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JPH0959368A - ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents

ポリカーボネート樹脂の製造方法

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Publication number
JPH0959368A
JPH0959368A JP22036995A JP22036995A JPH0959368A JP H0959368 A JPH0959368 A JP H0959368A JP 22036995 A JP22036995 A JP 22036995A JP 22036995 A JP22036995 A JP 22036995A JP H0959368 A JPH0959368 A JP H0959368A
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polycarbonate
kneading
stabilizer
compound
reduced pressure
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JP22036995A
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Kazuteru Hatono
和輝 鳩野
Toru Sawaki
透 佐脇
Katsuji Sasaki
勝司 佐々木
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Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、不純物、特に揮発性不純物の含有
量を極めて少なく、熱安定性、色相安定性、耐加水分解
性に優れたポリカーボネート樹脂の製造方法を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物と
芳香族炭酸ジエステルとを重合触媒の存在下で溶融重縮
合せしめ、次いで安定剤を添加した後、得られたポリカ
ーボネートを多段ベント付き2軸押出機に供給し、押出
機の混練部に、ポリカーボネート100重量部に対し水
を0.1〜20重量部添加し、ポリカーボネートを水の
存在下で混練せしめた後、減圧処理することを特徴とす
るポリカーボネート樹脂の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂の製造方法に関し、詳しくは不純物、特に揮発性不
純物の含有量が極めて少なく、熱安定性、色相安定性、
耐加水分解性に優れたポリカーボネート樹脂の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリカーボネートは耐衝撃性等の機械的
物性や透明性に優れており、種々の用とに広く用いられ
ている。ポリカーボネートの製造方法としてはジヒドロ
キシ化合物とホスゲンを直接反応させる界面法、あるい
はジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとを加熱減圧下
においてエステル交換反応させる溶融法などが知られて
いる。
【0003】ポリカーボネート樹脂の製造は、通常、重
合されたポリカーボネートを混練処理することにより行
われているが、ポリカーボネート最終生成物中に不純
物、特に原料成分ならびに反応副生成物または溶剤等の
揮発性不純物が残留するという問題がある。かかる不純
物の残留するポリカーボネートでは、溶融成形する際に
その一部が熱分解して分子量が低下したり、透明性が低
下したり、着色したりなどの問題がある。
【0004】かかる問題の解決のために、重合して得ら
れたポリカーボネートを減圧下に混練する方法や、水を
添加しつつ混練する方法、およびこれらを組み合わせた
方法が提案されている。しかしながら減圧下に混練する
方法では沸点が高い揮発性不純物の低減効果が不十分で
あり、水を添加する方法ではポリカーボネートの加水分
解が生じる恐れがあり、未だに満足できる解決策は得ら
れていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、不純
物、特に揮発性不純物の含有量が極めて少なく、熱安定
性、色相安定性、耐加水分解性に優れたポリカーボネー
トを製造することを目的とすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、芳
香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸ジエステルとを重
合触媒の存在下で溶融重縮合せしめ、次いで安定剤を添
加した後、得られたポリカーボネートを多段ベント付き
2軸押出機に供給し、押出機の混練部に、ポリカーボネ
ート100重量部に対し水を0.1〜20重量部添加
し、ポリカーボネートを水の存在下で混練せしめた後、
減圧処理することを特徴とするポリカーボネート樹脂の
製造方法である。
【0007】本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法
によれば、不純物、特に揮発性不純物の含有量が極めて
少ないポリカーボネート樹脂を製造することができ、成
型時の熱安定性、色相安定性、耐加水分解性に優れたポ
リカーボネート樹脂を製造することができる。
【0008】本発明において、多段ベント付き2軸押出
機に供給されるポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキ
シ化合物と芳香族炭酸ジエステルを重合触媒の存在下、
溶融重縮合(エステル交換)させて製造されるものであ
る。
【0009】芳香族ジヒドロキシ化合物としては特に制
限はないが、例えば2,2―ビス(4―ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)ブタン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)
オクタン、ビス(4―ヒドロキシフェニル)フェニルメ
タン、2,2―ビス(4―ヒドロキシ―3―メチルフェ
ニル)プロパン、1,1―ビス(4―ヒドロキシ―t―
ブチルフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリ
ール)アルカン類、1,1―ビス(4―ヒドロキシフェ
ニル)シクロペンタン、1,1―ビス(ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリー
ル)シクロアルカン類、4,4′―ジヒドロキシジフェ
ニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル類、
4,4′―ジヒドロキシジフェニルスルフィドなどのジ
ヒドロキシアリールスルフィド類、4,4′―ジヒドロ
キシジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシアリー
ルスルホキシド類、4,4′―ジヒドロキシジフェニル
スルホンなどのジヒドロキシアリールスルホン類等が用
いられる。特に2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)プロパンが好ましい。
【0010】芳香族炭酸ジエステルとしては、置換され
ていてもよい炭素数6〜10のアリール基、アラルキル
基等のエステルが挙げられる。具体的にはジフェニルカ
ーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェ
ニル)カーボネート、m―クレジルカーボネート、ジナ
フチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート
等が挙げられる。
【0011】上記のような芳香族炭酸ジエステルは芳香
族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、1.00〜1.
30モル、好ましくは1.005〜1.10モルの量で
用いられる。
【0012】芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸ジ
エステルとのエステル交換反応によりポリカーボネート
を製造するに際し、重合速度を速めるために重合触媒を
用いることができる。
【0013】この様な重合触媒は、アルカリ金属化合
物、アルカリ土類金属化合物を主成分として、必要に応
じ含窒素塩基性化合物を従成分として構成される。
【0014】アルカリ金属化合物としては、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、ステアリン酸ナト
リウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウ
ム、ビスフェノールAのナトリウム塩、カリウム塩、リ
チウム塩、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安
息香酸リチウムなどが挙げられる。
【0015】アルカリ土類金属化合物としては、水酸化
カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水
酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バ
リウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウ
ム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウ
ケ、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸ストロンチウム等が挙げら
れる。
【0016】含窒素塩基性化合物としては、テトラメチ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウ
ムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシ
ド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジル
アミン、トリフェニルアミン等が挙げられる。
【0017】上記の重合触媒は単独で使用しても良い
し、組み合わせて使用しても良い。
【0018】これらの重合触媒の使用量はアルカリ金属
化合物および/またはアルカリ土類金属化合物の場合は
芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し1×10-7〜1
×10-4当量、好ましくは1×10-6〜5×10-5当量
の範囲で選ばれる。
【0019】また、含窒素塩基性化合物を従成分として
使用する場合は芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し
1×10-5〜1×10-3当量、好ましくは1×10-5
5×10-4当量の範囲で選ばれる。
【0020】アルカリ金属化合物および/またはアルカ
リ土類金属化合物と、含窒素塩基性化合物とを組み合わ
せて使用する場合、好ましい使用量は上記範囲の和に相
当し、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し1×10
-7〜1×10-4当量、好ましくは1×10-6〜5×10
-5当量が選ばれる。
【0021】溶融重縮合では必要に応じその他の化合物
を補助触媒として用いることもできる。この様な化合物
としては、ホウ素やアルミニウムの水酸化物のアルカリ
金属やアルカリ土類金属塩、第4級アンモニウム塩類、
アルカリ金属やアルカリ土類金属のアルコキシド類、ア
ルカリ金属やアルカリ土類金属の有機酸塩類、亜鉛化合
物類、ホウ素化合物類、珪素化合物類、ゲルマニウム化
合物類、有機スズ化合物類、鉛化合物類、オスニウム化
合物類、アンチモン化合物類、ジルコニウム化合物類な
どの通常エステル化反応、エステル交換反応に使用され
る触媒を用いることができるがこれらに限定されるもの
ではない。補助触媒を用いる場合1種だけを用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】溶融重縮合は、従来知られているように不
活性ガス雰囲気下で加熱しながら攪拌して生成する芳香
族モノヒドロキシ化合物を留出させることで行われる。
反応温度は通常120〜350℃の範囲であり、反応後
期には系の減圧度を10〜0.1Torrに高めて生成
する芳香族モノヒドロキシ化合物の留出を容易にさせて
反応を完結させる。
【0023】本発明において、多段ベント付き2軸押出
機に供給されるポリカーボネートはいかなる形態でも良
く、例えば、粉末状態、ペレット状態、溶融状態を挙げ
ることが出来、溶融状態で供給されるのが一般的であ
る。ポリカーボネートの固有粘度は0.3以上が好まし
い。
【0024】本発明においては、上記の如きポリカーボ
ネートを混練処理して揮発性不純物の含有量の少ないポ
リカーボネート樹脂を製造するわけであるが、事前に安
定剤を添加しておくことを特徴とする。
【0025】この様な安定剤としては公知の安定剤が有
効に使用されるが、この中でもスルホン酸のアンモニウ
ム塩、ホスホニウム塩、スルホン酸のエステルが好まし
い。
【0026】ドデシルベンゼンスルホン酸のエステル、
アンモニウム塩、ホスホニウム塩や、パラトルエンスル
ホン酸のエステル、アンモニウム塩、ホスホニウム塩
や、ベンゼンスルホン酸のエステル、アンモニウム塩、
ホスホニウム塩が好ましい。
【0027】特に、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム塩、パラトルエンスルホン酸テトラ
ブチルアンモニウム塩が好ましい。
【0028】またスルホン酸のエステルとしてベンゼン
スルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼ
ンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベ
ンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メ
チル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンス
ルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パ
ラトルエンスルホン酸フェニルなどが好ましく用いられ
る。
【0029】安定剤の添加量は、アルカリ金属化合物、
アルカリ土類金属化合物より選ばれた前記主重縮合触媒
1モルあたり0.5〜50モルの割合で、好ましくは
0.5〜10モルの割合で、更に好ましくは0.8〜5
モルの割合で使用する。これは通常、ポリカーボネート
に対し0.01〜500ppmの割合で使用することに
相当する。
【0030】本発明においては、この様にして得られた
ポリカーボネートを多段ベント付き2軸押出機に供給
し、押出機の混練部に、ポリカーボネート100重量部
に対し水を0.1〜20重量部供給し、ポリカーボネー
トを水の存在下で混練せしめた後、減圧処理することを
特徴とする。
【0031】押出機は、混練部、シール部および減圧部
からなる単位処理ゾーンを有するものを好ましく使用す
ることができる。単位処理ゾーンの数は1つでもよいが
複数個有することが好ましい。
【0032】混練部には、パドル型等の攪拌翼が設置さ
れ、ポリカーボネートの混練を行う。水の供給口は混練
部において、ポリカーボネートの進行方向の上流側に設
置することが好ましい。
【0033】シール部は、混練部と減圧部の中間に位置
し、減圧部の減圧状態を維持する機能を有する。
【0034】減圧部には、ベント口が設置され真空ポン
プ等によって減圧部内は減圧に維持される。
【0035】ここで水は、ポリカーボネート100重量
部に対し、0.1〜20重量部の割合で混練部に供給さ
れる。好ましくは、0.2〜15重量部、更に好ましく
は1〜5重量部の割合である。水の供給量が0.1重量
部未満であると、揮発性不純物の除去が不十分であり、
一方20重量部を越えるとポリカーボネートが加水分解
を起こし、分子量が低下するため好ましくない。
【0036】複数の単位処理ゾーンを有する場合は、各
々のゾーンにおける水の供給量を上記範囲にすることが
できる。
【0037】本発明において、ポリカーボネートを水の
存在下で混練する時間は、混練部でのポリカーボネート
の平均滞留時間で規定される。複数の単位処理ゾーンを
有する押出機の場合はその総和として表されるものであ
るが、4〜120秒が好ましくさらに好ましくは、10
〜100秒である。水の存在下で混練させる時間がこれ
より短い場合は不純物除去効果が低下するため好ましく
ない。またこれより長い場合は、品質的には特に問題は
生じないものの生産量が低下する。
【0038】単位処理ゾーン当たりの混練時間が0.5
〜20秒であり、総処理ゾーンでの混練時間が4〜12
0秒であることが好ましい。
【0039】本発明においては、重合触媒の存在下で溶
融重縮合せしめ、次いで安定剤を添加したポリカーボネ
ートを使用するため、耐加水分解性が著しく向上してい
るため、ポリカーボネートを水の存在下で混練する時間
を長くとることができる。
【0040】ポリカーボネートの混練時の温度条件は、
200℃〜350℃、好ましくは220℃〜290℃の
温度で行われる。ポリカーボネートの温度が200℃未
満であると、水とポリカーボネートとの混練が困難であ
り、一方350℃を越えるとポリカーボネートが熱分解
を起こすため好ましくない。
【0041】減圧部では、混練部で供給された窒素を真
空ポンプ等により減圧処理し、除去する。減圧処理の条
件としては、0.1〜700mmHg、好ましくは1〜
500mmHgが使用される。
【0042】減圧部では、窒素を含むポリカーボネート
はスクリュー等によって、前方に押し出され、ベント口
から水のみ減圧吸引される。
【0043】単位処理ゾーンの減圧部でのポリカーボネ
ートの滞留時間は、2〜50秒程度である。
【0044】かかる減圧処理により、従来問題であった
ポリカーボネート樹脂の加水分解を防止しつつ、ポリカ
ーボネート最終生成物中に残留していた不純物、特に原
料成分ならびに反応副生成物または溶剤等の揮発性不純
物が効果的に除去できる。
【0045】また例えば添加された上記安定剤が揮発性
の化合物を含有していたり、あるいは熱分解により熱分
解生成物を生成しても、減圧処理によって同時に除去で
きる。
【0046】本発明においては、不純物、特に揮発性不
純物の含有量が極めて少ないポリカーボネート樹脂を製
造することができ、成型時の熱安定性、色相安定性、耐
加水分解性に優れたポリカーボネート樹脂を製造するこ
とができる。また、かくして製造されたポリカーボネー
ト成型品の品質も著しく向上する。
【0047】押出機に供給するポリカーボネートの形状
としては特に限定されるものではない。例えば上記に示
した安定剤を添加した後、ポリカーボネートが溶融状態
にある間にこれらを押出機に供給して、連続的に減圧処
理してもよい。また上記に示した安定剤を添加したポリ
カーボネートを一旦ペレタイズした後、再溶融して供給
してもよい。後者においては上記に示した安定剤がすで
に含有されているため、溶融時の熱安定性、色相安定
性、耐加水分解性等が向上しており、再溶融しても特に
ポリカーボネートの熱分解が抑制され、分子量が低下し
にくい。また該ポリカーボネートは透明性が低下した
り、着色したりなどの問題が起こりにくい。
【0048】本発明では、上記に示した安定剤を添加し
た後のポリカーボネートを押出機に供給し、該混練部に
窒素を供給した後、減圧処理しながらペレット化する。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、反応生成物であるポリ
カーボネートを押出機に供給し、混練部にポリカーボネ
ート100重量部に対し水を0.1〜20重量部供給
し、水の存在下で混練せしめた後、減圧下処理すること
で、不純物、特に揮発性不純物の含有量が極めて少ない
ポリカーボネート樹脂を製造することができ、成型時の
熱安定性、色相安定性、耐加水分解性に優れたポリカー
ボネート樹脂を製造することができる。
【0050】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明する。な
お実施例中のppmは特に断らないかぎり重量ppmで
ある。また以下の実施例においてポリカーボネートの物
性等は以下のようにして測定した。
【0051】固有粘度は、0.7g/dlの塩化メチレ
ン溶液をウベローテ粘度計を用いて測定した。
【0052】色相b値は、日本電色工業製の色差計で測
定した。
【0053】ポリカーボネート樹脂中の残存不純物、フ
ェノール量、ビスフェノールA量、ジフェニルカーボネ
ート量は、東ソー製高速液体クロマトグラフィーで測定
した。
【0054】[実施例1]ポリカーボネートの重合 2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン1モ
ルに対し、1.05モルの割合でジフェニルカーボネー
トを攪拌機に備えた溶融槽に仕込み、窒素置換後150
℃で溶解した。
【0055】次いで、該溶融混合物を精留塔を備えた堅
型攪拌槽に移送し、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェ
ニル)プロパン1モルに対し、2×10-6当量のビスフ
ェノールAジナトリウム塩と1×10-4当量のテトラメ
チルアンモニウムヒドロキシドを加え、反応温度180
℃、反応圧力100mmHgに維持しつつ生成したフェ
ノールを精留等より除去して反応を行い、次いで反応温
度を200℃、反応圧力を30mmHgとして初期重合
を行った。
【0056】次いで、270℃、1mmHgに保った精
留塔を有しない堅型攪拌槽に前記初期重合後のポリマー
を供給し、固有粘度が0.35を目標としてポリカーボ
ネートを製造した。
【0057】安定剤の添加 次いで溶融状態にあるポリカーボネートにドデシルボン
ゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩を、20p
pm添加し、減圧のまま0.5時間混合した後に全量ペ
レット化した。
【0058】得られたペレットの固有粘度は0.35
3、色相b値は0.6であり、フェノール含有量は16
5ppm、ビスフェノールA含有量は220ppm、ジ
フェニルカーボネート含有量は145ppmであった。
【0059】混練 得られたポリカーボネートを、46mmの3段ベント付
3段水添加口付2軸押出機を用いて表1に示す混練押出
条件で減圧処理しペレット化した。得られたポリカーボ
ネート樹脂中の残存フェノール量、ビスフェノールA
量、ジフェニルカーボネート量、および固有粘度、色相
b値の測定結果をを表1に示す。
【0060】[実施例2〜11]表1〜3に示す混練条
件でポリカーボネートを混練する以外は実施例1と同様
にしてポリカーボネート樹脂を得た。得られたポリカー
ボネート樹脂の物性および不純物含有量を表1〜3に示
す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】[実施例12]ポリカーボネートの重合、安定剤の添加 表4に示す安定剤を使用する以外は実施例1と同様にし
てポリカーボネートを得た。その物性および不純物含有
量を表4に示す。
【0065】混練 表4に示す、混練条件でポリカーボネートを混練する以
外は実施例1と同様にして、ポリカーボネートを水の存
在下で混練した。得られたポリカーボネートの物性およ
び不純物含有量を表4に示す。
【0066】
【表4】
【0067】[実施例13]ポリカーボネートの重合、安定剤の添加 表5に示す安定剤を使用する以外は実施例1と同様にし
てポリカーボネートを得た。その物性および不純物含有
量を表5に示す。
【0068】混練 表5に示す、混練条件でポリカーボネートを混練する以
外は実施例1と同様にして、ポリカーボネートを水の存
在下で混練した。得られたポリカーボネートの物性およ
び不純物含有量を表5に示す。
【0069】
【表5】
【0070】[比較例1〜7]実施例1で重合を行い、
安定剤を添加したポリカーボネートを用い、表6〜7に
示す混練条件でポリカーボネートの混練を行った。得ら
れたポリカーボネート樹脂の物性および不純物含有量を
表6及び表7に示す。
【0071】[比較例8]実施例1で重合を行い、得ら
れたポリカーボネートに安定剤を添加することなく表8
に示す混練条件でポリカーボネートの混練を行った。得
られたポリカーボネート樹脂の物性および不純物含有量
を表8に示す。
【0072】
【表6】
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジヒドロキシ化合物と芳香族炭酸
    ジエステルとを重合触媒の存在下で溶融重縮合せしめ、
    次いで安定剤を添加した後、得られたポリカーボネート
    を多段ベント付き2軸押出機に供給し、押出機の混練部
    に、ポリカーボネート100重量部に対し水を0.1〜
    20重量部添加し、ポリカーボネートを水の存在下で混
    練せしめた後、減圧処理することを特徴とするポリカー
    ボネート樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し
    て1×10-7〜1×10-3当量の割合の、アルカリ金属
    化合物および/またはアルカリ土類金属化合物と含窒素
    塩基性化合物とからなる重合触媒を使用し、得られたポ
    リカーボネートに対し、安定剤を0.01〜500pp
    mの割合で添加したポリカーボネートを、多段ベント付
    き2軸押出機に供給することを特徴とする請求項1に記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】 安定剤として、スルホン酸のアンモニウ
    ム塩、スルホン酸のホスホニウム塩およびスルホン酸の
    エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種を使用
    することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 安定剤として、ドデシルベンゼンスルホ
    ン酸のエステル、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、パ
    ラトルエンスルホン酸のエステル、アンモニウム塩、ホ
    スホニウム塩、ベンゼンスルホン酸のエステル、アンモ
    ニウム塩、ホスホニウム塩からなる群より選ばれる少な
    くとも1種を使用することを特徴とする請求項1記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 ポリカーボネートの混練を200〜35
    0℃で4〜120秒間行うことを特徴とする請求項1に
    記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 0.1〜700mmHgの減圧下で減圧
    処理することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 多段ベント付き2軸押出機が、混練部、
    シール部および減圧部からなる単位処理ゾーンを複数個
    有することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 単位処理ゾーンあたりの混練時間が0.
    5〜20秒であり、総処理ゾーンでの混練時間が4〜1
    20秒であることを特徴とする請求項7記載の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000043436A1 (fr) * 1999-01-21 2000-07-27 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Résine de polycarbonate pour article formé, procédé de production thereof et enceinte ou support pour produit semi-conducteur réalisés dans cette résine
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WO2024104366A1 (zh) * 2022-11-18 2024-05-23 山东联欣环保科技有限公司 一种脱挥方法和脱挥系统

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