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JP3085562B2 - 基準電圧発生回路および内部降圧回路 - Google Patents

基準電圧発生回路および内部降圧回路

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Publication number
JP3085562B2
JP3085562B2 JP04272775A JP27277592A JP3085562B2 JP 3085562 B2 JP3085562 B2 JP 3085562B2 JP 04272775 A JP04272775 A JP 04272775A JP 27277592 A JP27277592 A JP 27277592A JP 3085562 B2 JP3085562 B2 JP 3085562B2
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毅 梶本
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Mitsubishi Electric Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体装置における基
準電圧を発生するための回路に関し、特に、外部電源電
圧を降圧して内部電源電圧を生成する内部降圧回路に関
する。より特定的には、この発明はダイナミック型半導
体記憶装置における内部降圧回路に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置としての半導体記憶装置は、
その記憶容量の増大に伴って高密度および高集積化の度
合が高くなっている。この高密度および高集積化は微細
化技術により実現される。
【0003】一方において、システム電源電圧を決定す
るマイクロプロセサなどの論理LSI(大規模集積回
路)の微細化は半導体記憶装置よりも遅れている。この
ため、半導体記憶装置の電源電圧としてはたとえば5V
が用いられており、十分な低電圧を電源電圧として利用
することは行なわれていない。
【0004】微細化技術により、半導体記憶装置におけ
る構成要素は微細化されており(たとえば、設計ルール
0.6〜0.5μm以下)、外部から与えられる電源電
圧を動作電源電圧として各構成要素へ与えると、構成要
素であるMOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果ト
ランジスタ)の絶縁膜耐圧等の信頼性を十分に確保する
ことができない。このため、16Mビット以上のDRA
M(ダイナミック型半導体記憶装置)などの記憶装置に
おいては、外部電源電圧を内部で降圧することにより素
子の信頼性を確保することが行なわれるようになってき
ている。
【0005】図3は、たとえばダイナミック・ランダム
・アクセス・メモリ(DRAM)である半導体記憶装置
の全体の構成を概略的に示す図である。図3において、
半導体記憶装置は、電源電圧ノード110を介して外部
電源供給線114上に与えられた外部電源電圧VCCを
降圧して内部電源電圧VDDを生成する内部降圧回路1
02と、内部降圧回路102から内部電源供給線116
上に与えられた内部電源電圧VDDを動作電源電圧とし
て動作する内部回路104と、外部電源供給線114上
の外部電源電圧VCCを動作電源電圧として動作する外
部電源使用回路106を含む。内部降圧回路102、内
部回路104、および外部電源使用回路106はまた、
ノード112を介して他方電源供給線(以下、接地線と
称す)118上に与えられる他方電源電圧(以下、単に
接地電圧と称す)Vssを受ける。
【0006】外部電源使用回路106は、データの入出
力を行なう回路を含む。内部回路104は、メモリセル
アレイを含む。外部電源使用回路106は、半導体記憶
装置における周辺回路を含んでもよい。また、周辺回路
は内部回路104に含まれてもよい。
【0007】一般に内部降圧回路102は、外部電源供
給線114上に与えられた外部電源電圧VCCを降圧し
て内部電源電圧VDDを発生する。これにより、内部回
路104の構成要素のMOSトランジスタが微細化され
ても、そのゲート絶縁膜に印加される電圧を小さくし、
素子の信頼性を確保する。
【0008】図4は、従来の内部降圧回路の具体的構成
を示す図である。図4において、内部降圧回路102
は、外部電源電圧VCCから所定の基準電圧VREFを
発生するVREF発生回路13と、基準電圧VREFと
内部電源供給線116上の内部電源電圧VDDとを比較
する比較手段としての差動増幅器1と、差動増幅器1の
出力電圧VGに応答して、外部電源電圧VCCから内部
電源供給線116上へ電流を供給するpチャネルMOS
トランジスタ2を含む。差動増幅器1は、その正入力に
内部電源供給線116上の内部電源電圧VDDを受け、
その負入力にVREF発生回路13からの基準電圧VR
EFを受ける。
【0009】内部降圧回路102からの内部電源電圧V
DDは半導体記憶装置の内部回路104へ伝達される。
図4においては、内部電源供給線116に付随する抵抗
および容量の配線等価回路130と内部回路104の等
価回路140を併せて示す。
【0010】配線等価回路130は、内部電源供給線1
16に直列に接続される配線抵抗4と、内部電源供給線
116と接地電位(Vss)との間に接続される配線容
量3および5を含む。
【0011】内部回路104においては、MOSトラン
ジスタがスイッチング動作し、内部ノードの充放電を行
なう。この充放電は、内部ノードの寄生容量を充放電す
ることと等価である。たとえば、DRAMメモリセルア
レイにおいては、センス動作時には選択されたワード線
と交差するビット線の充放電が行なわれる。これは、各
ビット線の容量を充放電することと等価である。このよ
うな寄生容量を、図4においては、容量8で示す。
【0012】内部回路等価回路(負荷回路)140は、
さらに、定常的に存在する抵抗を表現する負荷抵抗9
と、制御信号φに応答して容量8を充放電するためのp
チャネルMOSトランジスタ6およびnチャネルMOS
トランジスタ7を含む。pチャネルMOSトランジスタ
6は、制御信号φに応答して容量8を内部電源電圧VD
Dレベルに充電する。nチャネルMOSトランジスタ7
は、制御信号φに応答して容量8を接地電位レベルへ放
電する。MOSトランジスタ6および7は相補的に動作
する。次に、内部降圧回路102の動作について説明す
る。
【0013】pチャネルMOSトランジスタ2は、その
ソースが外部電源電圧VCCを受けており、ゲートへ与
えられる差動増幅器1からの出力電圧VGに応じて内部
電源供給線116へ電流を供給する。差動増幅器1は、
VREF発生回路13から発生された基準電圧VREF
と内部電源供給線116上の内部電源電圧VDDとを差
動的に増幅して出力電圧VGを発生する。
【0014】内部電源電圧VDDの電圧レベルが上昇す
ると(VDD>VREF)、差動増幅器1の出力電圧V
Gの電圧レベルが上昇し、pチャネルMOSトランジス
タのコンダクタンスが小さくなり、内部電源電圧VDD
の上昇を防止する。一方、内部電源電圧VDDが低下
し、基準電圧VREFよりも低くなると、差動増幅器1
の出力電圧VGが所定のレベルよりも低下し、pチャネ
ルMOSトランジスタ2のコンダクタンスを大きくし、
内部電源供給線116へ電流を供給し、内部電源電圧V
DDを上昇させる。
【0015】すなわち、内部降圧回路102は、内部電
源電圧VDDをフィードバックして基準電圧VREFと
比較し、その比較結果を増幅して電源駆動用のpチャネ
ルMOSトランジスタ2を制御することにより、内部電
源電圧VDDを一定電圧レベル(たとえば基準電圧VR
EFレベル)に保持するように動作する。
【0016】差動増幅器1は、応答速度を十分速くする
必要がある。内部電源電圧VDDの変化にこのフィード
バックループにおけるフィードバックが追随できない場
合には、その出力電圧VGが発振状態となり、内部電源
電圧VDDにリップル電圧が重畳する危険性があるため
である。
【0017】しかしながら、内部電源供給線116は内
部回路104の全体にわたって配設されるため、配線等
価回路130の配線抵抗4、配線容量3および5により
内部電源電圧VDDが平滑化され、このようなリップル
電圧を十分に抑制することができ、過渡電流に対しても
安定に一定電圧レベルの内部電源電圧VDDが発生され
ると考えられていた。すなわち、配線等価回路130の
CR時定数よりも差動増幅器1のフィードバック遅延が
十分小さいため、上述のようなリップル電圧を確実に抑
圧することができると考えられていた(日経マイクロデ
バイス、1990年2月号、第115頁ないし第122
頁参照)。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】内部等価回路(負荷回
路)140において、制御信号φを“L”に立下げる
と、内部電源供給線116から電流が流れ込み、容量8
が充電される。容量性負荷を駆動する場合必然的に、負
荷電流と内部電源電圧VDDとの間に位相差が発生す
る。(I=C・dV/dtの関係参照)。この容量8へ
流れ込む負荷電流は内部降圧回路102に含まれるMO
Sトランジスタ2を介して与えられる。MOSトランジ
スタ2を流れる電流はそのゲート電圧、すなわち差動増
幅器1の出力電圧VGに対応する。したがって、内部電
源電圧VDDと負荷電流との間に位相差が発生すること
は、差動増幅器1の出力電圧VGと内部電源電圧VDD
との間に位相差が存在することと等価である。このた
め、内部降圧回路102に含まれるフィードバックルー
プに遅延が発生し、差動増幅器1の出力電圧VGの変化
は内部電源電圧VDDの変化よりも遅れ、図5に示すよ
うに、内部電源電圧VDDが振動するという問題が発生
する。
【0019】ここで、図5は、内部降圧回路102の差
動増幅器1の出力電圧VGと内部電源電圧VDDの変化
を示す図であり、縦軸に電圧値を示し、横軸に時間を示
す。回路シミュレーションは、容量8の容量値を100
pFとし、外部電源電圧VCCを5V、基準電圧VRE
Fを3Vとして行なわれる。抵抗9の抵抗値はまた10
0Ω程度である。
【0020】内部電源電圧VDDが振動すると、内部回
路104は安定に動作することができず(信号電位の変
動)、高速で動作することができないという問題が生じ
る(信号が安定状態となるまで待つ必要があるため)。
【0021】上述のような内部電源電圧VDDの、高速
スイッチング動作時における振動の問題を解決するため
に、このような位相差を補償する回路として、抵抗10
および大容量11を直列接続した位相補償回路150を
内部電源供給線116に設ける構成がホリグチ等により
提案されている(IEEE Journal of Solid-State Circui
ts, Vol.25, No.5, October 1990 pp 1129-1135 )。ホ
リグチ等は、上述の文献において、位相補償回路150
を設けることにり、差動増幅器1の極を消去し、フィー
ドバックループ(トランジスタ2の出力−内部電源供給
線−差動増幅器−トランジスタ2のゲートの経路)を消
去し、位相余裕を増加させることにより、周波数応答特
性を改善することを図っている。
【0022】しかしながら、このような位相補償回路を
設ける構成であっても、完全にトランジスタ2を流れる
電流と内部電源電圧VDDの高速スイッチング動作時に
おける位相差をなくすことはできず、差動増幅器1の出
力電圧VGの変化が内部電源電圧VDDの変化よりも遅
れることは避けられず、また回路シミュレーションの結
果からも必ずしも満足のいく応答特性が得られていな
い。
【0023】上述のようなフィードバックループを構成
する回路を用いて内部電源電圧などの基準電圧を発生す
る構成の場合、負荷容量がダイナミック動作(充電およ
び放電を行なう動作)を行なう場合には、安定に内部基
準電圧を発生することができないという問題が生じる。
【0024】また、内部回路104の動作時とスタンバ
イ時とでは内部電源供給線116に付随する容量(負荷
容量8)の容量値が異なり、内部基準電圧の振動を防止
するための内部降圧回路の最適化が困難であるという問
題もあった。
【0025】それゆえ、この発明の目的は、過渡特性に
優れた基準電圧発生回路を提供することである。
【0026】この発明の他の目的は内部電源電圧を安定
に供給することのできる半導体記憶装置の内部降圧回路
を提供することである。
【0027】この発明のさらに他の目的は、容量負荷が
高速スイッチング動作する場合においても、高速で内部
電源電圧を所望のレベルへ回復させることのできる過渡
特性に優れた内部降圧回路を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る基準電圧
発生回路は、参照電圧(第1の基準電圧)と出力ノード
上の電圧とを比較する差動増幅手段と、この差動増幅手
段の出力に応答して第2の基準電圧供給ノードから出力
ノードへ流れる電流量を調節する調節手段と、出力ノー
ドと比較手段の出力との間に結合され、出力ノード上の
電位変化を差動増幅手段の出力へ容量結合によりフィー
ドバックする帰還容量素子手段とを備える。出力ノード
上の電圧は、容量性負荷を有しかつダイナミックに駆動
される回路部分に与えられる。この差動増幅手段の利得
、出力ノード上の同一の電位変化に対して帰還容量素
子手段が差動増幅手段の出力に与える電位変化と同程度
の電位変化を与えるように設定される。
【0029】請求項2に係る内部降圧回路は、参照電圧
と内部電源ノード(第2のノード)上の電圧の差を増幅
する差動増幅手段と、外部電源電圧を受ける第1のノー
ドに一方導通端子が接続され、その他方導通端子が内部
電源ノードに接続され、かつそのゲートに差動増幅手段
の出力を受ける絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
内部電源ノードと差動増幅手段の出力との間に設けられ
る帰還容量素子手段とを備える。内部電源ノード上の電
圧は、少なくともメモリセルがアレイ状に配列されたメ
モリアレイ部の容量性負荷を駆動するために利用され
る。差動増幅手段の利得は、内部電源ノード上の同一の
電位変化に対して帰還容量素子手段が差動増幅手段の出
力に与える電位変化と同程度の電位変化を与えるように
設定される。
【0030】
【作用】請求項1の基準電圧発生回路において、帰還容
量素子手段は、出力ノード上の電位変化を直接遅延なく
差動増幅手段の出力に伝達する。差動増幅手段の電圧利
得は、出力ノード上の同一の電位変化に対して帰還容量
素子手段が差動増幅手段の出力に与える電位変化と同程
度の電位変化を与えるように設定されるため、過渡応答
時および定常応答時において同じ大きさの電位変化に対
し同程度の速度で差動増幅手段の出力が変化し、過渡応
答特性および定常応答特性いずれも同程度とすることが
でき、出力ノードへ与えられる電流量が出力ノード上の
電圧変化に従って高速で調節され、出力ノード上の電位
変化を確実に補償することのできる、周波数応答特性の
優れた基準電圧発生回路を得ることができる。
【0031】請求項2に係る内部降圧回路においては、
帰還容量素子手段により、絶縁ゲート型電界効果トラン
ジスタのゲートへ内部回路動作時における内部電源電圧
の変化が遅延なく伝達され、また差動増幅手段の電圧利
得が、内部電源ノード上の同一の電位変化に対して帰還
容量素子手段が差動増幅手段の出力に与える電位変化と
同程度の電位変化を与えるように設定されるため、内部
回路動作時における過渡応答時および定常応答時におい
て同じ大きさの電位変化に対し同程度の速度で差動増幅
手段の出力が変化し、内部回路動作開始時および内部回
路動作安定時いずれにおいても、確実に内部電源電圧の
電圧変化を補償することができ、周波数応答特性の優れ
た内部降圧回路を得ることができる。
【0032】
【実施例】図1はこの発明の一実施例である内部降圧回
路の具体的構成を示す図である。図1において、内部降
圧回路200は、差動増幅器1の出力ノードと内部電源
供給線116との間に設けられる帰還容量素子12を備
える。帰還容量素子12は内部電源供給線116上の電
位変化を差動増幅器1の出力へその容量結合により伝達
する。帰還容量素子12は、その容量値がMOSトラン
ジスタ2のゲート容量と同程度またはそれ以上の大きさ
に設定される。MOSトランジスタ2のゲート容量と帰
還容量素子12の容量とによる容量回路において内部電
源供給線116上の電位変化が確実かつ十分な大きさを
持って差動増幅器1の出力へ伝達されるようにするため
である。
【0033】差動増幅器1の増幅率は、内部電源供給線
116上の電位変化に対し同程度の電位変化をその出力
電圧VGに生じさせるような値に設定される。
【0034】差動増幅器1は、フィードバックループ
(帰還容量素子12を除く)の電圧利得がほぼ1となる
ように、MOSトランジスタ2を含めた構成要素のパラ
メータが設定されてもよい。上で説明したように、差動
増幅器1の増幅率をほぼ1とすることにより、内部電源
供給線116上の電位変化に対し過剰な電位変化を出力
電圧VGに生じさせることがなく、内部電源供給線11
6上の電位の変動の発生を抑制することができる。ま
た、差動増幅器1は、後に説明するように、定常的な内
部電源供給線116上の電位変化に対する制御を行なう
ためであり、その増幅率をほぼ1とすることにより、帰
還容量素子12による過渡的な制御能力と差動増幅器1
による定常的な制御能力とが同程度にされ、過渡応答特
性および低常時の応答特性いずれも改善することがで
き、周波数応答特性に優れた基準電圧発生回路を実現す
ることができる。
【0035】内部電源供給線116の抵抗および容量を
示す配線等価回路130および内部回路を表現する負荷
回路140は図4および図6に示すものと同じ構成を備
える。内部回路104(図3参照)における高速スイッ
チング動作する容量性負荷(たとえばビット線負荷容
量)はMOSトランジスタ6および7と負荷容量8によ
り表現され、また定常的な抵抗性負荷は負荷抵抗9によ
り表現される。次に動作について説明する。
【0036】差動増幅器1は常時参照電圧VREF(図
4に示すVREF発生回路と同様の回路から発生され
る)と内部電源供給線116上の内部電源電圧VDDと
を比較する。内部電源電圧VDDが参照電圧VREFよ
りも高い場合には、差動増幅器1の出力電圧VGのレベ
ルが上昇し、MOSトランジスタのコンダクタンスが小
きくなる。これにより、MOSトランジスタ2を介して
外部電源VCCから内部電源供給線116上へ伝達され
る電流量が低下し、内部電源電圧VDDの上昇が防止さ
れる。
【0037】逆に、内部電源電圧VDDが参照電圧VR
EFよりも低い場合には、差動増幅器1の出力電圧VG
のレベルが低下し、MOSトランジスタ2のコンダクタ
ンスが大きくなり、電流供給量が増加し、内部電源電圧
VDDが上昇する。
【0038】上述のフィードバック制御により、内部電
源電圧VDDは、参照電圧VREFとほぼ同程度の電圧
となるように制御される。この定常的な制御は、従来と
同様である。
【0039】制御信号φが“L”に瞬間的に立下がり、
MOSトランジスタ6が高速でスイッチング動作をした
場合、MOSトランジスタ6を介して内部電源供給線1
16から負荷容量8へ負荷電流が流れる。この負荷電流
はMOSトランジスタ2を介して供給される。この負荷
容量8へ負荷電流が急速に流れると、内部電源供給線1
16上の内部電源電圧VDDは電流供給のためその電位
レベルが急速に低下する。内部電源電圧VDDの電位低
下は差動増幅器1の出力すなわちMOSトランジスタ2
のゲートへ帰還容量素子12により伝達される。この帰
還容量素子12の容量結合により、電圧VGが同様に高
速で低下し、MOSトランジスタ2が供給する電流量を
増加させる。すなわち、内部電源電圧VDDの電位低下
が遅延なく瞬時にMOSトランジスタ2のゲートへ伝達
され、遅延なくMOSトランジスタ2を流れる電流量が
増加され、内部電源電圧VDDが上昇する。内部電源電
圧VDDが逆にこのMOSトランジスタ2からの電流に
より上昇すると、その内部電源電圧VDDの電位上昇は
再び帰還容量素子12を介してMOSトランジスタ2の
ゲートへ伝達され、MOSトランジスタの供給電流量が
減少される。
【0040】上述のように、帰還容量素子12により、
内部電源電圧VDDの電位変動は遅延なくMOSトラン
ジスタ2のゲートへ伝達されるため、内部回路動作時の
過渡時においては、差動増幅器1による制御よりも早い
応答が実現される(過渡的な制御)。したがってこの過
渡応答時においては、帰還容量素子12により内部電源
電圧VDDが所定の電圧レベルに復帰するため、この過
渡的な動作に対して応答が遅れる差動増幅器1による制
御はほぼ無視される。
【0041】図2は、この発明の一実施例である内部降
圧回路の制御特性をシミュレーションにより求めた結果
を示す図である。図2において、縦軸は電圧値を示し、
横軸は時間(単位ナノ秒)を示す。シミュレーションに
用いた回路パラメータの値は以下のとおりである。
【0042】外部電源電圧VCC:5V、 参照電圧VREF:3V、 MOSトランジスタ2のゲート幅/ゲート長(W/
L):2500/1(単位μm) 容量3、5、8の容量値:100pF、 抵抗4の抵抗値:10Ω、 抵抗9の抵抗値:100Ω 帰還容量素子12の容量:5pF MOSトランジスタ6のゲート幅/ゲート長:1000
/0.6(単位μm) MOSトランジスタ7のゲート幅/ゲート長:500/
0.6(単位μm) 図2に示すシミュレーション結果から明らかなように、
帰還容量素子12を設けたことにより、MOSトランジ
スタ2のゲート電圧VGと内部電源電圧VDD(内部電
源VDDと負荷電流)との間の位相差がなくなり、内部
電源電圧VDDが振動することなく所定値に高速で収束
しているのが見られる。すなわち、帰還容量素子12に
より、直接内部電源電圧VDDの電位変動をMOSトラ
ンジスタ2のゲートへ伝達することによりフィードバッ
ク遅延が生じず、高速でMOSトランジスタ2の供給電
流量を位相差を生じさせることなく(遅延なく)調節す
ることができ、過渡応答特性に優れた内部降圧回路が実
現される。これにより、内部回路が高速でスイッチング
動作をしても安定に所定のレベルの内部電源電圧を供給
することができる。
【0043】また、差動増幅器1の利得は、同一の内部
電源電圧の電位変動に対して帰還容量素子12が電圧V
Gに与える電位変動と同程度の電位変動を与えるように
設定することにより、定常的な制御能力と帰還容量素子
による過渡的な制御能力とを同程度とすることができ、
内部電源電圧の高速変化および低速変化いずれに対して
も即時に応答することができ、周波数応答特性に優れた
安定な内部降圧回路を実現することができる。
【0044】上述の実施例においては、半導体記憶装置
の内部降圧回路におけるフィードバック制御の過渡応答
特性を改善することを述べている。しかしながら、本発
明は、半導体記憶装置の内部降圧回路に限定されず、一
定の電圧レベルの基準電圧をダイナミック動作(スイッ
チング動作により充電および放電を行なう動作)する負
荷回路に供給する回路であれば適用可能である。
【0045】また、半導体装置としては、ダイナミック
型半導体記憶装置(DRAM)に限定されず、スタティ
ック型半導体記憶装置であってもよく、外部電源電圧を
降圧する機能を備える記憶装置であればよい。すなわ
ち、本発明は、一般に、フィードバック制御により一定
の基準電圧を発生する回路であれば適用可能である。
【0046】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、比較
手段としての差動増幅器の出力へ容量結合を介してたと
えば内部電源供給ノードである基準電圧ノードの電位変
化を伝達するように構成したため、過渡特性に優れた安
定な基準電圧発生回路を実現することができる。
【0047】すなわち、請求項1に係る発明に従えば、
帰還容量素子手段により、出力ノード上の基準電圧を差
動増幅手段の出力にフィードバックするように構成し、
かつこの差動増幅手段の利得を、出力ノード上の同一の
電位変化に対して帰還容量素子手段が差動増幅手段の出
力に与える電位変化と同程度の電位変化を与えるように
設定されているため、負荷電流と基準電圧との間の位相
差をなくすことができ、基準電圧を高速で所定値に回復
させることのできる過渡特性に優れた安定な基準電圧発
生回路を実現することができる。
【0048】請求項2に係る発明に従えば、帰還容量素
子を内部電源ノードと絶縁ゲート型電界効果トランジス
タのゲートとの間に設け、かつ差動増幅手段の利得を、
内部電源ノード上の同一の電位変化に対して帰還容量素
子手段が差動増幅手段の出力に与える電位変化と同程度
の電位変化を与えるように設定されているため、内部回
路動作時の内部電源電圧の電位変動を遅延なく絶縁ゲー
ト型電界効果トランジスタのゲートへ伝達することがで
きるとともに、過渡応答時および定常応答時いずれにお
いて同程度の応答特性を実現でき、周波数応答特性に優
れかつループ安定性に優れたフィードバック制御構成を
実現することができ、安定に内部電源電圧を供給するこ
とのできる内部降圧回路を得ることができる。
【0049】さらに、請求項1および2に係る発明によ
れば、帰還容量素子は小さな容量値の容量素子を用いる
ことができ(比較手段としての差動増幅器の出力の寄生
容量より小さい)、大きな容量(たとえば数百pF)を
必要とする平滑容量を付加する方式および位相補償回路
(充電動作による負荷回路への供給電圧を一定とするた
めに大きな容量値が必要とされる)と比べ、大幅にその
レイアウト面積を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である内部降圧回路の具体
的構成を示す図である。
【図2】図1に示す内部降圧回路の動作特性をシミュレ
ーションにより求めた結果を示す図である。
【図3】この発明が適用される半導体記憶装置の全体の
構成を概略的に示す図である。
【図4】従来の内部降圧回路の構成を示す図である。
【図5】図4に示す内部降圧回路の動作特性をシミュレ
ーションにより求めた結果を示す図である。
【図6】従来の内部降圧回路の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 差動増幅器 2 MOSトランジスタ 12 帰還容量素子 100 半導体記憶装置 102 内部降圧回路 114 外部電源供給線 116 内部電源供給線 200 内部降圧回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基準電圧と出力ノード上の電圧と
    を比較する差動増幅手段と、 前記差動増幅手段の出力に応答して第2の基準電圧を供
    給するノードから前記出力ノードへ流れる電流量を調節
    する調節手段と、 前記出力ノードと前記差動増幅手段の出力との間に結合
    され、前記出力ノード上の電位変化を前記差動増幅手段
    の出力へ容量結合によりフィードバックする帰還容量素
    子手段とを備え、前記出力ノード上の電圧は、容量性負荷を有しかつダイ
    ナミックに駆動される回路部分に与えられ、 前記差動増幅手段が有する利得は、前記出力ノード上の
    同一の電位変化に対して前記帰還容量素子手段が前記差
    動増幅手段の出力に与える電位変化と同程度の電位変化
    を与えるように設定される、基準電圧発生回路。
  2. 【請求項2】 半導体記憶装置における、第1のノード
    上に与えられた外部電源電圧を降圧して内部電源電圧を
    第2のノード上に生成する内部降圧回路であって、 所定の基準電圧と前記第2のノード上の電圧とを差動的
    に増幅する差動増幅手段と、 前記第1のノードにその一方導通端子が接続され、その
    他方導通端子が前記第2のノードに接続され、かつその
    ゲートに前記差動増幅手段の出力を受ける絶縁ゲート型
    電界効果トランジスタと、 前記第2のノードと前記差動増幅手段の出力との間に設
    けられ、前記第2のノード上の電位変化を前記差動増幅
    手段の出力へ帰還する帰還容量素子手段とを備え、前記第2のノード上の電圧は、少なくともメモリセルが
    アレイ状に配列されたメモリアレイ部の容量性負荷を駆
    動するために利用され、 前記差動増幅手段が有する利得は、前記第2のノード上
    の同一の電位変化に対して前記帰還容量素子手段が前記
    差動増幅手段の出力に与える電位変化と同程度の電位変
    化を与えるように設定される、内部降圧回路。
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