JP3688919B2 - セラミック多層配線基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部に配線回路層を有する多層配線基板に関し、特に高い基板強度と、高周波信号に対して低い伝送損失を有する配線基板に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来より、セラミック配線基板としては、焼結助剤成分を5〜10重量%程度含有するアルミナ質セラミックスからなるセラミック絶縁基板の表面あるいは内部にタングステンやモリブデンなどの高融点金属を主体とする配線回路層を形成した基板が用いられてきた。
【0003】
近年、信号周波数の高周波化から誘電損失が低く信号の損失が低い基板が求められ、また、半導体素子の高出力化から高い熱伝導率が要求され、しかも高信頼性という観点から基板強度の高い基板材料が求められつつある。
【0004】
ところが、前記従来の配線基板においては、10GHzの誘電損失が10-4以上と高く、高周波用途には不適であり、また熱伝導率においても18W/m・k程度と低く、強度もせいぜい300MPaであり高信頼性の要求される配線基板としては使用できないものであった。
【0005】
そこで、最近に至り、低い誘電損失と高い熱伝導率、及び高強度をもつ高純度のアルミナ質セラミックスを絶縁基板として用いることが提案されている。アルミナ質セラミックスのアルミナ純度を上げることにより、誘電損失は低くなり、熱伝導率及び基板強度は向上する。特に、純度を98重量%以上とすることにより、誘電損失が10GHzにおいて5×10-4以下になり、また熱伝導率も25W/m・K以上、強度を400MPa以上に向上できることが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような高純度アルミナ質セラミックスを配線回路層を有する配線基板の絶縁基板として適用し、内部配線回路層と同時焼成して多層構造の配線基板を作製した場合、初期強度はある程度高いものの、内部配線回路層との焼成収縮差や熱膨張差に起因して内部応力が発生し、この応力によって、例えば、基板表面に実装された半導体素子の作動停止の繰り返しによって発生する熱サイクルが付与された場合に、内部配線回路層の周囲の絶縁基板にクラックが発生し基板強度を低下させたり、さらには、内部配線回路層層の断線を招くなどの問題があった。
【0007】
上記のような応力は、焼結助剤によるセラミックス中のガラス量が多い場合には、ガラスが応力緩和剤として作用するためにこの応力はさほど大きな問題とならないが、アルミナの含有量が増加するとガラス量が少なくなる結果、前述したような問題が特に顕著に現れるものであった。
【0008】
従って、本発明は、高アルミナ含有量のアルミナ質セラミックスを絶縁基板とし、この絶縁基板と同時焼成によって形成された内部配線回路層を有する多層配線基板において、絶縁基板と内部配線回路層との熱膨張差や焼成収縮差などに起因する応力の発生を緩和し、高い基板強度と低誘電損失を備えたセラミック多層配線基板を得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、高アルミナ含有量のアルミナ質セラミックスからなる絶縁基板内に、高ボイド層と、低ボイド層とを存在させ、絶縁基板内部に配設された内部配線回路層の少なくとも一方の面に高ボイド層を形成することにより、上記目的が達成できることを知見した。
【0010】
即ち、本発明のセラミック多層配線基板は、アルミナを98重量%以上の割合で含有するセラミック絶縁基板の少なくとも内部に配線回路層を配設してなるセラミック配線基板において、前記セラミック絶縁基板を平均粒径が0.2〜5μmのボイドを1〜5体積%の割合で含有する高ボイド層と、該高ボイド層よりもボイド量が10%以上少ない低ボイド層との積層構造体によって構成し、前記内部配線回路層の一方の表面に前記高ボイド層を配設したことを特徴とするものである。
【0011】
なお、上記構成において、前記基板の最表面を低ボイド層によって構成してなること、前記高ボイド層の単層の厚さが8〜100μmであること、前記絶縁基板全体に対する高ボイド層の総厚さが、低ボイド層の総厚さよりも小さいこと、さらには、前記低ボイド層が絶縁基板厚さ1mm当たり2層以上存在することが望ましい。
【0012】
本発明のセラミック多層配線基板によれば、多層配線基板中において、内部配線回路層と隣接して存在する高ボイド層を形成することにより、この高ボイド層の剛性が低いために、焼成収縮差や熱膨張差に起因して発生する応力を緩和することができ、しかも、高ボイド層中のボイドが、基板がクラックの進展を防止する作用をなす結果、熱サイクルが印加された場合にもクラックの発生を防止し基板強度の低下を防止できる。
【0013】
しかも、高ボイド層の存在によって絶縁基板全体の誘電率を低下させることができるために、表面および内部配線回路層を伝送される信号の損失、即ち誘電損失を低減できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のセラミック多層配線基板の一例を示す概略断面図をもとに以下に詳述する。図1のセラミック多層配線基板1は、アルミナ質セラミックスからなる絶縁基板2の表面および内部にWやMoなどの高融点金属からなる配線回路層3a、3bが形成され、また、絶縁基板2内部には、配線回路層3同士を接続するために、WやMoなどの高融点金属からなるスルーホール導体4が設けられている。
【0015】
本発明によれば、絶縁基板2は、アルミナ含有量が98重量%以上、特に99重量%以上の高アルミナ含有のアルミナ質セラミックスから構成される。このアルミナ含有量を98重量%以上と高アルミナ含有化することによって、高強度化、低誘電損失化、高熱伝導化を図ることができる。
【0016】
具体的には、例えばアルミナを92重量%含有するアルミナ質セラミックスの場合、誘電損失は10GHzでおよそ10×10-4程度であるのに対して、アルミナを98重量%以上とするセラミックスでは、5×10-4以下まで低減するこができる。また、アルミナ含有量が99重量%以上のセラミックスでは、10GHzでの誘電損失は3×10-4以下となりさらに誘電損失の低減を図ることができる。このように誘電損失を低減することにより、絶縁基板の表面に形成された配線回路層に高周波信号が伝送される場合に、信号の伝送損失を低減することができる。
【0017】
また、熱伝導率においては、アルミナ含有量が92重量%の場合、18W/m・K程度であるが、アルミナ含有量が98重量%の場合、25W/m・K程度、99重量%で30W/m・K以上の熱伝導率が得られる。その結果、半導体素子から発生する熱を配線基板を介して効率的に放熱することができる。
【0018】
さらに、強度においては、アルミナ含有量が92重量%の場合、JISR1601による3点曲げ強度でせいぜい300MPa程度であるが、アルミナ含有量が98重量%の場合、400MPa以上に高めることができる。
【0019】
本発明によれば、高アルミナ含有のセラミック絶縁基板2を平均粒径が0.2〜5μmのボイドを1〜5体積%の割合で含有する高ボイド層2aと、高ボイド層2aよりもボイド量が10%以上少ない低ボイド層との積層構造体によって構成し、前記内部配線回路層の一方の表面に前記高ボイド層を配設する。
【0020】
かかる積層構造体によって、焼成収縮差や熱膨張差に起因して発生する応力を緩和することができる。ここで、高ボイド層2aの平均ボイド径が0.2μmよりも小さいと、応力緩和の効果が不十分となり、また5μmより大きいと、このボイドが破壊源となり基板強度が低下するためである。平均ボイド径としては、0.3〜3μmであるが望ましい。
【0021】
また、高ボイド層2a中のボイド量が、1体積%よりも少ないと応力緩和の効果が不十分であり、また5体積%を越えると、高ボイド層2a自体の強度が低下し、基板全体の強度を低下させてしまうためである。このボイド量は、特に1〜4体積%であることが好ましい。
【0022】
一方、低ボイド層2bについて、この層中のボイド量が前記高ボイド層のボイド量の90%を越えると、実質的に前記高ボイド層2aとの差がなく、基板全体の強度を低下させてしまう。低ボイド層2b中のボイド量は、前記高ボイド層中のボイド量の85%以下、さらには、80%以下であることが望ましい。
【0023】
また、高ボイド層2aの単層の厚みは、8〜100μmであることが望ましい。これは、厚みが8μmよりも薄いと、応力緩和効果が小さく、100μmよりも厚すぎると、基板全体の強度に影響を与えるおそれがあるためである。この厚さは15〜50μmが望ましい。
【0024】
また、高ボイド層2aは、少なくとも絶縁基板2内部の内部配線回路層3bの少なくとも一方の面に隣接して存在することが必要である。これは、前述した通り、内部配線回路層3bとセラミック絶縁基板2との焼成収縮差や熱膨張差に起因する応力が内部配線回路層3bの周囲に発生することから、この領域に高ボイド層2aが存在しないとこの応力を十分に緩和することが難しいためである。
【0025】
また、この高ボイド層2aは、内部配線回路層3aや表面配線回路層3a間に複数層配設することにより、絶縁基板2内に存在する応力を緩和することができる。
【0026】
但し、絶縁基板2の最表面は、低ボイド層2bによって形成することが望ましい。これは、高ボイド層2aが表面に存在すると、表面配線回路層3aによって微細回路を形成した場合に、多量に存在するボイドによって配線が断線したり、あるいは、表面のボイドを起点にしてクラックが発生しやすくなり、基板強度を低下させるおそれがあるためである。
【0027】
絶縁基板全体に対して、高ボイド層2aの層厚さは、低ボイド層2bの総厚さよりも小さいことが望ましい。これは、ボイドの多い高ボイド層2aがボイドの少ない低ボイド層2bよりも厚いと、絶縁基板の強度が高ボイド層2aの強度に支配されるために、強度の低下を招くためである。
【0028】
なお、層1と層2の材料組成およびアルミナ純度は同一でなくとも良い。
【0029】
上記の高ボイド層2aおよび低ボイド層2bは、アルミナを98重量%以上含有することを除き、必ずしも同一の組成からなる必要はないが、基板の電気的特性、熱的特性などを考慮すれば、焼結助剤としてSiO2 、MgO、CaOなどを含有し、場合によって着色剤としてW、Mo、Crなどを2重量%以下の割合で含むものが望ましい。
【0030】
次に、本発明の半導体素子収納用パッケージの製造方法について説明する。まず、アルミナを99.9重量%以上含有するアルミナ粉末に、アルミナ含有量が98重量%以上、特に99重量%以上となるように、SiO2 、MgO、CaOなどの焼結助剤を添加し、場合によって着色剤としてW、Mo、Crなどの金属粉末や酸化物粉末、炭化物粉末などを2重量%以下の割合で添加混合する。
【0031】
次に、この混合粉末に有機バインダーや溶媒等を添加混合して泥漿を調整し、これをドクターブレード法、カレンダーロール法、圧延法によるか、あるいは前記混合粉末をプレス成形して適当な厚さのシート状成形体(グリーンシート) を作製する。
【0032】
この時、本発明によれば、高ボイド層形成用および低ボイド形成用のグリーンシートを作製する。ボイド径やボイド量の調整は、用いるアルミナ原料粉末の平均粒径によって変化し、平均粒径が大きいほど、緻密化が阻害され、ボイドが残存しやすく、平均粒径が小さいほど、焼結性が促進され、緻密質な層を形成することができる。
【0033】
具体的には、前記高ボイド層形成用としては、平均粒径が0.2〜2.5μmのアルミナ粉末を、また低ボイド層形成用としては、平均粒径が0.6〜8.0μmのアルミナ粉末を用い、高ボイド形成用のアルミナ粉末の平均粒径が低ボイド形成用のアルミナ粉末の平均粒径よりも大きくなるように設定する。
【0034】
次に、上記のようにして形成された低ボイド層形成用のグリーンシートの表面に、表面または内部配線回路層形成用の導体ペーストを配線回路パターン状に印刷塗布する。
【0035】
そして、配線回路パターンが形成された低ボイド層形成用グリーンシートを高ボイド層形成用のグリーンシートを介して積層一体化する。
【0036】
なお、スルーホール導体を形成する場合には、低ボイド層形成用グリーンシートと高ボイド形成用グリーンシートを一層ずつ積層一体化したものにマイクロドリル、レーザーなどによってスルーホールを形成した後、導体ペーストを充填し、その後、導体ペーストを配線回路パターンに印刷する。
【0037】
そして、同様にしてスルーホール導体および配線回路パターンを形成したグリーンシートを再度積層一体化する。
【0038】
配線回路パターンやスルーホール内に充填する導体ペーストは、W(タングステン) やMo(モリブデン) などの高融点金属粉末に、アクリル樹脂、エチルセルロース、ニトロセルロース等の公知のバインダーと、ジブチルフタレートなどの公知の可塑剤、その他泡消剤、界面活性剤等を溶剤ともども適宜添加して混練したものが使用される。
【0039】
このようにして得られた積層体を窒素、水素窒素混合雰囲気などの還元性雰囲気中で1450〜1700℃の温度で焼成することにより、絶縁基板と配線回路層およびスルーホール導体とを同時焼成することができる。
【0040】
また、このようにして作製された多層配線基板の表面に、蒸着法やスパッタリングなどによって薄膜配線層をを形成することも可能である。
【0041】
また、前記多層配線基板の表面配線回路層の表面には、耐食性を向上させたり、ロウ材やハンダの濡れ性を向上させて接合強度を高めるために、ニッケル(Ni)、金(Au)等の良導電性で耐食性に優れた金属を電解メッキ、無電解メッキ等の手段により0.1〜10μmの厚さで形成することもできる。
【0042】
【実施例】
純度99.9%以上、平均粒径が0.6〜5.5μmのアルミナ粉末に、表1に示すようにSiO2 、CaO、MgOを種々の重量比で秤量した焼結助剤粉末を添加混合し、溶媒としてトルエンを加え混合した。さらにその混合液に有機バインダーを添加し、ボールミルにより混合、分散させスラリー化した後、スリップキャスティング法により種々のグリーンシートを作製した。その後、それらを表1に示す温度で焼成して単板の焼結体を作製した。
【0043】
得られた焼結体に対して、平均ボイド径を鏡面研磨した断面の電子顕微鏡写真から求め、また、その写真からボイドの面積比率を求め、これをボイド量とした。結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
次に、上記表1中の各グリーンシートを表2に示すような組み合わせとして、低ボイド層用グリーンシートに対してスクリーン印刷法により、平均粒径が2μmのMo粉末にアクリル樹脂、有機溶剤を添加混合した導体ペーストを印刷し配線回路パターンを形成した。そして、配線回路パターンが形成された低ボイド層用グリーンシートと高ボイド層用グリーンシートを交互に積層し一体化した。その後、この積層体を所定の大きさにカットし、水素窒素混合雰囲気中で表2に示す温度で1時間焼成して厚さ1mmの多層配線基板を作製した。
【0046】
【表2】
【0047】
作製した多層配線基板に対して、以下の評価を行いその結果を表3に示した。まず、多層配線基板に対して、長さ40mm、幅10mm、厚さ1mmの形状として基板自体の3点曲げ強度を測定した。また、サンプル数を30個としてワイブル係数も求めた。また、強度については、作製した多層配線基板に対して、−65℃15分、150℃15分を1サイクルとして3000サイクルの熱サイクルを付与した後に再度3点曲げ強度とワイブル係数を求めた。
【0048】
また、熱伝導率に関しては、表2に示したグリーンシートの組み合わせに対して、配線回路層を形成することなく、セラミックシートのみを多層化し、上記と同様にして焼成した後、熱伝導率測定用サンプルに加工しレーザーフラッシュ法で測定した。
【0049】
さらに、絶縁基板の高ボイド層、低ボイド層中の平均ボイド径を鏡面研磨した断面の電子顕微鏡写真から求めた。また、ボイド量は、その写真から、ボイドの面積比率を求め、これをボイド量とした。
【0050】
また、高周波特性として、図2に示すように、絶縁基板5の内部中央部に信号導体線路6を有し、この信号導体線路6に隣接する上下層を厚さ50μmの高ボイド層5aによって挟み、さらにこれを厚さ300μmの低ボイド層5bによって挟み込んだ形状を有する。また、絶縁基板上下の表面には、グランド層7を形成して、ストリップ線路構造の伝送線路を形成し、この線路に対して、20GHzの信号が入射した時に対してどの程度透過するかを測定し、その結果をdB値(S21)で示した。
【0051】
【表3】
【0052】
表2、表3の結果によれば、アルミナ含有量が92重量%の従来のアルミナ質セラミックスのみからなる試料No.1は、強度、及び熱伝導率が低く、ストリップ線路を伝送する信号の損失も大きい。それが、アルミナ含有量が99重量%のアルミナ質セラミックスのみからなる試料No.2では、初期特性においては、強度約440MPa、熱伝導率が31W/m・K以上となり、S21を−5.6dB程度に抑えることが可能となる。しかしながら、この試料No.2では、熱サイクル試験後においては、強度が45MPaも低下した。
【0053】
そこで、本発明に基づき、内部配線回路層の上面に高ボイド層を形成することにより、初期強度を大きく低下させることなく、しかも熱サイクル試験後における強度低下を20MPa以下に抑制することができる。
【0054】
しかしながら、高ボイド層の平均粒径が0.2μmよりも小さい試料No.11では熱サイクル後の強度低下が大きく、5μmよりも大きい試料No.14では、初期強度が低いものであった。
【0055】
また、ボイド量が1体積%よりも少ない試料No.4では、熱サイクル後の強度低下が大きく、5体積%よりも大きい試料No.9では、初期強度が低いものであった。さらに、低ボイド層中のボイド量と高ボイド層のボイド量との差が10%よりも小さい試料No.10では、熱サイクル後の強度低下が大きいものであった。
【0056】
本発明品においては、最表面を低ボイド層によって構成し、前記高ボイド層の単層の厚さを8〜100μmとし、さらに、前記絶縁基板全体に対する高ボイド層の総厚さを低ボイド層の総厚さよりも小さくすることによって、初期基板強度を430MPa以上、熱サイクル試験後の強度低下が25MPa以内、S21を−5.7〜−5.9dB、熱伝導率30W/m・K以上の基板を作製することができた。
【0057】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のセラミック多層配線基板によれば、高アルミナ含有のアルミナ質セラミックスからなる絶縁基板内に、内部配線回路層に隣接して高ボイド層を形成することにより、絶縁基板と内部配線回路層との焼成収縮差や熱膨張差に起因して発生する応力を緩和することができるとともに、クラックの進展を防止することができる結果、半導体素子などの作動停止や、車載用として過酷な条件下で使用される場合に熱サイクルが印加された場合にもクラックの発生を防止し基板強度の低下を防止し、高信頼性を有する多層配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック多層配線基板の概略断面図である。
【図2】本発明の実施例における高周波伝送特性を測定するための評価基板の構造を説明するための図である。
【符号の説明】
1 セラミック多層配線基板
2 絶縁基板
2a 高ボイド層
2b 低ボイド層
3a、3b 配線回路層
4 スルーホール導体
Claims (4)
- アルミナを98重量%以上の割合で含有するセラミック絶縁基板の少なくとも内部に配線回路層を配設してなるセラミック配線基板において、前記セラミック絶縁基板を平均粒径が0.2〜5μmのボイドを1〜5体積%の割合で含有する高ボイド層と、該高ボイド層よりもボイド量が10%以上少ない低ボイド層との積層構造体によって構成し、前記内部配線回路層の一方の表面に前記高ボイド層を配設したことを特徴とするセラミック多層配線基板。
- 前記基板の最表面を低ボイド層によって構成してなる請求項1記載のセラミック多層配線基板。
- 前記高ボイド層の単層の厚さが8〜100μmである請求項1記載のセラミック多層配線基板。
- 前記絶縁基板全体に対する高ボイド層の総厚さが、低ボイド層の総厚さよりも小さい請求項1記載のセラミック多層配線基板。
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