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JP3179901B2 - マイクロ波誘電体磁器組成物 - Google Patents

マイクロ波誘電体磁器組成物

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Publication number
JP3179901B2
JP3179901B2 JP31942192A JP31942192A JP3179901B2 JP 3179901 B2 JP3179901 B2 JP 3179901B2 JP 31942192 A JP31942192 A JP 31942192A JP 31942192 A JP31942192 A JP 31942192A JP 3179901 B2 JP3179901 B2 JP 3179901B2
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JP
Japan
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mno
catio
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weight
amount
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Application number
JP31942192A
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JPH06144927A (ja
Inventor
宗臣 加藤
博文 尾関
Original Assignee
日本特殊陶業株式会社
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Filing date
Publication date
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波誘電体磁器
組成物に関し、更に詳しく言えば、無負荷Q(以下、単
にQuという。)を高い値で維持しつつ、共振周波数の
温度係数(以下、単にτfという。)をゼロに近づける
ことができ、更にCaTiO3 及びMnO2 の混合割合
を加減することによって、τfをゼロを中心としてプラ
ス側とマイナス側に任意に制御し得ることができるマイ
クロ波誘電体磁器組成物に関するものである。本発明
は、マイクロ波領域において誘電体共振器、マイクロ波
集積回路基板、各種マイクロ波回路のインピーダンス整
合等に利用される。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波誘電体磁器組成物(以下、単
に誘電体磁器組成物という。)は、使用周波数が高周波
となるに従って誘電損失が大きくなる傾向にあるので、
マイクロ周波数領域でQuの大きな誘電体磁器組成物が
望まれている。従来の誘電体磁器材料としては、結晶構
造がペロブスカイト相とイルメナイト相との2相を含む
誘電体磁器組成物(特開平2−129065号公報)、
MgTiO3 とTiO2 に所定量のCaTiO3 を含有
した誘電体磁器組成物(特開昭52−118599号公
報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の誘電体
磁器組成物ではNd2 3 、La2 3 、PbO、Zn
O等の他成分が多く含まれる上、Quも必ずしも大きな
値とは言えない。後者の誘電体磁器組成物では、TiO
2 を必須成分として含み、CaTiO3 の混合量が3〜
10重量%の範囲においてはτfが+87〜−100p
pm/℃と大きく変化し、0付近の小さな値には調整が
困難等の問題があった。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、CaTiO3 及びMnO2 の配合割合を加減するこ
とによって、εr 及びQuを実用的な特性範囲に維持し
つつ、τfをゼロに近づける又はゼロを中心としてプラ
ス側とマイナス側の所望の値に任意に且つ安定して制御
し得ることができる誘電体磁器組成物を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、誘電体磁
器組成物において、高いQuを維持しつつ、τfをゼロ
に近づけることができ、且つ焼成温度を変えても安定し
た品質を備える組成について種々検討した結果、CaT
iO3 及びMnO2 の混合(構成)割合を加減すること
によりこの欠点が解消されることを見出して、本発明を
完成するに至ったのである。
【0006】即ち、本発明の誘電体磁器組成物は、xM
gTiO3 ・(1−x)CaTiO3 〔但し、0.93
≦x≦0.95〕で示される組成を主成分とし、これに
上記xMgTiO3 ・(1−x)CaTiO3 100重
量部に対して0.1〜6重量部のMnO2 を添加含有さ
せたことを特徴とする。上記xが0.93より小さい
と、τfが大きな正の値をとるとともに、Quが小さく
なり、逆に0.95を越えるとτfが大きな負の値をと
り、好ましくないからである。また、特に、上記xが
0.94、MnO2 の添加量が3〜6重量%である場合
は、表2に示すように、1350〜1425℃にて焼成
したとき、Quが3080〜3890、τfが−2.6
0〜+1.78ppm/℃、εr が19.04〜20.
95であり、広い温度範囲にて焼成しても高品質なもの
を安定して確保できる。
【0007】尚、CaTiO3 の混合割合が多くなるほ
ど、τfは負の値から正の方向へ向かい(表1、図3、
7、11)、εr は大きくなり(表1、図2、6、1
0)、一方Quは小さくなる傾向にある(表1、図1、
5、9)。また、MnO2 を添加する場合、Quは小さ
くなる傾向にあり(図1)、εr (1375〜1425
℃の範囲内で)はあまり変わらず(図2)、τfは下が
る傾向にあり(図3、11)、焼結密度は上がる傾向に
ある(図4、12)。特に、CaTiO3 の混合割合
(1−x)が0.06の場合では、図3に示すようにM
nO2 添加量が3重量%前後で、焼成温度を1325〜
1425℃まで大きく変動させても、τfが0ppm/
℃前後となり、大変好ましい。更に、図1〜12及び表
2〜4に示すように、MnO2 の添加により、広い温度
範囲(特に、1375〜1425℃)にて焼成しても性
能が安定し且つ焼結密度の高い焼結体を製造できる。ま
た、CaTiO3 の混合割合(1−x)が0.05の場
合では、MnO2 添加量が0.1〜0.6の範囲でも、
τfは−10ppm/℃くらいと小さい。一方、CaT
iO3 の混合割合が0.07の場合では、MnO2 添加
量が3〜6重量%の範囲で、τfは+10ppm/℃く
らいと大きい。従って、CaTiO3の混合割合が0.
06前後で且つMnO2 の添加量が特に1〜6重量%
(そのうち特に3重量%前後)の場合は、更に一層、優
れた性能のバランス及び安定した焼結性の点で優れる。
以上より、CaTiO3 及びMnO2 の上記適正な混合
範囲において、これらの性能に優れ且つそのバランスの
とれたものとなるとともに、安定した品質のものとな
る。
【0008】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。MgO粉末(純度;99.4%)、CaOとしてC
aCO3 粉末(純度;99%)、TiO2 粉末(純度;
99.98%)、MnO2 粉末(純度;96%)を出発
原料として、表1〜4及び図1、図5に示すように、組
成式xMgTiO3・(1−x)CaTiO3 +y重量
%MnO2 〔xMgTiO3 ・(1−x)CaTiO3
100重量部に対してMnO2 y重量部を意味する。〕
の各xとyが変化した組成になるように、所定量(全量
として約500g)を秤量、混合した。尚、表1はCa
TiO3 の添加量(構成量)を変化させたもの、表2〜
4はMnO2 の添加量を変化させたものである。その
後、ミキサーで乾式による混合(20〜30分)及び一
次粉砕を施した後、大気雰囲気中にて1100℃の温度
で2時間仮焼した。次いで、この仮焼粉末に適量の有機
バインダー(29g)と水(300〜400g)を加
え、20mmφのアルミナボールで、90rpm、23
時間粉砕した。その後、真空凍結乾燥(約0.4Tor
r、40〜50℃、約20時間)により造粒し、この造
粒された原料を用いて1000kg/cm2 のプレス圧
で19mmφ×11mmt(厚さ)の円柱状に成形し
た。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】
【表4】
【0013】次に、この成形体を大気中、500℃、3
時間にて脱脂し、その後、各図に示す1300〜142
5℃の範囲の各温度で、4時間焼成し、最後に両端面を
約16mmφ×8mmt(厚さ)の円柱状に研磨して、
誘電体試料(表2のNo.1〜18、表3のNo.1〜
20並びに表4のNo.1〜17)とした。そして、各
試料につき、平行導体板型誘電体円柱共振器法(TE
011 MODE)等により、比誘電率(以下、単にεr
いう。)、Qu及びτf(基準;20℃における共振周
波数、測定温度範囲;20℃〜80℃)、更に、焼結密
度をアルキメデス法により測定した。尚、共振周波数は
6GHzである。これらの結果を表2〜4及び図1〜1
2に示す。また、一例として、0.94MgTiO3
0.06CaTiO3 の場合のX線回折の結果を図13
(0.94MgTiO3・0.06CaTiO3 に対し
て0、3又は6重量%のMnO2 を含有、1350℃で
4時間焼成)に示す。
【0014】これらの結果によれば、xMgTiO3
(1−x)CaTiO3 の(1−x)が大きいとQu値
は小さくなる傾向にあるが、逆にτfとεr はプラス側
に大きくなる傾向がある。尚、焼結密度は、焼成温度が
高いほど大きくなる傾向にあるが、MnO2 の添加量が
増すと焼成温度を変えてもあまり変わらなくなる。ま
た、MnO2 の添加により、εr はあまり変わらないも
のの、Qu及びτfは小さくなる傾向にある。従って、
MnO2 の添加は、εr の性能を低下させずにτfの調
整に適する。また、表2に示すように、MnO2 を添加
しない場合は、焼成温度が低いとき(1325〜135
0℃)では焼結密度が小さく、十分な焼結性を確保する
ためには1375℃以上が必要である。一方、MnO2
を添加する(3〜6重量%)場合は、1350℃の焼成
温度ても十分な焼結性を示した。
【0015】また、焼成温度が1350〜1425℃及
びMnO2 の添加量が3重量%の場合において、(1−
x)が0.06〜0.07の範囲では、τfは+15.
0〜−2.60ppm/℃、εr は19.04〜21.
64、Quは3310〜3890と実用的な特性範囲を
示すため好ましい。特に(1−x)が0.06、MnO
2 の添加量が3重量%の場合は、例えば焼成温度が13
75℃の場合をとると、τfが−0.09ppm/℃、
εr が20.7、Quが3700であり、特に優れた性
能バランスを示すとともに、性能のバラツキが極めて少
ない。更に、τfに関して言えば、焼成温度に対する変
化率が低いため0ppm/℃付近の小さな値を調節し易
い。一方、CaTiO3 を含まない場合は、Qu値が大
きいものの、εr が小さく、しかもτfが−25〜−4
4ppm/℃とマイナス側に著しく小さなものとなり、
好ましくない。
【0016】また、図13に示すX線回折ピークの有無
による分析方法によれば、本発明品の構造は、MgTi
3 (○)とCaTiO3 (●)を含み、他のピークと
してはMg6 MnO8 (△)とMn3 4 (▽)があ
り、MgO、CaO、TiO2を含んでいないことを示
している。即ち、MnO2 添加量の増加に伴いMgTi
3 の相対ピーク強度が減少し、Mg6 MnO8 、Mn
3 4 等が増加する。Quの低下はMgTiO3 量の減
少が原因と考えられる。
【0017】更に、図示しないが、電子顕微鏡写真の結
果によれば、焼成温度の上昇とともに粒子径が大きくな
った(1300℃;2.7μm、1350℃;8.7μ
m、1400℃;9.2μm、いずれもIntercept 法に
より測定)。破断面はいずれも粒内破壊を示した。ED
S分析ではMg、Ti、Ca、Mnのみが検出された。
【0018】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
前記仮焼温度等の仮焼条件、焼成温度等の焼成条件等は
種々選択できる。また、CaOとなる原料も上記CaC
3 以外にも、過酸化物、水酸化物、硝酸塩等を用いる
こともできる。他の酸化物についても同様に、加熱によ
り酸化物となる他種化合物を用いることができる。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明の誘電体磁器組成
物は、Qu及びεr を実用的な(高い)特性範囲に維持
しつつ、CaTiO3 及びMnO2 の配合割合を加減す
ることによって、τfをゼロに近づける又はゼロを中心
としてプラス側とマイナス側の所望の値に任意に制御し
得ることができるとともに、τfを0ppm/℃付近に
安定して調節できる。更に、MnO2 の添加により、広
い温度範囲内において焼成温度を種々変動させても、密
度が高く且つ高品質な焼結体を安定して製造できる。従
って、目的に応じて、CaTiO3 及びMnO2 の混合
割合を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各焼成温度により焼成された〔0.94MgT
iO3 ・0.06CaTiO3+(0〜6)重量%Mn
2 〕磁器組成物において、MnO2 量とQuとの関係
を示すグラフである。
【図2】図1にて示す磁器組成物において、(0〜6重
量%)MnO2 量とεr との関係を示すグラフである。
【図3】図1にて示す磁器組成物において、(0〜6重
量%)MnO2 量とτfとの関係を示すグラフである。
【図4】図1にて示す磁器組成物において、(0〜6重
量%)MnO2 量と焼結密度との関係を示すグラフであ
る。
【図5】〔0.95MgTiO3 ・0.05CaTiO
3 +(0〜0.6)重量%MnO2 〕磁器組成物におい
て、焼成温度とQuとの関係を示すグラフである。
【図6】図5にて示す磁器組成物において、焼成温度と
εr との関係を示すグラフである。
【図7】図5にて示す磁器組成物において、焼成温度と
τfとの関係を示すグラフである。
【図8】図5にて示す磁器組成物において、焼成温度と
焼結密度との関係を示すグラフである。
【図9】〔0.93MgTiO3 ・0.07CaTiO
3 +(0〜6)重量%MnO2 〕磁器組成物において、
焼成温度とQuとの関係を示すグラフである。
【図10】図9にて示す磁器組成物において、焼成温度
とεr との関係を示すグラフである。
【図11】図9にて示す磁器組成物において、焼成温度
とτfとの関係を示すグラフである。
【図12】図9にて示す磁器組成物において、焼成温度
と焼結密度との関係を示すグラフである。
【図13】〔0.94MgTiO3 ・0.06CaTi
3 +0、3又は6重量%MnO2 〕磁器組成物のX線
回折結果を示すグラフである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/49 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 xMgTiO3 ・(1−x)CaTiO
    3 〔但し、0.93≦x≦0.95〕で示される組成を
    主成分とし、これに上記xMgTiO3 ・(1−x)C
    aTiO3 100重量部に対して0.1〜6重量部のM
    nO2 が添加含有されたことを特徴とするマイクロ波誘
    電体磁器組成物。
JP31942192A 1992-08-03 1992-11-04 マイクロ波誘電体磁器組成物 Expired - Lifetime JP3179901B2 (ja)

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US08/101,252 US5340784A (en) 1992-08-03 1993-08-02 Microwave dielectric ceramic composition
DE69311768T DE69311768T2 (de) 1992-08-03 1993-08-03 Dielektrische keramische Zusammensetzung für Mikrowellen
EP93112424A EP0582274B1 (en) 1992-08-03 1993-08-03 Microwave dielectric ceramic composition

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