JP3270945B2 - ヘテロエピタキシャル成長方法 - Google Patents
ヘテロエピタキシャル成長方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Si基板上にGaAs
等の化合物半導体エピタキシャル層を成長する方法に関
する。近年、衛星通信、移動通信技術等の高度化が進
み、低雑音高周波増幅器としてGaAs等の化合物半導
体を用いたHEMT等の半導体装置の需要が高まり、そ
の生産性を向上するため大口径のGaAs基板の開発が
要求されている。
等の化合物半導体エピタキシャル層を成長する方法に関
する。近年、衛星通信、移動通信技術等の高度化が進
み、低雑音高周波増幅器としてGaAs等の化合物半導
体を用いたHEMT等の半導体装置の需要が高まり、そ
の生産性を向上するため大口径のGaAs基板の開発が
要求されている。
【0002】しかし、GaAs等の化合物半導体は、機
械的に脆弱であるため製造工程中に割れやすく、また、
大口径の単結晶を製造することが困難である。そこで、
機械的に強く、大口径の結晶を製造し易いSi基板の上
に化合物半導体層を成長し、これを化合物半導体基板と
して用いる方法が開発されている。
械的に脆弱であるため製造工程中に割れやすく、また、
大口径の単結晶を製造することが困難である。そこで、
機械的に強く、大口径の結晶を製造し易いSi基板の上
に化合物半導体層を成長し、これを化合物半導体基板と
して用いる方法が開発されている。
【0003】
【従来の技術】従来から知られているSi基板上にGa
As等の化合物半導体エピタキシャル層を成長する方法
においては、Si基板を加熱してSi基板の表面上に形
成されている自然酸化膜を除去した後、400〜450
℃の低温でアモルファス状の低温成長層(成長核形成
層、成長初期層とも称されている)を形成し、625〜
750℃に昇温して、その温度で化合物半導体エピタキ
シャル層を成長する二段階成長法(二温度成長法とも称
されている)が採用されている。
As等の化合物半導体エピタキシャル層を成長する方法
においては、Si基板を加熱してSi基板の表面上に形
成されている自然酸化膜を除去した後、400〜450
℃の低温でアモルファス状の低温成長層(成長核形成
層、成長初期層とも称されている)を形成し、625〜
750℃に昇温して、その温度で化合物半導体エピタキ
シャル層を成長する二段階成長法(二温度成長法とも称
されている)が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の二段階成長法によると、化合物半導体エピタキシャ
ル層の表面に多数のピットが発生し、かつ、その表面の
凹凸が大きいため表面平坦性が悪く、また、高温で成長
を行うとピットは低減するが、キャリア濃度が上昇する
という問題があった。本発明は、化合物半導体エピタキ
シャル層の表面のピットを低減し、平坦性を向上し、キ
ャリア濃度を低減する、ヘテロエピタキシャル成長方法
を提供することを目的とする。
来の二段階成長法によると、化合物半導体エピタキシャ
ル層の表面に多数のピットが発生し、かつ、その表面の
凹凸が大きいため表面平坦性が悪く、また、高温で成長
を行うとピットは低減するが、キャリア濃度が上昇する
という問題があった。本発明は、化合物半導体エピタキ
シャル層の表面のピットを低減し、平坦性を向上し、キ
ャリア濃度を低減する、ヘテロエピタキシャル成長方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるヘテロエ
ピタキシャル成長方法においては、Si基板等のIV族
基板上に化合物半導体エピタキシャル層を形成するヘテ
ロエピタキシャル成長において、このIV族基板上に化
合物半導体低温成長層を形成した後に昇温して第1の化
合物半導体エピタキシャル層を形成し、次いでさらに昇
温して第2の化合物半導体エピタキシャル層を形成し、
次いで降温して第3の化合物半導体エピタキシャル層を
形成する工程を採用した。
ピタキシャル成長方法においては、Si基板等のIV族
基板上に化合物半導体エピタキシャル層を形成するヘテ
ロエピタキシャル成長において、このIV族基板上に化
合物半導体低温成長層を形成した後に昇温して第1の化
合物半導体エピタキシャル層を形成し、次いでさらに昇
温して第2の化合物半導体エピタキシャル層を形成し、
次いで降温して第3の化合物半導体エピタキシャル層を
形成する工程を採用した。
【0006】この場合、第1の化合物半導体エピタキシ
ャル層を、600℃以上700℃未満で形成し、第2の
化合物半導体エピタキシャル層を700℃以上で形成
し、第3の化合物半導体エピタキシャル層を700℃未
満で形成することができる。
ャル層を、600℃以上700℃未満で形成し、第2の
化合物半導体エピタキシャル層を700℃以上で形成
し、第3の化合物半導体エピタキシャル層を700℃未
満で形成することができる。
【0007】またこの場合、第1の化合物半導体エピタ
キシャル層を形成する場合のV/III比を、第2の化
合物半導体エピタキシャル層を形成する場合のV/II
I比より低くすることができる。
キシャル層を形成する場合のV/III比を、第2の化
合物半導体エピタキシャル層を形成する場合のV/II
I比より低くすることができる。
【0008】またこの場合、第1の化合物半導体エピタ
キシャル層の成長中のV/III比および第2の化合物
半導体エピタキシャル層を成長する場合のV/III比
を、第3の化合物半導体エピタキシャル層を形成する場
合のV/III比よりも低く、例えば20以下にする工
程を採用した。
キシャル層の成長中のV/III比および第2の化合物
半導体エピタキシャル層を成長する場合のV/III比
を、第3の化合物半導体エピタキシャル層を形成する場
合のV/III比よりも低く、例えば20以下にする工
程を採用した。
【0009】また、Si基板等のIV族基板上に化合物
半導体エピタキシャル層を形成するヘテロエピタキシャ
ル成長方法において、このIV族基板上に化合物半導体
低温成長層を形成した後に昇温して第1の化合物半導体
エピタキシャル層を形成し、第1の化合物半導体エピタ
キシャル層を、反応管内圧力76Torr、V族原料ガ
ス分圧0.35Torrの点Aと、反応管内圧力760
Torr、V族原料ガス分圧0.6Torrの点Bと、
反応管内圧力760Torr、V族原料ガス分圧5.7
Torrの点Cと、反応管内圧力76Torr、V族原
料ガス分圧1.3Torrの点Dとで囲まれる領域の条
件でアニールして、第1の化合物半導体エピタキシャル
層の結晶性および表面平坦性を改善する工程を採用し
た。
半導体エピタキシャル層を形成するヘテロエピタキシャ
ル成長方法において、このIV族基板上に化合物半導体
低温成長層を形成した後に昇温して第1の化合物半導体
エピタキシャル層を形成し、第1の化合物半導体エピタ
キシャル層を、反応管内圧力76Torr、V族原料ガ
ス分圧0.35Torrの点Aと、反応管内圧力760
Torr、V族原料ガス分圧0.6Torrの点Bと、
反応管内圧力760Torr、V族原料ガス分圧5.7
Torrの点Cと、反応管内圧力76Torr、V族原
料ガス分圧1.3Torrの点Dとで囲まれる領域の条
件でアニールして、第1の化合物半導体エピタキシャル
層の結晶性および表面平坦性を改善する工程を採用し
た。
【0010】また、Si基板等のIV族基板上に化合物
半導体エピタキシャル層を形成するヘテロエピタキシャ
ル成長方法において、このIV族基板上に化合物半導体
低温成長層を成長し、その上に第1の化合物半導体エピ
タキシャル層をトリエチルガリウムを原料として化合物
半導体低温成長層を成長する場合の温度よりも高温で成
長し、その上に第1の化合物半導体エピタキシャル層を
成長する場合の温度より高温で第2の化合物半導体エピ
タキシャル層を成長する工程を採用した。
半導体エピタキシャル層を形成するヘテロエピタキシャ
ル成長方法において、このIV族基板上に化合物半導体
低温成長層を成長し、その上に第1の化合物半導体エピ
タキシャル層をトリエチルガリウムを原料として化合物
半導体低温成長層を成長する場合の温度よりも高温で成
長し、その上に第1の化合物半導体エピタキシャル層を
成長する場合の温度より高温で第2の化合物半導体エピ
タキシャル層を成長する工程を採用した。
【0011】また、Si基板等のIV族基板上に化合物
半導体エピタキシャル層を形成するヘテロエピタキシャ
ル成長方法において、このIV族基板上にまず化合物半
導体低温成長層を成長し、次に化合物半導体エピタキシ
ャル層を成長した後に化合物半導体エピタキシャル層に
研磨を加えて平坦化し、次いで化合物半導体エピタキシ
ャル層を成長する場合の温度よりも高い温度でアニール
を行い、その上にアニール温度よりも低い温度で化合物
半導体エピタキシャル層を成長する工程を採用した。
半導体エピタキシャル層を形成するヘテロエピタキシャ
ル成長方法において、このIV族基板上にまず化合物半
導体低温成長層を成長し、次に化合物半導体エピタキシ
ャル層を成長した後に化合物半導体エピタキシャル層に
研磨を加えて平坦化し、次いで化合物半導体エピタキシ
ャル層を成長する場合の温度よりも高い温度でアニール
を行い、その上にアニール温度よりも低い温度で化合物
半導体エピタキシャル層を成長する工程を採用した。
【0012】また、(100)から〔011〕方向へ傾
斜したSi基板等のIV族基板上に化合物半導体エピタ
キシャル層を形成するヘテロエピタキシャル成長方法に
おいて、このIV族基板の加熱による自然酸化膜の除去
をV族元素含有雰囲気中で875℃以下で行い、このI
V族基板上に化合物半導体低温成長層を形成した後に昇
温して化合物半導体エピタキシャル層を形成する工程を
有し、さらに化合物半導体エピタキシャル層の成長中、
あるいは成長後のアニールをSi基板の自然酸化膜を除
去する工程以下の温度で行う工程を採用した。
斜したSi基板等のIV族基板上に化合物半導体エピタ
キシャル層を形成するヘテロエピタキシャル成長方法に
おいて、このIV族基板の加熱による自然酸化膜の除去
をV族元素含有雰囲気中で875℃以下で行い、このI
V族基板上に化合物半導体低温成長層を形成した後に昇
温して化合物半導体エピタキシャル層を形成する工程を
有し、さらに化合物半導体エピタキシャル層の成長中、
あるいは成長後のアニールをSi基板の自然酸化膜を除
去する工程以下の温度で行う工程を採用した。
【0013】
【0014】
【作用】本発明のように、化合物半導体低温成長層の形
成後に比較的低温で第1の化合物エピタキシャル層を形
成すると、化合物半導体の成長核が集中して塊状に成長
する、いわゆるコアレッセンスを抑制することができ、
第1の化合物半導体エピタキシャル層の形成温度より高
い温度で第2の化合物半導体エピタキシャル層を形成す
ることによりピットを抑制し、平坦性を改善することが
可能になる。
成後に比較的低温で第1の化合物エピタキシャル層を形
成すると、化合物半導体の成長核が集中して塊状に成長
する、いわゆるコアレッセンスを抑制することができ、
第1の化合物半導体エピタキシャル層の形成温度より高
い温度で第2の化合物半導体エピタキシャル層を形成す
ることによりピットを抑制し、平坦性を改善することが
可能になる。
【0015】また、第2の化合物半導体エピタキシャル
層を高温で形成するとキャリア濃度が上昇するが、その
上に温度を下げて第3の化合物半導体エピタキシャル層
を形成すると、この層のキャリア濃度を抑制することが
できる。
層を高温で形成するとキャリア濃度が上昇するが、その
上に温度を下げて第3の化合物半導体エピタキシャル層
を形成すると、この層のキャリア濃度を抑制することが
できる。
【0016】また、第1の化合物半導体エピタキシャル
層を形成する場合のV/III比を、第2の化合物半導
体エピタキシャル層を形成する場合のV/III比より
低くすると、その原因は現在のところ解明されていない
が、ピット数が減少する。
層を形成する場合のV/III比を、第2の化合物半導
体エピタキシャル層を形成する場合のV/III比より
低くすると、その原因は現在のところ解明されていない
が、ピット数が減少する。
【0017】また、Si基板等のIV族基板上に化合物
半導体低温成長層を形成した後に昇温して第1の化合物
半導体エピタキシャル層を形成し、第1の化合物半導体
エピタキシャル層を、反応管内圧力76Torr、V族
原料ガス分圧0.35Torrの点Aと、反応管内圧力
760Torr、V族原料ガス分圧0.6Torrの点
Bと、反応管内圧力760Torr、V族原料ガス分圧
5.7Torrの点Cと、反応管内圧力76Torr、
V族原料ガス分圧1.3Torrの点Dとで囲まれる領
域の条件でアニールすると、第1の化合物半導体エピタ
キシャル層の結晶性および表面平坦性を改善することが
できる。
半導体低温成長層を形成した後に昇温して第1の化合物
半導体エピタキシャル層を形成し、第1の化合物半導体
エピタキシャル層を、反応管内圧力76Torr、V族
原料ガス分圧0.35Torrの点Aと、反応管内圧力
760Torr、V族原料ガス分圧0.6Torrの点
Bと、反応管内圧力760Torr、V族原料ガス分圧
5.7Torrの点Cと、反応管内圧力76Torr、
V族原料ガス分圧1.3Torrの点Dとで囲まれる領
域の条件でアニールすると、第1の化合物半導体エピタ
キシャル層の結晶性および表面平坦性を改善することが
できる。
【0018】また、Si基板等のIV族基板上に化合物
半導体低温成長層を成長し、その上に第1の化合物半導
体エピタキシャル層を、トリエチルガリウムを原料とし
て化合物半導体低温成長層を成長する場合の温度よりも
高温で成長すると、化合物半導体低温成長層の粗れを低
減することができる。
半導体低温成長層を成長し、その上に第1の化合物半導
体エピタキシャル層を、トリエチルガリウムを原料とし
て化合物半導体低温成長層を成長する場合の温度よりも
高温で成長すると、化合物半導体低温成長層の粗れを低
減することができる。
【0019】また、Si基板等のIV族基板上に化合物
半導体エピタキシャル層を形成するヘテロエピタキシャ
ル成長方法において、このIV族基板の上にまず化合物
低温成長層を成長し、続いて化合物半導体エピタキシャ
ル層を成長した後に化合物半導体エピタキシャル層に研
磨を加えて平坦化し、次いで化合物半導体エピタキシャ
ル層を成長する温度よりも高い温度、例えば800℃以
上でアニールを行い、その上にアニール温度よりも低い
温度で化合物半導体エピタキシャル層を成長するとピッ
ト密度を低減することができる。
半導体エピタキシャル層を形成するヘテロエピタキシャ
ル成長方法において、このIV族基板の上にまず化合物
低温成長層を成長し、続いて化合物半導体エピタキシャ
ル層を成長した後に化合物半導体エピタキシャル層に研
磨を加えて平坦化し、次いで化合物半導体エピタキシャ
ル層を成長する温度よりも高い温度、例えば800℃以
上でアニールを行い、その上にアニール温度よりも低い
温度で化合物半導体エピタキシャル層を成長するとピッ
ト密度を低減することができる。
【0020】また、(100)から〔011〕方向へ傾
斜したSi基板等のIV族基板上に化合物半導体エピタ
キシャル層を形成するヘテロエピタキシャル成長方法に
おいて、このIV族基板の加熱による自然酸化膜の除去
をV族元素含有雰囲気中で875℃以下で行い、このI
V族基板の上に化合物半導体低温成長層を形成後に昇温
して化合物半導体エピタキシャル層形成する工程を有
し、さらに化合物半導体結晶エピタキシャル層の成長
中、あるいは成長後のアニールを、このIV族基板の自
然酸化膜を除去する工程以下の温度で行うと、化合物半
導体結晶エピタキシャル層の平坦性と結晶性を改善する
ことができる。
斜したSi基板等のIV族基板上に化合物半導体エピタ
キシャル層を形成するヘテロエピタキシャル成長方法に
おいて、このIV族基板の加熱による自然酸化膜の除去
をV族元素含有雰囲気中で875℃以下で行い、このI
V族基板の上に化合物半導体低温成長層を形成後に昇温
して化合物半導体エピタキシャル層形成する工程を有
し、さらに化合物半導体結晶エピタキシャル層の成長
中、あるいは成長後のアニールを、このIV族基板の自
然酸化膜を除去する工程以下の温度で行うと、化合物半
導体結晶エピタキシャル層の平坦性と結晶性を改善する
ことができる。
【0021】また、化合物半導体層の成長を開始する前
に反応管および反応管内の部品を酸素を含む雰囲気中で
アニールすると、GaAs成分がチャンバー内壁に堆積
し、成長層上に落下して汚染するのを防ぐことができ
る。
に反応管および反応管内の部品を酸素を含む雰囲気中で
アニールすると、GaAs成分がチャンバー内壁に堆積
し、成長層上に落下して汚染するのを防ぐことができ
る。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 (第1実施例)図1は、第1実施例によって成長したG
aAsヘテロエピタキシャル層の構成説明図である。こ
の図において、1はSi基板、2は化合物半導体低温成
長層、3は第1の化合物半導体エピタキシャル層、4は
第2の化合物半導体エピタキシャル層、5は第3の化合
物半導体エピタキシャル層である。
aAsヘテロエピタキシャル層の構成説明図である。こ
の図において、1はSi基板、2は化合物半導体低温成
長層、3は第1の化合物半導体エピタキシャル層、4は
第2の化合物半導体エピタキシャル層、5は第3の化合
物半導体エピタキシャル層である。
【0023】第1実施例によって形成されたGaAsヘ
テロエピタキシャル層はこの図に示されているように、
Si基板1の上に、GaAsからなる化合物半導体低温
成長層2が形成され、その上にMOCVD(metal
organic chemical vapor de
position)によってGaAsからなる第1の化
合物半導体エピタキシャル層3、GaAsからなる第2
の化合物半導体エピタキシャル層4、GaAsからなる
第3の化合物半導体エピタキシャル層5が形成されてい
る。この図に示されるGaAsヘテロエピタキシャル層
は下記の成長方法によって形成される。
テロエピタキシャル層はこの図に示されているように、
Si基板1の上に、GaAsからなる化合物半導体低温
成長層2が形成され、その上にMOCVD(metal
organic chemical vapor de
position)によってGaAsからなる第1の化
合物半導体エピタキシャル層3、GaAsからなる第2
の化合物半導体エピタキシャル層4、GaAsからなる
第3の化合物半導体エピタキシャル層5が形成されてい
る。この図に示されるGaAsヘテロエピタキシャル層
は下記の成長方法によって形成される。
【0024】図2は、第1実施例のGaAsヘテロエピ
タキシャル成長方法の成長温度プロファイルである。こ
の成長温度プロファイルを参照して、この実施例のGa
Asヘテロエピタキシャル成長方法を説明する。
タキシャル成長方法の成長温度プロファイルである。こ
の成長温度プロファイルを参照して、この実施例のGa
Asヘテロエピタキシャル成長方法を説明する。
【0025】第1段階(図2中のイ参照) Si基板1を還元性雰囲気中で1000℃で約10分間
熱処理して、自然酸化膜を除去する。
熱処理して、自然酸化膜を除去する。
【0026】第2段階(図2中のロ参照) Si基板1の上に、350〜500℃の温度で、5分間
MOCVDすることによって成長核を形成する厚さ10
0ÅのGaAsからなる化合物半導体低温成長層2を成
長する。
MOCVDすることによって成長核を形成する厚さ10
0ÅのGaAsからなる化合物半導体低温成長層2を成
長する。
【0027】第3段階(図2中のハ参照) その上に、600℃以上700℃未満に昇温して約10
分間MOCVDすることによって、厚さ0.5μmのG
aAsからなる第1の化合物半導体エピタキシャル層3
を成長する。 この温度範囲において成長することによ
って、コアレッセンスを抑制して平坦性を改善すること
ができる。
分間MOCVDすることによって、厚さ0.5μmのG
aAsからなる第1の化合物半導体エピタキシャル層3
を成長する。 この温度範囲において成長することによ
って、コアレッセンスを抑制して平坦性を改善すること
ができる。
【0028】第4段階(図2中のニ参照) その上に、700℃以上に昇温して、約40分間MOC
VDすることによって厚さ2.0μmのGaAsからな
る第2の化合物半導体エピタキシャル層4を成長する。
GaAsからなる第2の化合物半導体エピタキシャル層
を700℃以上で形成すると、ピットを低減することが
できる。
VDすることによって厚さ2.0μmのGaAsからな
る第2の化合物半導体エピタキシャル層4を成長する。
GaAsからなる第2の化合物半導体エピタキシャル層
を700℃以上で形成すると、ピットを低減することが
できる。
【0029】第5段階(図2中のホ参照) その上に、700℃未満に降温して、約10分間MOC
VDすることによって厚さ0.5μmのGaAsからな
る第3の化合物半導体エピタキシャル層5を成長する。
VDすることによって厚さ0.5μmのGaAsからな
る第3の化合物半導体エピタキシャル層5を成長する。
【0030】図3は、従来と第1実施例の成長方法によ
るGaAsエピタキシャル層の表面の結晶構造の顕微鏡
写真で、(A)は従来のMOCVDによって成長した場
合、(B)はこの実施例の成長方法によって成長した場
合の表面を示している。これらの写真は、原子間力顕微
鏡(AFM)写真である。図3(A)は従来のMOCV
Dによって成長したGaAs層の表面を示し、20個の
ピットが観察される。また、図3(B)は、この実施例
の成長方法によるGaAs層の表面を示し、僅かに4個
のピットが観察されるだけである。
るGaAsエピタキシャル層の表面の結晶構造の顕微鏡
写真で、(A)は従来のMOCVDによって成長した場
合、(B)はこの実施例の成長方法によって成長した場
合の表面を示している。これらの写真は、原子間力顕微
鏡(AFM)写真である。図3(A)は従来のMOCV
Dによって成長したGaAs層の表面を示し、20個の
ピットが観察される。また、図3(B)は、この実施例
の成長方法によるGaAs層の表面を示し、僅かに4個
のピットが観察されるだけである。
【0031】図4は、従来と第1実施例の成長方法によ
るGaAsエピタキシャル層の表面のピット数の比較図
である。この図の横軸は、従来の二段階成長法(成長温
度650℃と700℃)と第1実施例による四段階成長
法によって成長したGaAsエピタキシャル層を示し、
縦軸はそれらの表面のピット数を示している。
るGaAsエピタキシャル層の表面のピット数の比較図
である。この図の横軸は、従来の二段階成長法(成長温
度650℃と700℃)と第1実施例による四段階成長
法によって成長したGaAsエピタキシャル層を示し、
縦軸はそれらの表面のピット数を示している。
【0032】この比較図に示されているように、従来の
二段階成長法においては、成長温度が650℃の場合は
ピット数が最も多く、成長温度が700℃の場合は大き
く減少し、本発明の四段階成長法によるとピット数が数
分の1に減少していることが観察される。
二段階成長法においては、成長温度が650℃の場合は
ピット数が最も多く、成長温度が700℃の場合は大き
く減少し、本発明の四段階成長法によるとピット数が数
分の1に減少していることが観察される。
【0033】図5は、従来と第1実施例の成長方法によ
るGaAsエピタキシャル層の表面の平坦性の比較図で
ある。この図の横軸は、従来の二段階成長法(成長温度
650℃と700℃)と第1実施例による四段階成長法
によって成長したGaAsエピタキシャル層を示し、縦
軸はそれらの表面の平坦性を原子間力顕微鏡によって測
定した凹凸の標準偏差値(nm)を示している。当然の
ことながら、標準偏差値が小さいほど表面の凹凸は小さ
く、平坦性はよいことを示している。
るGaAsエピタキシャル層の表面の平坦性の比較図で
ある。この図の横軸は、従来の二段階成長法(成長温度
650℃と700℃)と第1実施例による四段階成長法
によって成長したGaAsエピタキシャル層を示し、縦
軸はそれらの表面の平坦性を原子間力顕微鏡によって測
定した凹凸の標準偏差値(nm)を示している。当然の
ことながら、標準偏差値が小さいほど表面の凹凸は小さ
く、平坦性はよいことを示している。
【0034】この比較図に示されているように、従来の
二段階成長法においては、成長温度が650℃の場合は
平坦性が悪く、成長温度が700℃の場合はやや改善さ
れ、本発明の四段階成長法によると平坦性が顕著に改善
されていることがわかる。
二段階成長法においては、成長温度が650℃の場合は
平坦性が悪く、成長温度が700℃の場合はやや改善さ
れ、本発明の四段階成長法によると平坦性が顕著に改善
されていることがわかる。
【0035】図6は、第1実施例の成長方法によるGa
Asエピタキシャル層の成長温度とピット数の関係図で
ある。この図の横軸は第3の化合物半導体エピタキシャ
ル層であるGaAsエピタキシャル層の成長温度を示
し、縦軸はピット数を示している。この関係図による
と、最上層のGaAsエピタキシャル層の成長温度を低
くするほどピット数が減少し、特に、700℃未満でピ
ット数が減少することが観察される。
Asエピタキシャル層の成長温度とピット数の関係図で
ある。この図の横軸は第3の化合物半導体エピタキシャ
ル層であるGaAsエピタキシャル層の成長温度を示
し、縦軸はピット数を示している。この関係図による
と、最上層のGaAsエピタキシャル層の成長温度を低
くするほどピット数が減少し、特に、700℃未満でピ
ット数が減少することが観察される。
【0036】上記の実施例においては、GaAsエピタ
キシャル層を成長する場合について説明したが、例え
ば、GaAs,AlAs,InAs,GaP,AlP,
InPおよびこれらの混晶等、他の化合物半導体ヘテロ
エピタキシャル層の成長においても上記と同様の効果を
奏する。
キシャル層を成長する場合について説明したが、例え
ば、GaAs,AlAs,InAs,GaP,AlP,
InPおよびこれらの混晶等、他の化合物半導体ヘテロ
エピタキシャル層の成長においても上記と同様の効果を
奏する。
【0037】(第2実施例)上記の第1実施例の化合物
半導体のヘテロエピタキシャル成長方法においては、S
i基板1上への、GaAsからなる化合物半導体低温成
長層2、GaAsからなる第1の化合物半導体エピタキ
シャル層3、GaAsからなる第2の化合物半導体エピ
タキシャル層4、GaAsからなる第3の化合物半導体
エピタキシャル層5は、すべて同じV/III比で成長
した(図1、図2参照)。
半導体のヘテロエピタキシャル成長方法においては、S
i基板1上への、GaAsからなる化合物半導体低温成
長層2、GaAsからなる第1の化合物半導体エピタキ
シャル層3、GaAsからなる第2の化合物半導体エピ
タキシャル層4、GaAsからなる第3の化合物半導体
エピタキシャル層5は、すべて同じV/III比で成長
した(図1、図2参照)。
【0038】第1実施例のヘテロエピタキシャル成長方
法では、第1の化合物半導体エピタキシャル層3は、化
合物半導体低温成長層2のコアレッセンスを抑制して表
面粗れを低減することを目的として形成されるが、コア
レッセンスの抑制が充分でないために表面粗れが残るこ
とが分かった。また、第2の化合物半導体エピタキシャ
ル層4はピットを低減するために成長する層であるが、
ピットを大幅に低減するには至っていないことも分かっ
た。
法では、第1の化合物半導体エピタキシャル層3は、化
合物半導体低温成長層2のコアレッセンスを抑制して表
面粗れを低減することを目的として形成されるが、コア
レッセンスの抑制が充分でないために表面粗れが残るこ
とが分かった。また、第2の化合物半導体エピタキシャ
ル層4はピットを低減するために成長する層であるが、
ピットを大幅に低減するには至っていないことも分かっ
た。
【0039】図7は、第2実施例のGaAsヘテロエピ
タキシャル成長方法の成長温度プロファイルである。こ
の成長温度プロファイルを参照して、この実施例のGa
Asヘテロエピタキシャル成長方法を説明する。なお、
Si基板1、GaAsからなる化合物半導体低温成長層
2、GaAsからなる第1の化合物半導体エピタキシャ
ル層3、GaAsからなる第2の化合物半導体エピタキ
シャル層4、GaAsからなる第3の化合物半導体エピ
タキシャル層5は図1を参照する。
タキシャル成長方法の成長温度プロファイルである。こ
の成長温度プロファイルを参照して、この実施例のGa
Asヘテロエピタキシャル成長方法を説明する。なお、
Si基板1、GaAsからなる化合物半導体低温成長層
2、GaAsからなる第1の化合物半導体エピタキシャ
ル層3、GaAsからなる第2の化合物半導体エピタキ
シャル層4、GaAsからなる第3の化合物半導体エピ
タキシャル層5は図1を参照する。
【0040】第1段階(図7中のイ参照) Si基板1を還元性雰囲気中で1000℃で約10分間
加熱して表面に形成されている自然酸化膜を除去する。
加熱して表面に形成されている自然酸化膜を除去する。
【0041】第2段階(図7中のロ参照) 次いで、Si基板の温度を350〜500℃に降温し
て、約5分間MOCVDすることによって成長核を形成
する厚さ100ÅのGaAsからなる化合物半導体低温
成長層2を成長する。
て、約5分間MOCVDすることによって成長核を形成
する厚さ100ÅのGaAsからなる化合物半導体低温
成長層2を成長する。
【0042】第3段階(図7中のハ参照) 次いで、基板温度を600℃以上700℃未満に昇温
し、V/III比を13にして、約10分間MOCVD
することによって厚さ0.5μmのGaAsからなる第
1の化合物半導体エピタキシャル層3を成長する。
し、V/III比を13にして、約10分間MOCVD
することによって厚さ0.5μmのGaAsからなる第
1の化合物半導体エピタキシャル層3を成長する。
【0043】第4段階(図7中のニ参照) 次いで、Si基板温度を700℃以上に昇温してV/I
II比を13に維持して約40分間MOCVDすること
によって厚さ2.0μmの第2のGaAsからなる第2
の化合物半導体エピタキシャル層4を成長する。
II比を13に維持して約40分間MOCVDすること
によって厚さ2.0μmの第2のGaAsからなる第2
の化合物半導体エピタキシャル層4を成長する。
【0044】第5段階(図7中のホ参照) 最後にSi基板温度を700℃未満に降温し、V/II
I比を27にして約10分間MOCVDすることによっ
て、第3のGaAsからなる化合物半導体エピタキシャ
ル層5を成長する。
I比を27にして約10分間MOCVDすることによっ
て、第3のGaAsからなる化合物半導体エピタキシャ
ル層5を成長する。
【0045】図8は、従来と第2実施例の成長方法によ
るGaAsエピタキシャル層の状態の比較図で、(A)
は表面凹凸標準偏差、(B)はピット密度を示してい
る。この図に示されているように、この実施例のヘテロ
エピタキシャル成長方法によると、GaAsからなる第
1の化合物半導体エピタキシャル層を成長する際のV/
III比を低くすることによって、GaAsからなる化
合物半導体低温成長層2のコアレッセンスが有効に抑制
されて、表面凹凸標準偏差は従来の二段階成長法に比較
して、3.1nmから2.7nmに低減している。ま
た、GaAsからなる第2の化合物半導体エピタキシャ
ル層4を成長する際のX/III比を低くすることによ
って、ピット密度は、従来の二段階成長法に比較して5
×105 cm-2から3×105 cm-2に低減している。
るGaAsエピタキシャル層の状態の比較図で、(A)
は表面凹凸標準偏差、(B)はピット密度を示してい
る。この図に示されているように、この実施例のヘテロ
エピタキシャル成長方法によると、GaAsからなる第
1の化合物半導体エピタキシャル層を成長する際のV/
III比を低くすることによって、GaAsからなる化
合物半導体低温成長層2のコアレッセンスが有効に抑制
されて、表面凹凸標準偏差は従来の二段階成長法に比較
して、3.1nmから2.7nmに低減している。ま
た、GaAsからなる第2の化合物半導体エピタキシャ
ル層4を成長する際のX/III比を低くすることによ
って、ピット密度は、従来の二段階成長法に比較して5
×105 cm-2から3×105 cm-2に低減している。
【0046】この実施例の化合物半導体ヘテロエピタキ
シャル成長方法においては、Si基板上に化合物半導体
低温成長層を形成し、その上に第1の化合物半導体エピ
タキシャル層を成長する際のV/III比および第2の
化合物半導体エピタキシャル層を成長する際のV/II
I比を、第3の化合物半導体エピタキシャル層を成長中
する際のV/III比よりも低い値、特に20以下にす
ることによって、表面粗れとピット密度を低減する効果
を有している。
シャル成長方法においては、Si基板上に化合物半導体
低温成長層を形成し、その上に第1の化合物半導体エピ
タキシャル層を成長する際のV/III比および第2の
化合物半導体エピタキシャル層を成長する際のV/II
I比を、第3の化合物半導体エピタキシャル層を成長中
する際のV/III比よりも低い値、特に20以下にす
ることによって、表面粗れとピット密度を低減する効果
を有している。
【0047】(第3実施例)この実施例の化合物半導体
ヘテロエピタキシャル成長方法は、Si基板上に化合物
半導体成長初期層を成長し、その上に成長した第1の化
合物半導体エピタキシャル層を種々の条件によってアニ
ールすることによって半導素子あるいは集積回路を形成
する最上層の化合物半導体エピタキシャル層の表面を平
坦化する条件を見出したものである。
ヘテロエピタキシャル成長方法は、Si基板上に化合物
半導体成長初期層を成長し、その上に成長した第1の化
合物半導体エピタキシャル層を種々の条件によってアニ
ールすることによって半導素子あるいは集積回路を形成
する最上層の化合物半導体エピタキシャル層の表面を平
坦化する条件を見出したものである。
【0048】Si基板上に化合物半導体成長初期層を堆
積した後、化合物半導体エピタキシャル層を成長する
際、或る範囲の反応管内圧力とV族原料ガス分圧の雰囲
気中でその成長温度まで昇温すると、化合物半導体成長
初期層の表面平坦性が改善されることは既に知られてい
る。この実施例の化合物半導体ヘテロエピタキシャル成
長方法においては、Si基板上に化合物半導体成長初期
層を成長し、その上に成長した化合物半導体エピタキシ
ャル層を所定の範囲の反応管内圧力とV族原料ガス分圧
の雰囲気中でアニールすることによって、さらにその上
に成長する化合物半導体エピタキシャル層の表面を平坦
化することを特徴とする。
積した後、化合物半導体エピタキシャル層を成長する
際、或る範囲の反応管内圧力とV族原料ガス分圧の雰囲
気中でその成長温度まで昇温すると、化合物半導体成長
初期層の表面平坦性が改善されることは既に知られてい
る。この実施例の化合物半導体ヘテロエピタキシャル成
長方法においては、Si基板上に化合物半導体成長初期
層を成長し、その上に成長した化合物半導体エピタキシ
ャル層を所定の範囲の反応管内圧力とV族原料ガス分圧
の雰囲気中でアニールすることによって、さらにその上
に成長する化合物半導体エピタキシャル層の表面を平坦
化することを特徴とする。
【0049】発明者らは、種々の実験によって、この化
合物半導体成長初期層を成長した後にSi基板を昇温す
る際の平坦性を改善する雰囲気の条件が、化合物半導体
成長初期層の上に成長した化合物半導体エピタキシャル
層をアニールする際にも有効であることを発見した。
合物半導体成長初期層を成長した後にSi基板を昇温す
る際の平坦性を改善する雰囲気の条件が、化合物半導体
成長初期層の上に成長した化合物半導体エピタキシャル
層をアニールする際にも有効であることを発見した。
【0050】図9は、第3実施例の化合物半導体ヘテロ
エピタキシャル成長方法のアニール条件の説明図であ
る。この図の横軸はV族原料ガス分圧、縦軸は反応管内
圧力を示している。この図の、反応管内圧力76Tor
r、V族原料ガス分圧0.35Torrの点Aと、反応
管内圧力760Torr、V族原料ガス分圧0.6To
rrの点Bと、反応管内圧力760Torr、V族原料
ガス分圧5.7Torrの点Cと、反応管内圧力76T
orr、V族原料ガス分圧1.3Torrの点Dとで囲
まれる領域の条件下でSi基板上に成長した化合物半導
体成長初期層の上に成長した化合物半導体エピタキシャ
ル層をアニールすると、さらにその上に形成する化合物
半導体エピタキシャル層の表面平坦性が大きく改善さ
れ、半導体素子や集積回路を形成するのに適した化合物
半導体エピタキシャル層が得られる。
エピタキシャル成長方法のアニール条件の説明図であ
る。この図の横軸はV族原料ガス分圧、縦軸は反応管内
圧力を示している。この図の、反応管内圧力76Tor
r、V族原料ガス分圧0.35Torrの点Aと、反応
管内圧力760Torr、V族原料ガス分圧0.6To
rrの点Bと、反応管内圧力760Torr、V族原料
ガス分圧5.7Torrの点Cと、反応管内圧力76T
orr、V族原料ガス分圧1.3Torrの点Dとで囲
まれる領域の条件下でSi基板上に成長した化合物半導
体成長初期層の上に成長した化合物半導体エピタキシャ
ル層をアニールすると、さらにその上に形成する化合物
半導体エピタキシャル層の表面平坦性が大きく改善さ
れ、半導体素子や集積回路を形成するのに適した化合物
半導体エピタキシャル層が得られる。
【0051】ここで、この実施例の化合物半導体ヘテロ
エピタキシャル成長方法において、MOCVDによって
Si基板の上にGaAsをエピタキシャル成長する実験
例を説明する。
エピタキシャル成長方法において、MOCVDによって
Si基板の上にGaAsをエピタキシャル成長する実験
例を説明する。
【0052】〔第1の実験〕 第1段階 反応管中にH2 を12slm、AsH3 を34sccm
導入し、反応管内圧力を76Torrとし、Si基板を
1000℃で10分間加熱して自然酸化膜を除去した。
以後の工程において、H2 の流量は変わらない。反応管
内圧力もアニール工程以外では変わらない。また、Ga
Asを成長する工程以外は反応管の内部に付着したGa
Asが分解するのを防ぐためにAsH3 を34sccm
導入した。
導入し、反応管内圧力を76Torrとし、Si基板を
1000℃で10分間加熱して自然酸化膜を除去した。
以後の工程において、H2 の流量は変わらない。反応管
内圧力もアニール工程以外では変わらない。また、Ga
Asを成長する工程以外は反応管の内部に付着したGa
Asが分解するのを防ぐためにAsH3 を34sccm
導入した。
【0053】第2段階 Si基板の温度を400℃程度に降温し、AsH3 を2
66sccm、トリメチルガリウム(trimethy
lgallium TMG)を18sccm導入してG
aAs低温成長層を10nm程度堆積させた。
66sccm、トリメチルガリウム(trimethy
lgallium TMG)を18sccm導入してG
aAs低温成長層を10nm程度堆積させた。
【0054】第3段階 次に、Si基板を昇温し、この上に650℃でAsH3
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
0.5μmの第1のGaAsエピタキシャル層を成長し
た。
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
0.5μmの第1のGaAsエピタキシャル層を成長し
た。
【0055】第4段階 第1のGaAsエピタキシャル層の成長を中断し、Si
基板を900℃まで昇温し15分間アニールを行った。
この際、反応管内圧力を76Torrとし、AsH3 分
圧を0.1〜1.6Torrの範囲で変化した。この反
応管内圧力とAsH3 分圧の範囲は、図9において直線
A−Dで示されている。
基板を900℃まで昇温し15分間アニールを行った。
この際、反応管内圧力を76Torrとし、AsH3 分
圧を0.1〜1.6Torrの範囲で変化した。この反
応管内圧力とAsH3 分圧の範囲は、図9において直線
A−Dで示されている。
【0056】第5段階 このあと、Si基板を再び降温し、650℃でAsH3
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
2.5μmの上層の第2のGaAsエピタキシャル層を
成長した。
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
2.5μmの上層の第2のGaAsエピタキシャル層を
成長した。
【0057】図10は、アルシン分圧とGaAsエピタ
キシャル層の表面平坦性の関係図(1)である。この図
の横軸はアルシン分圧、縦軸は第2のGaAsエピタキ
シャル層の表面凹凸標準偏差を示している。そしてこの
表面凹凸標準偏差は、GaAsエピタキシャル層の表面
を原子間力顕微鏡で観察して定量化しており、この数値
が小さいほど表面は平坦である。
キシャル層の表面平坦性の関係図(1)である。この図
の横軸はアルシン分圧、縦軸は第2のGaAsエピタキ
シャル層の表面凹凸標準偏差を示している。そしてこの
表面凹凸標準偏差は、GaAsエピタキシャル層の表面
を原子間力顕微鏡で観察して定量化しており、この数値
が小さいほど表面は平坦である。
【0058】Si基板上に成長したGaAs低温成長層
の上に成長した第1のGaAsエピタキシャル層をアニ
ールしなかった場合の、最上層の第2のGaAsエピタ
キシャル層を観察すると、この図に示されているよう
に、RMSは4.0nmであった。RMSが4.0nm
以下となり、アニールによる表面平坦性の改善がみられ
るのは、AsH3 分圧が0.35〜1.3Torrの条
件であることがわかる。
の上に成長した第1のGaAsエピタキシャル層をアニ
ールしなかった場合の、最上層の第2のGaAsエピタ
キシャル層を観察すると、この図に示されているよう
に、RMSは4.0nmであった。RMSが4.0nm
以下となり、アニールによる表面平坦性の改善がみられ
るのは、AsH3 分圧が0.35〜1.3Torrの条
件であることがわかる。
【0059】〔第2の実験〕 第1段階 反応管中にH2 を12slm、AsH3 を34sccm
導入し、反応管内圧力を76Torrとし、Si基板を
1000℃で10分間加熱して自然酸化膜を除去した。
以後の工程において、H2 の流量は変わらない。反応管
内圧力もアニール工程以外では変わらない。また、Ga
Asを成長する工程以外は反応管の内部に付着したGa
Asが分解するのを防ぐためにAsH3 を34sccm
導入した。
導入し、反応管内圧力を76Torrとし、Si基板を
1000℃で10分間加熱して自然酸化膜を除去した。
以後の工程において、H2 の流量は変わらない。反応管
内圧力もアニール工程以外では変わらない。また、Ga
Asを成長する工程以外は反応管の内部に付着したGa
Asが分解するのを防ぐためにAsH3 を34sccm
導入した。
【0060】第2段階 Si基板の温度を400℃程度に降温し、AsH3 を2
66sccm、TMGを18sccm導入してGaAs
低温成長層を10nm程度堆積させた。
66sccm、TMGを18sccm導入してGaAs
低温成長層を10nm程度堆積させた。
【0061】第3段階 次に、Si基板を昇温し、この上に650℃でAsH3
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
0.5μmの第1のGaAsエピタキシャル層を成長し
た。
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
0.5μmの第1のGaAsエピタキシャル層を成長し
た。
【0062】第4段階 第1のGaAsエピタキシャル層の成長を中断し、Si
基板を900℃まで昇温し15分間アニールを行った。
この際、反応管内圧力を760Torrとし、AsH3
分圧を0〜10Torrの範囲で変化した。この反応管
内圧力とAsH3 分圧の範囲は、図9において直線B−
Cで示されている。
基板を900℃まで昇温し15分間アニールを行った。
この際、反応管内圧力を760Torrとし、AsH3
分圧を0〜10Torrの範囲で変化した。この反応管
内圧力とAsH3 分圧の範囲は、図9において直線B−
Cで示されている。
【0063】第5段階 このあと、Si基板を再び降温し、650℃でAsH3
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
2.5μmの上層の第2のGaAsエピタキシャル層を
成長した。
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
2.5μmの上層の第2のGaAsエピタキシャル層を
成長した。
【0064】図11は、アルシン分圧とGaAsエピタ
キシャル層の表面平坦性の関係図(2)である。この図
の横軸はアルシン分圧、縦軸はGaAsエピタキシャル
層の表面凹凸標準偏差を示している。RMSが4.0n
m以下となり、アニールによる表面平坦化の改善がみら
れるのは、AsH3 分圧が0.6〜5.7Torrの条
件であることがわかる。
キシャル層の表面平坦性の関係図(2)である。この図
の横軸はアルシン分圧、縦軸はGaAsエピタキシャル
層の表面凹凸標準偏差を示している。RMSが4.0n
m以下となり、アニールによる表面平坦化の改善がみら
れるのは、AsH3 分圧が0.6〜5.7Torrの条
件であることがわかる。
【0065】〔第3の実験〕 第1段階 反応管中にH2 を12slm、AsH3 を34sccm
導入し、反応管内圧力を76Torrとし、Si基板を
1000℃で10分間加熱して自然酸化膜を除去した。
以後の工程において、H2 の流量は変わらない。反応管
内圧力もアニール工程以外では変わらない。また、Ga
Asを成長する工程以外は反応管の内部に付着したGa
Asが分解するのを防ぐためにAsH3 を34sccm
導入した。
導入し、反応管内圧力を76Torrとし、Si基板を
1000℃で10分間加熱して自然酸化膜を除去した。
以後の工程において、H2 の流量は変わらない。反応管
内圧力もアニール工程以外では変わらない。また、Ga
Asを成長する工程以外は反応管の内部に付着したGa
Asが分解するのを防ぐためにAsH3 を34sccm
導入した。
【0066】第2段階 Si基板の温度を400℃程度に降温し、AsH3 を2
66sccm、TMGを18sccm導入してGaAs
低温成長層を10nm程度堆積させた。
66sccm、TMGを18sccm導入してGaAs
低温成長層を10nm程度堆積させた。
【0067】第3段階 次に、Si基板を昇温し、この上に650℃でAsH3
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
0.5μmの第1のGaAsエピタキシャル層を成長し
た。
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
0.5μmの第1のGaAsエピタキシャル層を成長し
た。
【0068】第4段階 第1のGaAsエピタキシャル層の成長を中断し、Si
基板を900℃まで昇温し15分間アニールを行った。
この際、AsH3 流量を34sccmとし、反応管内圧
力を50〜760Torrの範囲で変化した。このと
き、AsH3 分圧は0.14〜2.1Torrの範囲で
あった。
基板を900℃まで昇温し15分間アニールを行った。
この際、AsH3 流量を34sccmとし、反応管内圧
力を50〜760Torrの範囲で変化した。このと
き、AsH3 分圧は0.14〜2.1Torrの範囲で
あった。
【0069】第5段階 このあと、Si基板を再び降温し、650℃でAsH3
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
2.5μmの上層の第2のGaAsエピタキシャル層を
成長した。
を67sccm、TMGを2.5sccm導入して厚さ
2.5μmの上層の第2のGaAsエピタキシャル層を
成長した。
【0070】図12は、反応管内圧力とGaAsエピタ
キシャル層の表面平坦性の関係図である。この図の横軸
は反応管内圧力、縦軸はGaAsエピタキシャル層の表
面凹凸標準偏差を示している。RMSが4.0nm以下
となり、アニールによる表面平坦化の改善がみられるの
は、反応管内圧力が220Torr以上の条件、AsH
3 分圧が0.62以上の条件であることがわかる。これ
は図9の領域ABCDに含まれる。
キシャル層の表面平坦性の関係図である。この図の横軸
は反応管内圧力、縦軸はGaAsエピタキシャル層の表
面凹凸標準偏差を示している。RMSが4.0nm以下
となり、アニールによる表面平坦化の改善がみられるの
は、反応管内圧力が220Torr以上の条件、AsH
3 分圧が0.62以上の条件であることがわかる。これ
は図9の領域ABCDに含まれる。
【0071】上記の実施例においては、GaAs低温成
長層、第1のGaAsエピタキシャル層、上層の第2の
GaAsエピタキシャル層を成長する際の管内圧力を7
6Torrとしたが、110Torr以下であれば上記
と同様の平坦な表面を有する上層の第2のGaAsエピ
タキシャル層を得ることができた。この実施例において
は、化合物半導体としてGaAs,AlAs,InA
s,GaP,AlP,InPまたはこれらの混晶を用い
ることができる。
長層、第1のGaAsエピタキシャル層、上層の第2の
GaAsエピタキシャル層を成長する際の管内圧力を7
6Torrとしたが、110Torr以下であれば上記
と同様の平坦な表面を有する上層の第2のGaAsエピ
タキシャル層を得ることができた。この実施例において
は、化合物半導体としてGaAs,AlAs,InA
s,GaP,AlP,InPまたはこれらの混晶を用い
ることができる。
【0072】(第4実施例)前記のように従来から、S
i基板の上に400〜500℃程度の低温で化合物半導
体低温成長層を成長し、その上に600〜750℃程度
の高温で所望の化合物半導体エピタキシャル層を成長す
る2段階成長法、または、この化合物半導体低温成長層
の上にそれよりやや高い温度でバッファーとなる化合物
半導体層を成長し、その上にさらに高い温度で所望の化
合物半導体エピタキシャル層を成長する3段階成長法が
知られている。
i基板の上に400〜500℃程度の低温で化合物半導
体低温成長層を成長し、その上に600〜750℃程度
の高温で所望の化合物半導体エピタキシャル層を成長す
る2段階成長法、または、この化合物半導体低温成長層
の上にそれよりやや高い温度でバッファーとなる化合物
半導体層を成長し、その上にさらに高い温度で所望の化
合物半導体エピタキシャル層を成長する3段階成長法が
知られている。
【0073】ところが、前記の2段階成長法において
は、化合物半導体低温成長層を成長した後に所望の化合
物半導体エピタキシャル成長層の成長温度まで昇温する
際、化合物半導体低温成長層の表面が荒れ、その上に成
長するエピタキシャル成長層の表面の平坦性が悪くなる
という問題があった。
は、化合物半導体低温成長層を成長した後に所望の化合
物半導体エピタキシャル成長層の成長温度まで昇温する
際、化合物半導体低温成長層の表面が荒れ、その上に成
長するエピタキシャル成長層の表面の平坦性が悪くなる
という問題があった。
【0074】このように低温成長層の表面が荒れる前
に、通常の所望のエピタキシャル成長層の成長温度より
も低温でバッファー層を成長する3段階成長法を用いる
ことによってある程度の改善がみられる。しかし、この
際、Ga原料としてトリメチルガリウム(TMG)を用
いると、TMGの分解温度が高いため、化合物半導体低
温成長層の上に成長するバッファー層の成長温度を充分
に低温化することができない。
に、通常の所望のエピタキシャル成長層の成長温度より
も低温でバッファー層を成長する3段階成長法を用いる
ことによってある程度の改善がみられる。しかし、この
際、Ga原料としてトリメチルガリウム(TMG)を用
いると、TMGの分解温度が高いため、化合物半導体低
温成長層の上に成長するバッファー層の成長温度を充分
に低温化することができない。
【0075】この実施例のヘテロエピタキシャル成長方
法は、Gaの原料として、前記のトリメチルガリウム
(TMG)より分解温度が低く、低温で成長することが
できるトリエチルガリウム(TEG)を用いて化合物半
導体低温成長層の上に化合物半導体のバッファー層を成
長する点を特徴とする。
法は、Gaの原料として、前記のトリメチルガリウム
(TMG)より分解温度が低く、低温で成長することが
できるトリエチルガリウム(TEG)を用いて化合物半
導体低温成長層の上に化合物半導体のバッファー層を成
長する点を特徴とする。
【0076】Ga原料としてTMGを用いる場合より低
温でバッファー層を成長することにより、化合物半導体
低温成長層を成長した後に目的とする化合物半導体エピ
タキシャル成長層を成長する温度まで昇温する際に生じ
ていた低温成長層の表面の荒れを防ぐことができ、この
上に成長する目的とする化合物半導体エピタキシャル層
の表面の平坦性を改善することができる。また、バッフ
ァー層を成長する際のGaの原料として成長速度の遅い
トリエチルガリウム(TEG)を用い、化合物半導体低
温成長層や目的とする化合物半導体エピタキシャル層等
の他の層を成長する際には、成長速度の速いトリメチル
ガリウム(TMG)を用いることによって工程全体が長
時間化するのを防ぐことができる。
温でバッファー層を成長することにより、化合物半導体
低温成長層を成長した後に目的とする化合物半導体エピ
タキシャル成長層を成長する温度まで昇温する際に生じ
ていた低温成長層の表面の荒れを防ぐことができ、この
上に成長する目的とする化合物半導体エピタキシャル層
の表面の平坦性を改善することができる。また、バッフ
ァー層を成長する際のGaの原料として成長速度の遅い
トリエチルガリウム(TEG)を用い、化合物半導体低
温成長層や目的とする化合物半導体エピタキシャル層等
の他の層を成長する際には、成長速度の速いトリメチル
ガリウム(TMG)を用いることによって工程全体が長
時間化するのを防ぐことができる。
【0077】この実施例においては、MOCVDによっ
てSi基板上にGaAsエピタキシャル層を成長する工
程を説明する。
てSi基板上にGaAsエピタキシャル層を成長する工
程を説明する。
【0078】第1段階 反応管中にH2 を12slm、AsH3 を34sccm
の流量で導入し、反応管内圧力を76Torrとし、S
i基板を1000℃に加熱して10分間維持して自然酸
化膜を除去する。以後の工程において、H2 の流量は変
わらず、反応管内圧力はアニール工程以外では変わらな
い。また、成長以外のときは反応管の内部に付着したG
aAsが分解するのを防ぐため、AsH3 を34scc
m導入する。
の流量で導入し、反応管内圧力を76Torrとし、S
i基板を1000℃に加熱して10分間維持して自然酸
化膜を除去する。以後の工程において、H2 の流量は変
わらず、反応管内圧力はアニール工程以外では変わらな
い。また、成長以外のときは反応管の内部に付着したG
aAsが分解するのを防ぐため、AsH3 を34scc
m導入する。
【0079】第2段階 Si基板の温度を400℃程度に降温し、AsH3 を2
66sccm、TMGを18sccm導入してGaAs
低温成長層を10nm程度成長する。
66sccm、TMGを18sccm導入してGaAs
低温成長層を10nm程度成長する。
【0080】第3段階 次に、Si基板を昇温し、次の条件でバッファー層を成
長する。 AsH3 流量 67sccm TMG流量 2.5sccm TEG流量 2.6sccm バッファー層の成長温度(℃)およびGa原料 450℃ TEG 500℃ TEG 520℃ TEG 550℃ TMG,TEG 570℃ TMG,TEG 600℃ TMG 650℃ TMG,TEG 膜圧 5000Å
長する。 AsH3 流量 67sccm TMG流量 2.5sccm TEG流量 2.6sccm バッファー層の成長温度(℃)およびGa原料 450℃ TEG 500℃ TEG 520℃ TEG 550℃ TMG,TEG 570℃ TMG,TEG 600℃ TMG 650℃ TMG,TEG 膜圧 5000Å
【0081】第4段階 Si基板の温度を650℃に昇温し、反応管内にAsH
3 を67sccm、TMGを2.5sccmの流量で導
入して厚さ2.5μmのGaAsエピタキシャル層を成
長する。
3 を67sccm、TMGを2.5sccmの流量で導
入して厚さ2.5μmのGaAsエピタキシャル層を成
長する。
【0082】図13は、第4実施例のGaAsエピタキ
シャル層の平坦性とバッファー層成長温度関係図で、
(A)はピット密度、(B)は平坦性を示している。こ
の図13(A),(B)にみられるように、Ga原料と
してTMGを用いた場合は、570℃以下でバッファー
層を成長すると、急激に低温成長層表面のピット密度と
平坦性の劣化する。しかし、Ga原料としてTEGを用
いた場合は、570℃以下でバッファー層を成長しても
500℃程度まではバッファー層の表面のピット密度と
平坦性の劣化は生じない。
シャル層の平坦性とバッファー層成長温度関係図で、
(A)はピット密度、(B)は平坦性を示している。こ
の図13(A),(B)にみられるように、Ga原料と
してTMGを用いた場合は、570℃以下でバッファー
層を成長すると、急激に低温成長層表面のピット密度と
平坦性の劣化する。しかし、Ga原料としてTEGを用
いた場合は、570℃以下でバッファー層を成長しても
500℃程度まではバッファー層の表面のピット密度と
平坦性の劣化は生じない。
【0083】このように、GaAs低温成長層の表面荒
れを抑制することによってより表面が平坦なGaAsエ
ピタキシャル層が得られた。これらの実験結果から、成
長温度は490℃から580℃程度が適当であることが
わかる。この実施例における化合物半導体は、GaA
s,AlAs,InAs,GaP,AlP,InPおよ
びこれらの混晶等とすることができる。
れを抑制することによってより表面が平坦なGaAsエ
ピタキシャル層が得られた。これらの実験結果から、成
長温度は490℃から580℃程度が適当であることが
わかる。この実施例における化合物半導体は、GaA
s,AlAs,InAs,GaP,AlP,InPおよ
びこれらの混晶等とすることができる。
【0084】(第5実施例)従来から、Si基板等のI
V族基板上にGaAs等の化合物半導体エピタキシャル
層を形成する場合、IV族基板上にまず化合物半導体低
温成長層を成長し、続いて成長した化合物半導体エピタ
キシャル層の表面の凹凸を研磨して平坦化した後に化合
物半導体エピタキシャル層を成長して、この化合物半導
体エピタキシャル層の表面を平坦化することが試みられ
ていた。ところが、この方法によって表面の凹凸の少な
い化合物半導体エピタキシャル層を得ることができる
が、この化合物半導体エピタキシャル層の表面上にピッ
トが多く発生するという問題が生じる。これはピットの
発生原因である積層欠陥を、研磨によって無くすること
ができないためである。
V族基板上にGaAs等の化合物半導体エピタキシャル
層を形成する場合、IV族基板上にまず化合物半導体低
温成長層を成長し、続いて成長した化合物半導体エピタ
キシャル層の表面の凹凸を研磨して平坦化した後に化合
物半導体エピタキシャル層を成長して、この化合物半導
体エピタキシャル層の表面を平坦化することが試みられ
ていた。ところが、この方法によって表面の凹凸の少な
い化合物半導体エピタキシャル層を得ることができる
が、この化合物半導体エピタキシャル層の表面上にピッ
トが多く発生するという問題が生じる。これはピットの
発生原因である積層欠陥を、研磨によって無くすること
ができないためである。
【0085】この実施例のヘテロエピタキシャル成長方
法は、Si基板等のIV族基板の上に化合物半導体低温
成長層を成長し、続いて成長した化合物半導体エピタキ
シャル層の表面の凹凸を研磨して平坦化した後に、後に
成長する化合物半導体エピタキシャル層を成長する温度
よりも高い温度でアニールして積層欠陥を低減し、それ
によって化合物半導体エピタキシャル層の表面のピット
を低減し、結晶性を改善することを特徴とする。この実
施例のヘテロエピタキシャル成長方法によって、Si基
板の上にGaAs層を成長する工程を説明する。
法は、Si基板等のIV族基板の上に化合物半導体低温
成長層を成長し、続いて成長した化合物半導体エピタキ
シャル層の表面の凹凸を研磨して平坦化した後に、後に
成長する化合物半導体エピタキシャル層を成長する温度
よりも高い温度でアニールして積層欠陥を低減し、それ
によって化合物半導体エピタキシャル層の表面のピット
を低減し、結晶性を改善することを特徴とする。この実
施例のヘテロエピタキシャル成長方法によって、Si基
板の上にGaAs層を成長する工程を説明する。
【0086】図14は、第5実施例のヘテロエピタキシ
ャル成長方法の工程説明図で、(A)〜(C)は各工程
を示している。この図において、11はSi基板、12
はGaAs低温成長層、13はGaAsエピタキシャル
層、14もGaAsエピタキシャル層である。この工程
説明図によってこの実施例のヘテロエピタキシャル成長
方法を説明する。
ャル成長方法の工程説明図で、(A)〜(C)は各工程
を示している。この図において、11はSi基板、12
はGaAs低温成長層、13はGaAsエピタキシャル
層、14もGaAsエピタキシャル層である。この工程
説明図によってこの実施例のヘテロエピタキシャル成長
方法を説明する。
【0087】第1段階(図14(A)参照) Si基板11の上にMOCVD等の成長方法によって、
厚さ100ÅのGaAs低温成長層12を成長し、続い
て厚さ3μmのGaAsエピタキシャル層13を成長す
る。
厚さ100ÅのGaAs低温成長層12を成長し、続い
て厚さ3μmのGaAsエピタキシャル層13を成長す
る。
【0088】第2段階(図14(B)参照) GaAsエピタキシャル層13の凹凸を有する表面を約
1μm研磨して厚さ2μmの平坦なGaAsエピタキシ
ャル層13を残す。
1μm研磨して厚さ2μmの平坦なGaAsエピタキシ
ャル層13を残す。
【0089】第3段階(図14(C)参照) 平坦化したGaAsエピタキシャル層13の上に、65
0℃で再度GaAsを成長してGaAsエピタキシャル
層14を形成する。
0℃で再度GaAsを成長してGaAsエピタキシャル
層14を形成する。
【0090】図15は、第5実施例の従来のヘテロエピ
タキシャル成長方法によって成長したGaAs層の表面
の結晶構造の原子間力顕微鏡写真であり、(A)は従来
の成長方法で成長した場合、(B)はこの実施例の成長
方法で成長した場合を示している。図15(A)は、S
i基板11の上にMOCVD等の成長方法によって、厚
さ100ÅのGaAs低温成長層12を成長し、続いて
厚さ3μmのGaAsエピタキシャル層13を成長し、
その表面を約1μm研磨して平坦化した後に650℃で
GaAsエピタキシャル層を成長した場合の表面を示し
ているが、表面上には多くのピットが存在していること
がわかる。
タキシャル成長方法によって成長したGaAs層の表面
の結晶構造の原子間力顕微鏡写真であり、(A)は従来
の成長方法で成長した場合、(B)はこの実施例の成長
方法で成長した場合を示している。図15(A)は、S
i基板11の上にMOCVD等の成長方法によって、厚
さ100ÅのGaAs低温成長層12を成長し、続いて
厚さ3μmのGaAsエピタキシャル層13を成長し、
その表面を約1μm研磨して平坦化した後に650℃で
GaAsエピタキシャル層を成長した場合の表面を示し
ているが、表面上には多くのピットが存在していること
がわかる。
【0091】図15(B)は、Si基板11の上にMO
CVD等の成長方法によって、厚さ100ÅのGaAs
低温成長層12を成長し、続いて厚さ3μmのGaAs
エピタキシャル層13を成長し、その表面を約1μm研
磨して平坦化した後に650℃でアニールを施し、その
後に650℃でGaAsエピタキシャル層を成長した場
合の表面を示しているが、アニールを加えることによっ
てピットが消失していることがわかる。
CVD等の成長方法によって、厚さ100ÅのGaAs
低温成長層12を成長し、続いて厚さ3μmのGaAs
エピタキシャル層13を成長し、その表面を約1μm研
磨して平坦化した後に650℃でアニールを施し、その
後に650℃でGaAsエピタキシャル層を成長した場
合の表面を示しているが、アニールを加えることによっ
てピットが消失していることがわかる。
【0092】また、この実施例のヘテロエピタキシャル
成長方法によるGaAs層のX線回折半値幅は170s
ecであり、従来法(X線回折半値幅220sec)に
比べて結晶性が向上していることがわかった。この実施
例のヘテロエピタキシャル成長方法によると、前記のG
aAsの他に化合物半導体一般についても同様の効果を
生じることかわかった。また、このGaAsエピタキシ
ャル層13を研磨した後のアニール温度は、800℃以
上であると上記と同様の効果を生じることがわかった。
また、化合物半導体エピタキシャル層13を研磨した後
のアニールを、V族原料ガス雰囲気中で行うと、蒸気圧
の高いV族元素の蒸発を防ぐことができる。上記V族原
料ガスとしては、V族のハイドライド系ガス、ハライド
系ガスを用いることができ、また、有機物や固体砒素蒸
気を用いることができる。
成長方法によるGaAs層のX線回折半値幅は170s
ecであり、従来法(X線回折半値幅220sec)に
比べて結晶性が向上していることがわかった。この実施
例のヘテロエピタキシャル成長方法によると、前記のG
aAsの他に化合物半導体一般についても同様の効果を
生じることかわかった。また、このGaAsエピタキシ
ャル層13を研磨した後のアニール温度は、800℃以
上であると上記と同様の効果を生じることがわかった。
また、化合物半導体エピタキシャル層13を研磨した後
のアニールを、V族原料ガス雰囲気中で行うと、蒸気圧
の高いV族元素の蒸発を防ぐことができる。上記V族原
料ガスとしては、V族のハイドライド系ガス、ハライド
系ガスを用いることができ、また、有機物や固体砒素蒸
気を用いることができる。
【0093】(第6実施例)従来、Si基板上にMOC
VDによってGaAs等の化合物半導体エピタキシャル
層を成長する場合、(100)−〔011〕2°off
Si基板を用いて二段成長法によって成長していた。
VDによってGaAs等の化合物半導体エピタキシャル
層を成長する場合、(100)−〔011〕2°off
Si基板を用いて二段成長法によって成長していた。
【0094】図16は、従来のアニール工程を有するG
aAsヘテロエピタキシャル成長方法の成長温度プロフ
ァイル(1)である。この方法においては、Si基板を
AsH3 雰囲気中で通常1000℃程度で10分間プリ
ベークし(イ)、400℃で厚さ100Åの成長核を形
成するためのGaAs低温成長層を成長し(ロ)、最後
に650℃で厚さ3.0μmの単結晶のGaAsエピタ
キシャル層を成長している(ハ)が、この成長方法で、
Si基板上のGaAs低温成長層の上に成長したGaA
sエピタキシャル層は、Si基板における〔011〕方
向にストライプエッチした場合に逆メサになり、〔01
−1〕方向にストライプエッチした場合に順メサになる
位相を持っている。なお、上記の〔01−1〕の〔−
1〕は通常は〔1〕の上にバーを付して表記する結晶方
位を示している。
aAsヘテロエピタキシャル成長方法の成長温度プロフ
ァイル(1)である。この方法においては、Si基板を
AsH3 雰囲気中で通常1000℃程度で10分間プリ
ベークし(イ)、400℃で厚さ100Åの成長核を形
成するためのGaAs低温成長層を成長し(ロ)、最後
に650℃で厚さ3.0μmの単結晶のGaAsエピタ
キシャル層を成長している(ハ)が、この成長方法で、
Si基板上のGaAs低温成長層の上に成長したGaA
sエピタキシャル層は、Si基板における〔011〕方
向にストライプエッチした場合に逆メサになり、〔01
−1〕方向にストライプエッチした場合に順メサになる
位相を持っている。なお、上記の〔01−1〕の〔−
1〕は通常は〔1〕の上にバーを付して表記する結晶方
位を示している。
【0095】また、Si基板をNH4 OH/H2 O2 溶
液で前処理した後、Si基板のプリベークを875℃以
下のAsH3 雰囲気で行うことによって、Si基板にお
ける〔01−1〕方向にストライプエッチした場合に逆
メサに、〔011〕方向にストライプエッチした場合に
順メサになる位相をもつ単結晶のGaAsエピタキシャ
ル層が得られる。そして、この結晶は、前記の通常のG
aAs結晶に比較して結晶性や表面平坦性が良いことが
わかっている。
液で前処理した後、Si基板のプリベークを875℃以
下のAsH3 雰囲気で行うことによって、Si基板にお
ける〔01−1〕方向にストライプエッチした場合に逆
メサに、〔011〕方向にストライプエッチした場合に
順メサになる位相をもつ単結晶のGaAsエピタキシャ
ル層が得られる。そして、この結晶は、前記の通常のG
aAs結晶に比較して結晶性や表面平坦性が良いことが
わかっている。
【0096】この結晶方位の変化は、Si基板のプリベ
ーク温度が1000℃の場合は、Si−Asの強いジン
クブレンド結合ができるのに対して、875℃以下の場
合にはSi−Asの結合は無く、成長核形成時に第1層
目がGa原子層に置き換えられことに起因すると考えら
れる。
ーク温度が1000℃の場合は、Si−Asの強いジン
クブレンド結合ができるのに対して、875℃以下の場
合にはSi−Asの結合は無く、成長核形成時に第1層
目がGa原子層に置き換えられことに起因すると考えら
れる。
【0097】また、875℃以下でプリベークした方
が、GaAsの結晶性や表面平坦性において優れている
原因は、Si−Ga結合が弱いボンドである上、第2層
目のAs層との化学的ボンドが無いため、Si/GaA
sの格子不整合が緩和されることにあると考えられる。
また、一般に、GaAs結晶成長中、あるいは成長後に
アニール工程を導入すると、GaAs結晶中の欠陥を抑
制でき、表面平坦性を改善できることがわかっている。
が、GaAsの結晶性や表面平坦性において優れている
原因は、Si−Ga結合が弱いボンドである上、第2層
目のAs層との化学的ボンドが無いため、Si/GaA
sの格子不整合が緩和されることにあると考えられる。
また、一般に、GaAs結晶成長中、あるいは成長後に
アニール工程を導入すると、GaAs結晶中の欠陥を抑
制でき、表面平坦性を改善できることがわかっている。
【0098】図17は、従来のアニール工程を有するG
aAsヘテロエピタキシャル成長方法の成長温度プロフ
ァイル(2)である。この方法においては、Si基板を
AsH3 雰囲気中で1000℃で10分間プリベークし
(イ)、400℃で厚さ100Åの成長核を形成するた
めのGaAs低温成長層を成長し(ロ)、500℃で厚
さ1.5μmの単結晶のGaAsエピタキシャル層を成
長し(ハ)、900℃、10分間のアニールを行い
(ニ)、再び、500℃で厚さ1.5μmの単結晶のG
aAsエピタキシャル層を成長している。この単結晶G
aAs層を成長する途中のアニールによって、欠陥を抑
制し、表面の平坦性を改善することができる。
aAsヘテロエピタキシャル成長方法の成長温度プロフ
ァイル(2)である。この方法においては、Si基板を
AsH3 雰囲気中で1000℃で10分間プリベークし
(イ)、400℃で厚さ100Åの成長核を形成するた
めのGaAs低温成長層を成長し(ロ)、500℃で厚
さ1.5μmの単結晶のGaAsエピタキシャル層を成
長し(ハ)、900℃、10分間のアニールを行い
(ニ)、再び、500℃で厚さ1.5μmの単結晶のG
aAsエピタキシャル層を成長している。この単結晶G
aAs層を成長する途中のアニールによって、欠陥を抑
制し、表面の平坦性を改善することができる。
【0099】図18は、従来のアニール工程を有するG
aAsヘテロエピタキシャル成長方法の成長温度プロフ
ァイル(3)である。この方法においては、Si基板を
AsH3 雰囲気中で1000℃で10分間プリベークし
(イ)、400℃で厚さ100Åの成長核を形成するた
めのGaAs低温成長層を成長し(ロ)、500℃で厚
さ1.5μmの単結晶GaAsエピタキシャル層を成長
し(ハ)、900℃のアニールを3回繰り返すサーマル
サイクルアニールを行い(ニ)、再び、500℃で厚さ
1.5μmの単結晶のGaAsエピタキシャル層を成長
している。この単結晶のGaAsエピタキシャル層を成
長する途中のアニールによって、欠陥を抑制し、表面の
平坦性をさらに改善することができる。
aAsヘテロエピタキシャル成長方法の成長温度プロフ
ァイル(3)である。この方法においては、Si基板を
AsH3 雰囲気中で1000℃で10分間プリベークし
(イ)、400℃で厚さ100Åの成長核を形成するた
めのGaAs低温成長層を成長し(ロ)、500℃で厚
さ1.5μmの単結晶GaAsエピタキシャル層を成長
し(ハ)、900℃のアニールを3回繰り返すサーマル
サイクルアニールを行い(ニ)、再び、500℃で厚さ
1.5μmの単結晶のGaAsエピタキシャル層を成長
している。この単結晶のGaAsエピタキシャル層を成
長する途中のアニールによって、欠陥を抑制し、表面の
平坦性をさらに改善することができる。
【0100】ところが、Si基板をNH4 OH/H2 O
2 溶液で前処理した後、Si基板のプリベークを875
℃以下のAsH3 雰囲気中で行った場合、前記の従来の
技術と同様の温度でアニールやサーマルサイクルアニー
ルを行うと、GaAs結晶が多結晶化し、Si基板上に
平坦性や結晶性のよいGaAs単結晶層を得ることがで
きず、この単結晶層の上に半導体素子を形成する上で障
害となる。この原因は、875℃以上でアニールを行う
と極く初期に形成されるSi−Gaのボンドが切れ、S
i−Asの強いジンクブレンド構造が形成されることに
起因するものと考えられる。
2 溶液で前処理した後、Si基板のプリベークを875
℃以下のAsH3 雰囲気中で行った場合、前記の従来の
技術と同様の温度でアニールやサーマルサイクルアニー
ルを行うと、GaAs結晶が多結晶化し、Si基板上に
平坦性や結晶性のよいGaAs単結晶層を得ることがで
きず、この単結晶層の上に半導体素子を形成する上で障
害となる。この原因は、875℃以上でアニールを行う
と極く初期に形成されるSi−Gaのボンドが切れ、S
i−Asの強いジンクブレンド構造が形成されることに
起因するものと考えられる。
【0101】この実施例は、(100)から〔011〕
方向に傾斜させたSi基板上における化合物半導体エピ
タキシャル層の成長において、Si基板の加熱による酸
化膜除去をV族元素ガス雰囲気中で875℃以下で行う
工程を有し、さらに化合物半導体エピタキシャル層を成
長する途中、あるいは成長後のアニールを、Si基板の
自然酸化膜を除去する工程の温度以下で行い、Si基板
上に、従来技術によって形成したものに比較して平坦性
や結晶性が著しく改善されたGaAs層を得ることを特
徴とする。
方向に傾斜させたSi基板上における化合物半導体エピ
タキシャル層の成長において、Si基板の加熱による酸
化膜除去をV族元素ガス雰囲気中で875℃以下で行う
工程を有し、さらに化合物半導体エピタキシャル層を成
長する途中、あるいは成長後のアニールを、Si基板の
自然酸化膜を除去する工程の温度以下で行い、Si基板
上に、従来技術によって形成したものに比較して平坦性
や結晶性が著しく改善されたGaAs層を得ることを特
徴とする。
【0102】以下、Si基板上に化合物半導体層を成長
する従来の方法とこの実施例の方法を対比して説明す
る。 〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方法〕
I プリベーク工程(成長温度プロファイルは図16参照) (100)−〔011〕2°off Si基板を用い、 管内圧力 76Torr 温度 1000℃、10分間 H2 12slm AsH3 0.05slm
する従来の方法とこの実施例の方法を対比して説明す
る。 〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方法〕
I プリベーク工程(成長温度プロファイルは図16参照) (100)−〔011〕2°off Si基板を用い、 管内圧力 76Torr 温度 1000℃、10分間 H2 12slm AsH3 0.05slm
【0103】成長核形成層形成工程 管内圧力 76Torr 温度 400℃ H2 12slm TMG (15℃) H2 バブリングガス100
sccm AsH3 0.40slm 成長レート 25Å/分 膜厚 100Å
sccm AsH3 0.40slm 成長レート 25Å/分 膜厚 100Å
【0104】GaAs単結晶層形成工程 管内圧力 76Torr 温度 650℃ H2 12slm TMG (15℃) H2 バブリングガス14s
ccm AsH3 0.10slm 成長レート 710Å/分 膜厚 3.0μm
ccm AsH3 0.10slm 成長レート 710Å/分 膜厚 3.0μm
【0105】〔従来のSi基板上への化合物半導体層
の成長方法〕II NH4 OH/H2 O2 ウェット処理を施したSi基板を
用いて、プリベーク工程を875℃、60分間、0.0
5slmの条件で行う。これにより、GaAs on
SiのGaAs結晶の位相が〔従来のSi基板上への化
合物半導体層の成長方法〕Iのものと比べて90°ずれ
る。
の成長方法〕II NH4 OH/H2 O2 ウェット処理を施したSi基板を
用いて、プリベーク工程を875℃、60分間、0.0
5slmの条件で行う。これにより、GaAs on
SiのGaAs結晶の位相が〔従来のSi基板上への化
合物半導体層の成長方法〕Iのものと比べて90°ずれ
る。
【0106】〔従来のSi基板上への化合物半導体層
の成長方法〕III 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕Iの工程において、GaAs層を1.5μm成長し
た後、900℃のアニールを20分間行い、再びGaA
s層を1.5μm成長する(成長温度プロファイルは図
17参照)。
の成長方法〕III 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕Iの工程において、GaAs層を1.5μm成長し
た後、900℃のアニールを20分間行い、再びGaA
s層を1.5μm成長する(成長温度プロファイルは図
17参照)。
【0107】〔従来のSi基板上への化合物半導体層
の成長方法〕IV 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕Iの工程において、GaAs層を1.5μm成長し
た後、サーマルサイクルアニールを300−900℃×
3回行い、再びGaAs層を1.5μm成長する。(成
長温度プロファイルは図18参照)
の成長方法〕IV 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕Iの工程において、GaAs層を1.5μm成長し
た後、サーマルサイクルアニールを300−900℃×
3回行い、再びGaAs層を1.5μm成長する。(成
長温度プロファイルは図18参照)
【0108】〔従来のSi基板上への化合物半導体層
の成長方法〕V 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕IIにおいて、GaAs層を1.5μm成長した
後、アニールを900℃20分間行い、再びGaAs層
を1.5μm成長する。
の成長方法〕V 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕IIにおいて、GaAs層を1.5μm成長した
後、アニールを900℃20分間行い、再びGaAs層
を1.5μm成長する。
【0109】〔従来のSi基板上への化合物半導体層
の成長方法〕VI 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕IIの工程において、GaAs層を1.5μm成長
した後、300−900℃の温度を3回かけるサーマル
サイクルアニールを行い、再びGaAs層を1.5μm
成長させる。
の成長方法〕VI 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕IIの工程において、GaAs層を1.5μm成長
した後、300−900℃の温度を3回かけるサーマル
サイクルアニールを行い、再びGaAs層を1.5μm
成長させる。
【0110】〔この実施例のSi基板上への化合物半
導体層の成長方法〕I 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕Vにおいて、アニール温度を875℃にする。
導体層の成長方法〕I 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕Vにおいて、アニール温度を875℃にする。
【0111】〔この実施例のSi基板上への化合物半
導体層の成長方法〕II 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕VIにおいて、サーマルサイクルアニールの上限温
度を875℃にする。
導体層の成長方法〕II 上記の〔従来のSi基板上への化合物半導体層の成長方
法〕VIにおいて、サーマルサイクルアニールの上限温
度を875℃にする。
【0112】上記の従来による成長法とこの実施例によ
る成長法によって形成されたSi基板の上に形成された
GaAsエピタシャル層の表面をAFM(原子間力顕微
鏡)によって観察することによって得られた表面荒れの
標準偏差とX線二結晶回折(400)ピーク半値幅を以
下に示す。
る成長法によって形成されたSi基板の上に形成された
GaAsエピタシャル層の表面をAFM(原子間力顕微
鏡)によって観察することによって得られた表面荒れの
標準偏差とX線二結晶回折(400)ピーク半値幅を以
下に示す。
【0113】 表面荒れの標準偏差 σ(nm) 従来 3.90〜4.10 3.30〜3.50 3.40〜3.60 3.20〜3.40 10以上 10以上 本発明 2.50〜2.70 2.30〜2.50
【0114】 X線二結晶回折(400)ピーク半値幅(″) 従来 240 〜250 220 〜230 200 〜220 180 〜190 300以上 300以上 本発明 180 〜200 160 〜180
【0115】以上の結果から、この実施例のヘテロエピ
タキシャル成長方法によりSi基板の上に形成したGa
As層の結晶性と平坦性がかなり改善されていることが
わかる。これにより、Si基板の上に形成したGaAs
層に形成されたHEMT,MESFETなどの諸特性や
歩留りが向上する。
タキシャル成長方法によりSi基板の上に形成したGa
As層の結晶性と平坦性がかなり改善されていることが
わかる。これにより、Si基板の上に形成したGaAs
層に形成されたHEMT,MESFETなどの諸特性や
歩留りが向上する。
【0116】なお、この実施例のヘテロエピタキシャル
成長方法において、Si基板を加熱して自然酸化膜をV
族元素含有雰囲気中で875℃以下の温度で行う理由
は、実験的に875℃以下のプリヒート温度によって初
めて良質な結晶のシングルドメイン化ができることに由
来する。また、GaAs単結晶層のアニール温度をこの
プリヒート温度をより高くするとシングルドメインの状
態が崩れ、GaAs単結晶層が白濁してしまうことも実
験的にわかっている。
成長方法において、Si基板を加熱して自然酸化膜をV
族元素含有雰囲気中で875℃以下の温度で行う理由
は、実験的に875℃以下のプリヒート温度によって初
めて良質な結晶のシングルドメイン化ができることに由
来する。また、GaAs単結晶層のアニール温度をこの
プリヒート温度をより高くするとシングルドメインの状
態が崩れ、GaAs単結晶層が白濁してしまうことも実
験的にわかっている。
【0117】また、Si基板の前処理をHFで行っても
プリヒート温度を低温化することは可能であるが、SI
MSデータによると、HF処理をしたSi基板の上に形
成したGaAs層は欠陥が多く不安定な状態であった。
これに比較して、この実施例のようにアンモニア・過酸
化水素水によって処理した場合は長時間安定であった。
この実施例においては、MOCVD、MBE法、または
これらと類似の結晶成長法を採用することができる。
プリヒート温度を低温化することは可能であるが、SI
MSデータによると、HF処理をしたSi基板の上に形
成したGaAs層は欠陥が多く不安定な状態であった。
これに比較して、この実施例のようにアンモニア・過酸
化水素水によって処理した場合は長時間安定であった。
この実施例においては、MOCVD、MBE法、または
これらと類似の結晶成長法を採用することができる。
【0118】また、V族原料ガスとしてハイドライド
系、ハライド系、有機物、および固体砒素蒸気を用いる
ことができる。また、この実施例のヘテロエピタキシャ
ル成長方法を、GaAs,AlAs,InAs,Ga
P,AlP,InP等のIII−V族化合物半導体、あ
るいはこれらの混晶に適用することができる。
系、ハライド系、有機物、および固体砒素蒸気を用いる
ことができる。また、この実施例のヘテロエピタキシャ
ル成長方法を、GaAs,AlAs,InAs,Ga
P,AlP,InP等のIII−V族化合物半導体、あ
るいはこれらの混晶に適用することができる。
【0119】(第7実施例)この実施例は、Si基板の
上に成長したGaAs等の化合物半導体エピタキシャル
層の汚染を低減し、このGaAsエピタキシャル成長層
に形成する半導体素子の特性を向上する点を特徴とす
る。
上に成長したGaAs等の化合物半導体エピタキシャル
層の汚染を低減し、このGaAsエピタキシャル成長層
に形成する半導体素子の特性を向上する点を特徴とす
る。
【0120】図19は、化合物半導体層のMOCVD成
長装置の構成説明図である。この図において、21はチ
ャンバー、22はサセプター、23はSi基板、24は
ゲートバルブ、25はガス導入管、26は排気ポンプ、
27は高周波コイル、28は搬送装置である。従来の化
合物半導体層のMOCVD成長装置を用いてGaAsエ
ピタキシャル層を成長する場合、石英製のチャンバー2
1のサセプター22の上にSi基板23をセットし、ガ
ス導入管25からH2 ,AsH3 ,TMGを流量制御し
て導入し、排気ポンプ26によって排気し、高周波コイ
ル27によってSi基板23を500〜700℃の範囲
の所定の温度に昇温して、Si基板23の上にGaAs
層を成長する。なお、ゲートバルブ24を開閉し、搬送
装置28によってSi基板23を搬送するようになって
いる。
長装置の構成説明図である。この図において、21はチ
ャンバー、22はサセプター、23はSi基板、24は
ゲートバルブ、25はガス導入管、26は排気ポンプ、
27は高周波コイル、28は搬送装置である。従来の化
合物半導体層のMOCVD成長装置を用いてGaAsエ
ピタキシャル層を成長する場合、石英製のチャンバー2
1のサセプター22の上にSi基板23をセットし、ガ
ス導入管25からH2 ,AsH3 ,TMGを流量制御し
て導入し、排気ポンプ26によって排気し、高周波コイ
ル27によってSi基板23を500〜700℃の範囲
の所定の温度に昇温して、Si基板23の上にGaAs
層を成長する。なお、ゲートバルブ24を開閉し、搬送
装置28によってSi基板23を搬送するようになって
いる。
【0121】ところが、GaAs層を成長する過程でサ
セプターおよびチャンバー内壁のSi基板23の上部に
堆積したGaAs成分が次のSi基板にGaAs層を成
長する過程で蒸発して成長するGaAs層を汚染すると
いう問題が生じた。そのため通常、GaAs層を成長す
る前に、水素雰囲気中で800〜1000℃程度の温度
で空焼きを行い、サセプター周辺部に堆積したGaAs
を除去するなどの対策を講じている。
セプターおよびチャンバー内壁のSi基板23の上部に
堆積したGaAs成分が次のSi基板にGaAs層を成
長する過程で蒸発して成長するGaAs層を汚染すると
いう問題が生じた。そのため通常、GaAs層を成長す
る前に、水素雰囲気中で800〜1000℃程度の温度
で空焼きを行い、サセプター周辺部に堆積したGaAs
を除去するなどの対策を講じている。
【0122】ところが、水素雰囲気中で空焼きを行って
もGaAs成分は充分に蒸発せず、GaAs層の成長を
重ねるごとにGaAsの堆積物が大きくなってサセプタ
ーおよびチャンバー内壁のSi基板上部に残留し、最終
的にはGaAs層を成長するSi基板上に落下してGa
As層を汚染し、その層に半導体素子を形成する上で大
きな障害になることがわかった。この実施例のヘテロエ
ピタキシャル成長方法は、前記の空焼きを、酸素を含む
雰囲気、例えば、アルゴン−酸素雰囲気中で行うことを
特徴とする。この実施例によると、セサプターおよびチ
ャンバー内壁のSi基板上部の残留GaAs成分は酸化
ガリウムとなって容易に蒸発し、GaAsエピタキシャ
ル基板の汚染は著しく改善される。この実施例のヘテロ
エピタキシャル成長方法において、GaAs層を成長す
る場合を説明する。
もGaAs成分は充分に蒸発せず、GaAs層の成長を
重ねるごとにGaAsの堆積物が大きくなってサセプタ
ーおよびチャンバー内壁のSi基板上部に残留し、最終
的にはGaAs層を成長するSi基板上に落下してGa
As層を汚染し、その層に半導体素子を形成する上で大
きな障害になることがわかった。この実施例のヘテロエ
ピタキシャル成長方法は、前記の空焼きを、酸素を含む
雰囲気、例えば、アルゴン−酸素雰囲気中で行うことを
特徴とする。この実施例によると、セサプターおよびチ
ャンバー内壁のSi基板上部の残留GaAs成分は酸化
ガリウムとなって容易に蒸発し、GaAsエピタキシャ
ル基板の汚染は著しく改善される。この実施例のヘテロ
エピタキシャル成長方法において、GaAs層を成長す
る場合を説明する。
【0123】図18に示されたMOCVD装置のサセプ
ター22の上にSi基板23をセットしてGaAs層を
成長する。GaAs層の成長条件は下記の通りである。 管内圧力 76Torr 温度 650℃ H2 12slm TMG(15℃)14sccm AsH3 0.10slm 成長レート 710Å/min 膜厚 3.0μm
ター22の上にSi基板23をセットしてGaAs層を
成長する。GaAs層の成長条件は下記の通りである。 管内圧力 76Torr 温度 650℃ H2 12slm TMG(15℃)14sccm AsH3 0.10slm 成長レート 710Å/min 膜厚 3.0μm
【0124】従来のGaAs層を成長する場合は、一回
GaAs層を成長するごとにアルゴンと水素の雰囲気中
で1000℃に加熱して1時間程アニールしていた。と
ころが、この実施例では、水素の代わりにアルゴン−酸
素雰囲気を用いてアニールした。
GaAs層を成長するごとにアルゴンと水素の雰囲気中
で1000℃に加熱して1時間程アニールしていた。と
ころが、この実施例では、水素の代わりにアルゴン−酸
素雰囲気を用いてアニールした。
【0125】従来の方法とこの実施例のヘテロエピタキ
シャル成長方法を用いた場合の3インチGaAsエピタ
キシャル基板表面を光学顕微鏡で観察して得られたゴミ
の数は次のとおりであるが、Si基板周辺部からの汚染
が減少したことがわかる。 従来のもの 200〜300(個/3インチ基板) 本発明のもの 30〜40(個/3インチ基板) この実施例におけるGaAs層のエピタキシャル成長方
法は、MOCVD装置あるいはMBE装置を用いて行う
ことができる。また、この実施例のエピタキシャル成長
方法は、GaAs,AlAs,InAs,GaP,Al
P,InPおよびこれらの混晶の層にも同様に適用する
ことができる。
シャル成長方法を用いた場合の3インチGaAsエピタ
キシャル基板表面を光学顕微鏡で観察して得られたゴミ
の数は次のとおりであるが、Si基板周辺部からの汚染
が減少したことがわかる。 従来のもの 200〜300(個/3インチ基板) 本発明のもの 30〜40(個/3インチ基板) この実施例におけるGaAs層のエピタキシャル成長方
法は、MOCVD装置あるいはMBE装置を用いて行う
ことができる。また、この実施例のエピタキシャル成長
方法は、GaAs,AlAs,InAs,GaP,Al
P,InPおよびこれらの混晶の層にも同様に適用する
ことができる。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
ピットが少なく、かつ、表面平坦性がよく、キャリア濃
度が低い化合物半導体ヘテロエピタキシャル層を表面に
有する成長用基板を提供することができ、化合物半導体
を用いた高速半導体装置の実用化に寄与するところが大
きい。
ピットが少なく、かつ、表面平坦性がよく、キャリア濃
度が低い化合物半導体ヘテロエピタキシャル層を表面に
有する成長用基板を提供することができ、化合物半導体
を用いた高速半導体装置の実用化に寄与するところが大
きい。
【図1】第1実施例によって成長したGaAsヘテロエ
ピタキシャル層の構成説明図である。
ピタキシャル層の構成説明図である。
【図2】第1実施例のGaAsヘテロエピタキシャル成
長方法の成長温度プロファイルである。
長方法の成長温度プロファイルである。
【図3】従来と第1実施例の成長方法によるGaAsエ
ピタキシャル層の表面の結晶構造の顕微鏡写真で、
(A)は従来のMOCVDによって成長した場合、
(B)はこの実施例の成長方法によって成長した場合の
表面を示している。
ピタキシャル層の表面の結晶構造の顕微鏡写真で、
(A)は従来のMOCVDによって成長した場合、
(B)はこの実施例の成長方法によって成長した場合の
表面を示している。
【図4】従来と第1実施例の成長方法によるGaAsエ
ピタキシャル層の表面のピット数の比較図である。
ピタキシャル層の表面のピット数の比較図である。
【図5】従来と第1実施例の成長方法によるGaAsエ
ピタキシャル層の表面の平坦性の比較図である。
ピタキシャル層の表面の平坦性の比較図である。
【図6】第1実施例の成長方法によるGaAsエピタキ
シャル層の成長温度とピット数の関係図である。
シャル層の成長温度とピット数の関係図である。
【図7】第2実施例のGaAsヘテロエピタキシャル成
長方法の成長温度プロファイルである。
長方法の成長温度プロファイルである。
【図8】従来と第2実施例の成長方法によるGaAsエ
ピタキシャル層の状態の比較図で、(A)は表面粗さ、
(B)はピット密度を示している。
ピタキシャル層の状態の比較図で、(A)は表面粗さ、
(B)はピット密度を示している。
【図9】第3実施例の化合物半導体ヘテロエピタキシャ
ル成長方法のアニール条件の説明図である。
ル成長方法のアニール条件の説明図である。
【図10】第3実施例のアルシン分圧とGaAsエピタ
キシャル層の表面平坦性の関係図(1)である。
キシャル層の表面平坦性の関係図(1)である。
【図11】第3実施例のアルシン分圧とGaAsエピタ
キシャル層の表面平坦性の関係図(2)である。
キシャル層の表面平坦性の関係図(2)である。
【図12】反応管内圧力とGaAsエピタキシャル層の
表面平坦性の関係図である。
表面平坦性の関係図である。
【図13】第4実施例のGaAsエピタキシャル層の平
坦性とバッファー層成長温度関係図で、(A)はピット
密度、(B)は平坦性を示している。
坦性とバッファー層成長温度関係図で、(A)はピット
密度、(B)は平坦性を示している。
【図14】第5実施例のヘテロエピタキシャル成長方法
の工程説明図で、(A)〜(C)は各工程を示してい
る。
の工程説明図で、(A)〜(C)は各工程を示してい
る。
【図15】第5実施例のヘテロエピタキシャル成長方法
によって成長したGaAs層表面の結晶構造の原子間力
顕微鏡写真であり、(A)は従来の成長方法で成長した
場合、(B)はこの実施例の成長方法で成長した場合を
示している。
によって成長したGaAs層表面の結晶構造の原子間力
顕微鏡写真であり、(A)は従来の成長方法で成長した
場合、(B)はこの実施例の成長方法で成長した場合を
示している。
【図16】従来のアニール工程を有するGaAsヘテロ
エピタキシャル成長方法の成長温度プロファイル(1)
である。
エピタキシャル成長方法の成長温度プロファイル(1)
である。
【図17】従来のアニール工程を有するGaAsヘテロ
エピタキシャル成長方法の成長温度プロファイル(2)
である。
エピタキシャル成長方法の成長温度プロファイル(2)
である。
【図18】従来のアニール工程を有するGaAsヘテロ
エピタキシャル成長方法の成長温度プロファイル(3)
である。
エピタキシャル成長方法の成長温度プロファイル(3)
である。
【図19】化合物半導体層のMOCVD成長装置の構成
説明図である。
説明図である。
1 Si基板 2 化合物半導体低温成長層 3 第1の化合物半導体エピタキシャル層 4 第2の化合物半導体エピタキシャル層 5 第3の化合物半導体エピタキシャル層 11 Si基板 12 GaAs低温成長層 13 GaAsエピタキシャル層 14 GaAsエピタキシャル層 21 チャンバー 22 サセプター 23 Si基板 24 ゲートバルブ 25 ガス導入管 26 排気ポンプ 27 高周波コイル 28 搬送装置
フロントページの続き (72)発明者 恵下 隆 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−129721(JP,A) 特開 平3−74839(JP,A) 特開 平5−291140(JP,A) 特開 平6−177037(JP,A) 特開 昭64−10618(JP,A) 特許3093904(JP,B2) 特表 平3−500947(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/205
Claims (8)
- 【請求項1】IV族基板上に化合物半導体エピタキシャ
ル層を形成するヘテロエピタキシャル成長方法におい
て、IV族基板上に化合物半導体低温成長層を形成した
後に昇温して第1の化合物半導体エピタキシャル層を形
成し、次いでさらに昇温して第2の化合物半導体エピタ
キシャル層を形成し、ついで降温して第3の化合物半導
体エピタキシャル層を形成することを特徴とするヘテロ
エピタキシャル成長方法。 - 【請求項2】第1の化合物半導体エピタキシャル層を、
600℃以上700℃未満で形成し、第2の化合物半導
体エピタキシャル層を700℃以上で形成し、第3の化
合物半導体エピタキシャル層を700℃未満で形成する
ことを特徴とする請求項1に記載されたヘテロエピタキ
シャル成長方法。 - 【請求項3】第1の化合物半導体エピタキシャル層を形
成する場合のV/III比を、第2の化合物半導体エピ
タキシャル層を形成する場合のV/III比より低くす
ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載され
たヘテロエピタキシャル成長方法。 - 【請求項4】第1の化合物半導体エピタキシャル層の成
長中のV/III比および第2の化合物半導体エピタキ
シャル層を成長する場合のV/III比を、第3の化合
物半導体エピタキシャル層を形成する場合のV/III
比よりも低くすることを特徴とする請求項1記載のヘテ
ロエピタキシャル成長方法。 - 【請求項5】IV族基板上に化合物半導体低温成長層を
形成した後に昇温して第1の化合物半導体エピタキシャ
ル層を形成し、第1の化合物半導体エピタキシャル層
を、反応管内圧力76Torr、V族原料ガス分圧0.
35Torrの点Aと、反応管内圧力760Torr、
V族原料ガス分圧0.6Torrの点Bと、反応管内圧
力760Torr、V族原料ガス分圧5.7Torrの
点Cと、反応管内圧力76Torr、V族原料ガス分圧
1.3Torrの点Dとで囲まれる領域の条件でアニー
ルして、第1の化合物半導体エピタキシャル層の結晶性
および表面平坦性を改善する工程が含まれてなることを
特徴とする請求項1記載のヘテロエピタキシャル成長方
法。 - 【請求項6】IV族基板上に化合物半導体エピタキシャ
ル層を形成するヘテロエピタキシャル成長方法におい
て、IV族基板上に化合物半導体低温成長層を成長し、
その上に第1の化合物半導体エピタキシャル層をトリエ
チルガリウムを原料として化合物半導体低温成長層を成
長する場合の温度よりも高温で成長し、その上に第1の
化合物半導体エピタキシャル層を成長する場合の温度よ
り高温で第2の化合物半導体エピタキシャル層を成長す
ることを特徴とするヘテロエピタキシャル成長方法。 - 【請求項7】IV族基板上に化合物半導体エピタキシャ
ル層を形成するヘテロエピタキシャル成長方法におい
て、IV族基板上にまず化合物半導体低温成長層を成長
し、次に化合物半導体エピタキシャル層を成長した後に
化合物半導体エピタキシャル層に研磨を加えて平坦化
し、次いで化合物半導体エピタキシャル層を成長する場
合の温度よりも高い温度でアニールを行い、その上に、
アニール温度よりも低い温度で化合物半導体エピタキシ
ャル層を成長することを特徴とするヘテロエピタキシャ
ル成長方法。 - 【請求項8】(100)から〔011〕方向へ傾斜した
IV族基板上に化合物半導体エピタキシャル層を形成す
るヘテロエピタキシャル成長方法において、IV族基板
の加熱により自然酸化膜の除去をV族原料含有雰囲気中
で875℃以下で行い、IV族基板上に化合物半導体低
温成長層を形成した後に昇温して化合物半導体エピタキ
シャル層を形成する工程を有し、さらに化合物半導体エ
ピタキシャル層の成長中、あるいは、成長後のアニール
をIV族基板の自然酸化膜を除去する工程以下の温度で
行うことを特徴とするヘテロエピタキシャル成長方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08391393A JP3270945B2 (ja) | 1992-06-04 | 1993-03-19 | ヘテロエピタキシャル成長方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16825792 | 1992-06-04 | ||
JP4-168257 | 1992-06-04 | ||
JP08391393A JP3270945B2 (ja) | 1992-06-04 | 1993-03-19 | ヘテロエピタキシャル成長方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06177046A JPH06177046A (ja) | 1994-06-24 |
JP3270945B2 true JP3270945B2 (ja) | 2002-04-02 |
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