JP2020053623A - パワーユニット、パワーユニットの製造方法及びパワーユニットを有する電気装置 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載の発明にあっては、ヒートシンクのモジュール搭載面に凹部を設け、絶縁放熱シート又は放熱グリスを介して発熱部品であるパワー半導体スイッチング素子を当該凹部に配置する。
パワー半導体スイッチング素子の配置部に凹部が設けられることによって、半導体チップ(スイッチング素子)をヒートシンクの放熱面に近づけることができ、当該放熱面への熱伝導性が良好になる。
また一般に、ヒートシンクに設けた凹部に半導体チップやその実装基板を配置した場合、その後に半導体チップや電気回路の樹脂封止を行う必要がある。この場合、封止樹脂を硬化させるための熱処理により、ヒートシンクが加熱されることとなる。モジュール搭載用の凹部を設けることによって薄肉化したヒートシンクが加熱により変形するおそれがあり、製造精度が劣化するおそれがある。
前記ヒートシンクは、凹部を有し、前記凹部の底面に前記金属板の前記一面が熱的及び機械的に接続され、前記パワー半導体スイッチング素子からの熱が前記金属板を介して前記ヒートシンクに伝導するようにされている。
本パワーユニット1は、パワーモジュール10と、ヒートシンク20とを備える。
パワーモジュール10は、樹脂封止型のパッケージでモジュール化されたものである。パワーモジュール10の斜視図を図2、図3に示す。
パワーモジュール10は、封止樹脂11と、封止樹脂11に一面である下面12aを露出させた金属板12と、金属板12の下面12aの反対面である上面12b側に設置され、パワー半導体スイッチング素子13を含み、封止樹脂11に封止された回路部14と、回路部14の電極を外部に取り出し、内端部が封止樹脂11に封止された電極端子15とを有する。
例えば、パワーモジュール10は、導体パターンを表裏に有した回路基板の上面にパワー半導体スイッチング素子13及び電極端子15を実装し、必要な配線接続をボンディングワイヤ等で行って回路部14を構成し、回路基板の下面の導体ベタパターンを金属板12の上面12bにはんだ等の熱伝導性接合剤により接合して構成される。金属板12の上面12bにセラミック等による絶縁層を形成し、その上にパワー半導体スイッチング素子13等を接続する導体パターンを形成してもよい。
その後、封止樹脂11による樹脂封止工程を実施する。
封止樹脂11は、金属板12の下面12a以外の面、パワー半導体スイッチング素子13を含む回路部14、電極端子15の内端部を覆い、封止する。
凹部21の底面21aに金属板12の下面12aがはんだ等の熱伝導性接合剤30により接合されることで、熱的及び機械的に接続されている。
以上により、パワー半導体スイッチング素子13からの熱が金属板12を介してヒートシンクに伝導するようにされている。
図4に示すようにパワーユニット1は、パワーモジュール10を複数備え、ヒートシンク20には、凹部21が複数設けられる。本実施形態ではパワーモジュール10及び凹部21が3ずつである。パワーユニット1は、一の凹部21に対して一のパワーモジュール10がそれぞれ、図1に示した接合構造で配設されたものである。
ヒートシンク20の下面にジャケット31が、放熱突起22を内部に収めるようにパッキン33で周囲を水密されて取り付けられ、冷媒液が流通する流路空間32が形成される。図7に示すように、ヒートシンク20は、ジャケット31との間でパッキン33を圧着状態で固定するボルトを挿通する複数の取付孔23、及びパッキン33の取付部を有する。複数の取付孔23とパッキン33の取付部は、凹部21の周囲の厚みのある部分とされ、パッキン33、ジャケット31の取り付けによるヒートシンク20の変形は避けられる。
パワーモジュール10の製造工程を実施しパワーモジュール10を完成させる。そのパワーモジュール10の製造工程の中に、樹脂封止工程が含まれる。樹脂封止工程では、パワーモジュール10のうち封止樹脂11以外の構成による組立体を成形型に設置し、成形型に樹脂を充填するなどの方法により同組立体の封止箇所を樹脂で覆うとともに、成形型の成形面で封止樹脂11の外面を成形し、封止樹脂11を硬化させるための熱処理を実行する。
上記のような凹部21を有したヒートシンク20を別途、準備しておく。
以上のように樹脂封止工程を実施した後、ヒートシンク20の凹部21にパワーモジュール10を配置し、凹部21の底面21aに金属板12の下面12aを接合するモジュール実装工程を実施する。
以上の実施形態の製造方法によれば、凹部21による薄肉部を有するヒートシンク20を、パワーモジュール10の樹脂封止工程時の加熱により変形させることが避けられ、パワーユニット1の製造精度を向上することができる。
パワー半導体スイッチング素子13は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、サイリスタなどが適用されるがこれらに限定されるものではない。
3つのパワーモジュールを組み込んだ1つのパワーユニットを開示したが、1つのパワーユニットへのパワーモジュールの組込み数は、1つでもよいし、3つ以外の複数でもよい。
また、ヒートシンクに放熱突起を設けること、液冷式にすること等は任意である。
本開示に記載のパワーユニット1は、電気自動車等の種々の電気装置に用いられてもよい。
10 パワーモジュール
11 封止樹脂
12 金属板
12a 下面
13 パワー半導体スイッチング素子
14 回路部
15 電極端子
20 ヒートシンク
21 凹部
Claims (5)
- パワーモジュールと、ヒートシンクとを備えるパワーユニットであって、
前記パワーモジュールは、
封止樹脂と、
前記封止樹脂に一面を露出させた金属板と、
前記金属板の前記一面の反対面側に設置され、パワー半導体スイッチング素子を含み、前記封止樹脂に封止された回路部と、
前記回路部の電極を外部に取り出し、内端部が前記封止樹脂に封止された電極端子と
を有し、
前記ヒートシンクは、凹部を有し、
前記凹部の底面に前記金属板の前記一面が熱的及び機械的に接続され、前記パワー半導体スイッチング素子からの熱が前記金属板を介して前記ヒートシンクに伝導するようにされたパワーユニット。 - 前記金属板が露出する面に隣接する前記封止樹脂の側面が、前記ヒートシンクから離れている請求項1に記載のパワーユニット。
- 前記パワーモジュールを複数備え、
前記ヒートシンクには、前記凹部が複数設けられ、
一の前記凹部に対して一の前記パワーモジュールが配設された請求項1又は請求項2に記載のパワーユニット。 - 請求項1から請求項3のうちいずれか一に記載のパワーユニットの製造方法であって、
前記パワーモジュールの前記封止樹脂を硬化させるための熱処理を含めた樹脂封止工程を実施した後、
前記ヒートシンクの前記凹部に前記パワーモジュールを配置し、前記凹部の底面に前記金属板の前記一面を接合するモジュール実装工程を実施するパワーユニットの製造方法。 - 請求項1から請求項3のいずれか一に記載のパワーユニットを有する、
電気装置。
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