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JP2883275B2 - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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Publication number
JP2883275B2
JP2883275B2 JP17489794A JP17489794A JP2883275B2 JP 2883275 B2 JP2883275 B2 JP 2883275B2 JP 17489794 A JP17489794 A JP 17489794A JP 17489794 A JP17489794 A JP 17489794A JP 2883275 B2 JP2883275 B2 JP 2883275B2
Authority
JP
Japan
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weight
parts
component
coating
alumina
Prior art date
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JP17489794A
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JPH0959567A (ja
Inventor
好男 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NITSUPAN KENKYUSHO KK
Original Assignee
NITSUPAN KENKYUSHO KK
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Filing date
Publication date
Priority claimed from JP14704094A external-priority patent/JPH07330468A/ja
Application filed by NITSUPAN KENKYUSHO KK filed Critical NITSUPAN KENKYUSHO KK
Priority to JP17489794A priority Critical patent/JP2883275B2/ja
Publication of JPH0959567A publication Critical patent/JPH0959567A/ja
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  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コーティング用組成物
に関し、さらに詳くは鉄、ステンレス、アルミニウムお
よびその他の金属、セラミックス、セメント、コンクリ
ート、ガラス、プラスチック、紙、繊維、木材およびそ
の他の製品の表面、または有機系、無機系塗膜の表面に
塗布して常温下または加熱下で硬化させ、耐候性、耐熱
性、耐アルカリ性、耐有機溶剤性、耐薬品性、防食性、
防汚染性、耐摩耗性、耐衝撃性、屈曲性、帯電防止性、
作業性、補修性に優れた密着性の良好な高硬度の塗膜を
形成するためのコーティング用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、基材表面の硬度、耐薬品性、
耐熱性などを向上させる目的で基材表面に硬化塗膜を形
成するためのコーティング用組成物が種々提案されてい
る。
【0003】例えば、オルガノアルコキシシラン系のコ
ーティング用組成物として、下記(イ)および(ロ)が
知られている。 (イ)RSi(OR′)3 (式中、R、R′はアルキル
基またはアリール基を表す)で表されるオルガノアルコ
キシシランまたはその加水分解物と、Si(OR″)4
(式中、R″はアルキル基を表す)で表されるテトラア
ルコキシシランまたはその加水分解物との組成物(特公
昭55−4148号公報、特公昭55−40631号公
報、特公昭55−41273号公報など)。 (ロ)RSi(OR′)3 (式中、R、R′はアルキル
基またはアリール基を表す)で表されるオルガノアルコ
キシシランまたはその加水分解物とコロイド状シリカを
含む組成物(特開昭55−94971号公報、特開昭5
9−68377号公報など)。
【0004】しかしながら、これらのコーティング用組
成物では、ガラス基材や無機基材の表面には比較的に密
着性の良好な透明な塗膜が得られるものの、その他の有
機質基材などの表面への密着性が不足しており、また得
られる塗膜は耐アルカリ性、防食性、耐衝撃性、屈曲性
などが不十分である。
【0005】一方、熱硬化性樹脂系のコーティング用組
成物として、引例を列挙するまでもなく、常温で液状の
熱硬化性樹脂を主成分とする組成物や、有機溶剤に熱硬
化性樹脂を溶解したワニスが広く知られている。
【0006】これらの熱硬化性樹脂の硬化塗膜は、有機
系基材表面への密着性は優れているものの、金属や無機
系基材表面への密着性が不足しており、また塗膜の耐候
性、防汚染性、帯電防止性、耐熱性、硬度などが不十分
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記オルガ
ノアルコキシシラン系コーティング用組成物と熱硬化性
樹脂系コーティング用組成物のそれぞれが有する課題で
ある耐アルカリ性、防食性、耐衝撃性、屈曲性、耐候
性、防汚染性、帯電防止性、耐熱性、硬度などを解決す
る、広い範囲の各種基材表面への密着性に優れた硬化塗
膜を形成可能なコーティング用組成物を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記目的
を達成するべく鋭意研究した結果、オルガノアルコキシ
シランと熱硬化性樹脂ワニスとを複合し、さらにアルミ
ナを複合させることにより、無機系有機系を問わず各種
基材表面に密着性の優れた硬化塗膜が形成できること、
硬化塗膜の表面硬度や帯電防止性を改善できることを見
出し、本発明を完成した。
【0009】本発明は、下記成分(a)〜(e)および
所望により添加される添加剤からなり、成分(a)〜
(e)の合計〔=(a)+(b)+(c)+(d)+
(e)〕として100重量部含有する液状組成物であっ
て、かつこの液状組成物のpH7以下の酸性領域での不
揮発分が8〜55重量部であることを特徴とするコーテ
ィング用組成物である。 (a)R1 Si(OR2 3 (式中、R1 は炭素数1〜
8の有機基、R2 は炭素数1〜5のアルキル基および/
または炭素数1〜4のアシル基を表す)で表されるオル
ガノアルコキシシラン10〜45重量部 (b)下記(d)親水性有機溶剤に溶解性のエポキシ樹
脂、熱硬化性アクリル樹脂、エポキシ変性ポリアミド樹
脂、ポリウレタン樹脂および不飽和ポリエステル樹脂よ
りなる群から選ばれた少なくとも1種である熱硬化性樹
脂2〜20重量部 (c)コロイド状および/または超微粒子状のアルミナ
(アルミナ換算)1〜14重量部 (d)親水性有機溶剤1〜70重量部 (e)水3〜60重量部
【0010】本発明のコーティング用組成物について、
以下、その成分毎に説明する。成分(a)R 1 Si(O
2 3 で表されるオルガノアルコキシシラン本発明で
使用するオルガノアルコキシランは、水の存在により
酸またはアルカリの存在下もしくは非存在下で加水分解
および重縮合して高分子量化するものであり、その塗膜
は加熱下または常温下で硬化する。さらに、本発明のコ
ーティング用組成物においては、有機質の成分(b)熱
硬化性樹脂と無機質の成分(c)コロイド状および/ま
たは超微粒子状のアルミナとの親和性を向上させるカッ
プリング剤およびアルミナを組成物中に均質に分散する
分散剤として作用する。
【0011】かかるオルガノアルコキシシランは、前記
式中のR1 が炭素数1〜8の有機基、例えばメチル基、
エチル基、n−プロピル基などのアルキル基、そのほか
γ−クロロプロピル基、ビニル基、3,3,3−トリフ
ロロプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、γ−メ
タクリルオキシプロピル基、γ−メルカプトプロピル
基、フェニル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチ
ル基、γ−アミノプロピル基などであり、また式中のR
2 が、炭素数1〜5のアルキル基および/または炭素数
1〜4のアシル基、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブ
チル基、t−ブチル基、アセチル基などである有機シラ
ン化合物である。
【0012】これらのオルガノアルコキシシランの具体
例として、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエ
トキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−
プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキ
シシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピル
トリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−
メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4
−エポキシシクロヘキシルエチルメトキシシラン、3,
4−エポキシシクロヘキシルエチルエトキシシラン、γ
−アミノプロピルメトキシシラン、γ−アミノプロピル
エトキシシランなどを例示できる。
【0013】これらのオルガノアルコキシシランは、1
種の単独で使用してもよく、また2種以上を併用しても
よい。好ましくは、メチルトリメトキシシランまたはメ
チルトリエトキシシランを使用する。また、かかるオル
ガノアルコキシシランを、予め酸またはアルカリの存在
下もしくは非存在下で加水分解した加水分解物、該加水
分解物をさらに熟成して重縮合した部分縮合物を使用す
ることもできる。
【0014】コーティング用組成物(a)〜(e)の合
計100重量部中における成分(a)の配合割合は、オ
ルガノアルコキシシラン換算で10〜45重量部、好ま
しくは15〜40重量部である。成分(a)の配合割合
が10重量部未満では硬化塗膜の硬度が不足し、一方4
5重量部を超えると塗膜の硬度は上昇するものの、耐衝
撃性、耐屈曲性などが大幅に低下し好ましくない。
【0015】成分(b)の熱硬化性樹脂 成分(b)の熱硬化性樹脂は、分子鎖中に少なくとも2
個の官能基を有し加熱により3次元的に架橋重合して硬
化し、その硬化物が熱可塑性を示さないもので、硬化剤
の存在下もしくは非存在下で加熱もしくは常温に放置す
ることにより硬化する樹脂である。本発明においては、
前記成分(a)のオルガノアルコキシシランの重縮合に
より生成するオルガノポリシロキサンと共重合し、高硬
度でかつ柔軟性のある硬化塗膜を形成すると共に該硬化
塗膜の有機質基剤表面への密着性を向上させる。
【0016】かかる(b)熱硬化性樹脂としては、エポ
キシ樹脂、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂など、アルキド樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、例えばマレイン酸系不飽和ポリ
エステル、ジアリルフタレート系不飽和ポリエステルな
ど、熱硬化性アクリル樹脂、エポキシ変性ポリアミド樹
脂およびポリウレタン樹脂などを例示でき、本発明にお
いてはこれらの中から成分(d)の親水性有機溶剤に溶
解性のものを該溶剤に溶解したワニスとして使用する。
【0017】これらの(b)熱硬化性樹脂は、1種を単
独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
好ましくは、エポキシ樹脂、熱硬化性アクリル樹脂およ
びエポキシ変性ポリアミド樹脂よりなる群から選ばれた
少なくとも1種を使用する。
【0018】コーティング用組成物(a)〜(e)の合
計100重量部中における成分(b)の配合割合は、2
〜20重量部、好ましくは4〜15重量部である。成分
(b)の配合割合が2重量部未満では、塗膜の十分な耐
衝撃性が得られず、一方20重量部を超えると塗膜の表
面硬度が大幅に低下するので好ましくない。
【0019】成分(c)コロイド状または超微粒子状のアルミナ コロイド状アルミナは、水および/または低級アルコー
ル類を分散媒とするpH2.5〜6のアルミナゾルであ
り、アルミナを5〜25重量%含有し、安定剤として硝
酸、塩酸、酢酸などの酸を使用したものであり、超微粒
子状アルミナは精製アルミニウム塩の高温加水分解法で
製造されたアルミナ(具体例;デグサ社製)である。
【0020】本発明において、かかるアルミナが高い陽
性電荷を帯びているため、塗膜の帯電防止性が向上し、
その結果として塗膜の防汚染性が向上する。また、アル
ミナは塗膜の熱放射性をも向上させる。さらに、塗膜の
ブツの発生を防止させることができる。
【0021】かかるコロイド状または超微粒子状のアル
ミナとして、平均粒径もしくは平均太さが5〜50mμ
の粒状または羽毛状のものが好ましい。コーティング用
組成物(a)〜(e)の合計100重量部中における成
分(c)の配合割合は、アルミナに換算で1〜14重量
部、好ましくは3〜12重量部である。成分(c)の配
合割合が1重量部未満では、十分な帯電防止効果が得ら
れず、一方14重量部を超えるとコーティング用組成物
が増粘するので好ましくない。
【0022】成分(d)親水性有機溶剤 本発明において使用する親水性有機溶剤は、前記成分
(b)の熱硬化性樹脂を溶解しかつ水と相溶する有機溶
剤であり、熱硬化性樹脂の溶解用以外にコーティング用
組成物の固形分濃度および粘度の調整剤、さらに成分
(a)のアルキルアルコキシシランの加水分解調整剤と
して使用する。
【0023】本発明で使用する親水性有機溶剤は、アル
コール類、グリコール類、エステル類、エーテル類、ケ
トン類などである。アルコール類としては、炭素数1〜
8の脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノ
ール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペン
タノール、n−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタ
ノール、4−メチル−n−ペンタノールなどが挙げられ
る。グリコール類としては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコールが挙られる。エステル類と
しては、前記アルコール類およびグリコール類のギ酸、
酢酸、プロピオン酸などのエステル、具体的にはギ酸メ
チル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルなどを例示でき
る。
【0024】エーテル類として、前記アルコール類およ
びグリコール類のアルキルエーテルなど、具体的にはジ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテ
ル、メチルエチルエーテル、エチルブチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレング
リコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテルなどが挙げられる。ケトン類として
は、アセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、
アセトフェノンなどが挙げられる。
【0025】かかる親水性有機溶剤は、1種の単独また
は2種以上の混合溶剤として使用でき、本発明において
は、i−プロパノール、n−ブタノール、エチレングリ
コールモノブチルエーテル、メチルエチルケトン、酢酸
エチルの単独またはそれらの2種以上の混合溶剤が好ま
しく使用される。
【0026】コーティング用組成物(a)〜(e)の合
計100重量部中における成分(d)の配合割合は、1
〜70重量部、好ましくは10〜50重量部である。成
分(c)のコロイド状アルミナがアルコール性の場合に
は、このアルコールも親水性有機溶剤に包含する。成分
(d)の配合割合が1重量部未満では、コーティング用
組成物の粘度が上昇しすぎ、保存安定性が低下し、一方
70重量部を超えると保存安定性は向上するもののコー
ティング用組成物中の固形分濃度が小さくなり得られる
塗膜の乾燥速度および加水分解速度が低下し、硬化に長
時間を要するので好ましくない。
【0027】成分(e)水 本発明において、水は成分(a)のアルキルアルコキシ
シランの加水分解剤として必須の成分である。この水と
しては、水道水、蒸留水、イオン交換水を使用できる。
また、成分(a)のアルキルアルコキシシランの加水分
解により生成する水や、成分(c)のコロイド状アルミ
ナの分散媒として含まれる水も包含される。
【0028】コーティング用組成物(a)〜(e)の合
計100重量部中における成分(e)の配合割合は、3
〜60重量部、好ましくは10〜40重量部である。成
分(e)の配合割合が3重量部未満では、成分(a)の
アルキルアルコキシシランの加水分解が十分に生起し難
く、一方60重量部を超えるとコーティング用組成物の
安定性が低下し、また塗膜の乾燥速度が低下するので好
ましくない。
【0029】本発明のコーティング用組成物には、前記
成分(a)〜(e)のほか、必要に応じて界面活性剤、
酸、アルミニウムアセチルアセトネート、顔料、超微粒
子状シリカならびに熱硬化性樹脂の硬化剤などの添加剤
を含むことができる。
【0030】本発明のコーティング用組成物は、前記成
分(a)〜(e)および必要に応じて添加剤を含み、か
つそのpH7以下の酸性領域での不揮発分が8〜55重
量部、好ましくは20〜45重量部の液状組成物であ
る。不揮発分が8重量部未満では、1回の塗布で十分な
厚さの塗膜が得られず作業性が悪化し、一方55重量部
を超えると均一な膜厚の塗膜が得られ難くなり好ましく
ない。
【0031】本発明のコーティング用組成物は、成分
(b)の熱硬化性樹脂を成分(d)の親水性有機溶剤に
溶解してワニスを調製し、これに成分(c)のコロイド
状または超微粒子状アルミナ、成分(e)の水および必
要に応じて添加剤を加えロールミルやらいかい機を用い
てアルミナを十分に分散させる。これに成分(a)のオ
ルガノアルコキシシランを添加し十分に撹拌して調製す
ることができる。
【0032】本発明のコーティング用組成物のコーティ
ングの対象となる基材は、鉄、ステンレス、アルミニウ
ムなどの金属類、セメント、コンクリート、ガラス、セ
ラミックスなどの無機質基材類、プラスチック、紙、木
材などの有機質基材類のほか、有機系、無機系塗膜の表
面である。
【0033】基材へのコーティング用組成物のコーティ
ングには、刷毛塗り、スプレー、ディッピング、ロール
コート、スピンコート、印刷などの塗装手段を用いるこ
とができる。1回塗りで乾燥膜厚0.1〜20μmの塗
膜を形成することができ、さらに2〜5回程度塗り重ね
ることもできる。また、重ね塗りの場合、1回毎に硬化
処理を行ってもよい。
【0034】本発明のコーティング用組成物は、基材に
コーティングされると、常温〜60℃の温度で成分
(a)オルガノアルコキシシランが加水分解すると同時
に重縮合反応を生起してゾルを生成し、さらに反応が進
行してゲル、すなわちオルガノポリシロキサン化合物と
なる。これを常温で1〜10日間放置するかもしくは8
0〜200℃で3〜60分間加熱することにより、溶剤
の揮散と共にオルガノポリシロキサン化合物と成分
(b)の熱硬化性樹脂とが共重合し、さらに成分(c)
のアルミナの複合した硬化塗膜を形成する。ただし、前
記反応温度および放置または加熱時間は、使用する各成
分の種類および配合割合によりことなるので、前記に限
定されるものではない。
【0035】
【作用】本発明のコーティング用組成物により形成され
る硬化塗膜は、金属基材や無機質基材に対してはオルガ
ノポリシロキサンが、一方有機質基材に対しては成分
(b)の熱硬化性樹脂がその密着性を主導することによ
り、各種基材への密着性が極めて優れている。
【0036】また、硬化塗膜の表面硬度は、オルガノポ
リシロキサンとアルミナの複合による無機質に近い高硬
度が得られ、高硬度による耐衝撃性や屈曲性の低下を成
分(b)の熱硬化性樹脂が緩衝材となって補間するた
め、耐衝撃性および耐屈曲性などの機械的特性も極めて
優れている。
【0037】さらに、アルミナを複合させたことによ
り、熱放射性が向上するばかりでなく、アルミナの持つ
陽性電荷により成分(b)の熱硬化性樹脂の帯電性が防
止され、その結果として汚染防止性が向上し、放熱性、
帯電防止性および防汚染性の優れた硬化塗膜が得られ
る。
【0038】前記の他、オルガノポリシロキサンと成分
(b)の熱硬化性樹脂とが相互に補間しあい、耐候性、
耐熱性、耐アルカリ性、耐有機薬品性、防食性、耐摩耗
性の優れた硬化塗膜が得られる。本発明のコーティング
用組成物は、各種の塗装手段を採用できることから極め
て作業性に優れ、また重ね塗りができることから補修性
にも優れている。
【0039】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例中の「部」および「%」は特にこ
とわらない限り重量基準である。
【0040】 実施例1〜2、比較例1 (1)コーティング用組成物の調製 下記各成分を用い、成分(b)を成分(d)に溶解した
ワニスに、成分(c)、成分(e)および添加剤を加
え、または加えないで攪拌機を用いて60分間撹拌した
のち、成分(a)を添加しさらに30分間撹拌し、これ
をロールミルで分散調合し、表1に示す配合割合のコー
ティング用組成物EおよびD(実施例1〜2)、コーテ
ィング用組成物H(比較例1)を調製した。
【0041】成分(a)オルガノアルコキシシラン (a)−1:メチルトリメトキシシラン (a)−2:メチルトリエトキシシラン成分(b)熱硬化性樹脂 (b)−2:アミノ樹脂(メラミン)(不揮発分60
%) (b)−3:エポキシ樹脂(不揮発分40%) (b)−5:アクリル樹脂(不揮発分50%)
【0042】成分(c)コロイド状または超微粒子状アルミナ (c)−1:水性コロイド状アルミナ(アルミナ20
%、pH4.0) (c)−2:超微粒子状アルミナ(平均粒径15mμ)成分(d)親水性有機溶剤 (d)−1:i−プロパノール (d)−2:ブチルカルビトール(エチレングリコール
モノブチルエーテル) (d)−3:メチルエチルケトン成分(e)
【0043】成分(f)(添加剤 ) (f)−1:ノニオン系界面活性剤 (f)−3:酢酸 (f)−4:顔料 酸化チタン (f)−5:顔料 酸化鉄 (f)−6:超微粒子状シリカ(平均粒径15mμ)
【0044】
【表1】 ―――――――――――――――――――――――― |組成物名称 | D | E | H | | |(実施例)|(実施例)|(比較例)| |――――――|―――――|―――――|―――――| |配合処方(部) | | | |(a)-1 | - | 38 | 25 | |(a)-2 | 25 | - | - | |(b)-2 | - | - | 10 | |(b)-3 | 6 | 5 | - | |(b)-5 | - | 10 | - | |(c)-1 | 15 | 20 | - | |(c)-2 | - | 3 | - | |(d)-1 | 30 | - | 35 | |(d)-2 | 5 | 12.5 | 5 | |(d)-3 | 14 | 11.5 | - | |(e) | 5 | - | 25 | |小 計 | 100 | 100 | 100 | |――――――|―――――|―――――|―――――| |(f)-1 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | |(f)-3 | - | - | 0.5 | |(f)-4 | - | 10 | - | |(f)-5 | - | 2 | - | |(f)-6 | - | - | 11 | |不揮発分 | 14.7 | 44.7 | 27.8 | ――――――――――――――――――――――――
【0045】 (2)評価試験用テストピースの調製 前記(1)項で調製した表1に示すコーティング用組成
物を、表2に示す各種基材に塗布、硬化処理を行ない評
価試験用テストピースTP6、8〜9、13および15
を調製した。コーティング対象基材中、アルミニウム板
はトルエン脱脂、その他は清浄化処理をコーティング用
組成物塗布前の下地処理として行なった。コーティング
用組成物の塗布には、エアースプレーガンを用い、加熱
には電気オーブンを使用した。なお、コーティング用組
成物は、いずれも調製後8時間以内に使用した。コーテ
ィング用組成物の塗布回数、硬化条件を表3に示す。
【0046】
【表2】 ――――――――――――――――――――――――――――― |TP番号| 材 質 | 寸 法 |製作枚数| |――――|―――――――――|―――――――――|――――| | 6 |アルミニウム板 | 100× 100× 2mm | 18枚 | | 8〜9|フレキシブル板 | 200× 200× 5mm | 48枚 | | 13 |ポリカーボネート板| 100× 100× 2mm | 5枚 | | 15 |ヒノキ板 | 200× 200×20mm | 5枚 | ―――――――――――――――――――――――――――――
【0047】
【表3】 ――――――――――――――――――――――――――――― |テストピース|使 用|塗布|塗膜厚さ| 硬 化 条 件 | |番号 |組成物|回数|(μm)| | |――――――|―――|――|――――|――――――――――| |6(比較例)| H | 1 | 5 | 180℃×30分 | |8(実施例)| D | 1 | 4 | 80℃×30分 | |9(実施例)| E | 2 | 18 | 1回目 100℃× 5分、| | | | | | 2回目常温× 7日間 | |13(比較例)| H | 1 | 4 | 80℃×20分 | |15(実施例)| D | 2 | 5 | 1回目 70℃×30分、| | | | | | 2回目 70℃×30分 | ―――――――――――――――――――――――――――――
【0048】(3)評価試験 前記(2)項で調製したテストピースを室内に7日間保
持して下記の評価試験を実施した。密着性 JIS K−5400−6.15碁盤目試験に準拠硬度 JIS K−5400−6.14鉛筆引っかき試験に準
耐衝撃性 JIS K−5400−6.13.2に準拠
【0049】耐熱性 電気炉内でテストピースを250℃に24時間保持後、
自然放冷して塗膜の外観を観察耐沸騰水性 沸騰水中にテストピースを8時間保持後放冷、これを1
0回繰り返した後塗膜の外観を観察耐温水性 60℃の温水中にテストピースを20日間保持後、塗膜
の外観を観察
【0050】耐塩水性 4%食塩水中にテストピースを20日間保持後、塗膜の
外観を観察耐溶剤性 アセトン/セロソルブ/酢酸エチル/工業用含水アルコ
ール/トルエン=3/2/2/1/2(重量比)の混合
溶剤にテストピースを20日間浸漬後、塗膜の外観を観
【0051】耐アルカリ性 5%苛性ソーダ水溶液中にテストピースを20日間保持
後、塗膜の外観を観察
【0052】帯電防止性 JIS L1094−1980静電気測定法のA法半減
期測定法に従った。測定法は、半減期測定器にテストピ
ースをセットし、+10kVの印加電圧を30秒間か
け、印加電圧を切った後の電圧を経時測定して、その半
減期を求めた。単位は、秒である。
【0053】冷熱サイクル性 電気炉中でテストピースを250℃に30分間保持後自
然放冷、この操作を8回繰り返した後、塗膜の外観を観
耐摩耗性 #0000のスチールウールを用いてテストピースを強
く摩擦した後、塗膜の外観を観察、傷の有無を判定耐候性 JIS K−5701に準拠したサンシャインカーボン
アーク燈耐候試験機により、テストピースを2000時
間暴露した後、塗膜の外観を観察試験結果および耐候試
験後の再試験結果を表4に示す。
【0054】
【表4】 ―――――――――――――――――――――――――――――― | | テストピース番号 | | |――――――――――――――――――――――| | | 比較例 | 実施例 | 耐候試験後 | |試 験 項 目|―――――|――――――――|―――――――| | | 6 | 13 | 15 | 8 | 9 | 8 | 9 | |―――――――|――|――|――|――|――|―――|―――| |密 着 性 | ○| ○| ○| ○| ○| ○ | ○ | |硬 度 |7H|5H|6H|7H|7H| ○ | ○ | |耐衝撃性 | ×| ○| ○| ○| ○| ○ | ○ | |耐 熱 性 | ○| /| /| ○| ○| ○ | ○ | |耐沸騰水性 | ○| ○| ○| ○| ○| ○ | ○ | |耐温水性 | ○| ○| ○| ○| ○| ○ | ○ | |耐塩水性 | ○| ○| ○| ○| ○| ○ | ○ | |耐溶剤性 | ○| ○| ○| ○| ○| ○ | ○ | |耐アルカリ性 | /| /| /| ○| ○| ○ | ○ | |帯電防止性、秒|15.8|18.5| 4.2| /| /| / | / | |冷熱サイクル性| ×| /| /| /| /| / | / | |耐摩耗性 | ○| ○| ○| /| /| ○ | ○ | |耐 候 性 | /| /| /| ○| ○| / | / | ――――――――――――――――――――――――――――――
【0055】
【発明の効果】本発明のコーティング用組成物を用いる
ことにより、前記実施例に示したように化学的特性、機
械的特性および電気的特性に優れかつバランスのとれた
高硬度の硬化塗膜を、金属基材、無機質基材、有機質基
材など基材材質を問わずに形成することができ、その硬
化塗膜はいずれの基材に対しても密着性が極めて優れて
いる。また、コーティング用組成物の組成を調整するこ
とにより、基材材質やそのコーティングの目的に応じた
硬化塗膜を形成することができる。さらにコーティング
に際しては、種々の公知の塗装手段を採用できることか
ら作業性が優れており、かつ重ね塗りができることから
補修性も優れている。本発明は、化学的特性、機械的特
性および電気的特性に優れかつバランスのとれた高硬度
の硬化塗膜を、基材材質を問わずに密着性よく形成可能
なコーティング用組成物を提供するものであり、その産
業上の意義は極めて大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 177/00 C09D 177/00 // C04B 41/64 C04B 41/64 41/65 41/65 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 183/04 C09D 133/06 C09D 163/00 C09D 167/06 C09D 175/04 C09D 177/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(a)〜(e)および所望によ
    り添加される添加剤からなり、成分(a)〜(e)の合
    計〔=(a)+(b)+(c)+(d)+(e)〕とし
    て100重量部を含有する液状組成物であって、かつこ
    液状組成物のpH7以下の酸性領域での不揮発分が8
    〜55重量部であることを特徴とするコーティング用組
    成物。 (a)R1 Si(OR2 3 (式中、R1 は炭素数1〜
    8の有機基、R2 は炭素数1〜5のアルキル基および/
    または炭素数1〜4のアシル基を表す)で表されるオル
    ガノアルコキシシラン10〜45重量部 (b)下記(d)親水性有機溶剤に溶解性のエポキシ樹
    脂、熱硬化性アクリル樹脂、エポキシ変性ポリアミド樹
    脂、ポリウレタン樹脂および不飽和ポリエステル樹脂よ
    りなる群から選ばれた少なくとも1種である熱硬化性樹
    脂2〜20重量部 (c)コロイド状および/または超微粒子状のアルミナ
    (アルミナ換算)1〜14重量部 (d)親水性有機溶剤1〜70重量部 (e)水3〜60重量部
  2. 【請求項2】 成分(a)のオルガノアルコキシラン
    が、メチルトリメトキシシランおよび/またはメチルト
    リエトキシシランである請求項1に記載のコーティング
    用組成物。
  3. 【請求項3】 成分(c)のコロイド状または超微粒子
    状のアルミナの平均粒径もしくは平均太さが、5〜50
    mμである請求項1に記載のコーティング用組成物。
  4. 【請求項4】 成分(d)の親水性有機溶剤が、アルコ
    ール類、グリコール類、エステル類、エーテル類および
    ケトン類よりなる群から選ばれた少なくとも1種である
    請求項1に記載のコーティング用組成物。
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