JP3254785B2 - 紙塗被用組成物 - Google Patents
紙塗被用組成物Info
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- JP3254785B2 JP3254785B2 JP02974293A JP2974293A JP3254785B2 JP 3254785 B2 JP3254785 B2 JP 3254785B2 JP 02974293 A JP02974293 A JP 02974293A JP 2974293 A JP2974293 A JP 2974293A JP 3254785 B2 JP3254785 B2 JP 3254785B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バインダーとしてカル
ボキシ変性共重合体ラテックスを含有する紙塗被用組成
物に関し、さらに詳しくは、接着強度、印刷光沢及び耐
ブリスター性に優れた紙塗被用組成物に関する。
ボキシ変性共重合体ラテックスを含有する紙塗被用組成
物に関し、さらに詳しくは、接着強度、印刷光沢及び耐
ブリスター性に優れた紙塗被用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】塗被紙は、紙自身の光沢、白色度及び平
滑性、あるいは印刷物の光沢及び印刷画像再現性を向上
することから、大量に生産され、消費されている。この
塗被紙は、一般に、顔料とバインダーを含む紙塗被組成
物を紙に塗被(塗工)したものであり、主として印刷用
紙や印刷用板紙として使用される。
滑性、あるいは印刷物の光沢及び印刷画像再現性を向上
することから、大量に生産され、消費されている。この
塗被紙は、一般に、顔料とバインダーを含む紙塗被組成
物を紙に塗被(塗工)したものであり、主として印刷用
紙や印刷用板紙として使用される。
【0003】顔料としては、例えば、クレイ、炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、サチン白
などの白色顔料、ポリスチレンなどの有機化合物から形
成される有機顔料などが使用される。主バインダーとし
ては、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和カ
ルボン酸単量体、及びこれらと共重合可能な単量体を共
重合して得られるカルボキシ変性共重合体ラテックスが
汎用され、所望に応じて、澱粉、カゼイン、大豆蛋白な
どが副バインダーとして使用される。
シウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、サチン白
などの白色顔料、ポリスチレンなどの有機化合物から形
成される有機顔料などが使用される。主バインダーとし
ては、脂肪族共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和カ
ルボン酸単量体、及びこれらと共重合可能な単量体を共
重合して得られるカルボキシ変性共重合体ラテックスが
汎用され、所望に応じて、澱粉、カゼイン、大豆蛋白な
どが副バインダーとして使用される。
【0004】バインダーとして使用される共重合体ラテ
ックスには、(1)顔料を相互に接着すると共に、原紙
上に固着すること、即ち、接着強度を発現すること、
(2)優れた印刷光沢を与えること、(3)耐ブリスタ
ー性に優れていること、などの諸特性を有することが要
求される。カルボキシ変性共重合体ラテックスをバイン
ダーとして含有する紙塗被用組成物を塗被した塗被紙
は、優れた接着強度、耐水性(耐水接着強度)、光沢発
現性、耐ブリスター性等を有しているため、紙塗被産業
分野において大量に使用されているが、近年、オフセッ
ト印刷用塗被紙に対する品質要求が高度化しているた
め、これらの諸特性に対する向上要求が高まっている。
ックスには、(1)顔料を相互に接着すると共に、原紙
上に固着すること、即ち、接着強度を発現すること、
(2)優れた印刷光沢を与えること、(3)耐ブリスタ
ー性に優れていること、などの諸特性を有することが要
求される。カルボキシ変性共重合体ラテックスをバイン
ダーとして含有する紙塗被用組成物を塗被した塗被紙
は、優れた接着強度、耐水性(耐水接着強度)、光沢発
現性、耐ブリスター性等を有しているため、紙塗被産業
分野において大量に使用されているが、近年、オフセッ
ト印刷用塗被紙に対する品質要求が高度化しているた
め、これらの諸特性に対する向上要求が高まっている。
【0005】接着強度などの諸特性は、カルボキシ変性
共重合体ラテックスのゲル含量に大きく依存することが
知られている。従来、共重合体ラテックスのゲル含量を
制御する方法としては、連鎖移動剤として、t−ドデシ
ルメルカプタンなどのメルカプタン類、あるいは四塩化
炭素などのハロゲン化炭化水素を用い、これらの連鎖移
動剤の存在下に乳化重合を行うのが一般的であった。
共重合体ラテックスのゲル含量に大きく依存することが
知られている。従来、共重合体ラテックスのゲル含量を
制御する方法としては、連鎖移動剤として、t−ドデシ
ルメルカプタンなどのメルカプタン類、あるいは四塩化
炭素などのハロゲン化炭化水素を用い、これらの連鎖移
動剤の存在下に乳化重合を行うのが一般的であった。
【0006】ところが、近年の環境問題により、特定の
ハロゲン化炭化水素の使用が制限される方向にあり、特
に、四塩化炭素の使用は、全面禁止の方向にある。一
方、メルカプタン類は、不快臭や腐食性がある他、接着
強度、印刷光沢及び耐ブリスター性等の諸物性を低下さ
せるため、連鎖移動剤を全面的にメルカプタン類のみと
することには、環境上や物性上の問題がある。また、ア
リルアルコールは、脂肪族共役ジエン系単量体を含む単
量体混合物の乳化重合において、連鎖移動剤として使用
すると、重合時に凝集物が多量に発生するので、ゲル含
量の制御のためには不適当である。そこで、これらの諸
特性を低下させることなく、共重合体ラテックスのゲル
含量を制御できる新たな連鎖移動剤の開発が求められて
いる。
ハロゲン化炭化水素の使用が制限される方向にあり、特
に、四塩化炭素の使用は、全面禁止の方向にある。一
方、メルカプタン類は、不快臭や腐食性がある他、接着
強度、印刷光沢及び耐ブリスター性等の諸物性を低下さ
せるため、連鎖移動剤を全面的にメルカプタン類のみと
することには、環境上や物性上の問題がある。また、ア
リルアルコールは、脂肪族共役ジエン系単量体を含む単
量体混合物の乳化重合において、連鎖移動剤として使用
すると、重合時に凝集物が多量に発生するので、ゲル含
量の制御のためには不適当である。そこで、これらの諸
特性を低下させることなく、共重合体ラテックスのゲル
含量を制御できる新たな連鎖移動剤の開発が求められて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ハロ
ゲン化炭化水素やメルカプタン類などの従来の連鎖移動
剤に代替し得る新規な連鎖移動剤を用いて、ゲル含量の
制御されたカルボキシ変性共重合体ラテックスを製造
し、これをバインダーとして、接着強度、印刷光沢及び
耐ブリスター性に優れた紙塗被用組成物を提供すること
にある。
ゲン化炭化水素やメルカプタン類などの従来の連鎖移動
剤に代替し得る新規な連鎖移動剤を用いて、ゲル含量の
制御されたカルボキシ変性共重合体ラテックスを製造
し、これをバインダーとして、接着強度、印刷光沢及び
耐ブリスター性に優れた紙塗被用組成物を提供すること
にある。
【0008】本発明者は、前記目的を達成するために鋭
意研究した結果、1または2個の水素原子を持つ特定の
炭素原子に、水酸基と、炭素−炭素二重結合に関与する
炭素原子とが結合した構造を有する炭素原子数4以上の
有機化合物が連鎖移動剤として優れており、該有機化合
物の存在下に、脂肪族共役ジエン系単量体とエチレン系
不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物を乳化重合
することにより、共重合体ラテックスのゲル含量を制御
できることを見いだした。また、このようにして得られ
たカルボキシ変性共重合体ラテックスを紙塗被用組成物
のバインダーとして用いると、優れた接着強度、印刷光
沢及び耐ブリスター性を示すことを見いだした。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
意研究した結果、1または2個の水素原子を持つ特定の
炭素原子に、水酸基と、炭素−炭素二重結合に関与する
炭素原子とが結合した構造を有する炭素原子数4以上の
有機化合物が連鎖移動剤として優れており、該有機化合
物の存在下に、脂肪族共役ジエン系単量体とエチレン系
不飽和カルボン酸単量体を含む単量体混合物を乳化重合
することにより、共重合体ラテックスのゲル含量を制御
できることを見いだした。また、このようにして得られ
たカルボキシ変性共重合体ラテックスを紙塗被用組成物
のバインダーとして用いると、優れた接着強度、印刷光
沢及び耐ブリスター性を示すことを見いだした。本発明
は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、脂肪族共役ジエン系単量体10〜70重量%、エチ
レン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜20重量%、及
びこれらと共重合可能なエチレン系不飽和単量体10〜
90重量%を含む単量体混合物を、水酸基と炭素−炭素
二重結合に関与する炭素原子とが1または2個の水素原
子を持つ炭素原子に結合した構造を有する炭素原子数4
以上の有機化合物の存在下で、乳化重合して得た共重合
体ラテックスと、顔料とを含有することを特徴とする紙
塗被用組成物が提供される。
ば、脂肪族共役ジエン系単量体10〜70重量%、エチ
レン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜20重量%、及
びこれらと共重合可能なエチレン系不飽和単量体10〜
90重量%を含む単量体混合物を、水酸基と炭素−炭素
二重結合に関与する炭素原子とが1または2個の水素原
子を持つ炭素原子に結合した構造を有する炭素原子数4
以上の有機化合物の存在下で、乳化重合して得た共重合
体ラテックスと、顔料とを含有することを特徴とする紙
塗被用組成物が提供される。
【0010】以下、本発明について詳述する。本発明に
おいて使用する脂肪族共役ジエン系単量体としては、例
えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ハロ
ゲン置換ブタジエンなどが挙げられる。これらは、それ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。特に好ましいのは、1,3−ブタジエン
である。脂肪族共役ジエン系単量体の使用割合は、全単
量体混合物中、10〜70重量%であり、好ましくは2
0〜50重量%である。この使用割合が少なすぎると接
着強度が低下し、逆に、多すぎると耐水性が低下し、オ
フセット印刷において要求される特性を満足することが
できない。
おいて使用する脂肪族共役ジエン系単量体としては、例
えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ハロ
ゲン置換ブタジエンなどが挙げられる。これらは、それ
ぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。特に好ましいのは、1,3−ブタジエン
である。脂肪族共役ジエン系単量体の使用割合は、全単
量体混合物中、10〜70重量%であり、好ましくは2
0〜50重量%である。この使用割合が少なすぎると接
着強度が低下し、逆に、多すぎると耐水性が低下し、オ
フセット印刷において要求される特性を満足することが
できない。
【0011】本発明で使用するエチレン系不飽和カルボ
ン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マ
レイン酸、ブテントリカルボン酸などのエチレン性不飽
和カルボン酸;イタコン酸モノエチルエステル、フマル
酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル
などの少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和
ポリカルボン酸アルキルエステル;などを挙げることが
できる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上
を組み合わせて使用することができる。
ン酸単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マ
レイン酸、ブテントリカルボン酸などのエチレン性不飽
和カルボン酸;イタコン酸モノエチルエステル、フマル
酸モノブチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル
などの少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和
ポリカルボン酸アルキルエステル;などを挙げることが
できる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上
を組み合わせて使用することができる。
【0012】エチレン系不飽和カルボン酸単量体は、全
単量体混合物中、0.5〜20重量%、好ましくは0.
5〜10重量%の割合で使用する。この使用割合が、
0.5重量%未満では、接着強度と耐水性のいずれもが
低下すると共に、ラテックスの安定性が不十分となり、
紙塗被用組成物の調製時や該組成物の紙への塗被時に障
害を起こす。一方、この使用割合が過大であると、共重
合体ラテックスの粘度が高くなりすぎて取り扱いにくく
なる。
単量体混合物中、0.5〜20重量%、好ましくは0.
5〜10重量%の割合で使用する。この使用割合が、
0.5重量%未満では、接着強度と耐水性のいずれもが
低下すると共に、ラテックスの安定性が不十分となり、
紙塗被用組成物の調製時や該組成物の紙への塗被時に障
害を起こす。一方、この使用割合が過大であると、共重
合体ラテックスの粘度が高くなりすぎて取り扱いにくく
なる。
【0013】脂肪族共役ジエン系単量体及びエチレン系
不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なエチレン系不飽
和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン、モノクロルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香
族ビニル化合物;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどの不飽和
カルボン酸のアルキルエステル類;アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどのエチレン系不飽和ニトリル化
合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミドなどのエチレン系不飽和アミド類;
アクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチルな
どの不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル
類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルな
どの不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;N,N
−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのエ
チレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステル
類;酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルピリジンな
どのその他のビニル化合物;などを挙げることができ
る。これらの単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて使用することができる。これらのエ
チレン系不飽和単量体の中でも、特に好適に使用される
のは、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、アクリル酸β−ヒドロキシエチルである。
不飽和カルボン酸単量体と共重合可能なエチレン系不飽
和単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチ
レン、モノクロルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香
族ビニル化合物;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどの不飽和
カルボン酸のアルキルエステル類;アクリロニトリル、
メタクリロニトリルなどのエチレン系不飽和ニトリル化
合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミドなどのエチレン系不飽和アミド類;
アクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒド
ロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチルな
どの不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル
類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルな
どの不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;N,N
−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどのエ
チレン系不飽和カルボン酸のアミノアルキルエステル
類;酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ビニルピリジンな
どのその他のビニル化合物;などを挙げることができ
る。これらの単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて使用することができる。これらのエ
チレン系不飽和単量体の中でも、特に好適に使用される
のは、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミド、アクリル酸β−ヒドロキシエチルである。
【0014】これらのエチレン系不飽和単量体は、全単
量体混合物中、10〜90重量%、好ましくは10〜7
5重量%の割合で使用される。エチレン系不飽和単量体
中、スチレンなどの芳香族ビニル化合物は、適当な硬さ
と耐水性を付与する役割をもち、好ましくは10〜75
重量%の範囲で使用される。メタクリル酸メチルなどの
不飽和カルボン酸のアルキルエステルは、適当な硬さと
親水性を付与する役割をもち、好ましくは5〜30重量
%の割合で使用される。アクリロニトリルなどのエチレ
ン系不飽和ニトリル化合物は、耐油性を付与し、塗被紙
の印刷光沢を高める役割をもち、好ましくは5〜30重
量%の範囲で使用される。不飽和カルボン酸のヒドロキ
シアルキルエステルや不飽和カルボン酸アミド及びそれ
らの誘導体は、共重合体ラテックスの安定性向上に有効
であり、好ましくは40重量%までの範囲で使用され
る。したがって、諸特性を満足させるために、これらの
単量体を2種以上を組み合わせてそれぞれ適量の範囲で
使用することが好ましい。
量体混合物中、10〜90重量%、好ましくは10〜7
5重量%の割合で使用される。エチレン系不飽和単量体
中、スチレンなどの芳香族ビニル化合物は、適当な硬さ
と耐水性を付与する役割をもち、好ましくは10〜75
重量%の範囲で使用される。メタクリル酸メチルなどの
不飽和カルボン酸のアルキルエステルは、適当な硬さと
親水性を付与する役割をもち、好ましくは5〜30重量
%の割合で使用される。アクリロニトリルなどのエチレ
ン系不飽和ニトリル化合物は、耐油性を付与し、塗被紙
の印刷光沢を高める役割をもち、好ましくは5〜30重
量%の範囲で使用される。不飽和カルボン酸のヒドロキ
シアルキルエステルや不飽和カルボン酸アミド及びそれ
らの誘導体は、共重合体ラテックスの安定性向上に有効
であり、好ましくは40重量%までの範囲で使用され
る。したがって、諸特性を満足させるために、これらの
単量体を2種以上を組み合わせてそれぞれ適量の範囲で
使用することが好ましい。
【0015】本発明においては、これらの単量体混合物
を、水酸基と炭素−炭素二重結合に関与する炭素原子と
が1または2個の水素原子を持つ炭素原子に結合した構
造を有する炭素原子数4以上の有機化合物(以下、化合
物Aという。)の存在下で、乳化重合する点に特徴を有
する。化合物Aは、下記一般式(I)で表される構造を
分子中に有している。
を、水酸基と炭素−炭素二重結合に関与する炭素原子と
が1または2個の水素原子を持つ炭素原子に結合した構
造を有する炭素原子数4以上の有機化合物(以下、化合
物Aという。)の存在下で、乳化重合する点に特徴を有
する。化合物Aは、下記一般式(I)で表される構造を
分子中に有している。
【0016】
【化1】
【0017】即ち、化合物Aは、1または2個の水素原
子を持つ特定炭素原子に、水酸基と炭素−炭素二重結合
に関与する炭素原子とが隣接して結合した構造の有機化
合物である。炭素−炭素二重結合は、ビニル基などのエ
チレン系不飽和結合以外に、環内に不飽和結合を持つ脂
環式化合物の二重結合や芳香族化合物の環内二重結合で
あってもよい。本発明に使用する化合物Aの炭素原子数
は、4以上であり、通常4〜20、好ましくは4〜10
の範囲内である。炭素原子数が3の化合物は、重合時に
凝集物が発生するため、実用的ではない。
子を持つ特定炭素原子に、水酸基と炭素−炭素二重結合
に関与する炭素原子とが隣接して結合した構造の有機化
合物である。炭素−炭素二重結合は、ビニル基などのエ
チレン系不飽和結合以外に、環内に不飽和結合を持つ脂
環式化合物の二重結合や芳香族化合物の環内二重結合で
あってもよい。本発明に使用する化合物Aの炭素原子数
は、4以上であり、通常4〜20、好ましくは4〜10
の範囲内である。炭素原子数が3の化合物は、重合時に
凝集物が発生するため、実用的ではない。
【0018】化合物Aの具体例としては、例えば、t−
クロチルアルコール、c−クロチルアルコール、メタリ
ルアルコール、1−ブテン−3−オール、1−ペンテン
−3−オール、3−ペンテン−2−オール、2−ペンテ
ン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オー
ル、2−メチル−1−ブテン−3−オール、1−シクロ
ペンテン−3−オール、1−ヘキセン−3−オール、ベ
ンジルアルコール、1−フェニル−1−エチルアルコー
ル、o−メチルベンジルアルコール、p−メチルベンジ
ルアルコール、m−メチルベンジルアルコール、1−フ
ェニル−1−プロパノールなどが挙げられる。これらの
有機化合物は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み
合わせて使用することができる。
クロチルアルコール、c−クロチルアルコール、メタリ
ルアルコール、1−ブテン−3−オール、1−ペンテン
−3−オール、3−ペンテン−2−オール、2−ペンテ
ン−1−オール、3−メチル−2−ブテン−1−オー
ル、2−メチル−1−ブテン−3−オール、1−シクロ
ペンテン−3−オール、1−ヘキセン−3−オール、ベ
ンジルアルコール、1−フェニル−1−エチルアルコー
ル、o−メチルベンジルアルコール、p−メチルベンジ
ルアルコール、m−メチルベンジルアルコール、1−フ
ェニル−1−プロパノールなどが挙げられる。これらの
有機化合物は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み
合わせて使用することができる。
【0019】本発明では、化合物Aを連鎖移動剤として
使用する。その使用割合は、単量体混合物100重量部
に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.3
〜7重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
この使用割合が過小であると所期の目的を達成すること
ができず、逆に、多すぎると接着強度が低下する。
使用する。その使用割合は、単量体混合物100重量部
に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.3
〜7重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
この使用割合が過小であると所期の目的を達成すること
ができず、逆に、多すぎると接着強度が低下する。
【0020】本発明においては、前記化合物Aと公知の
連鎖移動剤とを併用してもよい。併用できる連鎖移動剤
としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ド
デシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタンなど
のメルカプタン類;テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジイソプ
ロピルキサントゲンジスルフィドなどのジスルフィド
類;テルピノーレン、α−ピネン、β−ピネン、α−テ
ルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、ミルセ
ン、ジペンテンなどのテルペン類;ペンタフェニルエタ
ンなどの炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、
α−メチルスチレンダイマー、1,4−シクロヘキサジ
エン;3−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテン
ニトリル、3−ヘキセンニトリル、2−メチル−3−ペ
ンテンニトリル、3−メチル−3−ペンテンニトリル、
4−メチル−3−ペンテンニトリル、2−エチル−3−
ブテンニトリル、2,3−ジメチル−3−ブテンニトリ
ル、3−シアノシクロペンテン、3−シアノシクロヘキ
セン、フェニルアセトニトリル、2−フェニルプロピオ
ニトリルなどのニトリル類;などを挙げることができ
る。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組
み合わせて併用することができる。
連鎖移動剤とを併用してもよい。併用できる連鎖移動剤
としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、t−ド
デシルメルカプタン、n−ステアリルメルカプタンなど
のメルカプタン類;テトラエチルチウラムジスルフィ
ド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジイソプ
ロピルキサントゲンジスルフィドなどのジスルフィド
類;テルピノーレン、α−ピネン、β−ピネン、α−テ
ルピネン、β−テルピネン、γ−テルピネン、ミルセ
ン、ジペンテンなどのテルペン類;ペンタフェニルエタ
ンなどの炭化水素類;アクロレイン、メタクロレイン、
α−メチルスチレンダイマー、1,4−シクロヘキサジ
エン;3−ペンテンニトリル、2−メチル−3−ブテン
ニトリル、3−ヘキセンニトリル、2−メチル−3−ペ
ンテンニトリル、3−メチル−3−ペンテンニトリル、
4−メチル−3−ペンテンニトリル、2−エチル−3−
ブテンニトリル、2,3−ジメチル−3−ブテンニトリ
ル、3−シアノシクロペンテン、3−シアノシクロヘキ
セン、フェニルアセトニトリル、2−フェニルプロピオ
ニトリルなどのニトリル類;などを挙げることができ
る。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組
み合わせて併用することができる。
【0021】他の連鎖移動剤を併用する場合には、単量
体混合物100重量部に対して、前記化合物Aとの合計
量で通常10重量部以下、好ましくは7重量部以下の割
合で使用する。連鎖移動剤の合計量が10重量部を越え
ると、接着強度が低下するため好ましくない。
体混合物100重量部に対して、前記化合物Aとの合計
量で通常10重量部以下、好ましくは7重量部以下の割
合で使用する。連鎖移動剤の合計量が10重量部を越え
ると、接着強度が低下するため好ましくない。
【0022】本発明において、乳化重合に使用する重合
開始剤については、特に限定されない。無機系開始剤と
しては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過酸化水素等を挙げることができ
る。有機系開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプル
ピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハ
イドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオ
キサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイル
パーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシイソブチレート、クミルパーオキシネオデ
カノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチ
ルパーオキシアリルカーボネート等の有機過酸化物;ア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニト
リル、アゾビスイソ酪酸メチルなどのアゾ化合物;等を
挙げることができる。
開始剤については、特に限定されない。無機系開始剤と
しては、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、
過硫酸アンモニウム、過酸化水素等を挙げることができ
る。有機系開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプル
ピルベンゼンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハ
イドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、アセチルパーオ
キサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイル
パーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイル
パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシイソブチレート、クミルパーオキシネオデ
カノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチ
ルパーオキシアリルカーボネート等の有機過酸化物;ア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチ
ルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニト
リル、アゾビスイソ酪酸メチルなどのアゾ化合物;等を
挙げることができる。
【0023】これらの無機系開始剤及び有機系開始剤
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
使用することができる。また、これらの重合開始剤は、
重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤と組み合わせて、レド
ックス系重合開始剤として使用することもできる。重合
開始剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対し
て、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量
部である。
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
使用することができる。また、これらの重合開始剤は、
重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤と組み合わせて、レド
ックス系重合開始剤として使用することもできる。重合
開始剤の使用量は、単量体混合物100重量部に対し
て、通常0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量
部である。
【0024】乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、
ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれもが使
用可能であり、2種以上を組み合わせて使用することも
できる。その具体例としては、高級アルコールの硫酸エ
ステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホ
ン酸塩等のアニオン性界面活性剤;ポリエチレングリコ
ールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アル
キルフェニルエーテル型等のノニオン性界面活性剤;ア
ニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スル
ホン酸塩、りん酸塩、りん酸エステル塩を、カチオン部
分としてアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つ両性界
面活性剤;等を挙げることができる。乳化剤の使用割合
は、単量体混合物100重量部に対して、通常0.05
〜2重量部、好ましくは0.05〜1重量部である。乳
化剤の使用量が多すぎると、耐水性が低下する。
ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれもが使
用可能であり、2種以上を組み合わせて使用することも
できる。その具体例としては、高級アルコールの硫酸エ
ステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホ
ン酸塩等のアニオン性界面活性剤;ポリエチレングリコ
ールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アル
キルフェニルエーテル型等のノニオン性界面活性剤;ア
ニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スル
ホン酸塩、りん酸塩、りん酸エステル塩を、カチオン部
分としてアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つ両性界
面活性剤;等を挙げることができる。乳化剤の使用割合
は、単量体混合物100重量部に対して、通常0.05
〜2重量部、好ましくは0.05〜1重量部である。乳
化剤の使用量が多すぎると、耐水性が低下する。
【0025】本発明の共重合体ラテックスの重合におい
ては、以上のほかに、キレート剤、無機塩などが適宜使
用される。これらの種類は、特に限定されるものではな
く、公知のものが使用できる。
ては、以上のほかに、キレート剤、無機塩などが適宜使
用される。これらの種類は、特に限定されるものではな
く、公知のものが使用できる。
【0026】本発明において、乳化重合法とその条件に
ついては、特に限定はなく、公知の各種方法が採用でき
る。例えば、単量体混合物の添加方法としては、反応容
器(反応缶)に、全量を一括して添加する方法、重合の
進行にしたがって連続的または断続的に添加する方法、
単量体混合物の一部を一括して添加して重合した後、残
余の単量体混合物を一括ないしは連続的または断続的に
添加して重合する方法など、いずれの方法でもよい。連
続的または断続的に添加される単量体混合物の組成は、
重合中、同一であっても、あるいは変化しても構わな
い。
ついては、特に限定はなく、公知の各種方法が採用でき
る。例えば、単量体混合物の添加方法としては、反応容
器(反応缶)に、全量を一括して添加する方法、重合の
進行にしたがって連続的または断続的に添加する方法、
単量体混合物の一部を一括して添加して重合した後、残
余の単量体混合物を一括ないしは連続的または断続的に
添加して重合する方法など、いずれの方法でもよい。連
続的または断続的に添加される単量体混合物の組成は、
重合中、同一であっても、あるいは変化しても構わな
い。
【0027】連鎖移動剤の添加方法についても特に限定
はなく、一括添加方式、分割添加方式、連続添加方式、
あるいはこれらを組み合わせた方式のいずれでもよい。
重合完了後、得られた共重合体ラテックスは、通常、残
留モノマーの除去を行い、必要に応じてNaOH水溶
液、KOH水溶液、アンモニア水溶液等で所望のpHに
調整される。また、濃縮を行って所望の固形分濃度に調
整することもできる。さらに、必要に応じて共重合体ラ
テックスには、防腐剤、安定化剤、分散剤等を添加する
ことができる。
はなく、一括添加方式、分割添加方式、連続添加方式、
あるいはこれらを組み合わせた方式のいずれでもよい。
重合完了後、得られた共重合体ラテックスは、通常、残
留モノマーの除去を行い、必要に応じてNaOH水溶
液、KOH水溶液、アンモニア水溶液等で所望のpHに
調整される。また、濃縮を行って所望の固形分濃度に調
整することもできる。さらに、必要に応じて共重合体ラ
テックスには、防腐剤、安定化剤、分散剤等を添加する
ことができる。
【0028】共重合体ラテックス中の共重合体のゲル含
量は、接着強度などの諸特性に大きな影響を及ぼす。本
発明で使用する共重合体ラテックスは、ゲル含量を特に
限定するものではなく、例えば、オフセット平版印刷用
塗被紙向けにはゲル含量50重量%以上、オフセット輪
転印刷用塗被紙向けにはゲル含量70重量%以下とする
など、それぞれの用途に応じて適宜の範囲に制御するこ
とができる。なお、ゲル含量は、共重合体の有機溶剤不
溶分として測定され、通常20〜95重量%程度の範囲
である。共重合体ラテックス中の共重合体のゲル含量
は、単量体組成、重合温度、最終転化率、重合方法など
に影響されるが、連鎖移動剤の使用により制御するのが
一般的であり、本願発明では、前記化合物A単独または
該化合物Aを含む連鎖移動剤を使用する。
量は、接着強度などの諸特性に大きな影響を及ぼす。本
発明で使用する共重合体ラテックスは、ゲル含量を特に
限定するものではなく、例えば、オフセット平版印刷用
塗被紙向けにはゲル含量50重量%以上、オフセット輪
転印刷用塗被紙向けにはゲル含量70重量%以下とする
など、それぞれの用途に応じて適宜の範囲に制御するこ
とができる。なお、ゲル含量は、共重合体の有機溶剤不
溶分として測定され、通常20〜95重量%程度の範囲
である。共重合体ラテックス中の共重合体のゲル含量
は、単量体組成、重合温度、最終転化率、重合方法など
に影響されるが、連鎖移動剤の使用により制御するのが
一般的であり、本願発明では、前記化合物A単独または
該化合物Aを含む連鎖移動剤を使用する。
【0029】本発明の紙塗被用組成物において、カルボ
キシ変性共重合体ラテックスは、顔料(固形分)100
重量部に対して、通常、固形分で5〜40重量部の割合
で使用する。本発明の紙塗被用組成物に使用される顔料
としては、例えば、クレイ、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、二酸化チタン、サチン白などの無機顔料;
プラスチックピグメントやバインダーピグメントなどと
して知られる有機顔料;などが挙げられ、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
キシ変性共重合体ラテックスは、顔料(固形分)100
重量部に対して、通常、固形分で5〜40重量部の割合
で使用する。本発明の紙塗被用組成物に使用される顔料
としては、例えば、クレイ、炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、二酸化チタン、サチン白などの無機顔料;
プラスチックピグメントやバインダーピグメントなどと
して知られる有機顔料;などが挙げられ、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0030】紙塗被用組成物のバインダーとしては、前
記カルボキシ変性共重合体ラテックスと共に、例えば、
澱粉、カゼイン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールなど
の水溶性バインダー;、ポリ酢酸ビニル系ラテックス、
ポリアクリル酸エステル系ラテックスなどのエマルジョ
ン系ラテックス;などを適宜併用してもよい。本発明の
紙塗被用組成物には、分散剤、増粘剤、染料、着色顔
料、蛍光染料、消泡剤、防腐剤、耐水化剤、滑剤、着肉
向上剤、保水剤などの添加剤を必要に応じて添加しても
よい。
記カルボキシ変性共重合体ラテックスと共に、例えば、
澱粉、カゼイン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールなど
の水溶性バインダー;、ポリ酢酸ビニル系ラテックス、
ポリアクリル酸エステル系ラテックスなどのエマルジョ
ン系ラテックス;などを適宜併用してもよい。本発明の
紙塗被用組成物には、分散剤、増粘剤、染料、着色顔
料、蛍光染料、消泡剤、防腐剤、耐水化剤、滑剤、着肉
向上剤、保水剤などの添加剤を必要に応じて添加しても
よい。
【0031】本発明の紙塗被用組成物が塗被される紙
は、特に限定されず、もちろん板紙なども含まれる。紙
塗被用組成物の塗被方法についても、限定されず、例え
ば、エアナイフコーター、バーコーター、ブレードコー
ター等の各種塗工設備を用いて塗工することができる。
は、特に限定されず、もちろん板紙なども含まれる。紙
塗被用組成物の塗被方法についても、限定されず、例え
ば、エアナイフコーター、バーコーター、ブレードコー
ター等の各種塗工設備を用いて塗工することができる。
【0032】
【実施例】以下、参考例、実施例及び比較例を挙げて本
発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。なお、これらの例中の部数
及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例
に限定されるものではない。なお、これらの例中の部数
及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
【0033】[参考例1]撹拌機付きタンクに、次の原
料を仕込み、単量体混合物のエマルジョンを作成した。 水 48部 アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.2部 重炭酸ソーダ 0.5部 スチレン 30.5部 メタクリル酸メチル 18部 アクリロニトリル 15部 ブタジエン 34部 t−ドデシルメルカプタン 1.5部 t−クロチルアルコール 3部
料を仕込み、単量体混合物のエマルジョンを作成した。 水 48部 アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.2部 重炭酸ソーダ 0.5部 スチレン 30.5部 メタクリル酸メチル 18部 アクリロニトリル 15部 ブタジエン 34部 t−ドデシルメルカプタン 1.5部 t−クロチルアルコール 3部
【0034】撹拌機付きオートクレーブに、水34部、
アクリル酸2.5部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム0.1部、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1
部、及び過硫酸カリウム0.2部を仕込み、前記の単量
体混合物のエマルジョンのうち、10%をオートクレー
ブに移し、80℃に加温して1時間反応させた。1時間
後に過硫酸カリウム0.8部を水20部とともに仕込ん
だ後、残りの単量体混合物のエマルジョンを4時間にわ
たって、連続的に送り込んだ。この間、オートクレーブ
は80℃に保った。さらに、80℃に4時間保った後、
水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整してか
ら、水蒸気蒸留により残留単量体を除去した。さらに、
固型分濃度を50%に調整し、共重合体ラテックスAを
得た。
アクリル酸2.5部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム0.1部、アルキルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1
部、及び過硫酸カリウム0.2部を仕込み、前記の単量
体混合物のエマルジョンのうち、10%をオートクレー
ブに移し、80℃に加温して1時間反応させた。1時間
後に過硫酸カリウム0.8部を水20部とともに仕込ん
だ後、残りの単量体混合物のエマルジョンを4時間にわ
たって、連続的に送り込んだ。この間、オートクレーブ
は80℃に保った。さらに、80℃に4時間保った後、
水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7に調整してか
ら、水蒸気蒸留により残留単量体を除去した。さらに、
固型分濃度を50%に調整し、共重合体ラテックスAを
得た。
【0035】[参考例2〜9]表1に示す重合処方とし
た以外は、参考例1と同様にして、各共重合体ラテック
スB〜Iを調製した。
た以外は、参考例1と同様にして、各共重合体ラテック
スB〜Iを調製した。
【0036】[実施例1]参考例1で得られた共重合体
ラテックスAを用いて、下記の配合処方により紙塗被用
組成物を作成した。 〈配合処方〉 1級クレイ(*1) 40部 2級クレイ(*2) 30部 炭酸カルシウム(*3) 30部 分散剤(*4) 0.2部 pH調整剤(NaOH) 0.1部 デンプン(*5) 4部 共重合体ラテックスA 11部 (注) (*1)ウルトラホワイト90(エンゲルハード社製) (*2)ウルトラコート(エンゲルハード社製) (*3)カービタル90(富士カオリン社製) (*4)アロンT−40(東亜合成化学社製) (*5)MS−4600(日本食品加工社製)
ラテックスAを用いて、下記の配合処方により紙塗被用
組成物を作成した。 〈配合処方〉 1級クレイ(*1) 40部 2級クレイ(*2) 30部 炭酸カルシウム(*3) 30部 分散剤(*4) 0.2部 pH調整剤(NaOH) 0.1部 デンプン(*5) 4部 共重合体ラテックスA 11部 (注) (*1)ウルトラホワイト90(エンゲルハード社製) (*2)ウルトラコート(エンゲルハード社製) (*3)カービタル90(富士カオリン社製) (*4)アロンT−40(東亜合成化学社製) (*5)MS−4600(日本食品加工社製)
【0037】得られた紙塗被用組成物を、塗被原紙上に
塗工量が片面15±1g/m2となるようにブレードコ
ーターを用いて塗工し、塗工直後に100℃の熱風で1
0秒間乾燥した。さらに、20℃、65%RHの恒温恒
湿室中で一昼夜調湿した後、50℃、線圧100kg/
cmの条件でスーパーカレンダー処理を2回行った。得
られた塗被紙の物性を評価し、その結果を表1に示し
た。
塗工量が片面15±1g/m2となるようにブレードコ
ーターを用いて塗工し、塗工直後に100℃の熱風で1
0秒間乾燥した。さらに、20℃、65%RHの恒温恒
湿室中で一昼夜調湿した後、50℃、線圧100kg/
cmの条件でスーパーカレンダー処理を2回行った。得
られた塗被紙の物性を評価し、その結果を表1に示し
た。
【0038】[実施例2〜5、比較例1〜4]共重合体
ラテックスAを共重合体ラテックスB〜Hに代えた他は
実施例1と同様の配合処方により、紙塗被用組成物をそ
れぞれ作成した。なお、共重合体ラテックスIは、凝集
物が多く発生したので、紙塗被組成物を作成しなかっ
た。各紙塗被組成物を用い、実施例1と同様にして塗被
原紙上に塗工し、塗被紙を得、同様に評価した。結果を
一括して表1に示した。
ラテックスAを共重合体ラテックスB〜Hに代えた他は
実施例1と同様の配合処方により、紙塗被用組成物をそ
れぞれ作成した。なお、共重合体ラテックスIは、凝集
物が多く発生したので、紙塗被組成物を作成しなかっ
た。各紙塗被組成物を用い、実施例1と同様にして塗被
原紙上に塗工し、塗被紙を得、同様に評価した。結果を
一括して表1に示した。
【0039】〈塗被紙の評価〉得られた塗被紙の物性の
測定方法及び評価方法は、以下の通りである。 (1)ゲル含量 試料ラテックスを乾燥時のフィルムの厚さが0.2mm
になるようにガラス板上に流し、20℃、65%RHの
恒温恒湿室下に48時間放置し、乾燥フィルムを調製す
る。ついで、このフィルムを約2mm角に細分し、その
うちの約0.2gを秤量し、あらかじめ秤量した100
メッシュのステンレス金網の円筒に入れ、テトラヒドロ
フラン50mlの中に室温で24時間浸漬する。その
後、金網ごと取り出し、真空乾燥機中で乾燥した後、秤
量して不溶解分の重量を測定し、もとの共重合体フィル
ムの対する重量%をもってゲル含量とする。
測定方法及び評価方法は、以下の通りである。 (1)ゲル含量 試料ラテックスを乾燥時のフィルムの厚さが0.2mm
になるようにガラス板上に流し、20℃、65%RHの
恒温恒湿室下に48時間放置し、乾燥フィルムを調製す
る。ついで、このフィルムを約2mm角に細分し、その
うちの約0.2gを秤量し、あらかじめ秤量した100
メッシュのステンレス金網の円筒に入れ、テトラヒドロ
フラン50mlの中に室温で24時間浸漬する。その
後、金網ごと取り出し、真空乾燥機中で乾燥した後、秤
量して不溶解分の重量を測定し、もとの共重合体フィル
ムの対する重量%をもってゲル含量とする。
【0040】(2)接着強度 RI印刷試験機(明製作所)を用いて、適当なタックを
有するインク(ピッキングテストインク)を塗被紙に印
刷し、ピッキングの発生状況を目視で判定し、5点法で
評価した。ピックが発生しないものを5点とし、以下点
数が減ずるに従いピックの発生が増え、著しくピックを
発生したものを1点とする。
有するインク(ピッキングテストインク)を塗被紙に印
刷し、ピッキングの発生状況を目視で判定し、5点法で
評価した。ピックが発生しないものを5点とし、以下点
数が減ずるに従いピックの発生が増え、著しくピックを
発生したものを1点とする。
【0041】(3)耐ブリスター性 塗工紙試験片を、種々の温度に設定されたシリコーンオ
イルバスに浸漬する。ブリスターの発生の有無を目視で
判定し、ブリスターの発生する最低温度で表示する。
イルバスに浸漬する。ブリスターの発生の有無を目視で
判定し、ブリスターの発生する最低温度で表示する。
【0042】(4)印刷光沢 RI印刷試験機(明製作所)を用いて、3色のインク
(大日本インキ社製、GRAF−G、藍−紅−黄)を塗
工紙試験片に、重ね印刷(それぞれ0.25ml)した
後、グロスメーターにより60°−60°で測定した。
(大日本インキ社製、GRAF−G、藍−紅−黄)を塗
工紙試験片に、重ね印刷(それぞれ0.25ml)した
後、グロスメーターにより60°−60°で測定した。
【0043】
【表1】 (脚注)比較例4では、共重合体ラテックスIに凝集物
が多く発生したので、紙塗被用組成物としての評価を行
わなかった。
が多く発生したので、紙塗被用組成物としての評価を行
わなかった。
【0044】表1から明らかなように、本発明におい
て、水酸基と炭素−炭素二重結合に関与する炭素原子と
が1または2個の水素原子を持つ炭素原子に結合した構
造を有する炭素原子数4以上の有機化合物を連鎖移動剤
として用いて得たカルボキシ変性共重合体ラテックスを
バインダーとする実施例1〜5は、四塩化炭素やメルカ
プタン系連鎖移動剤を使用した場合と同等の優れた接着
強度、印刷光沢及び耐ブリスター性を示すことが分か
る。
て、水酸基と炭素−炭素二重結合に関与する炭素原子と
が1または2個の水素原子を持つ炭素原子に結合した構
造を有する炭素原子数4以上の有機化合物を連鎖移動剤
として用いて得たカルボキシ変性共重合体ラテックスを
バインダーとする実施例1〜5は、四塩化炭素やメルカ
プタン系連鎖移動剤を使用した場合と同等の優れた接着
強度、印刷光沢及び耐ブリスター性を示すことが分か
る。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ハロゲン化炭化水素や
メルカプタン類などの従来の連鎖移動剤に代替し得る新
規な連鎖移動剤を用いて、ゲル含量の制御されたカルボ
キシ変性共重合体ラテックスを製造し、これを顔料のバ
インダーとすることにより、接着強度、印刷光沢及び耐
ブリスター性に優れた紙塗被用組成物が提供される。
メルカプタン類などの従来の連鎖移動剤に代替し得る新
規な連鎖移動剤を用いて、ゲル含量の制御されたカルボ
キシ変性共重合体ラテックスを製造し、これを顔料のバ
インダーとすることにより、接着強度、印刷光沢及び耐
ブリスター性に優れた紙塗被用組成物が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42 C08F 2/22 C08F 2/38
Claims (1)
- 【請求項1】 脂肪族共役ジエン系単量体10〜70重
量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜20
重量%、及びこれらと共重合可能なエチレン系不飽和単
量体10〜90重量%を含む単量体混合物を、水酸基と
炭素−炭素二重結合に関与する炭素原子とが1または2
個の水素原子を持つ炭素原子に結合した構造を有する炭
素原子数4以上の有機化合物の存在下で、乳化重合して
得た共重合体ラテックスと、顔料とを含有することを特
徴とする紙塗被用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02974293A JP3254785B2 (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 紙塗被用組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02974293A JP3254785B2 (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 紙塗被用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06220798A JPH06220798A (ja) | 1994-08-09 |
JP3254785B2 true JP3254785B2 (ja) | 2002-02-12 |
Family
ID=12284561
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02974293A Expired - Fee Related JP3254785B2 (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 紙塗被用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3254785B2 (ja) |
-
1993
- 1993-01-26 JP JP02974293A patent/JP3254785B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06220798A (ja) | 1994-08-09 |
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