JP3230321B2 - 共重合体ラテックス - Google Patents
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Description
に、特定の単量体を乳化重合して得られる共重合体ラテ
ックスに関し、さらに詳しくは微細凝固物の発生が少な
く、かつ化学的および機械的安定性、接着強度に優れ、
板紙あるいはゲートロール塗工用の紙塗被用組成物のバ
インダーとして有用な共重合体ラテックスに関する。
を与えるという優れた点から合成バインダーと共に紙塗
被用組成物の水溶性バインダーとして広く一般に用いら
れているが、耐水性に劣りかつ非熱可塑性であることか
らカレンダーがけにおける平滑性および白紙光沢発現性
に劣るという問題があった(室井宗一著、「紙塗工」高
分子ラテックスの応用、P64〜78,1886年高分
子刊行会発行)。
られること、および触媒として硝酸第二セリウムアンモ
ニウム塩、過硫酸塩、過酸化水素のような一般的重合触
媒を用いて重合可能な単量体を澱粉の存在下で重合する
とグラフト化澱粉が生成することは公知の事実である。
しかし、これらの技術は特定の澱粉と特定の単量体組成
においてのみ達成されるものであり、しかも例えば紙塗
被用組成物などに要求される、粒子の沈澱や分離などを
起こさない、化学的および機械的に安定なラテックスは
得られていなかった。
セット印刷での高速印刷化の傾向が強まり、平判印刷、
オフセット印刷共に、接着強度などに優れた品質的にバ
ランスの良い、かつ凝固物のない安定なラテックスの要
求が強くなってきた。
ロジン酸石ケンなどの界面活性剤を乳化剤として使用し
て行われるが、共重合体ラテックス中に界面活性剤が残
存し、それが物性に悪影響を与える。
成物のバインダーとして使用したときは、界面活性剤な
どの低分子量化合物は、塗工後に塗工層表面にマイグレ
ーションによって析出し、塗工紙物性を低下させたり、
塗工時に泡立ちを生じる。また、これらの問題を改善す
るために界面活性剤の使用量を限定すると、ラテックス
の安定性が低下する問題があった。
術の課題を背景になされたものであり、化学的および機
械的安定性に優れ、特に接着強度などに優れた紙塗被用
組成物に好適な共重合体ラテックスを提供することを目
的とするものである。
として本発明の共重合体ラテックスは、 (a)共役ジエン系化合物 10〜65重量% (b)芳香族ビニル化合物 0〜70重量% (c)エチレン系不飽和カルボン酸 0〜10重量% (d)その他の共重合可能な単量体 0〜70重量% からなる単量体(A)100重量部を0.001重量部
以上10重量部未満の澱粉の存在下で乳化重合して得ら
れ、共重合体粒子の平均粒径が300オングストローム
以上2,000オングストローム未満であることを特徴
とする。
たはハロゲン原子を置換基として有しない連鎖移動剤
0.01〜20重量部の存在下で行うことが好ましい。
する(a)成分である共役ジエン系化合物の代表例とし
ては、ブタジエン、イソプレン、スルホン化イソプレ
ン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどを挙げること
ができる。この(a)成分の使用割合は、共重合体に適
度な弾性および膜の硬さを付与するために、単量体全体
に対し10〜65重量%の範囲になくてはならず、好ま
しくは20〜55重量%、さらに好ましくは25〜50
重量%である。(a)成分の使用割合が10重量%未満
では得られる共重合体は硬くてもろく、一方65重量%
を越えると柔らかくなりすぎて耐水性が低下し、また粘
着性が増加するので乾燥機のドラム汚染が発生し、操業
性が低下する。
表例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン、p−メチルスチレン、2−ビニルピリジン、
4−ビニルピリジン等を挙げることができる。この
(b)成分の使用割合は0〜70重量%、好ましくは0
〜60重量%である。(b)成分の使用割合が70重量
%を越えると重合安定性が低下し、塗工作業性が低下す
る。
造に(c)成分であるエチレン系不飽和カルボン酸を使
用すると接着強度および機械的安定性に一段とすぐれた
共重合体が得られる。エチレン系不飽和カルボン酸とし
てはアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン
酸、フマール酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボ
ン酸を挙げることができる。さらにジカルボン酸無水物
も使用することができる。(c)成分の使用割合は0〜
10重量%、好ましくは0.1〜10重量%、特に好ま
しくは1〜7重量%である。(c)成分の使用割合が1
0重量%を越えると、ラテックスの粘度が高くなりすぎ
てハンドリングが難しくなる。
する(d)成分であるその他の共重合可能な単量体とし
ては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エ
チルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアク
リレート、ブチルメタクリレートなどのアルキルアクリ
レートおよびアルキルメタクリレートなどのエチレン系
不飽和カルボン酸エステル;アクリロニトリル、メタク
リロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、クロトンアミド、イタ
コンアミド、メチルイタコンアミド、マレイン酸モノア
ミド、メチレンジアクリルアミド、ジメチルアクリルア
ミド、ジエチルアクリルアミド、ジメチルメタクリルア
ミド、ジエチルメタクリルアミドなどのジアルキル(メ
タ)アクリルアミドなどのアミド系ビニル化合物;2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,3,
4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルアクリレート、
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシルメタク
リレート、2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル
アクリレート、2,3,4,5−テトラヒドロキシペン
チルメタクリレートなどのヒドロキシル基含有ビニル化
合物;ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アク
リロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−(メタ)ア
クリロキシエチルトリエトキシシランなどの共重合可能
なケイ素含有化合物などが挙げられる。さらに、(d)
成分としてジビニルベンゼン、ジアリルベンゼン、ジビ
ニルスルホン、N,N´−メチレンビスアクリルアミ
ド、2,2−ビスアクリルアミド酢酸、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,3−ジビニルテトラメチルジシ
ロキサン、ビス(2−メチルアリル)カーボネート、エ
チレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリ
レートなどの2官能性単量体を挙げることができる。
(d)成分はそれぞれ単独または2種類以上を組み合わ
せて使用しても良い。(d)成分の使用割合は、0〜7
0重量%、好ましくは1〜50重量%である。(d)成
分の使用割合が70重量%を越えると組成物の粘度が高
くなりすぎて操業性が低下するので好ましくない。
薯、タピオカ、小麦、米、とうもろこしおよび甘藷など
からの澱粉などが挙げられるが、特に馬鈴薯、タピオカ
およびトウモロコシの澱粉が好ましい。澱粉は酸加水分
解、酵素分解または酸化的加水分解により分解され加工
澱粉になる。本発明に使用される澱粉には加工澱粉も含
まれる。このような加工澱粉としては、焙焼デキストリ
ン、酵素変性デキストリン、酸分解澱粉、酸化澱粉、ア
ルファー化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、架
橋澱粉、カチオン化澱粉のようなものが挙げられる。こ
れらのうち特に好ましいものは、酸化澱粉やカチオン化
澱粉である。
テックスの安定性が優れかつ生成するラテックスの平均
粒径が特定の範囲になるように必要な量の澱粉を用いて
乳化重合する。澱粉の使用量は単量体(A)100重量
部に対して0.001重量部以上10重量部未満、好ま
しくは0.005〜9重量部、更に好ましくは0.05
〜8重量部、特に好ましくは0.05重量部以上5重量
部未満である。澱粉の使用量が0.001重量部未満で
は安定なラテックスが得られ難く、また10重量部を越
えても安定なラテックスを得るのに製造条件が限定され
困難さを伴う。
ングストローム以上2,000オングストローム未満、
好ましくは500オングストローム以上2,000オン
グストローム未満、さらに好ましくは800〜1,90
0オングストロームである。平均粒径が300オングス
トローム未満であると、粘度が高くなり、かつ粘着性が
高くなるので好ましくない。一方平均粒径が2,000
オングストローム以上であると、接着強度が低下する。
めには水と乳化剤の量を調整する。通常粒径を小さくす
るには、水および乳化剤を多量に使用し、粒径を大きく
するためには、水および乳化剤を少量使用すればよい。
分子量を調製するために連鎖移動剤を用いるが、本発明
も必要に応じて使用することができる。
メルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、ブロモホル
ム、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、α
−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、1,4−
ヘキサジエン、3−フェニル−1−ペンテン、1−フェ
ニル−2−ペンテン、1−フェニル−2−ヘキセン、2
−フェニル−3−ヘキセンなどを挙げることができる。
性体として、(イ)2,4−ジフェニル−4−メチル−
1−ペンテン、(ロ)2,4−ジフェニル−4−メチル
−2−ペンテン、および(ハ)1,1,3−トリメチル
−3−フェニルインダンがある。α−メチルスチレンダ
イマーとして好ましい組成は、(イ)成分が40重量%
以上、(ロ)成分および/または(ハ)成分が60重量
%以下、さらに好ましくは、(イ)成分が50重量%以
上、(ロ)成分および/または(ハ)成分が50重量%
以下、特に好ましくは、(イ)成分が70重量%以上、
(ロ)成分および/または(ハ)成分が30重量%以下
である。(イ)成分の組成比率が高くなるに従って、連
鎖移動効果に優れる。
目的を損わない範囲で、不純物、例えば未反応のα−メ
チルスチレン、前記(イ)、(ロ)、(ハ)成分以外の
α−メチルスチレンオリゴマー、α−メチルスチレンポ
リマーを含むものであってもよい。
れることが好ましい。好ましい連鎖移動剤としては、メ
ルカプト基および/またはハロゲン原子を置換基として
有さない連鎖移動剤(T)であり、連鎖移動剤(T)の
中で特に好ましくはα−メチルスチレンダイマーであ
る。これら好ましい連鎖移動剤を使用すると、本発明の
目的とする効果が更に良くなり、かつ臭気が弱く環境衛
生によい共重合体ラテックスが得られる。
動剤(T)以外の連鎖移動剤との併用で使用されること
が好ましい。連鎖移動剤(T)以外の連鎖移動剤として
は、好ましくはメルカプタン類である。併用する場合の
好ましい割合は、(T)/(T)以外の連鎖移動剤が2
/98〜100/0重量%、さらに好ましくは10/9
0〜90/10重量%である。連鎖移動剤を併用するこ
とで化学的および機械的安定性に一段と優れた共重合体
ラテックスが得られる。
(A)100重量部に対して、好ましくは0.01〜2
0重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部である。
連鎖移動剤がこの範囲にあると、共重合体ラテックスを
各種のバインダーとして用いたとき、優れた機械的強度
を付与する。
記単量体成分および澱粉を使用し、従来公知の乳化重合
方法によって製造することができる。すなわち、水性媒
体(通常は水)に単量体混合物、澱粉、重合開始剤、乳
化剤などを加えて乳化重合することによって得られる。
および無機の過酸化化合物、過硫酸ナトリウム、過硫酸
カリウム、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩化合
物、アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス
(2−アミノジプロパン)二塩酸塩、2,2´−アゾビ
ス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,
2´−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン
−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、2,2´−アゾビス
〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩
酸塩、2,2´−アゾビス〔2−メチル−N−〔1,1
−ビス〔ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕
プロピオンアミド〕、2,2´−アゾビスイソブチルア
ミド二水和物のような油溶性または水溶性のアゾ化合
物、硝酸第二セリウムアンモニウムあるいはレドックス
系開始剤のいずれを使用しても良い。レドックス系開始
剤で使用する還元剤としては、硫酸第一アンモニウム、
アスコルビン酸、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリ
ウム、メタ重亜硫酸ナトリウムなどが挙げられる。これ
ら開始剤のうち、特に好ましいのは過硫酸カリウム、硝
酸第二セリウムアンモニウムである。また、これら開始
剤は重合の最初に必要量を一度に用いても良く、また分
割して任意の時間毎に添加して用いても良い。
ることができる。
活性剤、アニオン性界面活性剤、あるいはノニオン性界
面活性剤が使用できる。両性界面活性剤としては、アニ
オン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホ
ン酸塩、リン酸エステル塩を、カチオン部分としてはア
ミン塩、第4級アンモニウム塩を持つものが挙げられ、
具体的にはアルキルベタインの塩としてはラウリルベタ
イン、ステアリルベタイン、ココアミドプロピルベタイ
ン、2−ウンデシル−ヒドロキシエチルイミダゾリニウ
ムベタインの各々の塩が、アミノ酸タイプのものとして
はラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニ
ン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ
(アミノエチル)グリシン、ジオクチルジ(アミノエチ
ル)グリシンの各々の塩が挙げられる。またアニオン性
界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エス
テル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン
酸塩などが挙げられる。さらにノニオン性界面活性剤と
しては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエス
テル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテ
ル型などが用いられる。
始剤などによって選択されるが、通常は−5℃〜150
℃、好ましくは0℃〜100℃である。
スは紙塗被用組成物のバインダーとして好適に用いられ
る。この場合の共重合体ラテックスは、目的によっては
そのまま用いても良く、また必要な場合には、かかる共
重合体ラテックスに、無機顔料または有機顔料を、好ま
しくは無機顔料を、さらに必要に応じてその他の結合剤
を添加して水性分散剤として調製される。
対し、本発明の共重合体ラテックスが、通常3〜40重
量部、好ましくは5〜30重量部、その他の結合剤が、
通常0〜30重量部、好ましくは2〜10重量部使用さ
れる。共重合体ラテックスが3重量部未満であると十分
な接着強度が得られず、一方40重量部を越える塗被用
組成物の粘度が上昇し流動性が低下するので塗工作業性
が低下する。
ルク、硫酸バリウム、酸化チタン(ルチルアナター
ゼ)、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化亜
鉛、サチンホワイトなどの無機顔料、あるいはポリスチ
レンラテックスのような有機顔料が挙げられ、これらは
単独または混合して使用される。
化澱粉、大豆蛋白、カゼインなどの天然バインダー、あ
るいはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルラテック
ス、アクリル系ラテックス、カルボキシ変性SBラテッ
クス、ブタジエン・メチルメタクリレートなどの合成ラ
テックスが使用される。
の他の助剤、例えば分散剤(ピロリン酸ナトリウム、ヘ
キサメタリン酸ナトリウムなど)、消泡剤(ポリグリコ
ール、脂肪酸エステル、リン酸エステル、シリコーンオ
イルなど)、レベリング剤(ロート油、ジシアンジアミ
ド、尿素など)、防腐剤、耐水化剤(ホルマリン、ヘキ
サミン、メラミン樹脂、尿素樹脂、グリオキサルな
ど)、離型剤(ステアリン酸カルシウム、パラフィンエ
マルジョンなど)、蛍光染料、カラー保水性向上剤(カ
ルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムな
ど)が必要に応じて添加される。
カレンダーリングなどにより仕上げられる。
に紙塗被用組成物のバインダー以外にコーティング剤、
樹脂の改良剤、塗料のバインダーおよびその他各種用途
のバインダーとしても有用である。
温度は−50℃〜+40℃の範囲にあるのが好ましい。
ガラス転移温度が−50℃より低いと共重合体ラテック
スの粘着性が高くなり、操業性が低下し、一方、+40
℃より高いと接着強度が低下するので好ましくない。
本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に制約
されるものではない。なお、実施例において割合を示す
「部」および「%」はそれぞれ重量部および重量%を意
味する。
試験方法を以下に示す。 平均粒径 大塚電子(株)製粒径測定器LPA3100を用いて共
重合体の平均粒径を測定した。 トルエン不溶分(ゲル含量) 得られた共重合体ラテックスをpH8.0に調整した
後、ラテックス中の共重合体をイソプロパノールで凝固
し、洗浄,乾燥した後、所定量(約0.3g)の試料を
所定量(100ml)のトルエンに約20時間浸漬した
後、120メッシュの金網でろ過して得られる残存固形
分を測定し、試料に対する重量%で示した。 微細凝固物 共重合体ラテックス1kgを試料として採取し、これを
400メッシュの金網でろ過し、金網上に残った凝固物
量を測定し、試料(固形分換算)に対する割合を求め、
下記の3段階で評価し、この微細凝固物の生成量から生
成ラテックスの安定性を評価した。
応容器に、表1に示す成分の単量体、水(澱粉、界面活
性剤、重合開始剤添加に使用する水を除いた必要量の
水)、80〜90℃で溶解させたエーテル化澱粉(濃度
30%の水溶液)、連鎖移動剤、界面活性剤(濃度10
%の水溶液)、重合開始剤(濃度3〜15%の水溶液)
の順に仕込んだ後、窒素雰囲気中で、温度70℃で12
時間重合を行い、重合転化率98〜100%で重合を終
了した。
リウムを用いてpH7.5に調整した後、水蒸気を吹き
込んで未反応単量体を除去し、さらに加熱減圧蒸留によ
って固形分濃度50%の共重合体ラテックスを得た。
ックスの安定性、トルエン不溶分およびラテックスの粒
径を表1に示した。いずれの実施例も、本発明で得られ
た共重合体ラテックスは微細凝固物の発生が少なく、安
定性が非常に優れていることを示している。また、得ら
れたラテックスの粒径は、いずれの場合も300〜2,
000オングストロームの範囲にある。
器に、表2に示す成分の単量体、水、重合連鎖移動剤、
濃度10%の界面活性剤水溶液、濃度3〜15%の重合
開始剤水溶液の順に仕込んだ後、前記実施例の場合と同
様に、窒素雰囲気中で、温度70℃で12時間重合を行
い、重合転化率98〜100%で重合を終了した。
酸化ナトリウム水溶液を用いてpH7.5に調整した
後、水蒸気を吹き込んで未反応単量体を除去し、さらに
加熱減圧蒸留によって固形分濃度50%の共重合体ラテ
ックスを得た。
ックスの安定性、トルエン不溶分およびラテックスの粒
径を表2に示した。
で、かつ澱粉の存在しない状態で重合した例である。こ
れらの比較例で得られた共重合体ラテックスの安定性が
劣ることを示している。
で、かつ澱粉の存在しない状態で重合した例であり、得
られた共重合体ラテックスの安定性が劣ることを示して
いる。
未満で、かつスチレンが70%を越えた例であり、得ら
れた共重合体ラテックスの安定性が劣ることを示してい
る。
を越えた例であり、得られた共重合体ラテックスの安定
性が劣ることを示している。
の粒径が2,000オングストロームを越えていること
を示している。適用例1〜8 (紙塗被用組成物の調製)このようにして得られた共重
合体ラテックスを用いて、下記の配合処方(A)および
配合処方(B)により紙塗被用組成物を調製した。 配合処方(A) オーストラリアクレイコマルコ(コマルコ社製、「コマルコ」) 25部 2級クレー(EM&C社製、「HT」) 25部 炭酸カルシウム(富士カオリン社製、「カービタル−90」) 50部 分散剤(東亜合成(株)製、「アロンT−40」) 0.28部 耐水化剤(住友化学(株)製、「スミレッツ633」) 0.30部 潤滑剤(サンノプコ社製、「ノプコートC−104」) 0.50部 防腐剤(片山化学(株)製、「モルノン900」) 0.05部 合成ラテックス 14部 25%アンモニア水溶液 0.10部 水 固形分濃度が64%になる必要量 配合処方(B) カオリナイトクレー(J.M.ヒューバー社製、「ハイドロスパース」)30部 ウルトラホワイトクレー(EMC社製、「ウルトラホワイト−90」) 40部 炭酸カルシウム(富士カオリン社製、「カービタル−90」) 30部 分散剤(東亜合成(株)製、「アロンT−40」) 0.20部 耐水化剤(住友化学(株)製、「スミレッツ633」) 0.30部 潤滑剤(サンノプコ社製、「ノプコートC−104」) 1.00部 防腐剤(片山化学(株)製、「モルノン900」) 0.05部 合成ラテックス 14部 25%アンモニア水溶液 0.10部 水 固形分濃度が64%になる必要量 すなわち、水に分散剤を溶解したのち防腐剤および炭酸
カルシウムを添加し、その後、コーレス分散機で攪拌し
ながらクレー、25%アンモニア水溶液、耐水化剤、潤
滑剤および合成ラテックスをこの順に徐々に加え分散さ
せた。紙塗被用組成物の調製において、澱粉の必要な場
合は、80〜90℃の温度で加熱溶解し前記分散液にあ
らかじめ混合して用い、最終固形分濃度を64%に調製
した。澱粉と合成ラテックスの割合は、合成ラテックス
10部に対して、澱粉3部であり、澱粉は合成ラテック
スに含まれる澱粉を含めた合計量で示す。澱粉量がこの
割合より小さい場合は前記の方法で澱粉を添加し、合成
ラテックス中の澱粉量がこの割合より多い場合は、その
まま用いた。
尾産業、ロッド塗工#8)で塗工用紙(王子製紙(株)
製上質紙OK64、坪量64.5g/m2 )に塗工量が
30〜35±1g/m2 になるよう塗工し、その後温度
150℃で10秒間乾燥し、さらに温度50℃、圧力1
50kg/cm2 の条件で2回カレンダー加工を施し
た。こうして得られた塗工紙を下記の評価法に従って評
価した。評価した結果を表3に示した。
判定し、ピッキングなしを5点とし、5点満点で評価し
た。
のピッキングの程度を肉眼で判定し、ピッキングなしを
5点とし、5点満点で評価した。
てて、白紙へのインキ転移性を肉眼で判定し、3段階で
評価した。
刷りし、村上式光沢度計を使用して測定し(75°−7
5°)、3段階で評価した。
の場合も塗工紙物性が優れていることを示す。また紙塗
被用組成物の安定性にも優れていた。比較適用例1〜6 適用例1〜8に示したと同様な方法で紙塗被用組成物の
調製および塗工紙物性評価を行った。その結果を表3に
示した。
しない状態で重合した共重合体ラテックスを使用した場
合で、いずれもインキ転移性が劣り、比較適用例3にお
いてはウェット接着強度も劣ることを示す。
体ラテックスの単量体成分比が本発明の範囲を越えた場
合で、いずれの塗工紙物性も劣ることを示す。
ストロームを越えた共重合体ラテックスを用いた場合
で、接着強度が劣ることを示す。
れた紙塗被用組成物の安定性が劣っていた。
固物の発生が少なく、機械および化学的安定性に優れ、
さらに優れた接着強度を有する。
組成物のバインダー、コーティング剤、樹脂の改良剤、
塗料のバインダーおよびその他各種用途のバインダーと
して有用である。
とする紙塗被用組成物は、接着強度に優れ、さらに、安
定性に優れることから、高速塗工が可能であり、そし
て、塗被紙の生産時の操業性にも優れ、板紙およびゲー
トロール塗工等の紙塗被用組成物のバインダーとして特
に有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)共役ジエン系化合物 10〜
65重量% (b)芳香族ビニル化合物 0〜70重量% (c)エチレン系不飽和カルボン酸 0〜10重量% (d)その他の共重合可能な単量体 0〜70重量% からなる単量体(A)100重量部を0.001重量部
以上10重量部未満の澱粉の存在下で乳化重合して得ら
れ、共重合体粒子の平均粒径が300オングストローム
以上2,000オングストローム未満であることを特徴
とする共重合体ラテックス。
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