JP2780828B2 - ポリエーテル抗生物質mi215―nf3物質及びその製造法、並びに鶏のコクシジウム症の防除剤 - Google Patents
ポリエーテル抗生物質mi215―nf3物質及びその製造法、並びに鶏のコクシジウム症の防除剤Info
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Description
の塩に関し、またMI215−NF3物質又はその塩の製造法に
関する。さらに本発明はMI215−NF3物質又はその塩を有
効成分とする鶏のコクシジウム症の防除剤に関する。ま
た、本発明は新規な微生物であってMI215−NF3物質を生
産できる特性をもつアクチノマジュラsp.MI215−NF3株
に関する。
とが知られている。また、ポリエーテル系抗生物質に属
するモネンシン(特公昭45−113号公報参照)あるいは
サリノマイシン(「ザ・ジャーナル・オブ・アンティビ
オティクス」27巻814〜821頁参照)などは、鶏のコクシ
ジウム症の防除剤として使用されている。
従来知られるまたは使用されている既知の化合物より優
れた抗コクシジウム活性と性質を示す新しい化合物を発
見または創製することは常に要望されており、そのため
の研究が行なわれている。
く研究を行い、その結果アクチノマジュラ(Actinomadu
ra)属に属する新規な菌株を分離することに成功し、ま
たこの菌株が新しいポリエーテル系抗生物質を産生する
ことを見い出し、これをMI215−NF3物質と命名した。そ
して、このMI215−NF3物質又はその塩(カルボキシレー
ト)が鶏のコクシジウム症の防除活性を示すことも見出
した。さらに研究を続け、MI215−NF3物質の化学構造を
決定して新規化合物であることを確認し、また後記の式
(I)より表わせることを知見した。
a)属に属する微生物を培養して得られて、本発明者ら
によりMI215−NF3物質と命名された物質及びその塩、並
びにその製造法、また更に鶏のコクシジウム症の防除剤
としての用途を提供するものである。
有するMI215−NF3物質及びその塩が提供される。
(I)のRが水素原子である場合〕であるが、あるいは
式(I)のRが一般的には金属又はアンモニウム基であ
ることができるので、MI215−NF3物質の塩も本発明は包
含する。この塩はアルカリ金属塩の形〔式(I)のRが
アルカリ金属原子である場合〕、例えば、ナトリウム
塩、カリウム塩又はリチウム塩であることもでき、ある
いはアルカリ土類金属塩の形〔式(I)のRがアルカリ
土類金属原子である場合〕、例えばカルシウム塩又はマ
グネシウム塩であることができ、また他の金属塩、例え
ばアルミニウム塩、鉄塩であることができ、更にアンモ
ニウム塩であることができる。
りである。
を示す。
測定したプロトンNMRスペクトルは、添付図面の第2図
に示す通りである。
タノール、メタノールに可溶であるが水に不溶である。
りである。
を示す。
抗菌スペクトルはそれ自体公知の手法で寒天培地上で倍
数希釈法によって測定した。その結果を第1表に示す。
験するに当って、10%ジメチルスルホキシド含有の生理
食塩水にMI215−NF3物質を懸濁し、その懸濁液を腹腔内
注射し、マウスを14日間観察した。その結果、MI215−N
F3物質のLD50値は56mg/kgであると推定された。
活性を以下に示す通り試験した。
2週令のヒナを試験に使用した。
きが少ないように選定して10羽/群とした。
て経口投与した。
を無添加のもの)に一定量のMI215−NF3物質(ナトリウ
ム塩)を混合含有させた飼料を自由に摂取させた。な
お、飲水も自由に摂取させた。
のオーシスト数および便の状態を観察した。
ける病変巣を肉眼検査した。
盲腸懸濁液を作製し、懸濁液中のオーシスト数を算出し
た。
ク社の提案する評価方法によるACI(Anticoccidial Ind
ex)の値を評定した。
試験期間中の各群ヒナの増体率、およびACIの計算に用
いる相対増体率は次式によって算出する。
眼検査した結果を指数化した値であり、またオーシスト
値とは、実測したオーシスト数を指数化した値である。
ACIの値の評定方法の詳細は、例えば文献「鶏コクシジ
ウム症」95〜101頁、角田清監修(チクサン出版社、昭
和58年5月発行)に記載されてある。
その塩は鶏のコクシジウム症に対する防除剤として実用
できる。
属する前記の式(I)のMI215−NF3物質の生産菌を培養
し、培養物からMI215−NF3物質又はその塩を採取するこ
とを特徴とする抗生物質MI215−NF3物質又はその塩の製
造法が提供される。
学的諸性質は次の通りである。
化学的性質および生物学的性質を有する抗生物質を生産
する能力を有するものであれば、その種を問わず使用で
き、広範な微生物から選ぶことができる。かかる微生物
のうち、MI215−NF3物質生産菌の具体的な好適の一例
は、本発明者らにより東京郡文京区の土壌より分離され
た放線菌で、MI215−NF3の菌株番号が付された菌株であ
る。
る。
る。基中菌糸の分断は認められない。気菌糸上に胞子鎖
を形成し、かぎ又はらせん状を呈する。成熟した胞子の
連鎖は通常7〜15個、胞子は卵円形(約0.7×1.0〜1.2
ミクロン)を呈し、その表面はいぼ状である。なお、輪
生枝および胞子のうは観察されない。
ー・コーポレーション・オブ・アメリカのカラー・ハー
モニー・マニュアル(Container Corporation of Ameri
caのcolor harmony manual)を用いた。
気菌糸をうっすらと着生する。溶解性色素は認められな
い。
〔4ng,Lt Brown〕の発育上に、白の気菌糸をわずかに着
生する。溶解性色素はやゝ黄色味を帯びる。
5,30℃培養) うす黄〜うす黄茶〔2le,Mustard〜3le,Cinnamon〕の
発育上に、白〜灰白〔2dc,Natural〕の気菌糸をうっす
らと着生する。溶解性色素は、培養後21日目頃よりかす
かに黄茶を帯びる程度である。
養) うす黄〜うす黄茶〔3ng,Yello Maple〕〜黄茶〔3pi,G
olden Brown〕の発育上に、ピンク白〔5ba,Shell Pin
k〕〜灰白〔2dc,Natural〕の気菌糸を着生する。溶解性
色素は、かすかに黄色味を帯びる。
love Brown〕の発育上に、黄味灰〔1dc,Putty〜lec,Lt
Citron Gray〕の気菌糸を着生する。溶解性色素は、か
すかに黄色味を帯びる程度である。
own〕の発育上に、白の気菌糸を部分的に着生する。溶
解性色素は、ごくかすかに黄色味を帯びる。
養) うす黄茶〔2le,Mustard〕〜灰味黄茶〔2nl,Covert Br
own〕の発育上に、白〜茶白の気菌糸を着生する。溶解
性色素は、かすかに茶色味を帯びる。
low Maple〕の発育上に、白〜ピンク白〔5ba,Shell Pin
k〜7ba,Pink Tint〕の気菌糸を着生する。溶解性色素
は、かすかに黄色味を帯びる。
に、白〜ピンク白〔5ba,Shell Pink〕の気菌糸を着生す
る。溶解性色素は、かすかに黄色味を帯びる程度であ
る。
wn〕の発育上に、白の気菌糸をわずかに着生する。溶解
性色素は認められない。
Pink〕の気菌糸を着生する。溶解性色素は認められな
い。
色素は認められない。
黄、気菌糸は着生せず、溶解性色素は認められない。グ
ルコース・ペプトン・ゼラチン培地(27℃培養)の場
合、発育はうす黄、気菌糸は着生せず、溶解性色素も認
められない。
色素は培養後18日目頃よりかすかに茶色味を帯びる程度
である。
0℃、24℃、27℃、30℃、37℃、50℃の各温度で試験の
結果、50℃を除いて、いずれの温度でも生育した。生育
至適温度は30℃付近である。
養;グルコース・ペプトン・ゼラチン培地,27℃培養) 単純ゼラチン培地において、培養後11日目頃より液化
が始まるが、その作用は弱い方である。グルコース・ペ
プトン・ゼラチン培地の場合、培養後5日目頃より液化
が認められ、その作用は中等度〜弱い方である。
地,ISP−培地4,およびスターチ寒天培地,いずれも30℃
培養) いずれの培地においても水解性が認められ、その作用
は中等度である。
養) 培養後5日目頃より、凝固状を呈し、ただちに完了
後、ペプトン化が始まる。ペプトン化の進度はゆっくり
で、3週間観察で未完了であった。
ブロス,ISP−培地1;ペプトン・イースト・鉄寒天培地,I
SP−培地6;チロシン寒天培地,ISP−培地7;いずれも30℃
培養) トリプトン・イースト・ブロスおよびチロシン寒天培
地では、陰性、ペプトン・イースト鉄寒天培地では陽性
と思われる。
地,ISP−培地9,30℃培養) L−アラビノース、D−キシロース、D−グルコー
ス、D−フラクトース、ラムノース、D−マンニトール
を利用して生育し、シュクロース、イノシトール、ラフ
ィノース、ラクトースは利用しない。
℃培養) リンゴ酸石灰の溶解は認められない。
トン水,ISP−培地8、30℃培養) 陽性である。
養) 陰性である。
にかぎ又はらせん状の胞子鎖を形成し、胞子の連鎖は7
〜15個を数える。胞子の表面はいぼ状である。輪生枝お
よび胞子のうは認められない。また、基中菌糸の分断も
みられない。種々の培地で、うす黄〜うす黄茶〜灰味黄
茶の発育上に、白〜灰白、あるいはピンク白の基菌糸を
着生する。溶解性色素はかすかに黄色味を帯びる。
ロスおよびチロシン寒天培地で陰性を示し、ペプトン・
イースト・鉄寒天培地で陽性を示す。蛋白分解力は中等
度〜弱い方、スターチの水解性は中等度である。又、硝
酸塩の還元反応は陽性である。
にメソ−ジアミノピメリン酸、および糖成分として、グ
ルコース、ガラクトース、マジュロース、リボースを有
し、リシバリエら(Lechevalier et al,「Internationa
l Journal of Systematic Bacteriology」20巻,435頁,1
970年)の提唱する細胞壁の主要構成成分のタイプIII B
を示した。また、リン脂質はPI型(ホスファチジルエタ
ノールアミン、ホスファチジルメチルエタノールアミ
ン、ホスファチジルコリンおよび未知のグルコサミン含
有リン脂質を含まず、ホスファチジルイノシトール、ホ
スファチジルイノシトールマンノシドを含む)。メナキ
ノンの組成はMK−9(H6)、MK−9(H8)および少量の
MK−9(H4)である。
tinomadura)属に属する放線菌と考えられる。アクチノ
マジュラ属の既知菌種より、MI215−NF3株に類似の種を
検索すると、形態、メナキノン組成等の点で、アクチノ
マジュラ・シトレア(Actinomadura citrea,文献1「An
tibiotiki」17巻,965〜970頁,1972年;及び文献2「Sys
tematic&Applied Microbiology」6巻,264〜270頁,198
5年)があげられる。すなわち、かぎ又はらせん状を呈
する胞子鎖、いぼ状の胞子表面、種々の培地での黄色の
溶解性色素、および菌体のメナキノン組成がMK−9
(H6)、MK−9(H8)を示す点でよく類似している。し
かし、文献上では不明の点が多く、アクチノマジュラ・
シトレアの標準菌株を入手し比較実験を行なう予定であ
る。これらの事から、現時点ではMI215−NF3株をアクチ
ノマジュラ・エスピー(Actinomadura sp.)MI215−NF3
と命名する。なお、MI215−NF3株は、日本国茨城県つく
ば市にある通産省工業技術院微生物工業技術研究所に昭
和63年11月22日寄託申請し、微工研菌寄 第10397号と
して受託されたが、現在はブタペスト条約の規定の下に
寄託番号「FERM BP−2675」として寄託してある。
通り行われる。
産菌を栄養培地中で27〜30℃の温度で好気的深部条件下
に撹拌しながら培養して行うのが好ましい。このような
目的に用いる栄養培地は砂糖、でんぷん、グリセリンお
よび糖みつのような資化性炭素源、コーン・スチープ・
リカー、大豆粉、綿実粉、ペプトン、肉エキスおよびホ
ップかすのような有機窒素源、硫酸アンモニウム、硝酸
アンモニウムおよび塩化アンモニウムのような無機窒素
源を含有することができる。発酵の間に過剰の泡立ちが
生じた場合、植物油またはシリコーンのような消泡剤を
発酵培地に加えることができる。発酵中の培地のpHが変
化したら炭酸カルシウムのような緩衝剤を加えてもよ
い。深部培養用タンク中の培地の通気は1分間当りブロ
スの1容量に対し新鮮な空気の約1/2ないし2容量の割
合を維持するのが好ましい。撹拌は発酵工業において一
般によく知られた撹拌手段によって行なわれる。
地上、MI215−NF3株の斜面培養から得た生育物を使用す
る。この生育物は振とうフラスコまたは種母タンクのい
ずれかに接種する場合にも使用でき、あるいは種母タン
クに振とうフラスコからの生育物を接種してもよい。
達する。しかし使用する装置、通気速度、撹拌速度等に
よって使用菌が最高の生育に達する速度は変化する。一
般に、発酵は充分な抗菌活性が培地に付与されるまで続
ける。この培養液中のMI215−NF3物質の力価の経時変化
はスタフィロコッカス・アウレウス・スミスを試験菌と
する円筒平板評価法により測定できる。
培養物からMI215−NF3物質を採取するが、採取法として
は微生物の生産する代謝産物を採取するのに通常用いら
れる手段を適宜利用することから成る。たとえば不純物
との溶解性の差を利用する手段、各種吸着剤に対する吸
着親和性の差を利用する手段、水と混ざらない溶媒によ
る抽出などが単独あるいは組み合わせて利用してMI215
−NF3物質を採取できる。原則的には、下記の方法によ
る採取法が好ましい。すなわち、培養物から菌体を濾取
または遠心法により分離し、得られる培養濾液から、水
と混和しない有機溶媒例えば酢酸n−ブチル、酢酸エチ
ル等で抽出し、その後、水洗し、有機溶媒を蒸発乾固す
る。この乾固物は通常10%前後の量でMI215−NF3物質が
含有される。更にこの乾固物として得られた粗製のMI21
5−NF3物質の純度を高めるために、シリカゲル系のカラ
ムクロマトグラフィーによる精製にかけ純度95%以上の
MI215−NF3物質を得ることができる。以上の方法で得ら
れるMI215−NF3物質はナトリウム、カリウム等の塩、若
しくは遊離カルボン酸の形であるが、公知の方法で単一
の塩とすることができる。例えば本MI215−NF3物質を酢
酸エチルに溶解させ、1モル塩酸水、飽和炭酸ナトリウ
ム溶液で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで有機溶媒層
を乾燥した後、濃縮乾固し、酢酸エチル−ヘキサンで結
晶化させると、MI215−NF3物質のナトリウム塩が無色板
状結晶として得られる。
トリウム塩)は、例えばこれを酢酸エチル又はメタノー
ルの如き有機溶媒に溶解させ、その溶液に強酸性イオン
交換樹脂(H+型)を加えて処理すると、遊離カルボン酸
の形のMI215−NF3物質が生成できる。この遊離酸の形の
MI215−NF3物質を例えば、有機溶媒中で塩基性のアルカ
リ金属無機塩、例えば炭酸ナトリウム又は炭酸カリウム
の水溶液、あるいは塩基性水溶性アルカリ土類金属化合
物、例えば水酸化カルシウム又は水酸化マグネシウムで
処理すると、対応するアルカリ金属塩の形又はアルカリ
土類金属塩の形のMI215−NF3物質が生成できる。また同
様に、その他の金属塩例えば水酸化アルミニウム又は水
酸化第2鉄で処理して相当するアルミニウム塩又は鉄塩
を調製することができる。
5−NF3物質又はその塩を有効成分として含有する鶏コク
シジウム症の防除剤が提供される。
としてのMI215−NF3物質又はその塩は、同様な用途の既
知薬剤におけると同様に、動物医療上許容できる公知の
担体、例えば澱粉、セルローズ粉末、木粉、あるいはエ
タノール等若しくは食餌材料と混和できる。担体と混和
して得られた組成物中のMI215−NF3物質又はその塩の量
はコクシジウム症を治療するに有効である50〜100ppmの
濃度であることができる。本発明のコクシジウム症防除
剤はMI215−NF3物質又はその塩を適当な有機溶媒にとか
した溶液若しくは含水有機溶媒に懸濁した濃厚原液又は
分散液の形であることもできる。このような溶液又は分
散液を飼料に添加して、飼料中の有効成分物質の濃度が
50〜100ppmになるようにする。
(I)の抗生物質を生産できる有用で新規な微生物とし
て、アクチノマジュラ・エスピーMI215−NF3株が提供さ
れる。
215−NF3株(FERM BP−2675)の斜面培養物の菌体を110
ml種母培地(ガラクトース2%、化学用デキストリン2
%、ソイペプトン1%、コーン・スチープ・リカー0.5
%、硫酸アンモニウム0.2%、炭酸カルシウム0.2%より
なり、pH7.4)を含む500ml容ロータリーフラスコに接種
し、30℃、144時間、回転シェーカー上で培養した。得
られた培養液を主培養用の培地(グリセリン1.5%、可
溶性でん粉1.5%、大豆粉0.5%、魚粉1.5%、炭酸カル
シウム0.2%よりなり、pH7.4)5を110mlずつに分注
した500ml容ロータリーフラスコに3重量%の割合で接
種した。接種された培地を27℃、144時間、毎分180回転
の回転シェーカー上で培養した。得られた培養物から菌
体を濾取し、得られた培養濾液約4を酢酸エチル3
で抽出後、抽出液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
する。乾燥された酢酸エチル溶液から不溶部を濾別し、
濾液を蒸発乾固する。残査を酢酸エチル100mlに溶解さ
せ、再度不溶部を濾別し、濾液を蒸発乾固しMI215−NF3
物質の粗製物2.4gを得た。
ホルムに溶かし、メルク社製シリカゲルのキーゼルゲル
60(150g)をクロロホルム中で充填したカラム・クロマ
トグラフィーにかけ、クロロホルム/アセトン(5:1)
を展開溶媒として溶出する。MI215−NF3物質は溶出液の
画分1600ml〜3700mlに溶出する。活性画分から減圧下に
溶媒を留去した後、残査を酢酸エチル90mlに溶解させ、
0.1モル塩酸水、0.1モル水酸化ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で順次洗浄してから無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。その後、溶液を減圧下に蒸留して溶媒を留去すると
255mgのオイル状物質を得た。得られたオイルをヘキサ
ン、酢酸エチルで結晶化させ、MI215−NF3物質のナトリ
ウム塩を無色板状結晶232mgとして得た。
00mlに溶解し、水10mlを加え、塩酸でpH3.0に調整後、
振盪抽出をしてクロロホルム層を得た。クロロホルム層
は水洗後、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮乾固して
遊離カルボン酸の形のMI215−NF3物質の196mgを得た。
に水酸化アルミニウム2.5%サスペンジョンの0.3mlを添
加し、室温で18時間反応後、100mlの水を加え、100mlの
クロロホルムで2回抽出した。クロロホルム層は水洗、
脱水操作後に濃縮乾固してMI215−NF3物質のアルミニウ
ム塩の19.8mgを得た。
は、鶏のコクシジウム症の防除剤として有用である。そ
して治療しうる鶏の種類は特定のものに限られない。ま
た、従来使用されているコクシジウム治療用抗生物質例
えばモネンシン又はサリノマイシンと比べて本発明に係
る抗生物質MI215−NF3物質又はその塩は小薬量でより有
効である。
測定した赤外線吸収スペクトルである。第2図はMI215
−NF3物質ナトリウム塩の重クロロホルム中にて室温で
測定した400MHzにおけるプロトン核磁気共鳴スペクトル
である。
Claims (5)
- 【請求項1】次の式(I) (式中、Rは水素原子である)を有する抗生物質MI215
−NF3物質及び式(I)におけるRが金属又はアンモニ
ウム基である場合のMI215−NF3物質の塩。 - 【請求項2】式(I)におけるRがアルカリ金属、アル
カリ土類金属又はその他の金属あるいはアンモニウム基
である請求項1記載のMI215−NF3物質の塩。 - 【請求項3】アクチノマジュラに属する請求項1に記載
の式(I)のMI215−NF3物質又はその塩の生産菌を培養
し、培養物からMI215−NF3物質又はその塩を採取するこ
とを特徴とする抗生物質MI215−NF3物質又はその塩の製
造方法。 - 【請求項4】請求項1に記載の式(I)のMI215−NF3物
質又はその塩を有効成分として含有することを特徴とす
る、鶏のコクシジウム症の防除剤。 - 【請求項5】請求項1に記載の式(I)のMI215−NF3物
質を生産する特性をもつアクチノマジュラsp.MI215−NF
3株。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP1336372A JP2780828B2 (ja) | 1988-12-29 | 1989-12-27 | ポリエーテル抗生物質mi215―nf3物質及びその製造法、並びに鶏のコクシジウム症の防除剤 |
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JP33533088 | 1988-12-29 | ||
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Publication Number | Publication Date |
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1989
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