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JP2020131143A - 浸漬膜ろ過装置および浸漬膜ろ過装置の運転方法 - Google Patents

浸漬膜ろ過装置および浸漬膜ろ過装置の運転方法 Download PDF

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JP2020131143A JP2019029516A JP2019029516A JP2020131143A JP 2020131143 A JP2020131143 A JP 2020131143A JP 2019029516 A JP2019029516 A JP 2019029516A JP 2019029516 A JP2019029516 A JP 2019029516A JP 2020131143 A JP2020131143 A JP 2020131143A
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Abstract

【課題】浸漬膜ろ過装置の浸漬膜を薬液中で洗浄する方法において、膜の二次側の汚染を効率的に抑制することができる浸漬膜ろ過装置および浸漬膜ろ過装置の運転方法を提供する。【解決手段】浸漬槽12に設置された浸漬膜16によって膜ろ過処理を行う膜ろ過装置10と、浸漬槽12に薬剤を導入して薬液中で浸漬膜を洗浄する薬液洗浄手段と、浸漬膜16の二次側を加圧して保持する加圧手段と、を備える、浸漬膜ろ過装置1である。【選択図】図1

Description

本発明は、浸漬膜を用いて固液分離を行う浸漬膜ろ過装置およびその浸漬膜ろ過装置の運転方法に関する。
被処理水中の金属、有機物等の懸濁物質を固液分離する方法として、槽内に膜を浸漬させた浸漬膜により膜ろ過処理を行って固液分離する方法がある。
このような浸漬膜を用いて固液分離を行う方法において、固液分離により浸漬膜に付着した懸濁物質等を除去するため、浸漬膜の洗浄が必要となる。浸漬膜の洗浄方法として、槽内で膜の二次側から一次側に逆洗水を通水して膜表面の付着物を洗浄する逆洗や、次亜塩素酸ナトリウム等のアルカリ性の薬剤を加えた逆洗水により逆洗を行う化学的強化逆洗(Chemical Enhanced Backwash)や、浸漬膜を設置している浸漬槽に薬剤を導入して、薬液中で浸漬膜を洗浄する方法(例えば、特許文献1参照)等が知られている。
薬液中で浸漬膜を洗浄する方法において、膜を薬液に浸漬させると、膜に付着していた金属や有機物等が薬液へと溶解し、膜の一次側の薬液が自然拡散により膜の二次側へ移動して、膜の二次側が汚染されることがある。特に膜に金属が付着していた場合、薬液洗浄後に膜を浸漬させた薬液の中和処理を行うと、膜の二次側にて金属が析出して、膜の二次側の汚染や、薬液洗浄後に膜ろ過処理を再開すると処理水が汚染され、薬品洗浄効果の低減を招くことがある。中和処理後に、膜の二次側に残留した薬液をブローする方法もあるが、ブローにより排出される排水量が増加してしまう。
特開2008−114154号公報
本発明の目的は、浸漬膜ろ過装置の浸漬膜を薬液中で洗浄する方法において、膜の二次側の汚染を効率的に抑制することができる浸漬膜ろ過装置および浸漬膜ろ過装置の運転方法を提供することにある。
本発明は、浸漬槽に設置された浸漬膜によって膜ろ過処理を行う膜ろ過装置と、前記浸漬槽に薬剤を導入して薬液中で浸漬膜の洗浄を行う薬液洗浄手段と、前記浸漬膜の二次側を加圧して保持する加圧手段と、を備える、浸漬膜ろ過装置である。
前記浸漬膜ろ過装置において、前記浸漬槽に中和剤を導入して前記薬液の中和処理を行う中和手段をさらに備え、前記薬液洗浄手段による洗浄、前記加圧手段による加圧の後に、前記中和手段による中和処理が行われることが好ましい。
前記浸漬膜ろ過装置において、前記薬液洗浄手段による洗浄、前記加圧手段による加圧、前記中和手段による中和処理の順に行われることが好ましい。
前記浸漬膜ろ過装置において、前記加圧手段による加圧、前記薬液洗浄手段による洗浄、前記中和手段による中和処理の順に行われることが好ましい。
前記浸漬膜ろ過装置において、前記膜ろ過処理により得られた処理水を、前記浸漬膜の二次側から一次側へ供給して逆洗を行う逆洗手段をさらに備え、前記逆洗手段による逆洗が、前記加圧手段による加圧の前に行われることが好ましい。
本発明は、浸漬槽に設置された浸漬膜によって膜ろ過処理を行う膜ろ過工程と、前記浸漬槽に薬剤を導入して薬液中で浸漬膜の洗浄を行う薬液洗浄工程と、前記浸漬膜の二次側を加圧して保持する加圧工程と、を含む、浸漬膜ろ過装置の運転方法である。
前記浸漬膜ろ過装置の運転方法において、前記浸漬槽に中和剤を導入して前記薬液の中和処理を行う中和工程をさらに含み、前記薬液洗浄工程、前記加圧工程の後に、前記中和工程を行うことが好ましい。
前記浸漬膜ろ過装置の運転方法において、前記薬液洗浄工程、前記加圧工程、前記中和工程の順に行うことが好ましい。
前記浸漬膜ろ過装置の運転方法において、前記加圧工程、前記薬液洗浄工程、前記中和工程の順に行うことが好ましい。
前記浸漬膜ろ過装置の運転方法において、前記膜ろ過処理により得られた処理水を、前記浸漬膜の二次側から一次側へ供給して逆洗を行う逆洗工程をさらに含み、前記逆洗工程を、前記加圧工程の前に行うことが好ましい。
本発明によって、浸漬膜ろ過装置の浸漬膜を薬液中で洗浄する方法において、膜の二次側の汚染を効率的に抑制することができる。
本発明の実施形態に係る浸漬膜ろ過装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る浸漬膜ろ過装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。
図1の浸漬膜ろ過装置1は、浸漬槽12に設置された浸漬膜16によって膜ろ過処理を行う膜ろ過装置10を備える。浸漬膜ろ過装置1は、処理水を貯留する処理水槽14を備えてもよい。
図1の浸漬膜ろ過装置1において、浸漬槽12の被処理水入口には、被処理水配管22が接続されている。浸漬槽12の内部には浸漬膜16が設置され、浸漬膜16の二次側と処理水槽14の処理水入口とは、ポンプ18、バルブ30を介して処理水配管24により接続されている。処理水槽14の逆洗水出口と、処理水配管24におけるポンプ18の上流側とは、ポンプ20、バルブ32を介して逆洗水配管28により接続されている。浸漬槽12の下部には、浸漬槽12内の排水等を排出する排出配管26が接続されている。浸漬槽12には、浸漬槽12に薬剤を導入する薬剤導入配管34と、浸漬槽12に中和剤を導入する中和剤導入配管36とが接続されている。空気等の気体を浸漬膜16の二次側へ導入し加圧して保持する加圧手段として気体供給装置38が、気体供給配管40により処理水配管24におけるポンプ18の上流側と接続されている。処理水配管24における気体供給配管40の接続点の上流側には、圧力測定手段として圧力測定装置42が設置されている。
本実施形態に係る浸漬膜ろ過装置の運転方法および浸漬膜ろ過装置1の動作について説明する。
<膜ろ過工程>
金属、有機物等の懸濁物質等を含む被処理水は、被処理水配管22を通して浸漬槽12へと送られる。浸漬槽12において、被処理水に浸漬させた浸漬膜16を用いて、被処理水の固液分離が行われる(膜ろ過工程)。バルブ30が開状態、バルブ32が閉状態とされ、被処理水は、ポンプ18によって浸漬膜16の外側(一次側)から内側(二次側)へと吸引され、被処理水に含まれる金属、有機物等の懸濁物質等がろ過される。膜ろ過処理された処理水は、処理水配管24を通して処理水槽14へと送られる。
処理対象である被処理水は、例えば、金属、有機物等の懸濁物質等を含む水であり、例えば、河川水、工業用水、地下水、排水等が挙げられる。
被処理水のSSは、例えば、1〜1000mg/Lの範囲であり、TOCは、例えば、0.5〜10mg/Lの範囲であり、金属含有量は、例えば、0.01〜1mg/Lの範囲である。
得られる処理水のSSは、例えば、1mg/L未満であり、TOCは、例えば、0.5〜10mg/Lの範囲であり、金属含有量は、例えば、0.01〜0.1mg/Lの範囲である。
膜ろ過工程における液温度は、特に制限はなく、例えば、0〜30℃の範囲である。粘性等によって膜間差圧が変わるため、運転管理をする際には、膜間差圧を水温で補正することが望ましい。
浸漬膜16としては、被処理水中の懸濁物質等をろ過することができるものであればよく、特に制限はない。浸漬膜16としては、例えば、セラミック製等の無機膜、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製、ポリエーテルサルフォン(PES)製、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製、酢酸セルロース(CA)製、ポリエチレン(PE)製等の有機膜等の平膜等が挙げられる。セラミック製の無機膜は、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ムライト、スピネル、またはこれらの混合物等の無機膜である。浸漬膜16は、親水性が高く、有機物の閉塞物質が付着しにくいこと、薬品洗浄による劣化が有機膜に比べて小さい等の点から、セラミック製の無機膜であることが好ましい。
浸漬槽12内のpHは、例えば、1〜13の範囲に調整すればよい。pHを調製するためのpH調整剤が浸漬槽12に添加されてもよい。塩酸、硫酸等の酸を使用した場合にはpH1〜3、水酸化ナトリウム等のアルカリ等を使用した場合にはpH9〜13に調整することで薬品洗浄の効果が高まる。
<洗浄工程>
ろ過の進行に伴い、浸漬膜16の表面には金属、有機物等の懸濁物質等が堆積し、ろ過抵抗が発生する。この場合、例えば、以下の洗浄方法1〜4のうちの少なくとも1つの方法によって、浸漬膜16の洗浄が行われる(洗浄工程)。なお、下記洗浄方法1〜4において、上記膜ろ過工程で用いた浸漬槽12内で浸漬膜16の洗浄を行っているが、上記膜ろ過工程で用いた浸漬槽12とは別の槽を洗浄工程用の浸漬槽として用いてもよい。
[洗浄方法1]
(1.薬液洗浄工程)
まず、浸漬槽12に薬剤導入配管34を通して洗浄用の薬剤が導入されて薬液が調製され、薬液中で浸漬膜16の浸漬膜の洗浄が行われる(薬液洗浄工程)。所定の時間、浸漬膜16を薬液に浸漬することによって、膜の洗浄が行われる。このとき、浸漬膜16の一次側において金属、有機物等の少なくとも一部は薬液に溶解し、金属、有機物等が溶解した一次側の薬液は、自然拡散により浸漬膜16の二次側へ移動することがある。薬液洗浄工程において、浸漬槽12、薬剤導入配管34が薬液洗浄手段として機能することになる。なお、薬液洗浄工程において、別途調製された薬液が薬剤導入配管34を通して浸漬槽12に導入されてもよい。
薬剤としては、浸漬膜16の洗浄効果を高めることができるものであればよく、特に制限はないが、例えば、シュウ酸、クエン酸、塩酸、硫酸、硝酸等の酸性の薬剤等が挙げられる。
薬液中の洗浄用の薬剤は、例えば、pHが1〜3の範囲となるように添加することが好ましい。薬液を添加した洗浄液中のpHが1未満であると、膜自体や膜周辺部材の劣化を招く場合があり、pHが3を超えると、十分な洗浄効果が得られない場合がある。
(2.逆洗工程)
薬液洗浄工程後、例えば、バルブ30が閉状態、バルブ32が開状態とされ、処理水が逆洗水として処理水槽14からポンプ20により逆洗水配管28、処理水配管24を通して浸漬膜16の二次側から一次側へ通水されて逆洗が行われる(逆洗工程)。この場合、ポンプ20、逆洗水配管28、処理水配管24が逆洗手段として機能することになる。逆洗水として、処理水以外の水を使用してもよい。
(3.加圧工程)
逆洗工程後、例えば、バルブ30、バルブ32が閉状態とされ、気体供給装置38によって気体が気体供給配管40、処理水配管24を通して浸漬膜16の二次側から供給されて浸漬膜16の二次側が加圧されて保持される(加圧工程)。この場合、気体供給装置38、気体供給配管40、処理水配管24が加圧手段として機能することになる。加圧は、例えば、浸漬膜16が浸漬されている水頭圧以上の圧力となるまで行わればよい。加圧の上限は、例えば、100kPaである。加圧は、水頭圧以上、膜の耐久圧力以下に調整することが望ましい。圧力は、例えば圧力測定装置42により測定される。気体としては、例えば、空気等が挙げられる。
これによって、浸漬膜16の二次側に存在する液体は浸漬膜16の一次側へと押し出される。気体は浸漬膜16の細孔をほとんど透過しないため、浸漬膜16の二次側の圧力を保持すれば、浸漬膜16の二次側は気体で満たされた状態を維持することができる。
(4.中和工程)
加圧工程後、浸漬膜16の二次側が気体で満たされた状態で、例えば、浸漬槽12に中和剤導入配管36を通して中和剤が導入されて薬液の中和処理が行われる(中和工程)。この場合、浸漬槽12、中和剤導入配管36が中和手段として機能することになる。
中和剤としては、例えば、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カルシウム溶液等のアルカリ性の薬剤等が挙げられる。中和は、中和後の処理に応じて変えればよいが、例えば、pH5〜8の範囲になるまで行えばよい。
中和処理を確認後、浸漬槽12から洗浄排液が排出配管26を通して排出される。洗浄工程が終了後、膜ろ過工程に戻ればよい。
[洗浄方法2]
(1.薬液洗浄工程)
まず、浸漬槽12に薬剤導入配管34を通して洗浄用の薬剤が導入されて薬液が調製され、薬液中で浸漬膜16の浸漬膜の洗浄が行われる(薬液洗浄工程)。所定の時間、浸漬膜16を薬液に浸漬することによって、膜の洗浄が行われる。このとき、浸漬膜16の一次側において金属、有機物等の少なくとも一部は薬液に溶解し、金属、有機物等が溶解した一次側の薬液は、自然拡散により浸漬膜16の二次側へも移動することがある。薬液洗浄工程において、浸漬槽12、薬剤導入配管34が薬液洗浄手段として機能することになる。なお、薬液洗浄工程において、別途調製された薬液が薬剤導入配管34を通して浸漬槽12に導入されてもよい。
(2.加圧工程)
薬液洗浄工程後、例えば、バルブ30、バルブ32が閉状態とされ、気体供給装置38によって気体が気体供給配管40、処理水配管24を通して浸漬膜16の二次側から供給されて浸漬膜16の二次側が加圧されて保持される(加圧工程)。この場合、気体供給装置38、気体供給配管40、処理水配管24が加圧手段として機能することになる。加圧は、例えば、浸漬膜16が浸漬されている水頭圧以上の圧力となるまで行わればよい。
これによって、浸漬膜16の二次側に存在する液体は浸漬膜16の一次側へと押し出される。気体は浸漬膜16の細孔をほとんど透過しないため、浸漬膜16の二次側の圧力を保持すれば、浸漬膜16の二次側は気体で満たされた状態を維持することができる。
(3.中和工程)
加圧工程後、浸漬膜16の二次側が気体で満たされた状態で、例えば、浸漬槽12に中和剤導入配管36を通して中和剤が導入されて薬液の中和処理が行われる(中和工程)。この場合、浸漬槽12、中和剤導入配管36が中和手段として機能することになる。
中和処理を確認後、浸漬槽12から洗浄排液が排出配管26を通して排出される。洗浄工程が終了後、膜ろ過工程に戻ればよい。
洗浄方法1,2では、薬液洗浄手段による洗浄(薬液洗浄工程)、加圧手段による加圧(加圧工程)、中和手段による中和処理(中和工程)の順に処理が行われる。洗浄方法1では、逆洗手段による逆洗(逆洗工程)が、加圧手段による加圧(中和工程)の前(すなわち、薬液洗浄手段による洗浄(薬液洗浄工程)と加圧手段による加圧(加圧工程)との間)に行われる。浸漬膜16の薬液洗浄として、浸漬槽12にて薬液浸漬洗浄を実施した後、浸漬膜16の二次側を気体で加圧して浸漬膜16の二次側の薬液を一次側に押し出し、浸漬膜16の二次側を気体で満たした状態で中和処理を行う。中和処理の前に浸漬膜16の二次側の液体を一次側に押し出しておくことで、浸漬槽12内が有機物や中和された際に析出する金属等によって浸漬膜16の二次側が汚染されることが抑制される。薬液洗浄後に膜ろ過処理を再開したとき、処理水の汚染が抑制され、浸漬膜16の二次側に残留した薬液をブローする場合に比べて、ブローにより排出される排水量を削減することができる。
[洗浄方法3]
(1.逆洗工程)
まず、例えば、バルブ30が閉状態、バルブ32が開状態とされ、処理水が逆洗水として処理水槽14からポンプ20により逆洗水配管28、処理水配管24を通して浸漬膜16の二次側から一次側へ通水されて逆洗が行われる(逆洗工程)。この場合、ポンプ20、逆洗水配管28、処理水配管24が逆洗手段として機能することになる。この逆洗工程では、主に浸漬膜16の一次側に付着した付着物が剥離される。逆洗水として、処理水以外の水を使用してもよい。
(2.加圧工程)
逆洗工程後、例えば、バルブ30、バルブ32が閉状態とされ、気体供給装置38によって気体が気体供給配管40、処理水配管24を通して浸漬膜16の二次側から供給されて浸漬膜16の二次側が加圧されて保持される(加圧工程)。この場合、気体供給装置38、気体供給配管40、処理水配管24が加圧手段として機能することになる。加圧は、例えば、浸漬膜16が浸漬されている水頭圧以上の圧力となるまで行わればよい。
これによって、浸漬膜16の二次側に存在する液体は浸漬膜16の一次側へと押し出される。気体は浸漬膜16の細孔をほとんど透過しないため、浸漬膜16の二次側の圧力を保持すれば、浸漬膜16の二次側は気体で満たされた状態を維持することができる。
(3.薬液洗浄工程)
加圧工程後、浸漬膜16の二次側が気体で満たされた状態で、浸漬槽12に薬剤導入配管34を通して洗浄用の薬剤が導入されて薬液が調製され、薬液中で浸漬膜16の浸漬膜の洗浄が行われる(薬液洗浄工程)。このとき、浸漬膜16の一次側の薬液は、浸漬膜16の二次側へ移動しにくくなる。所定の時間、浸漬膜16を薬液に浸漬することによって、膜の洗浄が行われる。この場合、浸漬槽12、薬剤導入配管34が薬液洗浄手段として機能することになる。なお、薬液洗浄工程において、別途調製された薬液が薬剤導入配管34を通して浸漬槽12に導入されてもよい。
(4.中和工程)
薬液洗浄工程後、例えば、浸漬槽12に中和剤導入配管36を通して中和剤が導入されて薬液の中和処理が行われる(中和工程)。この場合、浸漬槽12、中和剤導入配管36が中和手段として機能することになる。
中和処理を確認後、浸漬槽12から洗浄排液が排出配管26を通して排出される。洗浄工程が終了後、膜ろ過工程に戻ればよい。
[洗浄方法4]
(1.加圧工程)
まず、例えば、バルブ30、バルブ32が閉状態とされ、気体供給装置38によって気体が気体供給配管40、処理水配管24を通して浸漬膜16の二次側から供給されて浸漬膜16の二次側が加圧されて保持される(加圧工程)。この場合、気体供給装置38、気体供給配管40、処理水配管24が加圧手段として機能することになる。加圧は、例えば、浸漬膜16が浸漬されている水頭圧以上の圧力となるまで行わればよい。
これによって、浸漬膜16の二次側に存在する液体は浸漬膜16の一次側へと押し出される。気体は浸漬膜16の細孔をほとんど透過しないため、浸漬膜16の二次側の圧力を保持すれば、浸漬膜16の二次側は気体で満たされた状態を維持することができる。
(2.薬液洗浄工程)
加圧工程後、浸漬槽12に薬剤導入配管34を通して洗浄用の薬剤が導入されて薬液が調製され、薬液中で浸漬膜16の浸漬膜の洗浄が行われる(薬液洗浄工程)。このとき、浸漬膜16の一次側の薬液は、浸漬膜16の二次側へ移動しにくくなる。所定の時間、浸漬膜16を薬液に浸漬することによって、膜の洗浄が行われる。この場合、浸漬槽12、薬剤導入配管34が薬液洗浄手段として機能することになる。なお、薬液洗浄工程において、別途調製された薬液が薬剤導入配管34を通して浸漬槽12に導入されてもよい。
(3.中和工程)
加圧工程後、浸漬膜16の二次側が気体で満たされた状態で、例えば、浸漬槽12に中和剤導入配管36を通して中和剤が導入されて薬液の中和処理が行われる(中和工程)。この場合、浸漬槽12、中和剤導入配管36が中和手段として機能することになる。
中和処理を確認後、浸漬槽12から洗浄排液が排出配管26を通して排出される。洗浄工程が終了後、膜ろ過工程に戻ればよい。
洗浄方法3,4では、加圧手段による加圧(加圧工程)、薬液洗浄手段による洗浄(薬液洗浄工程)、中和手段による中和処理(中和工程)の順に処理が行われる。洗浄方法3では、逆洗手段による逆洗(逆洗工程)が、加圧手段による加圧(加圧工程)の前に行われる。洗浄方法3,4では、浸漬膜16の二次側を気体で加圧して浸漬膜16の二次側の薬液を一次側に押し出した後、浸漬膜16の二次側を気体で満たした状態で、浸漬膜16の薬液洗浄として、浸漬槽12にて薬液浸漬洗浄を実施する。そして、そのまま浸漬膜16の二次側を気体で満たした状態で中和処理を行う。薬液浸漬洗浄の前に浸漬膜16の二次側を気体で満たした状態にしておくことで、有機物や金属等によって浸漬膜16の二次側が汚染されることが抑制される。薬液洗浄後に膜ろ過処理を再開したとき、処理水の汚染が抑制され、浸漬膜16の二次側に残留した薬液をブローする場合に比べて、ブローにより排出される排水量を削減することができる。
洗浄工程における液温度は、特に制限はなく、例えば、10〜40℃の範囲である。液温度が低すぎると洗浄効果が得られにくい場合がある。液温度を30〜40℃に上げると、洗浄効果は向上するが、液温度が高すぎると、膜の周辺部材の劣化を招いたり、液温度を上げるためのエネルギーコストがかかり、経済性が損なわれる場合がある。
洗浄工程において、薬液洗浄工程と加圧工程が行われればよく、上記洗浄方法1〜4に限られない。中和工程を行い、中和工程よりも前に薬液洗浄工程と加圧工程とが行われることが好ましい。洗浄方法1〜4のうち、膜の2次側の洗浄効果が高い等の点から、洗浄方法1,2が好ましく、洗浄方法1がより好ましい。
洗浄工程は、例えば、所定の時間間隔で実施してもよいし、所定のろ過水量の間隔で実施してもよく、特に制限されるものではない。洗浄工程は、例えば、1回/1日〜1回/週の頻度で実施すればよい。
1 浸漬膜ろ過装置、10 膜ろ過装置、12 浸漬槽、14 処理水槽、16 浸漬膜、18,20 ポンプ、22 被処理水配管、24 処理水配管、26 排出配管、28 逆洗水配管、30,32 バルブ、34 薬剤導入配管、36 中和剤導入配管、38 気体供給装置、40 気体供給配管、42 圧力測定装置。

Claims (10)

  1. 浸漬槽に設置された浸漬膜によって膜ろ過処理を行う膜ろ過装置と、
    前記浸漬槽に薬剤を導入して薬液中で浸漬膜の洗浄を行う薬液洗浄手段と、
    前記浸漬膜の二次側を加圧して保持する加圧手段と、
    を備えることを特徴とする浸漬膜ろ過装置。
  2. 請求項1に記載の浸漬膜ろ過装置であって、
    前記浸漬槽に中和剤を導入して前記薬液の中和処理を行う中和手段をさらに備え、
    前記薬液洗浄手段による洗浄、前記加圧手段による加圧の後に、前記中和手段による中和処理が行われることを特徴とする浸漬膜ろ過装置。
  3. 請求項2に記載の浸漬膜ろ過装置であって、
    前記薬液洗浄手段による洗浄、前記加圧手段による加圧、前記中和手段による中和処理の順に行われることを特徴とする浸漬膜ろ過装置。
  4. 請求項2に記載の浸漬膜ろ過装置であって、
    前記加圧手段による加圧、前記薬液洗浄手段による洗浄、前記中和手段による中和処理の順に行われることを特徴とする浸漬膜ろ過装置。
  5. 請求項3または4に記載の浸漬膜ろ過装置であって、
    前記膜ろ過処理により得られた処理水を、前記浸漬膜の二次側から一次側へ供給して逆洗を行う逆洗手段をさらに備え、
    前記逆洗手段による逆洗が、前記加圧手段による加圧の前に行われることを特徴とする浸漬膜ろ過装置。
  6. 浸漬槽に設置された浸漬膜によって膜ろ過処理を行う膜ろ過工程と、
    前記浸漬槽に薬剤を導入して薬液中で浸漬膜の洗浄を行う薬液洗浄工程と、
    前記浸漬膜の二次側を加圧して保持する加圧工程と、
    を含むことを特徴とする浸漬膜ろ過装置の運転方法。
  7. 請求項6に記載の浸漬膜ろ過装置の運転方法であって、
    前記浸漬槽に中和剤を導入して前記薬液の中和処理を行う中和工程をさらに含み、
    前記薬液洗浄工程、前記加圧工程の後に、前記中和工程を行うことを特徴とする浸漬膜ろ過装置の運転方法。
  8. 請求項7に記載の浸漬膜ろ過装置の運転方法であって、
    前記薬液洗浄工程、前記加圧工程、前記中和工程の順に行うことを特徴とする浸漬膜ろ過装置の運転方法。
  9. 請求項7に記載の浸漬膜ろ過装置の運転方法であって、
    前記加圧工程、前記薬液洗浄工程、前記中和工程の順に行うことを特徴とする浸漬膜ろ過装置の運転方法。
  10. 請求項8または9に記載の浸漬膜ろ過装置の運転方法であって、
    前記膜ろ過処理により得られた処理水を、前記浸漬膜の二次側から一次側へ供給して逆洗を行う逆洗工程をさらに含み、
    前記逆洗工程を、前記加圧工程の前に行うことを特徴とする浸漬膜ろ過装置の運転方法。
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