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JP2021046436A - ペプチド模倣大環状分子およびその製剤 - Google Patents

ペプチド模倣大環状分子およびその製剤 Download PDF

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JP2021046436A JP2020206701A JP2020206701A JP2021046436A JP 2021046436 A JP2021046436 A JP 2021046436A JP 2020206701 A JP2020206701 A JP 2020206701A JP 2020206701 A JP2020206701 A JP 2020206701A JP 2021046436 A JP2021046436 A JP 2021046436A
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Abstract

【課題】ペプチド模倣大環状分子およびその製剤を提供すること。【解決手段】MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合するペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を含む、非経口投与のための水性医薬製剤が開示される。また、本明細書に開示の該水性医薬製剤を使用して疾患および障害を処置する方法が開示される。本発明は、例えば、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合するペプチド模倣大環状分子、または薬学的に許容されるその塩、緩衝剤、等張化剤、および安定剤を含む水性医薬製剤であって、該水性医薬製剤中の該ペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mLに等しいかまたはそれを超え、該水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含む、水性医薬製剤を提供する。【選択図】図1

Description

関連出願
本願は、2014年9月24日に出願された米国仮出願第62/054,842号の優先権を主張し、その全体が本明細書中に参照によって組み込まれる。
ヒト転写因子タンパク質p53は、DNA損傷および細胞ストレスに応答して、細胞周期の停止およびアポトーシスを誘導し、それによって悪性形質転換から細胞を保護するのに非常に重要な役割を果たしている。E3ユビキチンリガーゼMDM2(HDM2またはヒト二重微小染色体2としても公知)は、p53トランス活性化活性を中和する直接結合の相互作用を介してp53機能を負に制御し、核からp53タンパク質を輸出し、ユビキチン化−プロテアソーム経路を介してp53を分解の標的とする。欠失、変異、またはMDM2過剰発現のいずれかによるp53活性の喪失は、ヒトのがんにおいて最も一般的な欠損である。野生型p53を発現する腫瘍は、活性p53の濃度を安定化または増大する薬理学的薬剤に対して脆弱である。この文脈において、MDM2活性の阻害は、p53活性を修復し、in vitroおよびin vivoでがん細胞をアポトーシスに再感受性にするのに妥当な手法として浮上した。最近になって、MDMX(MDM4、HDM4またはヒト二重微小染色体4としても公知)は、p53の類似の負の制御因子として同定されており、その研究では、MDM2およびMDMXのp53結合界面間の有意な構造的相同性が明らかになっている。またMDMXは、ヒトの腫瘍において過剰発現することが観察されている。p53−MDM2およびp53−MDMXのタンパク質−タンパク質相互作用は、p53の同じ15残基のアルファヘリカルトランス活性化ドメインによって媒介され、そのドメインは、MDM2およびMDMXの表面上の疎水性間隙に挿入される。野生型p53のこのドメインにおける3つの残基(F19、W23、およびL26)は、MDM2およびMDMXとの結合に必須である。
p53、MDM2および/またはMDMXに結合し、それらの活性をモジュレートすることができる化合物が、依然として必要である。本明細書では、p53の活性をモジュレートするp53ベースのペプチド模倣大環状分子を含む水性医薬製剤が提供される。また本明細書では、p53、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質の間の相互作用を阻害するp53ベースのペプチド模倣大環状分子を含む水性医薬製剤が提供される。さらに、本明細書では、それらに限定されるものではないが、がんおよび他の過剰増殖性疾患を含む疾患を処置するために使用することができるp53ベースのペプチド模倣大環状分子を含む水性医薬製剤が提供される。
一態様では、本開示は、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合するペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩、緩衝剤、等張化剤、および安定剤を含む水性医薬製剤であって、水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mLに等しいかまたはそれを超え、水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含む水性医薬製剤を提供する。ミセル形成剤は、solutol−HS−15であり得る。いくつかの例では、ペプチド模倣大環状分子は、界面活性剤なしにミセルを形成する。
別の態様では、本開示は、(i)ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩、(ii)緩衝剤、(iii)安定剤、および(iv)等張化剤を含む水性医薬製剤
であって、水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mLに等しいかまたはそれを超え、緩衝剤に対するペプチド模倣大環状分子のモル比が、0.01〜2.5の範囲である、水性医薬製剤を提供する。
別の態様では、本開示は、K値1×10−7Mまたはそれ未満で標的タンパク質に結合するペプチド模倣大環状分子、または薬学的に許容されるその塩、緩衝剤、等張化剤、および安定剤を含む水性医薬製剤であって、水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mLに等しいかまたはそれを超え、水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含み、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、(a)10〜24個のアミノ酸の長さ値、(b)von Heijne値2〜10、(c)正味電荷−4〜+2、(d)アラニン含量百分率15%〜50%、(e)または(a)〜(d)の任意の組合せを有する、水性医薬製剤を提供する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、製剤中で沈殿しない。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子の水溶性は、ペプチド模倣大環状分子を含む溶液の濁度を評価することによって決定される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、細胞透過性に最適な範囲内に入る両親媒性を有する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、14〜20個のアミノ酸の長さ値を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、von Heijne値2〜9を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、von Heijne値3〜8を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、von Heijne値4〜7を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、正味電荷−2〜0を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、アラニン含量百分率15%〜40%を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、アラニン含量百分率20%〜40%を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、アラニン含量百分率25%〜40%を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、14〜20個のアミノ酸の長さ値、von Heijne値4〜7、正味電荷−2〜0、およびアラニン含量百分率25%〜40%を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、可溶性であるか、オフターゲット効果を有していないか、またはそれらの組合せである。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、疎水性である第1のC末端アミノ酸を含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、疎水性である第2のC末端アミノ酸を含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、疎水性である第3のC末端アミノ酸を含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、疎水性である第4のC末端アミノ酸を含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、疎水性である第5のC末端アミノ酸を含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、疎水性である第6のC末端アミノ酸を含む。
一部の実施形態では、クロスリンカーに結合している第1のアミノ酸は、クロスリンカーに結合している第2のアミノ酸に対してN末端であり、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、クロスリンカーに結合している第2のアミノ酸に対してC末端である1、2、3、4、5、6、7、または8個のアミノ酸を含む。
一部の実施形態では、クロスリンカーに結合している第1のアミノ酸は、クロスリンカーに結合している第2のアミノ酸に対してN末端であり、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、クロスリンカーに結合している第2のアミノ酸に対してC末端である1、2、3、4、5、または6個の疎水性アミノ酸を含む。
一部の実施形態では、クロスリンカーに結合している第1のアミノ酸は、クロスリンカーに結合している第2のアミノ酸に対してN末端であり、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、クロスリンカーに結合している第2のアミノ酸に対してC末端である1、2、または3個のグルタミンを含む。
一部の実施形態では、疎水性であるアミノ酸は、小さな疎水性アミノ酸である。一部の実施形態では、疎水性であるアミノ酸は、アラニン、D−アラニン、またはAibである。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、ヘリカルポリペプチドである。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、α−ヘリックスを含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、両親媒性α−ヘリックスを含む。
一部の実施形態では、クロスリンカーに結合している第1のアミノ酸またはクロスリンカーに結合している第2のアミノ酸は、α,α−二置換アミノ酸である。一部の実施形態では、クロスリンカーに結合している第1のアミノ酸およびクロスリンカーに結合している第2のアミノ酸は、α,α−二置換アミノ酸である。一部の実施形態では、クロスリンカーに結合している第1のアミノ酸と、クロスリンカーに結合している第2のアミノ酸は、2個のアミノ酸によって分離されている。一部の実施形態では、クロスリンカーに結合している第1のアミノ酸と、クロスリンカーに結合している第2のアミノ酸は、3個のアミノ酸によって分離されている。一部の実施形態では、クロスリンカーに結合している第1のアミノ酸と、クロスリンカーに結合している第2のアミノ酸は、6個のアミノ酸によって分離されている。一部の実施形態では、クロスリンカーは、ペプチド模倣大環状分子のα−ヘリックスの1ターンをスパンする。一部の実施形態では、クロスリンカーは、ペプチド模倣大環状分子のα−ヘリックスの2ターンをスパンする。一部の実施形態では、クロスリンカーの長さは、ペプチド模倣大環状分子のα−ヘリックスの1ターン当たり約5Å〜約9Åである。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩によって、治療効果が得られる。一部の実施形態では、エネルギー依存プロセスによって細胞膜を透過する、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩の能力は、対応する未架橋のペプチド模倣大環状分子と比較して改善されている。一部の実施形態では、エネルギー非依存プロセスによって細胞膜を透過する、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩の能力は、対応する未架橋のペプチド模倣大環状分子と比較して改善されている。一部の実施形態では、エネルギー依存プロセスは、一次性能動輸送、二次性輸送、エンドサイトーシス、またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、エネルギー依存プロセスは、能動輸送である。一部の実施形態では、エネルギー非依存プロセスは、受動拡散、促進拡散、濾過、またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、エネルギー非依存プロセスは、受動輸送である。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、K値1×10−7Mまたはそれ未満でHDM2に結合する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、K値1×10−7Mまたはそれ未満でHDM2またはHDM4に結合する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、K値1×10−7Mまたはそれ未満でHDM4
に結合する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、K値1×10−7Mまたはそれ未満でPAタンパク質のPB1ペプチド結合部位に結合する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、K値1×10−7Mまたはそれ未満でPB1タンパク質のPB2ペプチド結合部位に結合する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、K値1×10−7Mまたはそれ未満でウイルスポリメラーゼ、例えばRNA依存性RNAポリメラーゼに結合する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、インフルエンザRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害する。一部の実施形態では、ウイルスは、インフルエンザウイルスである。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼへの配列MDVNPTLLFLKVPAQまたはMERIKELRNLMのペプチドの結合と競合することができる。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、K値1×10−7Mまたはそれ未満でMCL−1、BCL−X、BCL−2、またはそれらの組合せに結合する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、K値1×10−7Mまたはそれ未満でMCL−1に結合する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、K値1×10−7Mまたはそれ未満でBCL−Xに結合する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、K値1×10−7Mまたはそれ未満でBCL−2に結合する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、標的タンパク質に対して100nMまたはそれ未満のIC50値を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、100μMまたはそれ未満のEC50値を有する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、標的タンパク質に対して10nMまたはそれ未満のIC50値を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、10μMまたはそれ未満のEC50値を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、標的タンパク質に対して1nMまたはそれ未満のIC50値を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、1μMまたはそれ未満のEC50値を有する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、100またはそれ未満の透過効率値を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、10またはそれ未満の透過効率値を有する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩は、1またはそれ未満の透過効率値を有する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、エネルギー依存プロセスによって細胞膜を透過し、K値1×10−7Mまたはそれ未満で細胞内標的に結合する。一部の実施形態では、エネルギー依存プロセスは、一次性能動輸送、二次性輸送、またはエンドサイトーシスを含む。一部の実施形態では、エネルギー依存プロセスは、能動輸送を含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、エネルギー非依存プロセスによって細胞膜を透過し、K値1×10−7Mまたはそれ未満で細胞内標的に結合する。一部の実施形態では、エネルギー非依存プロセスは、受動拡散、促進拡散、または濾過を含む。一部の実施形態では、エネルギー非依存プロセスは、受動輸送を含む。
一部の実施形態では、本開示の水性医薬製剤中の緩衝剤の量は、0.001〜10%w/vであり、本開示の水性医薬製剤中の安定剤は、0.001〜10%w/vであり、本
開示の水性医薬製剤中の等張化剤の量は、1.0〜10%w/vである。
ペプチド模倣大環状分子の薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩であり得る。いくつかの例では、ペプチド模倣大環状分子の薬学的に許容される塩は、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩またはマグネシウム塩であり得る。
本開示の水性医薬製剤において、任意の適切な量のペプチド模倣大環状分子を使用することができる。いくつかの例では、水性医薬製剤中に存在するペプチド模倣大環状分子の量は、約0.1〜10%w/vであり得る。例えば、水性医薬製剤中に存在するペプチド模倣大環状分子の量は、約1%w/v、1.5%w/v、または2%w/vであり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤中に存在するペプチド模倣大環状分子の濃度は、約15〜100mg/mLである。いくつかの例では、水性医薬製剤中に存在するペプチド模倣大環状分子の濃度は、約15〜50mg/mLである。いくつかの例では、水性医薬製剤中に存在するペプチド模倣大環状分子の濃度は、約15、20、25、または50mg/mLである。
本明細書に記載の水性医薬製剤において、任意の適切な緩衝剤を使用することができる。いくつかの例では、緩衝剤は、アンモニア溶液、炭酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、クエン酸二水和物、クエン酸一水和物、第二リン酸ナトリウム、ジエタノールアミン、リンゴ酸、第一リン酸ナトリウム、モノエタノールアミン、グルタミン酸一ナトリウム、リン酸、リン酸−クエン酸緩衝液(第二リン酸ナトリウムおよびクエン酸)、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、無水クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびトリエタノールアミン(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)からなる群から選択される。いくつかの例では、緩衝剤は、リン酸バッファである。いくつかの例では、緩衝剤は、リン酸、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウムまたはそれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの例では、緩衝剤は、20mMリン酸緩衝液である。
本開示の水性医薬製剤中の緩衝剤の量は、約0.001〜10%w/vであり得る。いくつかの例では、本開示の水性医薬製剤中の緩衝剤の量は、約0.01〜10%w/vである。いくつかの例では、本開示の水性医薬製剤中の緩衝剤の量は、約0.01〜5%w/vである。いくつかの例では、本開示の水性医薬製剤中の緩衝剤の量は、約0.01〜1%w/vである。いくつかの例では、本開示の水性医薬製剤中に存在する緩衝剤の量は、約0.2%w/vである。
本開示の水性医薬製剤中の安定剤は、非イオン性安定剤であり得る。いくつかの例では、安定剤は、脂肪酸エステルである。いくつかの例では、安定剤は、界面活性剤であり得る。いくつかの例では、安定剤は、非イオン性界面活性剤である。いくつかの例では、安定剤は、抗酸化剤である。いくつかの例では、安定剤は、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシドアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、グリセロールアルキルエステル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、コカミドMEA、コカミドDEA、ドデシルジメチルアミンオキシド、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、およびポリエトキシ化獣脂アミンからなる群から選択することができる。いくつかの例では、安定剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルであり得る。いくつかの例では、安定剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85またはポリソルベート120であり得る。いくつかの例では、安定剤は、ポリソ
ルベート20であり得る。
水性医薬製剤中に存在する安定剤の量は、約0.001〜10%w/v、例えば約0.01〜0.05%w/vである。いくつかの例では、水性医薬製剤中に存在する安定剤の量は、約0.03%w/vである。いくつかの例では、水性医薬製剤は、250〜350ppmのポリソルベート20を含む。本開示の水性医薬製剤は、溶液であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、無菌であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、無色であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、凍結溶液であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、冷蔵溶液であり得る。
いくつかの例では、水性医薬製剤は、微粒子を含まない場合がある。いくつかの例では、水性医薬製剤は、該水性製剤約5mLにサイズ≧10μmの約6,000個未満の粒子を含む。いくつかの例では、水性医薬製剤は、該水性製剤約5mLにサイズ≧25μmの約600個未満の粒子を含む。
いくつかの例では、水性医薬製剤は、被験体に投与する前に賦形剤(diluent)に溶解
される。賦形剤は、注射用水であり得る。いくつかの例では、賦形剤は、デキストロース水溶液であり得る。賦形剤の量は、約50〜99%w/vであり得る。いくつかの例では、賦形剤の量は、約90%w/vであり得る。
いくつかの例では、本開示の水性医薬製剤中の等張化剤は、非イオン性等張化剤であり得る。いくつかの例では、等張化剤は、糖または糖アルコールであり得る。いくつかの例では、等張化剤は、単糖または二糖であり得る。いくつかの場合には、等張化剤は、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。いくつかの例では、等張化剤は、マンニトール、グリセリン、またはそれらの組合せであり得る。いくつかの例では、等張化剤は、D−トレハロースであり得る。
水性医薬製剤中に存在する等張化剤の量は、約1〜15%w/vであり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤中に存在する等張化剤の量は、約8%w/vであり得る。等張化剤の濃度は、約200〜300mMであり得る。いくつかの例では、等張化剤の濃度は、240mMである。
本開示の水性医薬製剤のpHは、約4.0〜9.0であり得る。いくつかの例では、本開示の水性医薬製剤のpHは、約4.5〜8.5である。いくつかの例では、本開示の水性医薬製剤のpHは、約5.0〜8.0である。いくつかの例では、本開示の水性医薬製剤のpHは、約5.5〜7.5である。いくつかの例では、本開示の水性医薬製剤のpHは、約7.0〜7.5である。
本開示の水性医薬製剤は、約−20℃〜25℃の温度で少なくとも2年間安定であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、約−20℃〜25℃の温度で少なくとも1年間安定であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、約−20℃〜25℃の温度で少なくとも6カ月間安定であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、約−20℃〜25℃の温度で少なくとも3カ月間安定であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、約45℃の温度で少なくとも3カ月間安定であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、約45℃の温度で少なくとも6カ月間安定であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、約75℃の温度で少なくとも3週間安定であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、約75℃の温度で少なくとも1.5週間安定であり得る。
いくつかの例では、水性医薬製剤は、約2℃〜8℃で24カ月間保存しても、ペプチド
模倣大環状分子の初期量の少なくとも95%を含み得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、約2℃〜8℃で12カ月間保存しても、ペプチド模倣大環状分子の初期量の少なくとも95%を含み得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、約2℃〜8℃で6カ月間保存しても、ペプチド模倣大環状分子の初期量の少なくとも95%を含み得る。いくつかの場合には、水性医薬製剤は、約2℃〜8℃で3カ月間保存しても、ペプチド模倣大環状分子の初期量の少なくとも95%を含み得る。
本開示の水性医薬製剤の質量オスモル濃度は、1キログラム当たり約100〜600ミリオスモル、例えば1キログラム当たり約220〜400ミリオスモルであり得る。
本開示の水性医薬製剤のエンドトキシンレベルは、最大で2.0、4.0、6.0、8.0または10EU/mLであり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤のエンドトキシンレベルは、最大で4.5EU/mLであり得る。
本開示の水性医薬製剤は、容器に含有され得る。容器は、単回使用のための容器または多回使用のための容器であり得る。いくつかの例では、容器は、ガラスバイアルであり得る。いくつかの例では、容器は、単独でまたは注射デバイスに入れて使用されるプレフィルドシリンジである。いくつかの例では、容器は、ペン型注射システムのためのカートリッジまたはガラスアンプルである。いくつかの例では、容器は、20mL、10mL、または5mLのガラスセラムバイアルである。ガラスバイアルは、ホウケイ酸ガラスまたはポリカーボネートを含み得る。容器は、ストッパーおよび/またはキャップを含み得る。ストッパーは、ゴムストッパーであり得る。容器は、密封部品、例えばアルミニウム密封部品を含み得る。
本開示の水性医薬製剤は、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を水または水溶液に添加することによって調製することができ、ここでペプチド模倣大環状分子は、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができる。薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩であり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、ペプチド模倣大環状分子のナトリウム塩を水に溶解させることによって調製することができる。該方法は、緩衝剤および安定剤を添加するステップをさらに含み得る。
本開示の水性医薬製剤は、再構成または希釈なしに被験体に投与するのに適している場合がある。いくつかの例では、水性医薬製剤は、被験体に投与する前に再構成が必要な場合がある。再構成は、水溶液、例えばデキストロース水溶液で希釈することを含み得る。
一部の実施形態では、ミセル形成剤は、solutol−HS−15である。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、界面活性剤なしにミセルを形成する。一部の実施形態では、水性医薬製剤は、ミセルを形成しない。
本開示の水性医薬製剤は、保存剤をさらに含むことができる。保存剤は、塩化ベンザルコニウム、EDTAおよびそれらの組合せからなる群から選択することができる。いくつかの例では、保存剤は、フェノール、メタ−クレゾールおよびそれらの組合せからなる群から選択することができる。
本開示の水性医薬製剤は、共溶媒をさらに含むことができる。共溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA)およびそれらの組合せからなる群から選択することができる。
ペプチド模倣大環状分子の分子量は、1800〜2000Dの範囲であり得る。いくつ
かの例では、ペプチド模倣大環状分子は、900〜1000Dの範囲の観測質量(m/e)を有する。
別の態様では、本開示は、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合するペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩、リン酸緩衝剤、D−トレハロース、およびポリソルベート20を含む水性医薬製剤であって、ペプチド模倣大環状分子が、表1、表1a、表1b、および表1cのいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%同一であるアミノ酸配列を含む水性医薬製剤を提供する。いくつかの例では、水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子の量は、15mg/mLに等しいかまたはそれを超え得る。いくつかの例では、水性医薬製剤中のD−トレハロースの量は、約8%w/vであり得る。水性医薬製剤中のポリソルベート20の量は、約0.03%w/vであり得る。いくつかの例では、水性医薬製剤は、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含む。
水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子は、表1、表1a、表1b、および表1cのいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%同一であるアミノ酸配列を含むことができ、式
Figure 2021046436

(式中、
各A、CおよびDは、独立に、アミノ酸であり、
各Bは、独立に、アミノ酸、
Figure 2021046436

、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
各Eは、独立に、Ala(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)からなる群から選択されるアミノ酸であり、
各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロで置換されている)、または前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロ
アリール、またはヘテロシクロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
各LおよびL’は、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
各Lは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
各vは、独立に、1〜1000の整数であり、
各wは、独立に、3〜1000の整数であり、
uは、1〜10の整数であり、
各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、
各nは、独立に、1〜5の整数である)
を有する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式
Figure 2021046436

(式中、
Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10のそれぞれは、個々にアミノ酸であり、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe−X−His−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10−X11−Ser12またはPhe−X−Glu−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10/Cba10−X11−Ala12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸であり、各Xは、アミノ酸であり、
各DおよびEは、独立に、アミノ酸であり、
各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
各LまたはL’は、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
vは、1〜1000の整数であり、
wは、0〜1000の整数である)
を有する。
いくつかの例では、本明細書に提示の式における大環状分子を形成するリンカーの少なくとも1つは、式−L−L
(式中、
およびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
各nは、独立に、1〜5の整数である)
を有する。
一部の実施形態では、wは、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数である。いくつかの例では、Xaaは、Gluまたはそのアミノ酸類似体である。いくつかの例では、各Eは、独立に、Ala(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)から選択されるアミノ酸である。いくつかの例では、[D]は、−Leu−Thrである。いくつかの例では、wは、3〜6である。いくつかの例では、wは、6〜10である。いくつかの例では、wは、6である。いくつかの例では、vは、1〜10である。いくつかの例では、vは、2〜10である。いくつかの例では、vは、2〜5である。いくつかの例では、vは、2で
ある。
いくつかの例では、上の式のLおよびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、またはヘテロシクロアリーレンであり、それぞれRにより任意選択で置換されている。いくつかの例では、LおよびLは、独立に、アルキレンまたはアルケニレンである。いくつかの例では、Lは、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンである。いくつかの例では、Lは、アルキレンである。いくつかの例では、Lは、C〜C16アルキレンである。いくつかの例では、Lは、C10〜C14アルキレンである。
いくつかの例では、上の式のRおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)。いくつかの例では、RおよびRは、Hである。いくつかの例では、RおよびRは、独立に、アルキルである。いくつかの例では、RおよびRは、メチルである。
いくつかの例では、本明細書の式において、x+y+zは、6である。
いくつかの例では、本明細書の式において、uは、1である。
いくつかの例では、各Eは、SerまたはAlaまたはそれらの類似体である。
いくつかの例では、水性医薬製剤は、アミノ酸類似体である少なくとも1個のアミノ酸を含む。
いくつかの例では、水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子は、表1cに示されているペプチド模倣大環状分子である。
別の態様では、本開示は、被験体に治療有効量の本開示の水性医薬製剤を投与するステップを含む、被験体のがんを処置する方法を提供する。
別の態様では、本開示は、被験体に、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができるペプチド模倣大環状分子を含む水性医薬製剤を投与するステップを含む、被験体のがんを処置する方法であって、水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mL超であり、水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含有する方法を提供する。水性医薬製剤は、緩衝剤、安定剤、および/または等張化剤をさらに含み得る。
がんは、頭部および頸部がん、黒色腫、肺がん、乳がん、ならびに神経膠腫からなる群から選択され得る。いくつかの例では、がんは、膀胱がん、骨がん、乳がん、子宮頸がん、CNSがん、結腸がん、眼腫瘍、腎臓がん、肝臓がん、肺がん、膵臓がん、絨毛癌(胎盤腫瘍)、前立腺がん、肉腫、皮膚がん、軟部組織がん、胃がん、胆嚢がん、胆道がん、腎臓がん、新生芽細胞腫(neoblastoma)、または神経内分泌がんからなる群から選択さ
れる。
別の態様では、本開示は、被験体に、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができるペプチド模倣大環状分子を含む水性医薬製剤を投与するステップを含む、被験体のp53および/またはMDM2および/またはMDMXの活性をモジュレートする方法であって、水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子の量が、15
mg/mL超であり、水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含有する方法を提供する。水性医薬製剤は、緩衝剤、等張化剤、および/または安定剤をさらに含み得る。
別の態様では、本開示は、被験体に、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができるペプチド模倣大環状分子を含む水性医薬製剤を投与するステップを含む、被験体のp53タンパク質とMDM2タンパク質の相互作用および/またはp53タンパク質とMDMXタンパク質の相互作用を拮抗する方法であって、水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mL超であり、水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含有する方法を提供する。水性医薬製剤は、緩衝剤、安定剤および/または等張化剤をさらに含み得る。
別の態様では、本開示は、15mg/mL超のペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を、水または水溶液に添加するステップを含む、水性医薬製剤を作製する方法であって、ペプチド模倣大環状分子が、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができ、水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含む方法を提供する。いくつかの例では、該方法は、ペプチド模倣大環状分子のナトリウム塩を水または水溶液に添加するステップを含む。水溶液は、緩衝剤を含み得る。水溶液はまた、等張化剤を含み得る。水溶液は、安定剤をさらに含み得る。
該方法は、ペプチド模倣大環状分子の添加中に、緩衝剤および安定剤を含む溶液のpHを調整するステップをさらに含み得る。pHは、pH調整剤を添加することによって調整され得る。いくつかの例では、pHは、約6.0〜8.0の範囲に調整される。
添加されるpH調整剤の量は、約0.01〜10%w/v、例えば約0.09%w/vであり得る。pH調整剤は、酸または塩基を含むことができる。いくつかの例では、pH調整剤は、リン酸を含む。いくつかの例では、pH調整剤は、水酸化ナトリウム、例えば0.1NのNaOHを含む。
該方法は、ペプチド模倣大環状分子を水溶液に添加した後に得られた水性医薬製剤を濾過するステップをさらに含み得る。濾過は、真空下または圧力下で実施される。濾過は、滅菌濾過を含み得る。いくつかの例では、濾過は、メンブレンフィルターの使用を含む。いくつかの例では、メンブレンフィルターは、セルロースまたはセルロース誘導体、セルロースエステル(MCE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、またはポリフッ化ビニリデンを含む。メンブレンフィルターは、約10nm〜10μmの範囲の細孔径、例えば0.2μmの細孔径を有し得る。濾過によって、該水性製剤が清澄化され得る。濾過は、水性医薬製剤を1つまたは複数のメンブレンフィルターに通過させることを含み得る。
別の態様では、本開示は、ペプチド模倣大環状分子を含む水性医薬製剤、および水性医薬製剤をヒト被験体に投与するための指示を、適切な容器手段に含むキットであって、ペプチド模倣大環状分子が、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができ、水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mL超であり、水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含むキットを提供する。指示は、該水性製剤の静脈内投与のためのものであり得る。
一部の実施形態では、作製される水性医薬製剤の量は、約1リットル〜約100リットルである。一部の実施形態では、作製される水性医薬製剤の量は、約10リットル〜約100リットルである。一部の実施形態では、作製される水性医薬製剤の量は、約10リットル〜約50リットルである。
MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができるペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を適切な容器手段に含む、水性医薬製剤を製剤化するためのキットであって、水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mL超であり、水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含む。
参考文献の援用
本明細書で言及されているあらゆる刊行物、特許文書、および特許出願文書は、各個々の刊行物、特許文書、または特許出願文書が、あたかも具体的に個々に参照によって組み込まれることが示されているかのように、参照によって本明細書に組み込まれる。
本開示の新規な特徴を、添付の特許請求の範囲において詳細に示す。本開示の特徴および利点は、本開示の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明および以下の添付の図を参照することによってより良好に理解されよう。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合するペプチド模倣大環状分子、または薬学的に許容されるその塩、緩衝剤、等張化剤、および安定剤を含む水性医薬製剤であって、該水性医薬製剤中の該ペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mLに等しいかまたはそれを超え、該水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含む、水性医薬製剤。
(項目2)
(i)ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩、
(ii)緩衝剤、
(iii)安定剤、および
(iv)等張化剤
を含む水性医薬製剤であって、該水性医薬製剤中の該ペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mLに等しいかまたはそれを超え、
該緩衝剤に対する該ペプチド模倣大環状分子のモル比が、0.01〜2.5の範囲である、水性医薬製剤。
(項目3)
値1×10−7Mまたはそれ未満で標的タンパク質に結合するペプチド模倣大環状分子、または薬学的に許容されるその塩、緩衝剤、等張化剤、および安定剤を含む水性医薬製剤であって、該水性医薬製剤中の該ペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mLに等しいかまたはそれを超え、該水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含み、該ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、
a.10〜24個のアミノ酸の長さ値、
b.von Heijne値2〜10、
c.正味電荷−4〜+2、
d.アラニン含量百分率15%〜50%、
e.または(a)〜(d)の任意の組合せ
を有する、水性医薬製剤。
(項目4)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、前記製剤中で沈殿しない、項目1から3のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目5)
前記ペプチド模倣大環状分子の水溶性が、該ペプチド模倣大環状分子を含む溶液の濁度を評価することによって決定される、項目4に記載の水性医薬製剤。
(項目6)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、細胞透過性に最適な範囲内に入る両親媒性を有する、項目1から5のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目7)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、14〜20個のアミノ酸の長さ値を有する、項目1から6のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目8)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、von Heijne値2〜9を有する、項目1から7のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目9)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、von Heijne値3〜8を有する、項目1から8のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目10)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、von Heijn
e値4〜7を有する、項目1から9のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目11)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、正味電荷−2〜0を有する、項目1から10のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目12)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、アラニン含量百分率15%〜40%を有する、項目1から11のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目13)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、アラニン含量百分率20%〜40%を有する、項目1から12のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目14)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、アラニン含量百分率25%〜40%を有する、項目1から13のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目15)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、14〜20個のアミノ酸の長さ値、von Heijne値4〜7、正味電荷−2〜0、およびアラニン含量百分率25%〜40%を有する、項目1から14のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目16)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、可溶性であるか、オフターゲット効果を有していないか、またはそれらの組合せである、項目1から15のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目17)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、疎水性である第1のC末端アミノ酸を含む、項目1から16のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目18)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、疎水性である第2のC末端アミノ酸を含む、項目1から17のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目19)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、疎水性である第3のC末端アミノ酸を含む、項目1から18のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目20)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、疎水性である第4のC末端アミノ酸を含む、項目1から19のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目21)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、疎水性である第5のC末端アミノ酸を含む、項目1から20のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目22)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、疎水性である第6のC末端アミノ酸を含む、項目1から21のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目23)
クロスリンカーに結合している第1のアミノ酸が、該クロスリンカーに結合している第2のアミノ酸に対してN末端であり、前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、該クロスリンカーに結合している該第2のアミノ酸に対してC末端である1、2、3、4、5、6、7、または8個のアミノ酸を含む、項目1から22のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目24)
前記クロスリンカーに結合している前記第1のアミノ酸が、該クロスリンカーに結合している前記第2のアミノ酸に対してN末端であり、前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、該クロスリンカーに結合している該第2のアミノ酸に対してC末端である1、2、3、4、5、または6個の疎水性アミノ酸を含む、項目1から23
のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目25)
前記クロスリンカーに結合している前記第1のアミノ酸が、該クロスリンカーに結合している前記第2のアミノ酸に対してN末端であり、前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、該クロスリンカーに結合している該第2のアミノ酸に対してC末端である1、2、または3個のグルタミンを含む、項目1から24のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目26)
疎水性である前記アミノ酸が、小さな疎水性アミノ酸である、項目1から25のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目27)
疎水性である該アミノ酸が、アラニン、D−アラニン、またはAibである、項目1から26のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目28)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、ヘリカルポリペプチドである、項目1から27のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目29)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、α−ヘリックスを含む、項目1から28のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目30)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、両親媒性α−ヘリックスを含む、項目1から29のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目31)
前記クロスリンカーに結合している前記第1のアミノ酸または該クロスリンカーに結合している前記第2のアミノ酸が、α,α−二置換アミノ酸である、項目1から30のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目32)
前記クロスリンカーに結合している前記第1のアミノ酸および該クロスリンカーに結合している前記第2のアミノ酸が、α,α−二置換アミノ酸である、項目1から31のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目33)
前記クロスリンカーに結合している前記第1のアミノ酸と、該クロスリンカーに結合している前記第2のアミノ酸が、2個のアミノ酸によって分離されている、項目1から32のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目34)
前記クロスリンカーに結合している前記第1のアミノ酸と、前記クロスリンカーに結合している前記第2のアミノ酸が、3個のアミノ酸によって分離されている、項目1から32のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目35)
前記クロスリンカーに結合している前記第1のアミノ酸と、前記クロスリンカーに結合している前記第2のアミノ酸が、6個のアミノ酸によって分離されている、項目1から32のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目36)
前記クロスリンカーが、前記ペプチド模倣大環状分子のα−ヘリックスの1ターンをスパンする、項目1から35のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目37)
前記クロスリンカーが、前記ペプチド模倣大環状分子のα−ヘリックスの2ターンをスパンする、項目1から36のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目38)
前記クロスリンカーの長さが、前記ペプチド模倣大環状分子のα−ヘリックスの1ター
ン当たり約5Å〜約9Åである、項目1から37のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目39)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩によって、治療効果が得られる、項目1から38のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目40)
エネルギー依存プロセスによって細胞膜を透過する、前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩の能力が、対応する未架橋のペプチド模倣大環状分子と比較して改善されている、項目1から39のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目41)
エネルギー非依存プロセスによって細胞膜を透過する、前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩の能力が、対応する未架橋のペプチド模倣大環状分子と比較して改善されている、項目1から40のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目42)
前記エネルギー依存プロセスが、一次性能動輸送、二次性輸送、エンドサイトーシス、またはそれらの組合せである、項目40または41に記載の水性医薬製剤。
(項目43)
前記エネルギー依存プロセスが、能動輸送である、項目40から42のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目44)
前記エネルギー非依存プロセスが、受動拡散、促進拡散、濾過、またはそれらの組合せである、項目41から43のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目45)
前記エネルギー非依存プロセスが、受動輸送である、項目41から44のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目46)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、K値1×10−7Mまたはそれ未満でMDM2に結合する、項目1から45のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目47)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、K値1×10−7Mまたはそれ未満でMDM2またはMDMXに結合する、項目1から45のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目48)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、K値1×10−7Mまたはそれ未満でMDMXに結合する、項目1から45のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目49)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、K値1×10−7Mまたはそれ未満でPAタンパク質のPB1ペプチド結合部位に結合する、項目1から45のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目50)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、K値1×10−7Mまたはそれ未満でPB1タンパク質のPB2ペプチド結合部位に結合する、項目1から45のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目51)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、K値1×10−7Mまたはそれ未満でウイルスポリメラーゼ、例えばRNA依存性RNAポリメラーゼに結合する、項目2から45のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目52)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、インフルエンザRN
A依存性RNAポリメラーゼを阻害する、項目49から51のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目53)
前記ウイルスが、インフルエンザウイルスである、項目51または52に記載のペプチド模倣大環状分子。
(項目54)
前記ペプチド模倣大環状分子が、前記ウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼへの配列MDVNPTLLFLKVPAQまたはMERIKELRNLMのペプチドの結合と競合することができる、項目51から53のいずれか一項に記載のペプチド模倣大環状分子。
(項目55)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、K値1×10−7Mまたはそれ未満でMCL−1、BCL−X、BCL−2、またはそれらの組合せに結合する、項目1から45のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目56)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、K値1×10−7Mまたはそれ未満でMCL−1に結合する、項目1から45のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目57)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、K値1×10−7Mまたはそれ未満でBCL−Xに結合する、項目1から45のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目58)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、K値1×10−7Mまたはそれ未満でBCL−2に結合する、項目1から45のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目59)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、標的タンパク質に対して100nMまたはそれ未満のIC50値を有する、項目1から58のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目60)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、100μMまたはそれ未満のEC50値を有する、項目1から59のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目61)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、標的タンパク質に対して10nMまたはそれ未満のIC50値を有する、項目1から60のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目62)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、10μMまたはそれ未満のEC50値を有する、項目1から61のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目63)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、標的タンパク質に対して1nMまたはそれ未満のIC50値を有する、項目1から62のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目64)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、1μMまたはそれ未満のEC50値を有する、項目1から63のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目65)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、100またはそれ未満の透過効率値を有する、項目1から64のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目66)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、10またはそれ未満の透過効率値を有する、項目1から65のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目67)
前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩が、1またはそれ未満の透過効率値を有する、項目1から66のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目68)
前記ペプチド模倣大環状分子が、エネルギー依存プロセスによって細胞膜を透過し、K値1×10−7Mまたはそれ未満で細胞内標的に結合する、項目1から67のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目69)
前記エネルギー依存プロセスが、一次性能動輸送、二次性輸送、またはエンドサイトーシスを含む、項目68に記載の水性医薬製剤。
(項目70)
前記エネルギー依存プロセスが、能動輸送を含む、項目68または69に記載の水性医薬製剤。
(項目71)
前記ペプチド模倣大環状分子が、エネルギー非依存プロセスによって細胞膜を透過し、K値1×10−7Mまたはそれ未満で細胞内標的に結合する、項目1から67のいずれかに記載の水性医薬製剤。
(項目72)
前記エネルギー非依存プロセスが、受動拡散、促進拡散、または濾過を含む、項目71に記載の水性医薬製剤。
(項目73)
前記エネルギー非依存プロセスが、受動輸送を含む、項目71または72に記載の水性医薬製剤。
(項目74)
(i)前記水性医薬製剤中の前記緩衝剤の量が、0.001〜10%w/vであり、
(ii)該水性医薬製剤中の前記安定剤の量が、0.001〜10%w/vであり、
(iii)該水性医薬製剤中の前記等張化剤の量が、1.0〜10%w/vである、
項目1から73のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目75)
前記ペプチド模倣大環状分子の前記薬学的に許容される塩が、ナトリウム塩である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目76)
前記ペプチド模倣大環状分子の前記薬学的に許容される塩が、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩またはマグネシウム塩である、項目1から74のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目77)
前記水性医薬製剤中に存在する前記ペプチド模倣大環状分子の量が、約0.1〜10%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目78)
前記水性医薬製剤中に存在する前記ペプチド模倣大環状分子の量が、約1%w/v、1.5%w/v、または2%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目79)
前記水性医薬製剤中に存在する前記ペプチド模倣大環状分子の濃度が、約15〜100mg/mLである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目80)
前記水性医薬製剤中に存在する前記ペプチド模倣大環状分子の濃度が、約15〜50m
g/mLである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目81)
前記水性医薬製剤中に存在する前記ペプチド模倣大環状分子の濃度が、約15、20、25、または50mg/mLである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目82)
前記緩衝剤が、リン酸緩衝液である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。(項目83)
前記緩衝剤が、アンモニア溶液、炭酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、クエン酸二水和物、クエン酸一水和物、第二リン酸ナトリウム、ジエタノールアミン、リンゴ酸、第一リン酸ナトリウム、モノエタノールアミン、グルタミン酸一ナトリウム、リン酸、リン酸−クエン酸緩衝液(第二リン酸ナトリウムおよびクエン酸)、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、無水クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、およびトリエタノールアミン(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)からなる群から選択される、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目84)
前記緩衝剤が、リン酸、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウムまたはそれらの混合物からなる群から選択される、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目85)
前記緩衝剤が、20mMリン酸緩衝液である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目86)
前記緩衝剤の量が、約0.001〜10%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目87)
前記水性医薬製剤中に存在する前記緩衝剤の量が、約0.01〜10%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目88)
前記水性医薬製剤中に存在する前記緩衝剤の量が、約0.01〜5%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目89)
前記水性医薬製剤中に存在する前記緩衝剤の量が、約0.01〜1%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目90)
前記水性医薬製剤中に存在する前記緩衝剤の量が、約0.2%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目91)
前記安定剤が、非イオン性安定剤である、項目1から90のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目92)
前記安定剤が、脂肪酸エステルである、項目1から90のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目93)
前記安定剤が、界面活性剤である、項目1から90のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目94)
前記安定剤が、非イオン性界面活性剤である、項目1から90のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目95)
前記安定剤が、抗酸化剤である、項目1から90のいずれか一項に記載の水性医薬製剤

(項目96)
前記安定剤が、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシドアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、グリセロールアルキルエステル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、コカミドMEA、コカミドDEA、ドデシルジメチルアミンオキシド、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、およびポリエトキシ化獣脂アミンからなる群から選択される、項目1から90のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目97)
前記安定剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルである、項目1から90のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目98)
前記安定剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85またはポリソルベート120である、項目1から90のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目99)
前記安定剤が、ポリソルベート20である、項目1から90のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目100)
前記水性医薬製剤中に存在する前記安定剤の量が、約0.001〜10%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目101)
前記水性医薬製剤中に存在する前記安定剤の量が、約0.01〜0.05%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目102)
前記水性医薬製剤中に存在する前記安定剤の量が、約0.03%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目103)
250〜350ppmのポリソルベート20を含む、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目104)
溶液である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目105)
無菌である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目106)
無色である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目107)
微粒子を含まない、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目108)
前記水性医薬製剤の約5mLにサイズ≧10μmの約6,000個未満の粒子を含む、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目109)
前記水性医薬製剤の約5mLにサイズ≧25μmの約600個未満の粒子を含む、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目110)
凍結溶液である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目111)
冷蔵溶液である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目112)
冷蔵溶液である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目113)
被験体に投与する前に賦形剤に溶解される、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目114)
前記賦形剤が、注射用水である、項目113に記載の水性医薬製剤。
(項目115)
前記賦形剤が、デキストロース水溶液である、項目113に記載の水性医薬製剤。
(項目116)
前記賦形剤の量が、約50〜99%w/vである、項目113に記載の水性医薬製剤。(項目117)
前記賦形剤の量が、約90%w/vである、項目113に記載の水性医薬製剤。
(項目118)
前記等張化剤が、非イオン性等張化剤である、項目1から117のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目119)
前記等張化剤が、糖または糖アルコールである、項目1から117のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目120)
前記等張化剤が、単糖または二糖である、項目1から117のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目121)
前記等張化剤が、グルコース、フルクトース、ガラクトース、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、およびそれらの混合物からなる群から選択される、項目1から117のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目122)
前記等張化剤が、マンニトール、グリセリン、またはそれらの組合せである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目123)
前記等張化剤が、D−トレハロースである、項目1から117のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目124)
前記水性医薬製剤中に存在する前記等張化剤の量が、約1〜15%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目125)
前記水性医薬製剤中に存在する前記等張化剤の量が、約8%w/vである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目126)
前記等張化剤の濃度が、約200〜300mMである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目127)
前記等張化剤の濃度が、240mMである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目128)
前記水性医薬製剤のpHが、約4.0〜9.0である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目129)
前記水性医薬製剤のpHが、約4.5〜8.5である、前記項目のいずれか一項に記載
の水性医薬製剤。
(項目130)
前記水性医薬製剤のpHが、約5.0〜8.0である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目131)
前記水性医薬製剤のpHが、約5.5〜7.5である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目132)
前記水性医薬製剤のpHが、約7.0〜7.5である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目133)
約−20℃〜25℃の温度で少なくとも2年間安定である、項目1から132のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目134)
約−20℃〜25℃の温度で少なくとも1年間安定である、項目1から132のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目135)
約−20℃〜25℃の温度で少なくとも6カ月間安定である、項目1から132のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目136)
約−20℃〜25℃の温度で少なくとも3カ月間安定である、項目1から132のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目137)
約45℃の温度で少なくとも3カ月間安定である、項目1から132のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目138)
約45℃の温度で少なくとも6カ月間安定である、項目1から132のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目139)
約75℃の温度で少なくとも3週間安定である、項目1から132のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目140)
約75℃の温度で少なくとも1.5週間安定である、項目1から132のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目141)
約2℃〜8℃で24カ月保存しても、前記ペプチド模倣大環状分子の初期量の少なくとも95%を含む、項目1から140のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目142)
約2℃〜8℃で12カ月保存しても、前記ペプチド模倣大環状分子の初期量の少なくとも95%を含む、項目1から140のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目143)
約2℃〜8℃で6カ月保存しても、前記ペプチド模倣大環状分子の初期量の少なくとも95%を含む、項目1から140のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目144)
約2℃〜8℃で3カ月保存しても、前記ペプチド模倣大環状分子の初期量の少なくとも95%を含む、項目1から140のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目145)
前記水性医薬製剤の質量オスモル濃度が、1キログラム当たり約100〜600ミリオスモル、例えば1キログラム当たり約220〜400ミリオスモルである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目146)
前記水性医薬製剤のエンドトキシンレベルが、最大で2.0、4.0、6.0、8.0または10EU/mLである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
前記水性医薬製剤のエンドトキシンレベルが、最大で4.5EU/mLである、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目147)
容器に含有されている、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目148)
前記容器が、単回使用のための容器である、項目147に記載の水性医薬製剤。
(項目149)
前記容器が、多回使用のための容器である、項目147に記載の水性医薬製剤。
(項目150)
前記容器が、ガラスバイアルである、項目147から149のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目151)
前記容器が、単独でまたは注射デバイスに入れて使用されるプレフィルドシリンジである、項目147から149のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目152)
前記容器が、ペン型注射システムのためのカートリッジである、項目147から149のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目153)
前記容器が、ガラスアンプルである、項目147から149のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目154)
前記ガラスバイアルが、20mL、10mL、または5mLのガラスセラムバイアルである、項目150に記載の水性医薬製剤。
(項目155)
前記ガラスバイアルが、ホウケイ酸ガラスまたはポリカーボネートを含む、項目150に記載の水性医薬製剤。
(項目156)
前記容器が、ストッパーおよび/またはキャップを含む、項目147から155のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目157)
前記ストッパーが、ゴムストッパーである、項目156に記載の水性医薬製剤。
(項目158)
前記容器が、密封部品を含む、項目147から155のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目159)
密封部品が、アルミニウム密封部品である、項目158に記載の水性医薬製剤。
(項目160)
水性医薬製剤が、前記ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を水または水溶液に添加することによって調製され、該ペプチド模倣大環状分子が、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができる、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目161)
前記薬学的に許容される塩が、ナトリウム塩、カリウム塩またはカルシウム塩である、項目160に記載の方法。
(項目162)
前記水性医薬製剤が、前記ペプチド模倣大環状分子のナトリウム塩を水に溶解させることによって調製される、項目160または161に記載の方法。
(項目163)
前記水溶液が、緩衝剤および安定剤を含む、項目160または161のいずれか一項に記載の方法。
(項目164)
再構成または希釈なしに被験体に投与するのに適した、項目1から163のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目165)
被験体に投与する前に再構成が必要である、項目1から163のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目166)
再構成が、水溶液による希釈を含む、項目165に記載の水性医薬製剤。
(項目167)
前記水溶液が、デキストロース水溶液である、項目166に記載の水性医薬製剤。
(項目168)
前記ミセル形成剤が、solutol−HS−15である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目169)
前記ペプチド模倣大環状分子が、界面活性剤なしにミセルを形成する、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目170)
ミセルを形成しない、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目171)
保存剤をさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目172)
前記保存剤が、塩化ベンザルコニウム、EDTAおよびそれらの組合せからなる群から選択される、項目171に記載の水性医薬製剤。
(項目173)
前記保存剤が、フェノール、メタ−クレゾールおよびそれらの組合せからなる群から選択される、項目171に記載の水性医薬製剤。
(項目174)
共溶媒をさらに含む、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目175)
前記共溶媒が、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA)およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目174に記載の水性医薬製剤。
(項目176)
前記ペプチド模倣大環状分子の分子量が、1800〜2000Dの範囲である、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目177)
前記ペプチド模倣大環状分子が、900〜1000Dの範囲の観測質量(m/e)を有する、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目178)
MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合するペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩、リン酸緩衝剤、D−トレハロース、およびポリソルベート20を含む水性医薬製剤であって、該ペプチド模倣大環状分子が、表1、表1a、表1b、および表1cのいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%同一であるアミノ酸配列を含む、水性医薬製剤。
(項目179)
前記水性医薬製剤中の前記ペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mLに等しいか
またはそれを超える、項目178に記載の水性医薬製剤。
(項目180)
前記水性医薬製剤中のD−トレハロースの量が、約8%w/vである、項目178から179のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目181)
前記水性医薬製剤中のポリソルベート20の量が、約0.03%w/vである、項目178から180のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目182)
2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含む、項目178から181のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目183)
前記ペプチド模倣大環状分子が、表1、表1a、表1b、および表1cのいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%同一であるアミノ酸配列を含み、式
Figure 2021046436


[式中、
各A、C、DおよびEは、独立に、アミノ酸であり、
各Bは、独立に、アミノ酸、
Figure 2021046436


、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロで置換されている)、または該DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
各LおよびL’は、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
各Lは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シク
ロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
各vは、独立に、1〜1000の整数であり、
各wは、独立に、3〜1000の整数であり、
uは、1〜10の整数であり、
各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、
各nは、独立に、1〜5の整数である]を有する、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目184)
前記ペプチド模倣大環状分子が、式
Figure 2021046436


[式中、
Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10のそれぞれは、個々にアミノ酸であり、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe−X−His−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10−X11−Ser12またはPhe−X−Glu−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10/Cba10−X11−Ala12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸であり、各Xは、アミノ酸であり、
各DおよびEは、独立に、アミノ酸であり、
各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロ
アルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、該DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
各LまたはL’は、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
vは、1〜1000の整数であり、
wは、0〜1000の整数である]を有する、前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目185)
前記大環状分子を形成するリンカーの少なくとも1つが、式−L−L
[式中、
およびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
nは、1〜5の整数である]を有する、項目183または184に記載の水性医薬製剤。(項目186)
wが、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数である、項目184に記載の水性医薬製剤。
(項目187)
Xaaが、Gluまたはそのアミノ酸類似体である、項目184に記載の水性医薬製剤。
(項目188)
各Eが、独立に、Ala(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)から選択されるアミノ酸である、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目189)
[D]が、−Leu−Thrである、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目190)
wが、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10である、項目183または1
84に記載の水性医薬製剤。
(項目191)
wが、3〜10である、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目192)
wが、3〜6である、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目193)
wが、6〜10である、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目194)
wが、6である、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目195)
vが、1〜10である、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目196)
vが、2〜10である、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目197)
vが、2〜5である、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目198)
vが、2である、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目199)
およびLが、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、またはヘテロシクロアリーレンであり、それぞれRにより任意選択で置換されている、項目185に記載の水性医薬製剤。
(項目200)
およびLが、独立に、アルキレンまたはアルケニレンである、項目185に記載の水性医薬製剤。
(項目201)
Lが、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンである、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目202)
Lが、アルキレンである、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目203)
Lが、C〜C16アルキレンである、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目204)
Lが、C10〜C14アルキレンである、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目205)
およびRが、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目206)
およびRが、Hである、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目207)
およびRが、独立に、アルキルである、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目208)
およびRが、メチルである、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目209)
x+y+z=6である、項目183に記載の水性医薬製剤。
(項目210)
uが、1である、項目183に記載の水性医薬製剤。
(項目211)
各Eが、SerまたはAlaまたはそれらの類似体である、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目212)
アミノ酸類似体である少なくとも1個のアミノ酸を含む、項目183または184に記載の水性医薬製剤。
(項目213)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目214)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目215)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目216)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目217)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目218)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目219)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目220)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目221)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目222)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目223)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目224)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目225)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目226)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目227)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目228)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436

の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目229)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目230)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目231)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目232)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目233)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目234)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目235)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目236)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目237)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目238)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目239)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目240)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目241)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目242)
前記ペプチド模倣大環状分子が、
Figure 2021046436


の式または薬学的に許容されるその塩を有する、項目178、183および184のいずれか一項に記載の水性医薬製剤。
(項目243)
被験体のがんを処置する方法であって、該被験体に、治療有効量の前記項目のいずれか一項に記載の水性医薬製剤を投与するステップを含む、方法。
(項目244)
被験体のがんを処置する方法であって、該被験体に、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができるペプチド模倣大環状分子を含む安定な水性医薬製剤を投与するステップを含み、該水性医薬製剤中の該ペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mL超であり、該水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含有する、方法。
(項目245)
前記水性医薬製剤が、緩衝剤をさらに含む、項目244に記載の方法。
(項目246)
前記水性医薬製剤が、安定剤をさらに含む、項目244に記載の方法。
(項目247)
前記水性医薬製剤が、等張化剤をさらに含む、項目244のいずれか一項に記載の方法。
(項目248)
前記がんが、膀胱がん、骨がん、乳がん、子宮頸がん、CNSがん、結腸がん、眼腫瘍、腎臓がん、肝臓がん、肺がん、膵臓がん、絨毛癌(胎盤腫瘍)、前立腺がん、肉腫、皮膚がん、軟部組織がん、胃がん、胆嚢がん、胆道がん、腎臓がん、新生芽細胞腫、または神経内分泌がんからなる群から選択される、項目243から247のいずれか一項に記載の方法。
(項目249)
被験体のp53および/またはMDM2および/またはMDMXの活性をモジュレートする方法であって、該被験体に、該MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができるペプチド模倣大環状分子を含む安定な水性医薬製剤を投与するステップを含み、該水性医薬製剤中の該ペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mL超であり、該水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含有する、方法。(項目250)
前記水性医薬製剤が、緩衝剤をさらに含む、項目249に記載の方法。
(項目251)
前記水性医薬製剤が、等張化剤をさらに含む、項目249に記載の方法。
(項目252)
前記水性医薬製剤が、安定剤をさらに含む、項目249のいずれか一項に記載の方法。(項目253)
被験体のp53タンパク質とMDM2タンパク質の相互作用および/またはp53タンパク質とMDMXタンパク質の相互作用を拮抗する方法であって、該被験体に、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができるペプチド模倣大環状分子を含む水性医薬製剤を投与するステップを含み、該水性医薬製剤中の該ペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mL超であり、該水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含有する、方法。
(項目254)
前記水性医薬製剤が、緩衝剤をさらに含む、項目253に記載の方法。
(項目255)
前記水性医薬製剤が、安定剤をさらに含む、項目253に記載の方法。
(項目256)
前記水性医薬製剤が、等張化剤をさらに含む、項目253のいずれか一項に記載の方法。
(項目257)
15mg/mL超のペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を、水または水溶液に添加するステップを含む、水性医薬製剤を作製する方法であって、該水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含む、方法。
(項目258)
前記ペプチド模倣大環状分子が、前記MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができる、項目257に記載の方法。
(項目259)
前記ペプチド模倣大環状分子のナトリウム塩を、水または水溶液に添加するステップを含む、項目257または258に記載の方法。
(項目260)
前記水溶液が、緩衝剤を含む、項目257から259のいずれか一項に記載の方法。
(項目261)
前記水溶液が、等張化剤を含む、項目257から260のいずれか一項に記載の方法。(項目262)
前記水溶液が、安定剤をさらに含む、項目257から261のいずれか一項に記載の方法。
(項目263)
前記ペプチド模倣大環状分子の添加中に、前記緩衝剤および前記安定剤を含む前記溶液のpHを調整するステップをさらに含む、項目257から262のいずれか一項に記載の方法。
(項目264)
前記pHが、pH調整剤を添加することによって調整される、項目263に記載の方法。
(項目265)
前記pHが、約6.0〜8.0の範囲に調整される、項目263または264に記載の方法。
(項目266)
添加される前記pH調整剤の量が、約0.01〜10%w/vである、項目263に記載の方法。
(項目267)
添加される前記pH調整剤の量が、約0.09%w/vである、項目263に記載の方法。
(項目268)
前記pH調整剤が、酸を含む、項目263に記載の方法。
(項目269)
前記pH調整剤が、塩基を含む、項目263に記載の方法。
(項目270)
前記pH調整剤が、リン酸を含む、項目263に記載の方法。
(項目271)
前記pH調整剤が、水酸化ナトリウム、例えば0.1NのNaOHを含む、項目263に記載の方法。
(項目272)
前記水溶液への前記ペプチド模倣大環状分子の添加の後に得られた前記水性医薬製剤を濾過するステップをさらに含む、項目257から271のいずれか一項に記載の方法。
(項目273)
前記濾過が、真空下で実施される、項目272に記載の方法。
(項目274)
前記濾過が、圧力下で実施される、項目272に記載の方法。
(項目275)
前記濾過が、滅菌濾過を含む、項目272に記載の方法。
(項目276)
前記濾過が、メンブレンフィルターの使用を含む、項目272に記載の方法。
(項目277)
前記メンブレンフィルターが、セルロースまたはセルロース誘導体を含む、項目276
に記載の方法。
(項目278)
前記メンブレンフィルターが、セルロースエステル(MCE)を含む、項目276に記載の方法。
(項目279)
前記メンブレンフィルターが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、項目276に記載の方法。
(項目280)
前記メンブレンフィルターが、ポリビニリデンを含む、項目276に記載の方法。
(項目281)
前記メンブレンフィルターが、ポリ塩化ビニリデンを含む、項目276に記載の方法。(項目282)
前記メンブレンフィルターが、ポリフッ化ビニリデンを含む、項目276に記載の方法。
(項目283)
前記メンブレンフィルターが、約10nm〜10μmの範囲の細孔径を有する、項目276に記載の方法。
(項目284)
前記濾過によって、前記水性医薬製剤が清澄化される、項目272に記載の方法。
(項目285)
前記メンブレンフィルターが、約0.2μmの細孔径を有する、項目284に記載の方法。
(項目286)
前記濾過が、前記水性医薬製剤を1つまたは複数のメンブレンフィルターに通過させることを含む、項目272に記載の方法。
(項目287)
前記水性医薬製剤を商業的に製造するために使用される、項目257から286のいずれか一項に記載の方法。
(項目288)
作製される水性医薬製剤の量が、約1リットル〜約100リットルである、項目257に記載の方法。
(項目289)
作製される水性医薬製剤の量が、約10リットル〜約100リットルである、項目257に記載の方法。
(項目290)
作製される水性医薬製剤の量が、約10リットル〜約50リットルである、項目257に記載の方法。
(項目291)
ペプチド模倣大環状分子を含む水性医薬製剤、および該水性医薬製剤をヒト被験体に投与するための指示を、適切な容器手段に含むキットであって、該ペプチド模倣大環状分子が、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができ、該水性医薬製剤中の該ペプチド模倣大環状分子の量が、15mg/mL超であり、該水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含む、キット。
(項目292)
前記指示が、前記水性医薬製剤の静脈内投与のためのものである、項目291に記載のキット。
(項目293)
MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合することができるペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を適切な容器手段に含む、水性医薬製剤を製剤化するためのキットであって、該水性医薬製剤中の該ペプチド模倣大環状分子の
量が、15mg/mL超であり、該水性医薬製剤が、2%w/v未満の任意のミセル形成剤を含む、キット。
図1は、本開示の例示的な水性医薬製剤の製造プロセスの流れ図を示す。
図2は、実施例5に関して見出された図を示す。
図3は、細胞をペプチドと共に10%血清中で72時間インキュベートした後に、示されたペプチドの、SJSA−1生細胞(%)対log濃度(μM)のプロットを示す図である。
図4は、Aileronペプチド−1の12カ月間の安定性の結果を示す図である。データは、−20〜5℃で2年を超える有効期間を裏付けている。
本開示の好ましい実施形態を、本明細書で示し記載するが、当業者には、このような実施形態が単に例示的に提示されることが明らかである。ここで当業者には、本開示から逸脱することなく、数々の変更、変化、および置換が想到される。本開示の実施には、本明細書に記載の本開示の実施形態に対して様々な代替形態を用い得ることを理解されたい。下記の特許請求の範囲は、本開示の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲に含まれる方法および構造、ならびにそれらの均等物は、特許請求の範囲によって保護されるものとする。
定義
本明細書で使用される用語「大環状分子」は、共有結合により結合している少なくとも9個の原子によって形成された環またはサイクルを含む化学的構造を有する分子を指す。
本明細書で使用される用語「ペプチド模倣大環状分子」または「架橋ポリペプチド」は、複数のペプチド結合および少なくとも1つの大環状分子を形成するリンカーによって連結した複数のアミノ酸残基を含み、それによって、第1の天然に存在するまたは天然に存在しないアミノ酸残基(または類似体)と、同じ分子内の第2の天然に存在するまたは天然に存在しないアミノ酸残基(または類似体)の間に大環状分子を形成する化合物を指す。ペプチド模倣大環状分子は、大環状分子を形成するリンカーが、第1のアミノ酸残基(または類似体)のα炭素を、第2のアミノ酸残基(または類似体)のα炭素に結合している実施形態を含む。ペプチド模倣大環状分子は、任意選択で、1つまたは複数のアミノ酸
残基および/またはアミノ酸類似体残基の間に1つまたは複数の非ペプチド結合を含み、任意選択で、大環状分子を形成する任意のものに加えて、1つまたは複数の天然に存在しないアミノ酸残基またはアミノ酸類似体残基を含む。「対応する未架橋ポリペプチド」は、ペプチド模倣大環状分子の文脈で言及される場合、大環状分子と同じ長さであり、大環状分子に対応する野生型配列の等価な天然アミノ酸を含むポリペプチドに関すると理解される。
本明細書で使用される用語「薬学的に許容される塩」は、過度の刺激、アレルギー応答等を伴わずに製剤上使用するのに適した、好ましくはヒトおよび下等動物に使用するのに適した塩を指す。化合物のアミン、カルボン酸、および他の種類の薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知である。例えば、S. M. Bergeらは、参照によって本明細書に組
み込まれるJ Pharmaceutical Sciences、66巻:1〜19頁(1977年)において
薬学的に許容される塩を詳説している。塩は、本発明のペプチド模倣大環状分子の最終的な単離および精製中に、in situで調製することができ、または一般に下記の通り、遊離塩基もしくは遊離酸官能基を適切な試薬と別個に反応させることによって調製することができる。例えば、遊離塩基官能基は、適切な酸と反応させることができる。薬学的に許容される適切な塩には、金属塩、例えばアルカリ金属塩、例えばナトリウム、カリウム、およびリチウムの塩;ならびにアルカリ土類金属塩、例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩が含まれ得る。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸を用いて、または有機酸、例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸を用いて、またはイオン交換などの当技術分野で使用される他の方法を使用することによって形成されたアミノ基の塩である。薬学的に許容される他の塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩(hernisulfate)、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれる。
本明細書で使用される用語「安定性」は、化学的安定性および/または物理的安定性に言及し得る。本明細書で使用される化学的安定性という句は、化学的同一性を経時的に維持する化合物の能力を意味する。したがって、安定性は、例えば酸化または他の分解に対して化学種が抵抗する能力を暗示する。本明細書で使用される物理的安定性という句は、一貫した物理的特性を経時的に維持する組成物の能力を意味する。経時的に一貫した崩壊時間を維持する組成物の能力は、物理的安定性の例である。また一部の実施形態では、安定性は、円二色性、NMRもしくは別の生物物理学的尺度によって、またはin vitroもしくはin vivoでのタンパク質分解による分解に対する抵抗性によって測定される、規定された二次構造の溶液におけるペプチド模倣大環状分子による維持に言及し得る。本明細書で企図される二次構造の非限定的な例は、α−ヘリックス、310ヘリックス、β−ターン、およびβ−ひだ状シートである。
用語「アミノ酸」は、アミノ基とカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。適切なアミノ酸には、それらに限定されるものではないが、天然に存在するアミノ酸、および有機合成または他の代謝経路によって調製された天然に存在しないアミノ酸のD−異性体とL−異性体の両方が含まれる。本明細書で使用されるアミノ酸という用語には、α−アミ
ノ酸、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、およびアミノ酸類似体が含まれるが、それらに限定されない。
用語「α−アミノ酸」は、α−炭素と指定される炭素に結合したアミノ基とカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。
用語「β−アミノ酸」は、β立体配置にアミノ基とカルボキシル基の両方を含有する分子を指す。
用語「天然に存在するアミノ酸」は、天然に合成されたペプチドに一般に見出され、一文字略語A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YおよびVによって公知の20種のアミノ酸のいずれか1つを指す。
以下の表によって、天然アミノ酸の特性の概要を示す。
Figure 2021046436
「疎水性アミノ酸」には、小さい疎水性アミノ酸および大きい疎水性アミノ酸が含まれる。「小さい疎水性アミノ酸」は、グリシン、アラニン、プロリン、およびそれらの類似
体である。「大きい疎水性アミノ酸」は、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、およびそれらの類似体である。「極性アミノ酸」は、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、チロシン、およびそれらの類似体である。「荷電アミノ酸」は、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびそれらの類似体である。
用語「アミノ酸類似体」は、構造的にアミノ酸に類似しており、ペプチド模倣大環状分子の形成においてアミノ酸を置換することができる分子を指す。アミノ酸類似体には、β−アミノ酸、およびアミノ基またはカルボキシ基が同様に反応基によって置換されている(例えば第一級アミンが第二級もしくは第三級アミンで置換されている、またはカルボキシ基がエステルで置換されている)アミノ酸が含まれるが、それらに限定されない。
用語「非天然アミノ酸」は、天然に合成されたペプチドに一般に見出され、一文字略語A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、YおよびVによって公知の20種のアミノ酸の1つではないアミノ酸を指す。非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体には、以下による構造が含まれるが、それらに限定されない。
Figure 2021046436

Figure 2021046436

Figure 2021046436

Figure 2021046436
アミノ酸類似体には、β−アミノ酸類似体が含まれる。β−アミノ酸類似体の例として、環式β−アミノ酸類似体;β−アラニン;(R)−β−フェニルアラニン;(R)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−酢酸;(R)−3−アミノ−4−(1−ナフチル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2,4−ジクロロフェニル)酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−クロロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−シアノフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−フリル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−メチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−ナフチル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−チエニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(2−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3,4−ジクロロフェニル)酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3,4−ジフルオロフェニル)酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−ベンゾチエニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−クロロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−シアノフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−メチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−ピリジル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−チエニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ブロモフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−クロロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−シアノフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−フルオロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ヨードフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−メチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ニトロフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−ピリジル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(R)−3−アミノ−4−ペンタフルオロ−フェニル酪酸;(R)−3−アミノ−5−ヘキセン酸;(R)−3−アミノ−5−ヘキシン酸;(R)−3−アミノ−5−フェニルペンタン酸;(R)−3−アミノ−6−フェニル−5−ヘ
キセン酸;(S)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−3−酢酸;(S)−3−アミノ−4−(1−ナフチル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2,4−ジクロロフェニル)酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−クロロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−シアノフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−フルオロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−フリル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−メチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−ナフチル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−チエニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(2−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3,4−ジクロロフェニル)酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3,4−ジフルオロフェニル)酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−ベンゾチエニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−クロロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−シアノフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−フルオロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−メチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−ピリジル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−チエニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(3−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ブロモフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−クロロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−シアノフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−フルオロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ヨードフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−メチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ニトロフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−ピリジル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−(4−トリフルオロメチルフェニル)−酪酸;(S)−3−アミノ−4−ペンタフルオロ−フェニル酪酸;(S)−3−アミノ−5−ヘキセン酸;(S)−3−アミノ−5−ヘキシン酸;(S)−3−アミノ−5−フェニルペンタン酸;(S)−3−アミノ−6−フェニル−5−ヘキセン酸;1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−カルボン酸;1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−4−カルボン酸;3−アミノ−3−(2−クロロフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(2−チエニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(3−ブロモフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(4−クロロフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−3−(4−メトキシフェニル)−プロピオン酸;3−アミノ−4,4,4−トリフルオロ−酪酸;3−アミノアジピン酸;D−β−フェニルアラニン;β−ロイシン;L−β−ホモアラニン;L−β−ホモアスパラギン酸γ−ベンジルエステル;L−β−ホモグルタミン酸δ−ベンジルエステル;L−β−ホモイソロイシン;L−β−ホモロイシン;L−β−ホモメチオニン;L−β−ホモフェニルアラニン;L−β−ホモプロリン;L−β−ホモトリプトファン;L−β−ホモバリン;L−Nω−ベンジルオキシカルボニル−β−ホモリシン;Nω−L−β−ホモアルギニン;O−ベンジル−L−β−ホモヒドロキシプロリン;O−ベンジル−L−β−ホモセリン;O−ベンジル−L−β−ホモトレオニン;O−ベンジル−L−β−ホモチロシン;γ−トリチル−L−β−ホモアスパラギン;(R)−β−フェニルアラニン;L−β−ホモアスパラギン酸γ−t−ブチルエステル;L−β−ホモグルタミン酸δ−t−ブチルエステル;L−Nω−β−ホモリシン;Nδ−トリチル−L−β−ホモグルタミン;Nω−2,2,4,6,7−ペンタメチル−ジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル−L−β−ホモアルギニン;O−t−ブチル−L−β−ホモヒドロキシ−プロリン;O−t−ブチル−L−β−ホモセリン;O−t−ブチル−L−β−ホモトレオニン;O−t−ブチル−L−β−ホモチロシン;2−アミノシクロペンタンカルボン酸;および2−アミノシクロヘキサンカルボン酸が挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、アラニン、バリン、グリシンまたはロイシンの類似体が含まれる。アラニン、バリン、グリシン、およびロイシンのアミノ酸類似体の例として、α−メトキシグリシン;α−アリル−L−アラニン;α−アミノイソ酪酸;α−メチル−ロイシン;β−(1−ナフチル)−D−アラニン;β−(1−ナフチル)−L−アラニン;β−(2−ナフチル)−D−アラニン;β−(2−ナフチル)−L−アラニン;β−(2−ピリ
ジル)−D−アラニン;β−(2−ピリジル)−L−アラニン;β−(2−チエニル)−D−アラニン;β−(2−チエニル)−L−アラニン;β−(3−ベンゾチエニル)−D−アラニン;β−(3−ベンゾチエニル)−L−アラニン;β−(3−ピリジル)−D−アラニン;β−(3−ピリジル)−L−アラニン;β−(4−ピリジル)−D−アラニン;β−(4−ピリジル)−L−アラニン;β−クロロ−L−アラニン;β−シアノ−L−アラニン;β−シクロヘキシル−D−アラニン;β−シクロヘキシル−L−アラニン;β−シクロペンテン−1−イル−アラニン;β−シクロペンチル−アラニン;β−シクロプロピル−L−Ala−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;β−t−ブチル−D−アラニン;β−t−ブチル−L−アラニン;γ−アミノ酪酸;L−α,β−ジアミノプロピオン酸;2,4−ジニトロ−フェニルグリシン;2,5−ジヒドロ−D−フェニルグリシン;2−アミノ−4,4,4−トリフルオロ酪酸;2−フルオロ−フェニルグリシン;3−アミノ−4,4,4−トリフルオロ−酪酸;3−フルオロ−バリン;4,4,4−トリフルオロ−バリン;4,5−デヒドロ−L−leu−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;4−フルオロ−D−フェニルグリシン;4−フルオロ−L−フェニルグリシン;4−ヒドロキシ−D−フェニルグリシン;5,5,5−トリフルオロ−ロイシン;6−アミノヘキサン酸;シクロペンチル−D−Gly−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;シクロペンチル−Gly−OH・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;D−α,β−ジアミノプロピオン酸;D−α−アミノ酪酸;D−α−t−ブチルグリシン;D−(2−チエニル)グリシン;D−(3−チエニル)グリシン;D−2−アミノカプロン酸;D−2−インダニルグリシン;D−アリルグリシン・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;D−シクロヘキシルグリシン;D−ノルバリン;D−フェニルグリシン;β−アミノ酪酸;β−アミノイソ酪酸;(2−ブロモフェニル)グリシン;(2−メトキシフェニル)グリシン;(2−メチルフェニル)グリシン;(2−チアゾイル)グリシン;(2−チエニル)グリシン;2−アミノ−3−(ジメチルアミノ)−プロピオン酸;L−α,β−ジアミノプロピオン酸;L−α−アミノ酪酸;L−α−t−ブチルグリシン;L−(3−チエニル)グリシン;L−2−アミノ−3−(ジメチルアミノ)−プロピオン酸;L−2−アミノカプロン酸ジシクロヘキシル−アンモニウム塩;L−2−インダニルグリシン;L−アリルグリシン・ジシクロヘキシルアンモニウム塩;L−シクロヘキシルグリシン;L−フェニルグリシン;L−プロパルギルグリシン;L−ノルバリン;N−α−アミノメチル−L−アラニン;D−α,γ−ジアミノ酪酸;L−α,γ−ジアミノ酪酸;β−シクロプロピル−L−アラニン;(N−β−(2,4−ジニトロフェニル))−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−D−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−4−メチルトリチル)−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−β−アリルオキシカルボニル)−L−α,β−ジアミノプロピオン酸;(N−γ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−D−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−L−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−4−メチルトリチル)−D−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−4−メチルトリチル)−L−α,γ−ジアミノ酪酸;(N−γ−アリルオキシカルボニル)−L−α,γ−ジアミノ酪酸;D−α,γ−ジアミノ酪酸;4,5−デヒドロ−L−ロイシン;シクロペンチル−D−Gly−OH;シクロペンチル−Gly−OH;D−アリルグリシン;D−ホモシクロヘキシルアラニン;L−1−ピレニルアラニン;L−2−アミノカプロン酸;L−アリルグリシン;L−ホモシクロヘキシルアラニン;およびN−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−Bzl)−Gly−OHが挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、アルギニンまたはリシンの類似体が含まれる。アルギニンおよびリシンのアミノ酸類似体の例として、シトルリン;L−2−アミノ−3−グアニジノプロピオン酸;L−2−アミノ−3−ウレイドプロピオン酸;L−シトルリン;Lys(Me
−OH;Lys(N)−OH;Nδ−ベンジルオキシカルボニル−L−オルニチン;Nω−ニトロ−D−アルギニン;Nω−ニトロ−L−アルギニン;α−メチル−オルニチン;2,6−ジアミノヘプタン二酸;L−オルニチン;(Nδ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソ−シクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−D−オルニチン;(Nδ−1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソ−シクロヘキサ−1−イリデン)エチル)−L−オルニチン;(Nδ−4−メチルトリチル)−D−オルニチン;(Nδ−4−メチルトリチル)−L−オルニチン;D−オルニチン;L−オルニチン;Arg(Me)(Pbf)−OH;Arg(Me)−OH(非対称);Arg(Me)2−OH(対称);Lys(ivDde)−OH;Lys(Me)2−OH・HCl;Lys(Me3)−OHクロリド;Nω−ニトロ−D−アルギニン;およびNω−ニトロ−L−アルギニンが挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、アスパラギン酸またはグルタミン酸の類似体が含まれる。アスパラギン酸およびグルタミン酸のアミノ酸類似体の例として、α−メチル−D−アスパラギン酸;α−メチル−グルタミン酸;α−メチル−L−アスパラギン酸;γ−メチレン−グルタミン酸;(N−γ−エチル)−L−グルタミン;[N−α−(4−アミノベンゾイル)]−L−グルタミン酸;2,6−ジアミノピメリン酸;L−α−アミノスベリン酸;D−2−アミノアジピン酸;D−α−アミノスベリン酸;α−アミノピメリン酸;イミノ二酢酸;L−2−アミノアジピン酸;トレオ−β−メチル−アスパラギン酸;γ−カルボキシ−D−グルタミン酸γ,γ−ジ−t−ブチルエステル;γ−カルボキシ−L−グルタミン酸γ,γ−ジ−t−ブチルエステル;Glu(OAll)−OH;L−Asu(OtBu)−OH;およびピログルタミン酸が挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、システインおよびメチオニンの類似体が含まれる。システインおよびメチオニンのアミノ酸類似体の例として、Cys(ファルネシル)−OH、Cys(ファルネシル)−OMe、α−メチル−メチオニン、Cys(2−ヒドロキシエチル)−OH、Cys(3−アミノプロピル)−OH、2−アミノ−4−(エチルチオ)酪酸、ブチオニン、ブチオニンスルホキシミン、エチオニン、メチオニンメチルスルホニウムクロリド、セレノメチオニン、システイン酸、[2−(4−ピリジル)エチル]−DL−ペニシラミン、[2−(4−ピリジル)エチル]−L−システイン、4−メトキシベンジル−D−ペニシラミン、4−メトキシベンジル−L−ペニシラミン、4−メチルベンジル−D−ペニシラミン、4−メチルベンジル−L−ペニシラミン、ベンジル−D−システイン、ベンジル−L−システイン、ベンジル−DL−ホモシステイン、カルバモイル−L−システイン、カルボキシエチル−L−システイン、カルボキシメチル−L−システイン、ジフェニルメチル−L−システイン、エチル−L−システイン、メチル−L−システイン、t−ブチル−D−システイン、トリチル−L−ホモシステイン、トリチル−D−ペニシラミン、シスタチオニン、ホモシスチン、L−ホモシスチン、(2−アミノエチル)−L−システイン、セレノ−L−シスチン、シスタチオニン、Cys(StBu)−OH、およびアセトアミドメチル−D−ペニシラミンが挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、フェニルアラニンおよびチロシンの類似体が含まれる。フェニルアラニンおよびチロシンのアミノ酸類似体の例として、β−メチル−フェニルアラニン、β−ヒドロキシフェニルアラニン、α−メチル−3−メトキシ−DL−フェニルアラニン、α−メチル−D−フェニルアラニン、α−メチル−L−フェニルアラニン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、2,4−ジクロロ−フェニルアラニン、2−(トリフルオロメチル)−D−フェニルアラニン、2−(トリフルオロメチル)−L−フェニルアラニン、2−ブロモ−D−フェニルアラニン、2−ブロモ−L−フェニルアラニン、2−クロロ−D−フェニルアラニン、2−クロロ−L−フェニルアラニン、2−シアノ−D−フェニルアラニン、2−シアノ−L−フェニルアラニン、2−フルオロ−D−フェニルアラニン、2−フルオロ−L−フェニルアラニン、2−メチル−D−フェ
ニルアラニン、2−メチル−L−フェニルアラニン、2−ニトロ−D−フェニルアラニン、2−ニトロ−L−フェニルアラニン、2;4;5−トリヒドロキシ−フェニルアラニン、3,4,5−トリフルオロ−D−フェニルアラニン、3,4,5−トリフルオロ−L−フェニルアラニン、3,4−ジクロロ−D−フェニルアラニン、3,4−ジクロロ−L−フェニルアラニン、3,4−ジフルオロ−D−フェニルアラニン、3,4−ジフルオロ−L−フェニルアラニン、3,4−ジヒドロキシ−L−フェニルアラニン、3,4−ジメトキシ−L−フェニルアラニン、3,5,3’−トリヨード−L−チロニン、3,5−ジヨード−D−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロニン、3−(トリフルオロメチル)−D−フェニルアラニン、3−(トリフルオロメチル)−L−フェニルアラニン、3−アミノ−L−チロシン、3−ブロモ−D−フェニルアラニン、3−ブロモ−L−フェニルアラニン、3−クロロ−D−フェニルアラニン、3−クロロ−L−フェニルアラニン、3−クロロ−L−チロシン、3−シアノ−D−フェニルアラニン、3−シアノ−L−フェニルアラニン、3−フルオロ−D−フェニルアラニン、3−フルオロ−L−フェニルアラニン、3−フルオロ−チロシン、3−ヨード−D−フェニルアラニン、3−ヨード−L−フェニルアラニン、3−ヨード−L−チロシン、3−メトキシ−L−チロシン、3−メチル−D−フェニルアラニン、3−メチル−L−フェニルアラニン、3−ニトロ−D−フェニルアラニン、3−ニトロ−L−フェニルアラニン、3−ニトロ−L−チロシン、4−(トリフルオロメチル)−D−フェニルアラニン、4−(トリフルオロメチル)−L−フェニルアラニン、4−アミノ−D−フェニルアラニン、4−アミノ−L−フェニルアラニン、4−ベンゾイル−D−フェニルアラニン、4−ベンゾイル−L−フェニルアラニン、4−ビス(2−クロロエチル)アミノ−L−フェニルアラニン、4−ブロモ−D−フェニルアラニン、4−ブロモ−L−フェニルアラニン、4−クロロ−D−フェニルアラニン、4−クロロ−L−フェニルアラニン、4−シアノ−D−フェニルアラニン、4−シアノ−L−フェニルアラニン、4−フルオロ−D−フェニルアラニン、4−フルオロ−L−フェニルアラニン、4−ヨード−D−フェニルアラニン、4−ヨード−L−フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、チロキシン、3,3−ジフェニルアラニン、チロニン、エチル−チロシン、およびメチル−チロシンが挙げられる。
アミノ酸類似体には、プロリンの類似体が含まれる。プロリンのアミノ酸類似体の例として、3,4−デヒドロ−プロリン、4−フルオロ−プロリン、シス−4−ヒドロキシ−プロリン、チアゾリジン−2−カルボン酸、およびトランス−4−フルオロ−プロリンが挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、セリンおよびスレオニンの類似体が含まれる。セリンおよびスレオニンのアミノ酸類似体の例として、3−アミノ−2−ヒドロキシ−5−メチルヘキサン酸、2−アミノ−3−ヒドロキシ−4−メチルペンタン酸、2−アミノ−3−エトキシブタン酸、2−アミノ−3−メトキシブタン酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸、2−アミノ−3−ベンジルオキシプロピオン酸、2−アミノ−3−ベンジルオキシプロピオン酸、2−アミノ−3−エトキシプロピオン酸、4−アミノ−3−ヒドロキシブタン酸、およびα−メチルセリンが挙げられるが、それらに限定されない。
アミノ酸類似体には、トリプトファンの類似体が含まれる。トリプトファンのアミノ酸類似体の例として、α−メチル−トリプトファン;β−(3−ベンゾチエニル)−D−アラニン;β−(3−ベンゾチエニル)−L−アラニン;1−メチル−トリプトファン;4−メチル−トリプトファン;5−ベンジルオキシ−トリプトファン;5−ブロモ−トリプトファン;5−クロロ−トリプトファン;5−フルオロ−トリプトファン;5−ヒドロキシ−トリプトファン;5−ヒドロキシ−L−トリプトファン;5−メトキシ−トリプトファン;5−メトキシ−L−トリプトファン;5−メチル−トリプトファン;6−ブロモ−トリプトファン;6−クロロ−D−トリプトファン;6−クロロ−トリプトファン;6−フルオロ−トリプトファン;6−メチル−トリプトファン;7−ベンジルオキシ−トリプ
トファン;7−ブロモ−トリプトファン;7−メチル−−トリプトファン;D−1,2,3,4−テトラヒドロ−ノルハルマン−3−カルボン酸;6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロノルハルマン−1−カルボン酸;7−アザトリプトファン;L−1,2,3,4−テトラヒドロ−ノルハルマン−3−カルボン酸;5−メトキシ−2−メチル−トリプトファン;および6−クロロ−L−トリプトファンが挙げられるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、アミノ酸類似体は、ラセミである。一部の実施形態では、アミノ酸類似体のD異性体が使用される。一部の実施形態では、アミノ酸類似体のL異性体が使用される。他の実施形態では、アミノ酸類似体は、RまたはS立体配置中にあるキラル中心を含む。さらに他の実施形態では、β−アミノ酸類似体のアミノ基(複数可)は、保護基、例えばtert−ブチルオキシカルボニル(BOC基)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、トシル等で置換されている。さらなる他の実施形態では、β−アミノ酸類似体のカルボン酸官能基は、例えばそのエステル誘導体として保護される。一部の実施形態では、アミノ酸類似体の塩が使用される。
「非必須」アミノ酸残基は、その必須の生物学的または生化学的な活性(例えば、受容体結合または活性化)を消失することなく、または実質的に変えることなく、ポリペプチドの野生型配列から変わり得る残基である。「必須」アミノ酸残基は、ポリペプチドの野生型配列から変わると、ポリペプチドの必須の生物学的または生化学的な活性を消失するか、または実質的に消失する残基である。
「保存アミノ酸の置換」は、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置き換えられているものである。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当技術分野で定義されている。これらのファミリーには、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、K、R、H)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、D、E)、無電荷極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、G、N、Q、S、T、Y、C)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、A、V、L、I、P、F、M、W)、ベータ−分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、T、V、I)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、Y、F、W、H)が含まれる。したがって、例えばポリペプチドにおいて予測される非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸残基で置き換えられる。許容される置換の他の例は、等比体積的考察に基づく置換であるか(例えばメチオニンについてはノルロイシン)、または他の特性に基づく置換である(例えばフェニルアラニンについては2−チエニルアラニン、またはトリプトファンについては6−Cl−トリプトファン)。
用語「キャッピング基」は、主題であるペプチド模倣大環状分子のポリペプチド鎖のカルボキシ末端またはアミノ末端のいずれかに存在する化学的部分を指す。カルボキシ末端のキャッピング基には、非修飾カルボン酸(すなわち−COOH)または置換基を有するカルボン酸が含まれる。例えば、カルボキシ末端は、アミノ基で置換されると、C末端にカルボキサミドをもたらすことができる。様々な置換基には、第一級アミンおよびペグ化第二級アミンを含めた第二級アミンが含まれるが、それらに限定されない。C末端の代表的な第二級アミンキャッピング基には、
Figure 2021046436

Figure 2021046436

が含まれる。
アミノ末端のキャッピング基には、非修飾アミン(すなわち−NH)または置換基を有するアミンが含まれる。例えば、アミノ末端は、アシル基で置換されると、N末端にカルボキサミドをもたらすことができる。様々な置換基には、C〜Cカルボニル、C〜C30カルボニル、およびペグ化カルバメートを含めた置換アシル基が含まれるが、それらに限定されない。N末端の代表的なキャッピング基には、4−FBzl(4−フルオロ−ベンジル)および以下:
Figure 2021046436

Figure 2021046436

が含まれるが、それらに限定されない。
大環状分子または大環状分子を形成するリンカーと共に本明細書で使用される用語「員」は、大環状分子を形成するか、または形成することができる原子を指し、置換基または側鎖原子を除外する。水素またはフルオロ置換基またはメチル側鎖は、大環状分子の形成には関与しないので、シクロデカン、1,2−ジフルオロ−デカンおよび1,3−ジメチルシクロデカンは、すべて類似性によって10員の大環状分子とみなされる。
記号
Figure 2021046436

は、分子構造の一部として使用される場合、単結合、またはトランスもしくはシス二重結
合を指す。
用語「アミノ酸側鎖」は、アミノ酸のα−炭素(または別の骨格原子)に結合している部分を指す。例えば、アラニンのアミノ酸側鎖は、メチルであり、フェニルアラニンのアミノ酸側鎖は、フェニルメチルであり、システインのアミノ酸側鎖は、チオメチルであり、アスパラギン酸のアミノ酸側鎖は、カルボキシメチルであり、チロシンのアミノ酸側鎖は、4−ヒドロキシフェニルメチルである等である。また、他の天然に存在しないアミノ酸の側鎖、例えば天然に存在するもの(例えばアミノ酸代謝産物)または合成により作製されたもの(例えばα,α二置換アミノ酸)が含まれる。
用語「α,α二置換アミノ」酸は、2つの天然または非天然アミノ酸側鎖に結合している炭素(α−炭素)に結合したアミノ基とカルボキシル基の両方を含有する分子または部分を指す。
用語「ポリペプチド」は、共有結合(例えば、アミド結合)によって連結した2つまたはそれを超える数の天然に存在するまたは天然に存在しないアミノ酸を包含する。本明細書に記載のポリペプチドには、全長タンパク質(例えば完全にプロセシングされたタンパク質)ならびにより短いアミノ酸配列(例えば、天然に存在するタンパク質の断片または合成ポリペプチドの断片)が含まれる。
用語「第1のC末端アミノ酸」は、C末端に最も近接しているアミノ酸を指す。用語「第2のC末端アミノ酸」は、第1のC末端アミノ酸のN末端に結合しているアミノ酸を指す。
本明細書で使用される用語「大環状化試薬」または「大環状分子形成試薬」は、2つの反応基間の反応を媒介することによってペプチド模倣大環状分子を調製するために使用され得る任意の試薬を指す。反応基は、例えばアジドおよびアルキンであってよく、その場合、大環状化試薬には、それらに限定されるものではないが、Cu試薬、例えば反応性Cu(I)種をもたらす試薬、例えばCuBr、CuIまたはCuOTf、ならびに還元剤、例えばアスコルビン酸またはアスコルビン酸ナトリウムを添加することによって活性なCu(I)試薬にin situで変換することができるCu(II)塩、例えばCu(COCH、CuSO、およびCuClが含まれる。大環状化試薬には、さらに、例えば当技術分野で公知のRu試薬、例えばCpRuCl(PPh、[CpRuCl]または反応性Ru(II)種をもたらすことができる他のRu試薬が含まれ得る。他の場合には、反応基は、末端オレフィンである。このような実施形態では、大環状化試薬または大環状分子形成試薬は、それらに限定されるものではないが、安定化された後期遷移金属カルベン錯体触媒、例えばVIII群の遷移金属カルベン触媒を含めたメタセシス触媒である。例えば、このような触媒は、+2酸化状態、電子計数16を有し、五配位されているRuおよびOs金属中心である。他の例では、触媒は、WまたはMo中心を有する。様々な触媒が、Grubbsら、「Ring Closing Metathesis and Related
Processes in Organic Synthesis」Acc. Chem. Res. 1995年、28巻、446〜452頁、米国特許第5,811,515号;米国特許第7,932,397号;米国特許出願第2011/0065915号;米国特許出願第2011/0245477号;Yuら、「Synthesis of Macrocyclic Natural Products by Catalyst-Controlled
Stereoselective Ring-Closing Metathesis」、Nature 2011年、479巻、8
8頁;およびPeryshkovら、「Z-Selective Olefin Metathesis Reactions Promoted
by Tungsten Oxo Alkylidene Complexes」、J. Am. Chem. Soc. 2011年、133巻、20754頁に開示されている。さらに他の場合には、反応基は、チオール基である。このような実施形態では、大環状化試薬は、例えば2つのチオール反応基、例えばハロゲン基で官能化されているリンカーである。いくつかの例では、大環状化試薬には
、パラジウム試薬、例えばPd(PPh、Pd(PPhCl、Pd(dppe)Cl、Pd(dppp)Cl、およびPd(dppf)Clが含まれる。用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素またはそれらのラジカルを指す。
用語「アルキル」は、指示数の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖である炭化水素鎖を指す。例えば、C〜C10は、その基が1〜10個(両端を含む)の炭素原子を有することを示す。「アルキル」は、任意の数が指定されない場合、1〜20個(両端を含む)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分岐鎖)である。
用語「アルキレン」は、二価のアルキル(すなわち−R−)を指す。
用語「アルケニル」は、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を有する直鎖または分岐鎖である炭化水素鎖を指す。アルケニル部分は、指示数の炭素原子を含有する。例えば、C〜C10は、その基が2〜10個(両端を含む)の炭素原子を有することを示す。用語「低級アルケニル」は、C〜Cアルケニル鎖を指す。「アルケニル」は、任意の数が指定されない場合、2〜20個(両端を含む)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分岐鎖)である。
用語「アルキニル」は、1つまたは複数の炭素−炭素三重結合を有する直鎖または分岐鎖である炭化水素鎖を指す。アルキニル部分は、指示数の炭素原子を含有する。例えば、C〜C10は、その基が2〜10個(両端を含む)の炭素原子を有することを示す。用語「低級アルキニル」は、C〜Cアルキニル鎖を指す。「アルキニル」は、任意の数が指定されない場合、2〜20個(両端を含む)の炭素原子を有する鎖(直鎖または分岐鎖)である。
用語「アリール」は、6個の炭素の単環式または10個の炭素の二環式芳香族環系を指し、ここで各環の0、1、2、3、または4個の原子は、置換基によって置換されている。アリール基の例として、フェニル、ナフチル等が挙げられる。用語「アリールアルコキシ」は、アリールで置換されているアルコキシを指す。
「アリールアルキル」は、アリール基の水素原子の1つが、上で定義のC〜Cアルキル基で置き換えられている、上で定義のアリール基を指す。アリールアルキル基の代表例として、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、2−プロピルフェニル、3−プロピルフェニル、4−プロピルフェニル、2−ブチルフェニル、3−ブチルフェニル、4−ブチルフェニル、2−ペンチルフェニル、3−ペンチルフェニル、4−ペンチルフェニル、2−イソプロピルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、2−イソブチルフェニル、3−イソブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、2−sec−ブチルフェニル、3−sec−ブチルフェニル、4−sec−ブチルフェニル、2−t−ブチルフェニル、3−t−ブチルフェニルおよび4−t−ブチルフェニルが挙げられるが、それらに限定されない。
「アリールアミド」は、アリール基の水素原子の1つが、1つまたは複数の−C(O)NH基で置き換えられている、上で定義のアリール基を指す。アリールアミド基の代表例として、2−C(O)NH2−フェニル、3−C(O)NH−フェニル、4−C(O)NH−フェニル、2−C(O)NH−ピリジル、3−C(O)NH−ピリジル、および4−C(O)NH−ピリジルが挙げられる。
「アルキル複素環」は、C〜Cアルキル基の水素原子の1つが、複素環で置き換え
られている、上で定義のC〜Cアルキル基を指す。アルキル複素環基の代表例として、−CHCH−モルホリン、−CHCH−ピペリジン、−CHCHCH−モルホリン、および−CHCHCH−イミダゾールが挙げられるが、それらに限定されない。
「アルキルアミド」は、C〜Cアルキル基の水素原子の1つが、−C(O)NH基で置き換えられている、上で定義のC〜Cアルキル基を指す。アルキルアミド基の代表例として、−CH−C(O)NH、−CHCH−C(O)NH、−CHCHCHC(O)NH、−CHCHCHCHC(O)NH、−CHCHCHCHCHC(O)NH、−CHCH(C(O)NH)CH、−CHCH(C(O)NH)CHCH、−CH(C(O)NH)CHCH、−C(CHCHC(O)NH、−CH−CH−NH−C(O)−CH、−CH−CH−NH−C(O)−CH−CH3、および−CH−CH−NH−C(O)−CH=CHが挙げられるが、それらに限定されない。
「アルカノール」は、C〜Cアルキル基の水素原子の1つが、ヒドロキシル基で置き換えられている、上で定義のC〜Cアルキル基を指す。アルカノール基の代表例として、−CHOH、−CHCHOH、−CHCHCHOH、−CHCHCHCHOH、−CHCHCHCHCHOH、−CHCH(OH)CH、−CHCH(OH)CHCH、−CH(OH)CHおよび−C(CHCHOHが挙げられるが、それらに限定されない。
「アルキルカルボキシ」は、C〜Cアルキル基の水素原子の1つが、−−COOH基で置き換えられている、上で定義のC〜Cアルキル基を指す。アルキルカルボキシ基の代表例として、−CHCOOH、−CHCHCOOH、−CHCHCHCOOH、−CHCHCHCHCOOH、−CHCH(COOH)CH、−CHCHCHCHCHCOOH、−CHCH(COOH)CHCH、−CH(COOH)CHCHおよび−C(CHCHCOOHが挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書で用いられる用語「シクロアルキル」は、3〜12個の炭素、好ましくは3〜8個の炭素、より好ましくは3〜6個の炭素を有する飽和および部分的に不飽和の環式炭化水素基を含み、ここでシクロアルキル基は、任意選択でさらに置換されている。いくつかのシクロアルキル基には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが含まれるが、それらに限定されない。
用語「ヘテロアリール」は、単環式の場合は1〜3個のヘテロ原子を有し、二環式の場合は1〜6個のヘテロ原子を有し、または三環式の場合は1〜9個のヘテロ原子を有する、芳香族の5〜8員の単環式、8〜12員の二環式、または11〜14員の三環式環系を指し、前記ヘテロ原子は、O、N、またはSから選択され(例えば、炭素原子およびそれぞれ単環式、二環式または三環式の場合には、O、NまたはSの1〜3個、1〜6個または1〜9個のヘテロ原子)、各環の0、1、2、3、または4個の原子は、置換基によって置換されている。ヘテロアリール基の例として、ピリジル、フリルまたはフラニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、ピリミジニル、チオフェニルまたはチエニル、キノリニル、インドリル、チアゾリル等が挙げられる。
用語「ヘテロアリールアルキル」または用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールで置換されているアルキルを指す。用語「ヘテロアリールアルコキシ」は、ヘテロアリールで置換されているアルコキシを指す。
用語「ヘテロアリールアルキル」または用語「ヘテロアラルキル」は、ヘテロアリールで置換されているアルキルを指す。用語「ヘテロアリールアルコキシ」は、ヘテロアリールで置換されているアルコキシを指す。
用語「ヘテロシクリル」は、単環式の場合は1〜3個のヘテロ原子を有し、二環式の場合は1〜6個のヘテロ原子を有し、または三環式の場合は1〜9個のヘテロ原子を有する、非芳香族の5〜8員の単環式、8〜12員の二環式、または11〜14員の三環式環系を指し、前記ヘテロ原子は、O、N、またはSから選択され(例えば、炭素原子およびそれぞれ単環式、二環式または三環式の場合には、O、NまたはSの1〜3個、1〜6個または1〜9個のヘテロ原子)、各環の0、1、2または3個の原子は、置換基によって置換されている。ヘテロシクリル基の例として、ピペラジニル、ピロリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル等が挙げられる。
用語「置換基」は、任意の分子、化合物または部分上の第2の原子または基、例えば水素原子を置き換える基を指す。適切な置換基には、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、オキソ、ニトロ、ハロアルキル、アルキル、アルカリール、アリール、アラルキル、アルコキシ、チオアルコキシ、アリールオキシ、アミノ、アルコキシカルボニル、アミド、カルボキシ、アルカンスルホニル、アルキルカルボニル、およびシアノ基が含まれるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含有し、したがってラセミ体およびラセミ混合物、単一エナンチオマー、個々のジアステレオマーおよびジアステレオマー混合物として生じる。別段明確に提示されない限り、これらの化合物のこのようなすべての異性体形態が含まれる。また一部の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、複数の互変異性体の形態で表され、このような場合、化合物には、本明細書に記載の化合物のすべての互変異性体の形態が含まれる(例えば、環系のアルキル化が、複数部位においてアルキル化をもたらす場合、本開示は、このようなすべての反応生成物を含む)。別段明確に提示されない限り、このような化合物のこのようなすべての異性体形態が含まれる。別段明確に提示されない限り、本明細書に記載の化合物のすべての結晶形が含まれる。
本明細書で使用される用語「増加」および「低減」は、それぞれ、少なくとも5%の統計的に有意な(すなわちp<0.1)増加または低減を引き起こすことを意味する。
本明細書で使用される、変数に関する数値範囲の記載は、その変数が、その範囲内の値のいずれかと等しいことを伝えるものである。したがって、本質的に別々の変数に関して、その変数は、範囲の終点を含めた数値範囲内の任意の整数値に等しい。同様に、本質的に連続している変数に関して、その変数は、範囲の終点を含めた数値範囲内の任意の真の値に等しい。一例として、限定されるものではないが、0と2の間の値を有すると記載される変数は、その変数が本質的に別々である場合には、0、1または2の値をとり、変数が本質的に連続している場合には、0.0、0.1、0.01、0.001の値もしくは≧0および≦2の任意の他の真の値をとる。
別段具体的に示されない限り、本明細書で使用される「または」という用語は、「および/または」の包括的な意味で使用され、「いずれか/または」の排他的意味では使用されない。
用語「平均で」は、データ点ごとに少なくとも3つの独立な反復を実施することから得られた平均値を表す。
用語「生物活性」は、大環状分子の構造的および機能的特性を包含する。生物活性は、例えば構造的安定性、アルファ−ヘリシティ、標的に対する親和性、タンパク分解による分解に対する抵抗性、細胞透過性、細胞内安定性、in vivo安定性、またはそれらの任意の組合せである。
用語「結合親和性」は、例えばペプチド模倣大環状分子と標的の間の結合相互作用の強度を指す。結合親和性は、例えば平衡解離定数(「K」)として表すことができ、この定数は、濃度の尺度である単位(例えばM、mM、μM、nM等)で表される。数的には、結合親和性およびK値は反比例し、したがって、より低い結合親和性は、より高いK値に相当し、より高い結合親和性は、より低いK値に相当する。高い結合親和性が望ましい場合、「改善された」結合親和性は、より高い結合親和性を指し、したがってより低いK値を指す。
用語「in vitro有効性」は、ペプチド模倣大環状分子などの試験化合物が、in vitro試験系またはアッセイにおいて有益な結果をもたらす程度を指す。in vitro有効性は、例えば、試験系において最大効果の50%をもたらす試験化合物の濃度を表す「IC50」または「EC50」値として測定され得る。
用語「in vitro有効性の比」または「in vitro有効率」は、第1のアッセイ(分子)対第2のアッセイ(分母)から得られたIC50またはEC50値の比を指す。結果的に、アッセイ1対アッセイ2の改善されたin vitro有効率は、IC50(アッセイ1)/IC50(アッセイ2)または、あるいはEC50(アッセイ1)/EC50(アッセイ2)として表される比に関するより低い値を指す。またこの概念は、アッセイ1対アッセイ2において「改善された選択性」と特徴付けることができ、標的1に関するIC50もしくはEC50値の低下、または標的2に関するIC50もしくはEC50値の増大のいずれかに起因し得る。
本明細書で使用される「ミセル形成剤」は、疎水性基(尾部)と親水性基(頭部)の両方を含有する化合物を意味する両親媒性化合物であり得る。ミセル形成剤には、界面活性剤、例えばイオン性、非イオン性、および双性イオン性界面活性剤が含まれる。
本発明の1つまたは複数の特定の実施形態の詳細を、添付の図および以下の説明に記載する。本発明の他の特徴、目的および利点は、説明および図、ならびに特許請求の範囲から明らかである。
用語「Xaa」は、本明細書に記載の式において、任意のアミノ酸を指すために使用される。この用語には、例えば「Xaa」のように下付き数字が続く場合がある。これらの場合、下付き数字は、配列におけるアミノ酸「Xaa」の位置を指す場合があり、または指していない場合がある。例えばすべてではないが、いくつかの場合には、Xaaは、アミノ酸「Xaa」が配列の6番目の位置に存在することを意味することができる。
概要
一態様では、本開示は、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質に結合するペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を含む、非経口投与のための水性医薬製剤を提供する。本明細書に提示の水性医薬製剤は、注射できる状態になっている(ready for injection)(例えば静脈内)水溶液、または希釈および注射できる
状態になっている水性濃縮物である。一部の実施形態では、本明細書に開示の水性医薬製剤は、ミセルを含有せず、またはミセルを本質的に含まない。様々な実施形態では、本明細書に開示の水性医薬製剤は、2%w/v未満のミセル形成剤を含む。いくつかの例では、本明細書に開示の水性医薬製剤は、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、
1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、または0.05%w/v未満のミセル形成剤を含む。一部の実施形態では、ミセル形成剤は、ソルビトールである。一部の実施形態では、ミセル形成剤は、ポリエチレングリコール−ポリ(乳酸)である。一部の実施形態では、ミセル形成剤は、1,2−ジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン−メチル−ポリエチレングリコールコンジュゲートである。一部の実施形態では、ミセル形成剤は使用されないが、分子がミセル形成特性を有する。
水性医薬製剤は、水性賦形剤を含む。いくつかの例では、賦形剤は、水、精製水、注射用水、注射用静菌水、滅菌注射用水、非経口用水、PBS、および/または灌注用滅菌水である。一部の実施形態では、賦形剤は、注射用水である。一部の実施形態では、賦形剤は、PBSである。一部の実施形態では、賦形剤は、デキストロース水溶液、例えば5%デキストロース水溶液である。
様々な実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、第1のアミノ酸残基(または類似体)と第2のアミノ酸残基の間に大環状分子を形成する少なくとも1つの大環状分子を形成するリンカーを含む架橋ペプチドである。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式(I)
Figure 2021046436

(式中、
各A、C、およびDは、独立に、アミノ酸であり、
各Bは、独立に、アミノ酸、
Figure 2021046436

、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
各Eは、独立に、Ala(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)からなる群から選択されるアミノ酸であり、
各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロで置換されている)、または前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
各LおよびL’は、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
各Lは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
各vは、独立に、1〜1000の整数であり、
各wは、独立に、3〜1000の整数であり、
uは、1〜10の整数であり、
各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、
各nは、独立に、1〜5の整数である)
を有する。
一部の実施形態では、大環状分子を形成するリンカー(LまたはL’)は、
式−L−L
(式中、
およびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
各nは、1〜5の整数である)
を有する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、p53、MDM2および/またはM
DMXに結合し、それらの活性をモジュレートすることができるp53ベースのペプチド模倣大環状分子である。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、p53、MDM2タンパク質および/またはMDMXタンパク質の間の相互作用を阻害するp53ベースのペプチド模倣大環状分子である。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、それらに限定されるものではないが、がんおよび他の過剰増殖性疾患を含めた疾患を処置するために使用することができるp53ベースのペプチド模倣大環状分子である。いくつかの例では、ペプチド模倣大環状分子は、式Iを有しており、表1、表1a、表1b、および表1cのいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%またはそれを超えて同一のアミノ酸配列を含む。いくつかの例では、ペプチド模倣大環状分子は、表1、表1a、表1b、および表1cのいずれかに由来するペプチド模倣大環状分子である。
任意の適切な投与量のペプチド模倣大環状分子を、本開示の水性医薬製剤に製剤化することができる。一般に、ペプチド模倣大環状分子(または2つまたはそれを超えるペプチド模倣大環状分子を含む実施形態では、ペプチド模倣大環状分子のそれぞれ)は、水性医薬製剤中に、1mg/mL超またはそれに等しい量、例えば5mg/mL、10mg/mL、15mg/mL、20mg/mL、30mg/mL、40mg/mL、および50mg/mL超またはそれに等しい量で存在する。いくつかの例では、ペプチド模倣大環状分子は、水性医薬製剤中に約15mg/mL〜約100mg/mLの量で存在する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、水性医薬製剤中に約15mg/mL〜約60mg/mLの範囲の量で存在する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、水性医薬製剤中に約20mg/mL〜約50mg/mLの範囲の量で存在する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、水性医薬製剤中に約50mg/mL〜約100mg/mLの範囲の量で存在する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、水性医薬製剤中に約15mg/mL〜約20mg/mLの範囲の量で存在する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、水性医薬製剤中に約15mg/mL〜約30mg/mLの範囲の量で存在する。ペプチド模倣大環状分子の投与量は、使用されるペプチド模倣大環状分子、処置される被験体、および処置される疾患、障害または状態を含むいくつかの条件に応じて変わり得ることが、当業者には容易に明らかである。
本明細書に開示の水性医薬製剤は、緩衝剤をさらに含むことができる。緩衝剤は、該水性製剤のpHを4.0〜9.0の範囲に維持することができる任意の剤であり得る。例えば、緩衝剤は、アンモニア溶液、炭酸カルシウム、第三リン酸カルシウム、クエン酸一水和物、第二リン酸ナトリウム、ジエタノールアミン、リンゴ酸、第一リン酸ナトリウム、モノエタノールアミン、グルタミン酸一ナトリウム、リン酸、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、無水クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウムおよびトリエタノールアミンからなる群から選択される。一部の実施形態では、緩衝剤は、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、またはそれらの混合物であり得る。製剤のpHは、4.0〜9.0の範囲であり得る。例えば、pHは、約4.5〜8.5、約5.0〜8.0、約5.5〜7.5、約7.0〜7.5、約7.0〜8.0、約7.0〜9.0、または約8.0〜9.0の範囲であり得る。一部の実施形態では、製剤のpHは、約7.0である。一部の実施形態では、製剤のpHは、約7.5である。一部の実施形態では、製剤のpHは、約8.0である。
本明細書に開示の水性医薬製剤は、安定剤を含むことができる。安定剤は、任意の薬学的に許容される安定剤であり得る。このような安定剤には、例えば抗酸化剤および/または界面活性剤が含まれ得る。一部の実施形態では、安定剤は、例えば非イオン性界面活性剤としての非イオン性安定剤である。一部の実施形態では、安定剤は、脂肪酸エステルである。安定剤は、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル、グルコシドアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリ
コールオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル、グリセロールアルキルエステル、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、コカミドMEA、コカミドDEA、ドデシルジメチルアミンオキシド、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、およびポリエトキシ化獣脂アミンからなる群から選択することができる。いくつかの例では、安定剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えばポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85またはポリソルベート120である。
一部の実施形態では、本発明の水性医薬製剤の張度は、調整することができ、例えば製剤の張度は、製剤が生理液と等張であるようにすることができる。このような製剤は、製剤の張度を調整するために1種または複数種の張度調整剤(等張化剤)をさらに含むことができる。薬学的に許容される任意の等張化剤を使用することができる。いくつかの例では、等張化剤は、電解質、単糖、二糖、多糖、および水溶性グルカンからなる群から選択される。いくつかの例では、等張化剤は、NaClまたはKClである。いくつかの例では、等張化剤は、フルクトース、グルコース、マンノース、マンニトール、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプンおよびカルボキシメチルセルロースからなる群から選択される。一部の実施形態では、等張化剤は、トレハロースである。
いくつかの例では、本開示の製剤は、1種または複数種の追加の添加剤(excipient)
、例えば保存剤または共溶媒をさらに含む。
また本明細書では、本明細書に開示の水性医薬製剤を作製する方法が提供される。該方法は、ペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を水溶液に添加するステップを含む。水溶液は、緩衝剤、安定剤、および等張化剤の1つまたは複数を含むことができる。該方法は、混合物のpHを特定のレベルに維持するために、pH調整剤を添加するステップをさらに含むことができる。一部の実施形態では、該方法は、所望の量のペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩(例えばナトリウム、カリウムまたはリチウムの塩)を水に添加するステップを含む。一部の実施形態では、該方法は、所望の量のペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を、緩衝剤、安定剤、および等張化剤を含む水溶液に添加するステップを含む。
また本明細書では、被験体に本明細書に記載の水性医薬製剤を投与することによって処置され、軽減され、または防止され得る疾患、状態または障害を処置する方法が提供される。該方法は、疾患、状態、または障害を処理し、軽減し、または防止するのに有効な量の水性医薬製剤を被験体に投与するステップを含む。一部の実施形態では、疾患、状態、または障害は、p53によって媒介される疾患、状態、または障害である。一部の実施形態では、疾患、状態、または障害は、MDM2および/またはMDMXによって媒介される疾患、状態、または障害である。一部の実施形態では、疾患、状態、または障害は、過剰増殖性疾患および/または炎症性障害である。一部の実施形態では、疾患、状態、または障害は、がんおよび新生物状態である。いくつかの例では、がんは、膵臓がん、膀胱がん、結腸がん、肝臓がん、結腸直腸がん、乳がん、前立腺がん、腎臓がん、肝細胞がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、胃がん、食道がん、頭部および頸部がん、黒色腫、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍、骨がん、皮膚がん、眼腫瘍、直腸がん、絨毛癌(胎盤腫瘍)、肉腫および軟部組織がん、精巣がん、胆嚢がん、および胆道がんからなる群から選択される。いくつかの例では、がんは、膀胱がん、骨がん、乳がん、子宮頸がん、CNSがん、結腸がん、眼腫瘍、腎臓がん、肝臓がん、肺がん、膵臓がん、絨毛癌(胎盤腫瘍
)、前立腺がん、肉腫、皮膚がん、軟部組織がん、胃がん、胆嚢がん、胆道がん、腎臓がん、新生芽細胞腫、または神経内分泌がんからなる群から選択される。眼腫瘍の非限定的な例として、脈絡膜母斑、脈絡膜黒色腫、脈絡膜転移、脈絡膜血管腫、脈絡膜骨腫、虹彩黒色腫、ブドウ膜黒色腫、黒色細胞腫、転移網膜毛細血管腫、RPEの先天性肥大、RPE腺腫または網膜芽細胞腫が挙げられる。いくつかの場合には、がんは、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、結腸がん、CNSがん、黒色腫、卵巣がん、腎臓がん、前立腺がんおよび乳がんから選択される。いくつかの例では、がんは、乳がんである。いくつかの例では、がんは、胆嚢がんである。いくつかの例では、がんは、胆道がんである。いくつかの例では、がんは、神経内分泌がんである。いくつかの例では、がんは、骨がんである。いくつかの例では、がんは、骨肉腫である骨がんである。いくつかの例では、がんは、皮膚がんである。いくつかの例では、がんは、黒色腫である。
別の態様では、本開示は、疾患、状態または障害を処置するための、本明細書に開示の水性医薬品を含むキットを提供する。製剤は、任意の適切な容器、例えばボトルまたはバイアルにパッケージされ得る。いくつかの例では、製剤は、ガラスセラムバイアルにパッケージされ得る。いくつかの例では、製剤は、ホウケイ酸ガラスから構成されたセラムバイアルにパッケージされ得る。いくつかの例では、製剤は、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、10mL、20mL、30mL、または50mLのガラスバイアルにパッケージされる。ボトルおよび/またはバイアルには、ストッパーおよび/または密封部品が備えられ得る。例えば、製剤は、Teflonストッパーおよび/またはフリップオフキャップを備えたガラスバイアルにパッケージされ得る。フリップオフキャップは、プラスチックキャップであり得る。ガラス容器は、アンプルであり得る。製剤は、多回投与形態または単回投与形態にパッケージされ得る。いくつかの場合には、製剤は、多回投与形態にパッケージされる。一部の実施形態では、製剤は、単回投与単位としてパッケージされる。一部の実施形態では、キットは、それを必要としている被験体を処置するために製剤を投与することを対象とする指示をさらに含む。キットはまた、製剤を投与するためのデバイスを含み得る。
非経口投与のためのペプチド模倣大環状分子の水性医薬製剤
一態様では、本開示は、本明細書に記載のペプチド模倣大環状分子および水性賦形剤を含む、非経口投与に適した水性医薬製剤を提供する。本明細書で提供される水性医薬製剤は、静脈内、動脈内、髄腔内、または皮下投与に適し得る。一部の実施形態では、水性医薬製剤は、静脈内投与に適している。本明細書に記載の水性医薬製剤は、ペプチド模倣大環状分子の改善された溶解度および/または安定性を提供することができる。特定の実施形態では、水性医薬製剤は、ペプチド模倣大環状分子のペプチドだけの水への溶解度と比較して、ペプチド模倣大環状分子の溶解度の増大を提供する。
いくつかの例では、水性賦形剤は、水、精製水、注射用水、注射用静菌水、滅菌注射用水、非経口用水、灌注用滅菌水、様々な無菌の電解質およびまたはデキストロースの溶液である。一部の実施形態では、賦形剤は、pH緩衝液(例えばリン酸緩衝食塩水)、滅菌食塩水溶液、リンガー溶液またはデキストロース溶液である。一部の実施形態では、賦形剤は、注射用水である。一部の実施形態では、賦形剤は、デキストロース水溶液、例えば5%デキストロース水溶液である。
水性医薬製剤は、共溶媒をさらに含むことができる。共溶媒は、水性賦形剤へのペプチド模倣大環状分子(または1つもしくは複数の添加剤)の溶解度を促進/増強する任意の溶媒である。共溶媒は、好ましくは水混和性である。一部の実施形態では、共溶媒は、エチルアルコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、またはプロピレングリコールである。一部の実施形態では、共溶媒は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA)またはそれらの組合せである。
本明細書で提示される水性医薬製剤は、注射する用意ができている(例えば静脈内)水溶液、または希釈および注射できる状態になっている水性濃縮物である。一部の実施形態では、本明細書に開示の水性医薬製剤は、ミセルを含有せず、またはミセルを本質的に含まない。様々な実施形態では、本明細書に開示の水性医薬製剤は、2%w/v未満のミセル形成剤を含む。いくつかの例では、本明細書に開示の水性医薬製剤は、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1.0%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.09%、0.08%、0.07%、0.06%、または0.05%w/v未満のミセル形成剤を含む。いくつかの例では、本明細書に開示の水性医薬製剤は、0.0001%〜2%、0.0005%〜2%、0.001%〜2%、0.005%〜2%、0.01%〜2%、0.05%〜2%、0.1%〜2%、0.2%〜2%、0.3%〜2%、0.4%〜2%、0.5%〜2%、0.6%〜2%、0.7%〜2%、0.8%〜2%、0.9%〜2%、1.0%〜2%、1.1%〜2%、1.2%〜2%、1.3%〜2%、1.4%〜2%、1.5%〜2%、1.6%〜2%、1.7%〜2%、1.8%〜2%、1.9%〜2%、0.0001%〜1.8%、0.0005%〜1.8%、0.001%〜1.8%、0.005%〜1.8%、0.01%〜1.8%、0.05%〜1.8%、0.1%〜1.8%、0.2%〜1.8%、0.3%〜1.8%、0.4%〜1.8%、0.5%〜1.8%、0.6%〜1.8%、0.7%〜1.8%、0.8%〜1.8%、0.9%〜1.8%、1.0%〜1.8%、1.1%〜1.8%、1.2%〜1.8%、1.3%〜1.8%、1.4%〜1.8%、1.5%〜1.8%、1.6%〜1.8%、0.0001%〜1.6%、0.0005%〜1.6%、0.001%〜1.6%、0.005%〜1.6%、0.01%〜1.6%、0.05%〜1.6%、0.1%〜1.6%、0.2%〜1.6%、0.3%〜1.6%、0.4%〜1.6%、0.5%〜1.6%、0.6%〜1.6%、0.7%〜1.6%、0.8%〜1.6%、0.9%〜1.6%、1.0%〜1.6%、1.1%〜1.6%、1.2%〜1.6%、1.3%〜1.6%、1.4%〜1.6%、1.5%〜1.6%、0.0001%〜1.4%、0.0005%〜1.4%、0.001%〜1.4%、0.005%〜1.4%、0.01%〜1.4%、0.05%〜1.4%、0.1%〜1.4%、0.2%〜1.4%、0.3%〜1.4%、0.4%〜1.4%、0.5%〜1.4%、0.6%〜1.4%、0.7%〜1.4%、0.8%〜1.4%、0.9%〜1.4%、1.0%〜1.4%、1.1%〜1.4%、1.2%〜1.4%、1.3%〜1.4%、0.0001%〜1.2%、0.0005%〜1.2%、0.001%〜1.2%、0.005%〜1.2%、0.01%〜1.2%、0.05%〜1.2%、0.1%〜1.2%、0.2%〜1.2%、0.3%〜1.2%、0.4%〜1.2%、0.5%〜1.2%、0.6%〜1.2%、0.7%〜1.2%、0.8%〜1.2%、0.9%〜1.2%、1.0%〜1.2%、1.1%〜1.2%、0.0001%〜1%、0.0005%〜1%、0.001%〜1%、0.005%〜1%、0.01%〜1%、0.05%〜1%、0.1%〜1%、0.2%〜1%、0.3%〜1%、0.4%〜1%、0.5%〜1%、0.6%〜1%、0.7%〜1%、0.0001%〜0.8%、0.0005%〜0.8%、0.001%〜0.8%、0.005%〜0.8%、0.01%〜0.8%、0.05%〜0.8%、0.1%〜0.8%、0.2%〜0.8%、0.3%〜0.8%、0.4%〜0.8%、0.5%〜0.8%、0.6%〜0.8%、0.7%〜0.8%、0.0001%〜0.6%、0.0005%〜0.6%、0.001%〜0.6%、0.005%〜0.6%、0.01%〜0.6%、0.05%〜0.6%、0.1%〜0.6%、0.2%〜0.6%、0.3%〜0.6%、0.4%〜0.6%、0.5%〜0.6%、0.0001%〜0.4%、0.0005%〜0.4%、0.001%〜0.4%、0.005%〜0.4%、0.01%〜0.4%、0.05%〜0.4%、0.1%〜0.4%、0.2%〜0.4%、0.3%〜0.4%、0.0001%〜0.2%、0.0005%〜0.2%、0.001%〜0.2%、0.005%〜0.2%、0.01%〜0.2%、0.0
5%〜0.2%、0.1%〜0.2%、0.0001%〜0.1%、0.0005%〜0.1%、0.001%〜0.1%、0.005%〜0.1%、0.01%〜0.1%、0.05%〜0.1、0.0001%〜0.05%、0.0005%〜0.05%、0.001%〜0.05%、0.005%〜0.05%、0.01%〜0.05%、0.0001%〜0.01%、0.0005%〜0.01%、0.001%〜0.01%、0.005%〜0.01%、0.0001%〜0.005%、0.0005%〜0.005%、0.001%〜0.005%、0.0001%〜0.001%、0.0005%〜0.001%、または0.0001%〜0.0005%w/vのミセル形成剤を含む。一部の実施形態では、ミセル形成剤は、ソルビトールである。一部の実施形態では、ミセル形成剤は、ポリエチレングリコール−ポリ(乳酸)である。一部の実施形態では、ミセル形成剤は、1,2−ジステアロイル−ホスファチジルエタノールアミン−メチル−ポリエチレングリコールコンジュゲートである。一部の実施形態では、ミセル形成剤は製剤に添加されないが、分子がミセル形成特性を有する。
本明細書に開示の水性医薬製剤は、水性医薬製剤に適した1種または複数種の添加剤をさらに含むことができる。以下に、本明細書に記載の水性医薬製剤中に存在し得る例示的な添加剤を記載する。
緩衝剤
本開示の水性医薬製剤は、1種または複数種の緩衝剤、例えば薬学的に許容される緩衝剤を含むことができる。緩衝剤は、製剤のpHを調節し、かつ/またはペプチド模倣大環状分子の安定性を維持するために使用することができる。水性医薬製剤のpH範囲は、pH2〜pH12、pH4〜pH9、pH5〜pH9、またはpH6〜pH8であり得る。一部の実施形態では、水溶液は、pH約5.0〜9.0に緩衝される。一部の実施形態では、水性医薬製剤は、pH約6.0〜8.0に緩衝される。一部の実施形態では、水性医薬製剤のpHは、約6.5〜8.0、約7.0〜8.0、約7.5〜8.0、約6.0〜7.5、約6.5〜7.5、約7.0〜7.5、6.0〜7.0、約6.5〜7.0、約7.0〜7.5、または約7.5〜8.0の範囲である。一部の実施形態では、水溶液は、pH約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0または約8.5に緩衝される。一部の実施形態では、水性医薬製剤は、pH約7.0、約7.1、約7.2、約7.3、約7.4、約7.5、約7.6、約7.7、約7.8、約7.9、または約8.0に緩衝される。一部の実施形態では、水性医薬製剤は、pH約7.3〜7.5に緩衝される。
哺乳動物の組織、特にヒトに注射するのに安全であり得る任意の緩衝剤(buffering)
を、本開示の医薬製剤に使用することができる。緩衝剤は、酸性または塩基性溶液をある特定のpH状態にし、次に、その状態から変化するのを防止することができる任意の剤であり得る。本発明の水性医薬製剤に使用することができる緩衝剤には、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、マレイン酸緩衝液、酒石酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、炭酸緩衝液、重炭酸緩衝液、コハク酸緩衝液、またはグルタミン酸緩衝液が含まれる。
いくつかの例では、緩衝剤は、乳酸リチウム、乳酸マグネシウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、メタリン酸カリウム、マレイン酸リチウム、マレイン酸ナトリウム、マレイン酸カリウム、マレイン酸カルシウム、酒石酸リチウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸カルシウム、コハク酸リチウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、コハク酸カルシウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化マグネシウム、グルコン酸(glucomate)マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム/重炭酸ナトリウム
共沈物、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、グリセロリン酸カルシウム、塩化(cholride)カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、またはそれらの混合物である。
いくつかの例では、緩衝剤は、クエン酸緩衝液である。適切なクエン酸緩衝液の非限定的な例として、クエン酸リチウム一水和物、クエン酸ナトリウム一水和物、クエン酸カリウム一水和物、クエン酸カルシウム一水和物、クエン酸リチウム二水和物、クエン酸ナトリウム二水和物、クエン酸カリウム二水和物、クエン酸カルシウム二水和物、クエン酸リチウム三水和物、クエン酸ナトリウム三水和物、クエン酸カリウム三水和物、クエン酸カルシウム三水和物、クエン酸リチウム四水和物、クエン酸ナトリウム四水和物、クエン酸カリウム四水和物、クエン酸カルシウム四水和物、クエン酸リチウム五水和物、クエン酸ナトリウム五水和物、クエン酸カリウム五水和物、クエン酸カルシウム五水和物、クエン酸リチウム六水和物、クエン酸ナトリウム六水和物、クエン酸カリウム六水和物、クエン酸カルシウム六水和物、クエン酸リチウム七水和物、クエン酸ナトリウム七水和物、クエン酸カリウム七水和物、またはクエン酸カルシウム七水和物が挙げられる。
いくつかの例では、緩衝剤は、リン酸バッファである。本開示の製剤において使用することができる適切なリン酸緩衝剤の非限定的な例として、第一リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸カリウム、第二リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、メタリン酸カリウム、第三リン酸カルシウム、無水第二リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム水和物が挙げられるが、それらに限定されない。一実施形態では、緩衝剤は、リン酸バッファである。一実施形態では、緩衝剤は、NaHPOである。一実施形態では、緩衝剤は、NaHPOである。一実施形態では、緩衝剤は、NaHPOおよびNaHPOの混合物である。一実施形態では、緩衝剤は、KHPOである。一実施形態では、緩衝剤は、KHPOである。一実施形態では、緩衝剤は、KHPOおよびKHPOの混合物である。
張度調整剤
本明細書に開示の水性医薬製剤は、製剤の張度/容量オスモル濃度を調整するために、1種または複数種の張度調整剤を含むことができる。例えば、水性医薬製剤の張度/容量オスモル濃度は、ヒト血漿と等張になるように調整され得る。このことは、組織に対する損傷を回避する一助になり得る。様々な実施形態では、本明細書に開示の水性医薬製剤の容量オスモル濃度は、250〜1000mOsMの範囲であり得る。例えば、製剤の容量オスモル濃度は、約250〜300mOsM、250〜350mOsM、250〜400mOsM、250〜450mOsM、250〜500mOsM、250〜550mOsM、250〜600mOsM、250〜650mOsM、250〜700mOsM、250〜750mOsM、250〜800mOsM、250〜850mOsM、250〜900mOsM、250〜950mOsM、300〜350mOsM、300〜400mOsM、300〜450mOsM、300〜500mOsM、300〜550mOsM、300〜600mOsM、300〜650mOsM、300〜700mOsM、300〜750mOsM、300〜800mOsM、300〜850mOsM、300〜900mOsM、300〜950mOsM、300〜1000mOsM、350〜400mOsM、350〜450mOsM、350〜500mOsM、350〜550mOsM、350〜600mOsM、350〜650mOsM、350〜700mOsM、350〜750mOsM、350〜800mOsM、350〜850mOsM、350〜900mOsM、350〜950mOsM、350〜1000mOsM、400〜450mOsM、400〜500mOsM、400〜550mOsM、400〜600mOsM、400〜650mOsM、400〜700mOsM、400〜750mOsM、400〜800mOsM、4
00〜850mOsM、400〜900mOsM、400〜950mOsM、400〜1000mOsM、450〜500mOsM、450〜550mOsM、450〜600mOsM、450〜650mOsM、450〜700mOsM、450〜750mOsM、450〜800mOsM、450〜850mOsM、450〜900mOsM、450〜950mOsM、450〜1000mOsM、500〜550mOsM、500〜600mOsM、500〜650mOsM、500〜700mOsM、500〜750mOsM、500〜800mOsM、500〜850mOsM、500〜900mOsM、500〜950mOsM、500〜1000mOsM、550〜600mOsM、550〜650mOsM、550〜700mOsM、550〜750mOsM、550〜800mOsM、550〜850mOsM、550〜900mOsM、550〜950mOsM、550〜1000mOsM、600〜650mOsM、600〜700mOsM、600〜750mOsM、600〜800mOsM、600〜850mOsM、600〜900mOsM、600〜950mOsM、600〜1000mOsM、650〜700mOsM、650〜750mOsM、650〜800mOsM、650〜850mOsM、650〜900mOsM、650〜950mOsM、650〜1000mOsM、700〜750mOsM、700〜800mOsM、700〜850mOsM、700〜900mOsM、700〜950mOsM、700〜1000mOsM、750〜800mOsM、750〜850mOsM、750〜900mOsM、750〜950mOsM、750〜1000mOsM、800〜850mOsM、800〜900mOsM、800〜950mOsM、800〜1000mOsM、850〜900mOsM、850〜950mOsM、850〜1000mOsM、900〜950mOsM、900〜1000mOsM、または950〜1000mOsMであり得る。一部の実施形態では、製剤の容量オスモル濃度は、250〜450mOsMの範囲である。例えば製剤の容量オスモル濃度は、約250mOsM、約300mOsM、約350mOsM、約400mOsM、または約450mOsMであり得る。一部の実施形態では、製剤は、生体液と等張であり、すなわち、容量オスモル濃度は約300mOsMである。
張度調整剤は、イオン性張度調整剤または非イオン性張度調整剤であり得る。一部の実施形態では、等張剤は、イオン性等張剤である。一部の実施形態では、等張剤は、非イオン性等張剤である。一部の実施形態では、等張剤は、1種または複数種のイオン性および/または非イオン性等張剤の混合物である。本開示の一部の実施形態では、等張剤は、塩(例えば塩化ナトリウム、ホウ酸、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム)、糖もしくは糖アルコール、アミノ酸(例えばL−グリシン、L−ヒスチジン、アルギニン、リシン、イソロイシン、アスパラギン酸、トリプトファン、スレオニン)、アルジトール(例えばグリセロール(グリセリン)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ポリエチレングリコール(例えばPEG400)、またはそれらの混合物からなる群から選択される。例えばフルクトース、グルコース、マンノース、ソルボース、キシロース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デキストラン、プルラン、デキストリン、シクロデキストリン、可溶性デンプン、ヒドロキシエチルデンプンおよびカルボキシメチルセルロース−Naを含めた任意の糖、例えば単糖、二糖もしくは多糖、または水溶性グルカンを使用することができる。いくつかの例では、張度調整剤は、デキストロース、グリセリン、マンニトール、トレハロース、塩化カリウムおよび塩化ナトリウムからなる群から選択される。いくつかの例では、張度調整剤は、トレハロース、例えばD−トレハロースである。いくつかの例では、張度調整剤は、塩化ナトリウムである。いくつかの例では、張度調整剤は、塩化カリウムである。水性医薬製剤における張度調整剤の使用は、当業者に周知である。便宜上、Remington: The Science and Practice of Pharmacy、第19版、1995年を参照す
る。
安定剤
本明細書に記載の水性医薬製剤は、安定剤を含む。使用することができる安定剤の非限定的な例として、アカシア、寒天、アルブミン、アルギン酸、ステアリン酸アルミニウム、アルギン酸アンモニウム、アラビノース、アルギニンHCL、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ベントナイト、ブチル化ヒドロキシトルエン、アルギン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラゲニン、セロビオース、イナゴマメのセルロース(cellulose ceratonia)、コロイド状二酸化ケイ素、シクロデキストリン、ジエタノールアミン、デキストラン、エデテート(edentate)、エチルセルロース、エチレングリコールパルミトステアレート、フルクトース、ゲンチオビオース、グルコース、グルコサミン、グリシン、モノステアリン酸グリセリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルデンプン、ヒプロメロース、ヒアルロン酸、転化糖、イソマルトース、ラクトース、レシチン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、マンノース、マンニトール、マルトース、鉱油およびラノリンアルコール、モノエタノールアミン、N−メチルピロリドン(pyrollidone)、ペクチン、ポラクリリンカリウム、ポロキサマー(例えばポロキサマー124、ポ
ロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー338、またはポロキサマー407)、ポリオキシエチレンソルビタン(sobitan)脂肪酸エステル、ポリビニルアルコー
ル、アルギン酸カリウム、塩化カリウム、ポビドン(例えばポビドンK−12、ポビドンK−15、ポビドンK−17、ポビドンK−25、ポビドンK−20、ポビドンK−60、ポビドンK−90、またはポビドンK−120)、没食子酸プロピル、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、ラフィノース、酢酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、塩化ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ソルビトール、ステアリルアルコール、スクロース、スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン、デンプン、トレハロース、白ろう、キサンタンガム、キシリトール、黄ろうおよび酢酸亜鉛が挙げられる。
一部の実施形態では、安定剤は、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、例えばポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85またはポリソルベート120である。一部の実施形態では、安定剤は、ポリソルベート20である。一部の実施形態では、安定剤は、ポリソルベート21である。一部の実施形態では、安定剤は、ポリソルベート40である。一部の実施形態では、安定剤は、ポリソルベート60である。一部の実施形態では、安定剤は、ポリソルベート61である。一部の実施形態では、安定剤は、ポリソルベート65である。一部の実施形態では、安定剤は、ポリソルベート80である。一部の実施形態では、安定剤は、ポリソルベート81である。一部の実施形態では、安定剤は、ポリソルベート85である。一部の実施形態では、安定剤は、ポリソルベート120である。
保存剤−抗酸化剤、抗菌剤およびキレート剤
本明細書に開示の水性医薬製剤は、製剤中に存在するペプチド模倣大環状分子および/または添加剤の酸化を防止し/最小限に抑えるために、1種または複数種の抗酸化剤を含むことができる。抗酸化剤は、安定剤として使用することもできる。本開示の水性医薬製剤を形成するために使用することができる抗酸化剤には、没食子酸のプロピル、オクチルおよびドデシルエステル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA、通常、オルト異性体およびメタ異性体の混合物として購入される)、緑茶エキス、尿酸、システイン、ピルベート、ノルジヒドログアヤレチン酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸の塩、例えばパルミチン酸アスコルビルおよびアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビルグルコサミン、ビタミンE(すなわちトコフェロール、例えばa−トコフェロール)、ビタミンEの誘導体(例えば、酢酸トコフェリル)、レチノイド、例えばレチノイン酸、レチノール、トランス−レチノール、シス−レチノール、トランス−レチノールとシス−レチノールの混合物、3−デヒドロレチノールおよびビタミンAの誘導体(例えば、酢酸レチニル、レチナー
ルおよびパルミチン酸レチニル、パルミチン酸テチニル(tetinyl)としても公知)、ク
エン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、リコペン、アントシアニド(anthocyanid)、バイオフラボノイド(bioflavinoid)(例えば
、ヘスペリチン、ナリンゲニン(naringen)、ルチンおよびケルセチン)、スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、インドール−3−カルビノール、ピクノジェノール(pycnogenol)、メラトニン、スルホラファン、プレグネノロン、リポ酸および4−ヒドロキシ−5−メチル−3[2H]−フラノンが含まれるが、それらに限定されない。様々な実施形態では、上の抗酸化剤の1種または複数種は、除外され、または有効量未満で存在する。
一部の実施形態では、抗酸化剤は、アスコルビン酸、クエン酸、アセチルシステイン、亜硫酸塩(例えば亜硫酸水素塩、メタ亜硫酸塩(metasulfite))、およびモノチオグリ
セロール(monothioglyercol)である。
水性医薬製剤は、1種または複数種の抗微生物剤を含むことができる。使用することができる適切な抗微生物剤には、アルコール、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、ホウ酸、ブロノポール、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチルパラベン、二酸化炭素、ベントナイト、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルブタノール(chlorbutanol)、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレソール、クロロキシレノール、クレゾール(メタクレゾール)、ジメチルエーテル、エチルパラベン、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、三ケイ酸マグネシウムによる不活化、イソプロピルアルコール、乳酸、メチルパラベン、モノチオグリセロール、パラベン(メチル、プロピル、ブチル)、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、フェニル水銀塩(酢酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩) ホウ酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、安息香酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、プロピレングリコール、プロピルパラベン、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、共力剤、エデト酸、チメロサール、キシリトール、または当業者に公知の他の剤が含まれる。一部の実施形態では、使用される抗微生物剤は、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、使用される抗微生物剤は、塩化ベンザルコニウムである。
本明細書に開示の水性医薬製剤は、1種または複数種のキレート剤を含むことができる。本開示の水性医薬製剤を形成するために使用することができるキレート剤の非限定的な例として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTA二ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、EDTA三ナトリウム、アルブミン、トランスフェリン、デフェロキサミン(desferoxamine)、デスフェラール、デフェロキサミンメシレート(desferoxamine mesylate)、EDTA四ナトリウムおよびEDTA二カリウム、メタケイ酸ナトリウム、クエン酸一水和物、フマル酸、リンゴ酸、マルトール、またはこれらのいずれかの組合せが挙げられるが、それらに限定されない。一部の実施形態では、本開示の製剤は、キレート剤を含有しておらず、または本質的に含有していない。一部のさらなる実施形態では、製剤は、キレート剤を含有していない溶液である。
一部の実施形態では、本開示の水性医薬製剤は、保存剤を含有しておらず、または本質的に含有していない。一部のさらなる実施形態では、水性医薬製剤は、保存剤を含有していない溶液である。
界面活性剤
本発明の製剤の構成成分の溶解度は、組成物中の界面活性剤または他の適切な共溶媒によって増強され得る。このような共溶媒には、ポリソルベート20、60および80、P
luronic(登録商標)F68、F−84およびP−103、シクロデキストリン、または当業者に公知の他の剤が含まれる。このような共溶媒は、約0.01重量%〜2重量%のレベルで用いることができる。さらに、界面活性剤は、化合物の凝集を防止するために使用することができる。
水性医薬製剤を形成するために使用することができる界面活性剤には、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、およびそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。すなわち、親水性界面活性剤の混合物を用いることができ、親油性界面活性剤の混合物を用いることができ、または少なくとも1種の親水性界面活性剤および少なくとも1種の親油性界面活性剤の混合物を用いることができる。
本開示の一部の実施形態では、界面活性剤は、一ナトリウム塩形態を含み得る化合物のナトリウム塩形態であり得る。適切なナトリウム塩界面活性剤は、高い重合速度、結果として得られた送達に適した小粒径、良好な重合収率、凍結融解および有効期間の安定性を含めた安定性、改善された表面張力特性、ならびに潤滑特性を含めた望ましい特性に基づいて選択され得る。
界面活性剤は、医薬品と反応せず、医薬品と、添加剤と、投与部位との間の表面張力を実質的に低減する、任意の適切な非毒性の化合物であり得る。いくつかの有用な界面活性剤は、商標Mednique 6322およびEmersol 6321(Cognis
Corp.製、オハイオ州シンシナティ)で利用可能なオレイン酸;塩化セチルピリジニウム(Arrow Chemical,Inc.製、ニュージャージー州ウェストウッド);商標Epikuron 200(Lucas Meyer Decatur製、イリノイ州)で利用可能なダイズレシチン;商標Tween 20(ICI Specialty Chemicals製、デラウェア州ウィルミントン)で利用可能なポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート;商標Tween 60(ICI製)で利用可能なポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート;商標Tween 80(ICI製)で利用可能なポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート;商標Brij 76(ICI製)で利用可能なポリオキシエチレン(10)ステアリルエーテル;商標Brij 92(ICI製)で利用可能なポリオキシエチレン(2)オレイルエーテル;商標Tetronic 150R1(BASF製)で利用可能なポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−エチレンジアミンブロックコポリマー;商標Pluronic L−92、Pluronic L−121およびPluronic F68(BASF製)で利用可能なポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー;商標Alkasurf CO−40(Rhone−Poulenc製、カナダ、オンタリオ州ミシサガ)で利用可能なヒマシ油エトキシレート;ならびにそれらの混合物である。
適切な親水性界面活性剤は、一般に、少なくとも10のHLB値を有することができ、適切な親油性界面活性剤は、一般に、約10またはそれ未満のHLB値を有することができる。非イオン性両親媒性化合物の相対的な親水性および疎水性を特徴付けるために使用される実証的パラメータは、親水性−親油性バランス(「HLB」値)である。低いHLB値を有する界面活性剤ほど、親油性または疎水性が高く、油溶性が高いが、高いHLB値を有する界面活性剤ほど、親水性が高く、水溶液への溶解度が高い。親水性界面活性剤は、一般に、約10を超えるHLB値を有する化合物、ならびにHLB尺度が一般に適用できないアニオン性、カチオン性、または双性イオン性化合物であるとみなされる。同様に、親油性(すなわち疎水性)の界面活性剤は、約10またはそれ未満のHLB値を有する化合物である。しかし、界面活性剤のHLB値は、工業用、医薬用および化粧用エマルションを製剤化可能にするために一般に使用される、単に大まかな目安である。
親水性界面活性剤は、イオン性または非イオン性のいずれかであり得る。適切なイオン
性界面活性剤には、アルキルアンモニウム塩;フシジン酸塩;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドの脂肪酸誘導体;アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドのグリセリド誘導体;レシチンおよび水添レシチン;リゾレシチンおよび水添リゾレシチン;リン脂質およびそれらの誘導体;リゾリン脂質およびそれらの誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸塩;脂肪酸塩;ドクサートナトリウム;アシルラクチレート;モノ−およびジ−グリセリドのモノ−およびジ−アセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ−およびジ−グリセリド;モノ−およびジ−グリセリドのクエン酸エステル;ならびにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
上記の群の中でも、一部のイオン性界面活性剤には、例えば、レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質およびそれらの誘導体;カルニチン脂肪酸エステル塩;アルキル硫酸塩;脂肪酸塩;ドクサートナトリウム;アシルラクチレート;モノ−およびジ−グリセリドのモノ−およびジ−アセチル化酒石酸エステル;スクシニル化モノ−およびジ−グリセリド;モノ−およびジ−グリセリドのクエン酸エステル;ならびにそれらの混合物が含まれる。
イオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG−ホスファチジルエタノールアミン、PVP−ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸の乳酸エステル(lactylic esters of fatty acid)、ステアロイル−2−ラクチレー
ト、ステアロイルラクチレート、スクシニル化モノグリセリド、モノ/ジグリセリドのモノ/ジアセチル化酒石酸エステル、モノ/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ラウリル硫酸、テトラアセチル(teracecyl)サルフェート、ドクサート、ラウロイルカルニチン、パ
ルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ならびにそれらの塩および混合物のイオン化形態であり得る。
親水性の非イオン性界面活性剤には、アルキルグルコシド;アルキルマルトシド;アルキルチオグルコシド;ラウリルマクロゴールグリセリド;ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、例えばポリエチレングリコールアルキルエーテル;ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、例えばポリエチレングリコールアルキルフェノール;ポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル、例えばポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル;ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル;ポリグリセロール脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、例えばポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ポリオールとグリセリド、植物油、水素化植物油、脂肪酸、およびステロールからなる群の少なくとも1員の親水性エステル交換反応生成物;ポリオキシエチレンステロール、それらの誘導体および類似体;ポリオキシエチレン化ビタミンおよびそれらの誘導体;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;ならびにそれらの混合物;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ならびにポリオールとトリグリセリド、植物油、および水素化植物油からなる群の少なくとも1員の親水性エステル交換反応生成物が含まれるが、それらに限定されない。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、または糖類であり得る。
他の親水性の非イオン性界面活性剤には、ラウリン酸PEG−10、ラウリン酸PEG−12、ラウリン酸PEG−20、ラウリン酸PEG−32、ジラウリン酸PEG−32
、オレイン酸PEG−12、オレイン酸PEG−15、オレイン酸PEG−20、ジオレイン酸PEG−20、オレイン酸PEG−32、オレイン酸PEG−200、オレイン酸PEG−400、ステアリン酸PEG−15、ジステアリン酸PEG−32、ステアリン酸PEG−40、ステアリン酸PEG−100、ジラウリン酸PEG−20、トリオレイン酸PEG−25グリセリル、ジオレイン酸PEG−32、ラウリン酸PEG−20グリセリル、ラウリン酸PEG−30グリセリル、ステアリン酸PEG−20グリセリル、オレイン酸PEG−20グリセリル、オレイン酸PEG−30グリセリル、ラウリン酸PEG−30グリセリル、ラウリン酸PEG−40グリセリル、PEG−40パーム核油、PEG−50水素化ヒマシ油、PEG−40ヒマシ油、PEG−35ヒマシ油、PEG−60ヒマシ油、PEG−40水素化ヒマシ油、PEG−60水素化ヒマシ油、PEG−60トウモロコシ油、カプリン酸/カプリル酸PEG−6グリセリド、カプリン酸/カプリル酸PEG−8グリセリド、ラウリン酸ポリグリセリル−10、PEG−30コレステロール、PEG−25植物ステロール、PEG−30大豆ステロール、トリオレイン酸PEG−20、オレイン酸PEG−40ソルビタン、ラウリン酸PEG−80ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE−9ラウリルエーテル、POE−23ラウリルエーテル、POE−10オレイルエーテル、POE−20オレイルエーテル、POE−20ステアリルエーテル、コハク酸トコフェリルPEG−100、PEG−24コレステロール、オレイン酸ポリグリセリル−10、Tween 40、Tween 60、モノステアリン酸スクロース、モノラウリン酸スクロース、モノパルミチン酸スクロース、PEG10〜100ノニルフェノールシリーズ、PEG15〜100オクチルフェノールシリーズ、ならびにポロキサマーが含まれるが、それらに限定されない。
適切な親油性界面活性剤には、単に例として、脂肪アルコール;グリセロール脂肪酸エステル;アセチル化グリセロール脂肪酸エステル;低級アルコール脂肪酸エステル;プロピレングリコール脂肪酸エステル;ソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル;ステロールおよびステロール誘導体;ポリオキシエチレン化ステロールおよびステロール誘導体;ポリエチレングリコールアルキルエーテル;糖エステル;糖エーテル;モノ−およびジ−グリセリドの乳酸誘導体;ポリオールとグリセリド、植物油、水素化植物油、脂肪酸およびステロールからなる群の少なくとも1員の疎水性エステル交換反応生成物;油溶性ビタミン/ビタミン誘導体;ならびにそれらの混合物が含まれる。この群の中でも、一部の親油性界面活性剤には、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびそれらの混合物が含まれ、または親油性界面活性剤は、ポリオールと植物油、水素化植物油、およびトリグリセリドからなる群の少なくとも1員の疎水性エステル交換反応生成物である。
一部の実施形態では、本開示の製剤は、界面活性剤を含有していない。一部の実施形態では、本開示の製剤は、界面活性剤を含有していない静脈内製剤である。一部のさらなる実施形態では、製剤は、界面活性剤を実質的に含有しておらず、すなわちおよそ0.0001重量%未満の界面活性剤を含有している。一部の実施形態では、製剤は、界面活性剤を本質的に含有していない。
しかし所望に応じて、製剤は、従来用いられている表面活性剤、例えばオレイン酸、レシチン、トリオレイン酸ソルビタン、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレンブロックコポリマー、ポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/エチレンジアミンブロックコポリマー、エトキシ化ヒマシ油等を含有することができ、表面活性剤の割合は、存在する場合、全製剤に対して約0.0001〜1重量%、または約0.001〜0.1重量%であり得る。他の適切な界面活性剤/乳化剤は、当業者に公知であるはずであり、CTFA International Cosmetic Ingredient
Dictionary and Handbook、第2巻、第7版(1997年)に列挙されている。
本開示の水性医薬製剤は、本開示の目的に矛盾しない限り、他の薬理学的活性成分をさらに含むことができる。水性医薬製剤は、例えば可溶化剤、増量剤、溶解増強剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、抗菌剤、甘味剤、賦香剤、香味剤、およびそれらの組合せを含むことができる。
添加剤または添加物の一部は、それらの特性および製剤の性質に応じて、2つ以上の可能な機能または用途を有することができる。複数の活性成分の組合せにおいて、それらのそれぞれの含量は、それらの効果および安全性を考慮して、適切に増大または低減することができる。
ペプチド模倣大環状分子
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式(I)
Figure 2021046436

(式中、
各A、C、およびDは、独立に、アミノ酸であり、
各Bは、独立に、アミノ酸、
Figure 2021046436

、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
各Eは、独立に、Ala(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)からなる群から選択されるアミノ酸であり、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、または前記DもしくはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
各LおよびL’は、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
各Lは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
各vは、独立に、整数であり、
各wは、独立に、3〜1000の整数であり、
uは、1〜10の整数であり、
各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、
各nは、独立に、1〜5の整数である)
を有する。
一部の実施形態では、各vおよびwは、独立に、1〜30の整数である。一部の実施形態では、wは、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3または6である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3である。他の実施形態では、x+y+zの合計は、6である。
また、一部の実施形態では、式
Figure 2021046436

(式中、
Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10のそれぞれは、個々にアミノ酸であり、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe−X−His−T
yr−Trp−Ala−Gln−Leu10−X11−Ser12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸であり、各Xは、アミノ酸であり、
各DおよびEは、独立に、アミノ酸であり、
各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DまたはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
各LまたはL’は、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
vは、1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20または1〜10の整数であり、
wは、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数である)
のペプチド模倣大環状分子が提供される。
一部の実施形態では、各vおよびwは、独立に、1〜30の整数である。一部の実施形態では、wは、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3または6である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3である。他の実施形態では、x+y+zの合計は、6である。
本明細書に記載の式のいずれかの一部の実施形態では、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe−X−His−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10−X11−Ser12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。他の実施形態では、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも4つは、配列Phe−X−His−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10−X11−Ser12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。他の実施形態では、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも5つは、配列Phe−X−His−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10−X11−Ser12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。他の実施形態では、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも6つは、配列Phe−X−His−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10−X11−Ser12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。他の実施形態では、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも7つは、配列Phe−X−His−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10−X11−S
er12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式
Figure 2021046436

(式中、
Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10のそれぞれは、個々にアミノ酸であり、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe−X−Glu−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10/Cba10−X11−Ala12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸であり、各Xは、アミノ酸であり、
各Dは、独立に、アミノ酸であり、
各Eは、独立に、アミノ酸、例えばAla(アラニン)、D−Ala(D−アラニン)、Aib(α−アミノイソ酪酸)、Sar(N−メチルグリシン)、およびSer(セリン)から選択されるアミノ酸であり、
各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DまたはEアミノの1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
各LまたはL’は、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリールもしくはヘテロシクロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
vは、1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜30、1〜20、または1〜10の整数であり、
wは、3〜1000、例えば3〜500、3〜200、3〜100、3〜50、3〜30、3〜20、または3〜10の整数である)
を有する。
上の式の一部の実施形態では、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa
Xaa、およびXaa10の少なくとも3つは、配列Phe−X−Glu−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10/Cba10−X11−Ala12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。上の式の他の実施形態では、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも4つは、配列Phe−X−Glu−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10/Cba10−X11−Ala12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。上の式の他の実施形態では、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも5つは、配列Phe−X−Glu−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10/Cba10−X11−Ala12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。上の式の他の実施形態では、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも6つは、配列Phe−X−Glu−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10/Cba10−X11−Ala12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。上の式の他の実施形態では、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、およびXaa10の少なくとも7つは、配列Phe−X−Glu−Tyr−Trp−Ala−Gln−Leu10/Cba10−X11−Ala12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸である。
一部の実施形態では、wは、3〜10、例えば3〜6、3〜8、6〜8、または6〜10の整数である。一部の実施形態では、wは、3である。他の実施形態では、wは、6である。一部の実施形態では、vは、1〜10、例えば2〜5の整数である。一部の実施形態では、vは、2である。
一実施形態では、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、式(Ia)
Figure 2021046436

(式中、
Xaa、Xaa、Xaa、Xaa10、Xaa11、Xaa12、およびXaa13のそれぞれは、独立に、アミノ酸であり、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa10、Xaa11、Xaa12の少なくとも3つ、4つ、5つ、またはそれぞれは、配列X−Thr−Leu−Leu−X−Leu10−Lys11/Ala11−Val12/Ala12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸であり、XおよびXのそれぞれは、独立に、アミノ酸である)
または薬学的に許容されるその塩である。
一部の実施形態では、式(Ia)のペプチド模倣大環状分子は、式(Ia−1)
Figure 2021046436

(式中、各Xaa14は、独立に、アミノ酸である)
または薬学的に許容されるその塩である。
一部の実施形態では、式(Ia)のペプチド模倣大環状分子は、式(Ia−2)
Figure 2021046436

(式中、各Xaa14およびXaa15は、独立に、アミノ酸である)
または薬学的に許容されるその塩である。
一実施形態では、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、式(Ib)
Figure 2021046436

(式中、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa10、Xaa11およびXaa13のそれぞれは、独立に、アミノ酸であり、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa、Xaa10、およびXaa11の少なくとも3つ、4つ、5つ、またはそれぞれは、配列X−Thr−Leu−Leu−Phe−Leu10−Lys11/Ala11−X12の対応する位置のアミノ酸と同じアミノ酸であり、XおよびX12のそれぞれは、独立に、アミノ酸である)
または薬学的に許容されるその塩である。
一部の実施形態では、式(Ib)のペプチド模倣大環状分子は、式(Ib−1)
Figure 2021046436

(式中、各Xaa14は、独立に、アミノ酸である)
または薬学的に許容されるその塩である。
一部の実施形態では、式(Ib)のペプチド模倣大環状分子は、式(Ib−2)
Figure 2021046436

(式中、各Xaa14およびXaa15は、独立に、アミノ酸である)
または薬学的に許容されるその塩である。
一部の実施形態では、本発明は、BH3ドメインを有する別のタンパク質よりも選択的にMCL−1に結合する、式(IX)
Figure 2021046436

(式中、
各A、C、D、およびEは、独立に、天然または非天然アミノ酸であり、
各Bは、独立に、天然または非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
Figure 2021046436

[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
各Lは、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
各L’は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレンもしくはヘテロアリーレンであるか(それぞれRにより任意選択で置換されている)または結合であるか、またはRおよびRとL’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
各L’’は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレンもしくはヘテロアリーレンであるか(それぞれRにより任意選択で置換されている)または結合であるか、またはRおよびRとL’’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはL’およびRとL’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはL’’およびRとL’’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
各Lは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各nは、独立に、1〜5の整数であり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり、各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
各vおよびwは、独立に、1〜1000の整数であり、
uは、1〜10の整数であり、
各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数である)
のペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、式
Figure 2021046436

(式中、
各DおよびEは、独立に、アミノ酸残基であり、
各RおよびRは、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル(それぞれ、ハロ−により任意選択で置換されている)、−Hであるか、またはRおよびRの少なくとも1つは、DもしくはEアミノ酸残基の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
各Lは、式−L−L−または−L−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
各L、L、およびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリー
ル、またはヘテロアリールであり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり、各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり、
は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(それぞれRにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(それぞれRにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
XaaおよびXaaのそれぞれは、独立に、アミノ酸残基であるか、または存在せず、
Xaaは、Ala、Aib、Asp、Asn、Cys、Glu、Gln、His、Ile、Lys、Leu、Met、Arg、Ser、Thr、Val、Trp、Tyr、または上のいずれかの類似体であり、
vは、1〜1000の整数であり、
wは、0〜1000の整数であり、
nは、1〜5の整数である)
を有するペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、式
Figure 2021046436

(式中、
各DおよびEは、独立に、アミノ酸残基であり、
およびRは、独立に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル(それぞれ、ハロ−により任意選択で置換されている)、−Hであるか、またはRおよびRの少なくとも1つは、DもしくはEアミノ酸残基の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
各LまたはL’は、独立に、式−L−L−または−L−L−L−の大環状分子
を形成するリンカーであり、
、L、およびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり、各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体、または治療剤であり、
は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(それぞれRにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
は、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(それぞれRにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
XaaおよびXaaのそれぞれは、独立に、アミノ酸残基であるか、または存在せず、
vは、1〜1000の整数であり、
wは、0〜1000の整数であり、
nは、1〜5の整数である)
のペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を提供する。
一部の実施形態では、本発明は、式
−X−X−X−X−X−X−X−X−X10−X11−X12−X13−X14−X15−X16−X17−X18−X19−X20−X21
(式中、
は、Ile、Arg、Ala、Lys、Pro、Leu、Asp、Glu、His、Ser、Gln、Phe、それらの類似体であるか、または存在せず、
は、Trp、Arg、Ala、Asn、Phe、Pro、Leu、Ser、Lys、Tyr、His、Cou、Cou2、Cou4、Cou7、それらの類似体、架橋アミノ酸であるか、または存在せず、
X3は、Ile、Ala、Leu、Phe、Tyr、Val、Asp、Trp、Pro、Gln、Chg、Ac5c、Ac6c、Tba、Bip、Cha、Adm、hCha、それらの類似体であるか、または存在せず、
は、Ala、Gln、Asp、Val、Gly、Ser、Leu、Phe、Cha、A4、それらの類似体、架橋アミノ酸であるか、または存在せず、
は、Gln、Ala、Leu、Phe、Tyr、Gly、Ile、Val、Arg、Glu、Pro、Asp、MO、MO2、それらの類似体、架橋アミノ酸であるか、または存在せず、
は、Glu、Gln、His、Ala、Ser、Arg、Ile、Leu、Thr、
Phe、Val、Tyr、Gly、Nle、St、それらの類似体であるか、または存在せず、
は、Ala、Leu、Phe、Ile、2Nal、1Nal、3cf、Chg、Cha、Adm、hCha、Igl、Bip、それらの類似体であるか、または存在せず、
は、Arg、Ala、Asp、Glu、Thr、His、Gln、Gly、Asn、Phe、Cit、St、それらの類似体、架橋アミノ酸であるか、または存在せず、
は、Arg、Ala、Asp、Lys、Asn、Gly、Ser、Gln、Cys、Nle、St、それらの類似体、または架橋アミノ酸であり、
10は、Ile、Val、Ala、Asp、Asn、Phe、Tba、hL、hhL、Nle、Chg、Cha、それらの類似体、または架橋アミノ酸であり、
11は、Gly、Val、Ala、Leu、Ile、Asp、Glu、Cha、Aib、Abu、それらの類似体、または架橋アミノ酸であり、
12は、Asp、Ala、Asn、Gly、Arg、Glu、Lys、Leu、Nle、それらの類似体、または架橋アミノ酸であり、
13は、Ala、Glu、Gln、Leu、Lys、Asp、Tyr、Ile、Ser、Cys、St、Sta5、Aib、Nle、それらの類似体、または架橋アミノ酸であり、
14は、Phe、Ala、Leu、Val、Tyr、Glu、His、Ile、Nle、1Nal、2Nal、Chg、Cha、BiP、それらの類似体、または架橋アミノ酸であり、
15は、Asn、Gln、Ser、His、Glu、Asp、Ala、Leu、Ile、St、Nle、Aib、それらの類似体、架橋アミノ酸であるか、または存在せず、
16は、Ala、Glu、Asp、Arg、Lys、Phe、Gly、Gln、Aib、Cha、St、それらの類似体、架橋アミノ酸であるか、または存在せず、
17は、Phe、Tyr、Ala、Leu、Asn、Ser、Gln、Arg、His、Thr、Cou2、Cou3、Cou7、Dpr、Amf、Damf、Amye、それらの類似体、架橋アミノ酸であるか、または存在せず、
18は、Tyr、Ala、Ile、Phe、His、Arg、Lys、Trp、Orn、Amf、Amye、Cha、2Nal、それらの類似体であるか、または存在せず、
19は、Ala、Lys、Arg、His、Ser、Gln、Glu、Asp、Thr、Aib、Cha、それらの類似体、架橋アミノ酸であるか、または存在せず、
20は、Arg、His、Ala、Thr、Lys、Amr、それらの類似体、架橋アミノ酸であるか、または存在せず、
21は、Arg、His、Ala、Amr、それらの類似体であるか、または存在しない)
のアミノ酸配列を含むペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を提供し、
アミノ酸配列のアミノ酸の少なくとも2つは、架橋アミノ酸である。
一部の実施形態では、本発明は、−His−HisであるC末端アミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含むペプチド模倣大環状分子(少なくとも2個のアミノ酸残基を結合する架橋を含む)または薬学的に許容されるその塩を提供する。本明細書に記載の式のいずれかの一実施形態では、大環状分子を形成するリンカー(LまたはL’)は、式−L−L
(式中、
およびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シク
ロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
nは、1〜5の整数である)
を有する。
一部の実施形態では、L(またはL’)は、式
Figure 2021046436

の大環状分子を形成するリンカーである。
このような大環状分子を形成するリンカーLの例示的な実施形態を、以下に示す。
Figure 2021046436

Figure 2021046436
本明細書に記載の式のいずれかの一実施形態では、LおよびLは、単独でまたは組合せのいずれかで、トリアゾールまたはチオエーテルを形成する。
本明細書に記載の式のいずれかの一実施形態では、LおよびLは、単独でもまたは組合せでも、トリアゾールまたはチオエーテルを形成しない。
一例では、RおよびRの少なくとも1つは、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。別の例では、RおよびRの両方は、独立に、非置換であ
るか、またはハロ−で置換されているアルキルである。一部の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、メチルである。他の実施形態では、RおよびRは、メチルである。
一部の実施形態では、x+y+zは、少なくとも3である。他の実施形態では、x+y+zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3または6である。一部の実施形態では、x+y+zの合計は、3である。他の実施形態では、x+y+zの合計は、6である。大環状分子または大環状分子前駆体におけるA、B、C、DまたはEは、出現するごとに独立に選択される。例えば、式[A](xが3である場合)によって表される配列は、アミノ酸が同一でない、例えばGln−Asp−Alaである実施形態、ならびにアミノ酸が同一である、例えばGln−Gln−Glnである実施形態を包含する。このことは、示されている範囲内のx、y、またはzのいずれの値にも適用される。同様に、uが1を超える場合、各化合物は、同じかまたは異なっているペプチド模倣大環状分子を包含することができる。例えば、化合物は、異なるリンカー長さまたは化学的組成を含むペプチド模倣大環状分子を含むことができる。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスである二次構造を含み、Rは−Hであり、ヘリックス内に水素結合を生じる。一部の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例では、Bは、α,α−二置換アミノ酸である。例えば、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、2−アミノイソ酪酸である。他の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、
Figure 2021046436

である。
他の実施形態では、第1のCαから第2のCαまでを測定した、大環状分子を形成するリンカーLの長さは、必ずしも限定されないが第1のCαと第2のCαの間にあるものを含むペプチド模倣大環状分子の残基によって形成されたα−ヘリックスなどの、所望の二次ペプチド構造を安定化するように選択される。
一部の実施形態では、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、式
Figure 2021046436

(式中、
各A、C、D、およびEは、独立に、天然または非天然アミノ酸であり、
各Bは、独立に、天然または非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
Figure 2021046436

、[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
各Lは、独立に、大環状分子を形成するリンカーであり、
各L’は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレンもしくはヘテロアリーレンであるか(それぞれRにより任意選択で置換されている)または結合であるか、またはRおよびRとL’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
各L’’は、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレンもしくはヘテロアリーレンであるか(それぞれRにより任意選択で置換されている)または結合であるか、またはRおよびRとL’’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはL’およびRとL’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはL’’およびRとL’’の両方が結合する原子と一緒になって、環を形成し、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
各Lは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各nは、独立に、1〜5の整数であり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
各vおよびwは、独立に、1〜1000、例えば1〜500、1〜200、1〜100、1〜50、1〜40、1〜25、1〜20、1〜15、または1〜10の整数であり、
各u、x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数である)
を有する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式I
Figure 2021046436

(式中、
各A、C、D、およびEは、独立に、天然または非天然アミノ酸であり、
各Bは、独立に、天然または非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
Figure 2021046436

[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルであり(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
各Lは、独立に、式
Figure 2021046436

の大環状分子を形成するリンカーであり、
各L、LおよびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、
各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはD残基を有する環式構造の一部であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリールであるか(Rにより任意選択で置換されている)、またはE残基を有する環式構造の一部であり、
各vおよびwは、独立に、1〜1000の整数であり、
各u、x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、
nは、1〜5の整数である)
を有する。
一実施形態では、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、
Figure 2021046436

(式中、各RおよびRは、独立に、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキル、またはヘテロシクロアルキルである(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)]である。
関係する実施形態では、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、
Figure 2021046436

[式中、各R’およびR’は、独立に、アミノ酸である)
である。
他の実施形態では、式(I)のペプチド模倣大環状分子は、以下に示す式
Figure 2021046436

Figure 2021046436

Figure 2021046436

(式中、「AA」は、任意の天然または非天然アミノ酸側鎖を表し、
Figure 2021046436

は、上で定義の[D]、[E]であり、nは、0〜20、50、100、200、300、400または500の整数である)
のいずれかの化合物である。一部の実施形態では、nは、0である。他の実施形態では、nは、50未満である。
大環状分子を形成するリンカーLの例示的な実施形態を、以下に示す。
Figure 2021046436
他の実施形態では、式Iの化合物のDおよび/またはEは、細胞の取込みを容易にするためにさらに修飾される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子を脂質化またはPEG化すると、細胞の取込みが容易になり、バイオアベイラビリティが増大し、血液循環が増大し、薬物動態が変わり、免疫原性が低下し、かつ/または必要な投与頻度が低下する。
他の実施形態では、式Iの化合物の[D]および[E]の少なくとも1つは、追加の大環状分子を形成するリンカーを含む部分を表し、したがってペプチド模倣大環状分子は、大環状分子を形成する少なくとも2つのリンカーを含む。特定の一実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、大環状分子を形成する2つのリンカーを含む。一実施形態では、uは、2である。
一部の実施形態では、本明細書に記載の大環状分子を形成するリンカーのいずれかは、表1、表1a、表1b、および表1cに示されている配列のいずれか、および本明細書に示されているR−置換基のいずれかとの任意の組合せで使用することができる。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、少なくとも1つのα−ヘリックスモチーフを含む。例えば、式Iの化合物のA、Bおよび/またはCは、1つまたは複数のα−ヘリックスを含む。一般的に、α−ヘリックスは、1ターン当たり3〜4個のアミノ酸残基を含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子のα−ヘリックスは、1〜5ターンを含み、したがって3〜20個のアミノ酸残基を含む。特定の実施形態では、α−ヘリックスは、1ターン、2ターン、3ターン、4ターン、または5ターンを含む。一部の実施形態では、大環状分子を形成するリンカーは、ペプチド模倣大環状分子内に含まれるα−ヘリックスモチーフを安定化する。したがって、一部の実施形態では、第1のCαから第2のCαまでの大環状分子を形成するリンカーLの長さは、α−ヘリックスの安定性を増大するように選択される。一部の実施形態では、大環状分子を形成するリンカーは、1ターン〜5ターンのα−ヘリックスをスパンする。一部の実施形態では、大環状分子を形成するリンカーは、およそ1ターン、2ターン、3ターン、4ターン、または5ターンのα−ヘリックスをスパンする。一部の実施形態では、大環状分子を形成するリンカーの長さは、α−ヘリックス1ターン当たりおよそ5Å〜9Åであり、またはα−ヘリックス1ターン当たりおよそ6Å〜8Åである。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ1ターンをスパンする場合、長さは、およそ5個の炭素−炭素結合〜13
個の炭素−炭素結合、およそ7個の炭素−炭素結合〜11個の炭素−炭素結合、またはおよそ9個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ2ターンをスパンする場合、長さは、およそ8個の炭素−炭素結合〜16個の炭素−炭素結合、およそ10個の炭素−炭素結合〜14個の炭素−炭素結合、またはおよそ12個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ3ターンをスパンする場合、長さは、およそ14個の炭素−炭素結合〜22個の炭素−炭素結合、およそ16個の炭素−炭素結合〜20個の炭素−炭素結合、またはおよそ18個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ4ターンをスパンする場合、長さは、およそ20個の炭素−炭素結合〜28個の炭素−炭素結合、およそ22個の炭素−炭素結合〜26個の炭素−炭素結合、またはおよそ24個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ5ターンをスパンする場合、長さは、およそ26個の炭素−炭素結合〜34個の炭素−炭素結合、およそ28個の炭素−炭素結合〜32個の炭素−炭素結合、またはおよそ30個の炭素−炭素結合に等しい。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ1ターンをスパンする場合、連結は、およそ4個の原子〜12個の原子、およそ6個の原子〜10個の原子、またはおよそ8個の原子を含有する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ2ターンをスパンする場合、連結は、およそ7個の原子〜15個の原子、およそ9個の原子〜13個の原子、またはおよそ11個の原子を含有する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ3ターンをスパンする場合、連結は、およそ13個の原子〜21個の原子、およそ15個の原子〜19個の原子、またはおよそ17個の原子を含有する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ4ターンをスパンする場合、連結は、およそ19個の原子〜27個の原子、およそ21個の原子〜25個の原子、またはおよそ23個の原子を含有する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ5ターンをスパンする場合、連結は、およそ25個の原子〜33個の原子、およそ27個の原子〜31個の原子、またはおよそ29個の原子を含有する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ1ターンをスパンする場合、得られる大環状分子は、およそ17員〜25員、およそ19員〜23員、またはおよそ21員を含有する環を形成する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ2ターンをスパンする場合、得られる大環状分子は、およそ29員〜37員、およそ31員〜35員、またはおよそ33員を含有する環を形成する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ3ターンをスパンする場合、得られる大環状分子は、およそ44員〜52員、およそ46員〜50員、またはおよそ48員を含有する環を形成する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ4ターンをスパンする場合、得られる大環状分子は、およそ59員〜67員、およそ61員〜65員、またはおよそ63員を含有する環を形成する。大環状分子を形成するリンカーが、α−ヘリックスのおよそ5ターンをスパンする場合、得られる大環状分子は、およそ74員〜82員、およそ76員〜80員、またはおよそ78員を含有する環を形成する。
他の実施形態では、式(IV)または(IVa)
Figure 2021046436

(式中、
各A、C、D、およびEは、独立に、天然または非天然アミノ酸であり、末端DおよびEは、独立に、任意選択でキャッピング基を含み、
各Bは、独立に、天然または非天然アミノ酸、アミノ酸類似体、
Figure 2021046436

[−NH−L−CO−]、[−NH−L−SO−]、または[−NH−L−]であり、
各RおよびRは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアルキルもしくはヘテロシクロアルキルであるか(非置換であるか、またはハロ−で置換されている)、またはRおよびRの少なくとも1つは、前記DまたはEアミノ酸の1つのアルファ位に結合している大環状分子を形成するリンカーL’を形成し、
各Rは、独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
各Lは、独立に、式−L−L−の大環状分子を形成するリンカーであり、
各L、LおよびLは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、シクロアリーレン、ヘテロシクロアリーレン、または[−R−K−R−]であり、それぞれRにより任意選択で置換されており、
各Rは、独立に、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、またはヘテロアリーレンであり、各Kは、独立に、O、S、SO、SO、CO、CO、またはCONRであり、
各Rは、独立に、ハロゲン、アルキル、−OR、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−CO、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤であり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、蛍光性部分、放射性同位体または治療剤で
あり、
各Rは、独立に、−H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアリール、またはヘテロシクロアリールであり(Rにより任意選択で置換されている)、
各vおよびwは、独立に、1〜1000の整数であり、
uは、1〜10の整数であり、
各x、yおよびzは、独立に、0〜10の整数であり、
各nは、独立に、1〜5の整数である)
のペプチド模倣大環状分子が提供される。
一例では、LおよびLは、単独でもまたは組合せでも、トリアゾールまたはチオエーテルを形成しない。
一例では、RおよびRの少なくとも1つは、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。別の例では、RおよびRの両方は、独立に、非置換であるか、またはハロ−で置換されているアルキルである。一部の実施形態では、RおよびRの少なくとも1つは、メチルである。他の実施形態では、RおよびRは、メチルである。
一部の実施形態では、x+y+zは、少なくとも1である。他の実施形態では、x+y+zは、少なくとも2である。他の実施形態では、x+y+zは、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10である。大環状分子または大環状分子前駆体におけるA、B、C、DまたはEは、出現するごとに独立に選択される。例えば、式[A](xが3である場合)によって表される配列は、アミノ酸が同一でない、例えばGln−Asp−Alaである実施形態、ならびにアミノ酸が同一である、例えばGln−Gln−Glnである実施形態を包含する。このことは、示されている範囲内のx、y、またはzのいずれの値にも適用される。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、α−ヘリックスである二次構造を含み、Rは−Hであり、ヘリックス内に水素結合を生じる。一部の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、α,α−二置換アミノ酸である。一例では、Bは、α,α−二置換アミノ酸である。例えば、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、2−アミノイソ酪酸である。他の実施形態では、A、B、C、DまたはEの少なくとも1つは、
Figure 2021046436

である。
他の実施形態では、第1のCαから第2のCαまでを測定した、大環状分子を形成するリンカーLの長さは、必ずしも限定されないが第1のCαと第2のCαの間にあるものを含むペプチド模倣大環状分子の残基によって形成されたα−ヘリックスなどの、所望の二次ペプチド構造を安定化するように選択される。
大環状分子を形成するリンカー−L−L−の例示的な実施形態を、以下に示す。
Figure 2021046436
一部の実施形態では、Lは、式
Figure 2021046436

の大環状分子を形成するリンカーである。このような大環状分子を形成するリンカーLの例示的な実施形態を、以下に示す。
Figure 2021046436

Figure 2021046436
別段指定されない限り、任意の化合物(ペプチド模倣大環状分子、大環状分子前駆体、および他の組成物を含む)はまた、1つまたは複数の同位体的に富化された原子の存在だけが異なっている化合物を包含することを意味する。例えば、重水素もしくはトリチウムによって水素が置き換えられているか、または13C−もしくは14Cが富化された炭素によって炭素が置き換えられていることを除いて、記載の構造を有する化合物は、本開示の範囲に含まれる。
一部の実施形態では、本明細書に開示の化合物は、このような化合物を構成する原子の1つまたは複数において、非天然の割合の原子の同位体を含有することができる。例えば、化合物は、例えばトリチウム(H)、ヨウ素−125(125I)または炭素−14(14C)などの放射性同位体で放射標識することができる。他の実施形態では、1つまたは複数の炭素原子は、ケイ素原子で置き換えられる。化合物(ペプチド模倣大環状分子、大環状分子前駆体、および他の組成物を含む)は、それらの塩、例えば酸性および塩基
性アミノ酸の塩も含む。放射性であろうと放射性でなかろうと、本明細書に開示の化合物のあらゆる同位体変形形態が、本明細書において企図される。
本明細書に記載の化合物またはペプチド模倣大環状分子は、化学的、光学的、異性体、鏡像異性体、またはジアステレオマーベースで少なくとも1%純粋、少なくとも2%純粋、少なくとも3%純粋、少なくとも4%純粋、少なくとも5%純粋、少なくとも6%純粋、少なくとも7%純粋、少なくとも8%純粋、少なくとも9%純粋、少なくとも10%純粋、少なくとも11%純粋、少なくとも12%純粋、少なくとも13%純粋、少なくとも14%純粋、少なくとも15%純粋、少なくとも16%純粋、少なくとも17%純粋、少なくとも18%純粋、少なくとも19%純粋、少なくとも20%純粋、少なくとも21%純粋、少なくとも22%純粋、少なくとも23%純粋、少なくとも24%純粋、少なくとも25%純粋、少なくとも26%純粋、少なくとも27%純粋、少なくとも28%純粋、少なくとも29%純粋、少なくとも30%純粋、少なくとも31%純粋、少なくとも32%純粋、少なくとも33%純粋、少なくとも34%純粋、少なくとも35%純粋、少なくとも36%純粋、少なくとも37%純粋、少なくとも38%純粋、少なくとも39%純粋、少なくとも40%純粋、少なくとも41%純粋、少なくとも42%純粋、少なくとも43%純粋、少なくとも44%純粋、少なくとも45%純粋、少なくとも46%純粋、少なくとも47%純粋、少なくとも48%純粋、少なくとも49%純粋、少なくとも50%純粋、少なくとも51%純粋、少なくとも52%純粋、少なくとも53%純粋、少なくとも54%純粋、少なくとも55%純粋、少なくとも56%純粋、少なくとも57%純粋、少なくとも58%純粋、少なくとも59%純粋、少なくとも60%純粋、少なくとも61%純粋、少なくとも62%純粋、少なくとも63%純粋、少なくとも64%純粋、少なくとも65%純粋、少なくとも66%純粋、少なくとも67%純粋、少なくとも68%純粋、少なくとも69%純粋、少なくとも70%純粋、少なくとも71%純粋、少なくとも72%純粋、少なくとも73%純粋、少なくとも74%純粋、少なくとも75%純粋、少なくとも76%純粋、少なくとも77%純粋、少なくとも78%純粋、少なくとも79%純粋、少なくとも80%純粋、少なくとも81%純粋、少なくとも82%純粋、少なくとも83%純粋、少なくとも84%純粋、少なくとも85%純粋、少なくとも86%純粋、少なくとも87%純粋、少なくとも88%純粋、少なくとも89%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも91%純粋、少なくとも92%純粋、少なくとも93%純粋、少なくとも94%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも96%純粋、少なくとも97%純粋、少なくとも98%純粋、少なくとも99%純粋、少なくとも99.1%純粋、少なくとも99.2%純粋、少なくとも99.3%純粋、少なくとも99.4%純粋、少なくとも99.5%純粋、少なくとも99.6%純粋、少なくとも99.7%純粋、少なくとも99.8%純粋、または少なくとも99.9%純粋であり得る。純度は、例えばHPLC、MS、LC/MS、融点、またはNMRによって評価することができる。
2つまたはそれを超えるペプチドは、ある程度の相同性を共有し得る。一対のペプチドは、例えば、最大約20%のペアワイズ相同性、最大約25%のペアワイズ相同性、最大約30%のペアワイズ相同性、最大約35%のペアワイズ相同性、最大約40%のペアワイズ相同性、最大約45%のペアワイズ相同性、最大約50%のペアワイズ相同性、最大約55%のペアワイズ相同性、最大約60%のペアワイズ相同性、最大約65%のペアワイズ相同性、最大約70%のペアワイズ相同性、最大約75%のペアワイズ相同性、最大約80%のペアワイズ相同性、最大約85%のペアワイズ相同性、最大約90%のペアワイズ相同性、最大約95%のペアワイズ相同性、最大約96%のペアワイズ相同性、最大約97%のペアワイズ相同性、最大約98%のペアワイズ相同性、最大約99%のペアワイズ相同性、最大約99.5%のペアワイズ相同性、または最大約99.9%のペアワイズ相同性を有することができる。一対のペプチドは、例えば、少なくとも約20%のペアワイズ相同性、少なくとも約25%のペアワイズ相同性、少なくとも約30%のペアワイズ相同性、少なくとも約35%のペアワイズ相同性、少なくとも約40%のペアワイズ相
同性、少なくとも約45%のペアワイズ相同性、少なくとも約50%のペアワイズ相同性、少なくとも約55%のペアワイズ相同性、少なくとも約60%のペアワイズ相同性、少なくとも約65%のペアワイズ相同性、少なくとも約70%のペアワイズ相同性、少なくとも約75%のペアワイズ相同性、少なくとも約80%のペアワイズ相同性、少なくとも約85%のペアワイズ相同性、少なくとも約90%のペアワイズ相同性、少なくとも約95%のペアワイズ相同性、少なくとも約96%のペアワイズ相同性、少なくとも約97%のペアワイズ相同性、少なくとも約98%のペアワイズ相同性、少なくとも約99%のペアワイズ相同性、少なくとも約99.5%のペアワイズ相同性、少なくとも約99.9%のペアワイズ相同性を有することができる。
NCBI BLAST、Clustal W、MAFFT、Clustal Omega、AlignMe、Praline、または別の適切な方法もしくはアルゴリズムなどの様々な方法およびソフトウェアプログラムを使用して、2つまたはそれを超えるペプチドの間の相同性を決定することができる。
ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約1〜24時間であり得る。例えば、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約2〜24時間、4〜24時間、6〜24時間、8〜24時間、10〜24時間、12〜24時間、14〜24時間、16〜24時間、18〜24時間、20〜24時間、22〜24時間、1〜20時間、4〜20時間、6〜20時間、8〜20時間、10〜20時間、12〜20時間、14〜20時間、16〜20時間、18〜20時間、1〜16時間、4〜16時間、6〜16時間、8〜16時間、10〜16時間、12〜16時間、14〜16時間、1〜12時間、4〜12時間、6〜12時間、8〜12時間、10〜12時間、1〜8時間、4〜8時間、6〜8時間、または1〜4時間であり得る。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約1〜12時間、例えば約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、または12時間であり得る。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約2時間である。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約4時間である。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約6時間である。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約8時間である。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約10時間である。
生体組織中のペプチド模倣大環状分子の半減期は、約1〜24時間であり得る。例えば、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約1〜24時間、5〜24時間、10〜24時間、15〜24時間、20〜24時間、1〜22時間、5〜22時間、10〜22時間、15〜22時間、20〜22時間、1〜20時間、5〜20時間、15〜20時間、1〜18時間、5〜18時間、10〜18時間、15〜18時間、1〜16時間、5〜16時間、10〜16時間、15〜16時間、1〜14時間、5〜14時間、10〜14時間、1〜12時間、5〜12時間、10〜12時間、1〜10時間、5〜10時間、1〜8時間、5〜8時間、1〜6時間、5〜6時間、または1〜4時間であり得る。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約5〜20時間、例えば約5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間または20時間であり得る。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約2時間である。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約4時間である。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約6時間である。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約8時間である。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約10時間である。
ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、生体組織におけるペプチド模倣大環状分子の半減期を超えるか、それに等しいか、またはそれ未満であり得る。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、生体組織におけるペプチド模倣大環状分子の半減期を超え得る。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、生体組織におけるペプチド模倣大環状分子の半減期と等しい場合がある。いくつかの例では、生体組織中のペプチド模倣大環状分子の半減期は、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期を超える。これによって、ペプチド模倣大環状分子をより低い用量および/またはより低い頻度で投与することが容易になり得る。一部の実施形態では、生体組織中のペプチド模倣大環状分子の半減期は、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期よりも少なくとも1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、または12時間長い。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約4時間であり、生体組織の半減期は、約10時間である。いくつかの例では、ヒト血中のペプチド模倣大環状分子の循環半減期は、約6時間であり、生体組織中の半減期は、約10時間である。
本開示の架橋ペプチドは、p53のN末端トランス活性化ドメインに関してモデル化され得る(「p53ペプチド模倣大環状分子」)。これらの架橋ペプチドは、少なくとも2つの修飾アミノ酸を含有し、このアミノ酸は、p53とMDM2の結合およびp53とMDMXの結合にとって重要であると考えられるp53の一部のα−ヘリカル二次構造を安定化する一助になり得る分子内架橋を、一緒になって形成する。したがって、本明細書に記載の架橋されたポリペプチドは、架橋されていない対応するポリペプチドと比較して、改善された生物学的活性を有することができる。p53ペプチド模倣大環状分子は、p53とMDM2の結合および/またはp53とMDMXの結合を妨害し、それによって機能的p53を遊離し、その破壊を阻害すると考えられる。本明細書に記載のp53ペプチド模倣大環状分子は、例えば、望ましくない低レベルもしくは低活性のp53によって特徴付けられるがんおよび他の障害を処置し、かつ/または望ましくない高レベルのMDM2もしくはMDMXの活性によって特徴付けられるがんおよび他の障害を処置するために、治療上使用され得る。またp53ペプチド模倣大環状分子は、神経変性および免疫不全などの不適切な細胞周期の停止およびアポトーシスの状態に加えて、がんおよび自己免疫などの過剰な細胞生存および増殖の状態をもたらすp53転写経路の制御の混乱と関連する、任意の障害の処置に有用であり得る。一部の実施形態では、p53ペプチド模倣大環状分子は、MDM2(例えば、GenBank(登録商標)受託番号:228952;GI:228952)および/またはMDMX(MDM4とも呼ばれる;GenBank(登録商標)受託番号:88702791;GI:88702791)に結合する。
表1は、p53のMDM2/MDMX結合ヘリックスから得られた、調製されたペプチド模倣大環状分子の一覧を示す。表1a、1b、1c、1dおよび1eは、表1から選択されたペプチド模倣大環状分子の一覧を示す。表1fは、表1eから選択されたペプチド模倣大環状分子の一覧を示す。部分的ステープルスキャン(partial staple scan)を
、直鎖ペプチドp−CF−Phe7−D−PMI−βで実施した。強力な選択的MDM2アンタゴニストであるSP−757は、i,i+7架橋をp−CF3−Phe−7−D−PMI−bの配列に含めることによって調製した。SP−757は、1桁のマイクロモル濃度で(EC50=1.5mM)SJSA−1肉腫細胞殺滅活性を呈した。(図3)。SP−763は、アラニン含量を35%に増大すると同時に、4つのアラニン残基をSP−757のC末端に付加することによって正味電荷およびVon Heijneスコアを維持することによって調製した。SP−763は、SP−757と比較して改善されたSJSA−1肉腫細胞殺滅活性(EC50=0.15mM)を呈した(図3)。SP−763は、SP−449と類似の細胞殺滅活性を呈した。
表1:p53のMDM2/MDMX結合ヘリックスから得られた、調製されたペプチド模倣大環状分子の一覧。
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表1aは、ペプチド模倣大環状分子の選択を示す。
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表1bは、ペプチド模倣大環状分子のさらなる選択を示す。
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表1dは、選択されたペプチド模倣大環状分子の一覧を示す。
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* 実施例11の表を参照
** 10%血清、72時間
Ch=正味電荷;L=アミノ酸の長さ;VH=von Heijne;RT=保持時間;Ala=アラニン含量
一部の実施形態では、本発明は、表1、1a、1b、1c、1eまたは1fのアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、97%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチド模倣大環状分子を提供する。
上および他所に示されている配列には、以下の略語が使用される。「Nle」はノルロイシンを表し、「Aib」は2−アミノイソ酪酸を表し、「Ac」はアセチルを表し、「Pr」はプロピオニルを表す。「$」と表されるアミノ酸は、1つの二重結合を含む全炭素クロスリンカーによって結合しているアルファ−Me S5−ペンテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「$r5」と表されるアミノ酸は、1つの二重結合を含む全炭素によって結合しているアルファ−Me R5−ペンテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「$s8」と表されるアミノ酸は、1つの二重結合を含む全炭素クロスリンカーによって結合しているアルファ−Me S8−オクテニル−アラニンオレフィンアミノ
酸である。「$r8」と表されるアミノ酸は、1つの二重結合を含む全炭素クロスリンカーによって結合しているアルファ−Me R8−オクテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「Ahx」は、アミノシクロヘキシルリンカーを表す。クロスリンカーは、各アミノ酸のアルファ炭素の間に8個または11個の炭素原子を含む、直鎖全炭素クロスリンカーである。「$/」と表されるアミノ酸は、いかなるクロスリンカーによっても結合していないアルファ−Me S5−ペンテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「$/r5」と表されるアミノ酸は、いかなるクロスリンカーによっても結合していないアルファ−Me R5−ペンテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「$/s8」と表されるアミノ酸は、いかなるクロスリンカーによっても結合していないアルファ−Me
S8−オクテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「$/r8」と表されるアミノ酸は、いかなるクロスリンカーによっても結合していないアルファ−Me R8−オクテニル−アラニンオレフィンアミノ酸である。「Amw」と表されるアミノ酸は、アルファ−Meトリプトファンアミノ酸である。「Aml」と表されるアミノ酸は、アルファ−Meロイシンアミノ酸である。「Amf」と表されるアミノ酸は、アルファ−Meフェニルアラニンアミノ酸である。「2ff」と表されるアミノ酸は、2−フルオロ−フェニルアラニンアミノ酸である。「3ff」と表されるアミノ酸は、3−フルオロ−フェニルアラニンアミノ酸である。「St」と表されるアミノ酸は、それぞれが示されている通り別のアミノ酸に架橋されている2つのペンテニル−アラニンオレフィン側鎖を含むアミノ酸である。「St//」と表されるアミノ酸は、架橋されていない2つのペンテニル−アラニンオレフィン側鎖を含むアミノ酸である。「%St」と表されるアミノ酸は、それぞれが示されている通り完全に飽和した炭化水素架橋を介して別のアミノ酸に架橋されている2つのペンテニル−アラニンオレフィン側鎖を含むアミノ酸である。「Ba」と表されるアミノ酸は、ベータ−アラニンである。架橋アミノ酸の命名(例えば「$er8」または「$zr8」)における小文字「e」または「z」は、二重結合の立体配置を表す(それぞれEまたはZ)。他の文脈では、「a」または「f」などの小文字は、Dアミノ酸(例えば、それぞれD−アラニンまたはD−フェニルアラニン)を表す。「NmW」と指定されるアミノ酸は、N−メチルトリプトファンを表す。「NmY」と指定されるアミノ酸は、N−メチルチロシンを表す。「NmA」と指定されるアミノ酸は、N−メチルアラニンを表す。「Kbio」は、リシン残基の側鎖アミノ基に結合しているビオチン基を表す。「Sar」と指定されるアミノ酸は、サルコシンを表す。「Cha」と指定されるアミノ酸は、シクロヘキシルアラニンを表す。「Cpg」と指定されるアミノ酸は、シクロペンチルグリシンを表す。「Chg」と指定されるアミノ酸は、シクロヘキシルグリシンを表す。「Cba」と指定されるアミノ酸は、シクロブチルアラニンを表す。「F4I」と指定されるアミノ酸は、4−ヨードフェニルアラニンを表す。「7L」は、N15同位体ロイシンを表す。「F3Cl」と指定されるアミノ酸は、3−クロロフェニルアラニンを表す。「F4cooh」と指定されるアミノ酸は、4−カルボキシフェニルアラニンを表す。「F34F2」と指定されるアミノ酸は、3,4−ジフルオロフェニルアラニンを表す。「6clW」と指定されるアミノ酸は、6−クロロトリプトファンを表す。「$rda6」と指定されるアミノ酸は、第2のアルキニルアミノ酸とのジアルキン結合を介して架橋されたアルファ−Me R6−ヘキシニル−アラニンアルキニルアミノ酸を表す。「$da5」と指定されるアミノ酸は、アルファ−Me S5−ペンチニル−アラニンアルキニルアミノ酸を表し、ここでアルキンは、第2のアルキニルアミノ酸とのジアルキン結合の半分を形成する。「$ra9」と指定されるアミノ酸は、第2のアルキニルアミノ酸とのアルキンメタセシス反応を介して架橋されたアルファ−Me R9−ノニニル−アラニンアルキニルアミノ酸を表す。「$a6」と指定されるアミノ酸は、第2のアルキニルアミノ酸とのアルキンメタセシス反応を介して架橋されたアルファ−Me S6−ヘキシニル−アラニンアルキニルアミノ酸を表す。名称「iso1」または「iso2」は、ペプチド模倣大環状分子が、単一異性体であることを示す。
「Cit」と指定されるアミノ酸は、シトルリンを表す。「Cou4」、「Cou6」
、「Cou7」および「Cou8」と指定されるアミノ酸は、それぞれ、以下の構造を表す。
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一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、例えば、架橋の構造内の二重結合の立体配置(E対Z)に起因して、2つ以上の異性体で得られる。このような異性体は、従
来のクロマトグラフィーによる方法によって分離することができ、または分離できない場合がある。一部の実施形態では、一方の異性体は、他方の異性体と比較して改善された生物学的な特性を有する。一実施形態では、ペプチド模倣大環状分子のEの架橋オレフィン異性体は、そのZの対応物と比較して、より良好な溶解度、より良好な標的親和性、より良好なin vivoもしくはin vitro有効性、より高いヘリシティ、または改善された細胞透過性を有する。別の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子のZの架橋オレフィン異性体は、そのEの対応物と比較して、より良好な溶解度、より良好な標的親和性、より良好なin vivoもしくはin vitro有効性、より高いヘリシティ、または改善された細胞透過性を有する。
表1cは、例示的なペプチド模倣大環状分子を示す。
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一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、表2aに示したペプチド模倣大環状分子を除外する。
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表2aでは、Xは、Sまたは任意のアミノ酸を表す。示されているペプチドは、アセチルなどのN末端キャッピング基を含むことができ、またはそのキャッピング基とペプチド配列開始部の間に、ベータ−アラニンなどの追加のリンカーを含むことができる。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、表2aに示されているペプチド模倣大環状分子構造を含まない。
他の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、表2bに示されているペプチド模倣大環状分子を除外する。
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一部の実施形態では、本明細書に開示のペプチド模倣大環状分子は、表2bに示されているペプチド模倣大環状分子構造を含まない。
表2cは、D−アミノ酸を含む非架橋ポリペプチドの例を示す。
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また、ウイルスが宿主細胞内の感染または複製に必要とするタンパク質を標的化するか、またはそのタンパク質と相互作用するペプチド模倣大環状分子を調製することができる。このようなウイルスは、例えば、Orthomyxoviridae科のウイルスに属するインフルエンザウイルスであり得る。この科には、ThogotoウイルスおよびDhorivirusesも含まれる。ヒトおよび他の種に感染する、公知のインフルエンザウイルスのいくつかの型および亜型が存在する。インフルエンザA型ウイルスは、ヒト、トリ、ブタ、ウマ、アザラシおよび他の動物に感染するが、野生のトリは、これらのウイルスの自然宿主である。インフルエンザA型ウイルスは、ウイルス表面上の2種のタンパク質である赤血球凝集素(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)に基づいて、亜型に分類され、命名される。例えば、「H7N2ウイルス」は、HA7タンパク質およびNA2タンパク質を有するインフルエンザA亜型を指定する。同様に、「H5N1」ウイルスは、HA5タンパク質およびNA1タンパク質を有する。16種の公知のHA亜型および9種の公知のNA亜型がある。HAタンパク質とNAタンパク質の多くの異なる組合せが可能である。現在、ごく一部のインフルエンザA亜型(すなわち、H1N1、H1N2、およびH3N2)は、ヒトに蔓延している。他の亜型は、他の動物種に最も一般的に見出される。例えば、H7N7およびH3N8ウイルスは、ウマの疾病を引き起こし、H3N8は、イヌの疾病を引き起こすことが近年示されている。
本発明による抗ウイルス剤は、高リスク群(高齢の免疫抑制個体をケアする病棟、施設)を保護するために、およびケースバイケースを基本に使用することができる。抗ウイルス剤の潜在的に可能な使用は、トリH5N1またはインフルエンザウイルスの他の株によって引き起こされるかどうかに関わらず、今後のパンデミックの拡大および深刻度を制限するためのものである。H5N1、H7N7、およびH7N3ウイルスを含めた亜型H5およびH7のトリインフルエンザAウイルスは、高い病原性およびこれらのウイルスによるヒト感染に関連付けられており、軽度(H7N3、H7N7)から重症および致命的疾患(H7N7、H5N1)の範囲にわたる。非常に軽度な症状(例えば、結膜炎)からインフルエンザ様の疾病を含む、低病原性ウイルスによる感染に起因するヒト疾病が記録さ
れている。ヒトに感染したことがある低病原性ウイルスの例として、H7N7、H9N2、およびH7N2が挙げられる。
インフルエンザBウイルスは、通常はヒトに見出されるが、アザラシにも感染し得る。これらのウイルスは、インフルエンザAウイルスとは異なり、亜型に従って分類されない。インフルエンザBウイルスは、ヒトの罹患および死亡を引き起こすおそれがあるが、一般にインフルエンザAウイルスよりも重症度が低い流行病と関連付けられている。インフルエンザB型ウイルスは、ヒトの流行病を引き起こすおそれがあるが、パンデミックを引き起こしたことはない。
インフルエンザC型ウイルスは、ヒトの軽度疾病を引き起こし、流行病またはパンデミックを引き起こさない。またこれらのウイルスは、イヌおよびブタに感染し得る。これらのウイルスは、亜型に従って分類されない。
インフルエンザウイルスは、細胞表面受容体の特異性および細胞向性に関して互いに異なっているが、共通の侵入経路を使用する。これらの経路を図表にし(charting)、ウイルスインフルエンザの伝染、侵入、複製、生合成、集合、または排出に関与する宿主細胞タンパク質を同定することによって、インフルエンザの既存株および新興株に対する一般薬を開発することができる。その薬剤は、類似の経路を使用する無関係のウイルスに対しても有用であることを証明し得る。例えば、その薬剤は、インフルエンザウイルスに加えて、いくつかの異なるウイルスから気道上皮細胞を保護することができる。
一実施形態では、標的化ウイルスは、アデノウイルスである。アデノウイルスは、最も一般的には、呼吸器疾病を引き起こし、アデノウイルス感染症によって引き起こされる呼吸器疾病の症状は、感冒症候群から肺炎、クループ、および気管支炎にわたる。免疫系不全の患者は、特に、アデノウイルス感染症の重症合併症に罹患しやすい。第二次世界大戦中に軍隊入隊者において最初に認識された急性呼吸器疾患(ARD)は、密集およびストレス状態の最中に、アデノウイルス感染症によって引き起こされるおそれがある。アデノウイルスは、二本鎖DNAを含有する中型(90〜100nm)の無エンベロープ正二十面体(icosohedral)ウイルスである。ヒト感染症を引き起こすおそれがある49種の免
疫学的に別個の型(6つの亜属:A〜F)がある。アデノウイルスは、化学的または物理的作用物質および有害なpH条件に対して異常に安定であり、体外で長期間生存することができる。AD2およびAd5(C種)などの一部のアデノウイルスは、感染性侵入のためにクラスリン媒介性エンドサイトーシスおよびマクロピノサイトーシスを使用する。Ad3(B種)などの他のアデノウイルスは、感染性侵入のためにダイナミン依存性エンドサイトーシスおよびマクロピノサイトーシスを使用する。
一実施形態では、標的化ウイルスは、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)である。RSVは、乳児および1歳未満の子どもの細気管支炎および肺炎の最も一般的な原因である。疾病は、最もしばしば発熱、鼻汁、咳、および時に喘鳴を伴って始まる。それらの最初のRSV感染中に、乳児および幼児の25%〜40%は、細気管支炎または肺炎の徴候または症候を有し、0.5%〜2%は入院が必要である。ほとんどの子どもは、8〜15日で疾病から回復する。RSV感染症で入院した子どもの大部分は、月齢6カ月未満である。またRSVは、通常、中程度から重症の風邪のような症状と関連する感染症の反復を生涯にわたって引き起こす。しかし、重症の下気道疾患は、任意の年齢において、特に高齢者、または特に心臓、肺もしくは免疫系不全のヒトに生じ得る。RSVは、マイナス鎖のエンベロープRNAウイルスである。ビリオンは、形状およびサイズが多様であり(平均直径120〜300nm)、環境において不安定であり(環境表面上で数時間しか生存できない)、石けんおよび水および殺菌剤で容易に不活化される。
一実施形態では、標的化ウイルスは、ヒトパラインフルエンザウイルス(HPIV)である。HPIVは、幼児の下気道疾患の一般的な原因としての呼吸器合胞体ウイルス(RSV)に次ぐ。HPIVは、RSVと同様に、通常、上気道疾病(例えば、風邪および/または咽喉痛)によって顕在化する感染症の反復を生涯にわたって引き起こすおそれがある。またHPIVは、特に、高齢者および免疫系不全の患者において感染症(例えば、肺炎、気管支炎、および細気管支炎)が反復する重篤な下気道疾患を引き起こすおそれがある。4種のHPIVのそれぞれは、異なる臨床的および疫学的特徴を有する。HPIV−1およびHPIV−2の最も特徴的な臨床的特徴は、クループ(すなわち、喉頭気管気管支炎)であり、HPIV−1は、子どものクループの主原因であり、HPIV−2は、頻繁には検出されない。HPIV−1とHPIV−2の両方は、他の上下気道疾病を引き起こすおそれがある。HPIV−3は、より頻繁に細気管支炎および肺炎と関連する。HPIV−4は、おそらく重症疾患を引き起こす可能性が低いので、あまり検出されていない。HPIVのインキュベーション期間は、一般に1〜7日である。HPIVは、それらの表面上に融合および赤血球凝集素−ノイラミニダーゼ糖タンパク質の「スパイク」を有する、マイナス鎖の一本鎖RNAウイルスである。4種のHPIVの血清型(1〜4)および2種の亜型(4aおよび4b)がある。ビリオンは、サイズ(平均直径150〜300nm)および形状が多様であり、環境において不安定であり(環境表面上で数時間生存する)、石けんおよび水で容易に不活化される。
一実施形態では、標的化ウイルスは、コロナウイルスである。コロナウイルスは、Coronaviridae科に属する動物ウイルス属である。コロナウイルスは、プラス鎖一本鎖RNAゲノムおよびらせん対称を有するエンベロープウイルスである。コロナウイルスのゲノムサイズは、およそ16〜31キロベースであり、RNAウイルスとしては極端に大きい。名称「コロナウイルス」は、そのウイルスエンベロープが、電子顕微鏡法では小さい球根状の構造を有する特徴的な環を被ったように見えるため、王冠を意味するラテン語のコロナ(corona)に由来する。この形態は、実際、ウイルス表面に定植し、宿主の向性を決定するタンパク質であるウイルススパイクペプロマーによって形成される。コロナウイルスは、この目のすべてのウイルスが、感染中にサブゲノムmRNAの3’共末端ネスト化セット(3' co-terminal nested set)を産生するので、巣を意味するラテン語のニド(nidus)に関して命名されたNidovirales目に分類される。すべ
てのコロナウイルスの全体的な構造に寄与するタンパク質は、スパイク、エンベロープ、膜およびヌクレオカプシドである。SARSの具体的な場合において、S上の定義された受容体−結合ドメインは、ウイルスがその細胞受容体であるアンギオテンシン−変換酵素2に付着するのを媒介する。
一実施形態では、標的化ウイルスは、ライノウイルスである。ライノウイルスは、Picornaviridae科のウイルス属である。ライノウイルスは、ヒトの最も一般的なウイルス感染因子であり、感冒の原因因子である。風邪症状を引き起こす105種を超える血清学的ウイルス型があり、ライノウイルスは、あらゆる症例のおよそ50%の原因となる。ライノウイルスは、長さ7.2〜8.5kbの一本鎖プラス鎖RNAゲノムを有する。ゲノムの5’末端にウイルスでコードされたタンパク質があり、哺乳動物のmRNAと同様に、3’ポリ−Aテールが存在する。構造タンパク質は、ゲノムの5’領域においてコードされており、末端が非構造領域である。このことは、すべてのピコルナウイルスについて同じである。ウイルス粒子自体は、エンベロープではなく、正二十面体の構造である。
ウイルスタンパク質の(またはウイルス感染力に関与する宿主細胞タンパク質の)任意の二次構造は、いくつかの方法に基づいて形成され得る。例えば、ヘリックスである二次構造を含むウイルスタンパク質を使用して、そのヘリックスに基づいてペプチド模倣大環状分子を設計することができる。
一実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、インフルエンザウイルスのPB1またはPB2配列に基づいて設計される。PB1配列は、すべての公知のインフルエンザAウイルス株にわたって高度に保存されており、それによって、現在の標準ケアで観察されるはずの薬物耐性よりも薬物耐性が低くなり得る。NCBIデータバンクの2,485種のインフルエンザAウイルス株からのPB1の最初の25のN末端アミノ酸のアラインメント(Ghanem、2007年)によって、PB1のPA相互作用ドメインにおける著しい配列保存が実証されている。したがって、PB1配列に基づく抗ウイルス治療は、すべてのインフルエンザAウイルス株ではないがそのほとんどをブロックすることができる。さらに、これらのPB1のいくつかの変形形態に基づくペプチド模倣大環状分子の配列修飾によって、PB1阻害剤の抗ウイルスカクテルは、エスケープ変異体に起因する抵抗性を排除できるようになる。
表3aは、調製されたPB1のPA結合ヘリックスから得られたペプチド模倣大環状分子の一覧を示している。
表3bは、表3aから選択されたペプチド模倣大環状分子の一覧を示す。SP−791およびSP−794は、SP−786配列の長さおよびアラニン含量(%)を増大することによって調製した。これらの修飾によって、SP−786の抗ウイルス活性と比較して、抗ウイルス活性が5倍増大した。SP−798は、SP−786のi,i+4架橋の代わりにi,i+7架橋を組み込むことによって調製した。SP−192は、SP−786の抗ウイルス活性と比較して、改善された抗ウイルス活性(EC50=4.5mM)を呈した。
一部の実施形態では、本発明は、表3aまたは3bのアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、97%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチド模倣大環状分子を提供する。
Figure 2021046436

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本発明のいくつかの実施形態では、ペプチド配列は、BCL−2ファミリーのタンパク質に由来する。BCL−2ファミリーは、BH1、BH2、BH3、およびBH4と指定された最大4種の保存されたBCL−2相同性(BH)ドメインの存在によって定義され、これらすべては、α−ヘリカルセグメントを含む(Chittendenら(1995年)、EMBO
14巻:5589頁;Wangら(1996年)、Genes Dev. 10巻:2859頁)。
BCL−2およびBCL−Xなどの抗アポトーシス性タンパク質は、すべてのBHドメインの配列保存を呈する。アポトーシス促進性タンパク質は、BH1、BH2、およびBH3ドメインにおいて相同性を有する「多ドメイン」ファミリーメンバー(例えば、BAK、BAX)、ならびにBH3両親媒性α−ヘリカルセグメントにおいて排他的に配列相同性を含有する「BH3−ドメインだけ」のファミリーメンバー(例えば、BID、BAD、BIM、BIK、NOXA、PUMA)に分類される。BCL−2ファミリーメンバーは、ホモ二量体およびヘテロ二量体を形成する能力を有しており、これは、競合的結合、およびアポトーシス促進性タンパク質と抗アポトーシス性タンパク質レベルの比によって、死滅刺激に対する感受性が規定されることを示唆している。抗アポトーシス性タンパク質は、アポトーシス促進性過剰、すなわち過度のプログラム細胞死から細胞を保護するように機能する。追加の「安全」対策は、アポトーシス促進性タンパク質の転写を制御し、それらを不活性な配座異性体として維持することを含み、死滅促進機能を活性化するために、タンパク質分解による活性化、脱リン酸化、またはリガンド誘導性高次構造変化のいずれかを必要とする。ある特定の細胞型では、原形質膜において受信された死滅シグナルは、ミトコンドリア経路を介してアポトーシスを誘発する。ミトコンドリアは、カスパーゼ9を活性化して致命的な下流タンパク分解性事象をもたらす、細胞質複合体の非常に重要な構成成分であるチトクロムcを隔離することによって、細胞死のゲートキーパーと
して働くことができる。BCL−2/BCL−XおよびBAK/BAXなどの多ドメインタンパク質は、ミトコンドリア膜において守護者および死刑執行者のような対立する役割を果たし、それらの活性は、BCL−2ファミリーの上流のBH3だけのメンバーによってさらに制御される。例えば、BIDは、アポトーシス促進性タンパク質のBH3−ドメインだけのファミリーのメンバーであり、原形質膜において受信した死滅シグナルを、ミトコンドリア膜におけるエフェクターであるアポトーシス促進性タンパク質に伝達する。BIDは、アポトーシス促進性タンパク質および抗アポトーシス性タンパク質の両方と相互作用する能力を有しており、カスパーゼ8によって活性化されると、チトクロムcの放出およびミトコンドリアのアポトーシスを誘発する。欠失および変異誘発の研究では、アポトーシス促進性ファミリーメンバーの両親媒性α−ヘリカルBH3セグメントが、死滅ドメインとして機能し得、したがって多ドメインアポトーシス性タンパク質と相互作用するための非常に重要な構造的モチーフを表し得ることが決定された。構造的研究では、BH3ヘリックスが、BH1、2および3ドメインの界面によって形成された疎水性の溝に挿入されることによって抗アポトーシス性タンパク質と相互作用し得ることが示された。活性化BIDは、抗アポトーシス性タンパク質(例えば、BCL−2およびBCL−X)によって結合され、隔離され得、アポトーシス促進性タンパク質BAXおよびBAKの活性化を誘発して、チトクロムcの放出およびミトコンドリアのアポトーシスプログラムをもたらし得る。BADも、BH3−ドメインだけのアポトーシス促進性ファミリーメンバーであり、その発現は、BAX/BAKの活性化を誘発する。しかしBADは、BIDとは対照的に、抗アポトーシス性ファミリーメンバーであるBCL−2およびBCL−Xとの優先的な結合を呈する。BAD BH3ドメインは、BCL−2に対して高い親和性結合を呈するが、BAD BH3ペプチドは、in vitroでミトコンドリアからのチトクロムcの放出を活性化することができず、これは、BADがBAX/BAKの直接的な活性化因子ではないことを示唆している。BCL−2を過剰発現するミトコンドリアは、BID誘発性チトクロムcの放出に対して抵抗性があるが、BADとの併用処置は、BID感受性を修復することができる。BADによるミトコンドリアのアポトーシスの誘導は、(1)BCL−2/BCL−X結合ポケットからの、BIDおよびBID様タンパク質などのBAX/BAK活性化因子の転位、または(2)抗アポトーシス性タンパク質によるBID様タンパク質の隔離を防止する、BADによるBCL−2/BCL−X結合ポケットの選択的占有のいずれかによる結果のようである。したがって、ミトコンドリアのアポトーシスを直接的に活性化するBID様タンパク質と、多ドメイン抗アポトーシス性タンパク質の結合ポケットを占有することによって、ミトコンドリアをBID様アポトーシス促進物質に感受性にする能力を有するBAD様タンパク質の、2つのクラスのBH3−ドメインだけのタンパク質が明らかになっている。本明細書に開示の方法に従うBCL−2ファミリーメンバーのタンパク質の様々なα−ヘリカルドメインが、開示されている(それらの開示全体が参照によって本明細書に組み込まれるWalenskyら(2004年)、Science 305巻:1466頁;およびWalenskyら、米国特許出願第200
5/0250680号)。
骨髄性細胞白血病1(MCL−1)は、BCL−2相互作用メディエーター(BIM)などの死滅促進因子の結合および阻害を介して、細胞死を阻害するタンパク質である。MCL−1が過剰発現すると、細胞または組織における細胞死率が低下する。一部の実施形態では、ペプチド配列は、BIMに由来する。一部の実施形態では、ヒトBIMペプチドから得られたペプチド模倣大環状分子のペプチドは、BIMペプチド配列由来の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個のアミノ酸を含むペプチドであり得る。
一部の実施形態では、ヒトBIMペプチド配列から得られたペプチド模倣大環状分子のペプチドは、ペプチドが由来する選択された配列とは異なる1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21
、または22個のアミノ酸を含むペプチドであり得る。一部の実施形態では、ヒトBIMペプチド配列から得られたペプチド模倣大環状分子のペプチドは、アミノ酸位置1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22に変異を含むペプチドであり得る。一部の実施形態では、変異は、非必須アミノ酸の変異である。一部の実施形態では、変異は、必須アミノ酸の変異である。一部の実施形態では、変異は、疎水性アミノ酸の変異である。一部の実施形態では、変異は、天然に存在するアミノ酸の変異である。一部の実施形態では、変異は、保存アミノ酸の変異である。一部の実施形態では、ヒトBIMペプチド配列から得られたペプチド模倣大環状分子のペプチドは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個のアミノ酸類似体を含むペプチドであり得る。一部の実施形態では、ヒトBIMペプチド配列から得られたペプチド模倣大環状分子のペプチドは、1つまたは2つのキャッピング基を含むペプチドであり得る。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、BIMのアミノ酸配列由来の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30個のアミノ酸のC末端トランケーションを含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、BIMの配列由来の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個のアミノ酸のN末端トランケーションを含む。
本開示で使用するのに適したBIM大環状分子の非限定的な一覧は、表4aおよび4bに示されている。表4aおよび4bでは、C末端において、一部のペプチドは、カルボキサミド末端を有し(−NHと示される)、一部のペプチドは、ヒドロキシル末端を有し(−OHと示される)、一部のペプチドは、5−カルボキシフルオレセイン末端を有し(−5−FAMと示される)、一部のペプチドは、イソブチルアミド末端を有し(−NHiBuと示される)、一部のペプチドは、シクロヘキシルアミド末端を有し(−NHChxと示される)、一部のペプチドは、シクロヘキシルメチルアミド末端を有し(−NHMeChxと示される)、一部のペプチドは、フェネチルアミド末端を有し(−NHPeと示される)、一部のペプチドは、n−ブチルアミド末端を有し(−NHBuと示される)、一部のペプチドは、sec−ブチルアミド末端を有し(−NHsBuと示される)、一部のペプチドは、キャップのない末端を有する(末端修飾なしと示される)。
表4aおよび4bでは、N末端において、一部のペプチドは、アセチル末端を有し(Ac−と示される)、一部のペプチドは、フルオレセインイソチオシアネート末端を有し(FITC−と示される)、一部のペプチドは、1単位のポリエチレングリコール末端を有し(dPEG1−と示される)、一部のペプチドは、5単位のポリエチレングリコール末端を有し(dPEG5−と示される)、一部のペプチドは、11単位のポリエチレングリコール末端を有し(dPEG11−と示される)、一部のペプチドは、プロピル末端を有し(Pr−と示される)、一部のペプチドは、ビオチン末端を有し(ビオチン−と示される)、一部のペプチドは、KLH末端を有し(KLH−と示される)、一部のペプチドは、卵白アルブミン末端を有し(OVA−と示される)、一部のペプチドは、キャップのない末端を有し(H−と示される)、一部のペプチドは、イソブチル末端を有し(iBu−と示される)、一部のペプチドは、デカノイル末端を有し(Decac−と示される)、一部のペプチドは、ベンジル末端を有し(Bz−と示される)、一部のペプチドは、シクロヘキシル末端を有し(Chx−と示される)、一部のペプチドは、ベンジル末端を有し(Bz−と示される)、一部のペプチドは、Vrl末端を有し(Vrl−と示される)、一部のペプチドは、HBS末端を有し(HBS−と示される)、一部のペプチドは、MeIm末端を有し(MeImC−と示される)、一部のペプチドは、tert−ブチル末端
を有し(t−Bu−U−と示される)、一部のペプチドは、ノナノイル末端を有し(non−U−と示される)、一部のペプチドは、エチル末端を有し(Et−U−と示される)、一部のペプチドは、シクロヘキシル末端を有し(Chx−U−と示される)、一部のペプチドは、イソプロピル末端を有し(iPr−U−と示される)、一部のペプチドは、フェニル末端を有し(Ph−U−と示される)、一部のペプチドは、尿酸末端を有し(NH2CO−と示される)、一部のペプチドは、パルミトイル末端を有し(Pam−と示される)、一部のペプチドは、ヘプテン酸末端を有し(Hep−と示される)、一部のペプチドは、5−カルボキシテトラメチルローダミン末端を有する(5−TAMRA−と示される)。
表4aは、BIMのMCL−1/BCL−X/BCL−2結合ヘリックスから得られた、調製されたペプチド模倣大環状分子の一覧を示す。表4bは、表4aから選択されたペプチド模倣大環状分子の一覧を示す。SP−809は、直鎖ペプチドLP−2の配列にi,i+7架橋を組み込むことによって調製した。SP−815は、SP−809の2つの末端アルギニン残基を除去し、13位をアラニンで置換することによって調製した。SP−962は、SP−815の9位をホモロイシンで置換し、17位をF4Fで置換することによって調製した。
一部の実施形態では、本発明は、表4aまたは4bのアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、97%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むペプチド模倣大環状分子を提供する。
Figure 2021046436

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ペプチド模倣大環状分子の調製
ペプチド模倣大環状分子は、当技術分野で公知の様々な方法のいずれかによって調製することができる。例えば、表1、表1a、表1b、または表1cの「$」または「$r8」によって示される残基のいずれかは、同じ分子の第2の残基と共にクロスリンカーを形成することができる残基またはこのような残基の前駆体で置換され得る。
ペプチド模倣大環状分子を形成する様々な方法が、当技術分野で公知である。例えば、式Iのペプチド模倣大環状分子の調製は、Schafmeisterら、J. Am. Chem. Soc. 122巻:5891〜5892頁(2000年);SchafmeisterおよびVerdine、J. Am. Chem. Soc. 122巻:5891頁(2005年);Walenskyら、Science 305巻:1466〜1470頁(2004年);米国特許第7,192,713号およびPCT出願WO2008/121767号に記載されている。引用参考文献に開示されているα,α−二置換アミノ酸およびアミノ酸前駆体は、ペプチド模倣大環状分子の前駆体ポリペプチドの合成に用いることができる。例えば、「S5−オレフィンアミノ酸」は、(S)−α−(2’−ペンテニル)アラニンであり、「R8オレフィンアミノ酸」は、(R)−α−(2’−オクテニル)アラニンである。このようなアミノ酸を前駆体ポリペプチドに組み込んだ後、末端オレフィンがメタセシス触媒と反応すると、ペプチド模倣大環状分子が形成される。様々な実施形態では、以下のアミノ酸:
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は、ペプチド模倣大環状分子の合成に用いることができる。
他の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、式IVまたはIVaのものである。このような大環状分子を調製する方法は、例えば米国特許第7,202,332号に記載されている。
適切であると想定されるペプチド模倣大環状分子を形成する追加の方法には、Mustapa,
M. Firouz Mohdら、J. Org. Chem(2003年)、68巻、8193〜8198頁;Yang, Binら、Bioorg Med. Chem. Lett.(2004年)、14巻、1403〜1406頁;米国特許第5,364,851号;米国特許第5,446,128号;米国特許第5,824,483号;米国特許第6,713,280号;および米国特許第7,202,332号に開示の方法が含まれる。このような実施形態では、アルファ位に追加の置換基R−を含有するアミノ酸前駆体が使用される。このようなアミノ酸は、大環状分子前駆体の所望の位置に組み込まれ、それによって、クロスリンカーが置換される位置、または、あるいは大環状分子前駆体の配列の他所に存在し得る。次に、示されている方法に従って、前駆体を環化する。
アッセイ
ペプチド模倣大環状分子の特性は、例えば下記の方法を使用することによってアッセイ
される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、本明細書に記載の置換基を有していない対応するポリペプチドと比較して、改善された生物学的特性を有する。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの1つまたは複数の特性に基づいて調製することができる。一部の実施形態では、細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドのアミノ酸配列の長さに基づいて調製することができる。一部の実施形態では、細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドのvon Heijne値に基づいて調製することができる。一部の実施形態では、細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドによって担持されている正味電荷に基づいて調製することができる。
一部の実施形態では、細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドのアミノ酸配列のアラニン含量に基づいて調製することができる。一部の実施形態では、細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの両親媒性に基づいて調製することができる。一部の実施形態では、細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの溶解度に基づいて調製することができる。一部の実施形態では、細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの逆相HPLC保持時間に基づいて調製することができる。一部の実施形態では、細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドのアミノ酸配列の長さ、ポリペプチドのvon
Heijne値、ポリペプチドによって担持されている正味電荷、ポリペプチドのアミノ酸配列のアラニン含量、ポリペプチドの両親媒性、ポリペプチドの溶解度、ポリペプチドの逆相HPLC保持時間、またはそれらの任意の組合せに基づいて調製することができる。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの長さに基づいて調製することができる。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、10〜24個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、10個のアミノ酸、11個のアミノ酸、12個のアミノ酸、13個のアミノ酸、14個のアミノ酸、15個のアミノ酸、16個のアミノ酸、17個のアミノ酸、18個のアミノ酸、19個のアミノ酸、20個のアミノ酸、21個のアミノ酸、22個のアミノ酸、23個のアミノ酸、または24個のアミノ酸である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、10〜23、10〜22、10〜21、10〜20、10〜19、10〜18、10〜17、10〜16、10〜15、10〜14、10〜13、または10〜12個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、11〜24、12〜24、13〜24、14〜24、15〜24、16〜24、17〜24、18〜24、19〜24、20〜24、21〜24、または22〜24個のアミノ酸の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、11個のアミノ酸〜23個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、11〜22、11〜21、11〜20、11〜19、11〜18、11〜17、11〜16、11〜15、11〜14、または11〜13個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、12〜23、13〜23、14〜23、15〜23、16〜23、17〜23、18〜23、19〜23、20〜23、または21〜23個のアミノ酸の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、12個のアミノ酸〜22個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、12〜21、12〜20、12〜19、12〜18、12〜17、12〜16、12〜15、または12〜14個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、13〜22、14〜22、15〜22、16〜22、17〜22、18〜22、19〜22、または20〜22個のアミノ酸の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、13個のアミノ酸〜21個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペ
プチド模倣大環状分子の長さは、13〜20、13〜19、13〜18、13〜17、13〜16、または13〜15個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、14〜21、15〜21、16〜21、17〜21、18〜21、または19〜21個のアミノ酸の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、14個のアミノ酸〜20個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、〜19、14〜18、14〜17、または14〜16個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、15〜20、16〜20、17〜20、または18〜20個のアミノ酸の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、15個のアミノ酸〜19個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、15〜18個または15〜17個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、16〜19個または17〜19個のアミノ酸の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、16個のアミノ酸〜18個のアミノ酸の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、17個である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、14個である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、15個である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、16個である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、17個である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、18個である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、19個である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、20個である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、21個である。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドのvon Heijne値に基づいて調製することができる。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、2〜9の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、2、3、4、5、6、7、8、または9であり、それらの間のすべての値を含む。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、2〜8、2〜7、2〜6、2〜5、2〜4、または2〜3の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、3〜9、4〜9、5〜9、6〜9、7〜9、または8〜9の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、3〜8の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、3〜7、3〜6、3〜5、または3〜4の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、4〜8、5〜8、6〜8、または7〜9の範囲である。
一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、4〜7の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、4〜6または4〜5の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、5〜7または5〜6の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、4〜6の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、4〜5の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、および5.5を含む4.5〜5.5の範囲であり、それらの間のすべての値を含む。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、4.5〜9.5の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、4.5〜8.5、4.5〜7.5、4.5〜6.5、5.5〜9.5、5.5〜8.5、5.5〜7.5、5.5〜6.5、6.5〜9.5
、6.5〜8.5、6.5〜7.5、7.5〜9.5、または7.5〜8.5の範囲である。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ペプチドによって担持されている正味電荷に基づいて調製することができる。例えば、多数の負電荷を担持しているペプチド模倣大環状分子は、細胞透過性が低い可能性がある。多数の正電荷を担持しているペプチド模倣大環状分子は、良好な細胞透過性を有することができるが、望ましくない細胞損傷(例えば、細胞溶解)を引き起こす可能性がある。調製されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドが細胞透過性であるが、細胞に損傷を与えない(例えば、細胞溶解を引き起こさない)ような、正味電荷を担持することができる。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、−4、−3、−2、−1、0、+1、および+2を含む−4〜+2の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、−3、−2、−1、0および+1を含む−3〜+1の範囲である。
一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、−2、−1、および0を含む−2〜0の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、0であるか、または負である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、正ではない。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、0であるか、または正ではない。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、−2である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、−1である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、0である。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドのアラニン含量に基づいて調製することができる。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、15%〜50%の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、および50%であってよく、それらの間のすべての値を含む。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、15%〜45%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、15%〜40%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、15%〜35%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、20%〜50%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、20%〜45%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、20%〜40%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、20%〜35%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、20%〜30%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、20%〜25%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、25%〜50%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、25%〜45%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、25%〜40%の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、および40%であってよく、それらの間のすべての値を含む。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、25%〜35%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子
のアラニン含量は、25%〜30%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、30%〜50%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、30%〜45%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、30%〜40%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、30%〜35%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、35%〜50%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、35%〜45%の範囲である。一部の実施形態では、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、35%〜40%の範囲である。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの長さおよびvon
Heijne値に基づいて調製することができる。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、10個のアミノ酸〜24個のアミノ酸、11個のアミノ酸〜23個のアミノ酸、12個のアミノ酸〜22個のアミノ酸、13個のアミノ酸〜21個のアミノ酸、14個のアミノ酸〜20個のアミノ酸、15個のアミノ酸〜19個のアミノ酸、または16個のアミノ酸〜18個のアミノ酸の範囲であり、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、2〜9、3〜8、4〜7、4〜6、または4〜5の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、10個のアミノ酸、11個のアミノ酸、12個のアミノ酸、13個のアミノ酸、14個のアミノ酸、15個のアミノ酸、16個のアミノ酸、17個のアミノ酸、18個のアミノ酸、19個のアミノ酸、20個のアミノ酸、または21個のアミノ酸であり、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、4.5〜5.5の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子は、14個のアミノ酸〜20個のアミノ酸の範囲の長さ、および4〜7の範囲のvon Heijne値を有する。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの長さおよびアラニン含量に基づいて調製することができる。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、10個のアミノ酸〜24個のアミノ酸、11個のアミノ酸〜23個のアミノ酸、12個のアミノ酸〜22個のアミノ酸、13個のアミノ酸〜21個のアミノ酸、14個のアミノ酸〜20個のアミノ酸、15個のアミノ酸〜19個のアミノ酸、または16個のアミノ酸〜18個のアミノ酸の範囲であり、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、および50%を含む15%〜50%の範囲であり、それらの間のすべての値を含む。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、10個のアミノ酸、11個のアミノ酸、12個のアミノ酸、13個のアミノ酸、14個のアミノ酸、15個のアミノ酸、16個のアミノ酸、17個のアミノ酸、18個のアミノ酸、19個のアミノ酸、20個のアミノ酸、または21個のアミノ酸であり、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、および40%を含む25%〜40%の範囲であり、それらの間のすべての値を含む。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子は、14個のアミノ酸〜20個のアミノ酸の範囲の長さ、および25%〜40%の範囲のアラニン含量を有する。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの長さおよび正味電荷に基づいて調製することができる。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、10個のアミノ酸〜24個のアミノ酸、11個のアミノ酸〜23個のアミノ酸、12個のアミノ酸〜22個のアミノ酸、13個のアミノ酸〜21個のアミノ酸、14個のアミ
ノ酸〜20個のアミノ酸、15個のアミノ酸〜19個のアミノ酸、または16個のアミノ酸〜18個のアミノ酸の範囲であり、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、−3、−2、−1、0および1を含む−3〜1の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子の長さは、10個のアミノ酸、11個のアミノ酸、12個のアミノ酸、13個のアミノ酸、14個のアミノ酸、15個のアミノ酸、16個のアミノ酸、17個のアミノ酸、18個のアミノ酸、19個のアミノ酸、20個のアミノ酸、または21個のアミノ酸であり、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、−3、−2、−1、0および1を含む−3〜1の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子は、14個のアミノ酸〜20個のアミノ酸の範囲の長さ、および−2〜0の範囲の正味電荷を有する。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドのvon Heijne値および正味電荷に基づいて調製することができる。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、2〜9、3〜8、4〜7、4〜6、または4〜5の範囲であり、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、−3、−2、−1、0および1を含む−3〜1の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、および5.5を含む4.5〜5.5の範囲であり、それらの間のすべての値も含み、調製されたペプチド模倣大環状分子の正味電荷は、−3、−2、−1、0および1を含む−3〜1の範囲である。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子は、4〜7の範囲のvon Heijne値、および−2〜0の範囲の正味電荷を有する。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドのvon Heijne値およびアラニン含量に基づいて調製することができる。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、2〜9、3〜8、4〜7、4〜6、または4〜5の範囲であり、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、および50%を含む15%〜50%の範囲であり、それらの間のすべての値を含む。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子のvon Heijne値は、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、および5.5を含む4.5〜5.5の範囲であり、それらの間のすべての値も含み、調製されたペプチド模倣大環状分子のアラニン含量は、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、および40%を含む25%〜40%の範囲であり、それらの間のすべての値を含む。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子は、4〜7の範囲のvon Heijne値、および25%〜40%の範囲のアラニン含量を有する。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの長さ、von Heijne値およびアラニン含量に基づいて調製することができる。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子は、14個のアミノ酸〜20個のアミノ酸の範囲の長さ、4〜7の範囲のvon Heijne値、および25%〜40%の範囲のアラニン含量を有する。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドのvon Heijne値および正味電荷に基づいて調製することができる。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子は、14個のアミノ酸〜20個のアミノ酸の範囲の長さ、4〜7の範囲のvon Heijne値、および−2〜0の範囲の正味電荷を有する。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドのvon Heijne値、正味電荷、およびアラニン含量に基づいて調製することができる。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子は、4〜7の範囲のvon Heijne値、−2〜0の範囲の正味電荷、および25%〜40%の範囲のアラニン含量を有する。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの長さ、正味電荷、およびアラニン含量に基づいて調製することができる。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子は、14個のアミノ酸〜20個のアミノ酸の長さ、−2〜0の範囲の正味電荷、および25%〜40%の範囲のアラニン含量を有する。
細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、そのアミノ酸配列の長さ、そのvon Heijne値、その正味電荷、およびそのアミノ酸配列のアラニン含量に基づいて調製することができる。例えば、調製されたペプチド模倣大環状分子は、14個のアミノ酸〜20個のアミノ酸の長さ、4〜7の範囲のvon Heijne値、−2〜0の範囲の正味電荷、および25%〜40%のアラニン含量を有する。
一部の実施形態では、細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの逆相HPLC保持時間に基づいて調製することができる。
一部の実施形態では、細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、ポリペプチドの両親媒性に基づいて調製することができる。
一部の実施形態では、細胞透過性が増強されたペプチド模倣大環状分子は、例えば調製されたペプチド模倣大環状分子が、ポリペプチド溶液の濁度の視覚的試験に基づいて可溶性であると決定される場合、ポリペプチドの溶解度に基づいて調製することができる。
α−ヘリシティを決定するためのアッセイ
溶液中、α−ヘリカルドメインを有するポリペプチドの二次構造は、ランダムコイル構造とα−ヘリカル構造の間の動的平衡に達し、これはしばしば「ヘリシティ百分率(percent helicity)」と表される。したがって、例えばアルファ−ヘリカルドメインは、溶
液中、α−ヘリカル含量が通常25%未満の、主にランダムコイルである。他方では、最適化リンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、例えば対応する未架橋のポリペプチドのアルファ−ヘリシティの少なくとも2倍のアルファ−ヘリシティを有する。一部の実施形態では、大環状分子は、50%超のアルファ−ヘリシティを有する。ペプチド模倣大環状分子のヘリシティをアッセイするために、化合物を、水溶液に溶解させる(例えばpH7の50mMリン酸カリウム溶液、または蒸留水(distilled H2O)で、濃度25〜50μMまで)。円二色性(CD)スペクトルを、分光偏光計(例えば、Jasco J−710)で、標準測定パラメータ(例えば、温度、20℃;波長、190〜260nm;ステップ分解能、0.5nm;速度、20nm/秒;蓄積、10;応答、1秒;バンド幅、1nm;路長、0.1cm)を使用して得る。各ペプチドのα−ヘリカル含量は、平均残基楕円率(例えば[Φ]222obs)を、モデルヘリカルデカペプチドについて記録された値で割ることによって算出される(Yangら(1986年)、Methods Enzymol. 1
30巻:208頁))。
融解温度(Tm)を決定するためのアッセイ
α−ヘリックスなどの二次構造を含むペプチド模倣大環状分子は、例えば、対応する未架橋ポリペプチドよりも高い融解温度を呈する。典型的に、ペプチド模倣大環状分子は、
>60℃のTmを呈し、これは、水溶液中で高度に安定な構造を表している。融解温度に対する大環状分子の形成の効果をアッセイするために、ペプチド模倣大環状分子または非修飾ペプチドを、蒸留水に溶解させ(例えば最終濃度50μM)、Tmを、分光偏光計(例えば、Jasco J−710)で、標準パラメータ(例えば、波長222nm;ステップ分解能、0.5nm;速度、20nm/秒;蓄積、10;応答、1秒;バンド幅、1nm;温度上昇速度:1℃/分;路長、0.1cm)を使用して、ある温度範囲(例えば4〜95℃)にわたって楕円率の変化を測定することによって決定する。
プロテアーゼ抵抗性アッセイ
ペプチド骨格のアミド結合は、プロテアーゼによる加水分解を受けやすく、それによってペプチド化合物がin vivoで急速に分解されやすくなる。しかし、ペプチドヘリックスが形成されると、典型的にアミド骨格が埋め込まれ、したがってアミド骨格がタンパク分解的切断から保護され得る。ペプチド模倣大環状分子を、in vitroでトリプシンタンパク質分解に付して、対応する未架橋ポリペプチドと比較して分解速度の任意の変化について評価することができる。例えば、ペプチド模倣大環状分子および対応する未架橋ポリペプチドを、トリプシンアガロースと共にインキュベートし、遠心分離によって様々な時点で反応をクエンチし、その後HPLC注入処理して、280nmの紫外吸収によって残留基質を定量する。簡潔には、ペプチド模倣大環状分子およびペプチド模倣前駆体(5mcg)を、トリプシンアガロース(Pierce)(S/E約125)と共に0分間、10分間、20分間、90分間、および180分間インキュベートする。反応を、高速の卓上遠心分離によってクエンチし、単離された上清中の残留した基質を、280nmにおけるHPLCベースのピーク検出によって定量する。タンパク分解的反応は、一次反応速度を呈し、速度定数kは、ln[S]対時間(k=−1X勾配)のプロットから決定される。
Ex Vivo安定性アッセイ
最適化リンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、例えば、対応する未架橋ポリペプチドのex vivo半減期の少なくとも2倍のex vivo半減期を有し、12時間またはそれを超えるex vivo半減期を有する。ex vivo血清安定性研究のために、様々なアッセイを使用することができる。例えば、ペプチド模倣大環状分子および対応する未架橋ポリペプチド(2mcg)を、新鮮なマウス、ラットおよび/またはヒトの血清(2mL)と共に37℃で0時間、1時間、2時間、4時間、8時間、および24時間インキュベートする。無傷化合物のレベルを決定するために、以下の手順を使用することができる。試料を、血清100μlを2ml遠心管に移した後、50%ギ酸10μLおよびアセトニトリル500μLを添加し、4±2℃において14,000RPMで10分間遠心分離処理することによって抽出する。次に、上清を新しい2ml管に移し、Turbovapで、N<10psiの下で37℃において蒸発させる。試料を、50:50アセトニトリル:水100μLで再構成し、LC−MS/MS分析に付す。
in vitro結合アッセイ
アクセプタータンパク質へのペプチド模倣大環状分子およびペプチド模倣前駆体の結合および親和性を評価するために、例えば蛍光偏光アッセイ(FPA)が使用される。FPA技術により、偏光および蛍光トレーサーを使用して分子の配向および可動性を測定する。見かけの高分子量を有する分子に結合している蛍光トレーサー(例えば、FITC)(例えば、大きいタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、偏光で励起されると、より小さい分子に結合している蛍光トレーサー(例えば、溶液中で遊離状態であるFITC標識ペプチド)と比較して回転速度が低いことに起因して、より高レベルの偏光蛍光を
放射する。
例えば、フルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子(25nM)を、結合バッファー(140mMのNaCl、50mMのTris−HCL、pH7.4)中、アクセプタータンパク質(25〜1000nM)と共に室温で30分間インキュベートする。結合活性を、例えば発光分光光度計(例えばPerkin−Elmer LS50B)で蛍光偏光によって測定する。Kd値は、非線形回帰分析によって、例えばGraphpad Prismソフトウェア(GraphPad Software,Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して決定することができる。ペプチド模倣大環状分子は、一部の実施形態では、対応する未架橋ポリペプチドに類似の、またはそれよりも低いKdを示す。
ペプチド−タンパク質相互作用のアンタゴニストを特徴付けるためのin vitroディスプレイスメントアッセイ
ペプチドとアクセプタータンパク質の間の相互作用を拮抗する化合物の結合および親和性を評価するために、例えばペプチド模倣前駆体配列から得られた、フルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子を利用する蛍光偏光アッセイ(FPA)が使用される。FPA技術により、偏光および蛍光トレーサーを使用して分子の配向および可動性を測定する。見かけの高分子量を有する分子に結合している蛍光トレーサー(例えば、FITC)(例えば、大きいタンパク質に結合したFITC標識ペプチド)は、偏光で励起されると、より小さい分子に結合している蛍光トレーサー(例えば、溶液中で遊離状態であるFITC標識ペプチド)と比較して回転速度が低いことに起因して、より高レベルの偏光蛍光を放射する。フルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子とアクセプタータンパク質との間の相互作用を拮抗する化合物は、競合的結合FPA実験で検出される。
例えば、推定上のアンタゴニスト化合物(1nM〜1mM)およびフルオレセイン化ペプチド模倣大環状分子(25nM)を、結合バッファー(140mMのNaCl、50mMのTris−HCL、pH7.4)中、アクセプタータンパク質(50nM)と共に室温で30分間インキュベートする。アンタゴニスト結合活性を、例えば発光分光光度計(例えばPerkin−Elmer LS50B)で蛍光偏光によって測定する。Kd値は、非線形回帰分析によって、例えばGraphpad Prismソフトウェア(GraphPad Software,Inc.、カリフォルニア州サンディエゴ)を使用して決定することができる。
このアッセイでは、小さい有機分子、ペプチド、オリゴヌクレオチドまたはタンパク質などの任意のクラスの分子を、推定上のアンタゴニストとして調査することができる。
親和性選択−質量分析によるタンパク質−リガンド結合のためのアッセイ
タンパク質に対する試験化合物の結合および親和性を評価するために、例えば親和性選択質量分析アッセイを使用する。タンパク質−リガンド結合実験は、システム全体の対照実験について概説されている以下の代表的手順に従って、1μMのペプチド模倣大環状分子と5μMのhMDM2を使用して実施する。ペプチド模倣大環状分子の40μM原液のDMSOアリコート1μLを、PBS19μL(リン酸緩衝食塩水:150mMのNaClを含有する50mM、pH7.5のリン酸緩衝液)に溶解させる。得られた溶液を、反復ピペット操作によって混合し、10000gで10分間遠心分離処理することによって清澄化する。得られた上清のアリコート4μLに、PBS中10μMのhMDM2 4μLを添加する。したがって、実験試料各8.0μLは、PBS中5.0μM濃度のタンパク質40pmol(1.5μg)と、1μMペプチド模倣大環状分子および2.5%DMSOを含有している。こうして濃度点ごとに調製した二つ組の試料を、室温で60分間インキュベートし、次に4℃に冷やした後、5.0μL注入のサイズ排除クロマトグラフィー−LC−MS分析を行う。標的タンパク質、タンパク質−リガンド複合体、および非結合化合物を含有する試料を、SECカラム上に注入し、そこで急速なSECステップによ
って複合体を非結合構成成分から分離する。SECカラム溶離液を、UV検出器を使用してモニタすると、SECカラムのボイドボリュームに溶出する初期溶出タンパク質画分が、カラム上に保持されている非結合構成成分から十分に分離されることが確認される。タンパク質およびタンパク質−リガンド複合体を含有するピークは、一次UV検出器から溶出した後、試料ループに入り、そこでSEC段階のフローストリームから切り離され(excised)、弁機序を介してLC−MSに直接移される。ペプチド模倣大環状分子の(M+
3H)3+イオンを、ESI−MSによって、予測されるm/zにおいて観測し、タンパク質−リガンド複合体の検出を確実にする。
タンパク質−リガンドのKd滴定実験のためのアッセイ
タンパク質に対する試験化合物の結合および親和性を評価するために、例えば、タンパク質−リガンドのKd滴定実験を実施する。タンパク質−リガンドのK滴定実験を、以下の通り実施する。滴定剤ペプチド模倣大環状分子の連続希釈原液(5、2.5、...、0.098mM)のDMSOアリコート2μLを調製し、次にPBS38μLに溶解させる。得られた溶液を、反復ピペット操作によって混合し、10000gで10分間遠心分離処理することによって清澄化する。得られた上清のアリコート4.0μLに、PBS中10μMのhMDM2 4.0μLを添加する。したがって、実験試料各8.0μLは、PBS中5.0μM濃度のタンパク質40pmol(1.5μg)、様々な濃度(125、62.5、...、0.24μM)の滴定剤ペプチドおよび2.5%DMSOを含有している。こうして濃度点ごとに調製した二つ組の試料を、室温で30分間インキュベートし、次に4℃に冷やした後、2.0μL注入のSEC−LC−MS分析を行う。(M+H)1+、(M+2H)2+、(M+3H)3+、および/または(M+Na)1+イオンは、「A General Technique to Rank Protein-Ligand Binding Affinities and Determine Allosteric vs. Direct Binding Site Competition in Compound
Mixtures.」Annis, D. A.;Nazef, N.;Chuang, C. C.;Scott, M. P.;Nash,
H. M. J. Am. Chem. Soc. 2004年、126巻、15495〜15503頁;また「ALIS: An Affinity Selection-Mass Spectrometry System for the Discovery and Characterization of Protein-Ligand Interactions」D. A. Annis、C.-C. Chuang、およびN. Nazef. In Mass Spectrometry in Medicinal Chemistry.
Wanner K、Hoefner G編: Wiley-VCH;2007年:121〜184頁。Mannhold R、Kubinyi H、Folkers G(シリーズ編者): Methods and Principles in Medicinal
Chemistryに記載の通り、ESI−MSによって観測し、抽出されたイオンクロマトグ
ラムを定量し、次に結合親和性Kを得るための等式にフィットさせる。
親和性選択−質量分析による競合結合実験のためのアッセイ
タンパク質に競合的に結合する試験化合物の能力を決定するために、例えば親和性選択質量分析アッセイを実施する。構成成分1つ当たり40μMのリガンド混合物を、3種の化合物のそれぞれの400μM原液のアリコート2μLをDMSO14μLと合わせることによって調製する。次に、構成成分の混合物1つ当たりこの40μMのアリコート1μLを、滴定剤ペプチド模倣大環状分子の連続希釈原液(10、5、2.5、...、0.078mM)のDMSOアリコート1μLと合わせる。これらの試料2μLを、PBS38μLに溶解させる。得られた溶液を、反復ピペット操作によって混合し、10000gで10分間遠心分離処理することによって清澄化する。得られた上清のアリコート4.0μLに、PBS中10μMのhMDM2タンパク質 4.0μLを添加する。したがって、実験試料各8.0μLは、PBS中5.0μM濃度のタンパク質40pmol(1.5μg)と、0.5μMのリガンド、2.5%DMSO、および様々な濃度(125、62.5、...、0.98μM)の滴定剤ペプチド模倣大環状分子を含有している。こうして濃度点ごとに調製した二つ組の試料を、室温で60分間インキュベートし、次に4℃に
冷やした後、2.0μL注入のSEC−LC−MS分析を行う。これらおよび他の方法のさらなる詳細は、「A General Technique to Rank Protein-Ligand Binding Affinities and Determine Allosteric vs. Direct Binding Site Competition in
Compound Mixtures.」Annis, D. A.;Nazef, N.;Chuang, C. C.;Scott, M. P.;Nash, H. M. J. Am. Chem. Soc. 2004年、126巻、15495〜15
503頁;また「ALIS: An Affinity Selection-Mass Spectrometry System for the Discovery and Characterization of Protein-Ligand Interactions」D. A.
Annis、C.-C. Chuang、およびN. Nazef. In Mass Spectrometry in Medicinal
Chemistry. Wanner K、Hoefner G編: Wiley-VCH;2007年:121〜184頁
。Mannhold R、Kubinyi H、Folkers G(シリーズ編者): Methods and Principles in Medicinal Chemistryに提示されている。
無傷細胞における結合アッセイ
無傷細胞における、ペプチドまたはペプチド模倣大環状分子とそれらの天然アクセプターの結合を、免疫沈降実験によって測定することが可能である。例えば、無傷細胞は、血清がない状態でフルオレセイン化(FITC標識された)化合物と共に4時間インキュベートした後、血清代替物と共に、4〜18時間、さらにインキュベーションする。次に、細胞をペレット化し、溶解緩衝液(50mMのTris[pH7.6]、150mMのNaCl、1%CHAPSおよびプロテアーゼ阻害剤カクテル)中で4℃において10分間インキュベートする。抽出物を、14,000rpmで15分間遠心分離処理し、上清を収集し、ヤギ抗−FITC抗体10μlと共に2時間インキュベートし、4℃で回転させた後、タンパク質A/Gセファロース(50%ビーズスラリー50μl)と共に4℃でさらに2時間インキュベートする。急速遠心分離処理した後、ペレットを、漸増塩濃度(例えば、150mM、300mM、500mM)を含有する溶解緩衝液で洗浄する。次に、ビーズを150mMのNaClで再平衡化した後、SDSを含有する試料緩衝液を添加し、煮沸させる。遠心分離処理した後、上清を、任意選択で4%〜12%勾配のBis−Trisゲルを使用して電気泳動させた後、イモビロン−P膜に移す。ブロッキングした後、ブロットを、任意選択でFITCを検出する抗体と共にインキュベートし、また、ペプチド模倣大環状分子に結合するタンパク質を検出する1種または複数種の抗体と共にインキュベートする。
細胞透過性アッセイ
ペプチド模倣大環状分子は、例えば、対応する未架橋大環状分子と比較して、細胞透過性がより高い。最適化リンカーを有するペプチド模倣大環状分子は、例えば、対応する未架橋大環状分子の少なくとも2倍の細胞透過性を有し、適用したペプチド模倣大環状分子のしばしば20%またはそれ超が、4時間後に細胞を透過したことが観察される。ペプチド模倣大環状分子および対応する未架橋大環状分子の細胞透過性を測定するために、無傷細胞を、蛍光的に標識された(例えばフルオレセイン化)ペプチド模倣大環状分子または対応する未架橋大環状分子(10μM)と共に、無血清培地中で37℃において4時間インキュベートし、培地で2回洗浄し、トリプシン(0.25%)と共に37℃で10分間インキュベートする。細胞を再び洗浄し、PBSに再懸濁させる。細胞の蛍光を、例えば、FACSCaliburフローサイトメーターまたはCellomics’ KineticScan(登録商標)HCS Readerのいずれかを使用することによって分析する。
細胞の有効性アッセイ
ある特定のペプチド模倣大環状分子の有効性を、例えば細胞ベースの殺滅アッセイにお
いて、様々な腫瘍形成細胞株および非腫瘍形成細胞株、ならびにヒトまたはマウス細胞集団から得られた初代細胞を使用して決定する。細胞生存率を、例えば、ペプチド模倣大環状分子(0.5〜50μM)と共に24〜96時間かけてインキュベートしてモニタして、EC50<10μMで死滅させる細胞を同定する。細胞生存率を測定するいくつかの標準アッセイは、市販されており、任意選択でペプチド模倣大環状分子の有効性を評価するために使用される。さらに、アネキシンVおよびカスパーゼ活性化を測定するアッセイは、任意選択でペプチド模倣大環状分子が、アポトーシス機構を活性化することによって細胞を死滅させるかどうかを評価するために使用される。例えば、Cell Titer−gloアッセイを使用し、それによって、細胞生存率を細胞内ATP濃度の関数として決定する。
In Vivo安定性アッセイ
ペプチド模倣大環状分子のin vivo安定性を調査するために、化合物を、例えば0.1〜50mg/kgの濃度でIV、IP、POまたは吸入経路によってマウスおよび/またはラットに投与し、注射の0分後、5分後、15分後、30分後、1時間後、4時間後、8時間後および24時間後に血液被検物を得る。次に、新鮮な血清25μL中の無傷化合物のレベルを、上の通りLC−MS/MSによって測定する。
動物モデルにおけるin vivo有効性
ペプチド模倣大環状分子のin vivoでの抗発癌活性を決定するために、化合物を、例えば単独で(IP、IV、PO、吸入、または経鼻経路によって)、または準最適用量の関連化学療法剤(例えば、シクロホスファミド、ドキソルビシン、エトポシド)と組み合わせて投与する。一例では、ルシフェラーゼを安定に発現する5×10個のRS4;11細胞(急性リンパ芽球性白血病の患者の骨髄から樹立された)を、NOD−SCIDマウスを全身照射に付した3時間後に尾静脈注射する。この白血病の形態は、処置せずにおくと、このモデルでは3週間で致死的なものになる。白血病は、例えばマウスにD−ルシフェリン(60mg/kg)を注射し、麻酔下の動物を画像化することによって(例えば、Xenogen In Vivo Imaging System、Caliper Life Sciences、マサチューセッツ州ホプキントン)、容易にモニタされる。全身バイオルミネセンスは、Living Image Software(Caliper Life Sciences、マサチューセッツ州ホプキントン)により、光量子束(光子/秒)の積分によって定量される。ペプチド模倣大環状分子は、単独で、または準最適用量の関連化学療法剤と組み合わせて、例えば白血病マウス(バイオルミネセンス範囲14〜16で、注射/実験1日目の10日後)に、尾静脈またはIP経路によって、0.1mg/kg〜50mg/kgの用量で7〜21日間投与される。任意選択で、マウスを、実験中2日ごとに画像化し、実験期間中、生存を毎日モニタする。死亡したマウスは、任意選択で実験の最後に剖検する。別の動物モデルは、安定にルシフェラーゼを発現する、ヒト濾胞性リンパ腫から得られた細胞株であるDoHH2のNOD−SCIDマウスへの移植である。これらのin vivo試験により、任意選択で薬物動態学的、薬力学的および毒性学的な予備データを作成する。
臨床治験
ヒトを処置するためのペプチド模倣大環状分子の適合性を決定するために、臨床治験を実施する。例えば、固形腫瘍を有していると診断され、処置が必要な患者を選択し、処置群と1つまたは複数の対照群に分離することができ、ここで処置群にはペプチド模倣大環状分子を投与し、対照群にはプラセボまたは公知の抗がん薬物を投与する。したがって、ペプチド模倣大環状分子による処置の安全性および有効性は、生存および生活の質などの
因子に関して患者群を比較することによって評価することができる。この例では、ペプチド模倣大環状分子で処置した患者群は、プラセボで処置した患者対照群と比較して、改善された生存期間の延長を示し得る。
化学的安定性
本明細書に開示の水性医薬製剤の化学的安定性をアッセイするために、水性医薬製剤1mLを、直径13mmのストッパーを有する2mLのバイアルに充填する。より小さいサイズのバイアルは、生成物の安定性に対する任意の容器/閉鎖効果を増幅するはずの表面積対体積比を大きくする一助になり得る。バイアルのすべての表面が曝露されることを確実にするために、バイアルを倒置で保存することができる。バイアルを、所望のアッセイ温度で、例えば−20℃、5℃、20℃、および40℃で所望のアッセイ時間、例えば1カ月、2カ月、3カ月または6カ月間保存する。試料を、逆相HPLCによって分析する。表8〜12および14〜17は、この研究の結果を図示している。試料を、微粒子物質について分析することもできる。
インフルエンザ複製を阻害するためのin vitro試験
このインフルエンザ抗ウイルス評価アッセイでは、指定の用量応答濃度における化合物の効果を調べる。Noah, J.W.、W. Severson、D.L. Noah、L. Rasmussen、E.L. White、およびC.B. Jonsson、Antiviral Res、2007年.73巻(1号):50〜9頁も参照されたい。メイディンダービーイヌ腎臓(MDCK)細胞を、インフルエンザ感染症によって誘導された細胞変性効果(CPE)を防止する化合物の有効性を試験するためのアッセイで使用する。陽性対照化合物として、リバビリンまたはタミフルのいずれかが、それぞれの実施に含まれる。MDCK細胞のサブコンフルエント培養物を、細胞生存率(細胞傷害性)および抗ウイルス活性(CPE)の分析のために96ウェルプレートに蒔く。薬物を、24時間後に細胞に添加する。また指定の時間に、CPEウェルに、100組織培養感染量(100TCID50)の力価を有するインフルエンザウイルスを入れる。72時間後に、細胞生存率を決定する。ウイルス誘導性CPEを25%(IC25)、50%(IC50)、および90%(IC90)低減する有効化合物濃度を、回帰分析によって片対数曲線フィットを用いて算出する。細胞生存率を、CellTiter−Glo(Promega)を使用して評価する。細胞数を50%および90%低減する薬物の毒性濃度(それぞれTC50およびTC90)も算出する。選択(治療)指標(SI=TC/IC)も算出する。
インフルエンザ複製を阻害するためのin vivo試験
哺乳動物、例えばラットまたはフェレットに対する試験を含む、化合物のin vivo試験を実施することができる。フェレット(Mustela putorius furo)は、ヒトインフルエンザAおよびBウイルスに自然に感染しやすく、その疾患はヒトインフルエンザ疾患に類似しているので、これらの動物は、インフルエンザウイルスの病変形成および免疫研究のモデルとして広く使用されている。Sidwell, R.W.およびD.F.
Smee、Antiviral Res、2000年、48巻(1号):1〜16頁;およびColacino,
J.M.、D.C. DeLong、J.R. Nelson、W.A. Spitzer、J. Tang、F. Victor、およびC.Y. Wu、Antimicrob Agents Chemother、1990年、34巻(11号):2156〜63頁参照。またフェレットは、哺乳動物におけるトリインフルエンザウイルスH5N1の病変形成の研究のための最適なモデルである。Zitzow, L.A.、T. Rowe、T. Morken
、W.-J. Shieh、S. Zaki、およびJ.M. Katz、Pathogenesis of Avian Influenza A (H5N1) Viruses in Ferrets. 2002年、4420〜4429頁も参照されたい。PB1ステープルペプチドの活性は、陽性対照としてのリバビリンまたはオセルタミビ
ルと比較することができる。
簡潔には、現在蔓延しているヒトインフルエンザAまたはBウイルスに関する赤血球凝集阻害アッセイによって血清学的に陰性の、若年成体の雄性または雌性フェレット(処置群ごとに5匹のフェレット)を、感染前少なくとも4日間、BSL−3+動物保持領域に隔離し、そこでバイオクリーン携帯型の層流クリーンルームの囲い(Lab Products、デラウェア州シーフォード)に入れたケージに収容する。感染の前に、ベースライン温度を、1日2回少なくとも3日間測定する。フェレットを、筋肉内経路によってケタミン(25mg/kg)、キシラジン(2mg/kg)、およびアトロピン(0.05mg/kg)で麻酔し、鼻孔に送達した、リン酸緩衝食塩水(PBS)中のウイルス/mLで鼻腔内(i.n.)感染させる。対照動物を、等価希釈(1:30)の非伝染性尿膜腔液でモック感染させる。ステープルペプチドを、ウイルス感染の1時間後に、i.v.またはi.p.投与する。温度を、直腸温度計または皮下埋め込み型の温度トランスポンダー(BioMedic Data Systems,Inc.、デラウェア州シーフォード)のいずれかを使用して、1日2回測定し、フェレットごとにプレ感染(pre-infection)値を平均してベースライン温度を得る。温度変化(摂氏)を、各時点において動物
ごとに算出する。くしゃみの臨床徴候(麻酔前)、食欲不振、呼吸困難、および活動レベルを評価する。また、点数化システムを使用して、活動レベルを評価し、毎日の点数に基づいて、一群の動物ごとに相対的な不活動指数を算出する。直腸温度および活動点数を使用して、インフルエンザ感染症の重症度およびステープルペプチドがインフルエンザ症状を防止する能力を評価する。
ウイルスポリメラーゼ複合体の集合および活性の阻害をアッセイする
化合物をアッセイするために、二分子蛍光相補(「BiFC」)技術を使用することができる。この技術では、蛍光性タンパク質(例えばGFPまたはその誘導体)のN末端およびC末端断片を、相互作用タンパク質に融合させる。フルオロフォアの2つの非機能的な半分を、細胞に発現させた後、特異的なタンパク質相互作用の結果として近接させ、それによって活性タンパク質への断片のフォールディングを惹起し、タンパク質−タンパク質複合体の部位において検出可能な蛍光シグナルをもたらす。したがって、BiFCにより、PB1サブユニットとPAサブユニットとの間の特異的相互作用を視覚化し、定量し、生細胞内に局所化することができる。PB1−PA相互作用を化合物で妨害することによって、BiFCシグナルが低下するが、このことは、PB1−PA複合体の集合体を標的化する潜在的な阻害剤が存在することを示している。Hemerkaら、J. Virol. 200
9年、3944〜3955頁参照。
水性医薬製剤の製造
本開示の別の態様は、本明細書に開示の水性医薬製剤を作製する方法に関する。該方法は、少なくとも1つのペプチド模倣大環状分子、または薬学的に許容されるその塩を水溶液に溶解させるステップを含む。該方法は、いくらか時間を追加してペプチド混合物を撹拌するステップをさらに含むことができる。例えば、ペプチド混合物は、1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、15分間、30分間、45分間、1時間、1.5時間、2時間追加して、またはそれを超えて撹拌することができる。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、水溶液に一度に添加される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、水溶液に、例えば少なくとも約1分間、2分間、3分間、4分間、5分間、6分間、7分間、8分間、9分間、10分間、15分間、30分間、45分間、1時間、1.5時間、2時間にわたって、またはそれを超えてゆっくり添加される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、最大で約2時間、1
.5時間、1時間、45分間、30分間、15分間、10分間、9分間、8分間、7分間、6分間、5分間、4分間、3分間、2分間、1分間にわたって、またはそれ未満でゆっくり添加される。
水溶液は、水性賦形剤を含む。水性賦形剤の量は、製剤の約10〜99%w/vの範囲であり得る。一部の実施形態では、製剤中の水性賦形剤の量は、約50〜99%w/vである。例えば、水性賦形剤の量は、約50〜95%w/v、約50〜90%w/v、約50〜85%w/v、約50〜80%w/v、約50〜75%w/v、約50〜70%w/v、約50〜65%w/v、約50〜60%w/v、約50〜55%w/v、約55〜95%w/v、約55〜90%w/v、約55〜85%w/v、約55〜80%w/v、約55〜75%w/v、約55〜70%w/v、約55〜65%w/v、約55〜60%w/v、約60〜95%w/v、約60〜90%w/v、約60〜85%w/v、約60〜80%w/v、約60〜75%w/v、約60〜70%w/v、約60〜65%w/v、約65〜95%w/v、約65〜90%w/v、約65〜85%w/v、約65〜80%w/v、約65〜75%w/v、約65〜70%w/v、約70〜95%w/v、約70〜90%w/v、約70〜85%w/v、70〜80%w/v、約70〜75%w/v、約75〜95%w/v、約75〜90%w/v、約75〜85%w/v、約75〜80%w/v、約70〜95%w/v、約70〜90%w/v、約70〜85%w/v、約70〜80%w/v、約70〜75%w/v、約75〜95%w/v、約75〜90%w/v、約75〜85%w/v、約75〜80%w/v、約80〜95%w/v、約80〜90%w/v、約80〜85%w/v、約85〜95%w/v、約85〜90%w/v、または約90〜95%w/vの範囲である。一部の実施形態では、製剤中の水性賦形剤の量は、約85〜99%w/vである。一部の実施形態では、製剤中の水性賦形剤の量は、約85%w/v、約86%w/v、約87%w/v、約88%w/v、約89%w/v、約90%w/v、約91%w/v、約92%w/v、約93%w/v、約94%w/v、約95%w/v、約96%w/v、約97%w/v、約98%w/v、または約99%w/vである。一部の実施形態では、製剤中の水性賦形剤の量は、約90%w/vである。一部の実施形態では、製剤中の賦形剤の量は、約10%w/v、約20%w/v、約30%w/v、約40%w/v、約50%w/v、約60%w/v、約70%w/v、約80%w/v、または約90%w/vである。一部の実施形態では、賦形剤は、水(例えば、注射用水)であり、製剤の約90%w/vを構成する。
本明細書に開示の水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子の量は、約0.0001〜50.0%w/vの範囲であり得る。例えば、ペプチド模倣大環状分子の量は、約0.0001〜10.0w/v%、約0.005〜10.0%w/v、約0.01〜10.0%w/v、約0.05〜10.0%w/v、約0.1〜10.0%w/v、約0.5〜10.0%w/v、約1.0〜10.0%w/v、約2.0〜10.0%w/v、約3.0〜10.0%w/v、約4.0〜10.0%w/v、約5.0〜10.0%w/v、6.0〜10.0%w/v、約7.0〜10.0%w/v、約8.0〜10.0%w/v、約9.0〜10.0%w/v、約0.0001〜5.0w/v%、約0.005〜5.0%w/v、約0.01〜5.0%w/v、約0.05〜5.0%w/v、約0.1〜5.0%w/v、約0.5〜5.0%w/v、約1.0〜5.0%w/v、約2.0〜5.0%w/v、約3.0〜5.0%w/v、約4.0〜5.0%w/v、約0.0001〜2.0w/v%、約0.005〜2.0%w/v、約0.01〜2.0%w/v、約0.05〜2.0%w/v、約0.1〜2.0%w/v、約0.5〜2.0%w/v、または約1.0〜2.0%w/vであり得る。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、p53ベースのペプチド模倣大環状分子であり、その量は、約0.1〜5.0%w/v、例えば約1.0%w/v、約1.5%w/v、または約2.0%w/vである。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子の量は、約1〜20.0%w/v、5〜
20.0%w/v、約7〜20.0%w/v、約10〜20.0%w/v、約12〜20.0%w/v、15〜20.0%w/v、17〜20.0%w/v、約5〜25.0%w/v、7〜25.0%w/v、10〜25.0%w/v、12〜25.0%w/v、15〜25.0%w/v、17〜25.0%w/v、20〜25.0%w/v、または22〜25.0%w/v;5〜35.0%w/v、7〜35.0%w/v、10〜35.0%w/v、12〜35.0%w/v、15〜35.0%w/v、17〜35.0%w/v、20〜35.0%w/v、22〜35.0%w/v、25〜35.0%w/v、27〜35.0%w/v、30〜35.0%w/v、または32〜35.0%w/v;5〜40.0%w/v、7〜40.0%w/v、約10〜40.0%w/v、約12〜40.0%w/v、約15〜40.0%w/v、約17〜40.0%w/v、約20〜40.0%w/v、22〜40.0%w/v、25〜40.0%w/v、27〜40.0%w/v、30〜40.0%w/v、33〜40.0%w/v、35〜40.0%w/v、または37〜40.0%w/v;5〜50.0%w/v、10〜50.0%w/v、12〜50.0%w/v、15〜50.0%w/v、20〜50.0%w/v、22〜50.0%w/v、25〜50.0%w/v、27〜50.0%w/v、30〜50.0%w/v、32〜50.0%w/v、35〜50.0%w/v、37〜50.0%w/v、40〜50.0%w/v、42〜50.0%w/v、45〜50.0%w/v、または47〜50.0%w/vの範囲である。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子の量は、約0.5%、約1.0%、約1.5%、約2.0%、約2.5%、約3.0%、約3.5%、約4.0%、約4.5%、約5.0%、約5.5%、約6.0%、約6.5%、約7.0%、約7.5%、約8.0%、約8.5%、約9.0%、約9.5、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%w/vである。
本明細書に開示の水性医薬製剤中のペプチド模倣大環状分子の濃度は、約1〜100mg/mLの範囲であり得る。一部の実施形態では、製剤中のペプチド模倣大環状分子の量は、約1〜5mg/mL、約1〜10mg/mL、約1〜15mg/mL、約1〜20mg/mL、約1〜25mg/mL、約1〜30mg/mL、約1〜35mg/mL、約1〜40mg/mL、約1〜45mg/mL、約1〜50mg/mL、約1〜60mg/mL、約1〜70mg/mL、約1〜80mg/mL、約1〜90mg/mL、約5〜10mg/mL、約5〜15mg/mL、約5〜20mg/mL、約5〜25mg/mL、約5〜30mg/mL、約5〜35mg/mL、約5〜40mg/mL、約5〜45mg/mL、約5〜50mg/mL、約5〜60mg/mL、約5〜70mg/mL、約5〜80mg/mL、約5〜90mg/mL、約5〜100mg/mL、約10〜15mg/mL、約10〜20mg/mL、約10〜25mg/mL、約10〜30mg/mL、約10〜35mg/mL、約10〜40mg/mL、約10〜45mg/mL、約10〜50mg/mL、約10〜60mg/mL、約10〜70mg/mL、約10〜80mg/mL、約10〜90mg/mL、約10〜100mg/mL、約15〜20mg/mL、約15〜25mg/mL、約15〜30mg/mL、約15〜35mg/mL、約15〜40mg/mL、約15〜45mg/mL、約15〜50mg/mL、約15〜60mg/mL、約15〜70mg/mL、約15〜80mg/mL、約15〜90mg/mL、約15〜100mg/mL、約20〜25mg/mL、約20〜30mg/mL、約20〜35mg/mL、約20〜40mg/mL、約20〜45mg/mL、約20〜50mg/mL、約20〜60mg/mL、約20〜70mg/mL、約20〜80mg/mL、約20〜90mg/mL、約20〜100mg/mL、約25〜30mg/mL、約25〜35mg/mL、約25〜40mg/mL、約25〜45mg/mL、約25〜50mg/mL、約25〜60mg/mL、約25〜70mg/mL、約25〜80mg/mL、約25〜90mg/mL、約25〜100mg/mL、約30〜35mg/mL、約30〜40mg/mL、約30〜45mg/mL、約30〜50mg/mL、約30〜60
mg/mL、約30〜70mg/mL、約30〜80mg/mL、約30〜90mg/mL、約30〜100mg/mL、約35〜40mg/mL、約35〜45mg/mL、約35〜50mg/mL、約35〜60mg/mL、約35〜70mg/mL、約35〜80mg/mL、約35〜90mg/mL、約35〜100mg/mL、約40〜45mg/mL、約40〜50mg/mL、約40〜60mg/mL、約40〜70mg/mL、約40〜80mg/mL、約40〜90mg/mL、約45〜50mg/mL、約45〜60mg/mL、約45〜70mg/mL、約45〜80mg/mL、約45〜90mg/mL、約40〜100mg/mL、約50〜60mg/mL、約50〜70mg/mL、約50〜80mg/mL、約50〜90mg/mL、約50〜100mg/mL、約60〜70mg/mL、約60〜80mg/mL、約60〜90mg/mL、約60〜100mg/mL、約70〜80mg/mL、約70〜90mg/mL、約70〜100mg/mL、約80〜90mg/mL、約80〜100mg/mLまたは約90〜100mg/mLである。一部の実施形態では、本開示の製剤中のペプチド模倣大環状分子の量は、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL、約10mg/mL、約11mg/mL、約12mg/mL、約13mg/mL、約14mg/mL、約15mg/mL、約16mg/mL、約17mg/mL、約18mg/mL、約19mg/mL、または約20mg/mLであり得る。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子の量は、約5mg/mL、約10mg/mL、約15mg/mLまたは約20mg/mLである。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、p53ベースのペプチド模倣大環状分子であり、その量は、約1〜20mg/mL、例えば約1.0mg/mL、約5mg/mL、約10mg/mL、約15mg/mLまたは約20mg/mLである。
一部の実施形態では、水溶液は、緩衝剤をさらに含む。このような実施形態では、本明細書に開示の水性医薬製剤を作製する方法は、少なくとも1種の緩衝剤を水性賦形剤に溶解させるステップ、および少なくとも1つのペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を添加するステップを含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は一度に添加される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、上記の期間にわたってゆっくり添加される。上記の通り、該方法は、ペプチド混合物を、少しの追加時間にわたって撹拌するステップをさらに含むことができる。
緩衝溶液の濃度は、約0.01〜100mMであり得る。一部の実施形態では、緩衝溶液の濃度は、少なくとも0.1mM、1mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM、60mM、70mM、80mM、90mM、100mMである。一部の実施形態では、緩衝溶液の濃度は、最大で0.1mM、1mM、10mM、20mM、30mM、40mM、50mM、60mM、70mM、80mM、90mM、100mMである。一部の実施形態では、緩衝剤の濃度は、約1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mM、20mM、21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mM、30mM、31mM、32mM、33mM、34mM、35mM、36mM、37mM、38mM、39mM、40mM、41mM、42mM、43mM、44mM、45mM、46mM、47mM、48mM、49mM、50mM、60mM、70mM、80mM、90mM、または100mMである。
該方法は、製剤のpHを維持するステップをさらに含むことができる。例えば、反応媒体のpHを維持すると同時にペプチド模倣大環状分子をそれに添加し、かつ/または溶解させる。pHは、pH調整剤を添加することによって維持され得る。上で記載され、本開示を通して記載されている任意の適切なpH調整剤を使用することができる。
本明細書に開示の方法に含まれ得る適切なpH調整剤の非限定的な例は、塩酸、水酸化ナトリウム、クエン酸、リン酸、乳酸、酒石酸、コハク酸、またはそれらの混合物である。一実施形態では、pH調整剤は、塩酸である。一実施形態では、pH調整剤は、水酸化ナトリウムである。一実施形態では、pH調整剤は、リン酸である。一実施形態では、pH調整剤は、乳酸である。一実施形態では、pH調整剤は、酒石酸である。一実施形態では、pH調整剤は、酒石酸である。一実施形態では、pH調整剤は、コハク酸である。一実施形態では、緩衝剤は、リン酸バッファであり、pH調整剤は、水酸化ナトリウムである。例えば、緩衝剤は、NaHPOであってよく、pH調整剤は、水酸化ナトリウムであってよく、または緩衝剤は、NaHPOであってよく、pH調整剤は、水酸化ナトリウムであってよく、他の緩衝剤は、NaHPOおよびNaHPOの混合物であってよく、pH調整剤は、水酸化ナトリウムであってよく、または緩衝剤は、KHPOであってよく、pH調整剤は、水酸化ナトリウムであってよく、または緩衝剤は、KHPOであってよく、pH調整剤は、水酸化ナトリウムであってよく、または緩衝剤は、KHPOおよびKHPOの混合物であってよく、pH調整剤は、水酸化ナトリウムであってよい。
一部の実施形態では、水性医薬製剤に添加されるpH調整剤の量は、約0.001〜1%w/vの範囲である。例えば、一部の実施形態では、存在するpH調整剤の量は、0.01〜0.1%w/v、0.1〜1%w/v、0.005〜1%w/v、0.05〜1%w/v、0.5〜1%w/v、0.001〜0.5%w/v、0.01〜0.5%w/v、0.1〜0.5%w/v、0.001〜0.1%w/v、または0.01〜0.1vvの範囲である。一部の実施形態では、製剤中に存在するpH調整剤の量は、約0.01〜0.1%w/vの範囲である。一部の実施形態では、製剤中に存在するpH調整剤の量は、少なくとも0.01%w/v、0.02%w/v、0.03%w/v、0.04%w/v、0.05%w/v、0.06%w/v、0.07%w/v、0.08%w/v、0.09%w/v、または0.1%w/vである。一部の実施形態では、製剤中に存在するpH調整剤の量は、最大で0.1%w/v、0.09%w/v、0.08%w/v、0.07%w/v、0.06%w/v、0.05%w/v、0.04%w/v、0.03%w/v、0.02%w/v、0.01%w/vである。
一部の実施形態では、水性医薬製剤に添加されるpH調整剤の量は、約0.01〜100mg/mLの範囲である。例えば、一部の実施形態では、存在するpH調整剤の量は、0.01〜50mg/mL、0.01〜10mg/mL、0.1〜100mg/mL、0.1〜50mg/mL、0.1〜10mg/mL、1〜100mg/mL、1〜50mg/mL、または1〜10mg/mLの範囲である。一部の実施形態では、製剤中に存在するpH調整剤の量は、約1〜10mg/mLの範囲である。一部の実施形態では、製剤中に存在するpH調整剤の量は、少なくとも1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、または10mg/mLである。一部の実施形態では、製剤中に存在するpH調整剤の量は、最大で10mg/mL、9mg/mL、8mg/mL、7mg/mL、6mg/mL、5mg/mL、4mg/mL、3mg/mL、2mg/mL、1mg/mLである。一部の実施形態では、製剤中に存在するpH調整剤の量は、約1mg/mL、約1.5mg/mL、約2mg/mL、約2.5mg/mL、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、約5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL、約10mg/mL、約12mg/mL、約14mg/mL、約16mg/mL、約18mg/mL、または約20mg/mLである。一部の実施形態では、製剤中に存在するpH調整剤の量は、製剤の約5mg/mLである。
一部の実施形態では、水溶液は、安定剤を含む。このような実施形態では、本明細書に開示の水性医薬製剤を作製する方法は、少なくとも1種の安定剤を少なくとも1種の水性
賦形剤に溶解させるステップ、および少なくとも1つのペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を添加するステップを含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、一度に添加される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、上記の期間にわたってゆっくり添加される。上記の通り、該方法は、ペプチド混合物を、少しの追加時間にわたって撹拌するステップをさらに含むことができる。
製剤中の安定剤の量は、約0.001〜1%w/vの範囲、例えば約0.001〜0.01%、約0.001〜0.1%w/v、約0.001〜0.5%w/v、約0.01〜0.1%w/v、約0.01〜0.5%w/v、約0.01〜0.1%w/v、約0.1〜0.5%w/vまたは約0.5〜1%w/vの範囲であり得る。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.01〜0.1%w/vである。一部の実施形態では、安定剤の量は、少なくとも約0.01%w/v、約0.02%w/v、約0.03%w/v、約0.04%w/v、約0.05%w/v、約0.06%w/v、約0.07%w/v、約0.08%w/v、約0.09%w/v、または約0.1%w/vである。一部の実施形態では、安定剤の量は、最大で約0.1%w/v、約0.09%w/v、約0.08%w/v、約0.07%w/v、約0.06%w/v、約0.05%w/v、約0.04%w/v、約0.03%w/v、約0.02%w/v、約0.01%w/vである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.01%w/v、約0.02%w/v、約0.03%w/v、約0.04%w/v、約0.05%w/v、約0.06%w/v、約0.07%w/v、約0.08%w/v、約0.09%w/v、または約0.1%w/vである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.01%w/vである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.02%w/vである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.03%w/vである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.04%w/vである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.05%w/vである。
一部の実施形態では、安定剤の量は、約0.01〜10mg/mLである。例えば、一部の実施形態では、安定剤の量は、約0.01〜5mg/mL、約0.01〜1mg/mL、約0.01〜0.5mg/mL、約0.01〜0.1mg/mL、約0.1〜10mg/mL、約0.1〜5mg/mL、約0.1〜1mg/mL、約0.1〜0.5mg/mL、約1〜10mg/mL、または約1〜5mg/mLである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.01〜1.0mg/mLの範囲である。
一部の実施形態では、安定剤の量は、少なくとも約0.1mg/mL、約0.2mg/mL、約0.3mg/mL、約0.4mg/mL、約0.5mg/mL、約0.6mg/mL、約0.7mg/mL、約0.8%mg/mL、約0.9mg/mL、または約1mg/mLである。一部の実施形態では、安定剤の量は、最大で約1mg/mL、約0.9mg/mL、約0.8mg/mL、約0.7mg/mL、約0.6mg/mL、約0.5mg/mL、約0.4mg/mL、約0.3mg/mL、約0.2mg/mL、または約0.1mg/mLである。
一部の実施形態では、安定剤の量は、約0.1mg/mL、約0.2mg/mL、約0.3mg/mL、約0.4mg/mL、約0.5mg/mL、約0.6mg/mL、約0.7mg/mL、約0.8mg/mL、約0.9mg/mL、または約1mg/mLである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.1mg/mLである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.2mg/mLである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.3mg/mLである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.4mg/mLである。一部の実施形態では、製剤中の安定剤の量は、約0.5mg/mLである。
一部の実施形態では、水溶液は、緩衝剤と安定剤の両方を含む。このような実施形態では、本明細書に開示の水性医薬製剤を作製する方法は、少なくとも1種の安定剤および少なくとも1種の緩衝剤を水性賦形剤に溶解させるステップ、および少なくとも1つのペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を添加するステップを含む。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、一度に添加される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、上記の期間にわたってゆっくり添加される。上記の通り、該方法は、ペプチド混合物を、少しの追加時間にわたって撹拌するステップをさらに含むことができる。
いくつかの例では、本明細書に開示の水性医薬製剤を作製する方法は、少なくとも1種の緩衝剤、少なくとも1種の張度調整剤および少なくとも1種の安定剤を少なくとも1種の水性賦形剤に溶解させるステップ、および少なくとも1つのペプチド模倣大環状分子または薬学的に許容されるその塩を添加するステップを含む。一部の実施形態では、緩衝剤、張度調整剤および安定化剤は、この順序で水性賦形剤に溶解させられる。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、一度に添加される。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、上記の期間にわたってゆっくり添加される。
本明細書に開示の水性医薬製剤中の張度調整剤の量は、約0.001〜50%w/v、例えば約0.001〜0.1%w/v、約0.001〜1.0%w/v、約0.001〜10%w/v、約1〜10%w/v、約1〜20%w/v、約1〜30%w/v、約1〜40%w/v、約1〜50%w/v、約5〜10%w/v、約5〜20%w/v、約5〜30%w/v、約5〜40%w/v、約5〜50%w/v、約10〜20%w/v、約10〜30%w/v、約10〜40%w/v、約10〜50%w/v、約15〜20%w/v、約15〜30%w/v、約15〜40%w/v、約15〜50%w/v、約20〜30%w/v、約20〜40%w/v、約20〜50%w/v、約25〜30%w/v、約25〜40%w/v、約25〜50%w/v、約30〜40%w/v、約30〜50%w/v、約35〜40%w/v、約35〜50%w/v、約40〜50%w/v、または約45〜50%w/vの範囲であり得る。一部の実施形態では、張度調整剤の量は、約1%w/v、約2%w/v、約3%w/v、約4%w/v、約5%w/v、約6%w/v、約7%w/v、約8%w/v、約9%w/v、または約10%w/vである。一部の実施形態では、張度調整剤の量は、約7%w/vである。一部の実施形態では、張度調整剤の量は、約8%w/vである。一部の実施形態では、張度調整剤の量は、約9%w/vである。一部の実施形態では、張度調整剤の量は、約10%w/vである。
張度調整剤の濃度は、約1〜500mg/mLの範囲で変わり得る。例えば、本明細書に開示の水性医薬製剤における張度調整剤の濃度は、約1〜400mg/mL、1〜300mg/mL、1〜200mg/mL、1〜100mg/mL、10〜500mg/mL、10〜400mg/mL、10〜300mg/mL、10〜200mg/mL、10〜100mg/mL、20〜500mg/mL、20〜400mg/mL、20〜300mg/mL、20〜200mg/mL、20〜100mg/mL、30〜500mg/mL、30〜400mg/mL、30〜300mg/mL、30〜200mg/mL、30〜100mg/mL、40〜500mg/mL、40〜400mg/mL、40〜300mg/mL、40〜200mg/mL、40〜100mg/mL、50〜500mg/mL、50〜400mg/mL、50〜300mg/mL、50〜200mg/mL、50〜100mg/mL、60〜500mg/mL、60〜400mg/mL、60〜30mg/mL、60〜200mg/mL、60〜100mg/mL、70〜500mg/mL、70〜400mg/mL、70〜300mg/mL、70〜200mg/mL、70〜100mg/mL、80〜500mg/mL、80〜400mg/mL、80〜300mg/mL、80〜200mg/mL、80〜200mg/mL、90〜500mg/mL、90〜400mg/mL、90〜300mg/mL、90〜200mg/mL、90〜1
00mg/mL、100〜500mg/mL、100〜400mg/mL、100〜300mg/mL、100〜200mg/mL、200〜500mg/mL、200〜400mg/mL、200〜300mg/mL、300〜500mg/mL、300〜400mg/mLまたは400〜500mg/mLの範囲であり得る。一部の実施形態では、張度調整剤の濃度は、約10mg/mL、約20mg/mL、約30mg/mL、約40mg/mL、約50mg/mL、約60mg/mL、約70mg/mL、約80mg/mL、約90mg/mL、または約100mg/mLである。一部の実施形態では、張度調整剤の濃度は、約50mg/mLである。一部の実施形態では、張度調整剤の濃度は、約80mg/mLである。一部の実施形態では、張度調整剤の濃度は、約100mg/mLである。一部の実施形態では、張度調整剤は、トレハロース(例えば、D−トレハロース)であり、その濃度は、約80mg/mLである。
一部の実施形態では、張度調整剤の濃度は、約100〜500mMである。例えば、本明細書に開示の水性医薬製剤における張度調整剤の濃度は、100〜400mM、100〜300mM、100〜200mM、200〜500mM、200〜400mM、200〜300mM、300〜500mM、300〜400mMまたは400〜500mMであり得る。一部の実施形態では、張度調整剤の濃度は、約200〜300mM、例えば210〜300mM、220〜300mM、230〜300mM、240〜300mM、250〜300mM、260〜300mM、270〜300mM、280〜300mM、290〜300mM、200〜290mM、210〜290mM、220〜290mM、230〜290mM、240〜290mM、250〜290mM、260〜290mM、270〜290mM、280〜290mM、200〜280mM、210〜280mM、220〜280mM、230〜280mM、240〜280mM、250〜280mM、260〜280mM、270〜280mM、200〜270mM、210〜270mM、220〜270mM、230〜270mM、240〜270mM、250〜270mM、260〜270mM、200〜260mM、210〜260mM、220〜260mM、230〜260mM、240〜260mM、250〜260mM、200〜250mM、210〜250mM、220〜250mM、230〜250mM、240〜250mM、200〜240mM、210〜240mM、220〜240mM、230〜240mM、200〜230mM、210〜230mM、220〜230mM、200〜220mM、210〜220mM、または210〜220mMである。一部の実施形態では、張度調整剤の濃度は、約220〜260mM、例えば約220mM、230mM、240mM、250mM、または260mMである。
本明細書に記載の方法は、1種または複数種の任意選択の添加剤および/または成分の添加、例えば1種または複数種の抗酸化剤、抗微生物剤、界面活性剤、潤滑剤、増粘剤、保存剤、キレート剤の添加をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、使用される抗酸化剤の量は、約0.001〜5%w/v、例えば約0.001〜4.5%、0.001〜4%、0.001〜3%、0.001〜2%、0.002〜1%、0.001〜0.5%、または0.001〜0.05%w/vの範囲である。一部の実施形態では、使用される抗酸化剤の量は、約0.001〜約0.5%、約0.1〜約0.5%、約0.2〜約0.5%、約0.3〜約0.5%、約0.4〜約0.5%、約0.01〜約0.4%、約0.1〜約0.4%、約0.2〜約0.4%、約0.3〜約0.4%、約0.01〜約0.3%、約0.1〜約0.3%、約0.2〜約0.3%、約0.01〜約0.2%、約0.1〜約0.2%、または約0.01〜約0.1%w/vの範囲である。
このような抗微生物剤は、約0.005〜0.5%w/v、例えば約0.001〜0.01%w/v、約0.01〜0.1%w/v、約0.1〜0.5%w/vまたは約0.0
1〜0.05%w/vのレベルで用いることができる。
本明細書に記載の方法は、適切なプロセス、例えば遠心分離または濾過によって、ペプチド模倣製剤をプレ濾過するステップおよび/または清澄化するステップをさらに含むことができる。濾過は、任意の適切な手段、例えばデプスフィルター媒体またはメンブレンフィルターによって行うことができる。一部の実施形態では、濾過は、0.22マイクロメータのフィルターによることができる。
該方法は、任意選択で水性医薬製剤の滅菌を含むことができる。滅菌は、任意の適切な技術によって実施され得る。例えば、適切な滅菌方法は、滅菌濾過、化学的濾過、照射熱濾過、および水性医薬製剤への化学的殺菌剤の添加の1つまたは複数を含み得る。いくつかの例では、製剤は、湿熱滅菌によって滅菌される。いくつかの例では、製剤は、乾熱滅菌によって滅菌される。いくつかの例では、製剤は、化学冷却滅菌によって滅菌される。いくつかの例では、製剤は、放射線滅菌によって滅菌される。いくつかの例では、製剤は、濾過によって滅菌される。いくつかの例では、製剤は、適切なミクロン滅菌グレードフィルターを使用する濾過によって滅菌される。濾過は、任意の適切な手段、例えばセルロースベースのフィルター、セルロースエステル(MCE)フィルター、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)フィルター、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルター、またはポリエーテルスルホン(PES)フィルターによって実施され得る。一部の実施形態では、PVDFフィルターが使用される。任意の適切なミクロンサイズのフィルターを使用することができる。一部の実施形態では、フィルターサイズは、0.001〜0.5マイクロメータ、例えば0.001〜0.01マイクロメータ、0.01〜0.1マイクロメータ、0.1〜0.2マイクロメータ、0.2〜0.3マイクロメータ、0.3〜0.43マイクロメータまたは0.4〜0.5マイクロメータであり得る。一部の実施形態では、0.22マイクロメータのフィルターが使用される。一部の実施形態では、0.22マイクロメータのPVDFフィルターが使用される。
水性医薬製剤は、直接投与に適した形態であってよく、または患者に投与されるものと比較して希釈が必要な濃縮形態であってよい。例えば、本開示に記載の水性医薬製剤は、任意のさらなる希釈または再構成なしに直接投与するのに適した形態であり得る。製剤は、最終濃度を得るために、投与前に適切な水性賦形剤(複数可)で希釈または再構成することができる。賦形剤は、注射液または注入液であり得る。注射液または注入液の例として、WFI(注射用静菌水)、SWFI(注射用滅菌水)、D5W(水中5%デキストロース)、DlOW(水中10%デキストロース)、D5LR(乳酸リンガー溶液中デキストロース)、D51/4S(1/4強度の食塩水中5%デキストロース(5%デキストロースおよび0.22%塩化ナトリウム注射液))、D51/2S(1/2強度の食塩水中5%デキストロース(5%デキストロースおよび0.45%塩化ナトリウム注射液))、D5NS(ノーマルセーライン中5%デキストロース(5%デキストロースおよび0.9%塩化ナトリウム注射液))、D5R(リンガー注射液中5%デキストロース)、DIONS(ノーマルセーライン中10%デキストロース(10%デキストロースおよび0.9%塩化ナトリウム注射液))、ISlOW(食塩水中10%転化糖(0.9%塩化ナトリウム注射液中10%転化糖))、LR(乳酸リンゲル注射液)、Pr(タンパク質加水分解物注射液)、R(リンガー注射液)、NS塩化ナトリウム0.9%(ノーマルセーライン)、SOD CL5(5%塩化ナトリウム(5%塩化ナトリウム注射液)、およびSod Lac(乳酸ナトリウム、1/6Molar(M/6乳酸ナトリウム注射液))が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの例では、製剤は、0.9%塩化ナトリウム、水中5%デキストロース(D5W)、ノーマルセーライン中5%デキストロース(D5NS)、半量のノーマルセーライン中5デキストロース(D5 1/2NS)、乳酸リンゲル注射液またはそれらの混合物で希釈することができる。希釈/再構成は、投与の直前に実施することができる。いくつかの場合には、希釈/再構成は、投与の少し前に実施
することができる。いくつかの場合には、希釈は、被験体に投与する最大1分前、5分前、15分前、30分前、45分前、60分前、90分前、2時間前、3時間前、4時間前、5時間前、6時間前、7時間前、8時間前、9時間前、10時間前、11時間前、12時間前、13時間前、14時間前、15時間前、16時間前、17時間前、18時間前、19時間前、20時間前、21時間前、22時間前、23時間前、または24時間前に実施される。いくつかの例では、再構成され希釈された溶液は、再構成および/または希釈して1〜10時間、2〜8時間、3〜7時間、4〜6時間以内に使用される。いくつかの例では、製剤は、投与する1日よりも前、2日よりも前、3日よりも前、4日よりも前、5日よりも前、6日よりも前、1週間よりも前に希釈/再構成される。
図1は、本開示に従う例示的な水性製剤を製造するプロセスを図示する。
純度、安定性および分解
本開示の製剤は、低エンドトキシン濃度によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、製剤は、約100EU/mL未満、例えば、約90EU/mL、80EU/mL、70EU/mL、60EU/mL、50EU/mL、40EU/mL、30EU/mL、20EU/mL、10EU/mL、5EU/mL、1EU/mL、0.5EU/mL、0.2EU/mL、0.1EU/mL、0.05EU/mL、0.01EU/mL、0.005EU/mL、または0.001EU/mL未満のエンドトキシン濃度を有することができる。一部の実施形態では、エンドトキシン濃度は、0.1〜10EU/mL、例えば約0.1〜1EU/mL、0.1〜2EU/mL、0.1〜3EU/mL、0.1〜4EU/mL、0.1〜5EU/mL、0.1〜6EU/mL、0.1〜7EU/mL、0.1〜8EU/mL、0.1〜9EU/mL、1〜2EU/mL、1〜3EU/mL、1〜4EU/mL、1〜5EU/mL、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、2〜3EU/mL、2〜4EU/mL、2〜5EU/mL、2〜6、2〜7、2〜8、2〜9、2〜10、3〜4EU/mL、3〜5EU/mL、3〜6EU/mL、3〜7EU/mL、3〜8EU/mL、3〜9EU/mL、3〜10EU/mL、4〜5EU/mL、4〜6EU/mL、4〜7EU/mL、4〜8EU/mL、4〜9EU/mL、4〜10EU/mL、5〜6EU/mL、5〜7EU/mL、5〜8EU/mL、5〜9EU/mL、5〜10EU/mL、6〜7EU/mL、6〜8EU/mL、6〜9EU/mL、6〜10EU/mL、7〜8EU/mL、7〜9EU/mL、7〜10EU/mL、8〜9EU/mL、8〜10EU/mL、または9〜10EU/mLである。
一部の実施形態では、本開示の製剤は、本質的に微粒子を含まない溶液である。一部の実施形態では、製剤は、約1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、11μm、12μm、13μm、14μm、15μm、16μm、17μm、18μm、19μm、20μm、21μm、22μm、23μm、24μm、25μm、26μm、27μm、28μm、29μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm超、またはそれを超えるサイズの粒子を本質的に含まない。
一部の実施形態では、製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり10μmまたはそれを超えるサイズの、最大で約1個、約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14個、約15個、約16個、約17個、約18個、約19個、約20個、約21個、約22個、約23個、約24個、約25個、約26個、約27個、約28個、約29個、約30個、約50個、約100個、約200個、約300個、約400個、約500個、約600個、約700個、約800個、約900個、約1,000個、約1,100個、約1,200個、約1,300個、約1,400個、約1,500個、約1,600個、約1,700個、約1,800個、約1,900個、約2,000個、約2,200個、約2,400個、約2,600個、約2,800個、約3,000個、約3,500個、約4,000個、約4,500
個、約5,000個、約5,500個、約6,000個、約6,500個、約7,000個、約8,000個、約8,500個、約9,000個、約9,500個、または約10,000個の粒子を含む。一部の実施形態では、本開示の製剤は、10μmまたはそれを超えるサイズの粒子を本質的に含まない。一部の実施形態では、本開示の製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり10μmまたはそれを超えるサイズの500個未満の粒子を含む。一部の実施形態では、本開示の製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり10μmまたはそれを超えるサイズの1000個未満の粒子を含む。一部の実施形態では、本開示の製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり10μmまたはそれを超えるサイズの1200個未満の粒子を含む。一部の実施形態では、本開示の製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり10μmまたはそれを超えるサイズの1,000〜1,200個未満の粒子を含む。
一部の実施形態では、製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり25μmまたはそれを超えるサイズの、最大で約1個、約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14個、約15個、約16個、約17個、約18個、約19個、約20個、約21個、約22個、約23個、約24個、約25個、約26個、約27個、約28個、約29個、約30個、約50個、約60個、約70個、約80個、約90個、約100個、約110個、約120個、約130個、約140個、約150個、約200個、約300個、約400個、約500個、約600個、約700個、約800個、約900個、約1,000個、約1,100個、約1,200個、約1,300個、約1,400個、約1,500個、約1,600個、約1,700個、約1,800個、約1,900個、約2,000個、約2,500個、約3,000個、約3,500個、約4,000個、約4,500個、約5,000個、約5,500個、または約6,000個の粒子を含む。一部の実施形態では、本開示の製剤は、25μmまたはそれを超えるサイズの粒子を本質的に含まない。一部の実施形態では、製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり25μmまたはそれを超えるサイズの、最大で50個の粒子を含む。一部の実施形態では、製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり25μmまたはそれを超えるサイズの、最大で100個の粒子を含む。一部の実施形態では、製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり25μmまたはそれを超えるサイズの、最大で120個の粒子を含む。一部の実施形態では、製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり25μmまたはそれを超えるサイズの約100〜120個の粒子を含む。
一部の実施形態では、本開示の製剤は、50μmまたはそれを超えるサイズの粒子を本質的に含まない。一部の実施形態では、製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり50μmまたはそれを超えるサイズの、最大で1個の粒子を含む。一部の実施形態では、製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり50μmまたはそれを超えるサイズの、最大で2個の粒子を含む。一部の実施形態では、製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり50μmまたはそれを超えるサイズの、最大で3個の粒子を含む。一部の実施形態では、製剤は、製剤1mLまたは5mL当たり50μmまたはそれを超えるサイズの、約1〜5個の粒子を含む。一部の実施形態では、本開示の製剤は、50μmまたはそれを超えるサイズの粒子を本質的に含まない。一部の実施形態では、製剤は、容器1つ当たり50μmまたはそれを超えるサイズの、最大で1個の粒子を含む。一部の実施形態では、製剤は、容器1つ当たり50μmまたはそれを超えるサイズの、最大で2個の粒子を含む。一部の実施形態では、製剤は、容器1つ当たり50μmまたはそれを超えるサイズの、最大で3個の粒子を含む。一部の実施形態では、製剤は、容器1つ当たり25μmまたはそれを超えるサイズの約1〜5個の粒子を含む。
一部の実施形態では、製剤は、製剤1mL当たり10μmまたはそれを超えるサイズの、0〜10000個、100〜10,000個、500〜10,000個、1,000〜10,000個、1,500〜10,000個、2,000〜10,000個、2,500〜10,000個、3,000〜10,000個、3,500〜10,000個、4,
000〜10,000個、4,500〜10,000個、5,000〜10,000個、5,500〜10,000個、6,000〜10,000個、6,500〜10,000個、7,000〜10,000個、7,500〜10,000個、8,000〜10,000個、8,500〜10,000個、9,000〜10,000個、または9,500〜10,000個の粒子を含む。
一部の実施形態では、製剤は、製剤5mL当たり10μmまたはそれを超えるサイズの、0〜10000個、100〜10,000個、500〜10,000個、1,000〜10,000個、1,500〜10,000個、2,000〜10,000個、2,500〜10,000個、3,000〜10,000個、3,500〜10,000個、4,000〜10,000個、4,500〜10,000個、5,000〜10,000個、5,500〜10,000個、6,000〜10,000個、6,500〜10,000個、7,000〜10,000個、7,500〜10,000個、8,000〜10,000個、8,500〜10,000個、9,000〜10,000個、または9,500〜10,000個の粒子を含む。
一部の実施形態では、製剤は、製剤1mL当たり25μmまたはそれを超えるサイズの、0〜10000個、100〜10,000個、500〜10,000個、1,000〜10,000個、1,500〜10,000個、2,000〜10,000個、2,500〜10,000個、3,000〜10,000個、3,500〜10,000個、4,000〜10,000個、4,500〜10,000個、5,000〜10,000個、5,500〜10,000個、6,000〜10,000個、6,500〜10,000個、7,000〜10,000個、7,500〜10,000個、8,000〜10,000個、8,500〜10,000個、9,000〜10,000個、または9,500〜10,000個の粒子を含む。
一部の実施形態では、製剤は、製剤5mL当たり25μmまたはそれを超えるサイズの、0〜10000個、100〜10,000個、500〜10,000個、1,000〜10,000個、1,500〜10,000個、2,000〜10,000個、2,500〜10,000個、3,000〜10,000個、3,500〜10,000個、4,000〜10,000個、4,500〜10,000個、5,000〜10,000個、5,500〜10,000個、6,000〜10,000個、6,500〜10,000個、7,000〜10,000個、7,500〜10,000個、8,000〜10,000個、8,500〜10,000個、9,000〜10,000個、または9,500〜10,000個の粒子を含む。
一部の実施形態では、製剤は、製剤1mL当たり50μmまたはそれを超えるサイズの、0〜10000個、100〜10,000個、500〜10,000個、1,000〜10,000個、1,500〜10,000個、2,000〜10,000個、2,500〜10,000個、3,000〜10,000個、3,500〜10,000個、4,000〜10,000個、4,500〜10,000個、5,000〜10,000個、5,500〜10,000個、6,000〜10,000個、6,500〜10,000個、7,000〜10,000個、7,500〜10,000個、8,000〜10,000個、8,500〜10,000個、9,000〜10,000個、または9,500〜10,000個の粒子を含む。
一部の実施形態では、製剤は、製剤5mL当たり50μmまたはそれを超えるサイズの、0〜10000個、100〜10,000個、500〜10,000個、1,000〜10,000個、1,500〜10,000個、2,000〜10,000個、2,500〜10,000個、3,000〜10,000個、3,500〜10,000個、4,
000〜10,000個、4,500〜10,000個、5,000〜10,000個、5,500〜10,000個、6,000〜10,000個、6,500〜10,000個、7,000〜10,000個、7,500〜10,000個、8,000〜10,000個、8,500〜10,000個、9,000〜10,000個、または9,500〜10,000個の粒子を含む。
一部の実施形態では、本開示の製剤は、単一または複数の凍結融解事象に曝露した後、安定なままであり得る。本開示の製剤はまた、ある場所から別の場所に製品を輸送する際に遭遇すると予測され得るものなどの物理的振動に曝露された後も安定なままであり得る。安定性は、沈殿物の形成の目視検査、ストレス条件に曝露された後に溶液に残るペプチド模倣大環状分子の百分率の分析(例えば、サイズ排除HPLCによる)、またはペプチド模倣大環状分子の化学的バリアントおよび/もしくは分解生成物の形成の分析(例えば、アニオン交換または逆相HPLC分析による)を含むいくつかの異なる方式のいずれか1つによって測定され得る。本開示の一部の実施形態では、少なくとも1つの凍結融解事象後に、製剤中に肉眼で見える沈殿物は形成されない。一部の実施形態では、製剤は、少なくとも3つの凍結融解事象後に安定なままである。一部の実施形態では、製剤は、少なくとも6つの凍結融解事象後に安定なままである。一部の実施形態では、少なくとも1つの凍結融解事象後に、ペプチド模倣大環状分子の少なくとも80、85、90%、95%、96%、975、98%、または99%が、製剤中に残存する。
一部の実施形態では、本開示の製剤中に形成されるすべてのペプチド模倣物の分解生成物は、40℃の温度で1カ月の期間保存しても、1.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、形成される式1の化合物のすべての分解生成物は、1カ月の期間にわたって40℃の温度で保存しても、約0.9%、約0.8%、約0.7%、約0.6%、約0.5%、約0.4%、約0.3%、約0.2%、または約0.1%未満である。
一部の実施形態では、本開示の製剤中に形成されるすべてのペプチド模倣物の分解生成物は、40℃の温度で約2カ月、約3カ月、約4カ月、約5カ月 約6カ月の期間保存しても、1.0%未満である。
一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、0.001%、0.01%、0.1%、0.5%、1.0%、1.5%、2.0%、2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%、または10%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、1.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、2.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、3.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、4.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、5.0%未満である。
一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、−20℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても0.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、−20℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存して
も1%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、−20℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても1.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、−20℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても2.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、−20℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても2.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、−20℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても3.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、−20℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても5.0%未満である。
一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、5℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても0.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、5℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても1%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、5℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても1.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、5℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても2.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、5℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても2.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、5℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても3.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、5℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを
超える期間保存しても5.0%未満である。
一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、25℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても0.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、25℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても1%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、25℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても1.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、25℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても2.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、25℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても2.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、25℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても3.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、25℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても5.0%未満である。
一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、40℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても0.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、40℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても1%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、40℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても1.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、40℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても2.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、40℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1
.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても2.5%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、40℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても3.0%未満である。一部のさらなる実施形態では、任意の保存温度における製剤中の任意の単一不純物の量は、40℃の温度で0カ月、0.5カ月、1.0カ月、1.5カ月、2.0カ月、2.5カ月、3.0カ月、3.5カ月、4.0カ月、4.5カ月、5.0カ月、5.5カ月、6.0カ月、8カ月、10カ月、12カ月、またはそれを超える期間保存しても5.0%未満である。
いくつかの場合には、薬学的に許容される製剤は、有効期限が約1〜5年である。いくつかの場合には、製剤は、有効期限が約1、2、3または4年である。いくつかの場合には、製剤は、有効期限が5年超である。いくつかの場合には、製剤は、有効期限が1年未満である。いくつかの場合には、製剤は、有効期限が1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、または11カ月である。
いくつかの場合には、生成物の有効期限におけるペプチド模倣物の分解生成物の総量は、0.1〜10%の範囲である。いくつかの場合には、有効期限におけるすべての分解生成物は、約0.01〜1%、約0.01〜2%、約0.01〜3%、約0.01〜4%、約0.01〜5%、約0.01〜6%、約0.01〜7%、約0.01〜8%、または約0.01〜9%、約1〜2%、約1〜3%、約1〜4%、約1〜5%、約1〜6%、約1〜7%、約1〜8%、約1〜9%、約2〜3%、約3〜4%、約2〜5%、約2〜6%、約2〜7%、約2〜8%、約2〜9%、約3〜4%、約3〜5%、約3〜6%、約3〜7%、約3〜8%、約3〜9%、約3〜10%、約4〜5%、約4〜6%、約4〜7%、約4〜8%、約4〜9%、約4〜10%、約5〜6%、約5〜7%、約5〜8%、約5〜9%、約5〜10%、約6〜7%、約6〜8%、約6〜9%、約6〜10%、約7〜8%、約7〜9%、約7〜10%、約8〜9%、約8〜10%または約9〜10%の範囲である。一部の実施形態では、有効期限におけるすべての分解生成物の量は、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%である。一部の実施形態では、有効期限におけるすべての分解生成物の量は、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.15%、約0.2%、約0.25%、約0.3%、約0.35%、約0.40%、約0.45%、約0.50%、約0.55%、約0.60%、約0.65%、約0.70%、約0.75%、約0.80%、約0.85%、約0.90%、約0.95%、または約1.0%である。いくつかの場合には、本開示の水性医薬製剤は、−40〜65℃、例えば−5〜40℃で保存される。いくつかの場合には、製剤は、約−40℃、約−30℃、−20℃、−10℃、−5℃、0℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、または約65℃で保存され得る。一部の実施形態では、製剤は、周囲温度またはそれ未満で保存される。一部の実施形態では、製剤は、周囲温度を超えて保存される。
注入
一部の実施形態では、本開示の製剤におけるペプチド模倣大環状分子の安定性は、不活性ガスを製剤に注入する(sparging)ことによって改善することができる。それらに限定されるものではないが、窒素、アルゴン、ヘリウム、またはそれらの組合せを含む様々な不活性ガスを、注入材料として使用することができる。一部の実施形態では、不活性ガスは、窒素である。注入は、一般に、酸素がペプチド模倣大環状分子製剤から低減されるか、または完全に除去されるまで実施される。注入期間は、製剤の量、撹拌の有効性、および不活性ガスの流速を含むいくつかの因子に応じて決まる。一部の実施形態では、注入は
、製剤に不活性ガスを約1分間〜12時間通気することによって実施される。一部の実施形態では、製剤は、約1分間〜約11時間、約1分間〜約10時間、約1分間〜9時間、約1分間〜8時間、約1分間〜7時間、約1分間〜6時間、約1分間〜5時間、約1分間〜4時間、約1分間〜3時間、約1分間〜2時間、約1分間〜1時間、約1分間〜45分間、約1分間〜約30分間、約1分間〜15分間、約1分間〜10分間、約1分間〜約9分間、約1分間〜8分間、約1分間〜約7分間、約1分間〜6分間、約1分間〜約5分間、約1分間〜約4分間、約1分間〜約3分間、約1分間〜約2分間注入される。一部の実施形態では、注入は、約1分間未満実施される。
使用方法
方法
本明細書の一態様では、ペプチド模倣大環状分子がモデル化されるタンパク質またはペプチドの天然リガンド(複数可)に結合する作用物質(agent)を同定するための競合的
結合アッセイにおいて有用な、水性医薬製剤が提供される。例えば、p53/MDMX系では、p53に基づく標識ペプチド模倣大環状分子を、MDMXに競合的に結合する小分子と共にMDMX結合アッセイにおいて使用することができる。競合結合研究により、in vitroを速やかに評価し、p53/MDMX系に特異的な薬物候補を決定することができる。このような結合研究は、本明細書に開示のペプチド模倣大環状分子のいずれかおよびそれらの結合パートナーを用いて実施され得る。
さらに、ペプチド模倣大環状分子に対する抗体を作成する方法が提供される。一部の実施形態では、これらの抗体は、具体的には、ペプチド模倣大環状分子と、ペプチド模倣大環状分子が関係するp53などの前駆体ペプチドの両方に結合する。このような抗体は、例えば天然タンパク質−タンパク質相互作用、例えばp53とMDMXの結合を妨げる。
本明細書の他の態様では、p53、MDM2またはMDMXを含む分子の異常な(例えば、不十分なまたは過度の)発現または活性と関連する障害の危険性がある(またはその障害に罹患しやすい)またはその障害を有する被験体を処置する予防的方法および治療的方法の両方が提供される。
別の実施形態では、障害は、少なくとも部分的に、異常レベルのp53もしくはMDM2もしくはMDMX(例えば、過剰発現または過小発現)によって、または異常活性を呈するp53もしくはMDM2もしくはMDMXの存在によって引き起こされる。したがって、p53から得られたペプチド模倣大環状分子による、p53もしくはMDM2もしくはMDMXのレベルおよび/もしくは活性の低下、またはp53もしくはMDM2もしくはMDMXのレベルおよび/もしくは活性の増強を使用して、例えば、障害の有害な症状を寛解または低減する。
本明細書の別の態様では、結合パートナー間、例えばp53とMDM2またはp53とMDMXの間の相互作用または結合を妨害することによって、過剰増殖性疾患および炎症性障害を含む疾患を処置または防止する方法が提供される。これらの方法は、ヒトを含む温血動物に有効量の化合物を投与するステップを含む。一部の実施形態では、本明細書に開示の1つまたは複数の化合物の投与によって、細胞成長の停止またはアポトーシスが誘導される。
本明細書で使用される用語「処置」は、疾患、疾患の症状または疾患に対する素因を治癒させ、癒し、軽減し、緩和し、変化させ、修正し、寛解させ、改善し、またはそれらに影響を及ぼす目的で、疾患、疾患の症状もしくは疾患に対する素因を有する患者に治療剤を適用もしくは投与し、または疾患、疾患の症状もしくは疾患に対する素因を有する患者から単離された組織もしくは細胞株に治療剤を適用もしくは投与するものと定義される。
疾患および障害
一部の実施形態では、医薬製剤は、がんおよび新生物状態を処置し、防止し、かつ/または診断するために使用することができる。本明細書で使用される用語「がん」、「過剰増殖性」および「新生物」は、自律的成長の能力を有する、すなわち急速に増殖する細胞成長によって特徴付けられる異常な状況または状態を有する細胞を指す。過剰増殖性疾患および新生物疾患の状況は、病理学的なものとして、すなわち病状を特徴付けるもしくは構成するものと分類することができ、または非病理学的なものとして、すなわち正常から逸脱しているが病状と関連しないものとして分類することができる。この用語は、組織病理タイプまたは侵襲段階に関係なく、あらゆるタイプのがんの成長または発癌プロセス、転移性組織または悪性形質転換細胞、組織、または器官を含むことを意味する。転移性腫瘍は、それらに限定されるものではないが、乳房、肺、肝臓、結腸および卵巣起源のものを含む多くの原発腫瘍タイプから生じ得る。「病理学的な過剰増殖性」細胞は、悪性腫瘍成長によって特徴付けられる病状において生じる。非病理学的な過剰増殖性細胞の例として、創傷修復と関連する細胞増殖が挙げられる。細胞の増殖性および/または分化性障害の例として、がん、例えば癌、肉腫、または転移性障害が挙げられる。一部の実施形態では、医薬製剤は、乳がん、卵巣がん、結腸がん、肺がん、このようながんの転移等を調節し/処置するために使用することができる。
がんまたは新生物状態の例として、線維肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、胃がん、食道がん、直腸がん、膵臓がん、卵巣がん、前立腺がん、子宮がん、頭部および頸部のがん、皮膚がん、脳がん、扁平上皮癌、皮脂腺癌、乳頭状癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胚性癌、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣がん、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、カポジ肉腫、または多形神経膠芽腫が挙げられるが、それらに限定されない。
一部の実施形態では、がんは、頭部および頸部がん、黒色腫、肺がん、乳がん、または神経膠腫である。
いくつかの例では、がんは、膵臓がん、膀胱がん、結腸がん、肝臓がん、結腸直腸がん(結腸がんまたは直腸がん)、乳がん、前立腺がん、腎臓がん、肝細胞がん、肺がん、卵巣がん、子宮頸がん、胃がん、食道がん、頭部および頸部がん、黒色腫、神経内分泌がん、CNSがん、脳腫瘍、骨がん、皮膚がん、眼腫瘍、絨毛癌(胎盤腫瘍)、肉腫または軟部組織がんである。
いくつかの例では、がんは、膀胱がん、骨がん、乳がん、子宮頸がん、CNSがん、結腸がん、眼腫瘍、腎臓がん、肝臓がん、肺がん、膵臓がん、絨毛癌(胎盤腫瘍)、前立腺がん、肉腫、皮膚がん、軟部組織がんまたは胃がんである。
いくつかの例では、がんは、乳がんである。本発明の医薬製剤によって処置され得る乳がんの非限定的な例として、非浸潤性乳管癌(DCISまたは腺管内癌)、上皮内小葉癌(LCIS)、侵襲性(または浸潤性)腺管癌、侵襲性(または浸潤性)小葉癌、炎症性乳房がん、トリプルネガティブ乳がん、乳頭のパジェット病、葉状(phyllodes)腫瘍(
葉状(phylloides)腫瘍または葉状嚢肉腫)、血管肉腫、腺様嚢胞(または腺嚢胞(adenocystic))癌、低悪性度の腺扁平上皮癌、髄様癌、乳頭状癌、管状癌、化生性癌、微小
乳頭癌、および混合癌が挙げられる。
いくつかの例では、がんは、骨がんである。本発明の医薬製剤によって処置できる骨が
んの非限定的な例として、骨肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍(ESFT)が挙げられる。
いくつかの例では、がんは、皮膚がんである。本発明の医薬製剤によって処置できる皮膚がんの非限定的な例として、黒色腫、基底細胞皮膚がん、および扁平上皮皮膚がんが挙げられる。
いくつかの例では、がんは、眼腫瘍である。本開示の医薬製剤によって処置できる眼腫瘍の非限定的な例として、脈絡膜母斑、脈絡膜黒色腫、脈絡膜転移、脈絡膜血管腫、脈絡膜骨腫、虹彩黒色腫、ブドウ膜黒色腫、黒色細胞腫、転移網膜毛細血管腫、RPEの先天性肥大、RPE腺腫または網膜芽細胞腫などの眼腫瘍が挙げられる。
増殖性障害の例として、造血性新生物障害が挙げられる。本明細書で使用される用語「造血性新生物障害」には、例えば骨髄性、リンパ性もしくは赤血球性系統、またはそれらの前駆体細胞から生じた、造血性起源の過形成/新生物細胞を伴う疾患が含まれる。疾患は、未分化急性白血病、例えば、赤芽球性白血病および急性巨核芽球性白血病から生じ得る。追加の例示的な骨髄性障害には、それらに限定されるものではないが、急性前骨髄性白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)および慢性骨髄性白血病(CML)が含まれ(Vaickus(1991年)、Crit Rev. Oncol./Hemotol. 11巻:267〜97頁に総説されている)、リンパ性悪性腫瘍には、それらに限定されるものではないが、B−系統ALLおよびT−系統ALLを含む急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、有毛細胞白血病(HLL)およびワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)が含まれる。悪性リンパ腫の追加の形態には、非ホジキンリンパ腫およびそのバリアント、末梢T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)、大顆粒リンパ球性白血病(LGF)、ホジキン病およびリード−シュテルンベルク病が含まれるが、それらに限定されない。
乳房の細胞の増殖性および/または分化性障害の例として、例えば、上皮過形成、硬化性腺症、および小管(small duct)乳頭腫を含む増殖性乳房疾患;腫瘍、例えば、間質
性腫瘍、例えば線維腺腫、葉状腫瘍および肉腫、ならびに上皮性腫瘍、例えば大管(large duct)乳頭腫;非浸潤性乳管癌(パジェット病を含む)および上皮内小葉癌を含むi
n situ(非侵襲性)癌を含む乳房の癌、ならびにそれらに限定されるものではないが、侵襲性腺管癌、侵襲性小葉癌、髄様癌、膠様(粘液性)癌、管状癌、および侵襲性乳頭状癌、ならびに種々の悪性新生物を含む侵襲性(浸潤性)癌が挙げられるが、それらに限定されない。男性乳房の障害には、女性化乳房症および癌が含まれるが、それらに限定されない。
皮膚の細胞の増殖性および/または分化性障害の例として、増殖性皮膚疾患、例えば、粘膜黒色腫、表在拡大型黒色腫、結節型黒色腫、黒子(例えば悪性黒子、悪性黒子黒色腫、または末端黒子型黒色腫)、無色素性悪性黒色腫、線維形成性黒色腫、スピッツ母斑の特徴を有する黒色腫、小母斑様細胞を有する黒色腫、ポリープ状黒色腫、および軟部組織黒色腫を含む黒色腫;小結節性基底細胞癌、表在型基底細胞癌、結節性基底細胞癌(蚕食性潰瘍)、嚢胞性基底細胞癌、瘢痕性基底細胞癌、色素性基底細胞癌、異常基底細胞癌、浸潤性基底細胞癌、母斑性基底細胞癌症候群、ポリープ状基底細胞癌、細孔様の基底細胞癌、およびPinkus型線維上皮腫を含む基底細胞癌;棘細胞腫(大細胞型棘細胞腫)、アデノイド扁平上皮癌、類基底扁平上皮癌、明細胞扁平上皮癌、印環細胞扁平上皮癌、紡錘細胞扁平上皮癌、マルジョラン潰瘍、ケーラー紅色肥厚症、およびボーエン病を含む扁平上皮(squamus)細胞癌;または他の皮膚もしくは皮下の腫瘍が挙げられるが、それ
らに限定されない。
肺細胞の増殖性および/または分化性障害の例として、腫瘍随伴症候群、細気管支肺胞癌、神経内分泌腫瘍、例えば気管支カルチノイド、雑腫瘍(miscellaneous tumor)、および転移性腫瘍を含む気管支原性癌;炎症性胸水、非炎症性胸水、気胸を含む胸膜病理、ならびに孤立性線維腫瘍(胸膜線維腫)および悪性中皮腫を含む胸膜腫瘍が挙げられるが、それらに限定されない。
結腸細胞の増殖性および/または分化性障害の例として、非新生物ポリープ、腺腫、家族性症候群、結腸直腸発癌、結腸直腸癌、およびカルチノイド腫瘍が挙げられるが、それらに限定されない。
肝臓細胞の増殖性および/または分化性障害の例として、結節性過形成、腺腫、ならびに肝臓の原発性癌および転移性腫瘍を含む悪性腫瘍が挙げられるが、それらに限定されない。卵巣細胞の増殖性および/または分化性障害の例として、卵巣腫瘍、例えば体腔上皮腫瘍、漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、類内膜腫瘍、明細胞腺癌、嚢胞腺線維腫、ブレンナー腫瘍、表面上皮性腫瘍;胚細胞腫瘍、例えば成熟(良性)奇形腫、単胚葉性奇形腫、未成熟悪性奇形腫、未分化胚細胞腫、内胚葉洞腫瘍、絨毛癌;性索間質性(sex cord-stomal)腫瘍、例えば顆粒膜−莢膜細胞腫瘍、莢膜細胞腫線維腫(thecomafibromas)、セルトリ
間質細胞腫瘍(androblastoma)、卵丘細胞(hill cell)腫瘍、および性腺芽腫;なら
びに転移性腫瘍、例えばクルケンベルグ腫瘍が挙げられるが、それらに限定されない。
一態様では、本発明は、ペプチド模倣大環状分子がモデル化されるタンパク質またはペプチドの天然リガンド(複数可)に結合する作用物質を同定するための競合的結合アッセイにおいて有用な、新規なペプチド模倣大環状分子を提供する。例えば、BH3/BCL−X抗アポトーシス系では、BH3に基づく標識ペプチド模倣大環状分子を、BCL−Xに競合的に結合する小分子と共に、BCL−X結合アッセイにおいて使用することができる。競合的結合研究によって、速やかなin vitro評価、およびBH3/BCL−X系に特異的な薬物候補の決定が可能になる。本発明はさらに、ペプチド模倣大環状分子に対する抗体を作成する。一部の実施形態では、これらの抗体は、具体的には、ペプチド模倣大環状分子と、ペプチド模倣大環状分子が得られるBH3ペプチド模倣前駆体の両方に結合する。このような抗体は、例えば、それぞれBH3/BCL−XL系を妨害する。
他の態様では、本発明は、異常な(例えば、不十分なまたは過度の)BCL−2ファミリーメンバーの発現または活性(例えば、外因性または内因性のアポトーシス経路異常)と関連する障害の危険性がある(またはその障害に罹患しやすい)またはその障害を有する被験体を処置する予防的方法および治療的方法の両方を提供する。いくつかのBCL−2タイプの障害は、少なくとも部分的に、1つもしくは複数のBCL−2ファミリーメンバーの異常レベル(例えば、過剰発現または過小発現)によって、または異常活性を呈する1つもしくは複数のBCL−2ファミリーメンバーの存在によって引き起こされると考えられる。したがって、BCL−2ファミリーメンバーのレベルおよび/もしくは活性の低下、またはBCL−2ファミリーメンバーのレベルおよび/もしくは活性の増強は、例えば障害の有害な症状を寛解または低減するために使用される。
一実施形態では、本発明の化合物は、Mcl−1の発現または過剰発現と関連する障害を処置するために使用される。Mcl−1は、多くの組織および新生物細胞株に発現することが示されており、悪性腫瘍の発達に関与すると考えられている(Thallingerら(2004年)Clin. Cancer Res. 10巻:4185〜4191頁)。本発明のペプチド模
倣大環状分子は、このような悪性腫瘍を処置するために使用することができる。
一実施形態では、処置を受ける障害(例えばがん)は、本発明のペプチド模倣大環状分子に差次的に応答する。一部の実施形態では、がんは、BIMペプチド模倣大環状分子で処置され、in vitro細胞生存率アッセイで測定して、BIDポリペプチド(例えば、BIDペプチド模倣大環状分子または未架橋ポリペプチド)を使用する処置に対して少なくとも2倍、感受性が低い。他の実施形態では、がんは、in vitro細胞生存率アッセイで測定して、BIDポリペプチドを使用する処置に対して少なくとも5倍、感受性が低い。さらなる他の実施形態では、がんは、in vitro細胞生存率アッセイで測定して、BIDポリペプチドを使用する処置に対して少なくとも8倍、感受性が低い。他の実施形態では、がんは、BIDペプチド模倣大環状分子で処置され、in vitro細胞生存率アッセイで測定して、BIMポリペプチド(例えば、BIMペプチド模倣大環状分子または未架橋ポリペプチド)を使用する処置に対して少なくとも2倍、感受性が低い。他の実施形態では、がんは、in vitro細胞生存率アッセイで測定して、BIMポリペプチドを使用する処置に対して少なくとも5倍、感受性が低い。さらなる他の実施形態では、がんは、in vitro細胞生存率アッセイで測定して、BIMポリペプチドを使用する処置に対して少なくとも8倍、感受性が低い。
別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、BCL−ファミリータンパク質レベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBCL−ファミリータンパク質の異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。BCL−ファミリータンパク質には、例えば、BCL−2、BCL−X、MCL−1、Bfl1/A1、BOO/DIVA、NRH/NR13、BAX、BAD、BAK、BOK、BIK、PUMA、BIM、BMF、BLK、BNIP3、HRK、NIX、SPIKE、およびNoxaが含まれる。一実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBCL−2レベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBCL−2の異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBCL−Xレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBCL−Xの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のMCL−1レベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびMCL−1の異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBAXレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBAXの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBADレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBADの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBAKレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBAKの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のPUMAレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびPUMAの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のNoxaレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびNoxaの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のNoxaレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびNoxaの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステッ
プを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBfl1/A1レベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBfl1/A1の異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBOO/DIVAレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBOO/DIVAの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のNRH/NR13レベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびNRH/NR13の異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBOKレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBOKの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBIKレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBIKの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBMFレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBMFの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBLKレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBLKの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のBNIP3レベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびBNIP3の異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のHRKレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびHRKの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のNixレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびNixの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。別の実施形態では、ヒト患者を処置する方法が提供され、該方法は、患者のSPIKEレベルを評価するためのアッセイを実施するステップ、およびSPIKEの異常なまたは不規則な発現レベルが検出されたら、患者にペプチド模倣大環状分子を投与するステップを含む。
一態様では、本発明は、本発明のペプチド模倣大環状分子を投与することによって、乳がんを処置する方法を提供する。乳がんには、侵襲性乳癌、例えば侵襲性腺管癌、侵襲性小葉癌、管状癌、侵襲性篩状癌、髄様癌、粘液性癌および豊富なムチンを含む他の腫瘍、嚢胞腺癌、円柱細胞粘液性癌、印環細胞癌、神経内分泌腫瘍(充実性神経内分泌癌、非定型カルチノイド腫瘍、小細胞/燕麦細胞癌、または大細胞型神経内分泌癌(carcioma)を含む)、侵襲性乳頭状癌、侵襲性微小乳頭癌、アポクリン癌、化生性癌、純粋上皮化生性癌(carciomas)、混合型上皮/間葉化生性癌、脂質に富む癌(lipid-rich carcinoma)、分泌癌、オンコサイト癌、腺様嚢胞癌、小葉癌、グリコーゲンに富む明細胞癌、皮脂腺癌、炎症性癌または両側乳癌;間葉腫瘍、例えば血管腫、血管腫症、血管外皮細胞腫、偽血管腫様(pseudoangiomatous)間質過形成、筋線維芽細胞腫、線維腫症(進行性)、炎
症性筋線維芽細胞腫瘍、脂肪腫、血管脂肪腫、顆粒細胞腫瘍、神経線維腫、シュワン腫、血管肉腫、脂肪肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、平滑筋腫、または平滑筋肉腫(leiomysarcoma);筋上皮病変、例えば筋上皮症(myoepitheliosis)、腺筋上皮腺症(adenomyoepithelial adenosis)、腺筋上皮腫(adenomyoepithelioma)、または悪性筋上皮腫;線維上
皮腫瘍、例えば線維腺腫、葉状腫瘍、低悪性度管周囲間質肉腫(low grade periductal
stromal sarcoma)、または乳房過誤腫;および乳頭の腫瘍、例えば乳頭腺腫、汗管腺腫または乳頭のパジェット病が含まれる。
乳がんの処置は、標準ケアの一部である治療などの任意の追加の治療と併せて行うことができる。乳腺腫瘍摘出術または乳房切除術などの外科技術を、本発明のペプチド模倣大環状分子による処置の前、その最中、またはその後に実施することができる。あるいは、放射線治療を、本発明のペプチド模倣大環状分子と併せて乳がんの処置に使用することができる。他の場合には、本発明のペプチド模倣大環状分子は、第2の治療剤と組み合わせて投与される。このような薬剤は、化学療法剤、例えば個々の薬物、または薬物と治療の組合せであり得る。例えば、化学療法剤は、アジュバント化学療法処置、例えばCMF(シクロホスファミド、メトトレキセート、および5−フルオロウラシル);FACまたはCAF(5−フルオロウラシル、ドキソルビシン、シクロホスファミド);ACまたはCA(ドキソルビシンおよびシクロホスファミド);AC−タキソール(ACの後パクリタキセル);TAC(ドセタキセル、ドキソルビシン、およびシクロホスファミド);FEC(5−フルオロウラシル、エピルビシンおよびシクロホスファミド);FECD(FECの後ドセタキセル);TC(ドセタキセルおよびシクロホスファミド)であり得る。化学療法に加えて、腫瘍の特徴(すなわちHER2/neuの状況)および再発の危険性に応じて、トラスツズマブをレジメンに加えることもできる。また、化学療法処置の前、その最中またはその後にホルモン治療を行うことが適している場合がある。例えば、タモキシフェン、またはそれらに限定されるものではないがアミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、フォルメスタン、レトロゾールもしくはボロゾールを含むアロマターゼ阻害剤の分類の化合物を投与することができる。他の実施形態では、抗血管新生剤を、乳がんの処置のために併用治療で使用することができる。抗血管新生剤は、それらに限定されるものではないがベバシツマブを含む抗VEGF剤であり得る。
別の態様では、本発明のペプチド模倣大環状分子は、卵巣がんを処置するために使用することができる。卵巣がんには、卵巣腫瘍、例えば体腔上皮腫瘍、漿液性腫瘍、粘液性腫瘍、類内膜腫瘍、明細胞腺癌、嚢胞腺線維腫、ブレンナー腫瘍、表面上皮性腫瘍;胚細胞腫瘍、例えば成熟(良性)奇形腫、単胚葉性奇形腫、未成熟悪性奇形腫、未分化胚細胞腫、内胚葉洞腫瘍、絨毛癌;性索間質性腫瘍、例えば顆粒膜−莢膜細胞腫瘍、莢膜細胞腫線維腫、セルトリ間質細胞腫瘍、卵丘細胞腫瘍、および性腺芽腫;ならびに転移性腫瘍、例えばクルケンベルグ腫瘍が含まれる。
本発明のペプチド模倣大環状分子は、第2の治療、例えば標準ケアの一部である治療と併せて投与することができる。外科手術、免疫療法、化学療法、ホルモン治療、放射線治療、またはそれらの組合せは、卵巣がんに利用可能ないくつかの可能な処置である。いくつかの可能な外科手技には、減量術、および片側もしくは両側の卵巣摘出術、および/または片側もしくは両側の卵管摘除術(salpigectomy)が含まれる。
使用することができる抗がん薬物には、シクロホスファミド、エトポシド、アルトレタミン、およびイホスファミドが含まれる。卵巣腫瘍を縮小するために、タモキシフェン薬物を用いるホルモン治療を使用することができる。放射線治療は、外部ビーム放射線治療および/または密封小線源治療であり得る。
別の態様では、本発明のペプチド模倣大環状分子は、前立腺がんを処置するために使用することができる。前立腺がんには、腺癌および転移腺癌が含まれる。本発明のペプチド模倣大環状分子は、第2の治療、例えば標準ケアの一部である治療と併せて投与することができる。前立腺がんの処置には、外科手術、放射線治療、高密度焦点式超音波療法(HIFU)、化学療法、凍結手術、ホルモン治療、またはそれらの任意の組合せが含まれ得る。外科手術には、前立腺切除術、根治的会陰式前立腺摘除術、腹腔鏡下の根治的前立腺
切除術、前立腺の経尿道的切除術、または精巣摘出術が含まれ得る。放射線治療には、外部ビーム放射線治療および/または密封小線源治療が含まれ得る。ホルモン治療には、精巣摘出術;抗アンドロゲン薬、例えばフルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、または酢酸シプロテロンの投与;DHEAなどの副腎アンドロゲンの産生を阻害する医薬品、例えばケトコナゾールおよびアミノグルテチミド;ならびにGnRHアンタゴニストまたはアゴニスト、例えばアバレリックス(Plenaxis(登録商標))、セトロレリクス(Cetrotide(登録商標))、ガニレリクス(Antagon(登録商標))、ロイプロリド、ゴセレリン、トリプトレリン、またはブセレリンが含まれ得る。体内でアンドロゲン活性を遮断する抗アンドロゲン剤を用いる処置は、別の利用可能な治療である。このような薬剤には、フルタミド、ビカルタミド、およびニルタミドが含まれる。この治療は、典型的にLHRH類似体投与または精巣摘出術と組み合わされ、複合アンドロゲン遮断(CAB)と呼ばれる。化学療法には、例えばコルチコステロイド、例えばプレドニゾンと共にドセタキセルを投与することが含まれるが、それに限定されない。ドキソルビシン、エストラムスチン、エトポシド、ミトキサントロン、ビンブラスチン、パクリタキセル、カルボプラチンなどの抗がん薬物も、前立腺がんの成長を緩慢にし、症状を低減し、生活の質を改善するために投与することができる。ビスホスホネート薬物などの追加の化合物を投与することもできる。
別の態様では、本発明のペプチド模倣大環状分子は、腎臓がんを処置するために使用することができる。腎臓がんには、それらに限定されるものではないが、腎細胞癌、腎外原発性新生物からの転移、腎臓リンパ腫、扁平上皮癌、傍糸球体腫瘍(腎腫)、移行上皮癌、血管筋脂肪腫、オンコサイトーマおよびウィルムス腫瘍が含まれるが、それらに限定されない。本発明のペプチド模倣大環状分子は、第2の治療、例えば標準ケアの一部である治療と併せて投与することができる。腎臓がんの処置には、外科手術、経皮的治療、放射線治療、化学療法、ワクチン、または他の薬物療法が含まれ得る。本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて腎臓がんを処置するのに有用な外科技術には、腎摘除術が含まれ、それには、腫瘍の浸潤の影響を受けた副腎、後腹膜リンパ節、および任意の他の周辺組織の除去が含まれ得る。経皮的治療には、例えば画像誘導治療が含まれ、これは、腫瘍を画像化した後、高周波アブレーションまたは寒冷療法によってその標的を破壊することを含み得る。いくつかの場合には、腎臓がんの処置に有用な他の化学療法剤または他の医薬品は、α−インターフェロン、インターロイキン−2、ベバシツマブ、ソラフェニブ、スニチニブ(sunitib)、テムシロリムスまたは他のキナーゼ阻害剤であり得る。
他の態様では、本発明は、膵管組織の類上皮(epitheliod)癌および膵管の腺癌から選択される膵臓がんなどの膵臓がんを、本発明のペプチド模倣大環状分子を投与することによって処置する方法を提供する。膵臓がんの最も一般的な種類は、腺癌であり、これは膵管の内側層に生じる。膵臓がんに利用可能な、可能な処置には、外科手術、免疫療法、放射線治療、および化学療法が含まれる。可能な外科処置選択肢には、膵体尾部切除術または膵全摘出術および膵頭十二指腸切除術(Whipple手順)が含まれる。膵臓がん患者には、放射線治療、具体的には放射線を体外から機械によって腫瘍に集める外部ビーム放射線が、一選択肢であり得る。別の選択肢は、手術中に投与される術中電子ビーム放射線である。化学療法も、膵臓がん患者を処置するために使用することができる。適切な抗がん薬物には、5−フルオロウラシル(5−FU)、マイトマイシン、イホスファミド、ドキソルビシン、ストレプトゾシン、クロロゾトシン、およびそれらの組合せが含まれるが、それらに限定されない。本発明によって提供される方法は、本発明のポリペプチドを投与することによって、またはペプチド模倣大環状分子の投与と外科手術、放射線治療または化学療法の組合せによって、膵臓がん患者に有益な効果をもたらすことができる。
一態様では、本発明のペプチド模倣大環状分子は、それらに限定されるものではないが、非新生物ポリープ、腺腫、家族性症候群、結腸直腸発癌、結腸直腸癌、およびカルチノ
イド腫瘍を含む結腸がんの処置に使用することができる。本発明のペプチド模倣大環状分子と併せて使用することができる、結腸がんに利用可能な、可能な処置には、外科手術、化学療法、放射線治療または標的化薬物治療が含まれる。
放射線治療には、外部ビーム放射線治療および/または密封小線源治療が含まれ得る。転移発生の可能性を低減し、腫瘍サイズを縮小し、または腫瘍成長を遅くするために、化学療法を使用することができる。化学療法は、しばしば外科手術の後に(アジュバント)、外科手術の前に(ネオ−アジュバント)、または外科手術が必要とされない場合には一次療法(待機的)として適用される。例えば、アジュバント化学療法のための例示的なレジメンは、輸注5−フルオロウラシル、ロイコボリン、およびオキサリプラチン(FOLFOX)の組合せを含む。第一選択の化学療法レジメンは、輸注5−フルオロウラシル、ロイコボリン、およびオキサリプラチン(FOLFOX)と標的薬物、例えばベバシツマブ、セツキシマブもしくはパニツムマブの組合せ、または輸注5−フルオロウラシル、ロイコボリン、およびイリノテカン(FOLFIRI)と標的化薬物、例えばベバシツマブ、セツキシマブもしくはパニツムマブの組合せを含み得る。本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて結腸がんの処置または防止に有用であり得る他の化学療法剤は、ボルテゾミブ(Velcade(登録商標))、オブリメルセン(Genasense(登録商標)、G3139)、ゲフィチニブおよびエルロチニブ(Tarceva(登録商標))およびトポテカン(Hycamtin(登録商標))である。
いくつかの実施形態は、本発明のペプチド模倣大環状分子を使用して肺がんを処置する方法を提供する。肺の細胞の増殖性および/または分化性障害の例として、腫瘍随伴症候群、細気管支肺胞癌、神経内分泌腫瘍、例えば気管支カルチノイド、雑腫瘍、および転移性腫瘍を含む気管支原性癌;炎症性胸水、非炎症性胸水、気胸を含む胸膜病理、ならびに孤立性線維腫瘍(胸膜線維腫)および悪性中皮腫を含む胸膜腫瘍が挙げられるが、それらに限定されない。
肺がんの最も一般的な種類は、非小細胞肺がん(NSCLC)であり、これは肺がんのおよそ80〜85%を占め、扁平上皮癌、腺癌、および未分化大細胞癌に分類される。小細胞肺がん、例えば小細胞肺癌は、肺がんの15〜20%を占める。肺がんの処置選択肢には、外科手術、免疫療法、放射線治療、化学療法、光線力学的療法、またはそれらの組合せが含まれる。肺がんの処置に可能ないくつかの外科的選択肢は、部分切除術もしくは楔状切除術、肺葉切除術、または肺切除術である。放射線治療は、外部ビーム放射線治療または密封小線源治療であり得る。本発明のペプチド模倣大環状分子と組み合わせて肺がんを処置するために、化学療法で使用することができるいくつかの抗がん薬物には、シスプラチン、カルボプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ゲムシタビン、ビノレルビン、イリノテカン、エトポシド、ビンブラスチン、ゲフィチニブ、イホスファミド、メトトレキセート、またはそれらの組合せが含まれる。光線力学的療法(PDT)は、肺がん患者を処置するために使用することができる。本明細書に記載の方法は、ペプチド模倣大環状分子を投与することによって、またはペプチド模倣大環状分子の投与と外科手術、放射線治療、化学療法、光線力学的療法の組合せによって、あるいはそれらの組合せによって、肺がん患者に有益な効果をもたらすことができる。
肝臓の細胞の増殖性および/または分化性障害の例として、結節性過形成、腺腫、ならびに肝臓の原発性癌および転移性腫瘍を含む悪性腫瘍が挙げられるが、それらに限定されない。
免疫増殖性障害(「免疫増殖性疾患」または「免疫増殖性新生物」としても公知である)は、B細胞、T細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞を含む免疫系の初代細胞の異常増殖によって特徴付けられる、または免疫グロブリン(抗体としても公知である)の過
度の産生によって特徴付けられる、免疫系の障害である。このような障害には、リンパ増殖性障害、高ガンマグロブリン血症、およびパラプロテイン血症の一般的な分類が含まれる。このような障害の例として、X連鎖リンパ増殖性障害、常染色体性リンパ増殖性障害、高IgM症候群、重鎖病、およびクリオグロブリン血症が挙げられるが、それらに限定されない。他の免疫増殖性障害は、移植片対宿主疾患(GVHD);乾癬;グラフト移植拒絶反応(graft transplantation rejection)と関連する免疫障害;T細胞リンパ腫
;T細胞急性リンパ芽球性白血病;精巣血管中心性T細胞リンパ腫;良性リンパ球性血管炎;ならびに自己免疫疾患、例えば紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、グレーブス病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、アジソン病、インスリン依存性真性糖尿病(insulin dependent diabetes mellitis)、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、天疱瘡、クローン病、交感性眼炎、自己免疫性ぶどう膜炎、多発性硬化症、自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性活動性肝炎(chronic action hepatitis)、潰瘍性(ulceratis)大腸炎、シェーグレン症候群、関節リウマチ、多
発性筋炎、強皮症、および混合性結合組織病であり得る。
組合せ処置
一実施形態では、本発明のペプチド模倣大環状分子は、アルキル化剤およびアルキル化様薬剤と併せてがんの処置に使用することができる。このような薬剤には、例えば、ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、およびメルファラン;ニトロソ尿素、例えばカルムスチン、フォテムスチン、ロムスチン、およびストレプトゾシン;白金治療剤、例えばカルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、BBR3464、およびサトラプラチン;またはそれらに限定されるものではないがブスルファン、ダカルバジン、プロカルバジン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、もしくはウラムスチンを含む他の薬剤が含まれる。
別の実施形態では、本発明のペプチド模倣大環状分子は、代謝拮抗物質である抗悪性腫瘍剤を併せて使用することができる。例えば、このような抗悪性腫瘍剤は、葉酸、例えばアミノプテリン、メトトレキセート、ペメトレキセド、またはラルチトレキセドであり得る。あるいは、抗悪性腫瘍剤は、それらに限定されるものではないがクラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリン、ペントスタチン、チオグアニンを含むプリンであり得る。さらなる実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、ピリミジン、例えばカペシタビン、シタラビン、フルオロウラシル、フロクスウリジン、およびゲムシタビンであり得る。
さらに他の実施形態では、本発明のペプチド模倣大環状分子は、紡錘体毒/有糸分裂阻害剤である抗悪性腫瘍剤と併せて使用することができる。この分類の薬剤には、タキサン、例えばドセタキセルおよびパクリタキセル;ならびにビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンが含まれる。さらなる他の実施形態では、本発明のペプチド模倣大環状分子は、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、ピクサントロンもしくはバルルビシンなどのアントラサイクリンファミリー由来の、細胞傷害性/抗腫瘍性抗生物質;アクチノマイシン、ブレオマイシン、マイトマイシンもしくはプリカマイシンなどのストレプトマイセスファミリー由来の抗生物質;またはヒドロキシ尿素である抗悪性腫瘍剤と組み合わせて使用することができる。あるいは、併用治療に使用される薬剤は、それらに限定されるものではないが、カンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、エトポシド、またはテニポシドを含むトポイソメラーゼ阻害剤であり得る。
あるいは、抗悪性腫瘍剤は、抗体または抗体由来の薬剤であり得る。例えば、セツキシマブ、パニツムマブ、またはトラスツズマブなどの受容体チロシンキナーゼ標的化抗体を
使用することができる。あるいは、抗体は、リツキシマブもしくはトシツモマブなどの抗CD20抗体、またはそれらに限定されるものではないが、アレムツズマブ、ベバシツマブおよびゲムツズマブを含む任意の他の適切な抗体であり得る。他の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、光増感剤、例えばアミノレブリン酸、アミノレブリン酸メチル、ポルフィマーナトリウム、またはベルテポルフィンである。さらに他の実施形態では、抗悪性腫瘍剤は、チロシンキナーゼ阻害剤、例えばセジラニブ(dediranib)、ダサチニブ、エルロチ
ニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、またはバンデタニブである。本発明の使用に適した他の新生物薬剤には、例えば、アリトレチノイン、トレチノイン、アルトレタミン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ(ペグアスパルガーゼ)、ベキサロテン、ボルテゾミブ、デニロイキンジフチトクス、エストラムスチン、イクサベピロン、マソプロコール、またはミトタンが含まれる。
他のまたはさらなる実施形態では、本明細書に記載のペプチド模倣大環状分子は、生理的損傷等に起因する過活動細胞死または細胞死によって特徴付けられる状態を処置、防止、または診断するために使用される。早発のもしくは望ましくない細胞死、または望ましくないもしくは過度の細胞増殖によって特徴付けられる状態のいくつかの例として、低細胞性/低形成性、無細胞性/形成不全の、または富細胞性/過形成性の状態が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの例として、それらに限定されるものではないが、ファンコニ貧血、再生不良性貧血、サラセミア(thalaessemia)、先天性好中球減少症、脊髄形成異常症を含む血液学的障害が挙げられる。
他のまたはさらなる実施形態では、アポトーシスを低減するように作用する本発明のペプチド模倣大環状分子は、望ましくないレベルの細胞死と関連する障害を処置するために使用される。したがって、一部の実施形態では、本発明の抗アポトーシス性ペプチド模倣大環状分子は、例えばウイルス感染症、例えばヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染と関連する感染症と関連する細胞死をもたらす障害などの障害を処置するために使用される。多種多様な神経学的疾患が、ニューロンの特異的な組の漸進的な喪失によって特徴付けられており、一部の実施形態では、これらの障害の処置に、本発明の抗アポトーシス性ペプチド模倣大環状分子が使用される。このような障害には、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)網膜色素変性、脊髄性筋萎縮、および小脳変性の様々な形態が含まれる。これらの疾患における細胞喪失は、炎症応答を誘導せず、アポトーシスは、細胞死の機序であるようである。さらに、いくつかの血液学的疾患が、血液細胞産生の低下と関連している。これらの障害には、慢性疾患と関連する貧血、再生不良性貧血、慢性好中球減少症、および骨髄異形成症候群が含まれる。骨髄異形成症候群および再生不良性貧血のいくつかの形態などの、血液細胞産生の障害は、骨髄内のアポトーシス細胞死の増大と関連している。これらの障害は、アポトーシスを促進する遺伝子の活性化、間質細胞もしくは造血性生存因子の後天的欠損、または毒素および免疫応答のメディエーターの直接作用から生じ得る。細胞死と関連する2つの一般的な障害が、心筋梗塞および脳卒中である。両方の障害において、血流の急速な喪失事象において産生される、虚血の中心領域内の細胞は、壊死の結果、急速に死滅するようである。しかし、中心虚血区域の外では、細胞は長期間かけて死滅し、形態学的にアポトーシスによって死滅するようである。
他のまたはさらなる実施形態では、本発明の抗アポトーシス性ペプチド模倣大環状分子は、望ましくない細胞死と関連するこのようなすべての障害を処置するために使用される。
本明細書に記載のペプチド模倣大環状分子で処置される免疫学的障害のいくつかの例として、臓器移植拒絶反応、関節炎、狼瘡、IBD、クローン病、喘息、多発性硬化症、糖
尿病等が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書に記載のペプチド模倣大環状分子で処置される神経学的障害のいくつかの例として、アルツハイマー病、ダウン症候群、オランダ型遺伝性脳出血アミロイドーシス、反応性アミロイドーシス、蕁麻疹および聴覚消失を伴う家族性アミロイド腎症、マックル−ウェルズ症候群、特発性骨髄腫;マクログロブリン血症関連骨髄腫、家族性アミロイド多発ニューロパチー、家族性アミロイド心筋症、孤立性心臓アミロイド、全身性老人性アミロイドーシス、成人発症性糖尿病、インスリノーマ、孤立性心房アミロイド、甲状腺の髄様癌、家族性アミロイドーシス、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、家族性アミロイド性多発ニューロパチー、スクレイピー、クロイツフェルトヤコブ病、ゲルストマンシュトロイスラー−シャインカー症候群、牛海綿状脳炎、プリオン媒介性疾患、ならびにハンチントン病が挙げられるが、それらに限定されない。
本明細書に記載のペプチド模倣大環状分子で処置される内分泌学的障害のいくつかの例として、糖尿病、甲状腺機能低下症、下垂体機能低下症、副甲状腺機能低下症、性腺機能低下症等が挙げられるが、それらに限定されない。
本発明のペプチド模倣大環状分子を用いて処置または防止される心血管障害(例えば、炎症性障害)の例として、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、脳卒中、血栓症、動脈瘤、心不全、虚血性心疾患、狭心症、心臓性突然死、高血圧性心疾患;非冠状動脈血管疾患、例えば細動脈硬化症、小血管疾患、腎症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、高脂血症、黄色腫症、喘息、高血圧、気腫および慢性肺疾患;または介入手順と関連する心血管状態(「手順上の血管外傷」)、例えば血管形成術、シャント、ステント、合成もしくは天然の切除グラフト、留置カテーテル、弁もしくは他の埋め込み型デバイスの留置後の再狭窄が挙げられるが、それらに限定されない。好ましい心血管障害には、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、動脈瘤、および脳卒中が含まれる。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、ウイルス障害の処置において有用である。例えば、PB1/PA系では、PB1に基づく標識ペプチド模倣大環状分子を、PAに競合的に結合する小分子と共に、PA結合アッセイにおいて使用することができる。競合的結合研究によって、速やかなin vitro評価、およびPB1/PA系に特異的な薬物候補の決定が可能になる。このような結合研究は、本明細書に開示のペプチド模倣大環状分子のいずれかおよびそれらの結合パートナーを用いて実施され得る。PAとPD1の結合を妨げる抗体を開発することもできる。
例えば、PB1ヘリックス配列から得られたペプチド模倣大環状分子、またはPAタンパク質のPB1ペプチド結合部位に選択的に結合するペプチド模倣大環状分子は、選択的にインフルエンザRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することができる。PB2ヘリックス配列から得られたペプチド模倣大環状分子、またはPB1タンパク質のPB2ペプチド結合部位に選択的に結合するペプチド模倣大環状分子は、選択的にインフルエンザRNA依存性RNAポリメラーゼを阻害することができる。このようなペプチド模倣大環状分子は、感染後の治療域内で投与される場合、インフルエンザ感染症の重症度または期間を低減することができる。このようなペプチド模倣大環状分子は、予防的に投与される場合、インフルエンザウイルスによる感染症を防止し、それによってインフルエンザの蔓延を低減し、大規模な流行病を低減することができる。
一態様では、本発明は、ペプチド模倣大環状分子がモデル化されるタンパク質またはペプチドの天然リガンド(複数可)に結合する作用物質を同定するための競合的結合アッセイにおいて有用な、新規なペプチド模倣大環状分子を提供する。例えば、PB1/PA系では、PB1に基づく標識ペプチド模倣大環状分子を、PAに競合的に結合する小分子と
共に、PA結合アッセイにおいて使用することができる。競合的結合研究によって、速やかなin vitro評価、およびPB1/PA系に特異的な薬物候補の決定が可能になる。このような結合研究は、本明細書に開示のペプチド模倣大環状分子のいずれかおよびそれらの結合パートナーを用いて実施され得る。
他の態様では、本発明は、インフルエンザウイルスに感染した被験体、インフルエンザウイルスの危険性がある被験体、またはインフルエンザウイルスに罹患しやすい被験体を処置する予防的方法および治療的方法の両方を提供する。これらの方法は、ヒトを含む温血動物に有効量の化合物を投与するステップを含む。一部の実施形態では、本発明の化合物の投与は、インフルエンザウイルスの増殖または伝播を防止する。
一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、インフルエンザウイルスによって誘発された疾患を処置するために使用される。インフルエンザウイルスの複製には、他のウイルスと同様に、伝播、侵入、複製、生合成、集合、および排出の6つの相を伴う。侵入は、エンドサイトーシスによって生じ、複製およびvRNP集合は、核内で生じ、ウイルスは、原形質膜から出芽する。感染した患者では、ウイルスは、気道上皮細胞を標的とする。
本明細書に記載の方法はまた、以下のウイルスによって引き起こされる感染症を処置するための薬剤の開発および/または同定に有用である。例えば、エーベルソン白血病ウイルス、エーベルソンマウス白血病ウイルス、エーベルソンウイルス、急性喉頭気管気管支炎ウイルス、アデレード川ウイルス、アデノ随伴ウイルス群、アデノウイルス、アフリカウマ病ウイルス、アフリカブタ熱ウイルス、AIDSウイルス、アリューシャンミンク症パルボウイルス、アルファレトロウイルス、アルファウイルス、ALV関連ウイルス、アマパリウイルス、アフトウイルス、アクアレオウイルス、アルボウイルス、アルボウイルスC、アルボウイルス群A、アルボウイルス群B、アレナウイルス群、アルゼンチン出血熱ウイルス、アルゼンチン出血熱ウイルス、アルテリウイルス、アストロウイルス、クモザル(Ateline)ヘルペスウイルス群、オーエスキー(Aujezky)病ウイルス、アウラウイルス、アウスドゥク(Ausduk)病ウイルス、オーストラリアコウモリリッサウイルス、トリアデノウイルス、トリ赤芽球症ウイルス、トリ伝染性気管支炎ウイルス、トリ白血病ウイルス、トリ白血症ウイルス、トリリンパ腫症ウイルス、トリ骨髄芽球症ウイルス、トリパラミクソウイルス、トリ肺脳炎ウイルス、トリ細網内皮症ウイルス、トリ肉腫ウイルス、トリC型レトロウイルス群、トリヘパドナウイルス、トリポックスウイルス、Bウイルス、B19ウイルス、ババンキウイルス、ヒヒヘルペスウイルス、バキュロウイルス、バーマフォレストウイルス、べバルウイルス、ベリマ(Berrimah)ウイルス、ベータレトロウイルス、ビルナウイルス、ビットナーウイルス、BKウイルス、ブラッククリークカナルウイルス、ブルータングウイルス、ボリビア出血熱ウイルス、ボマ病ウイルス、ヒツジのボーダー病ウイルス、ボルナウイルス、ウシアルファヘルペスウイルス1、ウシアルファヘルペスウイルス2、ウシコロナウイルス、ウシ流行熱ウイルス、ウシ免疫不全ウイルス、ウシ白血病ウイルス、ウシ白血症ウイルス、ウシ乳頭炎ウイルス、ウシパピローマウイルス、ウシ丘疹性口内炎ウイルス、ウシパルボウイルス、ウシ合胞体ウイルス、ウシC型オンコウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、バギークリーク(Buggy Creek)ウイルス、弾丸形状ウイルス群、ブニヤムウェラウイルススーパーグループ、ブニヤウイルス、バーキットリンパ腫ウイルス、ブワンバ熱、CAウイルス、カリシウイルス、カリフォルニア脳炎ウイルス、ラクダポックスウイルス、カナリアポックスウイルス、イヌ科ヘルペスウイルス(canid herpesvirus)、イヌコロナウイルス、イヌジステンパーウイルス、イヌヘルペスウイルス(canine herpesvirus)、イヌ微小ウイルス、イヌパルボウイ
ルス、カノデルガディート(Cano Delgadito)ウイルス、ヤギ関節炎ウイルス、ヤギ脳
炎ウイルス、ヤギヘルペスウイルス、カプリポックスウイルス、カルジオウイルス、テンジクネズミヘルペスウイルス1、オナガザル科ヘルペスウイルス1(Cercopithecid her
pesvirus 1)、オナガザルヘルペスウイルス1(cercopithecine herpesvirus 1)、
オナガザルヘルペスウイルス2、チャンディプラウイルス、チャングイノラウイルス、アメリカナマズウイルス、チャールビルウイルス、水痘ウイルス、チクングニアウイルス、チンパンジーヘルペスウイルス、チャブ(chub)レオウイルス、シロザケウイルス、コカル(Cocal)ウイルス、ギンザケレオウイルス、媾疹ウイルス、コロラドダニ熱ウイルス
、コルチウイルス、コロンビアSKウイルス、風邪ウイルス、伝染性膿瘡ウイルス、伝染性膿胞性皮膚炎ウイルス、コロナウイルス、コリパルタウイルス、鼻感冒ウイルス、牛痘ウイルス、コクサッキーウイルス、CPV(細胞質多角体病ウイルス)、コオロギ麻痺ウイルス、クリミア−コンゴ出血熱ウイルス、クループ随伴ウイルス、クリプトウイルス、サイポウイルス、サイトメガロウイルス、サイトメガロウイルス群、細胞質多角体病ウイルス、シカパピローマウイルス、デルタレトロウイルス、デングウイルス、デンソウイルス、ディペンドウイルス、ドーリウイルス、ジプロルナウイルス、ショウジョウバエCウイルス、アヒルB型肝炎ウイルス、アヒル肝炎ウイルス1、アヒル肝炎ウイルス2、ドゥオウイルス(duovirus)、ドゥーベンハーゲウイルス、チヂレバネウイルスDWV、東部ウマ脳炎ウイルス、東部ウマ脳脊髄炎ウイルス、EBウイルス、エボラウイルス、エボラ様ウイルス、エコーウイルス(echo virus)、エコーウイルス(echovirus)、エコーウイルス10、エコーウイルス28、エコーウイルス9、エクトロメリアウイルス、EEEウイルス、EIAウイルス、EIAウイルス、脳炎ウイルス、脳心筋炎群ウイルス、脳心筋炎ウイルス、エンテロウイルス、酵素上昇ウイルス、酵素上昇ウイルス(LDH)、流行性出血熱ウイルス、動物間流行性出血熱ウイルス、エプスタイン−バーウイルス、ウマ科アルファヘルペスウイルス1(equid alphaherpesvirus 1)、ウマ科アルファヘルペスウイルス4、ウマ科ヘルペスウイルス2、ウマ流産ウイルス(equine abortion virus)、ウマ動脈炎ウイルス、ウマ脳症ウイルス、ウマ伝染性貧血ウイルス、ウマモルビリ
ウイルス、ウマ鼻肺炎ウイルス、ウマライノウイルス、エウベナング(Eubenangu)ウイ
ルス、ヨーロッパエルクパピローマウイルス、ヨーロッパブタ熱ウイルス、エバーグレーズウイルス、アイアッハ(Eyach)ウイルス、ネコ科ヘルペスウイルス1(felid herpesvirus 1)、ネコカリシウイルス(feline calicivirus)、ネコ線維肉腫ウイルス、ネ
コヘルペスウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、ネコ伝染性腹膜炎ウイルス、ネコ白血病/肉腫ウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ汎白血球減少症ウイルス、ネコパルボウイルス、ネコ肉腫ウイルス、ネコ合胞体ウイルス、フィロウイルス、フランダーズ(Flanders)ウイルス、フラビウイルス、口蹄疫ウイルス、フォートモーガン(Fort Morgan)ウイルス、フォーコーナーズハンタウイルス、鶏アデノウイルス1、鶏痘ウイルス、フレンドウイルス、ガンマレトロウイルス、GB肝炎ウイルス、GBウイルス、ドイツ麻疹ウイルス、ゲタウイルス、テナガザル白血病ウイルス、腺熱ウイルス(glandular fever virus
)、山羊痘ウイルス、ゴールデンシャイナー(golden shinner)ウイルス、ゴノメタ(Gonometa)ウイルス、ガチョウパルボウイルス、顆粒症ウイルス、グロスウイルス、地リ
スB型肝炎ウイルス、群Aアルボウイルス、グアナリトウイルス、モルモットサイトメガロウイルス、モルモットC型ウイルス、ハンターンウイルス、ハンタウイルス、硬鶏眼レオウイルス(hard clam reovirus)、野兎線維腫ウイルス、HCMV(ヒトサイトメガロウイルス)、赤血球吸着ウイルス2、センダイウイルス(hemagglutinating virus of Japan)、出血熱ウイルス、ヘンドラウイルス、ヘニパウイルス、ヘパドナウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス群、C型肝炎ウイルス、D型肝炎ウイルス、デルタ肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、F型肝炎ウイルス、G型肝炎ウイルス、非A非B型肝炎ウイルス、肝炎ウイルス、肝炎ウイルス(非ヒト)、肝脳脊髄炎(hepatoencephalomyelitis)レオウイルス3、ヘパトウイルス、サギB型肝炎ウイルス、ヘルペスBウイルス
、単純ヘルペスウイルス、単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、ヘルペスウイルス、ヘルペスウイルス7、ヘルペスウイルスアテレス(ateles)、ヘルペスウイルスホミニス(hominis)、ヘルペスウイルス感染症、ヘルペスウイルスサイミリ(saimiri)、ヘルペスウイルススイス(suis)、水痘ヘルペスウイルス、ハイランズJウイルス、ヒラメラブドウイルス、ブタコレラウイルス、ヒトアデノウイルス2、ヒトアルファヘル
ペスウイルス1、ヒトアルファヘルペスウイルス2、ヒトアルファヘルペスウイルス3、ヒトBリンパ球向性ウイルス、ヒトベータヘルペスウイルス5、ヒトコロナウイルス、ヒトサイトメガロウイルス群、ヒト泡沫状ウイルス、ヒトガンマヘルペスウイルス4、ヒトガンマヘルペスウイルス6、ヒトA型肝炎ウイルス、ヒトヘルペスウイルス1群、ヒトヘルペスウイルス2群、ヒトヘルペスウイルス3群、ヒトヘルペスウイルス4群、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス8、ヒト免疫不全ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス1、ヒト免疫不全ウイルス2、ヒトパピローマウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルスI、ヒトT細胞白血病ウイルスII、ヒトT細胞白血病ウイルスIII、ヒトT細胞リンパ腫ウイルスI、ヒトT細胞リンパ腫ウイルスII、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス1型、ヒトT細胞リンパ球向性ウイルス2型、ヒトTリンパ球向性ウイルスI、ヒトTリンパ球向性ウイルスII、ヒトTリンパ球向性ウイルスIII、イクノウイルス、乳幼児胃腸炎ウイルス、感染性ウシ鼻気管炎ウイルス、感染性造血器壊死症ウイルス、感染性膵壊死ウイルス、インフルエンザウイルスA、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、インフルエンザウイルスD、インフルエンザウイルスpr8、昆虫虹色ウイルス、昆虫ウイルス、イリドウイルス、日本Bウイルス、日本脳炎ウイルス、JCウイルス、フニンウイルス、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、ケメロボウイルス、キルハム(Kilham's)ラットウイルス、クラマスウイルス、コロンゴ(Kolongo)ウイルス、韓国出血熱ウイルス、クンバウイルス、キャサヌル森林(Kysanur forest)病ウイルス、キジラガチ(Kyzylagach)ウイルス、ラクロスウイルス、乳酸デヒドロゲナーゼ上昇ウイルス、乳酸デヒドロゲナーゼウイルス、ラゴスコウモリウイルス、ラングールウイルス、ウサギ(lapine)パルボウイルス、ラッサ熱ウイルス、ラッサウイルス、潜在的ラットウイルス、LCMウイルス、リーキー(Leaky)ウイルス、レンチウイル
ス、ウサギポックスウイルス、白血病ウイルス、ロイコウイルス(leukovirus)、ランピースキン病ウイルス、リンパ節腫脹随伴ウイルス、リンホクリプトウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、リンパ増殖性ウイルス群、マチュポウイルス、狂掻痒症(mad itch)ウイルス、哺乳動物B型オンコウイルス群、哺乳動物B型レトロウイルス、哺乳動物
C型レトロウイルス群、哺乳動物D型レトロウイルス、乳房腫瘍ウイルス、マプエラウイルス、マールブルクウイルス、マールブルグ様ウイルス、マソンファイザーサルウイルス、マストアデノウイルス、カナロ(Canaro)ウイルス、MEウイルス、麻疹ウイルス、メナングルウイルス、メンゴウイルス(Mengo virus)、メンゴウイルス(Mengovirus)、ミッデルビュルフウイルス、搾乳者小結節ウイルス、ミンク腸炎ウイルス、マウス微小ウイルス、MLV関連ウイルス、MMウイルス、モコラウイルス、モルシポックスウイルス、伝染性軟属腫ウイルス、サルBウイルス、サル痘ウイルス、モノネガウイルス、モルビリウイルス、エルゴン山コウモリウイルス、マウスサイトメガロウイルス、マウス脳脊髄炎ウイルス、マウス肝炎ウイルス、マウスKウイルス、マウス白血病ウイルス、マウス乳房腫瘍ウイルス、マウス微小ウイルス、マウス肺炎ウイルス、マウス灰白髄炎ウイルス、マウスポリオーマウイルス、マウス肉腫ウイルス、マウス痘ウイルス、モザンビークウイルス、ムカンボウイルス、粘膜病ウイルス、ムンプスウイルス、ネズミ科ベータヘルペスウイルス1(murid betaherpesvirus 1)、ネズミ科サイトメガロウイルス2、マウス
サイトメガロウイルス群、マウス脳脊髄炎ウイルス、マウス肝炎ウイルス、マウス白血病ウイルス、マウス小結節誘導ウイルス、マウスポリオーマウイルス、マウス肉腫ウイルス、ムロメガロウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、粘液腫ウイルス、ミクソウイルス、多形ミクソウイルス、耳下腺炎(parotitidis)ミクソウイルス、ナイロビヒツジ疾患ウイ
ルス、ナイロウイルス、ナニルナウイルス(Nanirnavirus)、ナリバ(Nariva)ウイルス、ヌドゥモ(Ndumo)ウイルス、ニースリングウイルス、ネルソンベイウイルス、向神経
性ウイルス、ニューワールドアレナウイルス、新生児肺炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、ニパウイ


ルス、非細胞変性ウイルス、ノーウォークウイルス、核多角体病ウイルス(NPV)、ニ
ップルネック(nipple neck)ウイルス、オニョンニョンウイルス、オッケルボ(Ockelbo)ウイルス、発癌性ウイルス、発癌性ウイルス様粒子、オンコルナウイルス、オルビウ
イルス、オーフウイルス、オロポーチ(Oropouche)ウイルス、オルトヘパドナウイルス
、オルソミクソウイルス、オルソポックスウイルス、オルトレオウイルス、オルンゴ、ヒツジパピローマウイルス、ヒツジカタル熱ウイルス、ヨザルヘルペスウイルス、パリアムウイルス、パピローマウイルス、ワタオウサギパピローマウイルス、パポバウイルス、パラインフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス1型、パラインフルエンザウイルス2型、パラインフルエンザウイルス3型、パラインフルエンザウイルス4型、パラミクソウイルス、パラポックスウイルス、パラワクシニア(paravaccinia)ウイルス、パルボウイルス、パルボウイルスB19、パルボウイルス群、ペスチウイルス、フレボウイルス、アザラシジステンパーウイルス、ピコドゥナウイルス、ピコルナウイルス、ブタサイトメガロウイルス、ハトポックスウイルス、ピリウイルス、ピクスナウイルス、マウス肺炎ウイルス、ニューモウイルス、灰白髄炎ウイルス、ポリオウイルス、ポリドナウイルス、多角体(polyhedral)ウイルス、ポリオーマウイルス(polyoma virus)、ポリオーマウイルス(Polyomavirus)、ポリオーマウイルスボビス(bovis)、ポリオーマウイルス
セルコピテシ(cercopitheci)、ポリオーマウイルスホミニス2、ポリオーマウイルスマッカカエ(maccacae)1、ポリオーマウイルスムリス(muris)1、ポリオーマウイルス
ムリス2、ポリオーマウイルスパピオニス(papionis)1、ポリオーマウイルスパピオニス2、ポリオーマウイルスシルビラギ、ポンギン(Pongine)ヘルペスウイルス1、ブタ
流行性下痢症ウイルス、ブタ血球凝集性脳脊髄炎ウイルス、ブタパルボウイルス、ブタ伝染性胃腸炎ウイルス、ブタC型ウイルス、ポックスウイルス(pox virus)、ポックスウイルス(poxvirus)、ポックスウイルスバリオラエ(variolae)、プロスペクトヒルウイルス、プロウイルス、偽牛痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、オウムポックスウイルス、ウズラポックスウイルス、ウサギ線維腫ウイルス、ウサギ腎臓空胞化(vaculolating)ウイルス、ウサギパピローマウイルス、狂犬病ウイルス、アライグマパルボウイルス、アライグマポックスウイルス、ラニケート(Ranikhet)ウイルス、ラットサイトメガロウイルス、ラットパルボウイルス、ラットウイルス、ラウシャーウイルス、組換え型ワクチニアウイルス、組換え型ウイルス、レオウイルス、レオウイルス1、レオウイルス2、レオウイルス3、爬虫類C型ウイルス、呼吸器感染症ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、呼吸器ウイルス、細網内皮症ウイルス、ラブドウイルス、ラブドウイルスカルピア(carpia)、ラジノウイルス、ライノウイルス、リジディオウイルス(Rhizidiovirus)、リフトバレ
ー熱ウイルス、ライリーウイルス、牛疫ウイルス、RNA腫瘍ウイルス、ロスリバーウイルス、ロタウイルス、ルジョル(rougeole)ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、風疹ウイルス、麻疹ウイルス、ルビウイルス、ロシア秋脳炎ウイルス、SA11サルウイルス、SA2ウイルス、サビアウイルス、サギヤマウイルス、サイミリン(Saimirine)ヘルペスウ
イルス1、唾液腺ウイルス、サシチョウバエ熱ウイルス群、サンジンバ(Sandjimba)ウ
イルス、SARSウイルス、SDAV(唾液腺涙腺炎ウイルス)、アザラシポックス(sealpox)ウイルス、セムリキ森林ウイルス、ソウルウイルス、羊痘ウイルス、ショープ線
維腫ウイルス、ショープ乳頭腫ウイルス、サル泡沫状ウイルス、サルA型肝炎ウイルス、サルヒト免疫不全ウイルス、サル免疫不全ウイルス、サルパラインフルエンザウイルス、サルT細胞リンパ球向性ウイルス、サルウイルス、サルウイルス40、シンプレックスウイルス、シンノンブルウイルス、シンドビスウイルス、痘瘡ウイルス、南アメリカ出血熱ウイルス、スズメポックスウイルス、スプーマウイルス、リス線維腫ウイルス、リスザルレトロウイルス、SSV1ウイルス群、STLV(サルTリンパ球向性ウイルス)I型、STLV(サルTリンパ球向性ウイルス)II型、STLV(サルTリンパ球向性ウイルス)III型、丘疹性(papulosa)口内炎ウイルス、顎下ウイルス、イノシシ科アルファヘルペスウイルス1(suid alphaherpesvirus 1)、イノシシ科ヘルペスウイルス2、
ブタポックスウイルス(Suipoxvirus)、沼沢熱ウイルス、ブタポックスウイルス(swinepox virus)、スイスマウス白血病ウイルス、TACウイルス、タカリベウイルス群、タカリベウイルス、タナポックスウイルス、タテラポックスウイルス、テンチレオウイルス
、タイラー脳脊髄炎ウイルス、タイラーウイルス、ソゴトウイルス、トッタパラヤム(Thottapalayam)ウイルス、ダニ媒介性脳炎ウイルス、チオマンウイルス、トガウイルス、
トロウイルス、腫瘍ウイルス、ツパイアウイルス、シチメンチョウ鼻気管炎ウイルス、シチメンチョウポックスウイルス、C型レトロウイルス、D型オンコウイルス、D型レトロウイルス群、潰瘍性疾患ラブドウイルス、ウナウイルス、ウークニエミウイルス群、ワクチニアウイルス、空胞化ウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、バリセロウイルス、バリコラ(Varicola)ウイルス、大痘瘡ウイルス(variola major virus)、痘瘡ウイルス、ウ
アシンギシュー(Vasin Gishu)病ウイルス、VEEウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス、ベネズエラウマ出血熱ウイルス、水疱性口内炎ウイルス、ベジクロウイルス、ビリュイスク(Vilyuisk)ウイルス、毒ヘビレトロウイルス、ウイルス出血性敗血症ウイルス、ビスナマエディ(Visna Maedi)ウイルス、ビスナウイルス、ハタネズミポックスウイルス、VSV(水疱性口内炎ウイルス)、ウォーラル(Wallal)ウイルス、ウォレゴーウイルス、疣贅ウイルス、WEEウイルス、ウエストナイルウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳脊髄炎ウイルス、ワタロアウイルス、冬季嘔吐ウイルス、ウッドチャックB型肝炎ウイルス、ウーリーサル肉腫ウイルス、創傷腫瘍ウイルス、WRSVウイルス、ヤバサル腫瘍ウイルス、ヤバウイルス、ヤタポックスウイルス、黄熱病ウイルス、およびユグボグダノバク(Yug Bogdanovac)ウイルス。一
実施形態では、ウイルスごとに、ウイルス感染の特定相、例えば細胞侵入または複製サイクル中にウイルス感染に関与する宿主細胞遺伝子の一覧表(inventory)を含むインフェ
クトーム(infectome)が生成される。
いくつかのウイルスに関して、宿主細胞の感染中に関与するステップの解明には大きな進歩があり、これらのステップのいずれかは、ペプチド模倣大環状分子を使用して標的化することができる。例えば、1980年代初期に開始された実験では、インフルエンザウイルスが、他のウイルス、例えばアルファウイルスおよびラブドウイルスと共有する要素を用いる段階的なエンドサイトーシス侵入プログラムに従うことが示された(Marshおよ
びHelenius 1989年;Whittaker 2006年)。ステップは、1)細胞表面上のシ
アル酸含有複合糖質受容体への最初の付着、2)ウイルス粒子によって誘導されるシグナル伝達、3)クラスリン依存性およびクラスリン非依存性の細胞機序によるエンドサイトーシス、4)後期エンドソームからの酸誘導性の赤血球凝集素(hemaglutinin)(HA)媒介性透過、5)酸により活性化される、M2およびマトリックスタンパク質(M1)依存性のカプシドの脱殻、および6)vRNPのサイトゾル間輸送および核内移入を含む。これらのステップは、ソーティング受容体、小胞形成機構、キナーゼ媒介性制御、小器官の酸性化、および最も可能性が高い、細胞骨格の活性の形態の、宿主細胞からの支援に依存する。
細胞表面へのインフルエンザの付着は、HA1サブユニットが、末端シアル酸残基を有するオリゴ糖部分を担持する細胞表面の糖タンパク質および糖脂質に結合することによって生じる(SkehelおよびWiley 2000年)。シアル酸が次の糖に結合するための連結
は、種の特異性に寄与する。H5N1を含むトリ株は、a−(2,3)−連結を好み、ヒト株は、a−(2,6)−連結を好む(Matrosovich 2006年)。上皮細胞では、結
合は頂端表面上の微絨毛に優先的に生じ、エンドサイトーシスは、これらの伸長の基部で生じる(Matlin 1982年)。受容体結合が、浸潤に合わせて細胞を調製するシグナルを誘導するかどうかは未知であるが、タンパク質キナーゼCの活性化およびホスファチジルイノシトール(phopshatidylinositol)−3−リン酸(PI3P)の合成は、有効な侵入に必要であるため、その可能性がある(Sieczkarskiら、2003年;Whittaker 2006年)。
エンドサイトーシスの内在化は、結合後、数分以内に生じる(Matlin 1982年;YoshimuraおよびOhnishi 1984年)。組織培養細胞では、インフルエンザウイルスは、
以下の3つの異なる種類の細胞プロセスを使用する。1)既存のクラスリンにより被覆された窪み、2)ウイルス誘導性クラスリンにより被覆された窪み、および3)目にみえる被覆を有していない小胞内のエンドサイトーシス(Matlin 1982年;Sieczkarskiお
よびWhittaker 2002年;Rustら、2004年)。蛍光ウイルスを使用するビデオ顕
微鏡法では、ウイルス粒子が細胞周辺でアクチンにより媒介されて急速に動いた後、微小管により媒介されてマイナス端に向かって細胞の核周辺領域に輸送されることが示された。生細胞の画像化は、ウイルス粒子が、最初に移動性の周辺の初期エンドソームの小集団に入り、そのエンドソームが細胞質のより深い部分へとウイルス粒子を運んだ後、透過が生じることを示した(Lakadamyaliら、2003年;Rustら、2004年)。エンドサイ
トーシスプロセスは、タンパク質および脂質キナーゼ、プロテアソーム、ならびにRabsおよびユビキチン依存性ソーティング因子によって制御される(Khorら、2003年;Whittaker 2006年)。
膜透過ステップは、三量体の準安定なHAの低pH媒介性活性化、およびこのI型ウイルス融合タンパク質の膜融合可能なコンフォメーションへの変換によって媒介される(Maedaら、1981年;Whiteら、1982年)。これは、内在化の約16分後に生じ、pH閾値は、株の間で5.0〜5.6の範囲で変わる。標的膜は、中期または後期エンドソームの限界膜である。融合の機序は、大規模に研究されている(KielianおよびRey 2006年)。さらに、融合自体は、脂質二層膜および機能的酸性化系以外に、いかなる宿主細胞構成成分も必要としないらしいことが観察された(Maedaら、1981年;Whiteら、1982年)。透過ステップは、リソソーム向性の(lysosomotropic)弱塩基、カルボン酸イオノフォア、およびプロトンポンプ阻害剤などの作用物質によって阻害される(Matlin
1982年;Whittaker 2006年)。
到来するvRNPの核内移入を可能にするためには、カプシドが分解されなければならない。このステップでは、アマンタジン感受性のM2チャネルを介するウイルス内部の酸性化により、vRNPからM1の解離が引き起こされる(Bukrinskayaら、1982年;MartinおよびHelenius 1991年;Pintoら、1992年)。個々のvRNPの核膜孔複合体への輸送および核内への移動は、細胞の核輸送受容体に応じて決まる(O'Neillら、
1995年;Crosら、2005年)。ウイルスRNAの複製(プラス鎖およびマイナス鎖の合成)および転写は、核内のクロマチンと密に会合する複合体中で生じる。これらのステップの多くは、ウイルスポリメラーゼによって触媒されるが、RNAポリメラーゼ活性化因子、シャペロンHSP90、hCLE、およびヒトスプライシング因子UAP56を含む細胞因子が関与していることが明白である。ウイルス遺伝子発現は、細胞キナーゼに依存する制御系である、転写レベルでの複雑な細胞制御を受ける(Whittaker 2006
年)。
インフルエンザ粒子の最終的な集合は、原形質膜における発芽プロセス中に生じる。上皮細胞では、発芽は、頂端膜ドメインだけで生じる(Rodriguez-Boulan 1983年)。最初に、子孫vRNPは、核質内の核エンベロープに輸送され、次に核から細胞質に輸送され、最後に、細胞周辺に蓄積する。核からの退出は、ウイルスタンパク質NEPおよびM1、ならびにCRM1(核外移行受容体(nuclear export receptor))、カスパー
ゼ、およびおそらくいくつかの核タンパク質シャペロンを含む様々な細胞タンパク質に依存する。リン酸化は、M1およびNEP合成を制御することによって、またMAPK/ERK系を介して、核外移行においてある役割を果たす(Buiら、1996年;Ludwig 2
006年)。Gタンパク質およびタンパク質キナーゼシグナル伝達は、感染宿主細胞からのインフルエンザウイルスの発芽に関与する(Hui E.およびNayak D、2002年)。
ウイルスの3つの膜タンパク質は、ER中で合成され、フォールディングされ、オリゴマーに集合する(Domsら、1993年)。これらはゴルジ複合体を通過し、それらの炭水
化物部分の修飾およびタンパク分解性切断によって成熟する。これらは、原形質膜に到達した後、発芽プロセスにおいてM1およびvRNPと会合し、その結果、8つすべてのvRNPが包含され、脂質以外のほとんどの宿主細胞構成成分が排除される。
インフルエンザ感染は、MAPK経路(ERK、JNK、p38およびBMK−1/ERK5)、κB/NF−κBシグナル伝達モジュール、Raf/MEK/ERKカスケード、およびプログラム細胞死を含むいくつかのシグナル伝達カスケードの活性化と関連する(Ludwig 2006年)。これにより、感染の進行を制限する様々な作用、例えばIFN−βの転写活性化、アポトーシス細胞死、および後期エンドソームからのウイルスの脱出妨害が生じる(Ludwig 2006年)。
投与
本開示の水性医薬製剤は、多くの適切な非経口様式の投与経路を利用することができる。製剤は、例えば静脈内、動脈内、髄腔内、または皮下投与することができる。薬剤の組合せが別個の製剤として投与される場合、それらは同じ経路または異なる経路によって投与することができる。
一部の実施形態では、水性医薬製剤は、単回用量で投与される。水性医薬製剤の単回用量は、急性状態の処置のための別の物質(例えば、鎮痛剤)と共投与される場合に使用することもできる。
一部の実施形態では、水性医薬製剤(それ自体で、または他の薬物と組み合わせて)は、複数回用量で投与される。投与は、1日約1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回または10回を超え得る。投与は、1年約1回、1年2回、6カ月ごと、4カ月ごと、3カ月ごと、60日ごと、1カ月1回、2週間毎に1回、1週間に1回、または2日毎に1回であり得る。別の実施形態では、水性医薬製剤は、単独で、または別の治療物質と組み合わせて、1日約1回〜1日約10回、一緒に投与される。別の実施形態では、水性医薬製剤の投与は、単独で、または別の治療物質と組み合わせて、約7日未満継続される。さらに別の実施形態では、投与は、約6日、10日、14日、28日、2カ月、6カ月、または1年を超えて継続される。
本開示の製剤の投与は、必要な限り継続することができる。一部の実施形態では、本開示の水性医薬製剤は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、14日、28日、35日、42日、49日、56日、63日、70日、77日、84日、91日、98日、105日、112日、119日、126日、133日、または140日を超えて投与される。一部の実施形態では、本開示の水性医薬製剤は、140日、133日、126日、119日、112日、105日、98日、91日、84日、77日、70日、63日、56日、49日、42日、35日、28日、14日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、または1日未満投与される。一部の実施形態では、本開示の水性医薬製剤は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、または12日を超えて投与される。一部の実施形態では、本開示の水性医薬製剤は、12カ月、11カ月、10カ月、9カ月、8カ月、7カ月、6カ月、5カ月、4カ月、3カ月、2カ月、または1カ月未満投与される。一部の実施形態では、本開示の水性医薬製剤は、1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、10年、11年、または12年を超えて投与される。一部の実施形態では、本開示の水性医薬製剤は、12年、11年、10年、9年、8年、7年、6年、5年、4年、3年、2年、または1年未満投与される。一部の実施形態では、本開示の水性医薬製剤は、継続的に長期間投与される。
本開示の水性医薬製剤の投与は、日常的な実験作業によって見出され得る。1日量は、約1×10−8g〜5000mgの範囲であり得る。1日量の範囲は、使用される水性医
薬製剤、例えばペプチド模倣大環状分子の形態、および/または本明細書に記載の投与経路に応じて決まり得る。例えば、1日量は、約0.1〜5000mg、約0.1〜3000mg、約0.1〜2000mg、約0.1〜1000mg、約01.〜500mg、約0.1〜100mg、1〜5000mg、約1〜3000mg、約1〜2000mg、約1〜1000mg、約1〜500mg、または約1〜100mg、約10〜5000mg、約10〜3000mg、約10〜2000mg、約10〜1000mg、約10〜500mg、約10〜200mg、約10〜100mg、約20〜2000mg、約20〜1500mg、約20〜1000mg、約20〜500mg、約20〜100mg、約50〜5000mg、約50〜4000mg、約50〜3000mg、約50〜2000mg、約50〜1000mg、約50〜500mg、約50〜100mg、約100〜5000mg、約100〜4000mg、約100〜3000mg、約100〜2000mg、約100〜1000mg、約100〜500mgの範囲であり得る。一部の実施形態では、水性医薬製剤の1日量は、約0.01、0.1、1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000mgである。一部の実施形態では、水性医薬製剤の1日量は、0.01mgである。一部の実施形態では、水性医薬製剤の1日量は、0.1mgである。一部の実施形態では、水性医薬製剤の1日量は、1mgである。一部の実施形態では、水性医薬製剤の1日量は、最大10mgである。一部の実施形態では、水性医薬製剤の1日量は、最大20mgである。一部の実施形態では、水性医薬製剤の1日量は、50mgである。一部の実施形態では、水性医薬製剤の1日量は、100mgである。
III.キット
本明細書に記載の使用の治療方法において使用するために、本開示の製剤は、キットとして利用可能であり得る。このようなキットは、本明細書に記載の方法において使用するための1つまたは複数の用量の水性医薬製剤を入れるように任意選択で区分されている運搬体、パッケージ、または容器を含み得る。本明細書で提供されるキットは、パッケージ材料を含有し得る。医薬生成物のパッケージに使用するためのパッケージ材料には、例えば米国特許第5,323,907号に記載のものが含まれるが、それに限定されない。薬学的パッケージ材料の例として、選択された製剤、ならびに所期の投与方法および処置に適したブリスターパック、ボトル、管、バッグ、容器、ボトル、および任意のパッケージ材料が挙げられるが、それらに限定されない。
本開示の水性医薬製剤は、多回投与形態または単回投与形態にパッケージされ得る。いくつかの場合には、製剤は、多回投与形態にパッケージされる。一部の実施形態では、製剤は、単回投与単位としてパッケージされる。本開示の一部の実施形態では、製剤の単回投与パッケージは、多回投与パッケージと比較して、投与量の制御、患者の服薬順守の増大、製品ラベル付けの改善、および偽造の低減を含めたいくつかの利点を提供し得る。様々な実施形態では、本開示の製剤の単回投与量パッケージは、バイアル、アンプル、管、ボトル、小袋、パケット、シリンジまたはブリスターパックの形態であり得る。一部の実施形態では、単回投与容器は、一緒にまとめて、追加の容器に入れることができる。一部の実施形態では、第2の容器は、小袋である。
いくつかの例では、本開示の製剤は、ボトルまたはバイアルに充填され得る。いくつかの例では、製剤は、ガラスセラムバイアルに充填され得る。いくつかの例では、製剤は、ホウケイ酸ガラスから構成されたセラムバイアルに充填され得る。いくつかの例では、製剤は、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、10mL、20mL、30mL、または50mLのガラスバイアルに充填される。いくつかの例では、製剤は、5mLのガラスバイアルに充填される。いくつかの例では、製剤は、10mLのガラスバイアルに充填される。いくつかの例では、製剤は、15mLのガラスバイアルに充填される。いくつかの例では、製剤は、20mLのガラスバイアルに充填される。一部の実施形態では、バイア
ルは、5mm、10mm、15mm、20mm、30mm、または50mmのオリフィスを含む。一部の実施形態では、製剤は、20mmのオリフィスを有する5mLのホウケイ酸ガラスバイアルに充填される。一部の実施形態では、製剤は、20mmのオリフィスを有する10mLのホウケイ酸ガラスバイアルに充填される。容器、ボトルおよび/またはバイアルには、適切なキャップまたはストッパーを備えることができる。一部の実施形態では、バイアルには、ビニルストッパーが備えられる。一部の実施形態では、製剤は、ビニルストッパーを備えた20mmのオリフィスを有する10mLのガラスバイアルに充填される。ストッパーは、FluroTek(登録商標)でコーティングされ得る。容器、ボトルおよび/または缶には、密封部品、例えば圧着型の(crimped-on)フリップオフキャップを備えることもできる。密封部品は、アルミニウムおよび/またはプラスチックであり得る。容器は、ガラスアンプルであり得る。
一部の実施形態では、バイアルおよびボトルを含めた容器は、それに製剤をパッケージする前に目にみえる微粒子、ガラス欠損、および/またはストッパー/キャップの完全性について検査することができる。一部の実施形態では、バイアルおよびボトルを含めた容器は、それに製剤をパッケージした後に目にみえる微粒子、ガラス欠損、および/またはストッパー/キャップの完全性について検査することができる。一部の実施形態では、バイアルおよびボトルを含めた容器は、それに製剤をパッケージする前および/またはパッケージした後に目にみえる微粒子、ガラス欠損、および/またはストッパー/キャップの完全性について検査することができる。また、バイアルおよびボトルを含めた容器は、それに製剤をパッケージした後、充填高さ(fill height)についてさらに検査することができる。検査は、視覚的な検査であってよく、任意の好都合な条件下で、例えば黒色および白色背景の前で行うことができる。
またキットは、内容物を列挙したラベルおよび/または使用のための指示および、使用のための指示に関するパッケージ挿入物を含むことができる。また典型的に、一群の指示が含まれる。一実施形態では、ラベルは、容器上にあるか、または容器に関連付けられている。一実施形態では、ラベルは、ラベルを形成する文字、数字または他の特徴が、容器自体に付着しており、成型されており、または刻み込まれている場合には、容器上にあり、ラベルは、容器を保持している入れ物または運搬体内に、例えばパッケージ挿入物として存在する場合には、容器に関連付けられる。一実施形態では、ラベルは、内容物が、具体的な治療適用のために使用されるべきであることを示すために使用される。またラベルは、本明細書に記載の方法などにおいて内容物を使用するための指示を示す。ラベルは、任意選択で、製剤の製造日、推奨保存条件、製剤の所期の投与方法、封入されている製剤の量および/またはペプチド模倣大環状分子の濃度を含む群から選択される1つまたは複数の項目を示すことができる。ラベルはさらに、適用できる任意の警告および/または起こり得る副作用を含み得る。
ある特定の実施形態では、医薬製剤は、本明細書に記載の製剤を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有するパックまたはディスペンサーデバイスに入れて提示される。パックは、例えば、金属またはプラスチック箔、例えばブリスターパックを含有する。一実施形態では、パックまたはディスペンサーデバイスには、投与のための指示が添付されている。一実施形態では、パックまたはディスペンサーはまた、医薬品の製造、使用、または販売を規制する行政機関によって規定された形態の、容器と関連付けられた通知が添付されており、この通知は、ヒトまたは動物に投与するための薬物形態の、該機関による承認を反映している。このような通知は、例えば、処方薬物の米国食品医薬品局によって承認されたラベリング、または承認された製品挿入物である。また、一実施形態では、適合性のある医薬キャリアで製剤化された、本明細書に提示の化合物を含有する製剤が調製され、適切な容器に入れられ、指定の状態の処置に関するラベルが付される。
(実施例1)
ペプチド模倣大環状分子
ペプチド模倣大環状分子を、既に説明されており、以下に記載されている通りに合成し、精製し、分析した(Schafmeisterら、J. Am. Chem. Soc. 122巻:5891〜5892頁(2000年);SchafmeisterおよびVerdine、J. Am. Chem. Soc. 122
巻:5891頁(2005年);Walenskyら、Science 305巻:1466〜1470
頁(2004年);および米国特許第7,192,713号)。ペプチド模倣大環状分子は、2つまたはそれを超える天然に存在するアミノ酸を対応する合成アミノ酸で置き換えることによって設計した。置換は、iおよびi+4位置、ならびにiおよびi+7位置で行った。ペプチド合成を、手動または自動化ペプチド合成装置(Applied Biosystems、モデル433A)のいずれかで、固相条件、rink amide AM樹脂(Novabiochem)、およびFmoc主鎖保護基化学を使用して実施した。天然Fmoc−保護アミノ酸(Novabiochem)のカップリングのために、10当量のアミノ酸および1:1:2モル比のカップリング試薬HBTU/HOBt(Novabiochem)/DIEAを用いた。非天然アミノ酸(4当量)を、1:1:2モル比のHATU(Applied Biosystems)/HOBt/DIEAとカップリングさせた。合成ペプチドのN末端を、アセチル化し、C末端をアミド化した。
架橋化合物の精製は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(Varian ProStar)によって、逆相C18カラム(Varian)で達成して、純粋な化合物を得た。純粋な生成物の化学的組成を、LC/MS質量分析(Agilent 1100 HPLC系と連結させたMicromass LCT)およびアミノ酸分析(Applied Biosystems、モデル420A)によって確認した。
以下のプロトコルを、SP662、SP663およびSP664を含むジアルキン架橋ペプチド模倣大環状分子の合成において使用した。完全に保護された樹脂結合ペプチドを、PEG−PS樹脂(負荷0.45mmol/g)上で0.2mmolのスケールで合成した。一時的Fmoc基の脱保護を、樹脂結合ペプチドを、DMF中20%(v/v)ピペリジンで3×10分間処理することによって達成した。NMP(3×)、ジクロロメタン(3×)およびNMP(3×)で洗浄した後、連続的な各アミノ酸のカップリングを、予め活性化させた適切なFmoc−アミノ酸誘導体と共に1×60分間インキュベートして達成した。すべての保護アミノ酸(0.4mmol)を、NMPに溶解させ、HCTU(0.4mmol)およびDIEA(0.8mmol)で活性化させた後、カップリング溶液を脱保護した樹脂結合ペプチドに移した。カップリングが完了した後、樹脂を、次の脱保護/カップリングサイクルのための調製において洗浄した。アミノ末端のアセチル化を、NMP中、無水酢酸/DIEAの存在下で実施した。各カップリングの完了を検証するために、完全に集合した樹脂結合ペプチドのアリコートから得た、切断し脱保護した試料のLC−MS分析を達成した。典型的な例では、テトラヒドロフラン(4ml)およびトリエチルアミン(2ml)を、40mlのガラスバイアルに入れたペプチド樹脂(0.2mmol)に添加し、10分間振とうした。次に、Pd(PPhCl(0.014g、0.02mmol)およびヨウ化銅(0.008g、0.04mmol)を添加し、得られた反応混合物を、大気に開放した状態で機械的に16時間振とうした。ジイン環化樹脂結合ペプチドを脱保護し、TFA/HO/TIS(95/5/5v/v)で室温において2.5時間処理することによって、固体支持体から切断した。樹脂を濾過した後、TFA溶液が冷ジエチルエーテル中で沈殿し、それを遠心分離処理して、所望の生成物を固体として得た。粗製生成物を、分取HPLCによって精製した。
以下のプロトコルを、SP665を含む単一のアルキン架橋ペプチド模倣大環状分子の合成に使用した。完全に保護された樹脂結合ペプチドを、Rink amide MBH
A樹脂(負荷0.62mmol/g)上で0.1mmolのスケールで合成した。一時的Fmoc基の脱保護を、樹脂結合ペプチドを、NMP中25%(v/v)ピペリジンで2×20分間処理することによって達成した。NMPおよびジクロロメタンで十分に洗い流した後、連続的な各アミノ酸のカップリングを、予め活性化させた適切なFmoc−アミノ酸誘導体と共に1×60分間インキュベートして達成した。すべての保護アミノ酸(1mmol)を、NMPに溶解させ、HCTU(1mmol)およびDIEA(1mmol)で活性化させた後、カップリング溶液を脱保護した樹脂結合ペプチドに移した。カップリングが完了した後、樹脂を、次の脱保護/カップリングサイクルのための調製において十分に洗い流した。アミノ末端のアセチル化を、NMP/NMM中、無水酢酸/DIEAの存在下で実施した。各カップリングの完了を検証するために、完全に集合した樹脂結合ペプチドのアリコートから得た、切断し脱保護した試料のLC−MS分析を達成した。典型的な例では、ペプチド樹脂(0.1mmol)を、DCMで洗浄した。樹脂を、マイクロ波バイアルに入れた。容器を排気し、窒素でパージした。モリブデンヘキサカルボニル(0.01当量、Sigma Aldrich 199959)を添加した。無水クロロベンゼンを反応容器に添加した。次に、2−フルオロフェノール(1当量、Sigma Aldrich F12804)を添加した。次に、反応物をマイクロ波バイアルに入れ、130℃で10分間保持した。反応は、完了するためにその後の時間進める必要がある場合がある。アルキンメタセシス化された(metathesized)樹脂結合ペプチドを脱保護し、TFA/HO/TIS(94/3/3v/v)で室温において3時間処理することによって、固体支持体から切断した。樹脂を濾過した後、TFA溶液が冷ジエチルエーテル中で沈殿し、それを遠心分離処理して、所望の生成物を固体として得た。粗製生成物を、分取HPLCによって精製した。
表1は、調製したペプチド模倣大環状分子の一覧を示す。表1a、表1b、表1cおよび表1dは、ペプチド模倣大環状分子の選択を示す。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、表2aに示されているペプチド模倣大環状分子を除外する。一部の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、表2aに示されているペプチド模倣大環状分子構造を含まない。他の実施形態では、ペプチド模倣大環状分子は、表2bに示されているペプチド模倣大環状分子を除外する。一部の実施形態では、本明細書に開示のペプチド模倣大環状分子は、表2bに示されているペプチド模倣大環状分子構造を含まない。
(実施例2)
医薬製剤のペプチド模倣製剤バッチ1リットルの調製
Aileronペプチド1を、医薬製剤として製剤化する。Aileronペプチド1は、20個未満のアミノ酸長のアミノ酸配列を有する、アルファヘリカル炭化水素架橋ポリペプチド大環状分子であり、これは、野生型ヒトP53タンパク質のトランス活性化ドメインから得られ、野生型ヒトP53タンパク質のトランス活性化ドメインの場合のように、互いに対して同じ位置にフェニルアラニン、トリプトファンおよびロイシンアミノ酸を含有している。Aileronペプチド1は、アミノ酸配列のi〜i+7位置に、単一架橋がスパンするアミノ酸を有しており、i+7位置とカルボキシル末端の間に3個を超えるアミノ酸を有している。Aileronペプチド1は、ヒトMDM2およびMDM4に結合し、エレクトロスプレーイオン化−質量分析によって測定して、950〜975m/eの観測質量を有している。
製剤化したAileronペプチド1の各1リットルについては、ペプチドを、順次、注射用水900mL、リン酸一ナトリウム一水和物182mg、無水リン酸二ナトリウム2,968mg、およびD−トレハロース82.2gに溶解させる。ポリソルベート20の10%(w/w)水溶液3.0mLを添加する。その溶液に、Aileronペプチド1の15,000mgをペプチド含量によって割り、ペプチド純度によって割った量を、撹拌しながらゆっくり添加する。例えば、ペプチド含量が94.3%であり、ペプチド純
度が98.2%である場合、15,000/94.3*100/98./100、すなわち16,215mgのバルクAileronペプチド1が、添加されるはずである。ペプチドを溶解している間、溶液のpHを、0.1N水酸化ナトリウムを添加することによって7.5〜7.7に維持する。
すべてのペプチドが溶解した後、溶液のpHを水酸化ナトリウムで7.5±0.1に調整し、その後適量のWFIで1,000mLにする。溶液を5分間撹拌し、次にその溶液を0.22μmのPVDF−メンブレンフィルターを通過させることによって清澄化する。
(実施例3)
滅菌濾過および充填
製剤化した生成物を、充填針を備えた、2つの連続滅菌0.22μmのPVDFメンブレンフィルターで濾過して、滅菌容器に入れる。充填プロセスは、両方のフィルターが濾過後のフィルター完全性試験に合格した後に開始する。一方または両方のフィルターが、濾過後の完全性試験に合格しない場合、両方のフィルターが試験に合格するまで、直列式の滅菌濾過プロセスを反復する。
すべてのバイアルを、白色および黒色背景の前で、目にみえる微粒子、ガラスの欠陥、充填の高さおよびストッパー/キャップの完全性について検査する。次に、およそ180個のバイアル容器に、1リットルバッチ当たりそれぞれ5.2mL〜5.7mLのレベルまで充填し、充填目標は5.5mLである(ラベル記載は5.0mLである)。充填体積精度を、充填プロセスを通して検証する。バイアルおよびストッパーを装填した充填機は、各バイアルが充填された直後にストッパーで栓をする。キャッピングは、充填し、ストッパーで栓をする工程の流れに沿って行われ、またはISOクラス5の給気の下で別に行うことができる。充填プロセス中、充填バイアルの内容物の重量をチェックして、バイアルに特定の充填体積が確実に入ることを確実にする。任意の不合格のバイアルは、破棄される。
(実施例4)
安定性の分析
安定性の研究をさらにチャレンジングなものにするために、直径13mmのストッパーの付いた2mLのバイアル、および充填体積1.0mLを選択した。より小さいバイアルサイズでは、生成物の安定性に対する任意の容器/閉鎖効果を増幅するはずの表面対体積比がより大きくなる。バイアルのすべての表面がチャレンジされるようにするために、バイアルを倒置で保存した。倒置のバイアルの試験保存条件は、−20℃、+5℃、+25℃、および+40℃のRHである。
この研究の結果を、表5に示す。6カ月の試験期間にわたって−20℃〜+25℃の保存温度において、認識できる純度喪失はなく、同じ期間にわたって40℃で保存した試料では、わずか約1.8%の純度喪失がある。40℃の試料において、観測されたRRT値の連続的で小さい増大0.22〜0.81が、RP−HPLC(TFA)方法の優れた検出力および安定性指示能の両方について証明される。ペプチド模倣大環状分子の濃度は、保存温度に独立に、すべての試料について6カ月間にわたって許容される±4%範囲内にとどまった。
表5: 5倍縮小型の倒置容器/閉鎖構成において、該容器/閉鎖表面によって任意の潜在的
な生成物分解作用を増幅するように、20mMのリン酸ナトリウム、240mMのトレハロース、3
00ppmのポリソルベート20緩衝液中、15mg/mLで製剤化したAileronペプチド1の生成物の安定性の結果。
Figure 2021046436
(実施例5)
TRISおよびリン酸緩衝液の比較データ
製剤の組成
2種の製剤、F1およびF2を製剤化した。表6は、2種の製剤の組成を示している。製剤を、直径20mmの6mLの無色バイアルに充填した。バイアルは、直径20mmのテフロン(登録商標)セラムストッパーD777−1、およびPP−キャップなしの直径
20mmのアルミニウムキャップを備えていた。各製剤の6つのバイアルを調製した。バイアルを2〜8℃で保存した。直接太陽光に曝露されないようにした。
Figure 2021046436
ペプチド模倣大環状分子を含まない、2種のプラセボ製剤P1(20mMのリン酸Na緩衝液を含む)とP2(20mMのTris緩衝液を含む)も調製した。
すべての6ml充填バイアルを、Seidenaderを使用して視覚的に検査した。この観察の結果を表7にまとめる。観察された画像を、図2に示す。
Figure 2021046436
(実施例6)
本発明のペプチド模倣大環状分子の有効期間
Aileronペプチド1の医薬製剤を、上記の通り製剤化し、様々な温度で保存した(−20℃、2〜8℃、25℃で60%湿度および40℃で75%湿度。試料の純度を、一定の時間間隔で分析した。Aileronペプチド1に関するこれらの実験の結果を、図4にまとめる。これらの実験により、−20℃および2〜8℃で2年を超える有効期間が支持される。
(実施例7)
Aileronペプチド1の安定性試験を、上記の通り製剤化し、様々な温度で保存した医薬製剤で実施した(−20℃、2〜8℃、25℃で60%湿度および40℃で75%湿度。試料の純度を、一定の時間間隔で分析した。Aileronペプチド1に関するこれらの実験の結果を、表8、9、10、および11にまとめる。
Figure 2021046436
Figure 2021046436
Figure 2021046436

1視覚的外観の規格:解凍時、透明、無色の、微粒子を含まない溶液
2pHの規格:7.3〜7.7
3RP-HPLC(TFA)による純度の規格:≧95%;>3%の単一不純物なし
4>0.1%のRRTによって列挙される不純物
5USP<788>(光障害法(light obstruction))の規格:バイアル1つ当たり≧10μmの粒子が≦6,000個および≧25μmの粒子が≦600個 (上方のセル:≧10μm粒子;下方のセル:≧25μm
粒子
6CCITの規格:染料侵入なし
7エンドトキシン:≦4.4EU/mL(患者体重1Kg当たり患者の最大用量17mgのALRN-6924に基づ
く)
Figure 2021046436
(実施例8)
Aileronペプチド1の安定性試験
Aileronペプチド1を、濃度15mg/mLで製剤化した医薬製剤で実施した(20mMのリン酸ナトリウム、240mMのD−トレハロース、330ppmのポリソルベート20、pH7.5)。この製剤5mLを、10mLの透明なセラムバイアル(20mmのFluroTec(登録商標)被覆ストッパー;20mmのFlip−off(商標)密封部品)で保存した。製剤を−15℃で保存し、定期的に試験した。この分析の結果を、表12にまとめる。
Figure 2021046436
(実施例9)
様々な保存条件下でのAileronペプチド1の複数バッチの安定性試験
Aileronペプチド1の試料1〜7を、濃度15mg/mLで製剤化した(20mMのリン酸ナトリウム、240mMのD−トレハロース、330ppmのポリソルベート20、pH7.5)。これらの試料を、表13に記載の通り、異なる保存条件下で保存し
た。製剤を、外観および純度について試験した。結果を以下の表14〜16にまとめる。
Figure 2021046436

Figure 2021046436
Figure 2021046436

Figure 2021046436
Figure 2021046436

Figure 2021046436

Figure 2021046436
Figure 2021046436

Figure 2021046436
Figure 2021046436

Figure 2021046436

Figure 2021046436
(実施例10)
von Heijne(VH)値の算出
von Heijne値を、Hessaら、Recognition of transmembrane helices by
the endoplasmic reticulum translocon、Nature:433巻、377〜381頁(2005年)に採用されている方法を使用して算出した。簡潔には、以下の表18に従って、ポリペプチド鎖に沿った位置に関わらず、各アミノ酸に固定値を割り当てる。
表18:様々なアミノ酸のvon Heijneスコア
Figure 2021046436
次に、ポリペプチドのvon Heijne値(VH)を、ポリペプチド中のすべてのアミノ酸の合計値として算出する。例えば、配列Ac−AAAAA−NHのペンタペプ
チドは、5*(0.1)=0.5のVHスコアを有するはずである。
(実施例11)
逆相HPLC保持時間の決定
ペプチドを、逆相HPLCによって、100×2.1mmのPhenomenex 2.6ミクロン、100オングストロームC18カラムで以下の移動相勾配を使用して室温で分析した。
Figure 2021046436
一部の実施形態では、次に、保持時間(RT)を、以下の等式:RT=[RT_raw(上から)*3.317−0.534]*3.3333によって0〜100尺度に正規化した。一部の実施形態では、保持時間は、正規化しなかった。

Claims (1)

  1. 明細書中に記載の発明。
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