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JP2727700B2 - 多層セラミック回路基板の製造方法 - Google Patents

多層セラミック回路基板の製造方法

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JP2727700B2
JP2727700B2 JP29068089A JP29068089A JP2727700B2 JP 2727700 B2 JP2727700 B2 JP 2727700B2 JP 29068089 A JP29068089 A JP 29068089A JP 29068089 A JP29068089 A JP 29068089A JP 2727700 B2 JP2727700 B2 JP 2727700B2
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JP
Japan
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circuit board
glass
multilayer ceramic
ceramic circuit
green sheet
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JP29068089A
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Inventor
佳彦 今中
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 多層セラミック回路基板の構成に関し、 信号の遅延時間を少なくし、また機械的強度の優れた
多層セラミック回路基板を実用化することを目的とし、 多層セラミック回路基板の形成において、信号線路形
成領域(6)にはガラス成分の多い、或いは結晶化率が
低い結晶化ガラスよりなるグリンシートを用い、機械的
強度を必要とする強化層領域(11)にはセラミック成分
の多い、或いは結晶化率が高い結晶化ガラスよりなる複
数のグリンシートを用い、該強化層領域(11)の中央部
において含有セラミック成分、或いは結晶化ガラスの結
晶化率が最大となるように組成比を徐々に変化させたグ
リンシートを積層し、加圧して焼成することを特徴とし
て多層セラミック回路基板の製造方法を構成する。
〔産業上の利用分野〕
本発明は信号の遅延時間を少なくし、また機械的強度
の優れた多層セラミック回路基板の製造方法に関する。
大量の情報を高速に処理する必要から情報処理装置は
小形大容量化が行われており、装置はLSIやVLSIなどの
半導体素子を多数搭載して高密度実装が行われている。
こゝで、上記の半導体素子は多数個が印刷配線基板に
装着されているが、集積度が向上しているためLSIチッ
プの発熱量は約4WまたVLSIチップの発熱量は約10W程度
にまで増加しており、そのため印刷配線基板は耐熱性が
優れたものが必要となり、この点からアルミナ(Al
2O3)などのセラミックが基板材料として使用されてい
る。
また半導体素子は多数のリード端子を備えていること
から、立体配線が必要で、そのために多層回路基板が使
用されている。
〔従来の技術〕
多層セラミック回路基板の必要条件は耐熱性の優れて
いることゝ共に電子回路の導体抵抗が少なく、また信号
の遅延時間が少ないことである。
こゝで、アルミナセラミックスは耐熱性と熱伝導性に
優れているものゝ、焼成温度が約1700℃と高いために導
体線路としてタングステン(W)のような高融点金属し
か使うことができない。
然し、その場合は導体抵抗が高く、信号の伝送損失が
多くなるために伝送線路としては適当ではない。
そこで、多層セラミック回路基板の構成材としては導
体線路といて銅(Cu)が使用できるガラスセラミックス
が使用されている。
すなわち、ガラスセラミックスは焼成温度を1000℃以
下にとることができ、そのため金(Au)やCuのような導
電率の優れた金属材料を使用することができる。
第2図はガラスセラミックスを使用した従来の多層セ
ラミック回路基板の構成を示すもので、ガラスセラミッ
クス・グリンシート1の上にCuなどの導体ペーストを用
いてシールド層2や信号線路3などをスクリーン印刷
し、これを位置合わせして積層し加圧して一体化した
後、焼成することにより多層セラミック回路基板4が得
られている。
こゝで、代表的なガラスセラミックスは硼硅酸ガラス
にアルミナ粉を添加したものから構成されており、微結
晶の重合体からなるために機械的強度例えば曲げ強さは
150〜200MPaとガラスに較べて著しく改良されているも
のゝ、誘電率は5〜9と硼硅酸ガラスの誘電率(約4)
よりも高くなり、これが問題となっている。
すなわち、情報処理の高速化により信号の周波数は光
にまで及んでいるが、このように高速な信号を処理する
電子回路が形成されている多層回路基板は電気信号の遅
延時間τができるだけ少なく、また配線間の漏話が少な
いことが必要であるが、そのためには使用基板の誘電率
εが少ないことが必要である。
τ=ε1/2/c …(1) 但し、cは光の速度 そのため、誘電率の低減が必要であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
ガラスセラミックスを基板材料とする多層セラミック
回路基板はガラスセラミックスよりなるグリンシートに
Cuペーストをスクリーン印刷して導体線路を作り、乾燥
後、グリンシートを積層し、加圧して一体した後に焼成
することにより作られている。
然し、このようにして作られた多層セラミック回路基
板は誘電率が高いために信号の遅延が大きくなり、高速
伝播が困難となる。
一方、セラミックスの含有量を少なくした多層セラミ
ック回路基板は誘電率は低く、信号の高速伝播には適し
ているが、機械的強度が弱く壊れ易いことが問題であ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題は多層セラミック回路基板の形成におい
て、信号線路形成領域にはガラス成分の多い、或いは結
晶化率が低い結晶化ガラスよりなるグリンシートを用
い、機械的強度を必要とする強化層領域にはセラミック
成分の多い、或いは結晶化率が高い結晶化ガラスよりな
る複数のグリンシートを用い、この強化層領域の中央部
において含有セラミック成分、或いは結晶化ガラスの結
晶化率が最大となるように組成比を徐々に変化させたグ
リンシートを積層し、加圧して焼成することを特徴とし
て多層セラミック回路基板の製造方法により解決するこ
とができる。
〔作用〕
本発明は多層セラミック回路基板を構成する多数のガ
ラスセラミック・グリンシートの内、信号線路やシール
ド層などが存在する信号線路形成英領域には低誘電率の
グリンシートを使用し、一方、この信号線路形成領域を
繋ぐ強化層領域には機械的強度の高いガラスセラミック
・グリンシートを複数個積層するもので、この場合、中
央のガラスセラミック・グリンシートが最も機械的強度
が高くなるよう構成するものである。
第1図は本発明に係る多層セラミック回路基板の構成
法を示す断面図であって、信号線路3を中心とし、第1
の誘電体層5を介してシールド層2があって信号線路形
成領域6を形成している。
そして、この上下に第2の誘電体層7,第3の誘電体層
8,第4の誘電体層9,第5の誘電体層10,第4の誘電体層
9,第3の誘電体層8,第2の誘電体層7と複数の誘電体層
を順次に積層して強化層領域11を形成するが、この場
合、中央の誘電体層(この例の場合は第5の誘電体層1
0)が最も機械的強度が高くなるように原料ガラスセラ
ミックスの組成を順次に変えて積層する。
こゝで、徐々に原料組成を変える理由はそれぞれの誘
電体層によって熱膨張係数や収縮率が異なることによ
り、基板の焼成時や半導体素子装着時に層間剥離が生ず
るのを無くするためである。
このように本発明は信号線路3を中心としてシールド
層2が設けられている信号線路形成領域6を誘電率の低
いガラスセラミックスを用いて形成し、また二つの信号
線路形成領域6を繋ぐ強化層領域11は中央部が最も機械
的強度が大きくなるように複数個のガラスセラミックス
層を用いて形成するものである。
このような構成をとることによって、信号の遅延が少
なく、機械的強度が優れ、また層間剥離のない多層セラ
ミック回路基板を形成することができる。
〔実施例〕
実施例1: セラミックスとしてはムライト(3Al2O3・2SiO2
を、またガラスとして硼硅酸ガラス(略称Bガラス)と
石英ガラス(略称Sガラス)を用いた。
また、バインダとしてはポリメチルメタクリレート
(略称PMMA)を、可塑剤としてはジプチルフタレート
(略称DBP)を、また溶剤としてはエチルアルコールと
アセトンを用い、これらの原料を第1表に示す組成に混
合して、誘電率の小さな誘電体材料(No.1),機械的強
度が次第に大きくなる誘電体材料(No.2〜No.5)を調製
した。
この各組成の原料をボールミルで20時間に亙って混練
し、でき上がったスラリーをドクターブレード法を用
い、誘電率が少なく、信号線路形成領域を形成するNo.1
の組成のものは200μmの厚さのグリンシートを作り、
またムライトの含有量が多く機械的強度が優れた強化層
領域を形成するNo.2〜5の組成のものは50μmの厚さの
グリンシートを形成した。
これらのグリンシートは、それぞれ100mm角に切断し
た後、パンチしてバイアホールを形成した後、この穴の
中に銅ペーストを充填した。
次に、信号線路形成領域を形成するグリンシートの上
に銅ペーストをスクリーン印刷して信号線路とシールド
層を形成した。
次に、それぞれのグリンシートを第1図に示す順序で
位置合わせし、積層した。
こゝで、 No.1の組成のグリンシートは第1の誘電体層に、 No.2の組成のグリンシートは第2の誘電体層に、 No.3の組成のグリンシートは第3の誘電体層に、 No.4の組成のグリンシートは第4の誘電体層に、 No.5の組成のグリンシートは第5の誘電体層に、 それぞれ対応している。
そして、温度100℃,20MPaの条件で加圧して一体化し
た後、窒素(N2)気流中で1000℃で5時間に亙って焼成
して多層セラミック回路基板ができ上がった。
第2表はこのようにしてできた本発明に係る多層セラ
ミック回路基板の信号遅延時間と曲げ強さと実効誘電率
をNo.1とNo.5のそれぞれ単一組成のガラスセラミックス
を用いた多層セラミック回路基板と比較したものであ
る。
このように、本発明を実施して得た多層セラミック回
路基板は信号の遅延時間が少なく、また曲げ強さも大き
い。
実施例2: 第3表に示す組成のガラス原料を用いて結晶化率が低
く低誘電率のガラスと、機械的性質は優れているものゝ
結晶化率が高く高誘電率の結晶化ガラスを作った。
こゝで、バインダとしてはPMMAを、可塑剤としてはDB
Pを、また溶剤としてはエチルアルコールとアセトンを
用い、これらの原料を第3表に示す組成に混合して、誘
電率の小さな誘電体材料(No.1),機械的強度が次第に
大きくなる誘電体材料(No.2〜No.5)を調製した。
このガラス材料とバインダと可塑剤と溶剤とを43:8:
4:45の重量比で混合し、この各組成の原料をボールミル
で20時間に亙って混練し、でき上がったスラリーをドク
タブレード法を用い、誘電率が少なく、信号線路形成領
域を形成するNo.1の組成のものは200μmの厚さのグリ
ンシートを作り、また核生成物であるTiO2の含有量が多
く機械的強度が優れた強化層領域を形成するNo.2〜5の
組成のものは50μmの厚さのグリンシートを形成した。
これらのグリンシートは、それぞれ100mm角に切断し
た後、パンチしてバイアホールを形成した後、この穴の
中に銅ペーストを充填した。
次に、信号線路形成領域を形成するグリンシートの上
に銅ペーストをスクリーン印刷して信号線路とシールド
層を形成した。
次に、それぞれのグリンシートを第1図に示す順序で
位置合わせし、積層した。
こゝで、 No.1の組成のグリンシートは第1の誘電体層に、 No.2の組成のグリンシートは第2の誘電体層に、 No.3の組成のグリンシートは第3の誘電体層に、 No.4の組成のグリンシートは第4の誘電体層に、 No.5の組成のグリンシートは第5の誘電体層に、 それぞれ対応している。
そして、温度100℃,20MPaの条件で加圧して一体化し
た後、窒素(N2)気流中で1000℃で5時間に亙って焼成
して多層セラミック回路基板ができ上がった。
第4表はこのようにしてできた本発明に係る多層セラ
ミック回路基板の信号遅延時間と曲げ強さと実効誘電率
をNo.1とNo.5のそれぞれ単一組成の結晶化ガラスからな
るものと比較したものである。
このように、本発明を実施して得た多層セラミック回
路基板は信号の遅延時間が少なく、また曲げ強さも大き
い。
〔発明の効果〕
以上記したように本発明の実施により信号の遅延時間
が少なく、また機械的強度が優れ、また作業工程中や使
用中に層間剥離の生ずることのない多層セラミック回路
基板を実用化することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る多層セラミック回路基板の構成を
示す部分断面図、 第2図は従来の多層セラミック回路基板の構成を示す部
分断面図、 である。 図において、 2はシールド層、3は信号線路、 5は第1の誘電体層、 6は信号線路形成領域、 7は第2の誘電体層、8は第3の誘電体層、 9は第4の誘電体層、10は第5の誘電体層、 11は強化層領域、 である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層セラミック回路基板の形成において、
    信号線路形成領域(6)にはガラス成分の多いグリンシ
    ートを用い、機械的強度を必要とする強化層領域(11)
    にはセラミック成分の多い複数のグリンシートを用い、
    該強化層領域(11)の中央部において含有セラミック成
    分が最大となるように組成比を徐々に変化させたグリン
    シートを積層し、加圧して焼成することを特徴とする多
    層セラミック回路基板の製造方法。
  2. 【請求項2】多層セラミック回路基板の形成において、
    信号線路形成領域(6)には結晶化率の低い結晶化ガラ
    スよりなるグリンシートを用い、機械的強度を必要とす
    る強化層領域(11)には結晶化率の高い結晶化ガラスよ
    りなる複数のグリンシートを用い、該強化層領域(11)
    の中央部においてガラスの結晶化率が最大となるように
    組成比を徐々に変化させたグリンシートを積層し、加圧
    して焼成することを特徴とする多層セラミック回路基板
    の製造方法。
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