JP2711754B2 - 光学活性ジヒドロピラン誘導体の製造法 - Google Patents
光学活性ジヒドロピラン誘導体の製造法Info
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は次の一般式(I)、 (式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子、低級アルキル基
又はOR3基(但し、R3は低級アルキル基又はジ低級アル
キルカルバモイル基)を示す。但し、R1及びR2が共に水
素原子となることはない。R4は低級アルキル基を示す) で表わされる光学活性ジヒドロピラン誘導体の製造法に
関する。
又はOR3基(但し、R3は低級アルキル基又はジ低級アル
キルカルバモイル基)を示す。但し、R1及びR2が共に水
素原子となることはない。R4は低級アルキル基を示す) で表わされる光学活性ジヒドロピラン誘導体の製造法に
関する。
上記一般式(I)で表わされる光学活性ジヒドロピラ
ン誘導体は、例えば、A.KONOWAら; Tetrahedron.32巻,2957−2959頁(1976)に記載のサッ
カライドあるいは、STEVEN D.BURKELら;Tetrahedron,42
巻,2787−2801頁(1986)に記載の抗生物質等の合成中
間体として有用な化合物である。
ン誘導体は、例えば、A.KONOWAら; Tetrahedron.32巻,2957−2959頁(1976)に記載のサッ
カライドあるいは、STEVEN D.BURKELら;Tetrahedron,42
巻,2787−2801頁(1986)に記載の抗生物質等の合成中
間体として有用な化合物である。
従来、光学活性ジヒドロピラン誘導体(I)を製造す
る方法としては、1−メトキシ−1,3−ブタジエン又は
1,3−ペンタジエンにグリオキシル酸エステルを、二塩
化メントキシアルミニウムあるいはBu(hfc)3(トリ
ス−〔3−(ヘプタフルオロプロピルヒドロキシメチレ
ン)−(+)−カンフォラート〕ユウロピウム(II
I))の触媒の存在下に反応せしめる方法が報告されて
いる〔M.Quimpreら;J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,676−
677頁(1987)〕。
る方法としては、1−メトキシ−1,3−ブタジエン又は
1,3−ペンタジエンにグリオキシル酸エステルを、二塩
化メントキシアルミニウムあるいはBu(hfc)3(トリ
ス−〔3−(ヘプタフルオロプロピルヒドロキシメチレ
ン)−(+)−カンフォラート〕ユウロピウム(II
I))の触媒の存在下に反応せしめる方法が報告されて
いる〔M.Quimpreら;J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,676−
677頁(1987)〕。
しかしながら、上記公知方法で使用する触媒の光学活
性部位は、どちらも天然物由来、すなわち、二塩化メン
トキシアルミニウムでは(−)−メントールを、Eu(hf
c)3では(+)−カンファーを由来とする特定の絶対
配置を有するものであるが、それぞれに対応した絶対配
置を有する生成物を得ようとしても、二塩化メントキシ
アルミニウムを用いた場合には工業的に利用可能な光学
純度を有する生成物を得ることができず、実際には
(+)−カンファー由来のEu(hfc)3触媒から得られ
る特定の絶対配置を有する生成物しか得ることができな
かった。しかも、Eu(hfc)3触媒として用いた場合で
も、生成物の光学純度は、最も高い(2R,6S)−2−メ
トキシ−6−メトキシカルボニルジヒドロピランで64%
eeであり、更に高い光学純度を有するジヒドロピラン誘
導体を得る方法が望まれていた。
性部位は、どちらも天然物由来、すなわち、二塩化メン
トキシアルミニウムでは(−)−メントールを、Eu(hf
c)3では(+)−カンファーを由来とする特定の絶対
配置を有するものであるが、それぞれに対応した絶対配
置を有する生成物を得ようとしても、二塩化メントキシ
アルミニウムを用いた場合には工業的に利用可能な光学
純度を有する生成物を得ることができず、実際には
(+)−カンファー由来のEu(hfc)3触媒から得られ
る特定の絶対配置を有する生成物しか得ることができな
かった。しかも、Eu(hfc)3触媒として用いた場合で
も、生成物の光学純度は、最も高い(2R,6S)−2−メ
トキシ−6−メトキシカルボニルジヒドロピランで64%
eeであり、更に高い光学純度を有するジヒドロピラン誘
導体を得る方法が望まれていた。
このような実情において、本発明者らは、前記課題を
解決せんと鋭意研究を行った結果、光学活性なビナフト
ール−チタン錯体を触媒として用いれば、高い光学純度
を有するジヒドロピラン誘導体を効率よく得ることがで
きることを見出し、本発明を完成した。
解決せんと鋭意研究を行った結果、光学活性なビナフト
ール−チタン錯体を触媒として用いれば、高い光学純度
を有するジヒドロピラン誘導体を効率よく得ることがで
きることを見出し、本発明を完成した。
本発明の方法は、次の反応式で示される。
(式中、R1、R2及びR4は前記と同じ意味を有する) すなわち、本発明は、ジエン化合物(II)とグリオキ
シル酸エステル(III)とを、ビナフトール−チタン錯
体(IV)の存在下に反応せしめて光学活性ジヒドロピラ
ン誘導体(I)を製造する方法である。
シル酸エステル(III)とを、ビナフトール−チタン錯
体(IV)の存在下に反応せしめて光学活性ジヒドロピラ
ン誘導体(I)を製造する方法である。
本発明の原料であるジエン化合物(II)の置換基であ
るR1及びR2は、それぞれ水素原子、低級アルキル基又は
基OR3を示し、R3は低級アルキル基又はジ低級アルキル
カルバモイル基を示す。ここで、「低級」とは、炭素数
1〜4の分岐してもよい炭素鎖を意味する。R1及びR
2は、同一あるいは異なる置換基を示すが、ともに水素
原子である場合は目的とする反応が進まないため好まし
くない。ジエン化合物(II)を具体的に例示すれば、2
−メチル−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−1,3−ブタ
ジエン、2−ジエチルアミノカルボニルオキシ−1,3−
ブタジエン、1−メトキシ−1,3−ブタジエン、1−ジ
メチルアミノカルボニルオキシ−1,3−ブタジエン、2
−エトキシ−1,3−ペンタジエン、3−エトキシ−1−
ジメチルアミノカルボニルオキシ−1,3−ブタジエン、
1,3−ジメトキシ−1,3−ブタジエン、1−tert−ブトキ
シ−3−メトキシ−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
るR1及びR2は、それぞれ水素原子、低級アルキル基又は
基OR3を示し、R3は低級アルキル基又はジ低級アルキル
カルバモイル基を示す。ここで、「低級」とは、炭素数
1〜4の分岐してもよい炭素鎖を意味する。R1及びR
2は、同一あるいは異なる置換基を示すが、ともに水素
原子である場合は目的とする反応が進まないため好まし
くない。ジエン化合物(II)を具体的に例示すれば、2
−メチル−1,3−ブタジエン、2−メトキシ−1,3−ブタ
ジエン、2−ジエチルアミノカルボニルオキシ−1,3−
ブタジエン、1−メトキシ−1,3−ブタジエン、1−ジ
メチルアミノカルボニルオキシ−1,3−ブタジエン、2
−エトキシ−1,3−ペンタジエン、3−エトキシ−1−
ジメチルアミノカルボニルオキシ−1,3−ブタジエン、
1,3−ジメトキシ−1,3−ブタジエン、1−tert−ブトキ
シ−3−メトキシ−1,3−ブタジエン等が挙げられる。
また、もう一方の原料であるグリオキシル酸エステル
(III)のR4は低級アルキル基を示し、ここで「低級」
とは前記と同様の意味を有する。グリオキシル酸エステ
ル(III)を具体的に例示すれば、グリオキシル酸メチ
ル、グリオキシル酸エチル、グリオキシル酸イソプロピ
ル、グリオキシル酸t−ブチル等が挙げられ、これら
は、例えばT.ROSS KELLYらの方法〔Synthesis,544−545
頁(1972)〕によって製造される。
(III)のR4は低級アルキル基を示し、ここで「低級」
とは前記と同様の意味を有する。グリオキシル酸エステ
ル(III)を具体的に例示すれば、グリオキシル酸メチ
ル、グリオキシル酸エチル、グリオキシル酸イソプロピ
ル、グリオキシル酸t−ブチル等が挙げられ、これら
は、例えばT.ROSS KELLYらの方法〔Synthesis,544−545
頁(1972)〕によって製造される。
触媒として使用される光学活性ビナフトール−チタン
錯体は次の一般式(IV) (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す) で表わされる。
錯体は次の一般式(IV) (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す) で表わされる。
このビナフトール−チタン錯体(IV)は、例えば特開
平2−40344号公報記載の方法によって調製される。す
なわち、まず四ハロゲン化チタン(ハロゲンは塩素又は
臭素)とテトライソプロポキシチタンをヘキサン中で混
合してジイソプロポキシ−ジハロゲノチタンの結晶を調
製し、これをトルエンに溶解する。別に基質1ミリモル
に対し0.5g以上の量の粉末のモレキュラーシーブ4A(市
販品)を塩化メチレンに加え、これに上で調製したジイ
ソプロポキシ−ジハロゲノチタンのトルエン溶液、次い
でビナフトールを加えて約1時間撹拌すればビナフトー
ル−チタン錯体(IV)を得ることができる。
平2−40344号公報記載の方法によって調製される。す
なわち、まず四ハロゲン化チタン(ハロゲンは塩素又は
臭素)とテトライソプロポキシチタンをヘキサン中で混
合してジイソプロポキシ−ジハロゲノチタンの結晶を調
製し、これをトルエンに溶解する。別に基質1ミリモル
に対し0.5g以上の量の粉末のモレキュラーシーブ4A(市
販品)を塩化メチレンに加え、これに上で調製したジイ
ソプロポキシ−ジハロゲノチタンのトルエン溶液、次い
でビナフトールを加えて約1時間撹拌すればビナフトー
ル−チタン錯体(IV)を得ることができる。
また、ビナフトール−チタン錯体(IV)には、(R)
−ビナフトール又は(S)−ビナフトールから合成され
る(R)体と(S)体が存在し、これらは目的とする生
成物の光学活性ジヒドロピラン誘導体(I)の絶対配置
に応じて使いわけることができる。すなわち、前記一般
式(I)のジヒドロピラン環の6位の不斉炭素におい
て、(R)体を得ようとする時は(R)−(IV)を、
(S)体を得ようとする時は(S)−(IV)を用いれば
よい。このように、本発明によれば、用いる錯体(IV)
の選択によって6位の炭素の絶対配置を自由自在に決定
することができる。更に、置換基R1が水素原子以外の場
合は2位についても不斉炭素となるが、この場合は、用
いる錯体(IV)の絶対配置によって、(R)体もしくは
(S)体のどちらか一方が有利な比率で得られる。
−ビナフトール又は(S)−ビナフトールから合成され
る(R)体と(S)体が存在し、これらは目的とする生
成物の光学活性ジヒドロピラン誘導体(I)の絶対配置
に応じて使いわけることができる。すなわち、前記一般
式(I)のジヒドロピラン環の6位の不斉炭素におい
て、(R)体を得ようとする時は(R)−(IV)を、
(S)体を得ようとする時は(S)−(IV)を用いれば
よい。このように、本発明によれば、用いる錯体(IV)
の選択によって6位の炭素の絶対配置を自由自在に決定
することができる。更に、置換基R1が水素原子以外の場
合は2位についても不斉炭素となるが、この場合は、用
いる錯体(IV)の絶対配置によって、(R)体もしくは
(S)体のどちらか一方が有利な比率で得られる。
本発明方法を実施するには、ビナフトール−チタン錯
体の有機溶媒溶液にジエン化合物(II)及びグリオキシ
ル酸エステル(III)を加えて反応せしめる。
体の有機溶媒溶液にジエン化合物(II)及びグリオキシ
ル酸エステル(III)を加えて反応せしめる。
使用する有機溶媒としては、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、
トルエン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ジメトキシエタン等の非プロトン性溶
媒等が挙げられる。
ルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、
トルエン等の芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ジメトキシエタン等の非プロトン性溶
媒等が挙げられる。
触媒のビナフトール−チタン錯体(IV)は原料(II)
及び(III)に対し0.02〜1モル倍、特に0.05〜0.1モル
倍使用するのが、高い光学収率の生成物を得る上で好ま
しい。また、反応温度は−50℃〜0℃、特に−30℃〜−
10℃が好ましく、反応時間は3〜20時間が好ましい。
及び(III)に対し0.02〜1モル倍、特に0.05〜0.1モル
倍使用するのが、高い光学収率の生成物を得る上で好ま
しい。また、反応温度は−50℃〜0℃、特に−30℃〜−
10℃が好ましく、反応時間は3〜20時間が好ましい。
反応後、反応混合物に炭酸水素ナトリウム水溶液等の
アルカリ剤を加え、ジエチルエーテル、酢酸エチル等の
溶媒で抽出し、乾燥後溶媒を留去し、残留物をシリカゲ
ルカラム等のカラムクロマトグラフィーで精製すれば、
目的とする光学活性ジヒドロピラン誘導体を高収率で得
ることができる。
アルカリ剤を加え、ジエチルエーテル、酢酸エチル等の
溶媒で抽出し、乾燥後溶媒を留去し、残留物をシリカゲ
ルカラム等のカラムクロマトグラフィーで精製すれば、
目的とする光学活性ジヒドロピラン誘導体を高収率で得
ることができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
発明は以下の実施例に限定されるものではない。
尚、実施例中の分析は次の分析機器を用いて行った。1 H核磁気共鳴スペクトル(以下1H−NMRと略す): GEMINI 200型(200MHz)(バイアン社製) 旋光度計:DIP−370型(日本電子株式会社製) 実施例1 予め、アルゴン置換を行った50mlのシュレンク管に、
テトライソプロポキシチタン2.98ml(10ミリモル)とヘ
キサン5mlを加え、これに四塩化チタン1.10ml(10ミリ
モル)を加え、室温で10分間撹拌した。その後、室温で
3時間放置し白色の結晶を沈殿させた。溶媒をシリンジ
で抜取り、ヘキサン5mlを加え再結晶を行った。この操
作を2回繰り返し、減圧下で乾燥すると白色のジイソプ
ロポキシジクロロチタンが3.09g得られた。これに、ト
ルエン43mlを加えて、0.3Nの溶液を調製した。
テトライソプロポキシチタン2.98ml(10ミリモル)とヘ
キサン5mlを加え、これに四塩化チタン1.10ml(10ミリ
モル)を加え、室温で10分間撹拌した。その後、室温で
3時間放置し白色の結晶を沈殿させた。溶媒をシリンジ
で抜取り、ヘキサン5mlを加え再結晶を行った。この操
作を2回繰り返し、減圧下で乾燥すると白色のジイソプ
ロポキシジクロロチタンが3.09g得られた。これに、ト
ルエン43mlを加えて、0.3Nの溶液を調製した。
一方、25mlのフラスコにモレキュラーシーブ4A(アル
ドリッチ社製)の粉末を0.5g入れ、アルゴン置換を充分
行った後、塩化メチレン5mlを加え、更に上記で調製し
たジイソプロポキシジクロロチタンのトルエン溶液を0.
33ml(0.1ミリモル)、(R)−ビナフトール28.6mg
(0.1ミリモル)を加え、室温で1時間撹拌し、(R)
−ビナフトール−ジクロロチタン錯体を調製した。
ドリッチ社製)の粉末を0.5g入れ、アルゴン置換を充分
行った後、塩化メチレン5mlを加え、更に上記で調製し
たジイソプロポキシジクロロチタンのトルエン溶液を0.
33ml(0.1ミリモル)、(R)−ビナフトール28.6mg
(0.1ミリモル)を加え、室温で1時間撹拌し、(R)
−ビナフトール−ジクロロチタン錯体を調製した。
この溶液をドライアイス−アセトン浴で−70℃に冷却
した後、グリオキシル酸メチル88mg(1ミリモル)を加
え、更に、1−メトキシ−1,3−ブタジエンを0.168g
(2ミリモル)加えた。−30℃で3時間反応した後、炭
酸水素ナトリウム水溶液10mlを加え反応を停止し、セラ
イトで濾過し、ジエチルエーテル20mlで1回、酢酸エチ
ルで2回抽出を行い無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(200メッシュ、展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=10:
1)で精製し、目的とする光学活性な2−メトキシ−6
−メトキシカルボニル−5,6−ジヒドロピランを0.12g
(収率79%)得た。
した後、グリオキシル酸メチル88mg(1ミリモル)を加
え、更に、1−メトキシ−1,3−ブタジエンを0.168g
(2ミリモル)加えた。−30℃で3時間反応した後、炭
酸水素ナトリウム水溶液10mlを加え反応を停止し、セラ
イトで濾過し、ジエチルエーテル20mlで1回、酢酸エチ
ルで2回抽出を行い無水硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(200メッシュ、展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=10:
1)で精製し、目的とする光学活性な2−メトキシ−6
−メトキシカルボニル−5,6−ジヒドロピランを0.12g
(収率79%)得た。
1H−NMRの結果より、シス体:トランス体の生成比
は、78:22であった。1 H−NMR(CDCl3)δppm; シス体:2.3−2.6(m,1H),3.49(s,3H),3.77(s,3
H),4.41(t,J=6.0Hz,1H),5.03(m,1H),5.69(m,1
H),6.04(m,1H) トランス体:2.3−2.4(m,1H),3.46(s,3H),3.81
(s,3H),4.52(dd,J=7.4Hz,J=8.4Hz,1H),4.99(m,1
H),5.77(m,1H),6.04(m,1H) 生成物の光学純度は、光学活性なシフト試薬(+)−
Eu(DPPM)3〔(+)−トリス〔ジ(ペルフルオロ−2
−プロポキシプロピオニル)メタナート〕ユウロピウム
(III)、第一化学薬品株式会社製)〕を用いて、1H+N
MR分析により測定したところ、シス体94%ee、トランス
体90%eeであった。
は、78:22であった。1 H−NMR(CDCl3)δppm; シス体:2.3−2.6(m,1H),3.49(s,3H),3.77(s,3
H),4.41(t,J=6.0Hz,1H),5.03(m,1H),5.69(m,1
H),6.04(m,1H) トランス体:2.3−2.4(m,1H),3.46(s,3H),3.81
(s,3H),4.52(dd,J=7.4Hz,J=8.4Hz,1H),4.99(m,1
H),5.77(m,1H),6.04(m,1H) 生成物の光学純度は、光学活性なシフト試薬(+)−
Eu(DPPM)3〔(+)−トリス〔ジ(ペルフルオロ−2
−プロポキシプロピオニル)メタナート〕ユウロピウム
(III)、第一化学薬品株式会社製)〕を用いて、1H+N
MR分析により測定したところ、シス体94%ee、トランス
体90%eeであった。
絶対配置は、まず、生成物のジヒドロピラン誘導体を
メタノール中で塩酸を触媒として95%トランス体に異性
化した後、ジエチルエーテル中で水素化アルミニウムリ
チウムを用いてエステルをアルコールとし、次いで、メ
タノール中で二酸化白金を用いて二重結合を水素化して
トランス−6−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−3,4,
5,6−テトラヒドロピランに導いて旋光度を測定するこ
とにより決定した。すなわち、J.Jurczakら:J.Chem.So
c.,Chem.Commun.,540−542頁(1983)記載の(2S,6S)
−6−ヒドロキシメチル−2−メトキシテトラヒドロピ
ランの旋光度は▲〔α〕20 D▼=+129.7゜(c=4.3,ベ
ンゼン)であり、本実施例の実測値は▲〔α〕20 D▼=
−119.9゜(c=1.07,ベンゼン)であったことより、ト
ランス体は(2R,6R)体、一方のシス体は(2S,6R)体と
決定した。
メタノール中で塩酸を触媒として95%トランス体に異性
化した後、ジエチルエーテル中で水素化アルミニウムリ
チウムを用いてエステルをアルコールとし、次いで、メ
タノール中で二酸化白金を用いて二重結合を水素化して
トランス−6−ヒドロキシメチル−2−メトキシ−3,4,
5,6−テトラヒドロピランに導いて旋光度を測定するこ
とにより決定した。すなわち、J.Jurczakら:J.Chem.So
c.,Chem.Commun.,540−542頁(1983)記載の(2S,6S)
−6−ヒドロキシメチル−2−メトキシテトラヒドロピ
ランの旋光度は▲〔α〕20 D▼=+129.7゜(c=4.3,ベ
ンゼン)であり、本実施例の実測値は▲〔α〕20 D▼=
−119.9゜(c=1.07,ベンゼン)であったことより、ト
ランス体は(2R,6R)体、一方のシス体は(2S,6R)体と
決定した。
実施例2 実施例1と同様の試薬量及び操作により(R)−ビナ
フトール−ジクロロチタン錯体の溶液を得、このものを
ドライアイス−アセトン浴で−70℃に冷却した後、グリ
オキシル酸メチル88mg(1ミリモル)を加え、更に、2
−メチル−1,3−ブタジエン136mg(2ミリモル)を加え
た。−30℃で3時間反応した後、炭酸水素ナトリウム水
溶液10mlを加え反応を停止し、セライト上で濾過し、ジ
エチルエーテル20mlで1回、酢酸エチル20mlで2回抽出
を行い無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(200メッシ
ュ、展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製
し、目的とする光学活性な(6R)−6−メトキシカルボ
ニル−4−メチル−5,6−ジヒドロピランを34mg(収率2
2%)得た。1 H−NMR(CDCl3)δppm; 1.71(s,3H),2.19(dd,J=16.5Hz,J=4.1Hz,1H),2.
28(dd,J=16.5Hz,J=9.6Hz,1H),3.77(s,3H),4.18
(d,J=16.0Hz,1H),4.20(dd,J=4.1Hz,J=9.6Hz,1
H),4.31(d,J=16.0Hz,1H),5.41(m,1H) 光学純度;96%ee 実施例3 実施例1と同様の試薬量及び操作により(R)−ビナ
フトール−ジクロロチタン錯体の溶液を得、このものを
ドライアイス−アセトン浴で−70℃に冷却した後、グリ
オキシル酸メチル88mg(1ミリモル)を加え、更に、1
−ジメチルアミノカルボニルオキシ−1,3−ブタジエン2
82mg(2ミリモル)を加えた。−30℃で10時間反応した
後、炭酸水素ナトリウム水溶液10mlを加え反応を停止
し、セライト上で濾過し、ジエチルエーテル20mlで1
回、酢酸エチル20mlで2回抽出を行い無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(200メッシュ、展開溶媒はヘキサン:
酢酸エチル=10:1)で精製し、目的とする光学活性な6
−メトキシカルボニル−2−ジメチルアミノカルボニル
オキシ−5,6−ジヒドロピラン82mg(収率36%)得た。
フトール−ジクロロチタン錯体の溶液を得、このものを
ドライアイス−アセトン浴で−70℃に冷却した後、グリ
オキシル酸メチル88mg(1ミリモル)を加え、更に、2
−メチル−1,3−ブタジエン136mg(2ミリモル)を加え
た。−30℃で3時間反応した後、炭酸水素ナトリウム水
溶液10mlを加え反応を停止し、セライト上で濾過し、ジ
エチルエーテル20mlで1回、酢酸エチル20mlで2回抽出
を行い無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(200メッシ
ュ、展開溶媒はヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製
し、目的とする光学活性な(6R)−6−メトキシカルボ
ニル−4−メチル−5,6−ジヒドロピランを34mg(収率2
2%)得た。1 H−NMR(CDCl3)δppm; 1.71(s,3H),2.19(dd,J=16.5Hz,J=4.1Hz,1H),2.
28(dd,J=16.5Hz,J=9.6Hz,1H),3.77(s,3H),4.18
(d,J=16.0Hz,1H),4.20(dd,J=4.1Hz,J=9.6Hz,1
H),4.31(d,J=16.0Hz,1H),5.41(m,1H) 光学純度;96%ee 実施例3 実施例1と同様の試薬量及び操作により(R)−ビナ
フトール−ジクロロチタン錯体の溶液を得、このものを
ドライアイス−アセトン浴で−70℃に冷却した後、グリ
オキシル酸メチル88mg(1ミリモル)を加え、更に、1
−ジメチルアミノカルボニルオキシ−1,3−ブタジエン2
82mg(2ミリモル)を加えた。−30℃で10時間反応した
後、炭酸水素ナトリウム水溶液10mlを加え反応を停止
し、セライト上で濾過し、ジエチルエーテル20mlで1
回、酢酸エチル20mlで2回抽出を行い無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(200メッシュ、展開溶媒はヘキサン:
酢酸エチル=10:1)で精製し、目的とする光学活性な6
−メトキシカルボニル−2−ジメチルアミノカルボニル
オキシ−5,6−ジヒドロピラン82mg(収率36%)得た。
1H−NMRの結果より、シス体:トランス体の生成比
は、97:3であった。1 H−NMR(CDCl3)δppm; シス体:2.91(s,3H),2.93(s,3H),2.97(m,2H),3.
79(s,3H),4.51(dd,J=5.0Hz,J=10.1Hz,1H),5.80
(m,1H),6.11(m,1H),6.36(m,1H) トランス体:2.91(s,3H),2.93(s,3H),2.97(m,2
H),3.79(s,3H),4.65(m,1H),5.80(m,1H),6.11
(m,1H),6.36(m,1H) 光学純度; シス体(2S,6R)体:88%ee トランス体は収量がごくわずかであるため測定不能。
は、97:3であった。1 H−NMR(CDCl3)δppm; シス体:2.91(s,3H),2.93(s,3H),2.97(m,2H),3.
79(s,3H),4.51(dd,J=5.0Hz,J=10.1Hz,1H),5.80
(m,1H),6.11(m,1H),6.36(m,1H) トランス体:2.91(s,3H),2.93(s,3H),2.97(m,2
H),3.79(s,3H),4.65(m,1H),5.80(m,1H),6.11
(m,1H),6.36(m,1H) 光学純度; シス体(2S,6R)体:88%ee トランス体は収量がごくわずかであるため測定不能。
本発明は、触媒として光学活性なビナフトール−チタ
ン錯体を使用することにより、ジエン化合物とグリオキ
シル酸エステルとから高い光学純度で光学活性ジヒドロ
ピラン誘導体を製造することができる工業的に優れた方
法である。
ン錯体を使用することにより、ジエン化合物とグリオキ
シル酸エステルとから高い光学純度で光学活性ジヒドロ
ピラン誘導体を製造することができる工業的に優れた方
法である。
Claims (1)
- 【請求項1】一般式(II) (式中、R1及びR2はそれぞれ水素原子、低級アルキル基
又はOR3基(但し、R3は低級アルキル基又はジ低級アル
キルカルバモイル基)を示す。但し、R1及びR2が共に水
素原子となることはない) で表わされるジエン化合物と、一般式(III)、 (式中、R4は低級アルキル基を示す) で表わされるグリオキシル酸エステルとを、式(IV)、 (式中、Xは塩素原子又は臭素原子を示す) で表わされるビナフトール−チタン錯体の存在下に反応
せしめることを特徴とする一般紙(I) (式中、R1、R2及びR4は前記と同じ意味を有する) で表わされる光学活性ジヒドロピラン誘導体の製造法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2235102A JP2711754B2 (ja) | 1990-09-05 | 1990-09-05 | 光学活性ジヒドロピラン誘導体の製造法 |
US07/668,656 US5155240A (en) | 1990-09-05 | 1991-03-13 | Process for producing optically active dihydropyran derivative |
CA002038243A CA2038243A1 (en) | 1990-09-05 | 1991-03-14 | Process for producing optically active dihydropyran derivative |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2235102A JP2711754B2 (ja) | 1990-09-05 | 1990-09-05 | 光学活性ジヒドロピラン誘導体の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04117375A JPH04117375A (ja) | 1992-04-17 |
JP2711754B2 true JP2711754B2 (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16981089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2235102A Expired - Fee Related JP2711754B2 (ja) | 1990-09-05 | 1990-09-05 | 光学活性ジヒドロピラン誘導体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2711754B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5276339B2 (ja) * | 2008-03-11 | 2013-08-28 | 東ソー・ファインケム株式会社 | ジヒドロピラン化合物の製造方法 |
-
1990
- 1990-09-05 JP JP2235102A patent/JP2711754B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04117375A (ja) | 1992-04-17 |
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