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JP2007301469A - 水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水処理効率に優れ、物理洗浄による洗浄効果が高く、薬品洗浄の頻度を低減もしくは薬品洗浄を省くことのできる水処理方法を提供すること。
【解決手段】被処理水を膜を用いてろ過する膜ろ過処理工程と、前記膜に逆洗水を流す逆洗工程とを繰り返して行う水処理方法において、少なくとも一部の逆洗工程は、該逆洗工程に先立って、前記被処理水の濁度に対して通常の水質変動を超える高濁度の汚濁水を前記膜でろ過した後、前記逆洗工程を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、河川水、表流水、地下水、伏流水、工業用水、再利用水等に含まれる汚濁物質を分離除去して浄水化する水処理方法に関する。
膜を用いた水処理装置では、被処理水中の懸濁物質や有機物質等が、長時間の運転によって膜の表面に徐々に堆積していき、膜ファウリングが発生する。膜ファウリングが発生すると、膜圧力の上昇や、ろ過流束の低下等が引き起こり、浄水効率が落ち、水処理装置の全体的な運転効率が低下する。そのため水処理装置の運転サイクルでは、所定時間のろ過工程後に、膜を物理洗浄している。
膜の物理洗浄としては、ろ過水等を膜の二次側から一次側へと逆流させる逆流洗浄(以下、逆洗という)、膜の一次側での水流によるフラッシング、空気により膜を振動させるエアースクラビング等があり、物理的な作用によって膜に付着した物質を取り除いている。
しかしながら、逆洗では、ろ過水を用いて洗浄する場合が多いことから、ろ過水の回収率が低下するという問題点があった。また、エアースクラビングは膜の寿命に影響するという問題があった。また、これら物理洗浄を実施しても膜への付着物質を完全に除去することができず、物理洗浄では膜ファウリングの発生を抑制できなくなるので、やがては膜に対して薬品洗浄を実施する必要が生じる。
薬品洗浄は、物理洗浄では除去しきれない物質を薬品によって分解または溶解させて除去する洗浄方法であって、例えば下記特許文献1に開示されているように、膜ろ過処理と、水による逆洗等の物理洗浄等を所定の回数繰り返した後、次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩や、硫酸等の薬品を膜に浸漬注入している。このように、物理洗浄ではろ過性能が回復しきれなくなった膜に薬品洗浄を施すことで、膜のろ過能力をほぼ初期状態まで回復することができる。
しかしながら、薬品洗浄は、薬品コスト、薬品洗浄後の排水処理コスト、膜の劣化等の観点から、できるだけ効率よく実施する必要があり、膜ファウリングの発生をできるだけ抑制することが望まれている。
膜ファウリングの発生を抑制する方法の一つとして、膜表面にあらかじめプレコート層(プリコート層)と呼ばれる層を形成させて、この層の働きによって膜ファウリングを抑制する方法が提案されている。例えば、下記特許文献2には、逆洗後のろ過開始時に、逆洗排水を用いて、該逆洗排水中の凝集粒子を膜表面にコーティングする方法が開示されている。
特開2005−87887号公報 特開2005−118608号公報
膜表面にプレコート層を形成させて被処理水を膜ろ過処理することで、膜ファウリングの発生を抑制できる。
しかしながら、上記特許文献2のように、膜表面に高濃度の逆洗排水粒子をコーティングした状態で膜ろ過処理を行った場合、得られるろ過水は、衛生面の点について課題を有していた。
また、膜表面にプレコート層を形成させることで、ろ過流速が低下する傾向にあり、膜表面にプレコート層を形成しない場合に比べて水処理効率が劣る傾向にあった。
よって、本発明の目的は、水処理効率に優れ、物理洗浄による洗浄効果が高く、薬品洗浄の頻度を低減もしくは薬品洗浄を省くことのできる水処理方法を提供することにある。
上記目的を達成するにあたり、本発明の水処理方法は、被処理水を膜を用いてろ過する膜ろ過処理工程と、前記膜に逆洗水を流す逆洗工程とを繰り返して行う水処理方法において、少なくとも一部の逆洗工程は、該逆洗工程に先立って、前記被処理水の濁度に対して通常の水質変動を超える高濁度の汚濁水を前記膜でろ過した後、前記逆洗工程を行うようにしたことを特徴とする。
膜を逆洗する前に、被処理水の濁度に対して通常の水質変動を超える高濁度の汚濁水をろ過することで、膜表面に汚濁物質が堆積していき、該汚濁物質によって堆積層が形成される。そして、この堆積層が形成された状態で逆洗することで、通常の逆洗では除去できず、膜内部に堆積していくような汚濁物質を除去することができ、膜ファウリングの発生を長期にわたって抑制できる。
これは、膜の一次側に堆積層が形成された状態で逆洗を行うことで、膜面にかかる抵抗が大きくなり、洗浄強度の分布が均一になる。また、膜に捕捉された汚濁物質は、逆洗によって圧縮されて、剥離しやすい形態へと変化する。そして、この圧縮された汚濁物質が膜内を流通する際に、膜に捕捉された汚濁物質を削り取るような形で通過していくためであると推測できる。
本発明の水処理方法において、前記汚濁水が、前記逆洗工程で排出された逆洗排水、又は凝集沈殿汚泥を含有させた水であることが好ましい。
また、本発明の水処理方法において、少なくとも一部の逆洗工程の後に、薬液洗浄工程、エアースクラビング工程及びフラッシング工程から選ばれた処理工程を行うことが好ましい。
また、本発明の水処理方法において、前記薬液洗浄工程は、ろ過水に薬品を添加混合して逆洗し、膜を該薬品の添加水に所定時間浸漬させた後、膜の一次側から取出して排水する処理からなることが好ましい。
本発明の水処理方法によれば、逆洗による膜の洗浄効果が高いので、物理洗浄によって膜の一次側と二次側の膜差圧の上昇を効率的に抑制でき、薬品洗浄を行わなくても、安定した水処理を長期にわたって継続することができる。このため、薬品洗浄の頻度や、薬品洗浄に用いる薬品濃度を低下することが可能となり、水処理工程全体のランニングコストの低下および膜の長寿命化が図れる。
本発明での被処理水としては、不溶解性有機物を含む水であればどのような水でも使用でき、具体的には河川水、湖沼水、下水、工場廃水等が好ましい。
以下、本発明について図面を用いて更に詳細に説明する。図1には、本発明の水処理方法に用いることができる水処理装置の一実施形態の概略構成図が示されている。
まず、図1の水処理装置について説明すると、この水処理装置は、水処理の対象となる被処理水(以下、原水とする)を貯留する供給水タンク10と、原水中の汚濁物質を捕捉してろ過水を得る膜モジュール20と、原水の濁度に対して通常の水質変動を超える高濁度の汚濁水(以下、高濁度汚濁水とする)を貯留する高濁度汚水貯留槽30と、ろ過水を貯留する貯水槽40とで主に構成されている。
供給水タンク10は、膜供給水バルブ11と、運転ポンプ12と、膜入口バルブ13とを配置された配管1を介して膜モジュール20の一次側20aに連結している。
膜モジュール20に用いる膜は、一般的なろ過膜であれば全て使用でき、精密ろ過膜(MF膜)、限外ろ過膜(UF膜)、ナノろ過膜(NF膜)等が挙げられる。また、膜モジュール20の形態としては、特に限定は無く、中空糸膜モジュール、平膜型モジュール、スパイラル型モジュール、管型モジュール等が使用可能である。
膜供給水バルブ11と、運転ポンプ12とを連結する配管の一部は分岐しており、高濁度汚水供給バルブ31を介して高濁度汚水貯留槽30に接続している。
膜モジュール20の原水の流入側である一次側20aには、図示しない逆洗排水排出口が設けられており、逆洗排水排出バルブ21の配置された配管2から、逆洗排水を膜モジュール20の系外に排出できるように構成されている。また、膜モジュール20のろ過水の流出側である二次側20bは、膜出口バルブ22の配置された配管3を介して、貯水槽40に連結している。
貯水槽40の上部には、図示しないろ液排出口が設けられており、ろ液の一部を配管4から、貯水槽40の系外に排出できる。また、貯水槽40の下部は、逆洗水供給ポンプ41と、逆洗水供給バルブ42とを配置された配管5を介して配管3に接続している。
次に、この水処理装置を用いた本発明の水処理方法について説明する。
まず、供給水タンク10に流入した原水を、運転ポンプ12を稼動させ、膜供給水バルブ11、膜入口バルブ13及び膜出口バルブ22を開とし、それ以外のバルブは閉とし、膜モジュール20の一次側20aへと通水して、膜ろ過を行いろ過水を得る膜ろ過処理工程を行う。膜モジュール20で膜ろ過処理されたろ過水は、貯水槽40へと貯留された後、大部分は配管4から引き抜かれて次工程へと通水し、貯留されたろ過水の一部は、膜モジュール20の洗浄を行うための逆洗水として使用する。
上記膜ろ過処理工程を所定時間行った後、運転ポンプ12の稼動を停止し、膜供給水バルブ11、膜入口バルブ13及び膜出口バルブ22を閉とし、逆洗排水排出バルブ21及び逆洗水供給バルブ42を開とし、逆洗水供給ポンプ41を稼動させて、貯水槽40に貯留されたろ過水を膜モジュール20の二次側20bから一次側20aへと通水する逆洗工程を行う。そして、一次側20aへと通水された逆洗排水は、配管2から系外に排水する。なお、特に図示していないが、上記逆洗工程の後に、膜モジュール20の一次側20a及び/又は二次側20bに、エアーコンプレッサー等を用いて圧縮空気を供給してエアースクラビング処理を更に行ってもよく、また、原水を膜面へと通水するフラッシング処理を更に行ってもよい。エアースクラビング処理やフラッシング処理を行うことで、逆洗では除去しきれなかった汚濁物質が除去できる。
上記膜ろ過処理工程と逆洗工程とを繰り返して水処理を行うと、逆洗工程では除去しきれなかった汚濁物質が徐々に膜表面あるいは膜内部に堆積していく。本発明においては、膜差圧が所定値を越えたとき、あるいは、上記膜ろ過処理工程と逆洗工程とのサイクルが、設定した所定の回数を超えた時、膜ろ過処理工程の後、以下の処理を行う。
すなわち、上記膜ろ過処理工程を終えた後、膜供給水バルブ11を閉とし、高濁度汚水供給バルブ31を開として、膜モジュール20の一次側20aに高濁度汚濁水を供給する。高濁度汚濁水は、膜表面の汚濁堆積量が、原水の膜ろ過処理工程で膜モジュール20の一次側20aの膜面上に堆積した汚濁堆積量の5倍以上となるように通水することが好ましい。また、汚濁物質の密度などにもよるが、膜表面の汚濁堆積量がトータルで0.1〜10g/mとなるように通水することが好ましく、1〜5g/mがより好ましい。
高濁度汚濁水の通水時間、通水速度は、膜面への濁質堆積量に応じて適宜調整し、特に限定はしない。高濁度汚濁水の通水時間は、水処理の処理効率の観点から考慮すると短いことが好ましく、通常のろ過工程に引き続いて数分間実施することがより好ましい。また、ろ過流束は、通常のろ過流束と同じが好ましい。
高濁度汚濁水としては、処理時間を短くするために、ポンプや配管などに問題ないレベルにおいてできるだけ高濁度であることが好ましい。しかしながら高濁度原水が得られない場合や処理時間を気にしない場合などは、通常のろ過工程において供給水だけ変更しても問題ない。
高濁度汚濁水の具体例としては、逆洗排水や、原水及び/又は逆洗排水に、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化第二鉄(FeCl)、硫酸バンド、ポリ硫酸第二鉄、重合珪酸―鉄塩(PSI)、ポリアクリルアミド系高分子、カチオン系高分子、アルギン酸ナトリウム等の凝集剤を注入して凝集処理することにより得られるマイクロフロック、凝集フロック等もしくはそれら混合物からなる凝集粒子を含む凝集沈殿汚泥等が挙げられる。
そして、膜モジュール20に高濁度汚濁水を供給し、膜モジュール20の一次側20aの膜面上に所定量の汚濁物質を堆積させた後、運転ポンプ12を停止し、高濁度汚水供給バルブ31及び膜入口バルブ13を閉とし、逆洗排水排出バルブ21及び逆洗水供給バルブ42を開とし、逆洗水供給ポンプ41を稼動させて、上記逆洗工程を行い、そして、上記膜ろ過処理工程と逆洗工程とを繰り返す一連のサイクルを行う。
このように、逆洗工程を行う前に、膜モジュール20の一次側20aの膜面上に、所定量の汚濁物質を堆積させることで、膜全体を剥がすようにして効率よく逆洗することができ、通常の逆洗では除去できず、膜内部に堆積していくような汚濁物質も効率よく除去することができる。
これは、膜の一次側20aに堆積層が形成された状態で逆洗を行うことで、膜面にかかる抵抗が大きくなり、洗浄強度の分布が均一になる。また、膜に捕捉された汚質は、逆洗によって圧縮されて、剥離しやすい形態へと変化する。そして、この圧縮された汚質が膜内を流通する際に、膜に捕捉された汚質を削り取るような形で通過していくためであると推測できる。
図2には、本発明の水処理方法に用いることができる水処理装置の他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には、同符号を付してその説明を省略することとする。
前記図1に示した実施形態による処理装置との変更点は、(1)膜モジュール20の一次側20aに設けられた逆洗排水口から伸びた配管2の一部が分岐し、逆洗排水回収バルブ23を介して高濁度汚水貯留槽30に接続している点、(2)逆洗水供給ポンプ41と逆洗水供給バルブ42とを連結する配管の一部が分岐し、薬品注入バルブ52と薬品注入ポンプ51とを介して薬品タンク50に連結している点である。
次にこの水処理装置を用いた水処理方法について説明する。なお、基本的な工程は前記実施形態と同様であり、異なる点について詳述する。
供給水タンク10に流入した原水を、膜モジュール20の一次側20aへと通水し、原水中の汚濁物質を膜で捕捉させてろ過水を得る膜ろ過処理工程を行う。
上記膜ろ過処理工程を所定時間行った後、貯水槽40のろ過水(逆洗水)を膜モジュール20へ供給し、膜モジュール20の逆洗工程を行う。そして、一次側20aへと通水された逆洗排水は、配管2から系外に排水する。
上記膜ろ過処理工程と逆洗工程とを、繰り返して水処理を行い、膜差圧が所定値を越えたとき、あるいは、上記膜ろ過処理工程と逆洗工程とのサイクルが、設定した所定の回数を超えた時、膜ろ過処理工程の後、膜モジュール20に高濁度汚濁水を供給し、膜モジュール20の一次側20aの膜面上に、高濁度汚濁水による堆積層を形成させる。
そして、膜モジュール20に高濁度汚濁水を供給し、膜モジュール20の一次側20aの膜面上に所定量の堆積層を形成させた後、逆洗工程を行うが、この実施形態においては、高濁度汚濁水をろ過した直後の逆洗工程で排出される逆洗排水を高濁度汚水貯留槽30へと供給し再利用する。すなわち、高濁度汚濁水をろ過した直後の逆洗工程では、逆洗排水排出バルブ21を閉とし、逆洗排水回収バルブ23を開として逆洗工程を行う。
高濁度汚濁水をろ過した直後の逆洗工程で排出される逆洗排水は、通常の逆洗排水よりも汚濁濃度が高く、特に凝集剤等を添加して凝集処理を行わなくても、高濁度汚濁水として再利用することができる。このため、この実施形態によれば、凝集剤の使用量を低減することができる。また、逆洗排水を再利用することで、ろ過水の回収率を向上させることができる。
そして、上記逆洗工程を終えた後、薬品注入バルブ52及び逆洗水供給バルブ42を開とし、膜入口バルブ13、逆洗排水排出バルブ21、及び逆洗排水回収バルブ23を閉とし、薬品注入ポンプ51を稼動させて、膜モジュール20の二次側20bに薬品を供給し薬品洗浄工程を行う。
薬品としては、次亜塩素酸、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸、クエン酸、シュウ酸等の有機酸、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤、過酸化水素のような還元剤、水酸化ナトリウムのようなアルカリ剤を単独または併用して用いることができる。なかでも、浄水場において一般的に使用されているという理由から硫酸および次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
薬品濃度および浸漬時間は、ろ過条件とその目詰まり具合によって適宜調整する必要がある。薬品濃度および浸漬時間が足りない場合は洗浄が不十分となり膜差圧が上昇してしまうこととなり、逆に薬品濃度および浸漬時間が十分すぎる場合は膜への損傷が問題となる。このことから、薬品濃度としては30〜500mg/Lが好ましく、50〜300mg/Lがより好ましい。また浸漬時間としては5〜60分が好ましく、10〜30分がより好ましい。
所定時間浸漬させた後、逆洗水供給バルブ42を開とし、逆洗水供給ポンプ41を稼動させて、膜モジュール20の二次側20bにろ過水を供給して、膜モジュール20にリンス処理を行う。そして、薬品洗浄排水は、逆洗排水排出バルブ21から系外に排出して、中和処理等の処理を行う。
上記薬品洗浄工程を終えた後、原水を膜ろ過処理してろ過水を得る上記膜ろ過工程へと戻り、膜ろ過工程と逆洗工程とを繰り返して水処理を行う。
この実施形態によれば、逆洗工程の後に、薬品洗浄を行うようにしたので、膜のろ過能力をほぼ初期状態まで回復することができる。また、上述のように、本発明によれば、逆洗による膜の洗浄効果が高いので、薬品洗浄の頻度や、薬品洗浄に用いる薬品濃度を低下することができる。
(実施例1)
図1に示す水処理装置を用いて水処理を行った。膜は、膜面積0.04mの膜モジュールを用いた。被処理水は人工原水(濁度1度、TOC3mg/L)を用いた。高濁度汚濁水は、別途、浄水場にて入手した凝集沈殿汚泥を濁度30度となるように人工原水に混合して用いた。
運転条件は、被処理水の膜ろ過流速2.5m/d、被処理水のろ過時間30min、逆洗流速6.6m/dとした。そして、46回目のろ過工程を終えた後、高濁度汚濁水を通常のろ過工程と同じ条件(ろ過流速2.5m/d、ろ過時間30min)にて膜へ通液させ、次いで、逆洗(逆洗流速6.6m/d、逆洗時間1min)した後、再度上記運転条件で水処理を行った。なお、高濁度汚濁水を膜へ通液させる間隔は、23.8hr毎/1回であった。
(比較例1)
図1に示す水処理装置を用いて水処理を行った。膜は膜面積0.04mの膜モジュールを用いた。被処理水は人工原水(濁度1度、TOC3mg/L)を用いた。
運転条件は、被処理水の膜ろ過流速2.5m/d、被処理水のろ過時間30min、逆洗流速6.6m/dとした。
実施例1、比較例1の運転条件で水処理を30日間行い、膜の膜差圧変化を測定した。結果を表1にまとめて記す。
上記結果より、比較例1の運転条件では、経時で膜差圧が上昇する傾向にあり、水処理開始30日後には、膜差圧が35kPaとなった。これに対し、実施例1の運転条件では、運転初期に膜差圧の増加は見られたが、その後は膜差圧の増加を抑制することができ、水処理開始30日後における膜差圧は26kPaであった。
(実施例2)
図2に示す水処理装置を用いて水処理を行った。膜は膜面積0.04mの膜モジュールを用いた。被処理水は人工原水(濁度1度、TOC3mg/L)を用いた。薬品洗浄液は次亜塩素酸ナトリウム(薬品濃度150mg/ml)を用いた。高濁度汚濁水は逆洗排水(濁度600度)を用いた。
運転条件は、被処理水の膜ろ過流速2.5m/d、被処理水のろ過時間30min、逆洗流速6.6m/d、逆洗時間1minとした。そして、46回目のろ過工程を終えた後、高濁度汚濁水を膜へ通液(ろ過流速2.5m/d、ろ過時間3min)させ、次いで、逆洗(逆洗流速6.6m/d、逆洗時間1min)する操作を3回連続して行い、その後、薬品洗浄(薬品浸漬時間20min)を行ったのち、再度上記運転条件で水処理を行った。なお、薬品洗浄の間隔は、24hr毎/1回であった。
(比較例2)
図2に示す水処理装置を用いて水処理を行った。膜は膜面積0.04mの膜モジュールを用いた。被処理水は人工原水(濁度1度、TOC3mg/L)を用いた。薬品洗浄液は次亜塩素酸ナトリウム(薬品濃度300mg/ml)を用いた。
運転条件は、被処理水の膜ろ過流速2.5m/d、被処理水のろ過時間30min、逆洗流速6.6m/d、逆洗時間1minとした。そして、46回目のろ過工程を終えた後、薬品洗浄(薬品浸漬時間20min)を行い、その後再度上記運転条件で水処理を行った。なお、薬品洗浄の間隔は、24hr毎/1回であった。
実施例2、比較例2の運転条件で水処理を30日間行い、膜の膜差圧変化を測定した。結果を表2にまとめて記す。
上記結果より、実施例2では、比較例2に比べ薬品洗浄に用いる次亜塩素酸ナトリウム注入量を1/2に減少したにもかかわらず、比較例2と同等の洗浄効果が得られ、安定した運転状態を維持することができた。このことより、本発明によれば、薬品洗浄に用いる薬品の濃度や頻度を低減することができる。
本発明の水処理方法に用いることのできる水処理装置の一実施形態である。 本発明の水処理方法に用いることができる水処理装置の他の実施形態である。
符号の説明
1〜5:配管
10:供給水タンク
11:膜供給水バルブ
12:運転ポンプ
13:膜入口バルブ
20:膜モジュール
21:逆洗排水排出バルブ
22:膜出口バルブ
23:逆洗排水回収バルブ
30:高濁度汚水貯留槽
31:高濁度汚水供給バルブ
40:貯水槽
41:逆洗水供給ポンプ
42:逆洗水供給バルブ
50:薬品タンク
51:薬品注入ポンプ
52:薬品注入バルブ

Claims (4)

  1. 被処理水を膜を用いてろ過する膜ろ過処理工程と、前記膜に逆洗水を流す逆洗工程とを繰り返して行う水処理方法において、少なくとも一部の逆洗工程は、該逆洗工程に先立って、前記被処理水の濁度に対して通常の水質変動を超える高濁度の汚濁水を前記膜でろ過した後、前記逆洗工程を行うようにしたことを特徴とする水処理方法。
  2. 前記汚濁水が、前記逆洗工程で排出された逆洗排水、又は凝集沈殿汚泥を含有させた水である、請求項1に記載の水処理方法。
  3. 少なくとも一部の逆洗工程の後に、薬液洗浄工程、エアースクラビング工程及びフラッシング工程から選ばれた処理工程を行う、請求項1又は2に記載の水処理方法。
  4. 前記薬液洗浄工程は、ろ過水に薬品を添加混合して逆洗し、膜を該薬品の添加水に所定時間浸漬させた後、膜の一次側から取出して排水する処理からなる請求項3記載の水処理方法。
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