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JP3184717B2 - GaN単結晶およびその製造方法 - Google Patents

GaN単結晶およびその製造方法

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Publication number
JP3184717B2
JP3184717B2 JP24296794A JP24296794A JP3184717B2 JP 3184717 B2 JP3184717 B2 JP 3184717B2 JP 24296794 A JP24296794 A JP 24296794A JP 24296794 A JP24296794 A JP 24296794A JP 3184717 B2 JP3184717 B2 JP 3184717B2
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single crystal
gan single
gan
crystal
substrate
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JP24296794A
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一行 只友
信一 渡部
和政 平松
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、青色発光ダイオード等
のGaN単結晶基板として好適に用いることができる高
品質なGaN単結晶、および、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】発光ディスプレイ等における多色化の要
求や、通信・記録等におけるデータ密度向上の要求によ
って、青色から紫外線波長領域に至る短波長の発光が可
能な半導体デバイスの出現が強く求められている。この
青色〜紫外発光デバイス用の半導体材料として、 III−
V系化合物半導体では最もバンドギャップの広い窒化物
であるGaN系単結晶が着目されている。GaNは、直
接遷移型バンド構造を有するため高効率の発光が可能で
あり、かつ、室温でのバンドギャップが約3.4eVと
大きいため青色〜紫外発光を呈し、上記半導体デバイス
の要求に好適な材料である。しかし、GaNは、結晶成
長温度が高く、また結晶成長温度付近での窒素の平衡蒸
気圧が高いため、融液から高品質で大型の単結晶を製造
することは極めて困難である。従って、GaN系単結晶
の成長は、耐熱性に優れたサファイア基板またはSiC
基板上への、MOVPE(Metal Organic Vapor Phase
Epitaxy )またはMBE(Molecular Beam Epitaxy)に
よる非平衡反応に基づくヘテロエピタキシャル成長法に
よって行われていた。これに対して、近年、ZnOをバ
ッファ層としてサファイア基板上に成膜した上にGaN
単結晶を成長させる方法が開示され(例えば、Applied
physics letter Vol.61 (1992) p.2688 )、GaN基板
の作製が可能になった。このGaN基板上に同質のGa
N系単結晶薄膜を成長させることによって、上記サファ
イア基板上への直接的な結晶成長にくらべGaN系単結
晶薄膜の品質は向上した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記ZnO
をバッファ層として用いる従来の方法では、サファイア
基板上へのZnOの成膜がスパッタリング法によるもの
であるため、該ZnO層は高品質の単結晶とはならず、
この結晶構造の品質が次のGaN単結晶層に影響するた
めに高品質なGaN単結晶が得られないという問題があ
った。また、従来知られていたGaN単結晶の結晶品質
は、最も高品質なものであっても、2結晶法X線ロッキ
ングカーブの半値全幅(full width at half-maximumof
the double-crystal X-ray rocking curve)が100
sec程度、室温でのMobility は600cm2 /VS
程度であったが、結晶を成長させる方法がMOVPEで
あるために膜厚が5μm程度しか得られず非常に薄いの
で、GaN単結晶をもとの基板から分離し、例えば半導
体発光素子の基板として、単独に用いることは困難であ
った。このため、GaN単結晶を利用する場合は、もと
の基板上に形成された状態のまま用いることを余儀なく
されていたのである。以下、本明細書では、「2結晶法
X線ロッキングカーブの半値全幅」を単に「半値全幅」
という。また、上記のようにZnOバッファ層上に、H
VPE(Hydride Vapor PhaseEpitaxy )によって成長
させたGaN単結晶は、基板としては十分な厚みのもの
が得られていたが、その品質は半値全幅が300sec
以上の低品質のものであった。即ち、良好な品質と十分
な厚みとを同時に有するGaN単結晶はなかったのであ
る。
【0004】本発明の目的は、高品質な単結晶で、か
つ、単独で基板として用いることが可能なほど十分な厚
みを有する、GaN単結晶を提供することである。本発
明の他の目的は、高品質な単結晶で、かつ、単独で基板
として用いることが可能なほど十分な厚みを有するGa
N単結晶の製造が可能な、GaN単結晶の製造方法を提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、GaN単
結晶が従来の製造方法による低品質の結晶構造であって
も、あるいはサファイア基板等のようなGaN以外の結
晶であっても、これらを最初の結晶基板として、この上
にGaN単結晶との格子整合性が良好な物質を薄膜成長
させてバッファ層とし、この上にGaNを結晶成長させ
ることによって、より高品質のGaN単結晶が得られる
こと、および当該GaN単結晶を新たな基板とし、再び
この上にバッファ層・GaN単結晶を成長させるという
ように、バッファ層物質とGaNとを交互にエピタキシ
ャル成長させることを繰り返すに応じてGaN単結晶が
より高品質化され、十分な厚みに形成し得ることを見出
し本発明を完成した。
【0006】本発明のGaN単結晶およびその製造方法
は次の特徴を有するものである。 (1) 2結晶法X線ロッキングカーブの半値全幅が5〜2
50secであり、かつ、厚みが80μm以上であっ
て、GaN系半導体結晶層を成長させるための基板とな
GaN単結晶。 (2) 少なくとも表面がGaN単結晶である基板上にGa
N単結晶との格子整合性の良好な物質を薄膜成長させて
バッファ層とした上にGaNを結晶成長させてGaN単
結晶を得る工程を有する、前記GaN系半導体結晶層を
成長させるための基板となるGaN単結晶の製造方法。 (3) 少なくとも表面がGaN単結晶である基板上にGa
N単結晶との格子整合性の良好な物質を薄膜成長させて
バッファ層とした上にGaNを結晶成長させてGaN単
結晶を得る工程を1回の結晶成長サイクルとし、得られ
たGaN単結晶上に上記結晶成長サイクルを少なくとも
1サイクル繰り返して積層物を形成させた後に各バッフ
ァ層を除去し、GaN単結晶を得ることを特徴とするG
aN単結晶の製造方法。 (4) 少なくとも表面がGaN単結晶である基板上にGa
N単結晶との格子整合性の良好な物質を薄膜成長させて
バッファ層とした上にGaNを結晶成長させてGaN単
結晶を得る工程を1回の結晶成長サイクルとし、得られ
たGaN単結晶を新たな基板として上記結晶成長サイク
ルを少なくとも1サイクル繰り返し、かつ1サイクル毎
にバッファ層を除去し、GaN単結晶を得ることを特徴
とするGaN単結晶の製造方法。
【0007】
【作用】本発明のGaN単結晶は、基板上にバッファ層
の成膜とGaNの結晶成長とを交互に、また、サイクル
的に繰り返すことによって形成される。基板中に存在し
ている多くの転位、積層欠陥などは、GaNの結晶成長
層内、バッファ層内、または基板とバッファ層との界
面、またはバッファ層とGaN結晶成長層との界面で消
滅する。従って、該結晶成長サイクルを1回行なう毎
に、GaNの単結晶構造の品質は向上し、これを限りな
く繰り返せば、成長条件で規定されるような単結晶構造
に漸近的に収束するものと思われる。本発明の製造方法
によって得られるGaN単結晶は品質が良好であり、ま
た、必要ならば80μm以上の厚みにまで形成すること
が可能であり、特に半導体発光素子の基板として好まし
いものとなる。
【0008】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説
明する。本発明のGaN単結晶は、上記したように、そ
の半値全幅が5〜250secの値を示す高品質なもの
であり、かつ、単独で基板として用いることができる
程、充分な厚み80μm以上を有するものである。本発
明では、GaN単結晶の品質を数値で表すための方法と
してX線回折法を用い、この方法によって示される半値
全幅の値をもってGaN単結晶の品質とした。X線回折
法は、結晶に照射されたX線の回折を利用する方法であ
る。そのなかでも、本発明では、その測定精度を向上さ
せるために、2結晶を用いる方法によって測定をおこな
った。2結晶を用いるX線回折法は、試料の格子定数を
精密に評価し、その半値幅から結晶の完全性を評価する
方法である。本発明におけるGaN単結晶の品質評価に
おいては、X線源から入射したX線を第1結晶により高
度に単色化して、第2結晶である試料のGaN単結晶に
照射し、この試料から回折するX線のピークを中心とす
るFWHM(full width athalf-maximum)を測定し
た。X線源にはCukα1 を用い、30kV、10mA
でX線を発生させた。単色化のための第1結晶には、G
e(400)を用いた。測定は、GaN(0002)の
回折ピークについて行い、測定のステップ間隔は0.0
02°で行うものとした。
【0009】本発明によるGaN単結晶の品質の実験値
については後述するものとし、次にこのような品質のG
aN単結晶を得ることが可能な製造方法を説明する。図
1は本発明の製造方法によるGaN単結晶の形成工程の
一例を模式的に示す図である。本発明のGaN単結晶の
製造方法は、最も簡単には、同図工程1に示すように、
少なくとも表面がGaN単結晶である最初の基板P0
にGaN単結晶との格子整合性が良好な物質を堆積させ
てバッファ層B1 とした上にGaNを結晶成長させてG
aN単結晶を得るものである。
【0010】本発明のGaN単結晶の製造方法は、ま
た、同図工程2に示すように、工程1で形成された積層
体の基板P1 上にGaN単結晶との格子整合性が良好な
物質を薄膜成長させてバッファ層B2 を形成した上にG
aNを結晶成長させGaN単結晶よりなる基板P2 を形
成させる。この様な工程を、工程1を1回目と数えてサ
イクル的にn回繰り返すことによって最上層にGaN単
結晶Pn が成長した後に、それまで累積した各バッファ
層を一度に除去し、GaN単結晶P1 〜Pn を分離して
多数枚のGaN単結晶とする方法である。上記方法で
は、サイクル数を増やす毎に、得られるGaNの結晶品
質は向上するが、結晶品質の向上が平衡状態に達した後
は、むしろ多数枚の基板作製技術として有用なものとな
る。
【0011】本発明のGaN単結晶の製造方法は、さら
に、同図工程3に示すように、工程1のバッファ層B1
を除去してGaN単結晶P0 ,P1 を分離し、GaN単
結晶の単独基板P1 を得、当該基板P1 上にGaN単結
晶との格子整合性が良好な物質を薄膜成長させてバッフ
ァ層B2 を形成した上にGaNを結晶成長させ、バッフ
ァ層B2 を除去してGaN単結晶P1 ,P2 を分離す
る。この様な工程を、工程1を1回目と数えてサイクル
的にn回繰り返すことによってGaN単結晶Pnが得ら
れる。即ち、本方法は新たに得られるGaN単結晶が結
晶成長する度に、その結晶成長の基礎となったバッファ
層を1サイクル毎に除去し、新たに得られるGaN単結
晶を常にGaN単独の単結晶とする方法である。この方
法においても上記工程2と同様に、結晶品質の向上が平
衡状態に達した後は、バッファ層を除去して分離される
2つのGaN単結晶は、製品材料として利用する他に、
各々次のGaN結晶成長サイクルの基板として再び利用
してもよい。
【0012】また、工程2,3に示した2つの方法を適
当に複合する方法として、結晶成長サイクルの任意の回
数kごとにバッファ層を除去する方法が考えられる。こ
の場合の任意の回数kは自由に選択してよい。
【0013】上記のように、本発明のGaN単結晶の製
造方法は、結晶成長サイクルを繰り返すことによって、
GaNの結晶構造が該結晶成長サイクルを1回行なう毎
に品質が向上し、所望の回数n回目に、極めて高品質な
GaN単結晶Pn が得られるというものである。
【0014】バッファ層の薄膜成長は、公知の成膜法や
結晶成長法が用いられるが、特にエピタキシャル成長可
能な成膜法が、得られるGaN単結晶の品質向上に対し
て好ましい。また、バッファ層上へGaNを結晶成長さ
せる方法も、バッファ層の薄膜成長と同様に、エピタキ
シャル成長可能な成膜法が品質向上に対して好ましい。
【0015】エピタキシャル成長は、結晶基板上にこれ
と同一物質あるいは同一結晶構造の物質を、その結晶軸
の向きが基板の結晶軸の向きにそろった単結晶として成
長させる方法である。本発明においては、GaNやバッ
ファ層となる物質をエピタキシャル成長させる成膜法が
最も好ましく、特にVPE(Vapor Phase Epitaxy )、
HVPE、MOVPE、MBE、GS−MBE(Gas So
urse MBE)、CBE(Chemical beam Epitaxy )等
が挙げられる。
【0016】上記結晶成長サイクルを繰り返す回数n
は、特に限定されるものではなく、求めるGaN結晶の
品質に応じて、また、必要とするGaN結晶基板の枚数
に応じてサイクル回数を決定してよいが、通常の半導体
デバイス用のGaN結晶基板として用いるには、2回〜
5回程度で十分な結晶品質となる。
【0017】上記、GaNの結晶成長の基礎となったバ
ッファ層を除去する方法は、得られたGaN単結晶を分
離しうる方法であればどのような方法であってもよい
が、酸等による化学的な除去方法が有効である。
【0018】上記バッファ層に用いられる物質は、Ga
N単結晶との格子整合性が良好なものが用いられる。G
aN単結晶と格子製合性の良好な物質とは、結晶格子に
おけるa軸の格子定数が、GaN単結晶のそれに対して
±10%以内、好ましくは±5%以内であるウルツァイ
ト型の結晶構造も持つものを言う。これを満足する物質
の好ましい例として、ZnOが挙げられる。ZnOのa
軸の格子定数(単位格子の長さ)は3.2496Åであ
り、GaNのa軸の格子定数3.189Åに対して+
1.9%と、非常に近似した格子定数を備えており、良
好なGaNの結晶成長が行い得るので望ましい。また、
ZnOは酸によるエッチング除去性が良好であり、この
点でも、バッファ層に用いる物質として好適である。バ
ッファ層の厚みは、0.01μm〜100μm程度が好
ましい。
【0019】最初の基板P0 は、少なくとも表面がGa
N単結晶であるものを用いる。即ち、全体が実質的にG
aNだけからなるGaN単結晶の単独の基板、または、
GaN単結晶層をバッファ層形成側の表面に有するよう
な、表面だけがGaN単結晶であるような基板である。
後者の場合、GaN単結晶層を担持する基材物質として
は、GaN単結晶の成長温度(1000〜1100℃)
に対する耐熱性が良好なものが望ましく、例えばサファ
イア結晶基板、Si基板、水晶、ZnO基板、SiC基
板などが例示される。これら基材物質上へのGaN単結
晶層の形成は、MOVPE法、MBE法などによる非平
衡反応に基づくヘテロエピタキシャル成長法によって行
うことができる。
【0020】〔GaN単結晶の製造実験および品質確認
実験〕次に、本発明のGaN単結晶の製造方法によって
実際にGaN単結晶を製造し、その品質を確認した結果
を示す。 実験例1 本実験例では、上記本発明のGaN単結晶の製造方法に
おける結晶成長サイクルを繰り返す方法として、図1に
おける工程2に示すように、最初の基板P0 上にバッフ
ァ層およびGaN単結晶を順次成長させて積層し、最後
に各バッファ層を一度に除去してGaN単結晶を分離す
る方法とした。最初の基板P0 としては、サファイア結
晶基材上にMOVPE法によりGaN単結晶層をエピタ
キシャル成長させた基板を用いた。バッファ層は厚みを
0.2μm、材料をZnOとした。結晶成長サイクルは
5回繰り返すものとした。結晶成長サイクル各回に形成
されるGaN単結晶P1 〜P5 の厚みは全て300μm
を目標とした。最後に得られたGaN単結晶P5 の半値
全幅を測定したところ、29secであり、また、その
厚みは305μmであった。
【0021】実験例2 本実験例では、上記実験例1における結晶成長サイクル
を繰り返す方法に代えて、図1における工程3に示すよ
うに、GaN単結晶がエピタキシャル成長する度に、そ
の前のバッファ層を除去し、新たな基板を常に1枚のG
aN単独の単結晶とした以外は、実験例1と全く同様の
GaN単結晶の作製を行った。最後に得られたGaN単
結晶P5 の品質は、半値全幅が28secであり、ま
た、その厚みは289μmであった。
【0022】実験例3 本実験例では、上記実験例2における最初の基板とし
て、サファイア基板と、AlN(窒化アルミニウム)の
バッファ層と、GaN単結晶とからなる3層の基板を用
いた以外は、実験例2と全く同様のGaN単結晶の作製
を行った。3層の基板の製作工程を簡単に説明する。厚
さ300μm、面積5cm×5cmのサファイア結晶基
板上に、バッファ層としてAlNをMOVPE法によっ
て厚み500Åまでエピタキシャル成長させ、その状態
のままで材料ガスを切替え、同じMOVPE法によって
GaN単結晶を厚み2μmまでエピタキシャル成長させ
て表層とし、サファイア結晶基板と、AlNバッファ層
と、GaN単結晶の表層とからなる総厚約302μmの
三層構造の基板を得た。本実験によって最後に得られた
GaN単結晶P5 の品質は、半値全幅が25secであ
り、また、その厚みは295μmであった。
【0023】実験例4 本実験例では、上記実験例2において、最初の基板P0
として実験例3と同様の3層の基板を用い、GaN単結
晶の結晶成長サイクルを繰り返す際の、各サイクルにお
けるバッファ層の材料として(BeO)0.13(ZnO)
0.87 を用いた以外は、実験例2と全く同様のGaN単
結晶の作製を行った。本実験によって最後に得られたG
aN単結晶P5 の品質は、半値全幅が28secであ
り、また、その厚みは301μmであった。
【0024】実験例5 本実験例では、本発明によるGaN単結晶の品質と比較
するために、従来の製造方法によるGaN単結晶の品質
を調べた。厚さ300μm、面積5cm×5cmのサフ
ァイア結晶基板上に、スパッタリング法によってZnO
を材料とする厚さ0.6μmのバッファ層を成膜し、そ
の上にHVPEによってGaN単結晶を厚さ250μm
までエピタキシャル成長させた。このGaN単結晶の品
質は、半値全幅が420secであった。
【0025】上記実験結果で明らかなように、本発明の
GaN単結晶の製造方法は、従来には無い、高品質なG
aN単結晶を製造することが可能であり、かつ、GaN
単結晶を単独の基板として用いるのに十分な厚みに製造
することが可能であることが確認された。
【0026】本発明の製造方法によって得られる、この
ような高品質で厚いGaN単結晶は、発光ダイオード
(LED)、レーザーダイオード(LD)、スーパール
ミネッセンスダイオード等の半導体発光素子、電子デバ
イス等の用途に好ましく用いられる。半導体発光素子に
おいては、本発明のGaN単結晶を基板として用いるこ
とで、従来の赤色LED等と同じ電極部の構造を有する
LED、LD等の製造が可能となる。これらのなかでも
特に、青色発光するものは重要である。また、その半導
体発光素子の発光の効率はより高いものとなる。
【0027】〔本発明によるGaN単結晶を用いたLE
Dの品質確認実験〕本発明の製造方法によって得られた
GaN単結晶を基板として用いたLEDを実際に製造
し、その品質を確認した。また、従来品質のGaN単結
晶、およびサファイア結晶を各々基板とするLEDを製
作し、本発明のGaN単結晶を基板とするLEDの品質
と比較した。従来品質のGaN単結晶としては、半値全
幅が300secのものを用いた。LEDの品質は、初
期の輝度と寿命について評価した。寿命は、温度85℃
湿度85%の雰囲気中において20mAの電流によって
2000時間連続発光させた後の輝度を測定し、その輝
度の初期の輝度に対する低下率を求め、低下率2%未満
をA、低下率2〜5未満%をB、低下率5〜10%をC
と、3つのランクに分けた。LEDの構造は、本発明の
製造方法によって得られたGaN単結晶を基板とし、該
基板上に、n−AlGaNクラッド層、アンドープのI
nGaN活性層、p−AlGaNクラッド層を順次成長
させてなるダブルヘテロ接合型の構成とした。本発明に
よるGaN単結晶の基板の品質は、半値全幅が30se
c、100sec、250secの3種類である。厚み
はすべて280μmである。また、活性層のInGaN
の組成比は、In0.15Ga0.85Nと、In0.25Ga0.75
Nの2種類とし、各々の組成比のInGaNについて、
発光素子を作成し実験を行った。この実験結果を次の表
1、2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】表1、2に示すように、本発明による高品
質なGaN単結晶を基板として用いたLEDは、初期の
輝度と寿命の点で、従来のものより優れたLEDである
ことがわかった。
【0031】また、LDに関しては、次の現象が確認で
きた。サファイア結晶を基板とする従来のLDでは、サ
ファイア結晶が、へき開面の形成が困難な物質であるた
めに基板面が好ましい鏡面状態とはならず、その基板面
に形成されるGaN系化合物半導体層の面の状態は、基
板面の状態に従うため、LDにとって好ましい反射面は
形成することができなかった。しかし、本発明によるG
aN単結晶は高品質であり十分な厚みを有するため、G
aN単結晶を基板として、そのへき開面を得ることが容
易になった。また、従来のGaN系化合物半導体を用い
たLDでは、結晶品質が劣っているため、電流注入によ
る誘導放出が達成できなかったが、本発明による高品質
なGaN単結晶を基板として用いたファブリ・ペロー型
共振器のストライプレーザーを構成し実験したところ、
室温において誘導放出が確認された。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のGaN単
結晶は、従来にはなかった結晶品質と充分な厚みを同時
に備えるものである。また、本発明の製造方法は、その
ような高品質で充分な厚みを同時に備えたGaN単結晶
を好適に提供することができる。従って、高効率の青色
発光を呈するLEDや、紫外線レーザーダイオード、ま
たは耐熱性の良好な半導体デバイスを得るために好適な
GaN単結晶の基板を提供することできる。また、本発
明の製造方法は、GaN単結晶の結晶品質の向上および
厚みの獲得だけでなく、高品質なGaN単結晶を効率良
く多数枚製造することが可能であり、工業的にも極めて
重要な技術である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるGaN単結晶の製造方法の工程の
一例を示す模式図である。
【符号の説明】
0 最初の基板 P1 〜Pn GaN単結晶 B1 〜Bn バッファ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−50899(JP,A) 特開 昭56−59700(JP,A) 特開 昭53−104598(JP,A) T.Detchprohm et a l.,”Hydride vapor phase epitaxial gr owth of a high qua lity GaN film usin g a ZnO buffer lay er”,Applied Physic s Letter,Vol.61,No. 22,Nov.30,1992,p.2688−2690 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 H01L 33/00 EPAT(QUESTEL)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2結晶法X線ロッキングカーブの半値全
    幅が5〜250secであり、かつ、厚みが80μm以
    上であって、GaN系半導体結晶層を成長させるための
    基板となるGaN単結晶。
  2. 【請求項2】 少なくとも表面がGaN単結晶である基
    板上にGaN単結晶との格子整合性の良好な物質を薄膜
    成長させてバッファ層とした上にGaNを結晶成長させ
    てGaN単結晶を得る工程を有する、GaN系半導体結
    晶層を成長させるための基板となるGaN単結晶の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも表面がGaN単結晶である基
    板上にGaN単結晶との格子整合性の良好な物質を薄膜
    成長させてバッファ層とした上にGaNを結晶成長させ
    てGaN単結晶を得る工程を1回の結晶成長サイクルと
    し、得られたGaN単結晶上に上記結晶成長サイクルを
    少なくとも1サイクル繰り返して積層物を形成させた後
    に各バッファ層を除去し、GaN単結晶を得ることを特
    徴とするGaN単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも表面がGaN単結晶である基
    板上にGaN単結晶との格子整合性の良好な物質を薄膜
    成長させてバッファ層とした上にGaNを結晶成長させ
    てGaN単結晶を得る工程を1回の結晶成長サイクルと
    し、得られたGaN単結晶を新たな基板として上記結晶
    成長サイクルを少なくとも1サイクル繰り返し、かつ1
    サイクル毎にバッファ層を除去し、GaN単結晶を得る
    ことを特徴とするGaN単結晶の製造方法。
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