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JP2022018092A - 一体型プランジャを備えたピペット・チップとともに使用するためのピペット - Google Patents

一体型プランジャを備えたピペット・チップとともに使用するためのピペット Download PDF

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JP2022018092A JP2021113789A JP2021113789A JP2022018092A JP 2022018092 A JP2022018092 A JP 2022018092A JP 2021113789 A JP2021113789 A JP 2021113789A JP 2021113789 A JP2021113789 A JP 2021113789A JP 2022018092 A JP2022018092 A JP 2022018092A
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Abstract

【課題】ピペットをチップ・プランジャに接続または解除する力が低減し、高粘度の液体を高速ピペット操作中にチップ・プランジャがピペットから離れることがない、一体型チップ・プランジャを備えたピペット・チップとともに使用するためのピペットの提供。【解決手段】ロッド状のピペット・ハウジング2と、該ハウジングの下端部にある、ピペット・チップ57を保持するためのネック4と、ピペット・チップ内でチップ・プランジャを変位させるストローク・ロッド17と、ストローク・ロッドに確実に接続されているチップ・プランジャを用いて、液体試料をネックに保持されているピペット・チップに吸入し、かつその試料を吐出するために、ストローク・ロッドを変位させる駆動装置12と、ストローク・ロッドと同軸に配置され、ストローク・ロッドに向かってピペット・ハウジング内で変位可能に案内される少なくとも1つのロック・スリーブ46とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、一体型プランジャを備えたピペット・チップとともに使用するためのピペットに関する。
ピペットは、特に、選択された容量の液体を計量するための、医学的、分子生物学的、および、製薬的用途で、科学工業用の実験室において利用される。この液体は、特に、単一の液体成分からなる均質(単相)液体、または複数の液体成分(溶液)の均質混合物からなっていてもよい。さらに、この液体はまた、別の液体(エマルジョン)または固体(懸濁液)を含む不均一な(多相)液体混合物であってもよい。
ピペットはスティック状のピペット・ハウジングを有し、ピペット・チップを固締するためのネック(アタッチメント)を下端部に備えている。ネックは、たいていは、円錐形、円筒形、または部分的に円錐形および円筒形の凸部であり、「作業円錐部」とも呼ばれる。ピペット・チップは、下端部に先端開口部と上端部に装着用開口部とを備えた中空チューブであり、ピペット・チップはそれによってネックに固締可能である。液体をピペット・チップに注入し、そこから吐出する。液体を注入したり吐出したりすることは、ピペットによって制御される。容積の固定されたピペットは、一定容積をピペット操作する役割を果たす。可変ピペットでは、計量する容量を調節可能である。機械的カウンタを用いて設定された容積を表示する。容量を設定するために、そのカウンタに連結されている設定装置によって駆動装置のストロークを調節することができる。使用後、このピペット・チップはアタッチメントから取り外し、新しいピペット・チップと交換可能である。このようにして、後続のピペット操作中の相互汚染を防ぐことができる。
エア・クッション式ピペットは、チャネルによってネックの貫通孔に接続されているプランジャーシリンダ・システムをピペット・ハウジング内に有する。エア・クッション式ピペットのピペット・チップ(エア・クッション式ピペット・チップ)には、一体型プランジャがない。駆動装置を用いてシリンダ内でプランジャを変位させることによって、ネックに固締されているピペット・チップに液体を吸引してそこからその液体を排出するためにエア・クッションが移動する。エア・クッション式ピペットでは計量誤差がひとつの欠点であるが、それは、吸引された液体の重さのためにエア・クッションの長さが変化することや、温度や空気圧や空気湿度が変化することによるものである。エアゾールによるピペットの汚染もまた、問題となり得る。
容積式ピペットは、一体型プランジャを有するピペット・チップ(容積式ピペット・チップ)とともに使用される。一体型プランジャを備えたピペット・チップは、チップ・プランジャを備え、チップ・プランジャはピペット・チップに挿入され、液体を吸収するためにピペット・チップからさらに引いたり、液体を分注するためにピペット・チップにさらに押し込んだりすることが可能である。容積式ピペットは、ピペット・チップを固締するネックと、一体型プランジャ(チップ・プランジャ)に連結可能な、プランジャを移動させるための駆動装置とを有する。プランジャは液体と直接接触するようになるので、エア・クッションの影響がなくなる。容積式ピペットは、特に、高蒸気圧、高粘度、または高密度の液体の計量や、汚染を避けるためにエアゾールの存在しないことが重要となる分子生物学における用途に適している。
使い捨てまたは再利用のエア・クッションまたは容積式ピペット・チップは、プラスチックまたはガラスからなる。
容積式ピペットであるエッペンドルフ(Eppendorf)社のBiomaster(登録商標)4830の場合、駆動装置がプランジャをピペット・チップ内で変位させるためのストローク・ロッドを有し、このストローク・ロッドは、中空の下部ストローク・ロッド部と、上から下部ストローク・ロッド部に挿入される上部ストローク・ロッド部とを有する。上部ストローク・ロッド部は、ピペット・ハウジングの上端部から突出した操作要素に接続されている。エッペンドルフ社のMastertip(登録商標)ピペット・チップは、ピペットのネックに固締することが可能である。操作要素を押圧することで、ピペット・チップのチップ・プランジャのプランジャ・ロッドの上端部が下部ストローク・ロッド部に押し込まれるように、ストローク・ロッドが下方へ変位可能である。ストローク・ロッドが下部停止部まで下方へ変位すると、ばね装置に予め張力がかかる。操作要素が解除された後、ばね装置はストローク・ロッドを上部停止部まで変位させ、そこでチップ・プランジャが入り込み、液体がピペット・チップに吸引されることができる。吸引された液体は、操作要素を下部停止部に再び押圧することによって吐出可能である。ピペット・チップを解除するために、別のばね装置が圧縮し、上部ストローク・ロッド部が下部ストローク・ロッド部内で下方へ変位し、プランジャを下部ストローク・ロッド部から押し出してピペット・チップをネックから押し離すように、使用者は大きな力で操作要素を押さなければならない。
ピペット・チップをピペットから解除するために、ばね装置のばね効果を克服しなければならない。このことは、特に、ピペット・チップを頻繁に交換しなければならない場合に使用者は疲労することとなる。さらに、高粘度の液体を分注する場合や、ピペット・チップから液体を素早く分注する場合は、先端開口部の流動抵抗が大きくなるために、ピペット・チップがネックから外れてしまうことがある。
独国特許第27 11 124 C2号は、一体型プランジャを備えたピペット・チップとともに使用するためのピペットを記載しており、このピペットは差し込みロックを介してピペット・チップに接続可能である。プランジャは、ピペットのコレットによって堅固に保持されるプランジャ・ロッドを有する。閉位置では、コレットはピペットのチューブ状のガイド・リングによって圧縮されるので、コレットはプランジャ・ロッドの周りを固締する。ガイド・リングがコレットに対して上方へ移動すると、3つのフィンガから構成されているコレットは、その弾性のために開口し、プランジャ・ロッドを解除するので、プランジャ・ロッドを緩く抜くことができる。プランジャ・ロッドとコレットをしっかりと接続しないことによって、意図せずに解除される可能性がある。さらに、差し込みロックは手動で作動する必要があり、このことによって汚染につながる可能性がある。
米国特許第4,474,071号は、一体型プランジャを備えたピペット・チップとともに使用するための別のピペットを記載しており、このピペットはピペット・チップを装着するためのネックと、弾性変形可能なフィンガを有するコレットと、プランジャの上端部を堅固に固締するためにフィンガをスライド可能なスリーブとを備える。このピペットでも、確実に固定されていないプランジャが意図せずに解除され得る。さらに、ピペットとピストンとを接続するのに大きな力が必要となり得る。
米国特許公開第2016/0271602A1号によると、コイルばねがフィンガを弾性的に押し離すために、フィンガ間に配置されている。
このため、本発明の目的は、一体型プランジャを備えたピペット・チップとともに使用するためのピペットを提供することであって、ピペットをチップ・プランジャに接続する力およびチップ・プランジャをピペットから解除する力が低減し、さらにチップ・プランジャはピペットに十分に堅固に保持されているので、高粘度の液体がピペット操作され高速ピペット操作中に、チップ・プランジャがピペットから離れることにはならず、そのホルダ内で移動することにもならない。
本発明による、ピペット・チップとともに使用するためのピペットは、
・ ロッド状のピペット・ハウジングと、
・ ピペット・ハウジングの下端部にある、ピペット・チップを保持するためのネックと、
・ ピペット・チップ内でチップ・プランジャを変位させるストローク・ロッドであって、ストローク・ロッドはその下端部に、ネックに保持されているピペット・チップのチップ・プランジャの上端部を挿入させるための、チップ・プランジャを用いてネックの貫通孔に係合する受け装置を備え、あるいは、ストローク・ロッドがその下端部によって、ネックに保持されているピペット・チップのチップ・プランジャの上端部を挿入させるための、チップ・プランジャを用いてネックの貫通孔に係合する受け装置に挿入可能であり、
・ ストローク・ロッドは、その下端部に、チップ・プランジャと確実に接続するための第1の装置を備え、チップ・プランジャは、その上端部に、チップ・プランジャを第1の装置に確実に接続するための第2の装置を備え、そのため、チップ・プランジャは、弾性拡張するストローク・ロッドの下端部を用いてストローク・ロッドと確実に接続する前に、ストローク・ロッドの受け装置に挿入可能であり、あるいは、ストローク・ロッドは、弾性拡張するチップ・プランジャの上端部を用いてチップ・プランジャと確実に接続する前に、チップ・プランジャの受け装置に挿入可能である、ストローク・ロッドと
・ ストローク・ロッドに確実に接続されているチップ・プランジャを用いて、液体試料をネックに保持されているピペット・チップに吸入し、かつその試料をピペット・チップから吐出するために、ストローク・ロッドを変位させる駆動装置と、
・ ストローク・ロッドと同軸に配置され、ストローク・ロッドに向かってピペット・ハウジング内で変位可能に案内される少なくとも1つのロック・スリーブであって、
・ 少なくとも1つのロック・スリーブは、ロック位置に移動可能であり、そこでは、チップ・プランジャの上端部がストローク・ロッドの受け装置に挿入されることによって拡張可能なストローク・ロッドの下端部とロック・スリーブが外側で隣接し、またはストローク・ロッドの下端部がチップ・プランジャの受け装置に挿入されることによって拡張可能なチップ・プランジャの上端部とロック・スリーブが外側で隣接し、その結果、ロック・スリーブはストローク・ロッドに確実に接続されているチップ・プランジャをストローク・ロッドから解除することを防ぎ、ストローク・ロッドまたはチップ・プランジャの上端部が少なくとも部分的に解除されるようにチップ・プランジャがストローク・ロッドから取り外し可能であり、ロック・スリーブがロック位置から上方へ変位可能である、ロック・スリーブと、を備える。
本発明によるピペットでは、ストローク・ロッドを確実に接続するための第1の装置およびチップ・プランジャを確実に接続するための第2の装置が、互いに相補的に設計されているので、これらはピペット・チップがネックに保持されている場合に互いに確実に接続する。チップ・プランジャの上端部を挿入してストローク・ロッドを弾性的に拡張させたり、ストローク・ロッドの下端部を貫通させてチップ・プランジャを弾性的に拡張させたりことができる点で、チップ・プランジャをストローク・ロッドに接続することは容易である。ストローク・ロッドの下端部がチップ・プランジャの上端部に互いに押し込まれると、確実に接続するための第1の装置と第2の装置との間に作用する力によって、弾性的な拡張が生じる。チップ・プランジャがストローク・ロッドに互いに押し込まれると、チップ・プランジャを確実に接続するための第2の装置がストローク・ロッドに確実に接続するための第1の装置と確実に接続されて、弾性的な拡張が全体的または部分的に反転する。ついで、少なくとも1つのロック・スリーブがロック位置に変位する。その結果、チップ・プランジャがストローク・ロッドに固定される、というのは、ロック位置にあるロック・スリーブがストローク・ロッドの下端部またはプランジャ・ロッドの上端部を弾性的に拡張するのを防ぐためであり、このことは、ストローク・ロッドとプランジャ・ロッドとの間の確実な接続を解除するのに必要である。ピペット・チップをピペットから排出するために、ロック・スリーブがストローク・ロッドの下端部またはプランジャ・ロッドの上端部を少なくとも部分的に解除し、ストローク・ロッドの下端部またはプランジャ・ロッドの上端部を弾性的に拡張することができるように、ロック・スリーブをロック位置から取り出す。したがって、確実な接続をわずかな力で解除することが可能であり、ピペット・チップをネックから外すことができる。
本発明の一実施形態によると、ストローク・ロッドが下端部に少なくとも1つのスロット走行部を長手方向に有し、そのロック・スリーブはロック位置ではストローク・ロッドに隣接し、あるいは、そのロック・スリーブはロック位置ではチップ・プランジャに隣接するように設計されており、チップ・プランジャは上端部に少なくとも1つのスロット走行部を長手方向に有し、ストローク・ロッドに確実に接続されており、ロック・スリーブはチップ・プランジャに対してスロットの領域の外側において隣接している。一変形例によると、ストローク・ロッドは、弾性的拡張のための少なくとも1つのスロット走行部を長手方向に有する。この場合、ストローク・ロッドは、金属またはプラスチックのような硬質弾性材料または軟質弾性材料で構成可能である。シリコーンゴム、熱可塑性エラストマーまたはゴムなどの軟質弾性材料から製造されるストローク・ロッドはまた、スロットがなくても弾性拡張するのに十分な弾性を有し得る。第2の変形例によると、チップ・プランジャは、上端部に、弾性的拡張のための少なくとも1つのスロット走行部を長手方向に有する。この場合、チップ・プランジャは、ポリプロピレンまたはポリエチレンのような硬質弾性プラスチック、または軟質弾性プラスチックで構成可能である。さらに可能であるのは、チップ・プランジャの少なくとも上端部をたとえばシリコーンゴムや熱可塑性エラストマー、またはゴムなどの軟質弾性材料から製造し、スロットがなくても弾性拡張するのに十分な弾性を有するようにチップ・プランジャを製造することである。チップ・プランジャは、複数の材料から多構成で射出成形することによって製造可能である。そうすることによって、様々な材料を互いに、確実にかつ/または化学的に接続することができる。ロック・スリーブは、ストローク・ロッドまたはチップ・プランジャの上端部を弾性的に拡張するのに適した径方向の力で圧力を受けても変形しないように設計されている。ロック・スリーブは、たとえば、金属、硬質弾性プラスチック、または硬質プラスチックからなる。
別の実施形態によると、ロック・スリーブが第1の操作要素に接続されており、第1の操作要素はピペット・ハウジングから突出しており、第1の操作要素を作動させることによって、ロック・スリーブを下方へ変位させてロック位置になるようにピペット・ハウジングに対して変位可能である。使用者は、第1の操作要素を用いて簡単にロック要素をロック位置に変位させたり、ロック位置から上昇させたりすることが可能である。構造がより簡潔な別の実施形態では、ロック・スリーブが第1の操作要素に接続されておらず、手動で変位可能である。
別の実施形態によると、ピペットが吐出装置を有し、吐出装置は、ネックの長手方向に変位可能となるようにストローク・ロッドの軸内径部の内側で案内され、チップ・プランジャがストローク・ロッドに確実に接続されるとその下端部がチップ・プランジャの上に配置される吐出ロッドを備え、吐出ロッドを変位させるために吐出ロッドに接続されている第2の操作要素を備え、吐出装置は、ロック・スリーブが少なくとも部分的にストローク・ロッドの下端部やチップ・プランジャの上端部を解除するとき、チップ・プランジャをストローク・ロッドから押し離し、吐出ロッドを下方へ変位させることによってチップ・プランジャを備えるピペット・チップをネックから押し離するように設計されている。このことによって、使用者の側でピペット・チップを容易に排出することができ、特に、使用者がピペット・チップを把持してピペットから除去する必要がないので、汚染を防止することができる。吐出装置のない構造的に簡潔な実施形態では、使用者はピペットからピペット・チップを手動で除去することができる。
別の実施形態によると、ネックがピペット・チップと確実に接続するための第1の装置を有し、そのため、ネックに確実に接続するための第1の装置にピペット・チップを確実に接続するための第2の装置を有するピペット・チップが、ネックに確実に接続する前に、ネックの弾性収縮および/またはピペット・チップの弾性拡張によってネックに押し付けることが可能であり、少なくとも1つのロック・スリーブがネックと同軸に配置され、ネックに向かってピペット・ハウジング内で変位可能に案内され、少なくとも1つのロック・スリーブは、ロック位置に変位可能であり、そこでは、ロック・スリーブが、ピペット・チップが押し付けられることで収縮可能なネックと内側で隣接し、かつ/またはネックに押し付けられることで拡張可能なピペット・チップと外側で隣接し、その結果、ロック・スリーブはネックに確実に接続されているピペット・チップをネックから解除することを防ぎ、ネックおよび/またはピペット・チップが少なくとも部分的に解除されるようにロック・スリーブがロック位置から上方へ変位可能であり、ピペット・チップがネックから取り外し可能である。この実施形態では、ネックを確実に接続するための第1の装置およびピペット・チップを確実に接続するための第2の装置が、互いに相補的に設計されているので、これらはピペット・チップがネックの特定の位置にある場合に互いに確実に接続する。ピペット・チップを押し付けることによってネックを弾性的に収縮させることができ、かつ/または、ネックを貫通させることによってピペット・チップを弾性的に拡張させることができる点において、ピペット・チップをネックに接続することは容易である。ピペット・チップがネックに押し付けられると、確実に接続するための第1の装置と第2の装置との間に作用する力によって、弾性的な収縮および/または拡張が生じる。ピペット・チップがネックに押され、ピペット・チップを確実に接続するための第2の装置がネックを確実に接続するための第1の装置と確実に接続されると、弾性的な収縮および/または弾性的な拡張が全体的または部分的に反転する。ついで、少なくとも1つのロック・スリーブがロック位置に変位する。このことによって、ピペット・チップがネックに固定される、というのは、ロック位置にあるロック・スリーブがネックの弾性的な収縮を防ぎ、かつ/またはピペット・チップの弾性的な拡張を防ぐためであり、このことは、ネックとピペット・チップとの間の確実な接続を解除するのに必要である。ピペット・チップをピペットから排出するためには、ネックおよび/またはピペット・チップが少なくとも部分的に解除され、ネックが弾性的に収縮可能であり、かつ/またはピペット・チップが弾性的に拡張可能であるようにロック・スリーブがロック位置から取り外される。したがって、確実な接続をわずかな力で解除することが可能であり、ピペット・チップをネックから外すことができる。
一実施形態によると、ネックが少なくとも1つのスロット走行部を長手方向に有し、ロック・スリーブはロック位置では内側でネックに隣接し、かつ/または、ロック・スリーブはロック位置では外側でピペット・チップに隣接するように設計されており、ピペット・チップは上端部に少なくとも1つのスロット走行部を長手方向に有し、ネックに確実に接続されている。一変形例によると、ネックは、弾性的に収縮するための少なくとも1つのスロット走行部を長手方向に有する。この場合、ネックは、金属またはプラスチックのような硬質弾性材料または軟質弾性材料で構成可能である。シリコーンゴム、熱可塑性エラストマーまたはゴムなどの軟質弾性材料から製造されるネックはまた、スロットがなくても弾性的に収縮するのに十分な弾性を有し得る。第2の変形例によると、ピペット・チップは、上端部に、弾性的拡張のための少なくとも1つのスロット走行部を長手方向に有する。この場合、ピペット・チップは、ポリプロピレンまたはポリエチレンのような弾性プラスチック、または軟質弾性プラスチックで構成可能である。さらに可能であるのは、ピペット・チップの少なくとも上端部をたとえばシリコーンゴムや熱可塑性エラストマー、またはゴムなどの軟質弾性材料から製造し、スロットがなくても弾性拡張するのに十分な弾性を有するようにピペット・チップを製造することである。ピペット・チップは、複数の材料から多構成で射出成形することによって製造可能である。そうすることによって、様々な材料を互いに、確実にかつ/または化学的に接続することができる。ロック・スリーブは、ネックを弾性的に収縮し、かつ/またはピペット・チップを弾性的に拡張するのに適した径方向の力で圧力を受けても変形しないように設計されている。ロック・スリーブは、たとえば、金属、硬質弾性プラスチック、または硬質プラスチックからなる。
別の実施形態によると、ロック・スリーブがストローク・ロッドとネックとの間に配置されており、ロック位置では、外側でストローク・ロッドの下端部またはチップ・プランジャの上端部と隣接し、同時に内側でネックと隣接し、その結果、ロック・スリーブはストローク・ロッドに確実に接続されているチップ・プランジャをストローク・ロッドから解除することを防ぎ、同時に、ネックに確実に接続されているピペット・チップをネックから解除することを防ぐ。このように、チップ・プランジャをストローク・ロッドと確実に接続し、ピペット・チップをネックと確実に接続することは、同じロック・スリーブによって確実となる。このことによって、構造的な複雑さを軽減することが可能である。一代替実施形態では、チップ・プランジャをストローク・ロッドと確実に接続することは第1のロック・スリーブによって確実となり、ピペット・チップをネックと確実に接続することは、第2のロック・スリーブによって確実となる。この目的のために、第2のロック・スリーブが内側でネックと隣接することができ、または、ネックに装着されているピペット・チップに外側で隣接することができる。
別の実施形態によると、ロック・スリーブおよび吐出ロッドが歯車装置に接続されており、歯車装置は第1の操作要素および第2の操作要素を備え、少なくとも1つの操作要素が作動するとロック・スリーブおよび吐出ロッドを反対の方向に変位させるよう制御するように設計されているので、ストローク・ロッドに確実に接続されているチップ・プランジャは、吐出ロッドが上方へ変位し、かつロック・スリーブが下方へ変位することによってストローク・ロッドから取り外されることはなく、ロック・スリーブが上方へ変位し、かつ吐出ロッドが下方へ変位することによって、チップ・プランジャはストローク・ロッドから取り外し可能であり、かつピペット・チップがネックから取り外し可能である。歯車装置を用いて、チップ・プランジャを確実に保持し、かつ必要に応じてピペット・チップをピペットに保持するか、あるいは、チップ・プランジャの堅固な保持を解除し、かつ必要に応じてピペット・チップの堅固な保持を解除しピペットから取り外すために、ロック・スリーブと吐出ロッドの反対方向の変位を同期化することができる。このことによって、一体化されたチップ・プランジャを備えたピペット・チップの使用者側の使用が容易になる。
別の実施形態によると、ピペット・チップが押し下げられているとき、歯車装置は、まずロック・スリーブを上方へ変位させ、ついで、吐出ロッドを下方へ変位させることによって、チップ・プランジャをストローク・ロッドから押し離し、ピペット・チップをアタッチメントから押し離すように設計されている。したがって、チップ・プランジャとストローク・ロッドの確実な保持と、必要に応じてピペット・チップとネックの確実な保持とが解除された後でのみ、チップ・プランジャがストローク・ロッドから押し離され、ピペット・チップがネックから押し離される。別の実施形態によると、ロック・スリーブがロック位置にある場合、吐出ロッドがプランジャ・ロッドをすでに押圧している。
別の実施形態によると、同じ操作要素がロック・スリーブの変位と吐出ロッドの変位とを制御する。この実施形態では、第1の操作要素は同時に第2の操作要素である。別の実施形態によると、同じ操作要素が駆動装置を制御する。別の実施形態によると、操作要素が駆動装置を駆動する。
このことによって、把持することなく片手でピペットを操作することができる。別の実施形態によると、ピペットがロック・スリーブおよび吐出装置を作動させる操作要素と、この操作要素と異なり、駆動装置を制御する別の操作要とを有する。
別の実施形態によると、歯車装置が、ピペット・ハウジング内に回転可能に取り付けられた湾曲支持部と、湾曲支持部の円周上の第1の曲線部を案内され、ピペット・ハウジングでネックの長手方向に変位可能に案内される、吐出ロッドから突出している第1の検知要素と、湾曲支持部の円周上の第2の曲線部 を案内され、ロック・スリーブから上方へ突出する制御ロッドから突出し、ピペット・ハウジング内でネックの方向に変位可能に案内可能な、ロック・スリーブとともにロック装置を形成する第2の検知要素と、ピペット・ハウジングから突出し、ピペット・ハウジングに対して回転可能な操作要素と、を備える。操作要素が開始位置に配置されると、ロック位置にあるロック・スリーブが外側でストローク・ロッドの下端部またはチップ・プランジャの上端部と隣接し、必要であれば、内側でネックと隣接し、かつ/または外側でピペット・チップと隣接するように、湾曲支持部が設計されており、その結果、ロック・スリーブはストローク・ロッドに確実に接続されているチップ・プランジャが解除されることを防ぎ、必要に応じて、ネックに確実に接続されているピペット・チップがネックから解除することを防ぎ、ストローク・ロッドの下端部またはチップ・プランジャの上端部が少なくとも部分的に解除され、必要に応じて、ネックおよび/またはピペット・チップが少なくとも部分的に解除され、吐出ロッドがピペット・チップをネックから押し離すように、操作要素が回転していることによって、ロック・スリーブが上方へ変位可能である。湾曲支持部を備えた歯車装置は、欧州特許出願番号第19 150 808.4号の「ピペット・チップとともに使用するためのピペット」という名称の、同一出願人による今日の日付の並行する欧州特許出願に記載されているように設計可能である。この点に関して、上述の出願を参照し、これによってその内容は本特許出願に組み込まれるものとする。
別の実施形態によると、駆動装置が伝達機構を有し、伝達機構は、操作要素を繰り返し下方へ変位させると、その下方の変位の間で操作要素が上方へ変位し、駆動装置のドライブ要素を上下に交互に変位させるように設計されている。本実施形態は、駆動装置を駆動するためにネックの長手方向に変位可能な操作要素に有利である。操作要素がまず下方へ変位すると、ドライブ要素が上部位置から下部位置に下方へ変位し、つぎに操作要素が上方へ変位すると、ドライブ要素はその下部位置を保持し、その後、操作要素が下方へ変位すると、ドライブ要素は上部位置に戻される。この手順は、必要な頻度で繰り返すことができる。
別の実施形態によると、伝達機構が、回転スリーブとして設計されている湾曲支持部内に少なくとも部分的に配置されている。このことによって省スペースでの収納が可能となる。
別の実施形態によると、ピペット・ハウジングおよび歯車装置が、操作要素を独立して開始位置に変位するように設計されているマグネット配置部および/またはばね装置を有する。マグネット配置部は、たとえば、2つの永久磁石、または1つの永久磁石および1つの強磁性要素を含む。永久磁石またはそれぞれ強磁性要素は、互いに接近したときに操作要素を開始位置に独立して変位させるように、ピペット・ハウジングおよび歯車装置上に保持されている。このことは、歯車装置が開始位置から変位したときに予め張力がかかり、歯車装置を変位させて開始位置に戻そうとするばね装置によっても達成される。
別の実施形態によると、ネックと同軸であり、ばねを介してピペット・ハウジングに支えられており、ピペット・チップがネックに押しつけられることによって予め張力を掛けることができる検知要素があるので、ピペット・チップがネックから解除されるとばねが緩み、検知要素が、ピペット・チップがネックから押し離される助けをする。この検知要素は、特に、欧州特許第18 168 763.3号に記載されているようなピペット・チップのカラーを検知する検知装置の検知要素であってもよい。この点に関して、上述の出願を参照し、これによってその内容は本特許出願に組み込まれるものとする。
別の実施形態によると、ピペット・チップが、シングルチャネル・ピペットまたはマルチチャネル・ピペットである。マルチチャネル・ピペットでは、湾曲支持部はマルチチャネル・エジェクタの吐出ロッドを制御可能である。
別の実施形態によると、ストローク・ロッドをチップ・プランジャに確実に接続するための第1の装置が、ストローク・ロッドの下端部にある環状溝または環状円周ビードである。別の実施形態によると、確実に接続するための第1の装置が、ストローク・ロッドの下端部またはストローク・ロッドの外周にある受け装置の内周に形成されている。別の実施形態によると、チップ・プランジャを確実に接続するための第2の装置が、チップ・プランジャを確実に接続するための第1の装置と相補的に設計されている。別の実施形態によると、チップ・プランジャを確実に接続するための第2の装置が、チップ・プランジャの上端部にある円周環状溝、またはチップ・プランジャの上端部にある環状円周ビードである。別の実施形態によると、確実に接続する他方の装置が、チップ・プランジャの外周側またはチップ・プランジャの上端部にある受け装置の内周に形成されている。
別の実施形態によると、ネックをピペット・チップに確実に接続するための第1の装置が、ネックの外側にある円周環状溝またはネックの外側にある環状円周ビードである。別の実施形態によると、ピペット・チップを第1の装置に確実に接続するための第2の装置が、第1の装置と相補的に設計されている。別の実施形態によると、ピペット・チップを第1の装置に確実に接続するための第2の装置が、ピペット・チップの上端部の内周にある環状円周ビード、またはその内周にある円周環状溝である。
ストローク・ロッドの下端部は、ストローク・ロッドの垂直方向の長さにわたっておよそ延びる、ストローク・ロッドの底部にある領域を示す。チップ・プランジャの上端部は、チップ・プランジャの垂直方向の長さにわたっておよそ延びる、チップ・プランジャの頂部にある領域を示す。ピペット・チップの上端部は、ピペット・チップの垂直方向の長さにわたっておよそ延びる、ピペット・チップの頂部にある領域を示す。
本発明を、例示的実施形態の添付図面に基づいて、以下により詳細に説明する。
ピペット・チップがネックに取り付けられている、容積式ピペットの部分的に切り抜いた斜視図である。 ピペット・チップが取り付けられている同じ容積式ピペットの内側に隣接するロック・スリーブを有する、スロット付きネックの拡大斜視図である。 同じ配置の側面図である。 同じ配置の長手方向図である。 図1の容積式ピペットの拡大詳細図である。 図1よりピペット・ハウジングをなくした容積式ピペットの分解図である。 同じ容積式ピペットの、吐出ロッドおよびロック・スリーブが開始位置にある回転スリーブの斜視図である。 開始位置にある同じ容積式ピペットの部分的に切り抜いた側面図である。 ピペット操作中の同じ容積式ピペットの部分的に切り抜いた側面図である。 吐出中の同じ容積式ピペットの部分的に切り抜いた側面図である。 別の容積式ピペットのネックにあるスロット付きピペット・チップの、ロック・スリーブがピペット・チップの外側にある縦断面図である。 ストローク・ロッド(図12a)、ロック・スリーブ(図12b)、ネック(図12c)、ピペット・チップ(図12d)、およびチップ・プランジャ(図12e)のそれぞれ側面図である。 ストローク・ロッドの下端部(図13a)、ロック・スリーブに挿入されているストローク・ロッド(図13b)、およびネックに挿入されているストローク・ロッドおよびロック・スリーブ(図13c)の、それぞれ下および横から斜めにみた斜視図である。 プランジャ・ロッドの上端部およびストローク・ロッドの下端部の確実な接続前(図14a)、確実な接続後(図14b)、ロック・スリーブが押された後(図14c)、ピペット・チップがネックと確実な接続をする前(図14d)、確実な接続後(図14e)、およびロック・スリーブがロック位置にある状態(図14f)の、それぞれ側面図である。
本出願では、「上部」および「下部」、または「頂部」および「底部」、ならびに「垂直」および「水平」という表記や、これらに由来するたとえば「上」、「下」、「直立」および「上下逆」ならびに「一方を他方の上に」などの用語は、ネックが垂直に向いており、ピペット・ハウジングの下向きの端部に位置する、ピペットの配置を示す。ピペット・チップに関して、これらの表記は、ピペット・チップの中心軸の垂直の向きを示し、先端開口部は底部に配置され、装着用開口部は頂部に配置されている。
ロック位置において内側でネックに隣接するロック・スリーブを用いてピペット・チップをピペットのネックに固定する例示的実施形態を図1から図10に基づいて説明する。外側でピペット・チップに隣接するロック・スリーブを用いてピペット・チップをピペットのネックに固定する例示的実施形態を図11に基づいて説明する。ロック位置において外側でストローク・ロッドの下端部に隣接するロック・スリーブを用いてチップ・プランジャをストローク・ロッドに固定する例示的実施形態を図12から図14に基づいて説明する。この例示的実施形態では、ピペット・チップはまた、内側でネックと隣接している同じロック・スリーブを用いて、ネックに固定されている。図1から図10のピペットに関する説明は、図12から図14によるピペットにも適用する。
図1によると、容積式ピペットとして設計されているピペット1が、ロッド状の(円筒形の)ピペット・ハウジング2を有する。中空の円筒形の軸部3がピペット・ハウジング2の下端部から下方へ突出している。ネック4が軸部3の下端部から下方へ突出しており、ネック4は、図1および図4によると、貫通孔を下端部に備えた貫通内径部5を有する。貫通内径部5の内径は、軸部3の内径よりも小さい。
ネック4は、中空のシリンダの形状をした上部ネック部6と、その下に、中空の円錐形状をした下部ネック部7とを有する。環状溝8が上部ネック部6と下部ネック部7との間でネック4の外周部を周回する。
上部ネック部6、環状溝8、および下部ネック部7が、ピペットをピペット・チップに確実に接続するための第1の装置9を形成する。
さらに、ネック4はその長手方向に走行するスロット10を備え、スロット10は円周上に均等に分布している。スロット10は下端部11からネック4の全長にわたり延びている。
図1、図5、および図6によると、駆動装置12がピペット・ハウジング2内にあり、伝達ロッド14の形をした伝達要素13と、伝達機構15と、ストローク・ロッド17の形をしたドライブ要素16とを備える。さらに、駆動装置12は、操作レバー19の形をした操作要素18を備え、操作要素18は、バー20を介して支持プレート21に堅固に接続されている。
図6によると、支持プレート21は、広幅の丸い端部と狭幅の丸い端部とを備えた楕円形であり、操作レバー19が狭幅の丸い端部の縁部から突出している。この縁部に加えて、支持プレート21は第1の湾曲スロット22を有し、第1の湾曲スロット22は狭幅の丸い端部の輪郭にほぼ平行に走行する。さらに、支持プレート21は、狭幅の丸い端部側にある第1の湾曲スロット22の中心に、矩形の第1の縁部切り欠き部23を有する。
図1および図5によると、ストローク・ロッド17が軸部3およびネック4に上から挿入される。図4によると、ストローク・ロッド17は中空であり、ストローク・ロッド17の下端部にある孔まで延びる軸内径部を備えている。さらに、ストローク・ロッド17は、下端部から長手方向に延びる縦スロット24を備えている。縦スロット24のために、ストローク・ロッド17の断面はC字形をしている。その下端部が、プランジャ・ロッドの上端部用の受け装置25を形成している。
伝達機構15は、操作レバー19を繰り返し下方へ変位させると、その下方の変位の間で操作レバー19が上方に変位し、操作レバー19の変位の間にストローク・ロッド17が上下に交互に変位するように設計されている。したがって、操作レバー19を下方に押圧することによって、ストローク・ロッド17を上部位置から下部位置へ変位させることができ、ストローク・ロッド17は、その後操作レバー19が上方へ変位する間、下部位置を保持し、次いで操作レバー19を下方へ押圧することによって、ストローク・ロッド17が再び上方へ変位する。このことは、必要な頻度で繰り返すことができる。
図1、図5、および図6によると、ピペット1が吐出装置26を備える。これは、ピペット・ハウジング2内に回転可能に取り付けられており、中空の円筒形回転スリーブ28として設計されている湾曲支持部27を備える。回転スリーブ28は、たとえばその外周によってピペット・ハウジング2の内周に回転可能に取り付けられ、その上下の端部はピペット・ハウジング2の内周にある段の突起に支えられるので、ピペット・ハウジング2内で軸方向に変位することは不可能である。回転スリーブ28の回転軸は、ピペット・ハウジング2の縦軸およびネック4の縦軸と一致する。
回転スリーブ28はその回転軸に平行な直径方向に対向する2つの面に平行な切り欠き部29、30を有し、切り欠き部29、30は回転スリーブ28の上縁部から延びその下縁部からある距離のところで終端する。したがって、回転スリーブ28は、切り欠き部の下では環状ベース31からなり、また、側面で2つの切り欠き部29,30に隣接する環状部の、直径方向に対向する2つのセクタ32,33からなる。
第1の曲線部34および第2の曲線部35が、回転スリーブ28の環状ベース31の外周に配置されている。第1の曲線部34は、逆(上下逆)Yの形をした第1の溝36として設計されている。そのY形の垂直部37は、セクタ32の上縁部の直前でセクタ32に向かってさらに上方へ延びている。第2の曲線部35は、直立したVの形をした回転スリーブ28のベース31の外周にある第2の溝38である。第1の曲線部34および第2の曲線部35は、回転スリーブ28の円周上で互いにたとえば80度ずれるように配置されている。第1の曲線部34および第2の曲線部35はそれぞれ、回転スリーブ28の円周を超えて90度未満の角範囲を超えて延びている。
図1、図5、および図6によると、吐出装置26は吐出ロッド39を備え、吐出ロッド39は、帯状の上部吐出ロッド部40と円筒形の下部吐出ロッド部41とを備える。吐出ロッド39の代わりに、それに応じて湾曲した連続ワイヤを使用することができる。上部吐出ロッド部40および下部吐出ロッド部41は互いに平行であり、互いに対して側方にずれるように配置されている。上部吐出ロッド部40の下端部が、2つの吐出ロッド部に対して斜めに傾斜している帯状の接続ロッド部42によって、下部吐出ロッド部41の上端部に接続されている。第1のガイド・ピン44の形をした第1の検知要素43が、上部吐出ロッド部40の内側から直角に突出している。吐出ロッド39は、好ましくは、たとえば硬質プラスチックから単一部品として設計される。
図1、図4、および図7によると、吐出ロッド39がガイド・ピン44によって第1の溝36に案内され、接続ロッド部42がストローク・ロッド17の縦スロット24を貫通し、下部吐出ロッド部41がほとんどその下端部までストローク・ロッド17内で延びている。
図1、図4、図5、および図6によると、ピペット1はロック装置45を備え、ロック装置45は、ロック・スリーブ46と、それに平行な帯状の制御ロッド47とを備える。ロック・スリーブ46の上端部および制御ロッド47の下端部が互いに第2の接続ロッド部48によって接続されており、第2の接続ロッド部48はロック・スリーブ46および制御ロッド47に対して斜めに角度をつけられている。第2のガイド・ピン49.1の形をした第2の検知要素49が、制御ロッド47の内側から突出している。
図1および図7によると、第2のガイド・ピン49.1が第2の溝38に案内される。図1および図4によると、ロック・スリーブ46が軸部3に上から挿入され、ネック4の内面に当接する。ストローク・ロッド17および吐出ロッド39が、上からロック・スリーブ46に挿入される。
第1の湾曲スロット22で、操作要素18が、第1の溝36が延びている回転スリーブ28のセクタ32に押し付けられる。図1、図6、および図7によると、回転スリーブ28は、2つのセクタ32、33をつなぎ、回転スリーブ28を安定化させる支持リング50に頂部で接続されている。支持リング50は、外縁部に、下方へ突出する側面51を備え、側面51は2つのセクタ32,33の外縁部を側方で包囲する。さらに、支持リング50はセクタ33の上縁部を収容する第2の湾曲スロット52を有し、湾曲スロット52には溝36,38が備えられていない。径方向反対側では、側面51に矩形の第2の縁部切り欠き部52.1があり、縁部切り欠き部52.1は底部で開口しており、操作レバー19と支持プレート21との間のバー20を収容するように設計されている。
支持リング50は、たとえば、接着により回転スリーブ28に接続されている。
回転スリーブ28およびロック・スリーブ46、ならびに操作要素18は、たとえば1つ以上の硬質プラスチックおよび/または金属から作られる。回転スリーブ28、支持リング50、操作要素18、および/またはロック・スリーブ46は、好ましくはそれぞれ1つの部品として設計される。また、操作要素18の操作ボタンは、弾性プラスチックもしくは軟質弾性プラスチック、またはゴムから製造することもできる。
操作レバー19を外側から操作可能となるように、操作レバー19は、第1のハウジング・スロットを通ってピペット・ハウジング2から延びており、第1のハウジング・スロットは、ピペット・ハウジング2の縦軸を横断し、ピペット・ハウジング2の円周の一部に亘って延びている。第1のハウジング・スロットは、ピペット・ハウジング2の長手方向に走行する第2のハウジング・スロットの中央に接続されている。
操作レバー19は、支持リング50から第2のハウジング・スロットに沿って、ばね装置の作用に反して下方へ変位可能であり、回転スリーブ28のセクタ32にある第1の湾曲スロット22を用いてスライドする。ばね装置は、解除後、操作レバー19を独立して上方へ戻して変位させる。
スリーブ状の第3の検知要素53が軸部3の外側で案内される。軸部に案内されるコイルばね54の形をしたばね装置が、ピペット・ハウジング2の底面および第3の検知要素53の頂面に当接する。コイルばね54を用いて、第3の検知要素53が上から軸部3の停止要素またはネック4に押圧される。
計量体積を調整する調整つまみ55が、ピペット・ハウジング2の頂部に配置されている。この調整つまみ55を回転させることによって、計量体積を調整することができる。調整つまみ55の下のピペット・ハウジング2内に配置されているカウンタ56が、それぞれ設定された計量体積を表示する。調整つまみ55および/またはカウンタ56は、伝達機構15に連結されている。伝達機構15は、それぞれ設定された計量体積に応じてストローク・ロッド17のストロークを変更するように設計されており、このストロークは操作要素18を下方へ変位させることによって行われる。
図1および図4によると、ピペット・チップ57がネック4に取り付けられている。ピペット・チップ57は、先端開口部59を有する管状本体58を下端部に、装着用開口部60を有するカラー61を上端部に、ネック4にクランプ締めするためのシート領域62をカラー61の内周縁に備える。シート領域62は、ネック4と相補的であり、円錐形の下部ネック部7を収容するための円錐の下部シート部63を底部に、ネック4の環状溝8に係合するための周縁ビード64をその上に、円筒形の上部ネック部6を収容するための円筒形の上部シート部65をその上に有する輪郭をしている。下部シート部63、ビード64、および上部シート部65はピペット・チップ57をピペット1に確実に接続するための第2の装置66を形成する。
シート領域62の下に、管状本体58は円筒形のプランジャ走行領域67を有する。その下に、管状本体58は下方へ先細りする先端部68を有し、その形状は中空の円錐台である。先端部68は図4に示されており、簡略化のため他の図面では省略されている。チップ・プランジャ69が管状本体58に挿入される。チップ・プランジャ69は、プランジャ走行領域67に案内されるプランジャ70を備える。プランジャ・ロッド71が、プランジャ70から上方へ突出し、プランジャ70よりも直径が小さい。プランジャ・ロッド71はその上端部にプランジャ・ヘッド72を有する。図4によると、プランジャ・ヘッド72がストローク・ロッド17の受け装置25に下方へ押し込まれる。
ピペット1は以下のように使用可能である。
図1および図8によると、ピペット・チップ57がピペット操作位置でピペット1に保持されている。シート領域62は、特に環状溝8に係合しているビード64を用いてネック4に確実に接続されている。操作要素18は、第2のハウジング・スロットの上端部にあるピペット操作位置に配置され、第1のハウジング・スロットに両方向にねじ留めすることが可能である。最大回転角度は、第1の溝36および第2の溝38の周方向の広がり、または第1のハウジング・スロットの、どちらが小さいかによって制限される。
ロック・スリーブ46は、ピペット・チップ57がネック4から意図せずに解除されないように、図4のように最も低い位置に配置される。確実な接続を解除するには、ロック・スリーブ46がこの位置では可能でないネック4の径方向の収縮が実際に必要となる。チップ・プランジャ69がストローク・ロッド17の受け装置25内でプランジャ・ヘッド72に堅固に固締される。
液体を吸い込むためには、ピペット・チップ57の下端部を装着して保持した状態でピペット1を液体に浸す。ついで、操作要素18を下方へ押圧する。この移動は、伝達装置15によってストローク・ロッド17のストローク移動に変換される。その結果、チップ・プランジャ69が上方へ変位する。そうすることで、プランジャ・ヘッド72は、第1のガイド・ピン44がY字状の第1の溝36の垂直部37内を上方へスライドするように、吐出ロッド39を引き込む。この間、ロック・スリーブ46はその位置を維持している。このことは図9に示されている。
一旦操作要素18が設定されたストロークを行うと、ピペット・チップ57が特定量の液体で充填される。ついで、操作要素18は解除され、ばね装置によって、支持リング50の停止位置まで上方へ戻って変位する。この液体量を吐出するために、ピペット1のピペット・チップ57を別の容器の上に向けてもよい。操作要素18を再び下方へ押すことによって、ストローク・ロッド17が下方に変位し、その量の液体が吐出される。そうすることで、第1のガイド・ピン44は、第1の溝36の節まで下方へスライドする。
液体を吸い込んでいる時、設定量の液体に応じた操作ストロークが操作要素18によって行われる。液体を分注するための操作ストロークは、その設定量の液体にかかわらず、常に操作走行路と長さが同じである。
液体を何度か吸い込んだり吐出したりすることが可能である。
ピペット・チップ57を排出するには、操作レバー19をピペット操作位置から右または左に揺動させる。これによって回転スリーブ28が回転するので、ロック・スリーブ46がネック4を解除して径方向内方へ変形可能となるまで、第2の溝38が第2のガイド・ピン49.1を変位させ、したがってロック・スリーブ46を上方へ変位させる。図12から図14までの例示的実施形態では、この過程で、ストローク・ロッド17の下端部が径方向外方へ変形可能となるまで、さらにロック・スリーブ46から解除される。このことを達成するために、ロック・スリーブ46が貫通内径部5から引き抜かれるのが好ましい。さらに、回転スリーブ28を回転させることによって、第1のガイド・ピン44が第1の溝36の底部の2つの側部のうちの1つで下方へ変位するので、吐出ロッド39は、チップ・プランジャ69を押圧し、チップ・プランジャ69は底部で先端部68に当接する。そうすることで、ビード64がネックに径方向の力を及ぼしてネックを収縮させ、ピペット・チップ57とネック4との間の確実な接続が解除される。このことによって、ピペット・チップ57がネック4から解除される。このことは図10に示されている。図12から図14の例示的実施形態では、この過程で、環状溝77または肉厚部75がストローク・ロッド17に径方向の力を加えるので、ストローク・ロッド17が膨張し、チップ・プランジャ69とストローク・ロッド17との間の確実な接続が解除される。ピペット・チップ57をネック4から抜き取ることは、検知要素53によって補助することが可能であり、検知要素53は予め張力を加えたコイルばね54によってピペット・チップ57の頂端部に押圧される。
使用済みのピペット・チップ57をネック4から一旦解除すると、新しいピペット・チップ57をネック4に接続することができる。このことを達成するために、ピペット1を支持部に設けられているピペット・チップ57の吸引用開口部68にネック4を使用して挿入可能である。そうすることで、検知要素53が上方へ変位し、コイルばね54に予め張力がかかる。さらに、プランジャ・ヘッド72は、第1のガイド・ピン44が第1の溝36の第1の分岐点までスライドするように、吐出ロッド39の底面を押圧する。そうすることで、操作要素18がピペット操作位置に配置されるまで、回転スリーブ28がピペット・ハウジング2内で回転する。同時に、第2のガイド・ピン49.1が第2の溝38内で下部位置までスライドする。このことによって、ロック・スリーブ46が図4のロック位置まで変位し、ここではピペット・チップ57がネック4から解除されない。図12から図14までの例示的実施形態では、ロック位置にあるロック・スリーブ46もまたチップ・プランジャ69がストローク・ロッド17から解除されないようにしている。
上述のようにして、チップ・プランジャ69をストローク・ロッド17に接続してピペット操作することができる。
図11の例示的実施形態は、ロック・スリーブ46がピペット・チップ57のカラー61の外周を超えてロック位置へ押される点で、上述のものとは異なる。この容積式ピペットは、上端部から始まる少なくとも1つの縦スロットを有するピペット・チップ57を使用する。ピペット・チップ57とネック4とを確実に接続するために、縦スロット24はピペット・チップ57を径方向に拡張することができる。ロック・スリーブ46が図11に示すようにロック位置に配置される場合、確実な接続は解除されなくなる。ピペット・チップ57をネック4から解除するために、ロック・スリーブ46が上述の例示的実施形態のように回転スリーブ28を用いて上方へ変位し、ついで、チップ・プランジャ69の頂面を押圧することによってピペット・チップ57がネック4から解除される。
図12aから図12eによると、ピペット1は、スロット10がその下端部から始まるネック4と、さらなるスロット73がその下端部から始まるストローク・ロッド17と、上端部に制御ロッド47を有するロック・スリーブ46とを備える。ネック4は、スロット10の領域に円周環状溝8を備える。
図12では、嵌合用ピペット・チップ57および嵌合用チップ・プランジャ69もまた示されている。ピペット・チップ57は、先端開口部59を有する管状本体58を下端部に、装着用開口部60を上端部に備える。ピペット・チップ57は内周にシート領域62があるカラー61を有し、シート領域62では内方へ突出しているビード64が周縁に延びている。
カラーの下に、ピペット・チップ57は、プランジャ走行領域67を内側に有する。チップ・プランジャ69が装着用開口部60を通って管状本体58に挿入される。チップ・プランジャ69は、プランジャ走行領域67に案内されるプランジャ70を備える。
プランジャ・ロッド71は、プランジャ70から上方へ突出し、プランジャ70よりも直径が小さい。プランジャ・ロッド71はその上端部にプランジャ・ヘッド72を有する。
プランジャ・ヘッド72の下に、プランジャ70は下方へ先細りしている円錐部74を有し、これを用いて、チップ・プランジャ69が本体58内に可能な限り挿入されたときにチップ・プランジャ69がプランジャ走行領域67の上端部の中心に位置する。
円錐部74の上に、プランジャ・ヘッド72は継ぎ目のない(run-on)スロープ76を上端部に備えた円筒状の肉厚部75を有する。別の環状溝77はこの肉厚部75の下で周縁に延びている。
図13aでは、3つのスロット73を備えたストローク・ロッド17の下端部が拡大図で示されている。
スロット73間に形成されているストローク・ロッド17の区画は、プランジャ・ヘッド72上の環状溝77にはめ込まれるように成形され寸法決めされている内方へ突出するフック78を底部に有する。
図13bによると、スロット73の開始点を越えるとロック・スリーブ46がストローク・ロッド17に押し付けられる。
図13cによると、この配置がネック4に挿入される。図13cに示されているロック・スリーブ46のロック位置では、ストローク・ロッド17がスロット73の領域でさらに弾性拡張できないように、かつネック4がスロット10の領域でさらに弾性圧縮できないように、ストローク・ロッド17、ロック・スリーブ46、およびネック4が成形され寸法決めされている。フック78がチップ・プランジャ69の環状溝77に係合すると、ロック・スリーブ46はチップ・プランジャ69をストローク・ロッド17から解除しないようにする。
ロック・スリーブ46によって、本体58の内周のビード64にあるネック4の環状溝8に保持されているピペット・チップが解除されないようになっている。
図14は、接合前のチップ・プランジャ69の上端部およびストローク・ロッド17の下端部を示す。接合するために、プランジャ・ヘッド72がストローク・ロッド17の下端部にある開口部に挿入され、そこでは、フック78が継ぎ目のないスロープ76をスライドするとストローク・ロッド17の下端部が徐々に拡張する。スロット73を用いてロック・スリーブ46を弾性的に拡張することが容易となる。最後に、フック78が肉厚部75をスライドし、別の環状溝77にはめ込まれる。このことは図14bに示されている。
図14cによると、ロック・スリーブ46が下端部の弾性拡張を防ぐので、ロック・スリーブ46がスロット73の下端部を越えて押されることによって、チップ・プランジャ69がストローク・ロッド17に固定される。
図14dによると、ビード64がネック4の環状溝8にはめ込まれるまで、ピペット・チップ57が装着用開口部60によって円錐部74に取り付けられている。このことは図14eに示されている。
図14fによると、ピペット・チップ57とネック4との確実な接続は、ロック・スリーブ46を用いて固定されており、ロック・スリーブ46はスロット10、11の領域内へ押し込まれている。同時に、ロック・スリーブ46によって、プランジャ・ロッド71とストローク・ロッド17との確実な接続が保証される。
図12から図14による構成部品を備えたピペットを、図1から図10によるピペットと同様に操作可能である。
1 ピペット
2 ピペット・ハウジング
3 軸部
4 ネック
5 貫通内径部
6 上部ネック部
7 下部ネック部
8 環状溝
9 確実に接続するための第1の装置
10 スロット
11 下端部
12 駆動方向
13 伝達要素
14 伝達ロッド
15 伝達機構
16 ドライブ要素
17 ストローク・ロッド
18 操作要素
19 操作レバー
20 バー
21 支持プレート
22 第1の湾曲スロット
23 第1の縁部切り欠き部
24 縦スロット
25 受け装置
26 吐出装置
27 湾曲支持部
28 回転スリーブ
29 切り欠き部
30 切り欠き部
31 ベース
32 セクタ
33 セクタ
34 第1の曲線部
35 第2の曲線部
36 第1の溝
37 垂直部
38 第2の溝
39 吐出ロッド
40 上部吐出ロッド部
41 下部吐出ロッド部
42 接続ロッド部
43 第1の検知要素
44 ガイド・ピン
45 ロック装置
46 ロック・スリーブ
47 制御ロッド
48 第2の接続ロッド部
49 第2の検知要素
49.1 第2のガイド・ピン
50 支持リング
51 側面
52 第2の湾曲スロット
52.1 第2の縁部切り欠き部
53 第3の検知要素
54 コイルばね
55 調整つまみ
56 カウンタ
57 ピペット・チップ
58 本体
59 先端開口部
60 装着用開口部
61 カラー
62 シート領域
63 下部シート部
64 ビード
65 上部シート部
66 確実に接続するための第2の装置
67 プランジャ走行領域
68 先端部
69 チップ・プランジャ
70 プランジャ
71 プランジャ・ロッド
72 プランジャ・ヘッド
73 スロット
74 円錐部
75 肉厚部
76 継ぎ目のないスロープ
77 環状溝
78 フック

Claims (11)

  1. 一体型チップ・プランジャを備えたピペット・チップとともに使用するためのピペットであって、
    ・ ロッド状のピペット・ハウジング(2)と、
    ・ 前記ピペット・ハウジング(2)の下端部にある、ピペット・チップ(57)を保持するためのネック(4)と、
    ・ 前記ピペット・チップ(57)内でチップ・プランジャ(69)を変位させるストローク・ロッド(17)であって、前記ストローク・ロッド(17)はその下端部に、前記ネック(4)に保持されているピペット・チップ(57)の前記チップ・プランジャ(69)の上端部を挿入させるための、前記チップ・プランジャ(69)を用いて前記ネック(4)の貫通孔(5)に係合する受け装置(25)を備え、あるいは、前記ストローク・ロッド(17)がその下端部によって、前記ネック(4)に保持されているピペット・チップ(57)の前記チップ・プランジャ(69)の上端部を挿入させるための、前記チップ・プランジャ(69)を用いて前記ネックの貫通孔(5)に係合する受け装置に挿入可能であり、
    ・ 前記ストローク・ロッド(17)は、その下端部に、前記ストローク・ロッド(17)を前記チップ・プランジャ(69)に確実に接続するための第1の装置(78)を備え、前記チップ・プランジャ(69)は、その上端部に、前記チップ・プランジャ(69)を前記第1の装置に確実に接続するための第2の装置(77)を備え、そのため、前記チップ・プランジャ(69)は、弾性拡張する前記ストローク・ロッド(17)の下端部を用いて前記ストローク・ロッド(17)と確実に接続する前に、前記ストローク・ロッド(17)の前記受け装置(25)に挿入可能であり、あるいは、前記ストローク・ロッド(17)は、弾性拡張する前記チップ・プランジャ(69)の上端部を用いて前記チップ・プランジャ(69)と確実に接続する前に、前記チップ・プランジャ(69)の前記受け装置に挿入可能である、ストローク・ロッド(17)と
    ・ 前記ストローク・ロッド(17)に確実に接続されているチップ・プランジャ(69)を用いて、液体試料を前記ネック(4)に保持されているピペット・チップ(57)に吸入し、かつその試料を前記ピペット・チップ(57)から吐出するために、前記ストローク・ロッド(17)を変位させる駆動装置(12)と、
    ・ 前記ストローク・ロッド(17)と同軸に配置され、前記ストローク・ロッド(17)に向かって前記ピペット・ハウジング(2)内で変位可能に案内される少なくとも1つのロック・スリーブ(46)であって、
    ・ 前記少なくとも1つのロック・スリーブ(46)は、ロック位置に移動可能であり、そこでは、前記チップ・プランジャ(69)の上端部が前記ストローク・ロッド(17)の前記受け装置(25)に挿入されることによって拡張可能なストローク・ロッド(17)の下端部とロック・スリーブ(46)が外側で隣接し、または前記ストローク・ロッド(17)の下端部が前記チップ・プランジャ(69)の受け装置に挿入されることによって拡張可能な前記チップ・プランジャ(69)の上端部とロック・スリーブ(46)が外側で隣接し、その結果、前記ロック・スリーブ(46)は前記ストローク・ロッド(17)に確実に接続されているチップ・プランジャ(69)を前記ストローク・ロッド(17)から解除することを防ぎ、前記ストローク・ロッド(17)または前記チップ・プランジャの上端部が少なくとも部分的に解除されるようにロック・スリーブがロック位置から上方へ変位可能であり、かつ、かつ前記チップ・プランジャ(69)が前記ストローク・ロッド(17)から取り外し可能である、ロック・スリーブと、を備える、ピペット。
  2. 前記ストローク・ロッド(17)が長手方向に走行する少なくとも1つのスロット(73)を有し、前記ロック・スリーブ(46)は前記ロック位置ではスロット(73)の領域の外側で前記ストローク・ロッド(17)に隣接し、あるいは、前記ロック・スリーブ(46)は前記ストローク・ロッド(71)の前記ロック位置ではチップ・プランジャ(69)に隣接するように設計されており、前記チップ・プランジャ(69)は長手方向に走行する少なくとも1つのスロットを上端部に有し、前記ストローク・ロッド(17)に確実に接続されており、ロック・スリーブはチップ・プランジャに対してスロットの領域の外側において隣接している、請求項1に記載のピペット。
  3. 前記ロック・スリーブ(46)が第1の操作要素(17)に接続されており、前記第1の操作要素(17)は前記ピペット・ハウジング(2)から突出しており、前記第1の操作要素(17)を作動させることによって、前記ロック・スリーブ(46)を下方へ変位させて前記ロック位置になるように前記ピペット・ハウジング(2)に対して変位可能である、請求項1または2に記載のピペット。
  4. 吐出装置(26)を有し、前記吐出装置(26)は、前記ネック(4)の長手方向に変位可能となるように前記ストローク・ロッド(17)の軸内径部の内側で案内され、前記チップ・プランジャが前記ストローク・ロッド(17)に確実に接続されるとその下端部が前記チップ・プランジャ(69)の上に配置される吐出ロッド(39)を備え、前記吐出ロッド(39)を変位させるために前記吐出ロッド(39)に接続されている第2の操作要素(18)を備え、前記吐出装置(26)は、前記ロック・スリーブ(46)が少なくとも部分的に前記ストローク・ロッド(17)や前記チップ・プランジャ(69)の上端部を解除するとき、前記チップ・プランジャ(69)を前記ストローク・ロッド(17)から押し離し、前記吐出ロッド(39)を下方へ変位させることによって前記チップ・プランジャ(69)を備える前記ピペット・チップ(57)を前記ネック(4)から押し離するように設計されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のピペット。
  5. 前記ネック(4)が、前記ネック(4)を前記ピペット・チップ(57)に確実に接続するための第1の装置を有し、そのため、前記ネックに確実に接続するための第1の装置(9)に前記ピペット・チップを確実に接続するための第2の装置(66)を有するピペット・チップ(57)が、前記ネック(4)に確実に接続する前に、前記ネック(4)の弾性収縮および/または前記ピペット・チップ(57)の弾性拡張によって前記ネック(4)に押し付けることが可能であり、少なくとも1つのロック・スリーブ(46)が前記ネック(4)と同軸に配置され、前記ネック(4)に向かって前記ピペット・ハウジング(2)内で変位可能に案内され、前記少なくとも1つのロック・スリーブ(46)は、ロック位置に変位可能であり、そこでは、前記ロック・スリーブ(46)が、ピペット・チップ(57)が押し付けられることで収縮可能なネック(4)と内側で隣接し、かつ/または前記ネック(4)に押し付けられることで拡張可能なピペット・チップ(57)と外側で隣接し、その結果、前記ロック・スリーブ(46)は前記ネック(4)に確実に接続されているピペット・チップ(57)をネック(4)から解除することを防ぎ、前記ネック(4)および/または前記ピペット・チップ(57)が少なくとも部分的に解除されるように前記ロック・スリーブ(46)がロック位置から上方へ変位可能であり、前記ピペット・チップ(57)が前記ネック(4)から取り外し可能である、請求項1から4のいずれか一項に記載のピペット。
  6. 前記ネック(4)が長手方向に走行する少なくとも1つのスロット(10,11)を有し、前記ロック・スリーブ(46)はロック前記位置では内側で前記ネック(4)に隣接し、かつ/または、前記ロック・スリーブ(46)はロック位置では外側でピペット・チップ(57)に隣接するように設計されており、前記ピペット・チップ(57)は長手方向に走行する少なくとも1つのスロットを上端部に有し、前記ネック(4)に確実に接続されている、請求項5に記載のピペット。
  7. 前記ロック・スリーブ(46)が前記ストローク・ロッド(17)と前記ネック(4)との間に配置されており、前記ロック位置では、外側で前記ストローク・ロッド(17)の下端部または前記チップ・プランジャ(69)の上端部と隣接し、同時に内側で前記ネック(4)と隣接し、その結果、前記ロック・スリーブ(46)は前記ストローク・ロッド(17)に確実に接続されているチップ・プランジャ(69)を前記ストローク・ロッド(17)から解除することを防ぎ、同時に、前記ネック(4)に確実に接続されているピペット・チップ(57)を前記ネック(4)から解除することを防ぐ、請求項5または6に記載のピペット。
  8. 前記ロック・スリーブ(4)と前記吐出ロッド(39)とが歯車装置に接続されており、前記歯車装置は第1の操作要素(18)および第2の操作要素(18)を備え、少なくとも1つの操作要素(18)が作動すると前記ロック・スリーブ(46)および前記吐出ロッド(39)を反対の方向に変位させるよう制御するように設計されているので、前記ストローク・ロッド(17)に確実に接続されているチップ・プランジャ(69)は、前記吐出ロッド(39)が上方へ変位し、かつ前記ロック・スリーブ(46)が下方へ変位することによって前記ストローク・ロッド(17)から取り外されることはなく、前記ロック・スリーブ(46)が上方へ変位し、かつ前記吐出ロッド(39)が下方へ変位することによって、前記チップ・プランジャは前記ストローク・ロッド(17)から取り外し可能であり、かつ前記ピペット・チップ(57)が前記ネック(4)から取り外し可能である、請求項4から7のいずれか一項に記載のピペット。
  9. ピペット・チップ(57)が押し下げられているとき、前記歯車装置は、まず前記ロック・スリーブ(46)を上方へ変位させ、ついで、前記吐出ロッド(39)を下方へ変位させることによって、前記チップ・プランジャ(57)を前記ストローク・ロッド(17)から押し離し、前記ピペット・チップ(57)を前記ネック(4)から押し離すように設計されている、請求項8に記載のピペット。
  10. 同じ操作要素(18)が前記ロック・スリーブの変位と前記吐出ロッド(39)の変位とを制御する、請求項8または9に記載のピペット。
  11. 同じ操作要素が前記駆動装置(12)を制御する、請求項1から10のいずれか一項に記載のピペット。
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