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JP2554775B2 - ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリカーボネートの製造方法

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JP2554775B2
JP2554775B2 JP2325293A JP32529390A JP2554775B2 JP 2554775 B2 JP2554775 B2 JP 2554775B2 JP 2325293 A JP2325293 A JP 2325293A JP 32529390 A JP32529390 A JP 32529390A JP 2554775 B2 JP2554775 B2 JP 2554775B2
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幸一 黒沢
茂樹 久世
律行 久西
正哉 岡本
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G64/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbonic ester link in the main chain of the macromolecule
    • C08G64/20General preparatory processes
    • C08G64/30General preparatory processes using carbonates

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリカーボネートの製造方法に関し、詳しく
は色調,耐熱性及び耐水性に優れたポリカーボネートを
効率よく製造する方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
一般に、ポリカーボネート(以下PCと記す。)の製造
方法としては、界面重縮合法とエステル交換法が用いら
れることが多い。上記の方法は、それぞれ長所を有する
が、その反面様々な短所も有している。例えば、界面重
縮合法は品質良好なPCが製造できるが、プロセス的には
多大な設備を必要とし、コストが高くなる問題がある。
また、エステル交換法は、高粘度のPCの溶融体の中から
フェノールやジフェニカーボネートを留去しなければ重
合度が上がらないことから、通常280〜310℃の高温下
で、かつ1mmHg(1Torr)程度の高真空下で長時間反応さ
せる必要があり、高温,高真空下に適した特殊な装置と
生成物の高粘性から強力な撹拌装置を必要とする。ま
た、エステル交換法は高温で反応させるために副反応に
よって分岐や架橋が起こりやすく、品質の良好なポリマ
ーが得られ難く、さらに高温で長時間の反応させるため
着色を免れないなどの種々の欠点を有していた(松金幹
夫他、プラスチック材料講座〔5〕「ポリマーボネート
樹脂」日刊工業新聞社(1969),62〜67頁参照)。
上記の問題点を解決する方法として、反応温度を上げ
る、あるいは触媒を増加させることによって反応速度を
上げる方法が知られている(CHEMISTRY AND PHYSICS OF
POLYCARBONATES,H.SCHNELL;JohnWilly&Sons(196
4))。
しかし、上記の方法では反応速度が不充分であり、か
つ反応終期における系の粘度の増加を防ぐことが出来
ず、ポリマーの熱劣化や触媒残渣による品質の低下をも
たらし、好ましくなかった。
さらに、色調,耐熱性及び耐水性を改善すべく種々の
触媒種の検討(特開平2−175723号公報等参照),プロ
セス的な改善(特開平2−153923〜同2−153927号公報
等参照)が試みられているが、満足すべきPCを得るには
至っていなかった。
そこで、本発明者らは、色調,耐熱性及び耐水性を改
善するとともに、PCを効率よく製造することができる方
法を開発すべく鋭意研究を重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、PCをエステル交換により製造する方法にお
いて、特定量の不活性溶剤を使用することにより上記の
課題を解決しうることを見出した。本発明は、かかる知
見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、原料として、 (A)芳香族ジヒドロキシ化合物及び (B)炭酸ジフェニル及び炭酸ジメチルから選択される
少なくとも一種の化合物を用い、前記原料(A)と原料
(B)から得られるポリカーボネートの理論生成量と使
用する不活性溶剤の合計量を基準にして、その基準値の
1〜60重量%の不活性溶剤の存在下で、100℃〜330℃の
温度範囲のもとにおいてエステル交換反応させることを
特徴とするポリカーボネートの製造方法を提供するもの
である。
本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、各
種のものがあるが、例えば下記の式〔I〕 (式中、Xは −O−,−CO−,−S−,−SO−または−SO2−であ
り、R1及びR2はそれぞれ水素原子または1価の炭化水素
基であり、R3は2価の炭化水素基であり、R4及びR5はそ
れぞれ水素原子,1価の炭化水素基あるいはハロゲン原子
であり、m及びnはそれぞれ1〜4の整数を示す。)で
示される化合物が挙げらる。このような化合物の具体例
としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン;1,1
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノ
ールA);2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタ
ン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン;2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;2,2
−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパ
ン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)
プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェ
ニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テ
トラメチルフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−クロロフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−
ヒドロキシ−3,5−テトラクロロフェニル)プロパン;2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラブロモフェニ
ル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカ
ン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペン
タン:1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−
トリメチルシクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリ
ール)シクロアルカン類;4,4−ジヒドロキシジフェニル
エーテル;4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェ
ニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類;
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド;4,4′−ジ
ヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルフィドな
どのジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4′−ジヒ
ドロキシジフェニルスルホキシド;4,4′−ジヒドロキシ
−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒ
ドロキシアリールスルホキシド類;4,4′−ジヒドロキシ
ジフェニルスルホン;4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジ
メチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリー
ルスルホン類などがある。
本発明の方法では、原料(A)として上記の化合物を
適宜選択し使用する。
一方、本発明で用いられる原料(B)は、炭酸ジフェ
ニルまたは炭酸ジメチルである。
本発明の方法では、原料(B)として上記の化合物を
適宜選択し使用する。このうち、特に上記の原料(B)
として、炭酸ジフェニルが好ましい。
本発明の方法では、上記原料(A)および(B)を使
用するが、これらを不活性溶剤中で反応させることが必
要である。
ここで用いられる不活性溶剤としては、各種状況に応
じて適宜選択すればよい。具体的にはジフェニルエーテ
ル,ハロゲン化ジフェニルエーテル,ジフェニルスルホ
ン,ベンゾフェノン、ポリフェニルエーテル,ジクロロ
ベンゼン,メチルナフタレン等の芳香族化合物、超臨界
状態で用いられるガスである二酸化炭素,一酸化二窒
素,クロロフルオロ炭化水素、エタン,プロパン等のア
ルカン、シクロヘキサン,トリシクロ(5,2,10)−デカ
ン,ジクロオクタン,シクロドデカン等のシクロアルカ
ン、エテン,プロペンのようなアルケンまたは六フッ化
イオウ等各種のものが挙げられる。本発明で用いる不活
性溶剤としては、特にジフェニルエーテルが好ましい。
さらに、本発明では特に限定はされないが下記に示す
末端停止剤を用いることも可能である。このような末端
停止剤の具体例としては、o−n−ブチルフェノール;m
−n−ブチルフェノール;p−n−ブチルフェノール;o−
イソブチルフェノール;m−イソブチルフェノール;p−イ
ソブチルフェノール;o−t−ブチルフェノール;m−t−
ブチルフェノール;p−t−ブチルフェノール;o−n−ペ
ンチルフェノール;m−n−ペンチルフェノール;p−n−
ペンチルフェノール;o−n−ヘキシルフェノール;m−n
−ヘキシルフェノール;p−n−ヘキシルフェノール;o−
シクロヘキシルフェノール;m−シクロヘキシルフェノー
ル;p−シクロヘキシルフェノール;o−フェニルフェノー
ル;m−フェニルフェノール;p−フェニルフェノール;o−
n−ノニルフェノール;m−n−ノニルフェノール;p−n
−ノニルフェノール;o−クミルフェノール;m−クミルフ
ェノール;p−クミルフェノール−;o−ナフチルフェノー
ル;m−ナフチルフェノール;p−ナフチルフェノール;2,6
−ジ−t−ブチルフェノール;2,5−ジ−t−ブチルフェ
ノール;2,4−ジ−t−ブチルフェノール;3,5−ジ−t−
ブチルフェノール;2,5−ジクミルフェノール;3,5−ジク
ミルフェノール; クロマン誘導体として例えば 等の1価フェノールが挙げられる。
このようなフェノール類のうち、本発明では特に限定
されないが、p−t−ブチルフェノール;p−クミルフェ
ノール;p−フェニルフェノールなどが好ましい。
また、他の末端停止剤としては炭酸ジエステル化合物
が場合によって用いられる。このような炭酸ジエステル
化合物の末端停止剤の具体例としては、カルボブトキシ
フェニルフェニルカーボネート;メチルフェニルブチル
フェニルカーボネート;エチルフェニルブチルフェニル
カーボネート;ジブチルフェニルカーボネート;ビフェ
ニルフェニルカーボネート;ジビフェニルカーボネー
ト;クミルフェニルフェニルカーボネート;ジクミルフ
ェニルカーボネート;ナフチルフェニルフェニルカーボ
ネート;ジナフチルフェニルカーボネート;カルボプロ
ポキシフェニルフェニルカーボネート;カルボヘブトキ
シフェニルフェニルカーボネート;カルボメトキシt−
ブチルフェニルフェニルカーボネート;カルボプロトキ
シフェニルメチルフェニルフェニルカーボネート;クロ
マニルフェニルカーボネート;ジクロマニルカーボネー
ト等が挙げられる。
上記のような1価フェノール類または炭酸ジエステル
化合物等の末端停止剤の存在量が、原料(A)であるジ
ヒドロキシ化合物1モルに対して0.05モル%〜10モル%
の範囲にあると、得られるポリカーボネートの水酸基末
端が封止されるため、耐熱性および耐水性に充分優れた
ポリカーボネートが得られ、かつ重縮合反応速度が大き
くなり好ましい。
このような上記1価フェノール類または炭酸ジエステ
ル化合物は、予め反応系に全量添加しておいてもよく、
また予め反応系に一部添加しておき、反応の進行に伴っ
て残部を添加してもよい。さらに場合によっては、上記
原料(A)のジヒドロキシ化合物と原料(B)の炭酸化
合物との重縮合反応が一部進行した後に、反応系に全量
添加してもよい。
本発明では、特に触媒を必要としないが、エステル交
換反応を促進させるため公知の触媒を使用しても良い。
このような触媒の具体例としては、アルカリ金属または
アルカル土類金属の単体,酸化物,水酸化物,アミド化
合物,アルコラート,フェノラート,あるいはZnO,PbO,
Sb2O3のような塩基性金属酸化物,有機チタン化合物,
可溶性マンガン化合物,Ca,Mg,Zn,Pb,Sn,Mn,Cd,Coの酢酸
塩または含窒素塩基性化合物と硼素化合物,含窒素塩基
性化合物とアルカリ(土類)金属化合物,含窒素塩基性
化合物とアルカリ(土類)金属化合物と硼素化合物など
の併用系触媒などが挙げられる。
本発明の方法は、不活性溶媒の存在下でPCを製造する
ものであるが、具体的には公知のエステル交換法に準じ
て反応を進行させる。以下に、本発明の方法の手順及び
条件を具体的に示す。
先ず、原料である(A)芳香族ジヒドロキシ化合物と
(B)炭酸ジフェニルまたは炭酸ジメチルである炭酸化
合物の比が、ジヒドロキシ化合物に対して炭酸化合物を
1〜1.5倍モルになるようにする。なお、状況に応じ
て、炭酸化合物の量はジヒドロキシ化合物に対して多少
過剰とする程度の1.02〜1.20倍モルが好まいし。
そのときの反応温度は、特に限定されないが通常100
℃〜330℃の範囲であり、好ましくは180℃〜300℃、よ
り好ましくは、反応の進行に合わせて次第に180℃〜300
℃迄温度を上げてゆく方法が良い。また、該反応は100
℃未満では反応の進行が遅く、330℃を越えるとポリマ
ーの熱劣化が起こり好ましくない。
また、反応時の圧力は、使用するモノマーの蒸気圧に
応じて反応温度に応じて設定される。これは、反応が効
率良く行われるように設定されればよく限定されるもの
ではない。通常、反応初期においては、1〜50atm(760
〜38000torr)までの大気圧ないし加圧状態にしてお
き、反応後期においては減圧状態、好ましくは最終的に
は0.01〜100torrにする場合が多い。また、反応時間
は、目標の分子量となるまで行えばよく、通常0.2〜10
時間程度である。
上記の反応は、その進行度に合わせ、前記原料(A)
と原料(B)から得られるPCの理論上の生成量と使用す
る不活性溶剤の合計量を基準にして、その基準値の1〜
60重量%、好ましくは5〜40重量%の不活性溶剤の存在
下において行われる。この反応の原料の供給方法は、特
に規定はなく、どのような方法にしたがってもよい。こ
の不活性溶剤は、下記〜の理由により用いられる。
すなわち、 反応物の粘度を下げることにより、混合がより良好に
行なわれ、反応をより迅速に進めることができる。
反応副生物をより良好に除去でき、反応をより迅速に
進めることができる。
炭酸ジアリール化合物などの昇華を防止できるので、
反応の化学量論を保つことができ、高分子量物を得るこ
とができる。
この不活性溶剤は、前述したPCの理論生成量の1重量
%未満では効果がなく、60重量%を越えると粘度は減少
するが、モノマー同士の接する機会が少なくなり、短時
間で分子量が伸びなくなる。また溶媒を回収するコスト
が多大となる等の問題が生じる。
本発明においては、反応が進行するとともに、原料と
して使用した炭酸化合物に対応するフェノール類,アル
コール類,またはそれらのエステル類および不活性溶剤
が反応器より脱離してゆく。これら脱離物は、分離、精
製しリサイクル使用も可能であり、これらを除去する設
備があれば好ましい。
本発明は、バッチ式または連続的に行うことができ、
かつ任意の装置を使用することができる。なお、連続式
で製造する場合には、少なくとも二基以上のリアクター
を使用し、上記の反応条件を設定するのが好ましい。
本発明で用いられる反応器の構造は、特に制限はされ
ないが、通常の撹拌機能を有していればよい。ただし、
反応後段においては粘度が上昇するので高粘度型の撹拌
機能を有するものが好ましい。さらに、反応器の形状は
槽型のみならず、押出機型のリアクター等でもよい。
本発明の方法では、必要に応じて酸化防止剤を使用す
ることができる。具体例としは、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト,トリスフェニルホスファイト,2−エ
チルヘキシルジフェニルホスファイト,トリメチルホス
ファイト,トリエチルホスファイト,トリクレジルホス
ファイト,トリアリールホスファイト等のリン系酸化防
止剤がある。
以上の様にして得られたPCはそのまま造粒しても良
く、また押出機等を用いて成形することもできる。
また、本発明によって得られるPCは、可塑剤,顔料,
潤滑剤,離型剤,安定剤,無機充填剤などのような周知
の添加剤を配合して使用することができる。
さらに、これらのPCは、ポリエステル,ポリスルホネ
ート,ポリアミド,ポリフェニレンオキシド等の重合体
とブレントすることも可能である。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく
説明する。なお、本発明は下記の実施例により限定され
るものではない。
実施例1 内容積1.4のニッケル鋼製オートクレーブ(撹拌機
付き)に、ビスフェノールA228g(1モル),炭酸ジフ
ェニル(ジフェニルカーボネート)257g(1.2モル)と
ジフェニルエーテル157g(0.93モル,38重量%)を仕込
み、窒素置換を5回行った。得られた混合物を180℃ま
で加熱し、ビスフェノールAと炭酸ジフェニルを溶解さ
せた。次いで温度を180℃から220℃に上げると同時に撹
拌を開始し、窒素を微量に流通させると、生成したフェ
ノールが留去し始めた。その後、反応物を220℃で4時
間保った。
続いて、温度を220℃から280℃に1時間かけて上がる
と同時に、真空度も上げてゆき、残留する炭酸ジフェニ
ル,ジフェニルエーテルを除去するとともに、エステル
交換反応を進めた。
最終的に圧力を0.5torrとしたまま、1時間撹拌しつ
つ反応させ、最後のオートクレーブ内に粘稠で透明な重
縮合物であるPCが残った。このPCをメチレンクロライド
に溶解し、粘度平均分子量を測定したところ22000に相
当した。得られたPCを粉砕し、220〜270℃で押出機にか
けて造粒した。このペレットを射出成形し、得られた成
形品のYIおよび温水引張試験を実施した。得られた結果
を第1表に示す。
実施例2〜3及び比較例1〜2 それぞれモノマー,ジフェニルエーテル量,反応時間
等を種々変更した以外は、実施例1と同様な操作を実施
した。得られたPCを粉砕し、220〜270℃で押出機にかけ
て造粒した。このペレットを射出成形し、YIおよび温水
引張試験を実施した。得られた結果を第1表に示す。
実施例4 ビスフェノールA 228g(1モル),炭酸ジフェル25
7g(1.2モル)とジフェニルエーテル28.2g(0.17モル,1
0重量%),末端停止剤としてp−クミルフェノール6.8
g(ビスフェノールAに対して0.05モル)を仕込んだこ
と以外は、実施例1と同様な操作を行った。最後にオー
トクレーブに残った粘稠で透明な重縮合物であるPCをメ
チレンクロライドに溶解し、粘度平均分子量を測定した
ところ20500に相当し、温水引張の結果より耐水性に優
れた樹脂が得られた。得られたPCを粉砕し、220〜270℃
で押出機にかけて造粒した。このペレットを射出成形
し、YIおよび温水引張試験を実施した。得られた結果を
第1表に示す。
実施例5 ビスフェノールA228g(1モル),炭酸ジフェル257g
(1.2モル)とジフェニルエーテル28.2g(0.17モル,10
重量%),触媒としてホウ酸0.018g,15%のテトラメチ
ルアンモニムヒドロキサイド水溶液0.18g,炭酸水素ナト
リウム0.0030gを仕込んだこと以外は、実施例1と同様
な操作を行った。
最後にオートクレーブに残った粘稠で透明な縮合物で
あるPCをメチレンクロライドに溶解し、粘度平均分子量
を測定したところ24000に相当した。得られたPCを粉砕
し、220〜270℃で押出機にかけて造粒した。このペレッ
トを射出成形し、YIおよび温水引張試験を実施した。得
られた結果を第1表に示す。
比較例3 ジフェニルエーテルを存在させなかったこと以外に実
施例8と同様な操作を実施した。得られたPCを粉砕し、
220〜270℃で押出機にかけて造粒した。このペレトを射
出成形し、YIおよび温水引張試験を実施した。得られた
結果を第1表に示す。
実施例6 ビスフェノールA228g(1モル),炭酸ジフェニル257
g(1.2モル)とベンゾフェノン28.2g(0.15モル,10重量
%)を仕込んだこと以外は、実施例1と同様な操作を行
った。最後にオートクレーブに残った粘稠で透明な重縮
合物であるPCをメチレンクロライドに溶解し、粘度平均
分子量を測定したところ19000に相当した。得られたPC
を粉砕し、220〜270℃で押出機にかけて造粒した。この
ペレットを射出成形し、YIおよび温水引張試験を実施し
た。得られた結果を第1表に示す。
実施例7 ビスフェノールA228g(1モル),炭酸ジフェニル257
g(1.2モル)と1−メチルナフタレン28.2g(0.20モル,
10重量%)を仕込んだこと以外は、実施例1と同様な操
作を行った。最後にオートクレーブに残った粘稠で透明
な重縮合物であるPCをメチレンクロライドに溶解し、粘
度平均分子量を測定したところ16300に相当した。得ら
れたPCを粉砕し、220〜270℃で押出機にかけて造粒し
た。このペレットを射出成形し、YIおよび温水引張試験
を実施した。得られた結果を第1表に示す。
実施例8 ビスフェノールA228g(1モル),炭酸ジフェニル257
g(1.2モル)とジフェニルスルホン28.1g(0.13モル,10
重量%)を仕込んだこと以外は、実施例1と同様な操作
を行った。最後にオートクレーブに残った粘稠で透明な
重縮合物であるPCをメチレンクロライドに溶解し、粘度
平均分子量を測定したところ17300に相当した。得られ
たPCを粉砕し、220〜270℃で押出機にかけて造粒した。
このペレットを射出成形し、YIおよび温水引張試験を実
施した。得られた結果を第1表に示す。
上記の物性試験の条件を以下に示す。
YIは、スガ試験機製カーラーメターSM−3により測定
(JIS K7103−77に準拠する。)した。
温水引張試験は、80℃の温水に16時間浸した後、2時
間後に引張試験(JIS K7113−81に準拠する。)を実施
した。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明によれば、特定量の不活性溶剤を
使用することによって、系の粘性を減少させ、反応時間
を短縮することができ、色調(透明性),耐熱性および
耐水性の優れたPCを効率よく製造することができる。
また、プロセスが簡便なエステル交換法を採用してい
るため、低コストでポリカーボネートを製造することが
できる。
したがって、本発明は高品質のポリカーボネートを工
業的に有利に製造する方法として有効かつ幅広く利用す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 正哉 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 出光石 油化学株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−153929(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料として、(A)芳香族ジヒドロキシ化
    合物及び(B)炭酸ジフェニル及び炭酸ジメチルから選
    択される少なくとも一種の化合物を用い、前記原料
    (A)と原料(B)から得られるポリマーボネートの理
    論生成量と使用する不活性溶剤の合計量を基準にして、
    その基準値の1〜60重量%の不活性溶剤の存在下で、10
    0℃〜330℃の温度範囲のもとにおいてエステル交換反応
    させることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
  2. 【請求項2】原料(A)1モルに対して原料(B)を1
    〜1.5モル用いる請求項1記載のポリカーボネートの製
    造方法。
  3. 【請求項3】不活性溶剤がジフェニルエーテルである請
    求項1記載のポリカーボネートの製造方法。
JP2325293A 1990-11-29 1990-11-29 ポリカーボネートの製造方法 Expired - Fee Related JP2554775B2 (ja)

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