JP3124254B2 - 放射線断層撮影装置 - Google Patents
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Description
法および装置に関し、特に、複数の経路を透過する放射
線による被検体の投影データを被検体の周囲の複数のビ
ュー方向で順次に測定し、この投影データに基づいて被
検体の断層像を生成する放射線断層撮影方法および装置
に関する。
ば、X線CT(computed tomography)装置がある。X線
CT装置においては、放射線としてはX線が利用され
る。そして、放射線照射・検出装置、すなわちX線照射
・検出装置を被検体の周りで回転(スキャン(scan))さ
せて、被検体の周囲の複数のビュー(view)方向でそれぞ
れX線による被検体の投影データ(data)を測定し、それ
ら投影データに基づいて断層像を生成(再構成)するよ
うになっている。
のスキャンを0.8秒程度の時間で行えるようになっ
た。そこで、被検体(患者)の呼吸モニタリング(monit
oring)信号に同期して、例えば最大吸気時あるいは最大
呼気時等の体動の少ない時相に合わせてスキャンするこ
とにより、肺野や腹部等について体動の影響が少ない断
層像を撮影することが行われる。
影を行うときは、撮影に要するタイムスパン(time spa
n) をできるだけ短くすることによって、得られる断層
像を静止画像に近づけることが望まれる。このための一
つの方法としてハーフスキャン(half scan) が行われて
きた。ハーフスキャンは放射線ビーム発生手段の半回転
によって得られる画像情報から画像を再構成するもので
ある。
ついては、0.8秒程度のスキャン時間といえどもその
間の運動量が大きいので、通常のスキャンニングでは満
足な撮影をすることができない。そこで、ハートゲート
スキャン(heart-gate scan)による撮影が行われる。
ら多心拍にわたって連続的に複数回スキャンし、得られ
た投影データを心電信号に基づいて各位相ごとにソーテ
ィング(sorting) し、ソーティング後の投影データに基
づいて各位相の心臓の断層像を再構成するようにしてい
る。
スキャンでは、得られるデータの精密度が不足するた
め、画質が不十分であった。また、コンピュータトモグ
ラフィでは放射線ビームの対向ビューデータに対して適
当な補間演算を行い、画質を向上させることが行われて
きたが、ハーフスキャンでは対向ビューデータは収集さ
れず、上記のような画質向上のための処理を行うことは
不可能である。
8秒弱程度のスキャン時間では、体動の影響を完全に免
れることは難しく、必ずしも満足な画質の断層像が得ら
れない。また、ハートゲートスキャンは、多心拍にわた
ってスキャンを行うのでスキャン継続時間が長くなり、
また、それにともなって患者のX線被曝量が多くなる。
されたもので、その目的は、フルスキャンによって充分
なデータの精密度を確保するとともに対向ビューデータ
に対して補間演算をすることを可能とし、かつ撮影に要
するタイムスパンを短く設定したことと等価な効果を得
ることによって静止画像に近い断層像を得ることを可能
とする放射線断層撮影装置を提供することにある。
する第1の発明は、複数の放射線ビームを発生する放射
線ビーム発生手段と、当該複数の放射線ビームによる被
検体の投影データを被検体の周囲の複数のビュー方向で
順次に測定する測定手段と、前記投影データのうち同一
の経路を互いに逆方向に透過した放射線による投影デー
タ同士について重み付け演算を行うことにより、前記複
数のビュー方向のおのおのについて補間投影データを算
出する補間投影データ算出手段と、ビュー角度について
任意の2πの範囲を選択したときに、該2πにおけるπ
の位相に対応する時間を中心に重点的に前記重み付け演
算が行われるよう、ビュー角度に対して重み付け係数を
変化させた重み付け演算を制御する制御手段と、前記補
間投影データに基づいて前記被検体の断層像を生成する
画像生成手段と、を具備することを特徴とする放射線断
層撮影装置である。
開始時点を前記被検体からもたらされる周期的信号に基
づいて制御することが、適宜の時相の断層像を得る点で
好ましい。
するときは、呼吸運動における周期的信号に基づいて前
記重み付け演算を制御することが望ましい。また、例え
ば被検体の心臓を検査対象とするときは、心臓の拍動の
周期的信号に基づいて前記重み付け演算を制御すること
が望ましい。
の測定を、心臓の拍動の1周期に等しい時間で行い、前
記重み付けを重点的に行なう中心を心臓の拍動の所望の
位相に合わせることが、1スキャンで得た測定データか
ら任意の心拍位相における断層像を得る点で好ましい。
記被検体からもたらされる心電信号に基づき重み付けさ
れた画像情報収集処理を複数回行って心臓拍動の複数の
時相の断層像を得ても良い。
は、第1の発明において、前記放射線ビーム発生手段が
パラレルビームを発生させることを特徴とする。 (3)上記の課題を解決する第3の発明は、第1の発明
において、前記放射線ビーム発生手段がファンビームを
発生させることを特徴とする。
おいて、前記放射線がX線であることが、その発生、検
出および制御等に関し実用的な手段が最も充実している
点で好ましい。
した放射線による投影データ対に対して、重み付け演算
を行うにあたり、周期運動を行う検査対象の臓器の望ま
しい運動位相に重点的に重み付けが行われるように制御
するので、短い時間区間を実効的なスキャン時間とする
ことが可能となる。これにより、実際のスキャン時間よ
り短い実効スキャン時間で高い画質を得ることができ
る。
施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態
に限定されるものではない。
を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本
装置の構成によって、本発明の装置の実施の形態の一例
が示される。また、本装置の動作によって、本発明の方
法の実施の形態の一例が示される。
ガントリ(gantry)2、撮影テーブル(table)4、操作コ
ンソール(console) 6および周期運動モニタ(monitor)
10を備えている。
管20を有する。X線管20から放射された図示しない
X線は、コリメータ(collimater)22により例えば扇状
のX線ビーム(ファンビーム(fan beam))となるように
成形され、検出器アレイ(array) 24に照射されるよう
になっている。X線管20およびコリメータ22は、本
発明における放射線ビーム発生手段の実施の形態の一例
である。検出器アレイ24は、扇状のX線ビームの広が
りの方向にアレイ状に配列された複数のX線検出素子を
有する。検出器アレイ24の構成については後にあらた
めて説明する。
アレイ24は、X線照射・検出装置を構成する。X線照
射・検出装置の構成については後にあらためて説明す
る。検出器アレイ24にはデータ収集部26が接続され
ている。データ収集部26は、検出器アレイ24の個々
のX線検出素子の検出データを収集するようになってい
る。
トローラ(controller)28によって制御されるようにな
っている。なお、X線管20とX線コントローラ28と
の接続関係については図示を省略する。
ラ30によって調節されるようになっている。なお、コ
リメータ22とコリメータコントローラ30との接続関
係については図示を省略する。
ーラ30が、走査ガントリ2の回転部32に搭載されて
いる。回転部32の回転は、回転コントローラ34によ
って制御されるようになっている。なお、回転部32と
回転コントローラ34との接続関係については図示を省
略する。
査ガントリ2のX線照射空間に搬入および搬出するもの
である。被検体とX線照射空間との関係については後に
あらためて説明する。
の被検体から例えば呼吸信号や心電信号等の生体活動信
号を検出するものである。生体活動信号は、本発明にお
ける周期的信号の実施の形態の一例である。
有している。中央処理装置60は、例えばコンピュータ
(computer)等によって構成される。中央処理装置60に
は、制御インタフェース(interface) 62が接続されて
いる。制御インタフェース62には、走査ガントリ2と
撮影テーブル4が接続されている。
2を通じて走査ガントリ2および撮影テーブル4を制御
するようになっている。走査ガントリ2内のデータ収集
部26、X線コントローラ28、コリメータコントロー
ラ30および回転コントローラ34が制御インタフェー
ス62を通じて制御される。なお、それら各部と制御イ
ンタフェース62との個別の接続については図示を省略
する。
バッファ64が接続されている。データ収集バッファ6
4には、データ収集部26と周期運動モニタ10が接続
されている。データ収集部26で収集されたデータおよ
び周期運動モニタ10の出力信号がデータ収集バッファ
64に入力される。データ収集バッファ64は、入力デ
ータを一時的に記憶する。
6が接続されている。記憶装置66は、各種のデータや
再構成画像およびプログラム(program) 等を記憶する。
中央処理装置60には、また、表示装置68と操作装置
70がそれぞれ接続されている。表示装置68は、中央
処理装置60から出力される再構成画像やその他の情報
を表示するようになっている。操作装置70は、操作者
によって操作され、各種の指令や情報等を中央処理装置
60に入力するようになっている。
ビーム発生手段がファンビームを発生する装置に関して
説明するが、後述するように、放射線ビーム発生手段が
パラレルビーム(parallel beam) を発生する装置であっ
ても簡便に実施できるものである。
する検出器アレイ24の模式的構成を示す。検出器アレ
イ24は、多数(例えば1000個)のX線検出素子2
4(i)を円弧状に配列した多チャンネルのX線検出器
を形成している。iはチャンネル番号であり例えばi=
1〜1000である。
ーション(scintillation) X線検出器や半導体X線検出
器等の固体検出器によって構成される。勿論、例えばX
e(キセノン)ガス等の電離気体を利用した電離箱型の
ものを用いることも可能である。
管20とコリメータ22と検出器アレイ24の相互関係
を示す。なお、図3の(a)は正面図、(b)は側面図
である。同図に示すように、X線管20から放射された
X線は、コリメータ22により扇状のX線ビーム40と
なるように成形され、検出器アレイ24に照射されるよ
うになっている。図3の(a)においては、扇状のX線
ビーム40の広がりすなわちX線ビーム40の幅を示し
ている。図3の(b)では、X線ビーム40の厚みを示
している。
2の回転中心300とを通る仮想的な直線400を角度
基準軸とする。角度基準軸400の延長は、検出器アレ
イ24の中央に達する。X線管20の焦点と個々のX線
検出素子24(i)とを結ぶ仮想的な直線が角度基準軸
400に対してなす角度を、チャンネル角度γという。
検出器アレイ24の中央のX線検出素子24(I/2)
ではチャンネル角度はγ=0である。検出器アレイ24
の図中左端のX線検出素子24(1)ではチャンネル角
度はγ=+γmである。検出器アレイ24の図中右端の
X線検出素子24(I)ではチャンネル角度はγ=−γ
mである。チャンネル番号iとチャンネル角度γは1対
1に対応しているので、以下、X線検出素子24(i)
をX線検出素子24(γ)と表現する。
被検体が搬入される。その状態を図4に示す。同図に示
すように、撮影テーブル4に載置された被検体8が、X
線ビーム40の扇面に体軸を交叉させて搬入される。X
線ビーム40によってスライス(slice) された被検体8
の投影像が検出器アレイ24に投影される。被検体8の
アイソセンタ(isocenter) におけるX線ビーム40の厚
みが、被検体8のスライス厚thを与える。スライス厚
thは、コリメータ22のX線通過開口によって定ま
る。
アレイ24からなるX線照射・検出装置は、それらの相
互関係を保ったまま被検体8の体軸の周りを回転(スキ
ャン)する。スキャンの1回転当たり複数(例えば10
00)のビュー角度で被検体8の投影データが収集され
る。
アレイ24のチャンネル数に等しく例えば1000であ
る。各チャンネルの投影データは、X線管20の焦点か
ら各チャンネルに入射する透過X線の強度を表す。した
がって、例えば1000本の互いに異なる経路を通過す
るX線による投影データが収集されることになる。
データ収集部26−データ収集バッファ62の系統によ
って行われる。X線管20、コリメータ22、検出器ア
レイ24、データ収集部26およびデータ収集バッファ
64は、本発明における測定手段の実施の形態の一例で
ある。
て、図5を用いて説明する。X線照射・検出装置が回転
した一つの角度位置において、角度基準軸400が例え
ば垂直軸等となす角度θをビュー角度という。なお、ビ
ュー角度θの原点は必ずしも垂直軸に限らず適宜にとる
ことができる。
(γ)によりビュー角度θで収集したデータをD(γ,
θ)で表す。例えば、γ=0ならD(0,θ)であり、
γ=+γmならD(+γm,θ)であり、γ=−γmな
らD(−γm,θ)である。
データが存在する。これを図6によって説明する。同図
において、(a)に示すデータD(+γm,θ)に着目
したとき、(b)に示すように、ビュー角度θ' =θ+
π+2(+γm)でのデータD(−γm,θ' )が対向
ビューのデータである。これらのデータD(+γm,
θ)とD(−γm,θ' )は、撮影空間の同一部分を互
いに逆方向に通過するX線によって得られる投影データ
となる。
ついて対向ビューのデータがそれぞれ存在する。一般
に、データD(γ,θ)の対向ビューのデータは、D
(−γ,θ+π+2γ)となる。対向ビューのデータ
は、互いに異なるビュー角度、すなわち、走査ガントリ
2の互いに異なる回転位置で得られたものなので、デー
タ収集時点が異なっている。
64に収集された各投影データについて、それぞれ対向
ビューのデータを求めるようになっている。中央処理装
置60は、また、対向ビューデータの関係にある1対の
データを用いて、重み付け演算により補間投影データを
算出するようになっている。中央処理装置60は、本発
明における補間投影データ算出手段の実施の形態の一例
である。中央処理装置60は、また、本発明における制
御手段の実施の形態の一例である。補間投影データの算
出は例えば次式により行われる。
2)は対向ビューデータ対であり、チャンネル角度γ1
とγ2の関係およびビュー角度θ1とθ2の関係はそれ
ぞれ下記のようになっている。
み係数w(γ,θ)がガントリの回転角とチャンネル角
度γとの関係でどのように決定されるかを説明するため
の図である。ここで一つのビューのデータとその対向ビ
ューのデータとの重み付けのしかたは、それぞれのビュ
ーのデータが発生するときの放射線源位置と、角度位置
πとの距離の近さに応じて両者が比例按分されるように
重み付けを行う。
のデータに掛けあわされる重み付け係数と、その対向ビ
ューのデータに掛けあわされるべき重み付け係数との和
が1になるように正規化する。放射線源が例えば図7
(a)に示すような角度位置θにあるときは、その対向
ビューはθ+π+2γのところに現れ、このときの重み
付け係数は次式のように表される。
角度位置θにあるときは、対向ビューはちょうど2πの
角度位置にあり、ここを境として重み付け係数の計算式
が違った形で得られる。
角度位置θにあるときは、重み付け係数は次式のように
与えられる。
な角度位置θにあるときは、重み付け係数は次式のよう
に与えられる。
次式のように与えられる。
与えることにより、対向ビューデータ対においては、重
み係数w(γ1,θ1)とw(γ2,θ2)の和は常に
1となる。これを、例えば図6における対向ビューデー
タ対D(+γm,θ)とD(−γm,θ’)について示
せば、重み係数はそれぞれ下記のようになり、
ついても同様になる。走査ガントリ2の1回転、すなわ
ち、ビュー角度θが0から2πまで変化する間の重み係
数w(γ,θ)の変化を、例えばデータD(0,θ)に
ついて示せば、図8のようになる。なお、図8は、γが
0である場合、すなわちファンビームを構成する複数の
ビームのうち中央のビームについての重み付け係数を与
える関数を表したものであり、このビームの対向ビーム
は常にガントリの回転角度が180度進行したときに表
れる。このことは、放射線ビーム発生手段がパラレルビ
ームを発生する手段となっているときも同様であり、X
線照射・検出装置がパラレルビーム発生手段を備えたも
のであるときは、この重み付け関数がどのビームに対し
ても適用される。
は、θが0のとき0で、そこから直線的に増加してθ=
πにおいて1となり、そこを過ぎると直線的に減少して
θ=2πにおいて0となる。
タに最大の重みを与え、そこを中心として対称的に逓減
する重みを前後のビューのデータに与えるようなプロフ
ァイル(profile) を持つ重み係数となっている。このよ
うな重み係数による補間演算により、θ=πの位置に重
点的に重み付けが行われたデータが求められることにな
る。補間は、対向ビューデータの組合せに応じて、内挿
補間と外挿補間の両様がある。
を表しているため、回転が一定の角速度で行われるもの
とすると、横軸θを時間軸tに読み代えることができ
る。そのようにした場合、θ=0,π,2πは、それぞ
れt=0,T/2,Tに相当する。ここで、Tはスキャ
ン時間である。
方法によれば、θ=π、すなわちT/2のときの回転位
相の位置に重点的に重み付けが行われたデータプロファ
イルが得られるので、ここを中心として例えば半値幅相
当分のデータに基づき画像再構成を行えば、重み付けに
よる画質の評価を適切に行うことができる。この場合の
半値幅は、ヘリカルスキャンにおける実効スライス厚に
相当する概念としてとらえることができ、重み付けによ
る画質の評価に用いることができる。
に、本装置の動作のフロー図を示す。操作者により、操
作装置70を通じて中央処理装置60に与えられる指令
に従って本装置の動作が開始する。以下、中央処理装置
60による制御の下で本装置の動作が進行する。
呼吸モニタリングを開始する。次に、ステップ802に
おいて外部信号入力が行われる。これによって、周期運
動モニタ10から中央処理装置60に呼吸信号が入力さ
れ、それが中央処理装置60を介して表示装置68に表
示される。これによって、表示装置68には、例えば図
10に示すように、最大吸気および最大呼気の時相を示
す呼吸信号波形が表示される。操作者は、表示された波
形に基づいて被検体8の呼吸動作を把握する。
大呼気の時相を判別するための適宜の閾値を入力する。
なお、閾値は、最大吸気の時相を判別するためのものを
設定するようにしても良いのは勿論である。
テップ804において、スキャン開始トリガー(trigge
r) が発生する。スキャン開始トリガーに基づき、ステ
ップ806において、スキャンを開始し、ステップ80
8においてX線照射を行い、ステップ810においてデ
ータ収集を行う。
での前処理の後に、ステップ814で、対向ビューデー
タ対を用いて前述のような補間投影データの算出を行
う。そして、ステップ816において、補間投影データ
に基づく画像再構成を行い、ステップ818で、再構成
画像の表示および記憶を行う。
を中心として重点的に重み付けられたプロファイルを有
するため、再構成画像は、実効的に走査ガントリ2の実
際のスキャン時間の半分の時間をこのT/2の時間位相
を中心として収集したデータによって行っても良い。こ
の関係を図示すれば、例えば図11に示すように、最大
呼気の時相において被検体8をスキャン時間Tでスキャ
ンしたとき、重み係数のプロファイルの半値幅に相当す
るT/2が、ヘリカルスキャンにおける実効スライス厚
に相当する実効スキャン時間としてとらえることができ
る。
したとき、実効スキャン時間は0.4秒となる。このた
め、被検体8の呼吸による体動の影響が極めて少ない断
層像を得ることができる。
わりに例えば心電計を用いると、心臓の拍動の所望の時
相(位相)につき、上記と同様な手法によって断層像を
得ることができる。なお、拍動の位相は心電信号につい
て適宜の閾値等を設定することにより指定する。
1回転のうちの所望の時間位相に重点的に重み付けがな
されるように重み付け演算を制御し、この時間位相を検
査対象の臓器の運動の比較的穏やかな時間位相と合致さ
せ、この運動の比較的穏やかな時間位相において画像情
報を重点的に収集し、検査対象の臓器の静止画像に近い
画像を得るものであったが、このような画像情報の収集
の仕方を所定の間隔で複数回行い、臓器の動きを順次観
察するために用いてもよい。すなわち、心臓の拍動の例
えば2心拍にわたって連続的なスキャンを行い、複数回
転分のデータを収集する。
2に示すように、最初の360°分のデータ群S1を用
いて、対向ビューデータ対による補間投影データから画
像再構成を行うと1つの位相の断層像を得ることができ
る。以下、360°に相当する範囲を適宜ずらしなが
ら、データ群S2〜S6について順次同様なことを行う
ことにより、それぞれの位相の断層像を得ることができ
る。
されるが、その時間はたかだか2心拍相当の時間なの
で、被検体のX線被曝量は、従来のハートゲートスキャ
ンに比べて格段に少ない。
再構成を、複数のスライス位置について順次行えば、各
位相の断層像を複数のスライス位置のおのおのにおいて
撮影することができる。その際、例えば心電信号のR波
(最大ピーク(peak)を形成する波)等をスキャンのトリ
ガーに利用すると、複数のスライスを通じて位相を揃え
ることが容易になる。位相が同一な複数のスライスの断
層像は、任意断面についてのリフォーメーション(refor
mation) 画像や3次元像を各位相毎に構成するのに利用
することができる。
調節することにより、スキャン時間Tを通常1秒前後で
ある1心拍の時間(周期)と同じにすることができる。
そのようにした場合、例えば図13に示すように、1ス
キャンで心拍の1周期中の全位相のビューデータを得る
ことができる。そしてこのとき、スキャンの最初のビュ
ーと最後のビューにおいて心拍の位相が一致するので、
心拍位相は連続性を保って一巡するものとなる。
係数は、最大重みを与える中心位置(以下、重みの中心
位置という)を実線で示すようにスキャンの1/2回転
(θ=π)の位置に設定することはもとより、一点鎖線
で示すように、任意の角度位置(θ=θc)に設定し、
それに合わせて重み係数のプロファイルを循環的に平行
移動させても、補間演算には矛盾が生じない。
拡張期等、動きが緩やかな位相に合わせることにより、
その位相のビューデータに最大の重み付けした再構成画
像を得ることができ、それによって、動きの影響の少な
い心臓の断層像を得ることができる。
に合わせることにより、その位相における心臓の断層像
を得ることができる。ただし、動きが激しい位相の画像
は、画質の劣化を許容せざるをえない。なお、重みの中
心位置の設定にあたっては、例えば心電波形のR波を基
準とするのが、基準位置が明確になる点で好ましい。あ
るいは、1スキャン時間内の相対時間で設定するように
しても良い。
る場合の、本装置の動作のフロー図を示す。同図に示す
ように、先ず、ステップ800’で心拍数の測定を行な
う。心拍数の測定は、例えば心電計等である周期運動モ
ニタ10の信号に基づいて行なわれる。そして、心拍数
の測定値から1心拍の平均時間等を求める。
間を決定する。最適スキャン時間は例えば1心拍の平均
時間等に一致するように定める。次に、ステップ80
4’で重み関数およびその重みの中心位置を合わせる心
拍位相を決定する。
る。スキャンは、ステップ802’で決定した最適スキ
ャン時間で行なわれる。以下、図9に示したフロー図と
同様な手順によって、被検体8のスキャン、断層像の再
構成および再構成画像の表示等が行なわれる。これによ
り、例えば1心拍時間に一致する時間で1スキャンが行
なわれ、ステップ804’で決定した心拍位相における
心臓の断層像が得られる。
憶した1スキャン分のビューデータにつき、重みの中心
位置を変更してあらためて画像再構成を行なわせること
により、別な位相の心臓の断層像を得ることができる。
必要に応じて、重みの中心位置を逐次変えながらそれぞ
れ画像再構成を行なわせることにより、1スキャンのビ
ューデータから種々の位相の心臓の断層像を任意に得る
ことができる。なお、画像再構成にあたっては、動きが
激しい部分のビューデータを除外し、ハーフスキャンに
相当するビューデータによるセグメント・リコン(segme
nt reconstruction)を行なうようにしても良い。
脈拍計等、より簡易な測定器により行なうようにしても
良い。ただし、その場合には、心電波形のR波を基準に
した心拍位相(重みの中心位置)の決定ができなくなる
が、スキャン時間内で適宜に設定したいくつかの重みの
中心位置でそれぞれ再構成画像を求め、その中から選ぶ
ことにより、適切な画像を得ることができる。
たスキャンも行なえないので、マルチスライス・スキャ
ンにより心臓の複数の断面を撮影する場合、各回のスキ
ャン開始時の心拍位相はまちまちとなる。このため、図
15に示すように、例えばスライス1のスキャンとスラ
イス2のスキャンが、別々な心拍位相で開始される。た
だし、スキャン時間はいずれも1心拍の時間Tである。
たビューデータにつき、それぞれスキャン時間内の同じ
相対時間を重みの中心位置として設定すると、各スライ
スの断層像は心拍位相がまちまちなものとなり、全スラ
イスを通して観察するのに不便を生じる。
ス1の断層像を、重みの中心位置をスキャン時間内の相
対時間tcの位置に設定して再構成したとすると、n心
拍後にスキャンしたスライス2では、スライス1に対し
て設定した重みの中心位置tcからnT時間後の時点を
重みの中心位置とする。
同じ心拍位相は時間T毎に繰返して現れるので、相対時
間tcからnT時間後の位相は相対時間tcにおける位
相と同じである。したがって、このような時点に設定さ
れた重みの中心位置に基づき、スライス1と同一の心拍
位相の断層像を得ることができる。
計測値に応じて重みの中心位置を同様に設定することに
より、全てのスライスの断層像の心拍位相を共通にする
ことができる。
て説明したが、放射線はX線に限るものではなく、例え
ばγ線等の他の種類の放射線であっても良い。ただし、
現時点では、X線がその発生、検出および制御等に関し
実用的な手段が最も充実している点で好ましい。
は、複数の放射線ビームによる被検体の投影データを被
検体の周囲の複数のビュー方向で順次に測定し、同一の
経路を互いに逆方向に透過した放射線による投影データ
同士について所望の時間位相に重点的に重み付けが行わ
れるよう重み付け演算を行うことにより補間投影データ
を算出し、この補間投影データに基づいて断層像を生成
するようにしたので、所望の時間位相における対象臓器
の静止画像に近似した断層撮影を行うことができる。こ
れによって、スキャン時間を等価的に短縮した放射線断
層撮影方法および装置を実現することができる。
である。
器アレイの模式的構成図である。
照射・検出装置の模式的構成図である。
照射・検出装置の模式的構成図である。
ビューデータとの関係を示す図である。
ビューデータとの関係を示す図である。
度の関係を説明するための図である。
演算の重み係数のプロファイルを示すグラフである。
フロー図である。
吸モニタリング信号の一例を示すグラフである。
吸モニタリング信号とスキャン時相の関係の一例を示す
図である。
電信号と画像再構成時相との関係の一例を示す図であ
る。
み係数と心拍との関係の一例を示す図である。
すフロー図である。
み係数と心拍との関係の一例を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 複数の放射線ビームを発生する放射線ビ
ーム発生手段と、 当該複数の放射線ビームによる被検体の投影データを被
検体の周囲の複数のビュー方向で順次に測定する測定手
段と、 前記投影データのうち同一の経路を互いに逆方向に透過
した放射線による投影データ同士について重み付け演算
を行うことにより、前記複数のビュー方向のおのおのに
ついて補間投影データを算出する補間投影データ算出手
段と、 ビュー角度について任意の2πの範囲を選択したとき
に、該2πにおけるπの位相に対応する時間を中心に重
点的に前記重み付け演算が行われるよう、ビュー角度に
対して重み付け係数を変化させた重み付け演算を制御す
る制御手段と、 前記補間投影データに基づいて前記被検体の断層像を生
成する画像生成手段と、 を具備することを特徴とする放射線断層撮影装置。 - 【請求項2】 前記放射線ビーム発生手段がパラレルビ
ームを発生させることを特徴とする請求項1に記載の放
射線断層撮影装置。 - 【請求項3】 前記放射線ビーム発生手段がファンビー
ムを発生させることを特徴とする請求項1に記載の放射
線断層撮影装置。 - 【請求項4】 前記補間投影データ算出手段は、互いに
対向する前記投影データが取得される時間位相及び前記
所望の時間位相に従って線形補間により重み付け演算を
行うことを特徴とする請求項1から請求項3までのいず
れか一項に記載の放射線断層撮影装置。
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