JP3030068B2 - マイクロ波帯における疑似人体用複合誘電体 - Google Patents
マイクロ波帯における疑似人体用複合誘電体Info
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Description
誘電体、すなわち、人体の筋肉や脂肪等と同等の物理特
性を有する擬似人体用複合誘電体に関する。
ミアによるガン治療等におけるように、マイクロ波帯を
中心とする高周波領域における電磁界と人体の相互作用
を調査する研究が活発に行なわれている。
を直接測定対象にすることは危険が大きすぎ、したがっ
て、人体の物理特性と同等の特性をもつ擬似人体用材料
を使用するのが一般的である。ちなみに、人体のマイク
ロ波特性は、例えば筋肉では、1GHzで比誘電率(εs)
が50、誘電損失(tanδ)が50%程度であり、脂肪で
は、同周波数で比誘電率が6、誘電損失が30%程度であ
る。また、比熱は0.3cal/g・℃程度とされている。
天状の材料等が提供されているが、この材料は時間の経
過とともに形状が崩れてくるなど、耐久性に難がある。
り特性的にもすぐれた材料として、セラミクス、樹脂、
あるいは炭素粉末などがある。
人体に近い6〜100の誘電率をもつ材料では誘電損失が
1%以下で小さくなりすぎる。また、樹脂は一般に誘電
率が小さすぎ、4以下である。さらに、炭素粉末は10-3
Ω・cm程度の低抵抗率であることから、マイクロ波帯で
大きな誘電損失を有するが、比熱が極端に小さくなりす
ぎる。すなわち、これらの材料は単体では擬似人体用材
料とはなり得ないものである。
て、特開昭48−29000号公報や特開昭58−166607号公報
などに示されたものがある。
もマイクロ波帯での誘電損失が小さいという特徴を有す
るもので、もっぱらコンデンサ等の電子部品に用いられ
るものであり、人体と同等の物理特性を有する擬似人体
用複合誘電体について着目したものではなかった。ま
た、セラミクスと樹脂からなる複合材では、比誘電率の
大きな複合材をつくっても、誘電損失が比較的小さく、
擬似人体用複合誘電体としての要求特性を満足するもの
でない。
特性を有効に利用することにより、人体と同等の物理特
性を有する擬似人体用の複合材としてすぐれた特性をも
つ材料を見出したものである。
ける電磁界の人体に対する影響を調査することが可能
な、耐久性にすぐれた擬似人体用複合誘電体を提供する
ことを目的とする。
容量%と、からなり、周波数900MHzにおける比誘電率が
8〜102であり、誘電損失が16〜200%であることを特徴
とするマイクロ波帯における疑似人体用複合誘電体であ
る。
1000以上の高誘電率系セラミクス粉末が60容量%以下
(ただし、0を含まず)と、炭素粉末が10〜70容量%
と、からなり、周波数900MHzにおける比誘電率が8〜10
2であり、誘電損失が16〜200%であることを特徴とする
マイクロ波帯における疑似人体用複合誘電体である。
リデンなどのフッ素系樹脂である。
バリウム系セラミクス、鉛系複合ペロブスカイト系セラ
ミクス、ビスマス系セラミクスなどがあり、マイクロ波
帯で大きな誘電損失をもつ材料が望ましい。
きなもの、また形状についても球状のものや針状のもの
など、さまざまな種類のものが存在するが、いずれの形
状についても、それぞれの特性を生かして使用すること
ができる。
材料の混合割合を上記した範囲に限定した理由は、以下
のとおりである。
り、90容量%を越えると誘電率が小さくなりすぎる。し
たがって、樹脂については30〜90容量%とした。
と、誘電率が大きくなるわりには誘電損失が大きくなら
ない。また、高誘電率系セラミクス粉末を混合させなく
ても、比誘電率、誘電損失の特性が擬似人体用複合誘電
体に要求される値を満足させることができる。したがっ
て、高誘電率系セラミクス粉末については0(ゼロ)ま
たは60容量%以下とした。
さすぎて人体と同等の値に近付けることができず、逆に
70容量%を越えると、樹脂の量が30容量%以下となるの
で成形ができなくなる。したがって、炭素粉末について
は10〜70容量%とした。
率が1000以上のものを用いるのが望ましい。これはその
他の構成成分である樹脂や炭素粉末と一緒に混在させた
とき、上記の混合割合において、人体の物理的特性と同
じ特性にするために必要な値を得るためである。
物理特性が、測定周波数1GHzで比誘電率が5〜60、誘電
損失が10〜100%であり、また比熱が0.3cal/g・℃程度
であり、人体の物理的特性と同程度のものが得られる。
同等の特性を有するものであるため、マイクロ波帯を中
心とする高周波電磁界が人体に与える影響を測定すると
き、この擬似人体用複合誘電体が使用でき、電磁波が人
体に与える影響を正確に測定することができる。
きな高誘電率系セラミクス粉末として、次の組成および
特性からなるものを準備した。
デンを用いた。
る。
ので、平均粒径が小(20μm)、中(50μm)、大(10
0μm)の炭素粉末を用いた。
合に秤量して混合した。次に、この混合原料を、熱プレ
スを用い、成形圧力260Kg/cm2の圧力で大きさが外径7mm
φ、内径3mmφ、長さ5mmに成形し、測定試料とした。
タ法により900MHz近傍での比誘電率(εs)、誘電損失
(tanδ)を測定し、その結果を第1表に併せて示し
た。表中、*印は本発明の範囲外のものである。
損失(tanδ)の関係を図示したものである。
比誘電率=50、誘電損失=50%を中心に、図の実線で囲
まれた任意の比誘電率と誘電損失の関係をもつ擬似人体
用複合誘電体を得ることができる。また、人体の筋肉と
同等の誘電特性をもつ試料番号9の比熱を測定したとこ
ろ、0.2cal/g・℃であった。
率が4以上にならないことから、特許請求の範囲から除
外したものである。また、試料番号11は炭素粉末を含ま
ない樹脂とセラミックの混合体からなるもので、比誘電
率の増大に見合うだけの誘電損失の増大が見込めないこ
とから、これも特許請求の範囲から除外したものであ
る。
電体の各成分である樹脂と、高誘電率系セラミクス粉末
と、炭素粉末の混合領域を示したものであり、実線で囲
まれた領域が特許請求の範囲である。
は、測定周波数1GHzで、誘電率(ε)が5〜100程度の
ものが得られ、誘電損失(tanδ)が15〜200%のものが
得られており、人体の物理特性と同等の特性を示す。し
たがって、この擬似人体用複合誘電体を用いることによ
り、マイクロ波帯を中心とする高周波領域における電磁
波と人体の相互作用を調査することが可能となる。ま
た、本発明の擬似人体用複合誘電体によれば、耐久性に
もすぐれており、時間の経過とともに形状がくずれると
いうおそれもない。
000のものを使用したが、上記した実施例とほぼ同程度
の特性が得られた。
ポリフッ化ビニリデン、および炭素粉末の混合割合を変
化させたときの比誘電率(ε)と誘電損失(tanδ)の
相互関係を示したものである。 第2図は、高誘電率系セラミクス粉末、ポリフッ化ビニ
リデン、および炭素粉末の混合割合を示した三元状態図
である。
Claims (4)
- 【請求項1】樹脂が30〜90容量%と、 炭素粉末が10〜70容量%と、 からなり、 周波数900MHzにおける比誘電率が8〜102であり、誘電
損失が16〜200%であることを特徴とするマイクロ波帯
における疑似人体用複合誘電体。 - 【請求項2】樹脂が30〜90容量%と、 比誘電率が1000以上の高誘電率系セラミクス粉末が60容
量%以下(ただし、0を含まず)と、 炭素粉末が10〜70容量%と、 からなり、 周波数900MHzにおける比誘電率が8〜102であり、誘電
損失が16〜200%であることを特徴とするマイクロ波帯
における疑似人体用複合誘電体。 - 【請求項3】樹脂はフッ素系樹脂である特許請求の範囲
第(1)または第(2)に記載のマイクロ波帯における
疑似人体用複合誘電体。 - 【請求項4】高誘電率系セラミクス粉末は、チタン酸バ
リウム系セラミクス、鉛系複合ペロブスカイト系セラミ
クス、ビスマス系セラミクスのいずれかからなる粉末で
ある特許請求の範囲第(1)または第(2)に記載のマ
イクロ波帯における疑似人体用複合誘電体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2229653A JP3030068B2 (ja) | 1990-08-30 | 1990-08-30 | マイクロ波帯における疑似人体用複合誘電体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2229653A JP3030068B2 (ja) | 1990-08-30 | 1990-08-30 | マイクロ波帯における疑似人体用複合誘電体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04109508A JPH04109508A (ja) | 1992-04-10 |
JP3030068B2 true JP3030068B2 (ja) | 2000-04-10 |
Family
ID=16895575
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2229653A Expired - Lifetime JP3030068B2 (ja) | 1990-08-30 | 1990-08-30 | マイクロ波帯における疑似人体用複合誘電体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3030068B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007088924A1 (ja) | 2006-02-01 | 2007-08-09 | Daikin Industries, Ltd. | 高誘電性フィルム |
JP5598893B2 (ja) * | 2008-03-03 | 2014-10-01 | 国立大学法人横浜国立大学 | 人体型ファントム |
CN112759868A (zh) * | 2019-10-21 | 2021-05-07 | 中国科学院上海硅酸盐研究所 | 一种介电常数可调的高导热氟树脂/h-BN/CLAT复合介质材料及其制备方法 |
-
1990
- 1990-08-30 JP JP2229653A patent/JP3030068B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
電子情報通信学会春季全国大会講演論文集、「B−287 セラミックを用いた生体ファントム」(平成2年3月5日) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04109508A (ja) | 1992-04-10 |
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