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JP2531457B2 - 移動通信システム - Google Patents

移動通信システム

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JP2531457B2
JP2531457B2 JP28380593A JP28380593A JP2531457B2 JP 2531457 B2 JP2531457 B2 JP 2531457B2 JP 28380593 A JP28380593 A JP 28380593A JP 28380593 A JP28380593 A JP 28380593A JP 2531457 B2 JP2531457 B2 JP 2531457B2
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敏仁 金井
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NEC Corp
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Nippon Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセルラー方式の移動通信
システムに関し、特にダイナミックチャネル割当て方式
を採用する移動通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車電話システムのような大容量の移
動通信システムでは、サービスエリアを複数の基地局に
よりカバーし、また、干渉妨害の発生しない基地局間で
は同一の無線通話チャネル(以下、チャネルと略称す
る)を繰返し利用してチャネルの有効利用を図ってい
る。このような移動通信システムはセルラー方式と呼ば
れている。
【0003】上記各基地局の各各で使用するチャネルの
割当て方式には、大きく分けて二通りの方式がある。一
つの方式は、伝搬特性の予測結果から予め干渉妨害が発
生しないように各基地局の使用チャネルを固定的に割当
てる固定チャネル割当て方式であり、現行の自動車電話
システムで採用されている方式である。もう一つの方式
は、干渉妨害が発生しないチャネルを通信毎に選んで使
用するダイナミックチャネル割当て方式である。ダイナ
ミックチャネル割当て方式は、制御方式や装置構成が複
雑になるものの、干渉妨害が発生しない限りどのチャネ
ルも自由に使用出来るために、固定チャネル割当て方式
に比べて収容可能な加入者数が多いという利点があり、
自動車電話システムにおいてもその採用が検討されてい
る。
【0004】上記ダイナミックチャネル割当て方式の一
つがオウトノマス・リユース・パーティショニング(A
utonomous Reuse Partition
ing)(以下、ARPと略称する)方式である。この
ARP方式は、プロシーディングス・オブ・アイイーイ
ーイー・ビィヒィーキュラ・テクノロジィ・ソサエティ
(Proceedings of IEEE Vehi
cular Technology Societ
y),第42回,ブイテイエス・コンファレンス(VT
S Conference),1992年5月,782
〜785頁にオウトノマス・リユース・パーティショニ
ング・イン・セルラー・システムズ(Autonomo
us Reuse Partitioning in
Cellular Systems)の題名で発表され
た論文に記載されているように、極めて簡単な制御によ
って周波数利用効率の高いチャネル配置を実現すること
ができる。
【0005】上記ARP方式では、全ての無線ゾーン
(以下、セルと略称する)において同一の選択優先度に
従ってチャネルを選択し、上り回線(移動局から基地局
への通信回線)および下り回線(基地局から移動局への
回線)での希望波対干渉波電力比(以下CIRと略称す
る)がシステムの要求する所要値以上となるチャネルか
ら使用する。
【0006】図4は、上記従来のARP方式を適用する
基地局のチャネル割当て制御を説明するための流れ図で
ある。
【0007】このARP方式で使用するチャネルは1か
らnまでの番号のn個のチャネルである。基地局は、空
き通話チャネル(無線通話チャネル)の干渉波レベルU
up(i)を定期的に受信し記憶している。ただし、i
は1からnまでのチャネルの各番号を示している。ま
た、移動局の送信電力(以下、PMSと略称する)および
上記基地局の送信電力(以下、PBSと略称する)は、こ
のARP方式の予め定めた規格により、既知のレベルで
ある。
【0008】上記移動局の一つとの間に通話要求が発生
すると、この移動局が在圏する基地局は制御チャネルで
受信した発呼要求信号(移動局発呼の場合)または呼出
し応答信号(移動局着呼の場合)の受信レベルを、上り
希望波レベル(以下、Dupと略称する))として記憶
する(ステップ400)。なお、これ以降は、ステップ
をSと略称し、ステップ400をS400のように記し
てある。
【0009】次に、上記基地局はPMSからDupを引い
た値を基地局と移動局との間の伝搬損(以下、Lと略称
する)とする(S401)。上り回線と下り回線には可
逆性が成立ち、伝搬損Lは同一と考えられるので、上記
基地局は、PBSからLを引くことにより通信相手の移動
局における下り希望波レベル(以下、Ddown)を求
める(S402)。
【0010】ここで、上記基地局は、通話チャネルを識
別するチャネル番号iを1に設定し(S403)、つい
で、Dupから通話チャネル1の上り干渉波レベルUu
p(1)を引いた値,即ち上り希望波対干渉波電力比
(以下、上りCIR)と上記所要値(以下、CIRth
と略称する)とを比較する(S404)。上りCIRが
CIRth以上であると(S404のYes)、上記基
地局は上記移動局に通話チャネル1の下り干渉波レベル
Udown(1)の測定を指示し、この測定結果を上記
移動局から受取る(S405)。
【0011】次に、上記基地局は、DdownからUd
own(1)を引いた値,即ち、下り希望波対干渉波電
力比(以下、下りCIR)とCIRthとを比較する
(S406)。この比較の結果、下りCIRがCIRt
h以上であれば(S406のYes)、上記基地局は、
通話チャネル1を通話要求に対して割当てる(S40
7)。
【0012】一方、通話チャネル1の上りCIRまたは
下りCIRがCIRth未満であると(S404のNo
またはS406のNo)、上記基地局はS408の全通
話チャネルのCIRth比較の終了か否かを判定する
(S408)。全通話チャネルの比較が未了であると
(S408のNo)、上記基地局は、チャネル番号iに
1を加え次のチャネル2を選択し(S409)、以下、
同様にS404ないしS406の処理を繰返すことによ
り干渉条件の判定を行なう。
【0013】上記基地局は、最後の通話チャネルnに対
して判定を行なっても使用可能な通話チャネルを見つけ
られなかった場合(S408のYes)には、通話要求
を呼損とする(S410)。
【0014】上述のとおりに通話チャネルの割当て制御
を行うと、優先度の高いチャネル,すなわち、チャネル
番号が1または1に近いチャネルほど、干渉波レベルが
大きくなり、希望波レベルが大きな基地局近傍の移動局
に割当てられるようになる。一方、優先度の低いチャネ
ルほど、干渉波レベルが小さいため、希望波レベルが小
さいセル境界に近い移動局に割当てられるようになる。
【0015】図5は図4のARP方式を適用した移動通
信システムにおける各チャネル使用についての基地局と
移動局との関係を示す説明図であり、(a),(b),
(c)および(d)の各各は、チャネル4,チャネル
3,チャネル2およびチャネル1についての関係を示し
ている。
【0016】基地局3A,3B,3C,3Dおよび3E
の各各は、そのサービスエリアであるセル5A,5B,
5C,5Dおよび5Eをそれぞれ持つ。チャネル1は、
最も優先度の高いチャネルであり、たとえば、図5
(d)に示すように、セル5A内でしかも移動局が基地
局3Aから半径R1内である移動局存在領域4A内に存
在するときに割当てられる。このとき、基地局3Aに隣
接する基地局3Bでも、基地局3Bから半径R1内であ
る移動局存在領域4B内の移動局と基地局3Bとの間の
通信に対して同一のチャネル1を割当て、同時に使用す
ることができる。
【0017】また、図5(c)に示すように、セル5A
内に位置する移動局が基地局3Aから半径がR1以上で
R2までの移動局存在領域4A内に存在するときには、
2番目の優先順位のチャネル2が移動局に割当てられ
る。このとき、チャネル2は、たとえば、セル5Cを持
つ基地局3C(基地局3Aに関して基地局3Bよりも遠
距離にある基地局)でも、基地局3Cから半径R1以上
で半径R2までの移動局存在領域4C内に存在する移動
局と基地局3Cとの間の通信に対しても同一のチャネル
2を同時に割当て、使用することができる。
【0018】以下同様に、チャネル3を図5(b)に示
すように割当てる。
【0019】最後に、チャネル4が最も優先度が低いチ
ャネルであるとすると、移動局存在領域4Aがセル5A
の最外周付近である基地局3Aからの半径R4付近にあ
るときには、図5(a)に示すように、チャネル4をセ
ル5A内の移動局に割当てる。このときには、基地局3
Aから遠く離れて設置された基地局3Eについても、こ
の基地局3Eのセル5Eの最外周付近に存在する移動局
があれば、このような移動局と基地局3Eとの間の通信
にもチャネル4を使用することになる。
【0020】上述のとおり、同一の優先順序に従うだけ
で、基地局−移動局間の距離が通話チャネル毎に自動的
に同程度に揃い、各通話チャネルは基地局−移動局間の
距離(R1〜R4)に応じた必要最小限の再利用距離
(d1〜d4)で割当てられるようになる。この結果、
このAPR方式のダイナミックチャネル割当て方式は、
固定チャネル割当て方式と比較して、平均再利用距離を
小さくでき,つまり周波数利用効率を高くでき、より多
くの加入者を収容出来るようになる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述のAPR方式の移
動通信システムでは、基地局における上りCIRと移動
局における下りCIRとが共に同じCIRth以上にな
るチャネルを通話チャネルとして割当てている。つま
り、上記基地局が、まず、上りCIRが所要値CIRt
h以上となるチャネルを選択し、ついで、通信相手の移
動局において測定したこのチャネルの下りCIRが所要
値CIRth以上となるかどうかを確認することで、こ
の選択されたチャネルの通話品質を保証する。しかし、
上述のチャネル選択手順を実施する場合に、上りCIR
は所要値CIRth以上を満足するが、下りCIRは所
要値CIRth未満となることがよく起きる。このとき
には、上記基地局は、そのチャネルを通話チャネルとす
ることを諦め、次のチャネルを選んで再び上りCIRの
測定を行うことになる。このような事態が何度も起くる
と、上記基地局が通信の要求を受けてから上記移動局が
実際に通信を開始するまでの間、呼接続ができないの
で、この移動通信システムのサービス品質は劣悪なもの
となる。
【0022】従って本発明の目的は、上述したAPR方
式によるダイナミックチャネル割当てを行う移動通信シ
ステムの欠点を解消することにあり、周波数利用効率の
劣化を最小に抑えた状態のまま、使用可能なチャネルを
選択する時間を短縮できるダイナミックチャネル割当て
方式の移動通信システムを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明の移動通信システ
ムの一つは、複数の無線ゾーンの各各に配置された基地
局と、自システムの有する無線通話チャネルを用いて在
圏する前記基地局との間で無線通信をそれぞれ行う複数
の移動局とを備え、通話要求が発生すると前記無線通話
チャネルの中から通話可能な無線通話チャネルをダイナ
ミックチャネル割当て方式によって前記無線通信用に割
当てる移動通信システムであって、前記基地局の各各
が、上り希望波対干渉波電力比が第1の所要値以上であ
りしかも下り希望波対干渉波電力比が前記第1の所要値
より小さい第2の所要値以上である前記無線通話チャネ
ルを選択して前記無線通信用に割当てるチャネル選択手
段と、前記第1の所要値以上の前記無線通話チャネルの
数に対する前記第2の所要値以上の前記無線通話チャネ
ルの数の割合に応じて前記第1の所要値を変化させる所
要値変更手段とを備える。
【0024】前記基地局の各各は、前記所要値変更手段
が、前記第1の所要値以上の前記無線通話チャネルの数
に対する前記第2の所要値以上の前記無線通話チャネル
の数の割合が第1の閾値より減少すると前記第1の所要
値を増加させ、前記第1の所要値以上の前記無線通話チ
ャネルの数に対する前記第2の所要値以上の前記無線通
話チャネルの数の割合が前記第1の閾値より大きい第2
の閾値を超えると前記第1の所要値を減少させる構成と
することができる。
【0025】また、本発明の移動通信システムの別の一
つは、複数の無線ゾーンの各各に配置された基地局と、
自システムの有する無線通話チャネルを用いて在圏する
前記基地局との間で無線通信をそれぞれ行う複数の移動
局とを備え、通話要求が発生すると前記無線通話チャネ
ルの中から通話可能な無線通話チャネルをダイナミック
チャネル割当て方式によって前記前記移動局との無線通
信用に割当てる移動通信システムであって、前記基地局
の各各が、上り希望波対干渉波電力比が第1の所要値以
上である前記無線通話チャネルを前記移動局との無線通
信用に割当てるチャネル選択手段と、割当てた前記無線
通話チャネルを介して前記移動局から得た応答の回数を
計数する移動局応答計数手段と、前記第1の所要値以上
の前記無線通話チャネルの数に対する前記応答の回数の
割合に応じて前記第1の所要値を変化させる所要値変更
手段とを備える。
【0026】前記基地局の各各は、前記所要値変更手段
が、前記第1の所要値以上の前記無線通話チャネルの数
に対する前記応答の回数の割合が第1の閾値より減少す
ると前記第1の所要値を増加させ、前記第1の所要値以
上の前記無線通話チャネルの数に対する前記応答の回数
の割合が前記第1の閾値より大きい第2の閾値を超える
と前記第1の所要値を減少させる構成とすることができ
る。
【0027】
【作用】基地局が選択したチャネルに対する下りCIR
が所要値以上となる確率を高めれば、チャネル選択に要
する時間を短くすることができる。そのためには上りC
IRに対する所要値CIRup(以下、CIRupと略
称することがある)を下りCIRに対する所要値CIR
dn(以下、CIRdnと略称することがある)より大
きくすればよい。一般に上りCIRと下りCIRとの間
には相関があるから、上りCIRが大きなチャネルほ
ど、下りCIRも大きくなることが期待できる。従っ
て、上りCIRに対する所要値CIRupを大きな値に
設定するほど、チャネル選択に要する時間を短くするこ
とができる。ところが、上りCIRに対する所要値CI
Rupを大きな値に設定することは、同一チャネル再利
用距離を延ばし、周波数利用効率を劣化させることにも
なるため、上りCIRに対する所要値CIRupを必要
以上に大きな値に設定するのは望ましくない。
【0028】本発明の第1の実施例では、上りCIRに
対する所要値CIRupを下りCIRに対する所要値C
IRdnより大きく設定し、上りCIRに対する所要値
CIRupをチャネル選択に要する時間の関数によって
増減させる。この関数は所要値CIRupを上回るチャ
ネルの数に対する所要値CIRdnの数の割合,つまり
呼接続率で表わされる。即ち、本実施例の移動通信シス
テムでは、呼接続率が悪くなってチャネル選択時間がサ
ービス品質の規定値を上回ると、上りCIRに対する所
要値CIRupを大きくしてチャネル選択時間が短くな
るようにする。逆に、チャネル選択時間がサービス品質
の規定値を下回って短い場合には、上りCIRに対する
所要値CIRupを小さくして許容できる範囲でチャネ
ル選択時間を長くする。
【0029】本発明の第2の実施例は、チャネル割当制
御を簡単にするために移動局による下りCIRの測定を
省略している。この制御においては、移動局は、基地局
によって指定されたチャネルの下りCIRを測定せず、
この指定チャネルの信号を良好な状態で受信できたとき
だけ、指定チャネルの使用を開始する。上記基地局は、
上記移動局からこのチャネルでの応答を受信できないと
きには、次の候補チャネルを探すことになる。この実施
例のチャネル割当制御においても、第1の実施例と同様
に、上りCIRに対する所要値CIRupをチャネル選
択に要す時間の関数に応じて増減させる。
【0030】上述のとおり、上記第1および第2の実施
例は、周波数利用効率の劣化を最小に抑えながら、使用
可能なチャネルの選択時間を短縮することができる。
【0031】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0032】図1は本発明を適用するのに好ましい移動
通信システムの構成図である。
【0033】この移動通信システムにおいて、公衆電話
網に接続される交換局300は、基地局3A,3Bおよ
び図示されていない複数の基地局とも接続され、これら
の基地局とそれぞれ通信および接続制御を行う。基地局
3Aはセル5Aを、基地局3Bはセル5Bをカバーす
る。他の図示されていない基地局もそれぞれ属するセル
をカバーする。移動局6Aはセル5Aに在圏して基地局
3Aと通信し、移動局6Bはセル5Bに在圏して移動局
3Bと通信する。その他の図示されていない複数の移動
局も在圏するセルの基地局と通信する。また、基地局3
Aにおける上り希望波レベルがDup,基地局3Aにお
ける上り干渉波レベルがUup、移動局6Aにおける下
り希望波レベルがDdown,移動局6Aにおける下り
干渉波レベルがUdownであり、これらのレベルは図
4および図5を参照して説明したとおりの意味を持つ。
【0034】セル5Aに在圏する移動局6Aに通話要求
が発生すると、基地局3Aはダイナミックチャネル割当
てを行う。つまり、基地局3Aは、同一のセル5A内に
おいて既に通話中である図示されていない複数の移動局
が使用していない通話チャネルのうち、基地局3Aにお
ける上り希望波対干渉波電力比(上りCIR=Dup−
Uup)および移動局6Aにおける下り希望波対干渉波
電力比(下りCIR=Ddown−Udown)がそれ
ぞれ所要値CIRup以上およびCIRdn以上となる
チャネルを移動局6Aの通話チャネルとして割当てるの
である。
【0035】図2は、本発明の第1の実施例を説明する
ための流れ図であり、図1の移動通信システムの基地局
におけるチャネル割当て制御のフローを示している。以
下、図1および図2を参照して本発明の第1の実施例を
説明する。
【0036】第1の実施例の移動通信システムは、図4
の流れ図を基本とし、一部のS400番台のステップを
S200番台のステップに変更し、また別のS200番
台のステップを追加してダイナミックチャネル割当て制
御を行うものである。即ち、この流れ図は、図4におい
て、S405およびS406をS201ないしS204
に変更し、S410およびS407の終了からENDの
間にS205ないしS208を追加している。
【0037】第1の実施例では、移動局6Aに通話要求
が生じると、図4を参照して既に説明したステップを経
てチャネル番号iの通話チャネルを選択し(S403ま
たはS409)、基地局3Aによるチャネル割当て制御
はS404に移る。基地局3Aは、Dupから通話チャ
ネル1の上り干渉波レベルUup(1)を引いた値,即
ち上りCIRと所要値CIRupとを比較する(S40
4)。上りCIRがCIRup以上であると(S404
のYes)、基地局3Aは、上り回線のCIRが所要値
CIRup以上となる回数を示すパラメータnの値を一
つ増加させ(S201)、ついで、移動局6Aに通話チ
ャネル1の下り干渉波レベルUdown(1)の測定を
指示し、この測定結果を移動局6Aから受取る(S20
2)。
【0038】次に、基地局3Aは、DdownからUd
own(1)を引いた値,即ち下りCIRと所要値CI
Rdnとを比較する(S203)。ここで、所要値CI
Rdnは所要値CIRupより小さい値に設定してい
る。上記比較の結果、下りCIRがCIRdn以上であ
れば(S203のYes)、基地局3Aは、下り回線の
CIRが所要値CIRdn以上となる回数を示すパラメ
ータmを一つ増加させ(S204)、通話チャネル1を
通話要求に対して割当てる(S407)。
【0039】一方、通話チャネル1の上りCIRまたは
下りCIRがCIRup未満またはCIRdn未満であ
ると(S404のNoまたはS203のNo)、基地局
3AはS408の全通話チャネルのCIRupおよびC
IRdn比較の終了か否かを判定する(S408)。全
通話チャネルの比較が未了であると(S408のN
o)、上記基地局は、チャネル番号iに1を加え次のチ
ャネル2を選択し(S409)、以下、同様にS404
ないしS203の処理を繰返すことにより干渉条件の判
定を行なう。
【0040】S400ないしS407(またはS41
0)により発呼に対するチャネル割当て処理が終了する
と、基地局3AはS205以下に示す所要値CIRup
の変更処理に移る。S205において、基地局3Aは、
パラメータnに対するパラメータmの割合(m/n),
つまり、上り回線のCIRがCIRup以上となった場
合に下り回線のCIRもCIRdn以上となる割合を計
算し、m/nを予め定めた第1の閾値THR1(以下、
THR1)と比較する。m/nがTHR1未満の場合に
は(S205のYes)、平均的な呼接続時間が長いと
判断できるので、基地局3Aは呼接続時間を短縮するた
めにCIRupを定数αだけ増加させる(S206)。
一方、m/nがTHR1以上の場合には(S205のN
o)、基地局3Aはm/nを第1の閾値THR1より大
きい第2の閾値THR2(以下、THR2)と比較する
(S207)。m/nがTHR2以上の場合には(S2
07のYes)、平均的な呼接続時間が必要以上に短い
と判断できるので、基地局3Aは周波数利用効率を改善
するためにCIRupの値を定数βだけ減少させる(S
208)。なお、m/nが第2の閾値THR2以下(第
2の閾値THR1以上でもある)の場合には(S207
のNo)、基地局3AはCIRupを変更せずに終る。
【0041】上述のとおり、図1および図2を参照して
説明した本発明の第1の実施例は、ダイナミックチャネ
ル割当ての基準となる上りCIRの所要値CIRupを
呼接続に要する時間に応じて変更することにより、周波
数利用効率の劣化を来たすことなく接続時間の短縮を図
っている。
【0042】図3は、本発明の第2の実施例を説明する
ための流れ図であり、図1の移動通信システムの基地局
におけるチャネル割当て制御のフローを示している。以
下、図1および図3を参照して本発明の第2の実施例を
説明する。
【0043】第2の実施例の移動通信システムは、図2
の流れ図におけるS202ないしS407をS301な
いしS304に変更したダイナミックチャネル割当て制
御を実施している。即ち、移動局6Aに通話要求が生じ
ると、すでに説明したS400ないしS201を経て、
基地局3Aによるチャネル割当て制御はS301に移
る。S301において、基地局3Aは移動局6Aに通話
チャネル1を指定する。続いて、基地局3Aは通話チャ
ネル1の上り回線において移動局6Aからの応答を待ち
受ける(S302)。移動局6Aが、通話チャネル1の
下り回線において、基地局3Aからの信号を良好な品質
で受信できた場合には、移動局6Aは通話チャネル1の
上り回線で応答信号を返してくる。この場合(S302
のYes)には、基地局3Aは、指定した通話チャネル
の下り回線の品質が良好である回数を示すパラメータm
の値を一つ増加させ(S303)、通話チャネル1で移
動局6Aとの通話を開始する(S304)。このあと、
基地局3Aのフローは、前述のS205に移り、所要値
CIRupの変更処理を行う。
【0044】一方、通話チャネル1の上りCIRがCI
Rup未満であるとき(S404のNo),および指定
された通話チャネル1の下り回線の品質が不十分で移動
局6Aが基地局3Aからの信号を受信できずに応答信号
を返せない場合(S302のNo)には、基地局3Aの
制御はS408に移り、全通話チャネルの指定が終了し
たかどうかを判定する。この判定の後、基地局3Aの制
御は前述のS409またはS410に移る。
【0045】上述のとおり、図1および図3を参照して
説明した本発明の第2の実施例は、ダイナミックチャネ
ル割当ての基準となる上りCIRの所要値CIRupを
移動局からの応答状況に応じて変更することにより、周
波数利用効率の劣化を来たすことなく呼接続時間の短縮
を図っている。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、上り希望
波対干渉波電力比(上りCIR)が所要値以上である通
話チャネルに対する無線通話用として、適切に選択され
た通話チャネルの割合に応じて上記上りCIRを変化さ
せるので、周波数利用効率の劣化を最小に保ったまま
で、使用可能な無線通話チャネルの選択時間を短縮でき
るダイナミックチャネル割当て制御を行うことができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明を適用するのに好ましい移動通信
システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施例を説明するための流れ図
である。
【図3】本発明の第2の実施例を説明するための流れ図
である。
【図4】従来のARP方式を適用する基地局のチャネル
割当て制御を説明するための流れ図である。
【図5】図4のARP方式を適用した移動通信システム
における各チャネル使用についての基地局と移動局との
関係を示す説明図であり、(a),(b),(c)およ
び(d)の各各は、チャネル4,チャネル3,チャネル
2およびチャネル1についての関係を示している。
【符号の説明】
3A,3B 基地局 5A,5B セル 6A,6B 移動局 300 交換局

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の無線ゾーンの各各に配置された基
    地局と、自システムの有する無線通話チャネルを用いて
    在圏する前記基地局との間で無線通信をそれぞれ行う複
    数の移動局とを備え、通話要求が発生すると前記無線通
    話チャネルの中から通話可能な無線通話チャネルをダイ
    ナミックチャネル割当て方式によって前記無線通信用に
    割当てる移動通信システムであって、 前記基地局の各各が、上り希望波対干渉波電力比が第1
    の所要値以上でありしかも下り希望波対干渉波電力比が
    前記第1の所要値より小さい第2の所要値以上である前
    記無線通話チャネルを選択して前記無線通信用に割当て
    るチャネル選択手段と、前記第1の所要値以上の前記無
    線通話チャネルの数に対する前記第2の所要値以上の前
    記無線通話チャネルの数の割合に応じて前記第1の所要
    値を変化させる所要値変更手段とを備えることを特徴と
    する移動通信システム。
  2. 【請求項2】 前記所要値変更手段が、前記第1の所要
    値以上の前記無線通話チャネルの数に対する前記第2の
    所要値以上の前記無線通話チャネルの数の割合が第1の
    閾値より減少すると前記第1の所要値を増加させ、前記
    第1の所要値以上の前記無線通話チャネルの数に対する
    前記第2の所要値以上の前記無線通話チャネルの数の割
    合が前記第1の閾値より大きい第2の閾値を超えると前
    記第1の所要値を減少させることを特徴とする請求項1
    記載の移動通信システム。
  3. 【請求項3】 複数の無線ゾーンの各各に配置された基
    地局と、自システムの有する無線通話チャネルを用いて
    在圏する前記基地局との間で無線通信をそれぞれ行う複
    数の移動局とを備え、通話要求が発生すると前記無線通
    話チャネルの中から通話可能な無線通話チャネルをダイ
    ナミックチャネル割当て方式によって前記前記移動局と
    の無線通信用に割当てる移動通信システムであって、 前記基地局の各各が、上り希望波対干渉波電力比が第1
    の所要値以上である前記無線通話チャネルを前記移動局
    との無線通信用に割当てるチャネル選択手段と、割当て
    た前記無線通話チャネルを介して前記移動局から得た応
    答の回数を計数する移動局応答計数手段と、前記第1の
    所要値以上の前記無線通話チャネルの数に対する前記応
    答の回数の割合に応じて前記第1の所要値を変化させる
    所要値変更手段とを備えることを特徴とする移動通信シ
    ステム。
  4. 【請求項4】 前記所要値変更手段が、前記第1の所要
    値以上の前記無線通話チャネルの数に対する前記応答の
    回数の割合が第1の閾値より減少すると前記第1の所要
    値を増加させ、前記第1の所要値以上の前記無線通話チ
    ャネルの数に対する前記応答の回数の割合が前記第1の
    閾値より大きい第2の閾値を超えると前記第1の所要値
    を減少させることを特徴とする請求項3記載の移動通信
    システム。
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