JP2543832B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents
光磁気記録媒体Info
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Description
【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、レーザー光等の熱および光を用いて情報の
記録、再生を行う光磁気記録媒体に関する。
記録、再生を行う光磁気記録媒体に関する。
先行技術とその問題点 光磁気メモリの記録媒体としては、MnBi,MnAlGe,MnS
b,MuCuBi,GdFe,TbFe,GdCo,PtCo,TbCo,TbFeCo,GdFeCo,Tb
FeO3,GdIG,GdTbFe,GdTbFeCoBi,CoFe2O4等の材料が知ら
れている。これらは、真空蒸着法やスパッタリング法等
の方法で、プラスチックやガラス等の透明基板上に薄膜
として形成される。これらの光磁気記録媒体に共通して
いる特性としては、 磁化容易軸が膜面に垂直方向にあり、 さらに、カー効果やファラデー効果が大きいという点
をあげることができる。
b,MuCuBi,GdFe,TbFe,GdCo,PtCo,TbCo,TbFeCo,GdFeCo,Tb
FeO3,GdIG,GdTbFe,GdTbFeCoBi,CoFe2O4等の材料が知ら
れている。これらは、真空蒸着法やスパッタリング法等
の方法で、プラスチックやガラス等の透明基板上に薄膜
として形成される。これらの光磁気記録媒体に共通して
いる特性としては、 磁化容易軸が膜面に垂直方向にあり、 さらに、カー効果やファラデー効果が大きいという点
をあげることができる。
このような媒体に要求されることは、 第1に、キューリー点が100〜200℃程度で、補償点が
室温付近であること、 第2に、ノイズとなる結晶粒界などの欠陥が比較的少
ないこと、 第3に、比較的大面積にわたって磁気的、機械的に均
一な膜が得られることがあげられる。
室温付近であること、 第2に、ノイズとなる結晶粒界などの欠陥が比較的少
ないこと、 第3に、比較的大面積にわたって磁気的、機械的に均
一な膜が得られることがあげられる。
このような要求に答え、上記材料のなかで、近年、希
土類−遷移金属を非晶質垂直磁性薄膜が大きな注目を集
めている。
土類−遷移金属を非晶質垂直磁性薄膜が大きな注目を集
めている。
しかし、このような希土類−遷移金属非晶質薄膜から
なる光磁気記録媒体において、磁性薄膜層は大気に接し
たまま保存されると、大気中の酸素や水により希土類が
選択的に腐食あるいは酸化とされてしまい、情報の記
録、再生が不可能となる。
なる光磁気記録媒体において、磁性薄膜層は大気に接し
たまま保存されると、大気中の酸素や水により希土類が
選択的に腐食あるいは酸化とされてしまい、情報の記
録、再生が不可能となる。
そこで、一般には、前記磁性薄膜層の基板反対側表面
に保護層を設けた構成を有するものが多く研究されてい
る。
に保護層を設けた構成を有するものが多く研究されてい
る。
従来、このような防湿性等の耐食性付与のための保護
層としては、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化アル
ミ、窒化ケイ素、硫化亜鉛等の無機系の真空蒸着膜や樹
脂膜等を設ける試み(特開昭58-80142号等)が開示され
ている。しかし、これらは、いずれも未だ耐食性の点で
満足できるものではない。
層としては、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化アル
ミ、窒化ケイ素、硫化亜鉛等の無機系の真空蒸着膜や樹
脂膜等を設ける試み(特開昭58-80142号等)が開示され
ている。しかし、これらは、いずれも未だ耐食性の点で
満足できるものではない。
また、光磁気記録媒体では、基板側から記録・再生を
行うのが有利であり、基板としては透明性のものを用い
る。
行うのが有利であり、基板としては透明性のものを用い
る。
光磁気ディスク用の基板としては、製造の容易さ、取
扱いやすさ等の点で、樹脂製のものが好ましく、これら
のうちでは、透明性、生産性、経済性等の点で、特にア
クリル樹脂、ポリカーボネート樹脂が好適である。
扱いやすさ等の点で、樹脂製のものが好ましく、これら
のうちでは、透明性、生産性、経済性等の点で、特にア
クリル樹脂、ポリカーボネート樹脂が好適である。
このような樹脂性の基板上には、通常、無機材質の中
間層を形成し、この中間層を介し磁性薄膜層を設層す
る。
間層を形成し、この中間層を介し磁性薄膜層を設層す
る。
この中間層は干渉層としての機能を有し、C/N比を向
上させ、かつ磁性薄膜層の劣化を防止する耐食性付与の
機能を有する。
上させ、かつ磁性薄膜層の劣化を防止する耐食性付与の
機能を有する。
このような中間層の材質としては、例えばSiO、SiO2
等の酸化ケイ素、AlN、Si3N4、ZnS、Si、Geなどが提案
されており、これらのうちでは酸化ケイ素、硫化亜鉛が
C/N比および耐食性向上の点で好適である。
等の酸化ケイ素、AlN、Si3N4、ZnS、Si、Geなどが提案
されており、これらのうちでは酸化ケイ素、硫化亜鉛が
C/N比および耐食性向上の点で好適である。
ところで、上記の基板材質のうち、アクリル樹脂とポ
リカーボネート樹脂とを比較したとき、光学的均一性は
アクリル樹脂の方がすぐれているため、C/N比の点では
アクリル樹脂の方が有利である。しかしアクリル樹脂は
耐久性の点でポリカーボネート樹脂に劣っている。
リカーボネート樹脂とを比較したとき、光学的均一性は
アクリル樹脂の方がすぐれているため、C/N比の点では
アクリル樹脂の方が有利である。しかしアクリル樹脂は
耐久性の点でポリカーボネート樹脂に劣っている。
そこで、アクリル樹脂上に、酸化ケイ素や硫化亜鉛の
中間層を設層すれば、耐食性が向上し、C/N比も向上す
る。この場合、C/N比の点では硫化亜鉛が有利であり、
耐食性の点では酸化ケイ素が有利である。しかし、いず
れも満足できるものではない。
中間層を設層すれば、耐食性が向上し、C/N比も向上す
る。この場合、C/N比の点では硫化亜鉛が有利であり、
耐食性の点では酸化ケイ素が有利である。しかし、いず
れも満足できるものではない。
これに対し、ポリカーボネート樹脂はC/N比ではアク
リル樹脂に劣るが、耐久性の点で有利であり、しかもソ
リ等に対する寸法精度の安定性にすぐれるという大きな
利点を持つ。
リル樹脂に劣るが、耐久性の点で有利であり、しかもソ
リ等に対する寸法精度の安定性にすぐれるという大きな
利点を持つ。
ポリカーボネート樹脂基板の場合、C/N比および耐食
性の点で、硫化亜鉛中間層よりは酸化ケイ素中間層の方
がすぐれている。
性の点で、硫化亜鉛中間層よりは酸化ケイ素中間層の方
がすぐれている。
しかし、酸化ケイ素中間層の場合も従来使用されてい
た膜構造では、C/N比、耐食性、耐久性等の点が不十分
であり、より一層の向上が必要である。
た膜構造では、C/N比、耐食性、耐久性等の点が不十分
であり、より一層の向上が必要である。
II 発明の目的 本発明の目的は、磁性薄膜層の劣化が防止され耐食
性、耐久性に優れ、かつ、また、記録・再生特性に優れ
ソリ等に対する寸法精度の安定性に優れた光磁気記録媒
体を提供することにある。
性、耐久性に優れ、かつ、また、記録・再生特性に優れ
ソリ等に対する寸法精度の安定性に優れた光磁気記録媒
体を提供することにある。
III 発明の開示 このような目的は、以下の本発明によって達成され
る。
る。
すなわち、第1の発明は、基板上に希土類−遷移金属
の磁性薄膜層を有し、この磁性薄膜層上に酸化ケイ素保
護層を有する光磁気記録媒体において、 上記酸化ケイ素保護層中の磁性薄膜層側の酸素含有量
が、磁性薄膜層と反対側の酸素含有量と比べて小さく、 上記酸化ケイ素保護層の磁性薄膜層と反対側の表面か
ら1/4までの位置のO/Si原子比が、磁性薄膜層側の表面
から1/4までの位置のO/Si原子比の1.4〜2.5倍であるこ
とを特徴とする光磁気記録媒体である。
の磁性薄膜層を有し、この磁性薄膜層上に酸化ケイ素保
護層を有する光磁気記録媒体において、 上記酸化ケイ素保護層中の磁性薄膜層側の酸素含有量
が、磁性薄膜層と反対側の酸素含有量と比べて小さく、 上記酸化ケイ素保護層の磁性薄膜層と反対側の表面か
ら1/4までの位置のO/Si原子比が、磁性薄膜層側の表面
から1/4までの位置のO/Si原子比の1.4〜2.5倍であるこ
とを特徴とする光磁気記録媒体である。
第2の発明は、樹脂製の基板上に酸化ケイ素中間層を
有し、この中間層上に希土類−遷移金属の磁性薄膜層を
有し、この磁性薄膜層上に酸化ケイ素保護層を有する光
磁気記録媒体において、 上記基板がポリカーボネート樹脂であり、 上記酸化ケイ素中間層における基板側の酸素含有量が
磁性薄膜層側のそれと比べ大きく、かつ 上記酸化ケイ素保護層中の磁性薄膜層側の酸素含有量
が、磁性薄膜層と反対側のそれと比べて小さく、 上記酸化ケイ素中間層の基板側から1/4までの位置の
酸化ケイ素中間層中のO/Si原子比が、磁性薄膜層側から
1/4までの位置の酸化ケイ素中間層中のO/Si原子比の1.4
〜2.5倍であり、かつ 上記酸化ケイ素保護層の磁性薄膜層と反対側の表面か
ら1/4までの位置のO/Si原子比が、磁性薄膜層側の表面
から1/4までの位置のO/Si原子比の1.4〜2.5倍であるこ
とを特徴とする光磁気記録媒体である。
有し、この中間層上に希土類−遷移金属の磁性薄膜層を
有し、この磁性薄膜層上に酸化ケイ素保護層を有する光
磁気記録媒体において、 上記基板がポリカーボネート樹脂であり、 上記酸化ケイ素中間層における基板側の酸素含有量が
磁性薄膜層側のそれと比べ大きく、かつ 上記酸化ケイ素保護層中の磁性薄膜層側の酸素含有量
が、磁性薄膜層と反対側のそれと比べて小さく、 上記酸化ケイ素中間層の基板側から1/4までの位置の
酸化ケイ素中間層中のO/Si原子比が、磁性薄膜層側から
1/4までの位置の酸化ケイ素中間層中のO/Si原子比の1.4
〜2.5倍であり、かつ 上記酸化ケイ素保護層の磁性薄膜層と反対側の表面か
ら1/4までの位置のO/Si原子比が、磁性薄膜層側の表面
から1/4までの位置のO/Si原子比の1.4〜2.5倍であるこ
とを特徴とする光磁気記録媒体である。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の光磁気記録媒体の一実施例が第1図に示され
ている。
ている。
第1図において、本発明の光磁気記録媒体1は、ガラ
スあるいは樹脂製の基板2上に、特に基板が樹脂である
場合には好ましくは中間層3を介して磁性薄膜層4を有
し、磁性薄膜層4の表面に保護層5を有する。
スあるいは樹脂製の基板2上に、特に基板が樹脂である
場合には好ましくは中間層3を介して磁性薄膜層4を有
し、磁性薄膜層4の表面に保護層5を有する。
本発明の保護層5は、酸化ケイ素 (SiOx)材質から形成される。
酸化ケイ素(SiOx)保護層5のO/Si原子比は、層全体
の平均として0.7〜1.2であることが好ましい。
の平均として0.7〜1.2であることが好ましい。
これは、0.7未満となると記録感度が悪くなり、ま
た、1.2をこえると耐食性、耐久性が悪くなってくるか
らである。
た、1.2をこえると耐食性、耐久性が悪くなってくるか
らである。
このような保護層5の厚さ方向には、保護層5中にお
ける磁性薄膜層4側の酸素含有量が、磁性薄膜層4と反
対側のそれと比べ小さくなるように設定の酸素濃度分布
が存在している。
ける磁性薄膜層4側の酸素含有量が、磁性薄膜層4と反
対側のそれと比べ小さくなるように設定の酸素濃度分布
が存在している。
このような保護層5中の酸素濃度分布は、例えば、保
護層5の磁性薄膜層4の反対側の表面から1/4までの位
置の保護層5中のO/Si原子比(X4)が磁性薄膜層4側の
表面から1/4までの位置の保護層5中のO/Si原子比
(X1)の1.4〜2.5倍であり、特に、1.5〜2.5倍、より好
ましくは1.6〜2.0倍となるようにすることが好ましい。
護層5の磁性薄膜層4の反対側の表面から1/4までの位
置の保護層5中のO/Si原子比(X4)が磁性薄膜層4側の
表面から1/4までの位置の保護層5中のO/Si原子比
(X1)の1.4〜2.5倍であり、特に、1.5〜2.5倍、より好
ましくは1.6〜2.0倍となるようにすることが好ましい。
この値が1.4未満であると耐食性、耐久性が悪くなっ
てしまう。
てしまう。
一方,2.5倍をこえると、主に電気特性が劣化してしま
う。なお、この値が上記の好適範囲である1.6〜2.0倍に
なると耐食性、耐久性は格段と向上する。
う。なお、この値が上記の好適範囲である1.6〜2.0倍に
なると耐食性、耐久性は格段と向上する。
保護層5中に上記のような酸素濃度分布をもたせるの
は、下記の理由による。
は、下記の理由による。
すなわち、第1に、磁性薄膜層4側の保護層5中の酸
素濃度を低くおさえることによって、後述する磁性薄膜
層4の劣化を有効に防止することができるからである。
素濃度を低くおさえることによって、後述する磁性薄膜
層4の劣化を有効に防止することができるからである。
第2に、保護層5に上記のような酸素濃度分布をもた
せることによって、保護層5中の酸素濃度分布が均一で
ある場合よりも磁性薄膜層4の劣化を有効に防止できる
からである。特に、通常有機系の物質かなり保護層5の
表面に設層される保護膜6との併用により、保護層5の
磁性薄膜層4に対する劣化防止効果は、顕著に増大す
る。
せることによって、保護層5中の酸素濃度分布が均一で
ある場合よりも磁性薄膜層4の劣化を有効に防止できる
からである。特に、通常有機系の物質かなり保護層5の
表面に設層される保護膜6との併用により、保護層5の
磁性薄膜層4に対する劣化防止効果は、顕著に増大す
る。
なお、酸素濃度分布は連続的であっても非連続的であ
ってもよい。
ってもよい。
このような保護層5の膜厚方向に存在するO/Siの原子
比分布は、例えば以下に述べる方法によって測定され
る。
比分布は、例えば以下に述べる方法によって測定され
る。
すなわち、まず最初に保護層5を磁性薄膜層4と反対
側から一定のエッチング速度でイオンエッチングを行い
ながらSIMS(2次イオン質量分析)、AES、ESCAなどで
元素分析を行う。そして、希土類や遷移金属等の磁性薄
膜層4の構成成分が検出されるまでの時間を測定する。
側から一定のエッチング速度でイオンエッチングを行い
ながらSIMS(2次イオン質量分析)、AES、ESCAなどで
元素分析を行う。そして、希土類や遷移金属等の磁性薄
膜層4の構成成分が検出されるまでの時間を測定する。
こうすることによって保護層5の膜厚をエッチングす
るのに要する時間が測定できる。
るのに要する時間が測定できる。
この要した時間の最初か1/4までの時間および3/4から
磁性薄膜層4に到達するまでの時間の保護層5中の元素
分析結果より保護層5中所定箇所のO/Si平均原子比が算
出される。
磁性薄膜層4に到達するまでの時間の保護層5中の元素
分析結果より保護層5中所定箇所のO/Si平均原子比が算
出される。
なお、保護層5全体の平均O/Si原子比も算出できるこ
とはいうまでもない。
とはいうまでもない。
このように膜厚方向に酸素濃度分布を有する酸化ケイ
素を含む保護層5を設層するには、通常、2種以上の異
なる組成からなるターゲットを用いた多元スパッタ法あ
るいは酸素を用いる反応性スパッタ法等によればよい。
ターゲットは、SiO2、Si等を用いればよい。
素を含む保護層5を設層するには、通常、2種以上の異
なる組成からなるターゲットを用いた多元スパッタ法あ
るいは酸素を用いる反応性スパッタ法等によればよい。
ターゲットは、SiO2、Si等を用いればよい。
より具体的には、多元スパッタを用いるときには、例
えばSiO2とSiとをターゲットとし、両者のスパッタレー
トを制御して、これを変化させながら成膜する。
えばSiO2とSiとをターゲットとし、両者のスパッタレー
トを制御して、これを変化させながら成膜する。
また、反応性スパッタを用いるときには、酸素濃度を
制御して、これを変化させて成膜する。
制御して、これを変化させて成膜する。
また、これに準じ、その他の気相成膜法、例えば蒸着
等を適宜用いることも可能である。
等を適宜用いることも可能である。
このように設層される保護層5の膜厚は、500〜1500
Å、より好ましくは700〜1200Åである。
Å、より好ましくは700〜1200Åである。
また成膜雰囲気中に存在するAr等が入ってもよい。
その他、場合によっては少量のAl、Cr、Ba等の元素を
添加してもよい。
添加してもよい。
基板2は、ガラスあるいは樹脂からなり、特に基板2
が樹脂性の場合は、好ましくは無機材質の中間層3を介
して磁性薄膜層4が設層される。
が樹脂性の場合は、好ましくは無機材質の中間層3を介
して磁性薄膜層4が設層される。
本発明の中間層3は、酸化ケイ素(SiOy)材質かなる
ことが好ましい。
ことが好ましい。
酸化ケイ素(SiOy1)中間層3のO/Si原子比(y1)は、
層全体の平均として0.7〜1.2、より好ましくは0.7〜1.0
であることが好ましい。
層全体の平均として0.7〜1.2、より好ましくは0.7〜1.0
であることが好ましい。
y1が0.7未満となると反射光量が減少し、特性に悪影
響を与えてしまう。
響を与えてしまう。
また、1.2をこえるとみかけ上のカー回転角が減少し
同様に特性に悪影響を与えてしまう。
同様に特性に悪影響を与えてしまう。
このような中間層3の厚さ方向には、中間層3中にお
ける基板側の酸素含有量が、後述する磁性薄膜層4側の
それと比べ大きくなるように所定の酸素濃度分布を有し
ている。
ける基板側の酸素含有量が、後述する磁性薄膜層4側の
それと比べ大きくなるように所定の酸素濃度分布を有し
ている。
このような酸化ケイ素中間層3中の酸素濃度分布は、
例えば、酸化ケイ素中間層3の基板2側から1/4までの
位置の酸化ケイ素中間層中のO/Si原子比が、磁性薄膜層
4側から1/4までの位置の酸化ケイ素中間層中のO/Si原
子比の1.4〜2.5倍、特に1.5〜2.5倍、より好ましくは1.
6〜2.0倍となるようにすることが好ましい。
例えば、酸化ケイ素中間層3の基板2側から1/4までの
位置の酸化ケイ素中間層中のO/Si原子比が、磁性薄膜層
4側から1/4までの位置の酸化ケイ素中間層中のO/Si原
子比の1.4〜2.5倍、特に1.5〜2.5倍、より好ましくは1.
6〜2.0倍となるようにすることが好ましい。
この値が1.4倍未満になると、C/N比、耐食性、耐久性
が悪くなってしまう。一方2.5倍をこえると、主に電気
特性が劣化してくる。そして、この値が上記の好適範囲
である1.6〜2.0倍になると、C/N比、耐久性は格段と向
上する。
が悪くなってしまう。一方2.5倍をこえると、主に電気
特性が劣化してくる。そして、この値が上記の好適範囲
である1.6〜2.0倍になると、C/N比、耐久性は格段と向
上する。
酸化ケイ素中間層3中に上記のような酸素濃度分布を
もたせるのは下記の理由による。
もたせるのは下記の理由による。
すなわち、第1にポリカーボネート樹脂基板2の屈折
率(830nmにて約1.57)と酸化ケイ素中間層3の酸素濃
度(y1の値)を設定することによって、ポリカーボネー
ト樹脂基板2と酸化ケイ素中間層3との界面での反射を
有効に防止でき、良好な記録・再生特性が得られるから
である。
率(830nmにて約1.57)と酸化ケイ素中間層3の酸素濃
度(y1の値)を設定することによって、ポリカーボネー
ト樹脂基板2と酸化ケイ素中間層3との界面での反射を
有効に防止でき、良好な記録・再生特性が得られるから
である。
第2に、磁性薄膜層4側の酸化ケイ素中間層3の酸素
濃度を低くおさえることによって、後述するFeおよびCo
を必須含有成分とする磁性薄膜層4の劣化を有効に防止
することができるからである。
濃度を低くおさえることによって、後述するFeおよびCo
を必須含有成分とする磁性薄膜層4の劣化を有効に防止
することができるからである。
なお、酸素濃度分布は連続的であっても非連続的であ
ってもよい。
ってもよい。
このような酸化ケイ素中間層3の膜厚方向に存在する
O/Siの原子比分布は、例えば以下に比べる方法によって
測定される。
O/Siの原子比分布は、例えば以下に比べる方法によって
測定される。
すなわち、まず最初に酸化ケイ素中間層3を磁性薄膜
層4側から一定のエッチング速度でイオンエッチングを
行いながらSIMS、AES、ESCAなどで元素分布を行う。そ
して、ポリカーボネート樹脂基板2に到達し、酸素Cが
検出されるまでの時間を測定する。
層4側から一定のエッチング速度でイオンエッチングを
行いながらSIMS、AES、ESCAなどで元素分布を行う。そ
して、ポリカーボネート樹脂基板2に到達し、酸素Cが
検出されるまでの時間を測定する。
こうすることによって酸化ケイ素中間層3の膜厚をエ
ッチングするのに要する時間が測定できる。
ッチングするのに要する時間が測定できる。
この要した時間の最初から1/4までの時間および3/4か
ら基板に到達するまでの時間の層中の元素分析結果より
中間層3中所定箇所のO/Si平均原子比が算出される。
ら基板に到達するまでの時間の層中の元素分析結果より
中間層3中所定箇所のO/Si平均原子比が算出される。
なお中間層3全体平均のO/Si原子比も算出できること
はいうまでもない。
はいうまでもない。
このように膜厚方向に酸素濃度分布を有する酸化ケイ
素中間層3を設層するには、通常、2種以上の異なる組
成からなるターゲットを用いた多元スパッタ法あるいは
酸素反応性スパッタ法等によればよい。ターゲットはSi
O2、SiO、Si等を用いればよい。
素中間層3を設層するには、通常、2種以上の異なる組
成からなるターゲットを用いた多元スパッタ法あるいは
酸素反応性スパッタ法等によればよい。ターゲットはSi
O2、SiO、Si等を用いればよい。
また、その他の気相成膜法を適宜用いることも可能で
ある。
ある。
このように設層される酸化ケイ素中間層3の膜厚は、
500〜1500Å、より好ましくは700〜1000Åである。
500〜1500Å、より好ましくは700〜1000Åである。
また成膜雰囲気中に存在するAr等が入ってもよい。
その他、場合によっては多少のAl、Cr、Ba等の元素を
添加してもよい。
添加してもよい。
上述の酸化ケイ素中間層3が設置される基板2の材質
はポリカーボネート樹脂である。
はポリカーボネート樹脂である。
本発明に使用するポリカーボネート樹脂としては、脂
肪族ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネー
ト、芳香族ポリカーボネートのいずれであってもよい
が、特に芳香族ポリカーボネート樹脂であることが好ま
しい。これらのうちでは融点、結晶性、とり扱い等の点
でビスフェノールからのポリカーボネート樹脂が好まし
い。中でもビスフェノールAタイプのポリカーボネート
樹脂は最も好ましく用いられる。
肪族ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネー
ト、芳香族ポリカーボネートのいずれであってもよい
が、特に芳香族ポリカーボネート樹脂であることが好ま
しい。これらのうちでは融点、結晶性、とり扱い等の点
でビスフェノールからのポリカーボネート樹脂が好まし
い。中でもビスフェノールAタイプのポリカーボネート
樹脂は最も好ましく用いられる。
また、ポリカーボネート樹脂の数平均分子量は、10,0
00〜15,000程度であることが好ましい。
00〜15,000程度であることが好ましい。
このような基板2の830nmの屈折率は通常1.55〜1.59
程度である。
程度である。
なお、記録は基板2をとおして行うので、書き込み光
ないし読み出し光に対する透過率は86%以上とする。
ないし読み出し光に対する透過率は86%以上とする。
また、基板2は、通常ディスク状とし、1.2〜1.5mm程
度の厚さとする。
度の厚さとする。
このようなディスク状基板の磁性薄膜層形成面には、
トラッキング用の溝が形成されてもよい。
トラッキング用の溝が形成されてもよい。
溝の深さは、λ/8n程度、特にλ/6n〜λ/12n(ここ
に、nは基板の屈折率である)とされる。また、溝の巾
は、トラック巾程度とされる。
に、nは基板の屈折率である)とされる。また、溝の巾
は、トラック巾程度とされる。
そして、通常、この溝の凹部に位置する磁性薄膜層を
記録トラック部として、書き込み光および読み出し光を
基板裏面側から照射することが好ましい。
記録トラック部として、書き込み光および読み出し光を
基板裏面側から照射することが好ましい。
このように構成することにより、書き込み感度と読み
出しのC/N比が向上し、しかもトラッキングの制御信号
は大きくなる。
出しのC/N比が向上し、しかもトラッキングの制御信号
は大きくなる。
また、その他の基板の形状として、テープ、ドラム等
としてもよい。
としてもよい。
中間層3の上には、磁性薄膜層4が設層される。
本発明の磁性薄膜層4は、変調された熱ビームあるい
は変調された磁界により、情報が磁気的に記録されるも
のであり、記録情報は磁気−光変換して再生するもので
ある。
は変調された磁界により、情報が磁気的に記録されるも
のであり、記録情報は磁気−光変換して再生するもので
ある。
このような磁性薄膜層4の材質としては、Gd、Tb等の
希土類金属を好ましくはFe、Co等の遷移金属の合金をス
パッタ、蒸着法等により、非晶質膜として形成したもの
である。
希土類金属を好ましくはFe、Co等の遷移金属の合金をス
パッタ、蒸着法等により、非晶質膜として形成したもの
である。
この場合、FeとCoの総含有量は、65〜85at%であるこ
とが好ましい。
とが好ましい。
そして、残部は実質的に希土類金属、特にGdおよび/
またはTbである。
またはTbである。
そして、その好適例としては、TbFeCo、GdFeCo、GdTb
FeCo等がある。
FeCo等がある。
なお、これら磁性薄膜層中には10at%以下の範囲でC
r、Al、Ti、Pt、Si、Mo、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au
等が含有されてもよい。
r、Al、Ti、Pt、Si、Mo、Mn、V、Ni、Cu、Zn、Ge、Au
等が含有されてもよい。
また、希土類元素として10at%以下の範囲でSc、Y、
La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu
等を含有してもよい。
La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu
等を含有してもよい。
磁性薄膜層4の上に、前述の保護総5を介して保護膜
6が設層される。
6が設層される。
保護膜6の材質としては、通常、公知の種々の有機系
の物質を用いればよい。
の物質を用いればよい。
より好ましくは、放射線硬化型化合物を電子線、紫外
線等の放射線で硬化させたものを用いるのがよい。
線等の放射線で硬化させたものを用いるのがよい。
用いる放射線硬化型化合物としては、イオン化エネル
ギーに感応し、ラジカル重合性を示す不飽和二重結合を
有するアクリル酸、メタクリル酸、あるいはそれらのエ
ステル化合物のようなアクリル系二重結合、ジアリルフ
タレートのようなアリル系二重結合、マレイン酸、マレ
イン酸誘導体等の不飽和二重結合等の放射線照射による
架橋あるいは重合乾燥する基を分子中に含有または導入
したモノマー、オレゴマーおよびポリマー等を挙げるこ
とができる。
ギーに感応し、ラジカル重合性を示す不飽和二重結合を
有するアクリル酸、メタクリル酸、あるいはそれらのエ
ステル化合物のようなアクリル系二重結合、ジアリルフ
タレートのようなアリル系二重結合、マレイン酸、マレ
イン酸誘導体等の不飽和二重結合等の放射線照射による
架橋あるいは重合乾燥する基を分子中に含有または導入
したモノマー、オレゴマーおよびポリマー等を挙げるこ
とができる。
放射線硬化型モノマーとしては、分子量2000未満の化
合物が、オリゴマーとしては分子量2000〜10000のもの
が用いられる。
合物が、オリゴマーとしては分子量2000〜10000のもの
が用いられる。
これらはスチレン、エチレンアクリレート、エチレン
グリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジ
エチレングリコールメタクリレート、1,6−ヘキサング
リコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ
メタクリレート等も挙げられるが、特に好ましいものと
しては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(メ
タクリレート)、ペンタエリスリトールアクリレート
(メタクリレート)、トリメチロールプロパントリアク
リレート(メタクリレート)、トリメチロールプロパン
ジアクリレート(メタクリレート)、多官能オリゴエス
テルアクリレート)(アロニックスM−7100、M−540
0、M−5500、M−5700、M−6250、M−6500、M−803
0、M−8060、M−8100等、東亜合成)、ウレタンエラ
ストマー(ニッポラン4040)のアクリル変性体、あるい
はこれらのものにCOOH等の官能基が導入されたもの、フ
ェノールエチレンオキシド付加物のアクリレート(メタ
クリレート)、下記一般式で示されるペンタエリスリト
ール縮合環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カ
プロラクトン−アクリル基のついた化合物、 1) (CH2=CHCOOCH2)3−CCH2OH (特殊アクリレートA) 2) (CH2=CHCOOCH2)3−CCH2OH3 (特殊アクリレートB) 3) 〔CH2=CHCO(OC3H6)n-OCH2〕3−CCH2CH3 (特殊アクリレートC) 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊
ペンタエリスリトール縮合物Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Bという)、 m=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Dという)、 および下記式一般式で示される特殊アクリレート類等が
挙げられる。
グリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジ
エチレングリコールメタクリレート、1,6−ヘキサング
リコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ
メタクリレート等も挙げられるが、特に好ましいものと
しては、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(メ
タクリレート)、ペンタエリスリトールアクリレート
(メタクリレート)、トリメチロールプロパントリアク
リレート(メタクリレート)、トリメチロールプロパン
ジアクリレート(メタクリレート)、多官能オリゴエス
テルアクリレート)(アロニックスM−7100、M−540
0、M−5500、M−5700、M−6250、M−6500、M−803
0、M−8060、M−8100等、東亜合成)、ウレタンエラ
ストマー(ニッポラン4040)のアクリル変性体、あるい
はこれらのものにCOOH等の官能基が導入されたもの、フ
ェノールエチレンオキシド付加物のアクリレート(メタ
クリレート)、下記一般式で示されるペンタエリスリト
ール縮合環にアクリル基(メタクリル基)またはε−カ
プロラクトン−アクリル基のついた化合物、 1) (CH2=CHCOOCH2)3−CCH2OH (特殊アクリレートA) 2) (CH2=CHCOOCH2)3−CCH2OH3 (特殊アクリレートB) 3) 〔CH2=CHCO(OC3H6)n-OCH2〕3−CCH2CH3 (特殊アクリレートC) 式中、m=1、a=2、b=4の化合物(以下、特殊
ペンタエリスリトール縮合物Aという)、 m=1、a=3、b=3の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Bという)、 m=1、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Cという)、 m=2、a=6、b=0の化合物(以下、特殊ペンタエ
リスリトール縮合物Dという)、 および下記式一般式で示される特殊アクリレート類等が
挙げられる。
8) CH2=CHCOO−(CH2CH2O)4−COCH=CH2 (特殊アクリレートH) 12) AM−Nn−M−A A:アクリル酸 M:2価アルコール N:2塩基酸 (特殊アクリレートL) また、放射線硬化型オリゴマーとしては、下記一般式
で示される多官能オリゴエステルアクリレートやウレタ
ンエラストマーのアクリル変性体、あるいはこれらのも
のにCOOH等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。
で示される多官能オリゴエステルアクリレートやウレタ
ンエラストマーのアクリル変性体、あるいはこれらのも
のにCOOH等の官能基が導入されたもの等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂を放射線感応変性することによっ
て得られる放射線硬化型化合物を用いてもよい。
て得られる放射線硬化型化合物を用いてもよい。
このような放射線硬化性樹脂の具体例としては、ラジ
カル重合性を有する不飽和二重結合を示すアクリル酸、
メタクリル酸、あるいはそれらのエステル化合物のよう
なアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなア
リル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不
飽和結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合する
基を熱可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した樹脂
である。
カル重合性を有する不飽和二重結合を示すアクリル酸、
メタクリル酸、あるいはそれらのエステル化合物のよう
なアクリル系二重結合、ジアリルフタレートのようなア
リル系二重結合、マレイン酸、マレイン酸誘導体等の不
飽和結合等の、放射線照射による架橋あるいは重合する
基を熱可塑性樹脂の分子中に含有、または導入した樹脂
である。
放射線硬化性樹脂に変性できる熱可塑性樹脂の例とし
ては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエスルテル樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フ
ェノキシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができ
る。
ては、塩化ビニル系共重合体、飽和ポリエスルテル樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、フ
ェノキシ系樹脂、繊維素誘導体等を挙げることができ
る。
その他、放射線感応変性に用いることのできる樹脂と
しては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステ
ル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVP
オレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等も有
効である。
しては、多官能ポリエステル樹脂、ポリエーテルエステ
ル樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂および誘導体(PVP
オレフィン共重合体)、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹
脂、フェノール樹脂、スピロアセタール樹脂、水酸基を
含有するアクリルエステルおよびメタクリルエステルを
重合成分として少くとも一種含むアクリル系樹脂等も有
効である。
このような放射線硬化型化合物の保護膜6の膜厚は0.
1〜30μm、より好ましくは1〜10μmである。
1〜30μm、より好ましくは1〜10μmである。
この膜厚が0.1μm未満になると、一様な膜を形成で
きず、湿度が高い雰囲気中で防湿効果が十分でなく、磁
性薄膜層4の耐久性が向上しない。また、30μmをこえ
ると、樹脂膜の硬化の際に伴う収縮により記録媒体の反
りや保護膜中のクラックが生じ、実用に耐えない。
きず、湿度が高い雰囲気中で防湿効果が十分でなく、磁
性薄膜層4の耐久性が向上しない。また、30μmをこえ
ると、樹脂膜の硬化の際に伴う収縮により記録媒体の反
りや保護膜中のクラックが生じ、実用に耐えない。
このような塗膜は、通常、スピンナーコート、グラビ
ア塗布、スプレーコート、ディッピング等、種々の公知
の方法を組み合わせて設層すればよい。この時の塗膜の
設層条件は、塗膜組成の混合物を粘度、目的とする塗膜
厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。
ア塗布、スプレーコート、ディッピング等、種々の公知
の方法を組み合わせて設層すればよい。この時の塗膜の
設層条件は、塗膜組成の混合物を粘度、目的とする塗膜
厚さ等を考慮して適宜決定すればよい。
このような塗膜を硬化させて保護槽とするには、電子
線、紫外線等の放射線の塗膜に照射すればよい。
線、紫外線等の放射線の塗膜に照射すればよい。
電子線を用いる場合、放射線特性としては、加速電圧
100〜750KV、好ましくは150〜300KVの放射線加速器を用
い、吸収線量を0.5〜20メガラッドになるように照射す
るのが好都合である。
100〜750KV、好ましくは150〜300KVの放射線加速器を用
い、吸収線量を0.5〜20メガラッドになるように照射す
るのが好都合である。
一方、紫外線を用いる場合には、前述したような放射
線硬化型化合物の中には、通常、光重合増感剤が加えら
れる。
線硬化型化合物の中には、通常、光重合増感剤が加えら
れる。
この光重合増感剤としては、従来公知のものでよく、
例えばベンゾイルメチルエーテル、ベンゾイルエチルエ
ーテル、α−メチルベンゾイル、α−クロルデオキシベ
ンゾイル等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセトフ
ェノン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケト
ン類、アセトラキノン、フェナントラキノン等のキノン
類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ
スルフィド等のスルフィド類等を挙げることができる。
光重合増感剤は樹脂固形分に対し、0.1〜10重量%の範
囲が望ましい。
例えばベンゾイルメチルエーテル、ベンゾイルエチルエ
ーテル、α−メチルベンゾイル、α−クロルデオキシベ
ンゾイル等のベンゾイン系、ベンゾフェノン、アセトフ
ェノン、ビスジアルキルアミノベンゾフェノン等のケト
ン類、アセトラキノン、フェナントラキノン等のキノン
類、ベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノ
スルフィド等のスルフィド類等を挙げることができる。
光重合増感剤は樹脂固形分に対し、0.1〜10重量%の範
囲が望ましい。
そして、このような光重合増感剤と放射線硬化型化合
物を含有する塗膜を紫外線によって硬化させるには、公
知の種々の方法に従えばよい。
物を含有する塗膜を紫外線によって硬化させるには、公
知の種々の方法に従えばよい。
たとえば、キセノン放電管、水素放電管などの紫外線
電球等を用いればよい。
電球等を用いればよい。
このような保護膜6の上には、通常接着剤層7を介し
て保護板8が設けられる。
て保護板8が設けられる。
すなわち、前述の基板2の裏面(磁性薄膜層4を設け
ていない側の面)側からのみ記録・再生を行う、いわゆ
る片面記録の場合にのみ、この保護板8を用いる。
ていない側の面)側からのみ記録・再生を行う、いわゆ
る片面記録の場合にのみ、この保護板8を用いる。
このような保護板8の樹脂材質は特別に透明性等を要
求されることはなく、種々の樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、
ポリビニルアルコール、メタクリル樹脂、ポリアミド、
ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ふっ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂、 フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂、ケイ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂等が使用可
能である。
求されることはなく、種々の樹脂、例えば、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、
ポリビニルアルコール、メタクリル樹脂、ポリアミド、
ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ふっ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂、 フェノール樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウレタン、アルキド樹脂、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂、ケイ素樹脂等の各種熱可塑性樹脂等が使用可
能である。
なお、ガラス、セラミック等の各種無機材質を保護板
8として用いてもよい。
8として用いてもよい。
このものの形状、寸法等は上記の基板2のそれとほぼ
同様とされる。
同様とされる。
このような保護板8は、前述したように接着剤層7を
介して接着される。接着剤層は、通常、ホットメルト樹
脂等の接着剤であって、この膜厚は1〜100μm程度と
される。
介して接着される。接着剤層は、通常、ホットメルト樹
脂等の接着剤であって、この膜厚は1〜100μm程度と
される。
他方、上記の保護板8を用いる代りに、上記の磁性薄
膜層4、保護層5、保護膜6等を有する基板をさらに1
セット用いて、両磁性薄膜層を内側にして対向させて、
接着剤層7を用いて貼り合せて、両基板の裏面側から書
き込みを行なう、いわゆる両面記録タイプとしてもよ
い。
膜層4、保護層5、保護膜6等を有する基板をさらに1
セット用いて、両磁性薄膜層を内側にして対向させて、
接着剤層7を用いて貼り合せて、両基板の裏面側から書
き込みを行なう、いわゆる両面記録タイプとしてもよ
い。
さらに、これらの基板2や保護板8の裏面(磁性薄膜
層4を設けていない側の面)には各種保護膜としてのハ
ードコート層を設けることが好ましい。
層4を設けていない側の面)には各種保護膜としてのハ
ードコート層を設けることが好ましい。
ハードコート層の材質としては、前述した保護層膜6
の材質と同様なものとしてもよい。
の材質と同様なものとしてもよい。
V 発明の効果 第1の発明の光磁気記録媒体は、磁性薄膜層上に所定
の酸素濃度分布をもつ酸化ケイ素保護層を有している。
そのため、磁性薄膜層の経時劣化が少ない。
の酸素濃度分布をもつ酸化ケイ素保護層を有している。
そのため、磁性薄膜層の経時劣化が少ない。
このような効果は、特に、保護層上に有機系の保護膜
を設層したとき、より顕著になる。
を設層したとき、より顕著になる。
第2の発明の光磁気記録媒体は、基板がポリカーボネ
ート樹脂であり、上記の酸化ケイ素保護層に加えて、基
板上に所定の酸素濃度分布をもつ酸化ケイ素中間層を有
している。そのため、上記効果に加え、記録・再生特性
に優れ、かつ、ソリ等に対する寸法精度の安定性が高
い。
ート樹脂であり、上記の酸化ケイ素保護層に加えて、基
板上に所定の酸素濃度分布をもつ酸化ケイ素中間層を有
している。そのため、上記効果に加え、記録・再生特性
に優れ、かつ、ソリ等に対する寸法精度の安定性が高
い。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に
説明する。
説明する。
[実施例1] 直径13cm、厚さ1.2mmのガラス製基板上に、21at%Tb,
68at%Fe,7at%Co,4at%Cr合金薄膜を、スパッタリング
によって厚さ800Åに設層し、磁性薄膜層とした。
68at%Fe,7at%Co,4at%Cr合金薄膜を、スパッタリング
によって厚さ800Åに設層し、磁性薄膜層とした。
なお、ターゲットは、FeターゲットにTb、Co、Crチッ
プをのせたものを用いた。
プをのせたものを用いた。
この磁性薄膜層上に、酸化ケイ素保護層を厚さ1000Å
にスパッタリングで設層した。
にスパッタリングで設層した。
なお、スパッタリングに際して、酸化ケイ素保護層に
所定の酸素濃度分布を設けるために、ターゲットはSiO2
とSiの2種類を用いる2元スパッタとし、これらの使用
を時間的に制御した。
所定の酸素濃度分布を設けるために、ターゲットはSiO2
とSiの2種類を用いる2元スパッタとし、これらの使用
を時間的に制御した。
設層後、イオンエッチングを行いながら層中の元素分
析を行った結果、磁性薄膜層側から膜厚の1/4の位置ま
でのO/Si原子比(X1)は0.6であり、磁性薄膜層と反対
側から1/4の位置までのO/Si原子比(X4)は1.2であっ
た。また、層全体の平均O/Si原子比(X)は0.9であっ
た。
析を行った結果、磁性薄膜層側から膜厚の1/4の位置ま
でのO/Si原子比(X1)は0.6であり、磁性薄膜層と反対
側から1/4の位置までのO/Si原子比(X4)は1.2であっ
た。また、層全体の平均O/Si原子比(X)は0.9であっ
た。
この酸化ケイ素保護層上に、下記の放射線硬化型化合
物を含む塗布組成物を保護膜として、スピンナーコート
で設層した。
物を含む塗布組成物を保護膜として、スピンナーコート
で設層した。
(塗布組成物) 多官能オリゴエステルアクリレート 100重量部 光増感剤 5重量部 このような塗布組成物を設層後、紫外線を15sec照射
し架橋硬化させ、硬化膜とした。
し架橋硬化させ、硬化膜とした。
これに準じてサンプルNo.1の酸化ケイ素を含む保護層
を下記表1に示す酸化ケイ素保護層とした以外は、No.1
の場合と同様にして各種サンプルを作製した。
を下記表1に示す酸化ケイ素保護層とした以外は、No.1
の場合と同様にして各種サンプルを作製した。
以上のサンプルについて、初期と、60℃、90%RHにて
1000時間保護後のEFM信号のビットエラーレートを測定
した。
1000時間保護後のEFM信号のビットエラーレートを測定
した。
結果を表1に示す。
[実施例2] 直径13cm、厚さ1.2mmのビスフェノールA系のポリカ
ーボネート樹脂(分子量15000)からなる基板上に、酸
化ケイ素中間層をスパッタリングにより、厚さ800Åに
設層した。
ーボネート樹脂(分子量15000)からなる基板上に、酸
化ケイ素中間層をスパッタリングにより、厚さ800Åに
設層した。
なお、スパッタリングに際して、酸化ケイ素中間層に
所定の濃度分布を設けるために、ターゲットはSiおよび
SiO2の2種類を用いる2元ターゲットとし、これらの使
用を時間的に制御した。設層後、膜中の元素分析を行っ
た結果、基板側から膜厚の1/4の位置までのO/Si比
(y1)は1.2であり、磁性薄膜層から1/4の位置までのO/
Si比(y4)は0.6であった。また膜全体の平均O/Si比
(y)は0.9であった。
所定の濃度分布を設けるために、ターゲットはSiおよび
SiO2の2種類を用いる2元ターゲットとし、これらの使
用を時間的に制御した。設層後、膜中の元素分析を行っ
た結果、基板側から膜厚の1/4の位置までのO/Si比
(y1)は1.2であり、磁性薄膜層から1/4の位置までのO/
Si比(y4)は0.6であった。また膜全体の平均O/Si比
(y)は0.9であった。
この酸化ケイ素中間層のうえに実施例1と同様な磁性
薄膜層を設層し、さらにこの磁性薄膜層上に、実施例1
と同様にして所定の酸素濃度分布を有する酸化ケイ素保
護層を設層した。
薄膜層を設層し、さらにこの磁性薄膜層上に、実施例1
と同様にして所定の酸素濃度分布を有する酸化ケイ素保
護層を設層した。
この酸化ケイ素保護層上に実施例1と同様な保護層を
設け、さらに、上記基板裏面上にも同様な処理を施し、
第2の発明のサンプルとした。
設け、さらに、上記基板裏面上にも同様な処理を施し、
第2の発明のサンプルとした。
これらのサンプルにつて、以下に示すような特性値を
測定した。
測定した。
(1) C/N比(保存劣化) 初期のC/N比と、60℃、90%RHにて1000時間保存後のC
/N比の変化量を下記の条件で測定した。
/N比の変化量を下記の条件で測定した。
回転スピード 4m/sec 搬送周波数 500KHz 分解能 30KHz 記録パワー(830nm) 3〜4mW 再生パワー(830nm) 1mW (2) ビットエラーレート 初期と、60℃、90%RHにて1000時間保存後のEFM信号
のビットエラーレートを測定した。
のビットエラーレートを測定した。
結果を表2に示す。
以上の結果より本発明の効果は明らかである。
第1図は、本発明の1例を示す光磁気記録媒体の断面図
である。 符号の説明 1……光磁気記録媒体、2……基板、3……酸化ケイ素
中間層、4……磁性薄膜層、5……酸化ケイ素保護層、
6……保護膜、7……接着剤層、8……保護板
である。 符号の説明 1……光磁気記録媒体、2……基板、3……酸化ケイ素
中間層、4……磁性薄膜層、5……酸化ケイ素保護層、
6……保護膜、7……接着剤層、8……保護板
Claims (6)
- 【請求項1】基板上に希土類−遷移金属の磁性薄膜層を
有し、この磁性薄膜層上に酸化ケイ素保護層を有する光
磁気記録媒体において、 上記酸化ケイ素保護層中の磁性薄膜層側の酸素含有量
が、磁性薄膜層と反対側の酸素含有量と比べて小さく、 上記酸化ケイ素保護層の磁性薄膜層と反対側の表面から
1/4までの位置のO/Si原子比が、磁性薄膜層側の表面か
ら1/4までの位置のO/Si原子比の1.4〜2.5倍であること
を特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項2】上記酸化ケイ素保護層の層全体の平均のO/
Si原子比が0.7〜1.2である特許請求の範囲第1項に記載
の光磁気記録媒体。 - 【請求項3】上記酸化ケイ素保護層上に、有機系の材質
から形成される保護膜を有する特許請求の範囲第1項ま
たは第2項に記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項4】樹脂製の基板上に酸化ケイ素中間層を有
し、この中間層上に希土類−遷移金属の磁性薄膜層を有
し、この磁性薄膜層上に酸化ケイ素保護層を有する光磁
気記録媒体において、 上記基板がポリカーボネート樹脂であり、 上記酸化ケイ素中間層における基板側の酸素含有量が磁
性薄膜層側のそれと比べ大きく、かつ 上記酸化ケイ素保護層中の磁性薄膜層側の酸素含有量
が、磁性薄膜層と反対側のそれと比べて小さく、 上記酸化ケイ素中間層の基板側から1/4までの位置の酸
化ケイ素中間層中のO/Si原子比が、磁性薄膜層側から1/
4までの位置の酸化ケイ素中間層中のO/Si原子比の1.4〜
2.5倍であり、かつ 上記酸化ケイ素保護層の磁性薄膜層と反対側の表面から
1/4までの位置のO/Si原子比が、磁性薄膜層側の表面か
ら1/4までの位置のO/Si原子比の1.4〜2.5倍であること
を特徴とする光磁気記録媒体。 - 【請求項5】上記酸化ケイ素中間層の層全体の平均のO/
Si原子比が0.7〜1.2であり、かつ 上記酸化ケイ素保護層の全体の平均のO/Si原子比が0.7
〜1.2である特許請求の範囲第4項に記載の光磁気記録
媒体。 - 【請求項6】上記酸化ケイ素保護層上に、有機系の材質
から形成される保護膜を有する特許請求の範囲第4項ま
たは第5項に記載の光磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61207566A JP2543832B2 (ja) | 1986-09-03 | 1986-09-03 | 光磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61207566A JP2543832B2 (ja) | 1986-09-03 | 1986-09-03 | 光磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6363155A JPS6363155A (ja) | 1988-03-19 |
JP2543832B2 true JP2543832B2 (ja) | 1996-10-16 |
Family
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Families Citing this family (1)
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1986
- 1986-09-03 JP JP61207566A patent/JP2543832B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS6363155A (ja) | 1988-03-19 |
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