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JP2826331B2 - 光重合性組成物 - Google Patents

光重合性組成物

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Publication number
JP2826331B2
JP2826331B2 JP63316729A JP31672988A JP2826331B2 JP 2826331 B2 JP2826331 B2 JP 2826331B2 JP 63316729 A JP63316729 A JP 63316729A JP 31672988 A JP31672988 A JP 31672988A JP 2826331 B2 JP2826331 B2 JP 2826331B2
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polymerizable monomer
acid
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JP63316729A
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史夫 竹中
功治 遠矢
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DAISERU KAGAKU KOGYO KK
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DAISERU KAGAKU KOGYO KK
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Publication date
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光重合性組成物に関し、より詳細には、アル
カリ現像液で現像でき、硬化膜の剥離時間が改善された
光重合性組成物に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 光重合性組成物は、プリント配線板、印刷版や金属レ
リーフ像形成用フォトレジストとして使用されている。
この光重合性組成物は、通常、液状またはドライフィル
ム状で使用され、例えば、プリント基板用の銅張積層
板、印刷用支持体や微細加工に供する金属基板等に塗
布、ラミネート等により積層し、所定のパターンマスク
等を通じて活性光を露光することにより、露光部を硬化
させ、未露光部を現像液で溶解除去することによりレジ
スト像を形成している。またレジスト像を形成した後、
エッチング処理やメッキ処理などによりレジスト像に対
応した所定の回路等を形成し、次いで、レジスト像を剥
離液で剥離除去している。
一方、上記現像液として、1,1,1−トリクロロエタン
等の有機溶剤型現像液が知られているものの、この現像
液は、作業環境、周辺環境の汚染及び製造コストの上昇
等の問題を伴う。上記の点から、近年、炭酸ナトリウム
水溶液等の塩基性化合物を含有する水溶液型アルカリ現
像液で現像可能な光重合性組成物が次第に使用されてい
る。この光重合性組成物は、通常、カルボキシル基を有
する熱可塑性高分子結合剤と、付加重合性化合物と、光
重合開始剤とを基本的に含有している。
しかしながら、光重合性組成物の硬化膜の特性や現像
性は、熱可塑性高分子結合剤や付加重合性化合物の性質
に大きく影響される。またアルカリ現像可能な光重合性
組成物は、活性なカルボキシル基を有するため、有機溶
剤型現像液で現像可能な光重合性組成物に比べてエッチ
ングやメッキ処理に多くの制約を伴い、使用の際して多
くの問題が生じる。特にアルカリ現像可能な光重合性組
成物にあっては、硬化膜を水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ水溶液で剥離する際、剥離に長時間
を要するため、プリント配線板等の生産性が低下するだ
けでなく、金属基板、特に、銅張積層板の銅箔がアルカ
リ水溶液によって黒ずむいわゆる「アルカリ焼け」を起
こし、その後の工程に悪影響を及ぼす。
本発明の目的は、硬化膜の剥離時間が短く、アルカリ
焼けを防止できると共に、プリント配線板等の生産性に
優れた光重合性組成物を提供することにある。
[発明の構成] 本発明者らは、鋭意研究の結果、特定の付加重合化合
物を、カルボキシル基を有する熱可塑性高分子結合剤及
び光開始剤と組合わせることにより、優れた光重合性組
成物が得られることを見いだした。すなわち、本発明
は、 (1)カルボキシル基を有する酸性付加重合性単量体の
単位を4〜40重量%含む熱可塑性高分子結合剤100重量
部に対して、 (2)一般式(I) (式中、R1及びR4は同一又は異なって水素原子またはメ
チル基、R2及びR3は直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を
示し、R5は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基または
ハロゲン原子を示す。a及びbはそれぞれ1〜10の正の
整数、nは1〜20の正の整数を示す) で表わされる付加重合性化合物10〜200重量部と、 (3)光重合開始剤0.01〜30重量部とを含有する光重合
性組成物により、上記課題を解決するものである。
光重合性組成物において、現像性及びレジスト膜の耐
性は、熱可塑性高分子結合剤の特性に大きく依存する。
本発明で使用される熱可塑性高分子結合剤は、カルボキ
シル基を有する酸性付加重合性単量体の単位(A)を4
〜40重量%含有しており、光重合性組成物にアルカリ現
像性を付与する。
カルボキシル基を有する酸性付加重合性単量体(A)
としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イ
タコン酸、フマル酸、プロピオン酸、ソルビン酸、ケイ
皮酸等が挙げられ、少なくとも一種使用される。カルボ
キシル基を有する酸性付加重合性単量体のうち特にメタ
クリル酸、アクリル酸および両者の混合物が好ましい。
酸性付加重合性単量体(A)の単位を含む熱可塑性高
分子結合剤は、本質的にアルカリ性液中では膨潤ないし
溶解する性質を有する。従って、アルカリ現像液に対す
る耐性を付与する共重合成分として、スチレンとその誘
導体、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル等
の非酸性付加重合性単量体(B)が効果的である。
スチレン系モノマーとしては、スチレン;α−位がア
ルキル基またはハロゲン原子で置換されたα−置換スチ
レン、例えば、α−メチルスチレン、α−クロロスチレ
ン等;ベンゼン環の水素原子が置換された置換スチレ
ン、例えば、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン
等が例示され、少なくとも一種使用される。スチレン系
モノマーのうちスチレン、α−メチルスチレン等が好ま
しい。
アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−フェノキシエ
チル等が例示される。またメタクリル酸エステルとして
は、上記アクリル酸エステルに対応したメタクリル酸エ
ステルが例示される。
特に、非酸性付加重合性単量体(B)として、一般式
(II)で表される特定構造を有するアクリル酸エステル
またはメタクリル酸エステルが有用である。
(式中、R6は水素原子又はメチル基、R7は炭素数1〜6
のアルキレン基、R8は水素原子、炭素数1〜10のアルキ
ル基またはハロゲン原子、nは1〜20の正の整数を示
す) 一般式(II)で表される化合物においてR7のアルキレ
ン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、トリ
メチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン基等が例示
される。R8のアルキル基としては、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチ
ル、ヘキシル、オクチル基等が例示される。R8のハロゲ
ン原子としては、臭素、塩素、フッ素等が例示される。
一般式(II)で表される化合物のうち好ましい非酸性
付加重合性単量体(B)としては、アクリル酸2−フェ
ノキシエチル、アクリル酸2−フェノキシプロピル、ア
クリル酸3−フェノキプロピル、アクリル酸フェノキシ
エトキシエチル、アクリル酸フェノキシジエトキシエチ
ル、アクリル酸フェノキシトリエトキシエチル、アクリ
ル酸フェノキシプロポキシプロピル、アクリル酸フェノ
キシジプロポキシプロピル、アクリル酸フェノキシトリ
プロポキシプロピル、アクリル酸(p−クロロフェノキ
シ)エチル、アクリル酸(p−メチルフェノキシ)エチ
ル、メタクリル酸2−フェノキシエチル、メタクリル酸
3−フェノキシプロピル、メタクリル酸フェノキシエト
キシエチル、メタクリル酸フェノキシジエトキシエチ
ル、メタクリル酸フェノキシトリエトキシエチル、メタ
クリル酸フェノキシプロポキシプロピル、メタクリル酸
フェノキシジプロポキシプロピル、メタクリル酸フェノ
キシトリプロポキシプロピル、メタクリル酸(p−クロ
ロフェノキシ)エチル、メタクリル酸(p−メチルフェ
ノキシ)エチル等を挙げることができる。
これらの非酸性付加重合性単量体(B)の単位は、共
重合体中に少なくとも5重量%、好ましくは10〜70重量
%含まれる。
なお、非酸性付加重合性単量体(B)は一般式(II)
で表される化合物、スチレン系モノマー、アクリル酸エ
ステル及びメタクリル酸エステルの少なくとも一種で構
成される。
前記カルボキシル基を有する酸性付加重合性単量体
(A)、非酸性付加重合性単量体(B)は、関係式(II
I)を充足する非酸性付加重合性単量体(C)と共重合
するのが好ましい。
0.25<(QA/QC)Exp[−eA(eA−eC)]<4.00 (III) 上記関係式(III)を充足する非酸性付加重合性単量
体(C)と共に共重合すると、酸性付加重合性単量体
(A)の単位が均一に分布した共重合体が得られ、現像
性に優れる。すなわち、酸性付加重合性単量体(A)及
び非酸性付加重合性単量体(C)として、アルフレイ−
プライス(Alfrey-Price)の式において、共重合性の指
標となるQの値が近似し、eの符号が反対で絶対値に大
きな差がある単量体を用いると共重合性を著しく高める
ことができる。従って、前記関係式(III)を充足しな
い単量体を用いると、酸性付加重合性単量体(A)の単
位が不均一に分布した共重合体や遊離の重合体が得ら
れ、現像時に現像不良が生じたり、著しい場合には重合
時や光重合性組成物を含有する塗工液の調製時に共重合
体の沈澱が生じたりする。
非酸性付加重合性単量体(C)は酸性付加重合性単量
体(A)の特性に応じて適宜選択される。より具体的に
は、関係式(III)の(QA/QC)Exp[−eA(eA−eC)]
をXとすると、例えば酸性付加重合性単量体(A)とし
てメタクリル酸(QA=2.340,eA=0.650)を使用する場
合、非酸性付加重合性単量体(C)としてメタクリル酸
メチル(QA=0.740,eA=0.400,X=2.69)、メタクリル
酸エチル(QA=0.730,eA=0.520,X=2.59)等が使用さ
れる。この場合、アクリル酸n−ブチル(QA=0.500,eA
=1.060,X=6.11)を用いると、メタクリル酸が重合中
に早く消費され不均一な共重合組成となり、時には沈澱
が生じる。
なお、複数の酸性付加重合性単量体(A)を使用する
場合、非酸性付加重合性単量体(C)は、酸性付加重合
性単量体(A)の少なくとも1種との間に関係式(II
I)を充足すればよい。
また非酸性付加重合性単量体(C)は熱可塑性高分子
結合剤のうち上記酸性付加重合性単量体(A)及び非酸
性付加重合性単量体(B)以外の残部を構成して100重
量%とされる。
成分(1)の熱可塑性高分子結合剤と混合される成分
(2)の付加重合性化合物は、アクリル酸エステルまた
はメタクリル酸エステル誘導体に属し、前記一般式
(I)で表すことができる。
一般式(I)において、R2及びR3のアルキレン基とし
ては、前記と同様の直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基の
他、ヘプタメチレン、オクタメチレン基等が例示され、
R5のアルキル基、ハロゲン原子としては、前記と同様の
アルキル基及びハロゲン原子が例示される。
一般式(I)で表される化合物は、置換基を有してい
てもよい芳香族ジカルボン酸とアルキレンオキサイドと
の付加物や、置換基を有していてもよい芳香族ジカルボ
ン酸と二価アルコール又はヒドロキシカルボン酸とのエ
ステル化物であって末端にヒドロキシル基やカルボキシ
ル基を有するエステル化物のアクリル又はメタクリル酸
エステルである。
上記一般式(I)で表される化合物において、ベンゼ
ン環に置換したカルボニル基は、一方のカルボニル基に
対して他方のカルボニル基がo−位、m−位、p−位に
置換したフタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、テレフ
タル酸誘導体であってもよい。一般式(I)で表される
化合物のうち好ましい付加重合性化合物としては、例え
ば、下表に示されるフタル酸誘導体が例示される。
上記一般式(I)で表される付加重合性化合物は少な
くとも一種使用される。
なお、一般式(I)で表される付加重合性化合物は、
他の付加重合性化合物と混合して使用することもでき
る。このような付加重合性化合物としては、常温常圧で
液体または固体であり、分子中に2個以上のアクリロイ
ル基又はメタクリロイル基を有するアクリレート又はメ
タクリレート等が挙げられる。分子中に2個のアクリロ
イル基を有するアクリレートとしては、例えば、エチレ
ングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジ
アクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジアクリレート、プロピレングリコー
ルジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレ
ート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テト
ラプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド付加物のジアクリレー
ト、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物の
ジアクリレート、水素化ビスフェノールAのエチレンオ
キサイド付加物のジアクリレート、水素化ビスフェノー
ルAのプロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、
N,N′−メチレンビスアクリルアミド、N,N′−ベンジリ
デンビスアクリルアミド等が例示される。
分子中に3個以上のアクリロイル基を有するアクリレ
ートとしては、例えば、グリセリントリアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールト
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が
例示される。
分子中に2個以上のメタクリロイル基を有するメタク
リレートとしては、上記アクリレートに対応するメタク
リレートが例示される。
前記式(I)で表される付加重合性化合物は、熱可塑
性高分子結合剤100重量部に対して、10〜200重量部、好
ましくは20〜150重量部使用される。一般式(I)で表
される付加重合性化合物を他の付加重合性化合物と混合
して使用する場合、一般式(I)で表される付加重合性
化合物は、熱可塑性高分子結合剤100重量部に対して5
〜150重量部、好ましくは10重量部以上使用される。
成分(3)の光重合開始剤としては、置換又は非置換
の多核キノン類、芳香族ケトン類、ベンゾイン類、ベン
ゾインエーテル類、置換又は非置換のチオキサントン類
などの種々のものが使用できる。
置換又は非置換の多核キノン類としては、例えば、2
−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、
2−プロピルアントラキノン、2-tert−ブチルアントラ
キノン、オクタメチルアントラキノン、1,4−ジメチル
アントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、ベン
ズ[a]アントラキノン、ベンズ[b]アントラキノ
ン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルア
ントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロ
アントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノ
ン、1,4−ナフタキノン、9,10−フェナントラキノン、
2−メチル−1,4−ナフタキノン、2,3−ジクロロナフタ
キノン、7,8,9,10−テトラヒドロナフタセンキノン等が
例示される。
芳香族ケトン類としては、例えば、ベンゾフェノン、
ミヒラーケトン[4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベン
ゾフェノン]、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾ
フェノン、4−メトキシ−4′−ジエチルアミノベンゾ
フェノン等が例示される。
ベンゾイン類及びベンゾインエーテル類としては、例
えば、ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエー
テル、ベンゾインフェニルエーテル等が例示される。
置換又は非置換のチオキサントン類としては、例え
ば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−
メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2
−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキ
サントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジブチ
ルチオキサントン等が例示される。
また他の光重合開始剤として、ベンジル、α,α−ジ
エトキシアセトフェノンや、ベンゾフェノンオキシムア
セテート等のオキシムエステル類等が例示される。
上記光重合開始剤は、一種または二種以上使用され、
同種または異種の光重合開始剤を組合せて使用してもよ
い。
光重合開始剤は、前記熱可塑性高分子100重量部に対
して0.01〜30重量部、好ましくは1〜15重量部使用され
る。
なお、上記光重合開始剤は、例えば、2,4,5−トリア
リールイミダゾリル二量体、2−メルカプトベンゾオキ
サゾール、ロイコクリスタルバイオレット、トリス(4
−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタンや、脂
肪族又は芳香族第3級アミン、例えば、N−メチルジエ
タノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエ
ステル等と組合せて使用するのが有用である。
本発明の光重合性組成物は、必要に応じて、熱重合反
応を抑制し、貯蔵安定性を高める安定剤、発色剤、レジ
スト像の判別を容易にする着色剤、柔軟性を付与する可
塑剤等を含有していてもよい。安定剤としては、例え
ば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、ハイド
ロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール
等が例示され、光重合性を阻害しない範囲で適宜量使用
される。発色剤としては、トリアリールメタン系染料の
ロイコ体が有用であり、例えば、ロイコクリスタルバイ
オレット、ロイコマラカイトグリーンや、これらロイコ
体の塩酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、p−トルエンスルホン
酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。また着色剤として
は、例えば、クリスタルバイオレット、マラカイトグリ
ーン、ビクトリアブルー、メチレンブルー等が例示され
る。可塑剤としては、例えば、ジエチルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチル
フタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペ
ート、ジブチルジグリコールアジペート等の脂肪酸エス
テル類;トリメチルホスフィン等のリン酸エステル類;
トルエンスルホン酸アミド等のスルホン酸アミド類等が
例示される。
本発明の光重合性組成物は、有機溶媒を含有しない液
状であってもよいが、通常、有機溶媒に溶解しない分散
した液状またはドライフィルムの形態で使用される。上
記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類、酢酸エチル等のエ
ステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類等が例示
される。ドライフィルムは、例えば、ポリエチレンテレ
フタレートフィルム等の基体フィルムに重合性組成物を
塗布し、乾燥した後、ポリエチレンフィルム等のカバー
フィルムを加圧ロール等でラミネートすることにより作
製される。
ドライフィルムの光重合性組成物の膜厚は、解像度及
び作業性等を低下させない範囲であれば特に制限されな
いが、通常5〜100μm、好ましくは20〜70μmであ
る。
本発明の光重合性組成物からなる感光層は、通常、有
機溶媒を含有する液状の光重合性組成物を、プリント基
板等の支持体に印刷または塗布し、有機溶媒を除去した
り、ドライフィルムのカバーフィルムを剥離し上記支持
体にゴムロール等でラミネートすることにより形成され
る。
感光層は、化学的に活性な放射線を発生させる光源、
例えば、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプな
どの光源で露光される。露光は、通常、必要に応じて感
光層上にカバーシートを設け、ネガまたはポジ型のマス
クパターンを用い、接触法または投影法により行なわれ
る。露光した後、塩基性化合物を含有するアルカリ現像
液で現像すると前記パターンに応じたレジスト像が得ら
れる。アルカリ現像液の塩基性化合物としては、例え
ば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等の無機塩
基;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピリジ
ン等の有機塩基が例示される。現像液には、エチレング
リコールモノブチルエーテル等の有機溶媒が含有されて
いてもよい。
また回路パターンを形成する場合には、レジスト像を
形成した後、メッキ液やエッチング液で処理され、上記
レジスト像は水酸化ナトリウム等の強アルカリ水溶液又
は塩化メチレン等の有機溶媒で剥離除去される。
[発明の効果] 本発明の光重合性組成物によれば、特定の付加重合化
合物を、カルボキシル基を有する熱可塑性高分子結合剤
及び光重合開始剤と組合わせているので、硬化膜の剥離
時間が短く、「アルカリ焼け」を防止することができる
と共に、プリント配線板等の生産性を高めることができ
る。従って、本発明の光重合性組成物は、プリント配線
板、回路基板、金属レリーフ像や印刷版等を製造する際
のフォトレジストとして有用である。
[実施例] 以下に、実施例に基づき本発明をより詳細に説明す
る。
なお、下記の実施例中、化合物No.とあるのは、前記
表に示されたフタル酸誘導体のNo.を示す。
実施例1 以下の成分を混合して光重合性組成物を得た。
メタクリル酸20重量%、メタクリル酸メチル60重量
%、アクリル酸イソブチル20重量%の共重合体 50g 化合物No.1 30g 2−クロロチオキサントン 1g p−ジメチルアミノ安息香酸エチル 2g N−メチルジエタノールアミン 0.1g ビクトリアブルーGH 0.1g メチルエチルケトン 70g テトラヒドロフラン 10g この光重合性組成物を膜厚25μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム支持体に塗布し75℃で乾燥し、感光
性フィルムを得た。感光層の厚味は50μmであった。感
光性フィルムを研磨した銅張積層板に、100℃に加熱し
たゴムローラーにより積層した。配線回路パターンマス
クを感光性フィルム上に重ね、2Kwの超高圧水銀灯で50c
mの距離から10秒間照射し硬化させた後、30℃の1%炭
酸ナトリウム水溶液で70秒間スプレー現像したところ、
樹脂レリーフ像が形成された。次いで、銅張積層板を塩
化第二銅エッチング液でエッチングしたところ、良好な
プリント配線板が得られた。
そして、温度55℃の2重量%水酸化ナトリウム水溶液
に浸漬したところ、硬化膜は1分30秒〜2分で完全に剥
離し、アルカリ焼けはみられなかった。
実施例2 以下の成分を混合して光重合性組成物を得た。
メタクリル酸15重量%、アクリル酸15重量%、メタク
リル酸メチル40重量%、アクリル酸イソブチル20重量%
の共重合体 50g 化合物No.1 25g ベンゾフェノン 2g ミヒラーケトン 0.5g N−メチルジエタノールアミン 0.1g ビクトリアブルーGH 0.1g メチルエチルケトン 70g テトラヒドロフラン 10g 上記光重合性組成物を実施例1と同様に評価したとこ
ろ、良好なプリント配線板が得られると共に、硬化膜の
剥離時間は1分30秒〜2分であり、アルカリ焼けがみら
れなかった。
実施例3 以下の成分を混合して光重合性組成物を得た。
メタクリル酸10重量%、アクリル酸15重量%、メタク
リル酸メチル42重量%、アクリル酸2−エチルヘキシル
23重量%の共重合体 50g 化合物No.26 25g 2,4−ジメチルチオキサントン 1g p−ジメチルアミノ安息香酸エチル 2.5g N−メチルジエタノールアミン 0.1g ビクトリアブルーGH 0.1g メチルエチルケトン 70g テトラヒドロフラン 10g 上記光重合性組成物を実施例1と同様に評価したとこ
ろ、良好なプリント配線板が得られると共に、硬化膜の
剥離時間は1分30秒〜2分であり、アルカリ焼けがみら
れなかった。
実施例4 以下の成分を混合して光重合性組成物を得た。
メタクリル酸12重量%、アクリル酸8重量%、メタク
リル酸メチル35重量%、アクリル酸2−フェノキシエチ
ル35重量%の共重合体 50g 化合物No.1 30g ベンゾフェノン 2g ミヒラーケトン 0.5g N−n−ブチルジエタノールアミン 0.1g ビクトリアブルーGH 0.1g メチルエチルケトン 70g テトラヒドロフラン 10g 上記光重合性組成物を実施例1と同様に評価したとこ
ろ、良好なプリント配線板が得られると共に、硬化膜の
剥離時間は1分30秒〜2分であり、アルカリ焼けがみら
れなかった。
実施例5 以下の成分を混合して光重合性組成物を得た。
実施例2の共重合体 50g 化合物No.17 30g イルガキュアー651(メルク社製) 3g 2,4−ジメチルチオキサントン 1g p−ジメチルアミノ安息香酸エチル 2.5g N−メチルジエタノールアミン 0.1g ビクトリアブルーGH 0.1g メチルエチルケトン 70g テトラヒドロフラン 10g 上記光重合性組成物を実施例1と同様に評価したとこ
ろ、良好なプリント配線板が得られると共に、硬化膜の
剥離時間は1分30秒〜2分であり、アルカリ焼けがみら
れなかった。
実施例6 以下の成分を混合して光重合性組成物を得た。
実施例2の共重合体 50g 化合物No.1 15g 化合物No.12 15g 2,4−ジメチルチオキサントン 1g p−ジメチルアミノ安息香酸エチル 3g N−メチルジエタノールアミン 0.1g ビクトリアブルーGH 0.1g メチルエチルケトン 70g テトラヒドロフラン 10g 上記光重合性組成物を実施例1と同様に評価したとこ
ろ、良好なプリント配線板が得られると共に、硬化膜の
剥離時間は1分30秒〜2分であり、アルカリ焼けがみら
れなかった。
実施例7 以下の成分を混合して光重合性組成物を得た。
実施例2の共重合体 50g 化合物No.1 20g 化合物No.17 10g 化合物No.12 10g トリメチロールプロパントリアクリレート 10g 2,4−ジメチルチオキサントン 1g p−ジメチルアミノ安息香酸エチル 2.5g N−n−ブチルジエタノールアミン 0.1g ビクトリアブルーGH 0.1g メチルエチルケトン 70g テトラヒドロフラン 10g 上記光重合性組成物を実施例1と同様に評価したとこ
ろ、良好なプリント配線板が得られると共に、硬化膜の
剥離時間は1分30秒〜2分であり、アルカリ焼けがみら
れなかった。
比較例1 実施例2の化合物No.1に代えて、トリメチロールプロ
パントリアクリレートを用いる以外、実施例2と同様に
して光重合性組成物を調製し、実施例1と同様に評価し
たところ、硬化膜の剥離に4分かかり、銅面上にアルカ
リ焼けが発生していた。
比較例2 以下の成分を混合して光重合性組成物を得た。
実施例2の共重合体 50g ノナエチレングリコールジメタクリレート 30g ベンゾフェノン 2g ミヒラーケトン 0.5g N−n−ブチルジエタノールアミン 0.1g ビクトリアブルーGH 0.1g メチルエチルケトン 70g テトラヒドロフラン 10g この組成物を実施例1と同様に評価したところ、硬化
膜の剥離に4分かかり、銅面上にアルカリ焼けが発生し
ていた。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/027 G03F 7/033 C08F 2/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)カルボキシル基を有する酸性付加重
    合性単量体の単位を4〜40重量%含む熱可塑性高分子結
    合剤100重量部に対して、 (2)一般式(I) (式中、R1及びR4は同一又は異なって水素原子又はメチ
    ル基、R2及びR3は直鎖状又は分枝鎖状アルキレン基を示
    し、R5は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はハロ
    ゲン原子を示す。a及びbはそれぞれ2〜10の正の整
    数、nは1〜20の正の整数を示す) で表される付加重合性化合物10〜200重量部と、 (3)光重合開始剤0.01〜30重量部とを含有することを
    特徴とする光重合性組成物。
  2. 【請求項2】成分(1)の熱可塑性高分子結合剤が、 (A)カルボキシル基を有する酸性付加重合性単量体4
    〜40重量%と、 (B)一般式(II) (式中、R6は水素原子又はメチル基、R7は炭素数1〜6
    のアルキレン基、R8は水素原子、炭素数1〜10のアルキ
    ル基またはハロゲン原子、nは1〜20の正の整数を示
    す) で表される非酸性付加重合性単量体の少なくとも5重量
    %と、 (C)関係式(III) 0.25<(QA/QC)Exp[−eA(eA−eC)]<4.00 (III) (式中、Qとeは、アルフレイ−プライス(Alfrey-Pri
    ce)の式で定義される単量体の安定度と極性値であり、
    記号AまたはCは、付加重合性単量体(A)または非酸
    性付加重合性単量体(C)を表わす。) を満足するQ値とe値を有する非酸性付加重合性単量体
    の残部 との共重合体である請求項1記載の光重合性組成物。
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