアミンの製造法に関する。
ルエチルアミンから光学分割法により塩基性光学分割剤
として、また不斉誘導化試薬として有用な光学活性1−
フェニルエチルアミンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学活性な1−フェニルエチルア
ミンの製造法としては、(RS)−1−フェニルエチル
アミンを光学分割する方法が知られている。たとえば、
(1) (+)−酒石酸または(−)−リンゴ酸を分割剤と
して光学分割する方法(Organic Synthe
sis, Coll.Vol.2 506,(194
3))、(2) 光学活性マンデル酸を分割剤とする方法
(特開昭56−26848号公報)などが報告されてい
る。
ミンの製造法としては、(RS)−1−フェニルエチル
アミンを光学分割する方法が知られている。たとえば、
(1) (+)−酒石酸または(−)−リンゴ酸を分割剤と
して光学分割する方法(Organic Synthe
sis, Coll.Vol.2 506,(194
3))、(2) 光学活性マンデル酸を分割剤とする方法
(特開昭56−26848号公報)などが報告されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記方法のうち(1)
は、その操作が繁雑で、純粋な光学活性体を得るために
は何回かの再結晶を繰返す必要があり実用化可能なレベ
ルではなく、(2) は、光学活性マンデル酸の溶媒に対す
る溶解性が比較的高いために回収率が低く、工業的には
必ずしも有利な分割方法とはいえない。
は、その操作が繁雑で、純粋な光学活性体を得るために
は何回かの再結晶を繰返す必要があり実用化可能なレベ
ルではなく、(2) は、光学活性マンデル酸の溶媒に対す
る溶解性が比較的高いために回収率が低く、工業的には
必ずしも有利な分割方法とはいえない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
工業的に実用化可能な光学活性1−フェニルエチルアミ
ンの製造法を確立することを目的として鋭意検討した。
その結果、この目的は特定の光学活性化合物を分割剤と
して用いて光学分割することにより達成されることが判
った。
工業的に実用化可能な光学活性1−フェニルエチルアミ
ンの製造法を確立することを目的として鋭意検討した。
その結果、この目的は特定の光学活性化合物を分割剤と
して用いて光学分割することにより達成されることが判
った。
【0005】すなわち、本発明は(RS)−1−フェニ
ルエチルアミンを、光学活性N−p−ニトロベンゾイル
アラニン、および、次の一般式(I)
ルエチルアミンを、光学活性N−p−ニトロベンゾイル
アラニン、および、次の一般式(I)
【化2】 (式中、R1 はメトキシ基を表す。)で表される光学活
性酒石酸アニリド誘導体から選ばれた化合物を分割剤と
して用いて光学分割することを特徴とする光学活性1−
フェニルエチルアミンの製造法である。
性酒石酸アニリド誘導体から選ばれた化合物を分割剤と
して用いて光学分割することを特徴とする光学活性1−
フェニルエチルアミンの製造法である。
【0006】以下、本発明の構成を詳細に説明する。
【0007】本発明で用いる分割剤は、光学活性なN−
p−ニトロベンゾイルアラニン、お よび、上記式(I) で
表される光学活性酒石酸アニリド誘導体から選ばれた化
合物であり、そのD体、L体を目的に応じて使い分ける
ことができる。
p−ニトロベンゾイルアラニン、お よび、上記式(I) で
表される光学活性酒石酸アニリド誘導体から選ばれた化
合物であり、そのD体、L体を目的に応じて使い分ける
ことができる。
【0008】すなわち、本発明で用いる分割剤の具体例
としては、光学活性N−p−ニトロベンゾイルアラニ
ン、光学活性o−メトキシ−酒石酸アニリド、光学活性
m−メトキシ−酒石酸アニリド、光学活性p−メトキシ
−酒石酸アニリドなどが挙げられる。
としては、光学活性N−p−ニトロベンゾイルアラニ
ン、光学活性o−メトキシ−酒石酸アニリド、光学活性
m−メトキシ−酒石酸アニリド、光学活性p−メトキシ
−酒石酸アニリドなどが挙げられる。
【0009】光学活性N−p−ニトロベンゾイルアラニ
ンはアラニンの塩基性水溶液にp−ニトロベンゾイルク
ロリドを加えて反応させた後、酸析することにより高収
率で得ることができる。また、光学活性酒石酸アニリド
誘導体は、たとえば、酒石酸に無水酢酸を反応させて得
られるジアセチル酒石酸無水物に置換アニリンを反応さ
せた後、加水分解することにより高収率で得ることがで
きる。
ンはアラニンの塩基性水溶液にp−ニトロベンゾイルク
ロリドを加えて反応させた後、酸析することにより高収
率で得ることができる。また、光学活性酒石酸アニリド
誘導体は、たとえば、酒石酸に無水酢酸を反応させて得
られるジアセチル酒石酸無水物に置換アニリンを反応さ
せた後、加水分解することにより高収率で得ることがで
きる。
【0010】もちろんこれ以外の方法で製造したもので
あっても何ら問題はない。
あっても何ら問題はない。
【0011】本発明で用いられる分割剤は、いずれも非
常に安定な化合物であり、分割回収の際に分解、ラセミ
化することはほとんどない。すなわち、本発明で用いる
分割剤は安価に工業的に入手可能な化合物である。
常に安定な化合物であり、分割回収の際に分解、ラセミ
化することはほとんどない。すなわち、本発明で用いる
分割剤は安価に工業的に入手可能な化合物である。
【0012】本発明において、原料として用いられる1
−フェニルエチルアミンはアセトフェノンの還元アミノ
化により製造され、工業的に市販されている化合物であ
る。
−フェニルエチルアミンはアセトフェノンの還元アミノ
化により製造され、工業的に市販されている化合物であ
る。
【0013】本発明において原料として用いられる(R
S)−1−フェニルエチルアミンは、(R)−1−フェ
ニルエチルアミンと(S)−1−フェニルエチルアミン
とを等量含むラセミ型混合物だけでなく、いずれか一方
の光学異性体を等量以上に含む混合物も包含する。
S)−1−フェニルエチルアミンは、(R)−1−フェ
ニルエチルアミンと(S)−1−フェニルエチルアミン
とを等量含むラセミ型混合物だけでなく、いずれか一方
の光学異性体を等量以上に含む混合物も包含する。
【0014】(RS)−1−フェニルエチルアミンの光
学分割は次の手順と条件で行う。
学分割は次の手順と条件で行う。
【0015】まず、溶媒中で(RS)−1−フェニルエ
チルアミン1モルに対して0.3〜1.5モル、好まし
くは0.5〜1.2モルの分割剤を接触させてジアステ
レオマー塩をつくる。この時、塩酸、硫酸、りん酸など
の鉱酸あるいはギ酸、酢酸などの有機酸を共存させても
よい。鉱酸、有機酸の使用量は、分割剤と合せて(R
S)−1−フェニルエチルアミン1モルに対して0.3
〜1.5モル、好ましくは0.5〜1.2モル量であ
る。
チルアミン1モルに対して0.3〜1.5モル、好まし
くは0.5〜1.2モルの分割剤を接触させてジアステ
レオマー塩をつくる。この時、塩酸、硫酸、りん酸など
の鉱酸あるいはギ酸、酢酸などの有機酸を共存させても
よい。鉱酸、有機酸の使用量は、分割剤と合せて(R
S)−1−フェニルエチルアミン1モルに対して0.3
〜1.5モル、好ましくは0.5〜1.2モル量であ
る。
【0016】ここで、使用する溶媒としては、(RS)
−1−フェニルエチルアミンと分割剤を溶液中で化学的
に変質せしめることなく、かつ、ジアステレオマー塩を
析出せしめるものであればよい。たとえば、水、メタノ
ール、エタノール、プロパノールなどのプロトン溶媒、
アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、クロロホル
ム、トルエンなどの有機溶媒またはこれらの混合溶媒を
用いることができる。好ましい溶媒は水、エタノールま
たはこれらの混合溶媒であり、工業的には特に水が好ま
しい。
−1−フェニルエチルアミンと分割剤を溶液中で化学的
に変質せしめることなく、かつ、ジアステレオマー塩を
析出せしめるものであればよい。たとえば、水、メタノ
ール、エタノール、プロパノールなどのプロトン溶媒、
アセトン、アセトニトリル、酢酸エチル、クロロホル
ム、トルエンなどの有機溶媒またはこれらの混合溶媒を
用いることができる。好ましい溶媒は水、エタノールま
たはこれらの混合溶媒であり、工業的には特に水が好ま
しい。
【0017】(RS)−1−フェニルエチルアミンに分
割剤を接触させる方法としては、前記溶媒中に(RS)
−1−フェニルエチルアミンおよび分割剤を一挙に加え
てもよいし、それらを順次加えてもよい。さらにあらか
じめ(RS)−1−フェニルエチルアミンと分割剤から
つくった塩を、前記溶媒中に溶解あるいは懸濁させても
よい。また、鉱酸や有機酸を共存させる場合も同様に、
一挙に加えてもよいし、それらを順次加えてもよい。
割剤を接触させる方法としては、前記溶媒中に(RS)
−1−フェニルエチルアミンおよび分割剤を一挙に加え
てもよいし、それらを順次加えてもよい。さらにあらか
じめ(RS)−1−フェニルエチルアミンと分割剤から
つくった塩を、前記溶媒中に溶解あるいは懸濁させても
よい。また、鉱酸や有機酸を共存させる場合も同様に、
一挙に加えてもよいし、それらを順次加えてもよい。
【0018】次に、かくして得られたジアステレオマー
塩を含む溶液を冷却および/あるいは濃縮すると、難溶
性のジアステレオマー塩が溶液から晶析してくる。
塩を含む溶液を冷却および/あるいは濃縮すると、難溶
性のジアステレオマー塩が溶液から晶析してくる。
【0019】難溶性のジアステレオマー塩が溶液から析
出させる際の温度は使用する溶媒の凝固点から沸点の範
囲であればよく、目的に応じて適宜決められるが、通常
は0℃から100℃の範囲で十分である。
出させる際の温度は使用する溶媒の凝固点から沸点の範
囲であればよく、目的に応じて適宜決められるが、通常
は0℃から100℃の範囲で十分である。
【0020】難溶性のジアステレオマー塩の結晶は、濾
過、遠心分離などの通常の固液分離法によって容易に分
離することができる。
過、遠心分離などの通常の固液分離法によって容易に分
離することができる。
【0021】一方、難溶性のジアステレオマー塩を分離
した残りの母液を冷却および/あるいは濃縮し、易溶性
のジアステレオマー塩を析出せしめた後、これを分離す
ることもできる。
した残りの母液を冷却および/あるいは濃縮し、易溶性
のジアステレオマー塩を析出せしめた後、これを分離す
ることもできる。
【0022】また、鉱酸や有機酸を共存させる場合には
母液を冷却および/あるいは濃縮すれば鉱酸塩や有機酸
塩が析出してくるので、これも分離することができる。
母液を冷却および/あるいは濃縮すれば鉱酸塩や有機酸
塩が析出してくるので、これも分離することができる。
【0023】かくして得られる各ジアステレオマー塩を
適当な方法で分解することによって、(R)−1−フェ
ニルエチルアミンまたは(S)−1−フェニルエチルア
ミンと分割剤を分離・採取することができる。
適当な方法で分解することによって、(R)−1−フェ
ニルエチルアミンまたは(S)−1−フェニルエチルア
ミンと分割剤を分離・採取することができる。
【0024】ジアステレオマー塩の分解方法は任意であ
り、たとえば水性溶媒中酸またはアルカリで処理する方
法などが適用できる。たとえば、ジアステレオマー塩を
水中に溶解または分散させた中に水酸化ナトリウムなど
のアルカリ水溶液を添加し、これをトルエン、クロロホ
ルムなどの有機溶媒で抽出すると(R)−1−フェニル
エチルアミンまたは(S)−1−フェニルエチルアミン
が有機溶媒層に抽出されてくるので、抽出後溶媒を留出
することによって容易に光学活性1−フェニルエチルア
ミンを得ることができる。さらに抽残水層に硫酸や塩酸
などの鉱酸を添加すれば水に難溶性の分割剤が析出す
る。また、分割剤として酒石酸アニリド誘導体を用いる
場合には、たとえばジアステレオマー塩を水中に溶解ま
たは分散させた中に硫酸、塩酸などの鉱酸を添加すると
水に難溶性の酒石酸アニリド誘導体が析出し、(R)−
1−フェニルエチルアミンまたは(S)−1−フェニル
エチルアミンの鉱酸塩の水溶液が得られる。この水溶液
中に水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を添加し、
これをトルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエ
チルエーテルなどの有機溶媒で抽出すると(R)−1−
フェニルエチルアミンまたは(S)−1−フェニルエチ
ルアミンが有機溶媒層に抽出されてくるので、抽出後溶
媒を留出することによって容易に光学活性1−フェニル
エチルアミンを得ることもできる。
り、たとえば水性溶媒中酸またはアルカリで処理する方
法などが適用できる。たとえば、ジアステレオマー塩を
水中に溶解または分散させた中に水酸化ナトリウムなど
のアルカリ水溶液を添加し、これをトルエン、クロロホ
ルムなどの有機溶媒で抽出すると(R)−1−フェニル
エチルアミンまたは(S)−1−フェニルエチルアミン
が有機溶媒層に抽出されてくるので、抽出後溶媒を留出
することによって容易に光学活性1−フェニルエチルア
ミンを得ることができる。さらに抽残水層に硫酸や塩酸
などの鉱酸を添加すれば水に難溶性の分割剤が析出す
る。また、分割剤として酒石酸アニリド誘導体を用いる
場合には、たとえばジアステレオマー塩を水中に溶解ま
たは分散させた中に硫酸、塩酸などの鉱酸を添加すると
水に難溶性の酒石酸アニリド誘導体が析出し、(R)−
1−フェニルエチルアミンまたは(S)−1−フェニル
エチルアミンの鉱酸塩の水溶液が得られる。この水溶液
中に水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を添加し、
これをトルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエ
チルエーテルなどの有機溶媒で抽出すると(R)−1−
フェニルエチルアミンまたは(S)−1−フェニルエチ
ルアミンが有機溶媒層に抽出されてくるので、抽出後溶
媒を留出することによって容易に光学活性1−フェニル
エチルアミンを得ることもできる。
【0025】本発明で用いる分割剤はいずれも水に難溶
性であり、ジアステレオマー塩溶液から高収率で回収す
ることができ、しかも回収過程で分解、ラセミ化するこ
とはほとんどない。
性であり、ジアステレオマー塩溶液から高収率で回収す
ることができ、しかも回収過程で分解、ラセミ化するこ
とはほとんどない。
【0026】つまり、この分割剤は光学活性が保持され
ているので再使用して光学分割を行うことができる。
ているので再使用して光学分割を行うことができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例により限されるものではない。
発明はこれらの実施例により限されるものではない。
【0028】なお、実施例中1−フェニルエチルアミン
の光学純度(%ee)は、ジ−p−トルオイル−L−酒
石酸無水物(L−PTAN)と反応させた後、高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)により次の条件下で分
析を行った。
の光学純度(%ee)は、ジ−p−トルオイル−L−酒
石酸無水物(L−PTAN)と反応させた後、高速液体
クロマトグラフィー(HPLC)により次の条件下で分
析を行った。
【0029】 カラム:CAPCELL PAK SG120(資生
堂)4.6mmφ×150mm 溶離液:0.05%リン酸/メタノール=40/60 流 速:1.0ml/min 検 出:UV 254nm 保持時間:(R)−1−フェニルエチルアミンとL−P
TANとの反応物18.7分、(S)−1−フェニルエ
チルアミンとL−PTANとの反応物21.6分。
堂)4.6mmφ×150mm 溶離液:0.05%リン酸/メタノール=40/60 流 速:1.0ml/min 検 出:UV 254nm 保持時間:(R)−1−フェニルエチルアミンとL−P
TANとの反応物18.7分、(S)−1−フェニルエ
チルアミンとL−PTANとの反応物21.6分。
【0030】実施例1 (RS)−1−フェニルエチルアミン3.6g(0.0
30モル)(以下、1−フェニルエチルアミンを“P
A”と略記する)、N−p−ニトロベンゾイル−L−ア
ラニン7.0g(0.030モル)に水67mlを加え、
約50℃で加熱溶解した後ゆっくり冷却した。25℃で
3時間撹拌した後、析出した結晶を濾別し、白色結晶
2.9g(0.008モル)を得た。(R)−PAに対
する晶析率は55%、光学純度は76%eeであった。
30モル)(以下、1−フェニルエチルアミンを“P
A”と略記する)、N−p−ニトロベンゾイル−L−ア
ラニン7.0g(0.030モル)に水67mlを加え、
約50℃で加熱溶解した後ゆっくり冷却した。25℃で
3時間撹拌した後、析出した結晶を濾別し、白色結晶
2.9g(0.008モル)を得た。(R)−PAに対
する晶析率は55%、光学純度は76%eeであった。
【0031】この塩に2N−NaOH5mlを加えジクロ
ロメタンで抽出し、有機層を水洗、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧下に溶媒を留去することにより、0.9
5g(0.008モル)の(R)−PAを得た。
ロメタンで抽出し、有機層を水洗、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、減圧下に溶媒を留去することにより、0.9
5g(0.008モル)の(R)−PAを得た。
【0032】実施例2 (RS)−PA7.2g(0.060モル)、N−p−
ニトロベンゾイル−L−アラニン7.0g(0.030
モル)に0.5N−HC160mlを加え、約60℃で加
熱溶解した後ゆっくり冷却した。20℃で3時間撹拌し
た後、析出した結晶を濾別し、白色結晶7.6g(0.
021モル)を得た。(R)−PAに対する晶析率は7
0%、光学純度は80%eeであった。
ニトロベンゾイル−L−アラニン7.0g(0.030
モル)に0.5N−HC160mlを加え、約60℃で加
熱溶解した後ゆっくり冷却した。20℃で3時間撹拌し
た後、析出した結晶を濾別し、白色結晶7.6g(0.
021モル)を得た。(R)−PAに対する晶析率は7
0%、光学純度は80%eeであった。
【0035】実施例3 (RS)−PA2.3g(0.019モル)、o−メト
キシ−L−酒石酸アニリド4.9g(0.019モル)
に水43mlを加え、約50℃で加熱溶解した後ゆっくり
冷却した。
キシ−L−酒石酸アニリド4.9g(0.019モル)
に水43mlを加え、約50℃で加熱溶解した後ゆっくり
冷却した。
【0036】28℃で3時間撹拌した後、析出した結晶
を濾別し、白色結晶2.4g(0.006モル)を得
た。(S)−PAに対する晶析率は66%、光学純度は
72%eeであった。
を濾別し、白色結晶2.4g(0.006モル)を得
た。(S)−PAに対する晶析率は66%、光学純度は
72%eeであった。
【0037】この塩に2N−HCl4mlを加えて、析出
したo−メトキシ−L−酒石酸アニリドを回収した後2
N−NaOH5mlを加えジエチルエーテルで抽出し、有
機層を水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶
媒を留去することにより、0.71gの(S)−PAを
得た(光学純度は73%ee)。
したo−メトキシ−L−酒石酸アニリドを回収した後2
N−NaOH5mlを加えジエチルエーテルで抽出し、有
機層を水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶
媒を留去することにより、0.71gの(S)−PAを
得た(光学純度は73%ee)。
【0041】
【発明の効果】(1) 本発明で使用する分割剤は、安価な
原料から高収率で得られるため、工業的に供給可能であ
る。 (2) 本発明で使用する分割剤は、化学的に非常に安定な
ため、ジアステレオマー塩溶液から高収率でラセミ化す
ることなく回収することができ、分割剤に再使用が可能
である。 (3) 本発明方法は、収率および光学純度においても優れ
ている。 (4) 従って、本発明によれば工業的に実用化可能な光学
活性1−フェニルエチルアミンの製造法が提供できる。
原料から高収率で得られるため、工業的に供給可能であ
る。 (2) 本発明で使用する分割剤は、化学的に非常に安定な
ため、ジアステレオマー塩溶液から高収率でラセミ化す
ることなく回収することができ、分割剤に再使用が可能
である。 (3) 本発明方法は、収率および光学純度においても優れ
ている。 (4) 従って、本発明によれば工業的に実用化可能な光学
活性1−フェニルエチルアミンの製造法が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−306942(JP,A) 特開 昭56−26848(JP,A) 特開 平2−3627(JP,A) 特開 平4−108766(JP,A) 特開 平3−223236(JP,A) 特開 昭61−7238(JP,A) 特開 平4−108773(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 209/88 C07B 57/00 360 C07C 211/27
Claims (1)
- 【請求項1】 (RS)−1−フェニルエチルアミン
を、光学活性N−p−ニトロベンゾイルアラニン、およ
び、次の一般式(I) 【化1】 (式中、R1 はメトキシ基を表す。)で表される光学活
性酒石酸アニリド誘導体から選ばれた化合物を分割剤と
して用いて光学分割することを特徴とする光学活性1−
フェニルエチルアミンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26042392A JP3284607B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 光学活性1−フェニルエチルアミンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26042392A JP3284607B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 光学活性1−フェニルエチルアミンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06107602A JPH06107602A (ja) | 1994-04-19 |
JP3284607B2 true JP3284607B2 (ja) | 2002-05-20 |
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ID=17347733
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26042392A Expired - Fee Related JP3284607B2 (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 光学活性1−フェニルエチルアミンの製造法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP3284607B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010064212A1 (en) * | 2008-12-05 | 2010-06-10 | Actelion Pharmaceuticals Ltd | Method for obtaining an optically pure 1,2,3,4 tetrahydro-isoquinoline derivative |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP26042392A patent/JP3284607B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06107602A (ja) | 1994-04-19 |
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